JP3447337B2 - 溶融金属用容器の底部における耐火物層構造及びその施工方法 - Google Patents

溶融金属用容器の底部における耐火物層構造及びその施工方法

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JP3447337B2
JP3447337B2 JP22667593A JP22667593A JP3447337B2 JP 3447337 B2 JP3447337 B2 JP 3447337B2 JP 22667593 A JP22667593 A JP 22667593A JP 22667593 A JP22667593 A JP 22667593A JP 3447337 B2 JP3447337 B2 JP 3447337B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属用容器の底部
を構成する耐火物層に、定形の耐火煉瓦を内張りされて
成る溶融金属用容器の操業に伴って損耗した産業廃棄物
として廃棄される使用済の耐火煉瓦(以下、耐火煉瓦屑
と言うことがある)を利用し、産業廃棄物の再利用を図
ることができ、併せて溶融金属用容器の底部における耐
火物層を安価且つ容易にしかも熱衝撃抵抗性に優れた状
態に構成することのできる溶融金属用容器の底部におけ
る耐火物層構造及びその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼等の工業分野において溶融金属を注
入される溶融金属用容器は一般にその内面に耐火煉瓦が
内張りされて構成されている。このような溶融金属用容
器としては、スクラップ等を溶解せしめる電気炉や転
炉、前記電気炉や転炉より溶湯を注入される取鍋,取鍋
より注入された溶鋼を真空脱ガス精錬するVOD鍋,連
続鋳造設備の上部に設置されており取鍋より注入された
溶鋼を連続鋳造設備に供給するタンディシュ等を挙げる
ことができる。これらの従来の溶融金属用容器3は、非
常に高温の溶融金属が注入されるものであるから、一般
に図4に示す如く底部3a及び側面の内面側は、所定の形
状に形成された定形の耐火煉瓦3cによって耐火物層3bが
構成されていた。
【0003】しかしながら、このような従来の溶融金属
用容器3の耐火物層3bを構成する定形の耐火煉瓦3cは、
通常Al23(焼成又は不焼成で用いられる),Al2
3−C(不焼成で用いられる),MgO(焼成又は不
焼成で用いられる),MgO−C(不焼成で用いられ
る)等を主成分とする粉末を所定の形状の型に形成した
不焼成煉瓦又は更に高温で焼成して製作された焼成煉瓦
であるので、製作に手間と時間とを要する高価なもので
ある。このような定形の耐火煉瓦3cを使用して従来の溶
融金属用容器3の底部3aにおける耐火物層3bを構成する
には、前記した高価な定形の耐火煉瓦3cを底部3a全面に
多数配置しなければならないのであり、且つ各定形の耐
火煉瓦3cを1つ宛整然と配置しなければならないので、
非常な手間と時間とを要するという欠点もあった。一
方、耐火物層3bを構成された溶融金属用容器3は、操業
に伴って耐火物層3bを構成する定形の耐火煉瓦3cが熱衝
撃や機械的衝撃などによって損耗するので、この損耗の
程度が大きい場合には損耗した耐火煉瓦屑を取り外し
て、廃棄場所や廃棄方法,更にはそれに要する手間や費
用等々の点で色々大変で問題がある産業廃棄物として廃
棄し、新たに定形の耐火煉瓦3cを配置しなければならな
いため、損耗した耐火煉瓦屑を廃棄する費用及び新たに
高価な定形の耐火煉瓦3cを準備し配置する費用を要する
という欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消し、従来は産業廃棄物として廃棄されて
いた損耗した使用済の耐火煉瓦を溶融金属用容器の底部
における耐火物層の構成に再利用を図ることにより、手
間のかかる定形の耐火煉瓦の配置作業を低減するか又は
