JP3446839B2 - 光学フィルタ - Google Patents

光学フィルタ

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JP3446839B2
JP3446839B2 JP26977293A JP26977293A JP3446839B2 JP 3446839 B2 JP3446839 B2 JP 3446839B2 JP 26977293 A JP26977293 A JP 26977293A JP 26977293 A JP26977293 A JP 26977293A JP 3446839 B2 JP3446839 B2 JP 3446839B2
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学フィルタに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エレクトロクロミック材料(以
下、EC材料と称することがある。)は、電圧駆動型の
表示装置に用いられ、例えば時刻を表示するデジタル時
計等に採用されている。
【0003】エレクトロクロミック表示素子(以下、E
CDと称することがある。)は、非発光型の表示装置で
あって、反射光や、透過光による表示であるために、長
時間の観察によっても疲労感が少ないという利点を有す
ると共に、比較的駆動電圧が低く、消費電力が少ないな
どの利点を有する。例えば、特開昭59−24879 号公報に
開示されているように、液体型ECDとして可逆的に着
色、消色状態を形成する有機分子系のビオロゲン分子誘
導体をEC材料に用いるものが知られている。
【0004】精密光学機器の発展に伴って、これまでの
可変NDフィルタに置きかわる微細かつ低消費電力型の
光量調節デバイスが必要となっているが、上記の如きE
CD又はその周辺技術がそれに適応できるか否かの検討
が必要となっている。
【0005】しかしながら、従来のEC材料は表示装置
用として、もっぱら単一色を得ることで満足されていた
ため、上記の要求に応えるものではなかった。しかも、
光量調節デバイスとしては、可視光領域(波長:400〜70
0nm)において光透過率を制御できることが必要となる
が、これまでのEC材料では十分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低消
費電力で駆動可能であり、可視光域において光透過率の
制御が可能な光学フィルタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、銀塩を
溶解させた溶液が対向電極間にこれらの電極と接して配
され、これらの電極の駆動制御により銀の析出又は溶解
を生じさせ、これによって着色又は消色するように構成
された光学フィルタにおいて、フィルタ材としての銀を
析出又は溶解させるための作用電極となる透明電極が、
パラジウム(特にスズ溶液及びパラジウム溶液の二液処
理法によるパラジウム)で表面処理されているか、或い
は、銀より貴な金属の蒸着によって表面処理されている
ことを特徴とする光学フィルタに係るものである。
【0008】本発明によれば、溶液を作成した際に、そ
の溶液が可視光域(波長:400〜700nm)において吸収
を持たず、かつ、着色時に可視光域においてほぼ均等な
遮蔽が可能な銀(錯)塩を材料として用いることがで
き、しかも、この銀(錯)塩は駆動制御によって析出−
溶解の可逆性に富むものである。但し、こうした銀
(錯)塩は有機系のEC材料に比べて析出電位がかなり
負に大きいものであり、還元側に大きく電位をかけない
で透明電極を損傷させることのないようにする必要があ
る。
【0009】このように、本発明は、特に非水系におい
て銀(錯)塩から銀を透明電極上に析出、溶解させる可
逆な系を用いることにより、低消費電力で非発光型の可
視光域に好適な光学フィルタを提供することができるの
である。
【0010】本発明に使用可能な銀(錯)塩としては、
可逆性に富むチオシアン化銀(AgSCN)又はハロゲ
ン化銀(AgX:Xはハロゲン原子)が好ましく、これ
を水又は非水溶媒に溶解してRED(eversible le
ctroeposition)材料含有液(以下、RED液と称す
る。)として対向電極間に配することができる。
【0011】この場合、チオシアン化銀が用いられる
際、飽和チオシアン化カリウムが用いられると、銀塩の
純水への溶解を容易にすることができる。
【0012】チオシアン化銀の濃度が 0.050〜1.0mol/
Lである水系のRED液が用いられるのがよい。
【0013】チオシアン化銀を用いた場合、その溶液か
らの銀の析出、溶解の可逆性を高めるために、補助酸化
還元系としてフェロシアン化カリウムが添加されること
がよい。フェロシアン化カリウムの濃度は 0.005〜0.01
0mol/Lであることがよい。
【0014】なお、従来、銀錯塩からの銀の析出に関し
ては、めっき浴として用いるAgCN等のシアン系溶液
がよく知られているが、シアン系溶液では、安全な作業
