JP3447345B2 - 冷凍冷蔵ショーケースの運転用コントローラ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷凍冷蔵ショーケース
に装備した運転用コントローラの構成，およびその取付
け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】冷凍冷蔵ショーケースには、庫内温度セ
ンサ，除霜温度センサ，外気温度センサなどからの信号
を取り込んで庫内温度調節，除霜制御を行う運転用コン
トローラを装備している。また、昨今でのショーケース
では、運転用コントローラとして電子式コントローラが
一般に採用されている。この電子式コントローラはマイ
コン制御部を中核として、これに前記の温度センサ，庫
内温度，除霜タイム，除霜終了温度などの設定値を入力
する操作部，およびその入力データ，保冷中の庫内温度
をディジタル表示する液晶ディスプレイ式の表示部など
を組合わせたものであり、従来の構成では温度センサを
除く各構成要素をコントローラに全て組み込んだ一体形
として組立構成されている。そして、この運転用コント
ローラはショーケースの前面上部に設けたキャノピー部
と呼ばれる天蓋状の照明器具取付け部に格納し、前記の
操作部，表示部がキャノピー部の前面化粧板に開口した
透視窓に臨むように設置されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、冷凍冷蔵シ
ョーケースは種類によってキャノピー部の形状，大きさ
が異なる。このために、前記のような一体形の運転用コ
ントローラでは、コントローラをキャノピー部に格納す
る場合にショーケースの機種によってはスペース面で制
約を受けてコントローラを所望の位置に設置できない場
合がある。

【０００４】また、庫内温度，除霜温度，高温警報，低
温警報の設定値などは、ショーケースの現地据付け後に
ユーザ側で随時入力変更できるようにその設定スイッチ
をコントローラの前面操作パネルに取付けてあるが、サ
ーモ運転制御により冷凍機の運転をＯＮ／ＯＦＦ制御す
る場合のサーモスタットのデファレンシャル（ＯＮ−Ｏ
ＦＦ幅）設定は、前記操作部の設定スイッチとは別個
に、コントローラのケース側面に備えたディップスイッ
チで行うようにしており、通常は標準設定値に設定して
工場出荷するようにしている。このために、ショーケー
スを現地据付け後に前記サーモスタットのデファレンシ
ャル設定値を変更する必要が生じた場合には、コントロ
ーラを覆っているキャノピー部の化粧パネルを外した上
で、コントローラ本体に組み込んだディップスイッチを
操作して対処しているのが現状である。

【０００５】本発明は上記の点にかんがみなされたもの
であり、その目的は前記課題を解決し、ショーケースの
キャノピー部に組み込む際の設置自由度を高め、併せて
運転制御の各種設定値入力，変更がショーケースの前面
から簡単に行えるようにしたサービス性に優れた冷凍冷
蔵ショーケースの運転用コントローラを提供することに
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の運転用コントローラは、コントローラ本体
と、前面パネル部に入力設定器, データ表示ディスプレ
イを備えた操作・表示部とに分離して両者間を信号ケー
ブルで相互接続するとともに、コントローラ本体をケー
ス本体の内部に格納し、操作・表示部を前面化粧板に嵌
め込んで設置するものとする。

【０００７】また、前記構成の実施態様として、操作・
表示部をキャノピー部の前面化粧板に開口した取付け窓
へ着脱可能に設置するとともに、キャノピー部内に格納
したコントローラ本体に装備した調節スイッチが前記取
付け窓の後方に臨むような位置に配置した構成がある。

【０００８】

【作用】上記の構成によれば、取付けスペースの制約か
らコントローラ本体と操作・表示部とを一括して同じ場
所に装備することが困難である場合でも、コントローラ
本体と操作・表示部とが別な部品として作られているの
で、コントローラ本体を操作・表示部と離して組み込む
ことが可能であり、それだけ設置面での自由度が増す。