行うことなく溶融金属用容器の底部に耐火物層を構成す
るばかりかこの耐火物層の構成に要する費用を低減する
こともでき、更に耐火物層を熱衝撃抵抗性に優れた状態
に構成することができる溶融金属用容器の底部における
耐火物層構造及びその施工方法を提供することを課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる課題を
解決すべく鋭意検討の結果、溶融金属用容器に内張りさ
れている定形の耐火煉瓦は、溶融金属用容器の容量や配
置されている位置によって種々の大きさや形状のものが
使用されているため、比較的大きなものであっても損耗
している状況によっては安全性等の面から廃棄されてい
ることに着目し、溶融金属用容器の外壁を構成する鉄皮
の底部の内面側に、構成すべき耐火物層の目標厚さに対
して1.1〜0.3倍の高さを有する耐火煉瓦屑を配設すると
共にこの耐火煉瓦屑間に不定形耐火物を充填すれば、従
来廃棄されていた損耗してはいるが比較的大きな耐火煉
瓦屑を再利用することができ併せて溶融金属用容器の底
部における耐火物層の構成に要する費用を著しく低減す
ることができ、そしてこのように構成された耐火物層に
おいて、不定形耐火物がAl 2 3 −MgO・Al 2 3
主成分とする不定形耐火物であるか、耐火煉瓦屑がAl
2 3 又はAl 2 3 −Cを主成分とする耐火煉瓦屑である
場合には不定形耐火物がMgO又はMgO−Cを主成分
とする不定形耐火物であるか、又は耐火煉瓦屑がMgO
又はMgO−Cを主成分とする耐火煉瓦屑である場合に
は不定形耐火物がAl 2 3 又はAl 2 3 −Cを主成分と
する不定形耐火物であれば、耐火煉瓦屑と不定形耐火物
とがスピネル反応して生成されるスピネル化合物により
強固に接合されて熱衝撃抵抗性に優れた耐火物層を構成
することができて溶融金属用容器の底部における耐火物
層構造とすることができことを究明して本発明を完成
したのである。
【0006】更に、上記溶融金属用容器の底部における
耐火物層構造を施工するには、溶融金属用容器の外壁を
構成する鉄皮の底部の内面側に、構成される耐火物層の
目標厚さに対して1.1〜0.3倍の高さを有する耐火煉瓦屑
を配設した後、この耐火煉瓦屑の上面側より前記耐火煉
瓦屑間に不定形耐火物として、Al 2 3 −MgO・Al
2 3 を主成分とする不定形耐火物か、配設された耐火煉
瓦屑がAl 2 3 又はAl 2 3 −Cを主成分とする耐火煉
瓦屑である場合にはMgO又はMgO−Cを主成分とす
る不定形耐火物か、又は配設された耐火煉瓦屑がMgO
又はMgO−Cを主成分とする耐火煉瓦屑である場合に
はAl 2 3 又はAl 2 3 −Cを主成分とする不定形耐火
物を、吹き付けて充填した後に養生を行えば、耐火煉瓦
屑を使用した耐火物層を手間を要する定形の耐火煉瓦の
配置作業を減少させるか又は行うことなく溶融金属用容
器に底部における耐火物層を容易に且つ確実にしかも安
価に施工することができ、更に耐火煉瓦屑と不定形耐火
物とがスピネル反応して生成されるスピネル化合物によ
り強固に接合されて熱衝撃抵抗性に優れた耐火物層を施
工することができることを究明して本発明を完成したの
である。
【0007】以下、図面により本発明に係る溶融金属用
容器の底部における耐火物層構造及びその施工方法につ
いて詳細に説明する。図1は本発明に係る溶融金属用容
器の底部における耐火物層構造の1実施例を有する溶融
金属用容器を示す平面説明図、図2は図1におけるA−
A線断面説明図、図3は本発明方法の1実施例を示して
おり、(イ)は湯当り部及びその近傍部のみに定形の耐火
煉瓦を配置した状態を示す縦断面説明図、(ロ)は(イ)の
状態から定形の耐火煉瓦を配置されていない部分に耐火
煉瓦屑を配設した状態を示す縦断面説明図、(ハ)は(ロ)
の状態から耐火煉瓦屑間の上面側より不定形耐火物を吹
き付けて充填している状態を示す縦断面説明図である。