環境の確保や、その廃液の処理の問題がある。そこで、
本発明では非シアン系の銀塩を使用し、特にAgXや、
AgCNよりも安定であるAgSCNを用いるのが望ま
しい。
【0015】また、ハロゲン化銀を溶解させるための溶
媒としては、非水溶媒(特に、アセトニトリル、ジメチ
ルスルホキシド、メタノール等の有機溶媒)を用いるこ
とがよい。
【0016】ハロゲン化銀の濃度が 0.005〜2.0mol/L
である非水溶媒系のRED液が用いられることが望まし
い。
【0017】本発明はまた、フィルタ材として動作する
ための銀を析出溶解させる作用電極となる透明電極(特
にITO電極:酸化インジウムにスズをドープして得ら
れたもの。)に、化学的又は物理的な表面処理を施して
いるので、透明電極への銀の析出電位を下げ、銀の析出
溶解を容易とし、透明電極や溶液自身が電気的に受ける
損傷を軽減することができる。
【0018】この場合の化学的な表面処理として、スズ
溶液及びパラジウム溶液の二液処理法によるパラジウム
でITO電極の表面処理が行われるのがよい。即ち、パ
ラジウムによるITO電極の表面活性化処理として、I
TO単独基板上にパラジウム核を析出させることでIT
O電極表面上の活性を高めるものである。
【0019】この場合、スズ溶液としては、塩化スズ
(SnCl2)0.10〜1.0 gを 0.010〜0.10%のHCl 1L
に溶解させたもの、パラジウム溶液としては、塩化パラ
ジウム(PdCl2)0.10〜1.0 gを 0.010〜0.10%のHC
l 1Lに溶解させたものが使用可能である。
【0020】また、物理的な表面処理として、銀より貴
な金属をITO電極上へ蒸着する方法が採用される。
【0021】上記のハロゲン化銀が特に可逆性に富むヨ
ウ化銀である場合、RED液の導電性を上げるために、
ヨウ化ナトリウム(NaI)等の支持電解質がヨウ化銀
の等濃度〜20倍濃度の範囲で溶液に添加されるのがよ
い。
【0022】本発明では、可視光領域においてほぼ均等
な遮蔽が可能な銀(錯)塩をRED材料として用いる
が、銀(錯)塩からの析出、溶解において、析出電極か
ら銀が溶解するときに生じる副産物によって溶液系が濁
されて、溶液の透明度を維持し難いことがある。
【0023】この問題について検討を加えたところ、銀
(錯)塩をRED材料として用いたとき、析出銀を溶解
させる際に発生するヨウ素が溶液を濁すことがあること
が判明した。そこで、その問題点を解決するために、析
出ヨウ素をイオン状態に還元する還元剤を添加すること
によって、溶液の黄濁化を防ぐことができたのである。
【0024】従って、本発明では、RED液として、ハ
ロゲン化銀を溶解させ、還元剤を添加した溶液を用いる
ことが望ましい。
【0025】特に、ヨウ化銀を用い、更にヨウ化ナトリ
ウムを添加した系において、析出銀の溶解時に発生する
ヨウ素の析出を抑制し、RED液の透過率の低下を防
ぎ、かつ、ヨウ素発生による浴組成の変化を抑えるため
に、還元剤としてアスコルビン酸及び/又は塩化スズを
用いることがよい。この場合、還元剤はハロゲン化銀の
等濃度〜20倍濃度の範囲で添加されるのが望ましい。
【0026】さらに、導電率を上げる(銀の電気化学的
析出又は溶解を円滑化する)ために、支持電解質として
四級アンモニウム塩を添加し、その結果、銀の析出に要
する電気量を落とすことができる。電気量の軽減は析出
電極の損傷を和らげ、信頼性を高める結果となる。この
場合、四級アンモニウム塩はハロゲン化銀の等濃度〜20
倍濃度の範囲で添加されることが望ましい。
【0027】この場合、四級アンモニウム塩のアルキル
基がブチル基であること、また、支持電解質のアニオン
基が、パークロレート(ClO4 )基、臭素(Br)
基、ヨウ素(I)基、ヘキサフルオロフォスフェート
(PF6 )基及びテトラフルオロボレート(BF4 )基
からなる群より選ばれた基であることが望ましい。
【0028】本発明の光学フィルタにおいては、消色状
態のときに、溶液は可視光領域に吸収を持たないこと、
また、着色、消色用基板電極は光学フィルタとして動作
させるために可視光領域に吸収のないITO電極を用い
ることが望ましい。
【0029】そして、RED液を用いて着色、消色状態
を繰り返すとき、デバイスが微小なために溶液系を攪拌
することができない。そこで、銀の電気化学的析出溶解
の定量化が容易な電流制御で駆動することがよい。
【0030】このような電流制御による着色−消色の駆
動法として、着色−消色速度(銀の析出、溶解速度)を
上げるために、高電流値から低電流値へと矩形に変化す
る電流による駆動法を用いることがよい。或いは、銀の
析出、溶解を繰り返すことによる基板の損傷を軽減させ
るために、低電流値から高電流値へと矩形に変化する電
流による駆動法を用いることもよい。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0032】図1及び図2は、本発明の実施例による光
学フィルタ10を概略的に示すものである。
【0033】本例の光学フィルタ10によれば、セルを構