【０００９】さらに、操作・表示部をキャノピー部の前
面化粧板に開口した取付け窓へ着脱可能に設置するとと
もに、キャノピー部内に格納したコントローラ本体に装
備の調節スイッチ（サーモスタットのデファレンシャル
設定用のディップスイッチ）が前記取付け窓の後方に臨
むような位置に配置することで、ショーケースの現地据
付け後にデファレンシャル設定値を変更する必要が生じ
た場合でも、キャノピー部の前面化粧板から操作・表示
部を取り外すだけで、化粧板に開口した取付け窓より手
を入れてコントローラ本体の調節スイッチを簡単に切換
え操作することができて便利である。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。まず、図１（ａ）において、１は多段形オープン
ショーケースのケース本体、２は庫内の商品陳列棚、３
は冷気循環ダクト４の中に設置した冷却器（冷凍機のエ
バポレータ）、３ａは冷却器３の除霜ヒータ、５は冷気
送風ファン、６はケース本体１の前面上部に設けたキャ
ノピー部、７はキャノピー部の下面側に取付けた照明
灯、８はキャノピー部６に組み込んで設置した運転用コ
ントローラである。ここで、運転用コントローラ８は図
１（ｂ）で示すようにマイコン制御部を内蔵したコント
ローラ本体９と、コントローラ本体９から分離して独立
した操作・表示部１０と、温度センサ（サーミスタ）１
１とからなり、操作・表示部１０は信号ケーブル１２，
ケーブルコネクタ（ロック爪付きコネクタ）１２ａを介
してコントローラ本体９の端子９ａに接続され、温度セ
ンサ１１はそのリード線１１ａがコネクタ１１ｂを介し
てコントローラ本体の入力端子９ｂに接続されている。
なお、９ｃはコントローラ本体９に組み込まれたサーモ
スタットのデファレンシャル設定用ディップスイッチで
あり、コントローラ本体９の側面に装備されている。

【００１１】また、前記の温度センサ１１としては、
（ａ）図で示すような各位置に庫内温度センサ１１Ａ，
温調用温度センサ１１Ｂ，除霜温度センサ１１Ｃ，外気
温度センサ１１Ｄの感温部（サーミスタ）を配置してコ
ントローラ本体９に接続されている。この場合に、各温
度センサの配線ミス防止，配線作業の簡便化を図る対策
として、温度センサのリード線（被覆線）の被覆を色分
けした上で、同色の入力端子へ接続するようにしてい
る。

【００１２】そして、前記のコントローラ本体９をキャ
ノピー部６の内部に格納し、操作・表示部１０は図２
（ａ),（ｂ）で示すようにキャノピー部６の前面化粧板
６ａに開口した取付け窓６ｂに前方より嵌め込み、左右
両端に設けた係止爪１０ａを介して窓枠に固定されてい
る。この場合に、コントローラ本体９は、図２（ｂ）で
示すように本体側面に備えた先記のディップスイッチ９
ｃが前記取付け窓６ｂに臨むような位置に位置決めして
配備されている。

【００１３】また、図１（ｂ）に戻って操作・表示部１
０の前面パネル上には、入力設定器１３、庫内温度，設
定値などの各種データをディジタル表示する液晶式のデ
ィスプレイ１４、除霜ランプ１５（除霜時に点灯）など
を装備しており、その配列を図３（ａ）に示す。なお、
入力設定器１３は制御項目の切換スイッチ１３ａと、制
御項目の表示灯１３ｂと、各制御項目の設定値を変更す
る送りスイッチ１３ｃ，戻りスイッチ１３ｄからなる。

【００１４】さらに、操作・表示部１０にはその前面を
覆うように開閉蓋１６を備えている。この開閉蓋１６は
図３（ｂ）で表すように、前記のディスプレイ１４，除
霜ランプ１５の前面部を透視面１６ａ、残りの面域を不
透明な面１６ｂとし、開閉蓋１６を閉じた状態でディス
プレイ１４の表示内容，および除霜ランプの点灯状態が
ショーケースの前面から目視できるようにしている。な
お、開閉蓋１６の裏面に野菜，精肉，魚類，冷凍食品な
どの用途別にその庫内温度設定値などを表示した一覧表
を貼付けておけば、この一覧表を参照して設定値変更作
業を簡単に行うことができて便利である。