【0008】図面中、1は電気炉,転炉,VOD鍋,取
鍋,タンディシュ等の溶融金属を入れられる溶融金属用
容器であって、外壁を構成する鉄皮1bの内面側に耐火物
が内張りされた耐火物層が構成されている。本発明構造
は、溶融金属用容器1の底部1aにおける耐火物層2の構
造であって、溶融金属用容器1の外壁を構成する鉄皮1b
の底部1aの内面側に、耐火煉瓦屑2aが配設されていると
共にこの耐火煉瓦屑2a間に上面側より不定形耐火物2bが
充填されている構造を成している。
【0009】前記耐火煉瓦屑2aとしては、底部及び側面
の内面側に所定の形状に形成された定形の耐火煉瓦によ
って耐火物層が構成されてなる従来の溶融金属用容器の
操業に伴って損耗した産業廃棄物として廃棄される使用
済の耐火煉瓦を使用するのである。この耐火煉瓦屑2aと
しては、構成すべき耐火物層2の目標厚さに対してあま
りに小さいと配設された耐火煉瓦屑2a間に不定形耐火物
2bを充分に充填することができない箇所が生じ、またあ
まりに大きいとこの大きな耐火煉瓦屑2aが耐火物層2の
上面より著しく突出した状態を成して溶融金属の流動や
熱衝撃や機械的衝撃によりこの大きな耐火煉瓦屑2aの上
部が損傷して耐火物層2から離脱するスポーリング現象
が発生して空洞が生じる恐れがあるから、形成すべき耐
火物層2の目標厚さに対して1.1〜0.3倍の大きさのもの
を使用する。
【0010】この耐火煉瓦屑2aとしては、耐火煉瓦屑2a
間に充填される後述する不定形耐火物2bがMgO又はM
gO−Cを主成分とする不定形耐火物である場合には
23 又はAl23−Cを主成分とするAl23系の耐
火煉瓦の耐火煉瓦屑を、耐火煉瓦屑2a間に充填される後
述する不定形耐火物2bがAl 2 3 又はAl 2 3 −Cを主
成分とする不定形耐火物である場合にはMgO又はMg
O−Cを主成分とするMgO系の耐火煉瓦の耐火煉瓦屑
を使用することが必要である。すなわち、電気炉の天井
部を構成している耐火煉瓦や精錬取鍋のポーラスプラグ
近傍部を構成している耐火煉瓦やスライディングノズル
近傍部を構成している耐火煉瓦はAl23系の耐火煉瓦
が広く使用されており、また溶融金属用容器1の側壁で
はMgO系の耐火煉瓦が広く使用されているので、後述
する不定形耐火物2bとの組合せによって耐火煉瓦屑2aと
不定形耐火物2bとでスピネル化合物が生成されて熱衝撃
抵抗性に優れた耐火物層2を構成することができるよう
に、耐火煉瓦屑2aとしては、後述する不定形耐火物2bが
MgO又はMgO−Cを主成分とする不定形耐火物であ
る場合にはAl 2 3 又はAl 2 3 −Cを主成分とする
23系の耐火煉瓦の耐火煉瓦屑2aのみが、後述する不
定形耐火物2bがAl 2 3 又はAl 2 3 −Cを主成分とす
る不定形耐火物である場合にはMgO又はMgO−Cを
主成分とするMgO系の耐火煉瓦の耐火煉瓦屑2aのみが
使用されていることが必要である。また耐火煉瓦屑2aと
してAl23系の耐火煉瓦とMgO系の耐火煉瓦とを混
ぜて使用することもできるが、この場合には後述する如
く耐火煉瓦屑2a間に充填される不定形耐火物2bとしては
Al23−MgO・Al23を主成分とするものが使
される必要がある
【0011】溶融金属用容器1の底部1aに配設されてい
る耐火煉瓦屑2a間に充填される不定形耐火物2bとして、
Al 2 3 又はAl 2 3 −Cを主成分とするAl23系の
耐火煉瓦屑2aのみが配設される場合にはMgO又はMg
O−Cを主成分とするMgO系の不定形耐火物2bが、ま
MgO又はMgO−Cを主成分とするMgO系の耐火
煉瓦屑2aのみが配設される場合にはAl 2 3 又はAl 2
3 −Cを主成分とするAl23系の不定形耐火物2bが
それぞれ使用されると、不定形耐火物2bと耐火煉瓦屑2a
とがスピネル反応してスピネル化合物が生成されること
によって不定形耐火物2bと耐火煉瓦屑2aとが強固に接合
されるのである。また、Al23系やMgO系の耐火煉
瓦屑2aが混ぜ合わされて配設される場合には、不定形耐
火物2bとしてAl 2 3 −MgO・Al 2 3 を主成分とす
Al23−MgO・Al23系の不定形耐火物2bが耐
火煉瓦屑2a間に充填されると、前記したと同様に不定形
耐火物2bと耐火煉瓦屑2aとがスピネル反応してスピネル
化合物が生成されることによって不定形耐火物2bと耐火
煉瓦屑2aとが強固に接合されるのである。また溶融金属
用容器1が、例えば取鍋やタンディシュの場合には、電
気炉,転炉,樋等より溶融金属が注入されるので、この
溶融金属が注入されるときに溶融金属が当たる溶融金属
用容器1の底部1aにおける耐火物層2の湯当り部は耐火
物層2が損耗し易く、またVOD鍋や電気炉の場合に
は、ガス吹き込み羽口近傍部がガスの吹き込み及びこれ
に伴う溶融金属の流動により耐火物層2が損耗し易いの
で、このような耐火物の損耗し易い部分には定形の耐火
煉瓦2cが配置されていることが好ましい。
【0012】このように構成される本発明構造を施工す
るには、底部及び側面の内面側に所定の形状に形成され
た定形の耐火煉瓦によって耐火物層が構成されてなる従
来の溶融金属用容器の操業に伴って損耗した産業廃棄物
として廃棄される耐火煉瓦屑2aを準備する。この耐火煉
瓦屑2aは、所定の大きさ、すなわち溶融金属用容器1の
底部1aに構成すべき耐火物層2の目標厚さに対して1.1
〜0.3倍の高さを有していることが必要であり、耐火煉
瓦屑2aが構成すべき耐火物層2の目標厚さに対して1.1
倍より高いものは、前記所定の大きさに加工して使用す
ることができる。前記耐火煉瓦屑2aは、操業されていた
溶融金属用容器の底部,側壁,天井,炉蓋等種々の部分
に使用されていたものであるからその大きさや形状にバ
ラツキがあり、更にその損耗の程度によってもその大き
さや形状にバラツキがあるが、前記所定の大きさを有し
ていれば前記種々の部分を構成していたものを使用する
ことができる。
【0013】上記耐火煉瓦屑2aを、底部1aに耐火物層2
を構成すべき溶融金属用容器1の鉄皮1bの底部1aの内面
側に隣接する耐火煉瓦屑2aの間隙があまり広くならない
ように配設する。このとき、溶融金属用容器1の底部1a
において湯当り部のような耐火物層2の損耗し易い部分
が存在する溶融金属用容器1の場合には図1に示す如く
定形の耐火煉瓦2cを配置することが好ましく、このよう
に定形の耐火煉瓦2cを配置する場合には、図3(イ)に示
す如く耐火物層2の損耗し易い部分についてのみ定形の
耐火煉瓦2cを1つ宛整然と配置してから、図3(ロ)に示
す如くこの定形の耐火煉瓦2cを配置した部分を除いた残
りの部分について前記した耐火煉瓦屑2aを配設する作業
を行う。
【0014】次いで、耐火煉瓦屑2aを配設した部分に、
図3(ハ)に示す如く耐火煉瓦屑2a間に上面側より不定形
耐火物2bを吹き付けて充填する。ここで、前記耐火煉瓦
屑2aと不定形耐火物2bとは、一方がAl23系で他方が
MgO系であると、操業に際し溶融金属よりの熱を受け
て耐火煉瓦屑2aと不定形耐火物2bとがスピネル反応して
スピネル化合物を生成させることができて相互に強固に
接合せしめることができが、Al23−MgO・Al
23系の不定形耐火物2bを使用すれば、Al23系及び
MgO系の耐火煉瓦屑2aを混ぜ合わせて溶融金属用容器
1の底部1aに配設しても前記したスピネル化合物を生成
させることができて相互に強固に接合せしめることがで
るのである
【0015】すなわち、配設する耐火煉瓦屑2aとしてA
23又はAl23−Cを主成分とするAl23系の耐
火煉瓦屑2aのみを使用する場合にはMgO又はMgO−
Cを主成分とするMgO系の不定形耐火物2bを前記耐火
煉瓦屑2a間に充填し、また耐火煉瓦屑2aとしてMgO又
はMgO−Cを主成分とするMgO系の耐火煉瓦屑2aの
みを使用する場合にはAl23又はAl23−Cを主成
分とするAl23系の不定形耐火物2bを前記耐火煉瓦屑
2a間に充填することが必要である