【００１５】かかる構成で、ショーケースの通常運転時
には操作・表示部１０の開閉蓋１６が閉じており、この
状態で開閉蓋１６の透視面１６ａを通してディスプレイ
１４に表示されている庫内温度をショーケースの前方か
ら目視確認できる。一方、季節などにより庫内温度設定
値などを変更する際には、開閉蓋１６を開いた上で前方
から入力設定器１３を操作して必要な制御項目の設定値
を変更する。また、温度センサ１１のディファレンシャ
ルを変更する必要のある場合には、ドライバなどの治具
を使用して図２（ｂ）のように操作・表示部１０をキャ
ノピー部６の前面化粧板６ａから前方に引外し、前面化
粧板６ａの取付け窓６ｂに指先を差し入れてコントロー
ラ本体９のディップスイッチ９ｃを操作することができ
る。

【００１６】なお、図４は運転用コントローラの機能を
表した入出力構成図である。

【００１７】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成よれ
ば、ショーケースへの運転用コントローラの組み込み，
並びにショーケースのロケーション先で行う運転調整面
で次記のような効果が得られる。 （１）請求項１の構成によれば、運転用コントローラを
コントローラ本体と、前面パネル部に入力設定器, デー
タ表示ディスプレイを備えた操作・表示部とに分離して
両者間を信号ケーブルで相互接続するとともに、コント
ローラ本体をケース本体の内部に格納し、操作・表示部
を前面化粧板に嵌め込んで設置したので、組み込みスペ
ース面での制約を殆ど受けることなく各種のショーケー
スに対し簡単に組み込むことができる。

【００１８】（２）請求項２の構成によれば、操作・表
示部をキャノピー部の前面化粧板に開口した取付け窓へ
着脱可能に設置するとともに、キャノピー部内に格納し
たコントローラ本体に装備した調節スイッチ（温度セン
サのディファレンシャル調整用スイッチ）が前記取付け
窓の後方に臨むような位置に配置したので、必要時には
操作・表示部をキャノピー部の前面化粧板から取り外す
だけで、化粧板に開口した取付け窓を通してコントロー
ラ本体の調節スイッチを簡単に調整できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の構成図であり、（ａ）はショー
ケースに組み込んだ運転用コントローラの配置図、
（ｂ）は運転コントローラの構成斜視図

【図２】図１におけるコントローラの操作・表示部のキ
ャノピー部への組込構造を表す図であり、（ａ）は取付
け状態図、（ｂ）は取り外し状態図、

【図３】図１におけるコントローラの操作・表示部の前
面図であり、（ａ）は開閉蓋の開蓋状態図、（ｂ）は開
閉蓋の閉蓋状態図

【図４】運転用コントローラの機能を表す入出力構成図

【符号の説明】

１ ショーケースの本体 ６ キャノピー部 ６ａ 前面化粧板 ６ｂ 取付け窓 ８ 運転用コントローラ ９ コントローラ本体 ９ａ，９ｂ 端子 ９ｃ ディップスイッチ（温度センサのディファレンシ
ャル調整用） １０ 操作・表示部 １０ａ 係止爪 １１ 温度センサ １２ 信号ケーブル １３ 入力設定器 １４ ディスプレイ １５ 除霜ランプ １６ 開閉蓋 １６ａ 透視面 １６ｂ 不透明面

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−171578（ＪＰ，Ａ) 実開 昭64−16856（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−127533（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−8661（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−65967（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭61−57546（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】冷凍冷蔵ショーケースの庫内温度調節, 除
   霜制御を行う運転用コントローラであって、該コントロ
   ーラをコントローラ本体と、前面パネル部に入力設定
   器, データ表示ディスプレイを備えた操作・表示部とに
   分離して両者間を信号ケーブルで相互接続するととも
   に、コントローラ本体をケース本体の内部に格納し、操
   作・表示部を前面化粧板に嵌め込んで設置したことを特
   徴とする冷凍冷蔵ショーケースの運転用コントローラ。
2. 【請求項２】請求項１記載の運転用コントローラにおい
   て、操作・表示部をキャノピー部の前面化粧板に開口し
   た取付け窓へ着脱可能に設置するとともに、キャノピー
   部内に格納したコントローラ本体に装備した調節スイッ
   チを前記操作・表示部を取り外した際に前記取付け窓の
   後方に臨むような位置に配置したことを特徴とする冷凍
   冷蔵ショーケースの運転用コントローラ。