【0016】このようにして本発明に係る溶融金属用容
器1の底部1aにおける耐火物層2の施工方法を実施して
底部1aの耐火物層2を構成し、不定形耐火物2bが充分に
硬化するまで養生を行ってから、鉄皮1bの外壁の内面側
に底部1aに構成された耐火物層2に連続して下方より上
方に定形の耐火煉瓦2cを積み重ねる作業を順次行って溶
融金属用容器1が構成される。
【0017】以上、溶融金属用容器1を新たに構成する
場合について説明したが、溶融金属用容器1の底部1aに
おける耐火物層2が操業に伴って損耗して補修を要する
場合にも本発明方法を実施することができるのである。
すなわち、溶融金属用容器が底部3aに定形の耐火煉瓦3c
のみが配置されて耐火物層3bが構成されている従来の溶
融金属用容器3の場合には、補修すべき部分に配置され
ている損耗した定形の耐火煉瓦3cを取り外し後、この
定形の耐火煉瓦3cを取り外した部分について上記した作
業、すなわち、耐火煉瓦屑2aを配設してこれら耐火煉瓦
屑2a間に不定形耐火物2bを充填する作業を行うのであ
る。このとき、耐火煉瓦屑2aとしてこの補修すべき溶融
金属用容器1の損耗して取り外された定形の耐火煉瓦2c
を使用しても、他の溶融金属用容器から取り外された損
耗した耐火煉瓦を使用してもい。また、耐火煉瓦屑2a
間に不定形耐火物2bが充填されて耐火物層2を構成され
ている本発明構造を有する溶融金属用容器1の底部1aの
耐火物層2が損耗して補修を要する場合には、この補修
すべき部分及びその近傍について耐火煉瓦屑2a及びこの
耐火煉瓦屑2a間に充填されている不定形耐火物2bを取り
外して後、この部分について耐火煉瓦屑2aを配設してこ
れら耐火煉瓦屑2a間に不定形耐火物2bを吹き付けて充填
し養生する作業を行えばい。
【0018】
【作用】このような本発明に係る溶融金属用容器1の底
部1aにおける耐火物層2の施工方法を実施すると、底部
1aに配設する耐火煉瓦屑2aを整然と配置するのでなく、
撒くようにして配すればく、このようにして鉄皮1bの
底部1a内面側に配設された耐火煉瓦屑2aの上面側より不
定形耐火物2bを吹き付けて耐火煉瓦屑2a間に充填するの
で、手間を要する作業、すなわち定形の耐火煉瓦2cを整
然と配置する作業は必要に応じて損耗し易い部分につい
てのみ行うだけでいので、効率良く短時間で溶融金属
用容器1の底部1aに耐火物層2を構成することができ
る。また、耐火煉瓦屑2aが構成すべき耐火物層2の目標
厚さに対して1.1〜0.3倍の高さを有しているので、この
耐火煉瓦屑2a間に不定形耐火物2bを確実に充填させるこ
とができて構成された耐火物層2に空洞が生じることを
防止することができ、また構成された耐火物層2にその
上面より耐火煉瓦屑2aの大きく突出した部分が存在しな
いので、熱衝撃により耐火煉瓦屑2aの突出した部分のス
ポーリング現象が生じることがなく、この耐火煉瓦屑2a
のスポーリング現象に起因するスラグ発生量の増加が防
止できる。
【0019】そして、不定形耐火物2bがAl 2 3 −Mg
O・Al 2 3 を主成分とする不定形耐火物であるか、耐
火煉瓦屑2aがAl 2 3 又はAl 2 3 −Cを主成分とする
耐火煉瓦屑である場合には不定形耐火物2bがMgO又は
MgO−Cを主成分とする不定形耐火物であるか、又は
耐火煉瓦屑2aがMgO又はMgO−Cを主成分とする耐
火煉瓦屑である場合には不定形耐火物2bがAl 2 3 又は
Al 2 3 −Cを主成分とする不定形耐火物であるから
操業に際し溶融金属用容器1内の溶融金属の熱により耐
火煉瓦屑2aと不定形耐火物2bとが加熱されてスピネル反
応によりスピネル化合物が生成されることによって両者
が強固に接合されて優れた強度を有する耐火物層2を構
成することができる。このとき、取鍋における湯当り部
やガス吹込羽口が装着されているVOD鍋等におけるガ
ス吹込羽口近傍部に定形の耐火煉瓦2cが配置されている
と耐火物層2の損耗を効果的に抑制することができる。
更に溶融金属用容器1は種々の大きさ及び形状のものが
存在するが、どのような形状であってもその底部1aに耐
火物層2を確実に構成することができ、前記定形の耐火
煉瓦2cを配置する場合に底部1aにおける定形の耐火煉瓦
2cが配置された部分を除く残りの部分を耐火煉瓦屑2aと
不定形耐火物2bとにより確実に耐火物層2に構成するこ
とができるので、溶融金属用容器1の底部1aの形状に拘
らず損耗し易い所望の位置に定形の耐火煉瓦2cを配置す
ることもできるのである。
【0020】
【実施例】75tonの溶銑鍋の底部に、湯当り部及び
その近傍部分(底部の面積に対して35%)に黒鉛配合
のAl23−C系の定形の耐火煉瓦を配置し後、この
定形の耐火煉瓦を配置した部分を除いた残りの部分に、
それぞれ精錬取鍋に使用されていて損耗したAl23
のポーラスプラグマス,スライディングノズルマス及び
電気炉小天井部に使用されていたプレキャストブロック
を230×230×230mm以下の大きさに加工した
耐火煉瓦屑を比較的密の状態に配設して、この耐火煉瓦
屑間にMgO系の不定形耐火物を吹き付けて充填した後
に養生を行って耐火物層を構成した。また比較例とし
て、上記実施例と同じ75tonの溶銑鍋の底部全面
に、黒鉛配合のAl23−C系の定形の耐火煉瓦を1つ
宛整然と配置して耐火物層を構成した。このようにして
底部に耐火物層を構成された実施例と比較例との溶銑鍋
を使用して高炉操業を行ったところ、実施例の場合は3
40回、比較例の場合は350回まで使用可能で、同程
度の寿命を有していることが確認された。また実施例で
は、比較例に対して溶銑鍋の底部における耐火物層を構
成するのに要した作業工数が約56%で且つ耐火物原単
価が約33%であり、非常に安価にしかも短時間に溶銑
鍋を構成することができた。
【0021】
【発明の効果】以上に詳述した如く本発明構造を有する
溶融金属用容器は、本発明方法を実施することによっ
て、定形の耐火煉瓦を1つ宛整然と配置する作業を減少
させるか又は行うこと無く耐火物層を構成することがで
きるので、耐火物層の構成に要する手間を省力化するこ
とができる。また、従来産業廃棄物として廃棄されてい
た耐火煉瓦屑を再利用し有効利用できると共に溶融金属
用容器の底部における耐火物層の構成に要する費用を非
常に低減させることができる。そして、このように構成
された耐火物層において、不定形耐火物がAl 2 3
gO・Al 2 3 を主成分とする不定形耐火物であるか、
耐火煉瓦屑がAl 2 3 又はAl 2 3 −Cを主成分とする
耐火煉瓦屑である場合には不定形耐火物がMgO又はM
gO−Cを主成分とする不定形耐火物であるか、又は耐
火煉瓦屑がMgO又はMgO−Cを主成分とする耐火煉
瓦屑である場合には不定形耐火物がAl 2 3 又はAl 2
3 −Cを主成分とする不定形耐火物であるから、耐火
煉瓦屑と不定形耐火物とがスピネル反応して生成するス
ピネル化合物によって熱衝撃抵抗性に優れた耐火物層を
構成することができる。このように種々の効果を奏する
本発明に係る溶融金属用容器の底部における耐火物層構
造及びその施工方法は、鉄鋼分野等に貢献するところの
非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶融金属用容器の底部における耐
火物層構造の1実施例を有する溶融金属用容器を示す平
面説明図である。
【図2】図1におけるA−A線断面説明図である。
【図3】本発明方法の1実施例を示しており、(イ)は湯
当り部及びその近傍部のみに定形の耐火煉瓦を配置した
状態を示す縦断面説明図、(ロ)は(イ)の状態から定形の
耐火煉瓦を配置されていない部分に耐火煉瓦屑を配設し
た状態を示す縦断面説明図、(ハ)は(ロ)の状態から耐火
煉瓦屑間の上面側より不定形耐火物を吹き付けて充填し
ている状態を示す縦断面説明図である。
【図4】従来の溶融金属用容器を示す平面説明図であ
る。
【符号の説明】
1 溶融金属用容器 1a 底部 1b 鉄皮 2 耐火物層 2a 耐火煉瓦屑 2b 不定形耐火物 2c 定形の耐火煉瓦 3 従来の溶融金属用容器 3a 底部 3b 耐火物層 3c 定形の耐火煉瓦

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属用容器(1)の外壁を構成する鉄
    皮(1b)の底部(1a)の内面側に、構成すべき耐火物層(2)
    の目標厚さに対して1.1〜0.3倍の高さを有する耐火煉瓦
    屑(2a)が配設されていると共にこの耐火煉瓦屑(2a)間に
    不定形耐火物(2b)が充填されており、該不定形耐火物(2
    b)がAl 2 3 −MgO・Al 2 3 を主成分とする不定形
    耐火物であるか、該耐火煉瓦屑(2a)がAl 2 3 又はAl
    2 3 −Cを主成分とする耐火煉瓦屑である場合には不定
    形耐火物(2b)がMgO又はMgO−Cを主成分とする不
    定形耐火物であるか、又は該耐火煉瓦屑(2a)がMgO又
    はMgO−Cを主成分とする耐火煉瓦屑である場合には
    不定形耐火物(2b)がAl 2 3 又はAl 2 3 −Cを主成分
    とする不定形耐火物であることを特徴とする溶融金属用
    容器の底部における耐火物層構造。
  2. 【請求項2】 溶融金属用容器(1)の底部(1a)の湯当り
    部及び/又はガス吹込羽口近傍部に、定形の耐火煉瓦(2
    c)が配置されている請求項1に記載の溶融金属用容器の
    底部における耐火物層構造。
  3. 【請求項3】 溶融金属用容器(1)の外壁を構成する鉄
    皮(1b)の底部(1a)の内面側に、構成される耐火物層(2)
    の目標厚さに対して1.1〜0.3倍の高さを有する耐火煉瓦
    屑(2a)を配設した後、この耐火煉瓦屑(2a)の上面側より
    前記耐火煉瓦屑(2a)間に不定形耐火物(2b)として、Al
    2 3 −MgO・Al 2 3 を主成分とする不定形耐火物(2
    b)か、配設された耐火煉瓦屑(2a)がAl 2 3 又はAl 2
    3 −Cを主成分とする耐火煉瓦屑である場合にはMg
    O又はMgO−Cを主成分とする不定形耐火物(2b)か、
    又は配設された耐火煉瓦屑(2a)がMgO又はMgO−C
    を主成分とする耐火煉瓦屑である場合にはAl 2 3 又は
    Al 2 3 −Cを主成分とする不定形耐火物(2b)を、吹き
    付けて充填した後に養生を行うことを特徴とする溶融金
    属用容器の底部における耐火物層の施工方法。
  4. 【請求項4】 溶融金属用容器(1)の外壁を構成する鉄
    皮(1b)の底部(1a)の内面側に、湯当り部及び/又はガス
    吹込羽口近傍部に定形の耐火煉瓦(2c)を配置し、残りの
    部分について構成される耐火物層(2)の目標厚さに対し
    て1.1〜0.3倍 の高さを有する耐火煉瓦屑(2a)を配設した
    後、この耐火煉瓦屑(2a)の上面側より前記耐火煉瓦屑(2
    a)間に不定形耐火物(2b)として、Al 2 3 −MgO・A
    2 3 を主成分とする不定形耐火物(2b)か、配設された
    耐火煉瓦屑(2a)がAl 2 3 又はAl 2 3 −Cを主成分と
    する耐火煉瓦屑である場合にはMgO又はMgO−Cを
    主成分とする不定形耐火物(2b)か、又は配設された耐火
    煉瓦屑(2a)がMgO又はMgO−Cを主成分とする耐火
    煉瓦屑である場合にはAl 2 3 又はAl 2 3 −Cを主成
    分とする不定形耐火物(2b)を、吹き付けて充填した後に
    養生を行うことを特徴とする溶融金属用容器の底部にお
    ける耐火物層の施工方法。
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