成する一対の透明基板(例えばガラス板)4と5が一定
の間隔を置いて表示窓として配置され、各基板の内面に
は、少なくとも一方が着色用電極又は消色用電極となる
作用電極(例えばITO電極)2と3とが対向して設け
られている。
【0034】また、対極6は、基板4及び5の全周にス
ペーサを兼ねて設けられ、例えば銀板が使用される。な
お、図示省略したが、参照電極としては例えば銀線が設
けられている。
【0035】そして、対向電極2−3間には、これらの
電極に接してRED材料としての銀(錯)塩を含有する
RED液1が封入されている。対向電極2と3のいずれ
か一方は陽極、他方は陰極とし、それらの間に所定時間
だけ直流の駆動電圧を印加することによって、銀(錯)
塩に
【化1】 なる酸化還元反応を陰極側において生じさせ、Ag析出
物により透明→着色状態に移行させる。
【0036】こうして電極上にAgを析出させることに
よって、表示窓からはAg析出物による特定の色(銀錯
塩によって異なる。)を観察でき、フィルタ材となる。
そして、この着色によるフィルタ作用、即ち、可視光の
透過率(又は着色の濃淡)は電圧の大きさ又はその印加
時間と共に変化し、これを制御することによって透過率
可変フィルタとして機能させることができる。
【0037】この光学フィルタ10は、対向電極2及び3
をセル内のほぼ全面に有していてもよいが、実際には、
例えば図3及び図4に示す如くに構成することができ
る。
【0038】即ち、透明基板4及び5に設けられるIT
Oの対向電極はそれぞれ、中心部2a、3aと、この周
りに微小間隔を置いて同心円状に配されたリング状電極
2b、3b、2c、3c、2d、3d、2e、3eとに
分割されている。最外周の対向電極2e、3eの周囲に
は電位補償用の銀の対極6A、6Bが設けられている。
【0039】これらの各電極2a、3a、2b、3b、
2c、3c、2d、3d、2e、3e、6A、6Bはそ
れぞれ、各駆動電源8A、8B、8C、8D、8E、8
Fにクロム細線等からなる配線9A、9B、9C、9
D、9E、9Fによって接続されている。
【0040】そして、透明基板4−5はスペーサ7(こ
れは図1では対極6が兼ねている。)によって所定間隔
に配置され、その間隔内にRED液1が封入されてい
る。
【0041】RED液1は、印加される電圧の大小に応
じて酸化還元反応(即ち、濃度)が制御されるものであ
るから、上記した各分割電極2a−3a間、2b−3b
間、2c−3c間、2d−3d間、2e−3e間に印加
される電圧(それぞれV1 、V2 、V3 、V4 、V5
する。)によって、各分割電極の陰極上におけるRED
液からの銀の析出量を変化させることができる(なお、
対極6A−6B間にも電位補償用の電圧V6 が印加され
る)。
【0042】従って、仮にすべての電圧を等しくすれば
(V1 =V2 =V3 =V4 =V5 )、RED液1の全域
に亘って一様に着色させることができ、かつ、電圧に応
じて濃度の程度を一様に変化させることができる。
【0043】また、各電極への印加電圧を異ならせ、例
えばV1 <V2 <V3 <V4 <V5とすれば、中心部か
ら周辺へ行くに従って着色濃度が大となる(換言すれば
透過率が小となる)。これは、テレビカメラ等のCCD
(電荷結合素子)用の光学絞り等として有用であり、C
CDの集積度の向上に十分に対応できるものである。印
加電圧を上記とは逆の順にすれば、中心部から周辺にか
けて透過率が大となる。
【0044】このように、分割電極への印加電圧によっ
て、様々なパターンで濃淡若しくは階調性を制御でき、
光学フィルタとして有用となり、その使用状態の範囲が
広くなる。
【0045】以上に説明したように、本実施例によれ
ば、従来のEC材料とは全く異なる着想に基いて、銀塩
からなるRED材料を光学機器の光量調節のためのフィ
ルタ材として用い、対向電極の駆動制御(特に印加電
圧)によってRED材料の着色時の濃淡を変化させるこ
とができ、この特徴を利用し、光学フィルタに階調をつ
けることが可能となったのである。従って、RED材料
の使用によって、微細で消費電力が少なくてすみ、光量
調節デバイスとして、メカニカルに作動させていた従来
の可変NDフィルタの能力以上のフィルタを提供するこ
とができる。
【0046】次に、本実施例を具体例について更に詳し
く説明する。以下の具体例では、図1及び図2に示した
例のように構成された光学フィルタを用いた。
【0047】例1(チオシアン化銀AgSCNの使用) チオシアン化銀は、溶液中の過剰のチオシアンイオンの
存在により、純水中に溶解することができることが知ら
れている。そこで、銀の析出、溶解に好ましいチオシア
ン化銀のモル濃度を 100mmol/Lと設定し、同時に飽和
チオシアン化カリウムに溶解させた。それと同時に、補
助酸化還元系としてフェロシアン化カリウムを5mmol/
L溶解させた。
【0048】こうして得られたRED溶液を用いて、−
1500mV〜+1500mV、掃引速度30mV/secでサイクリックボ
ルタンメトリー測定(以下、CV測定と称する。)を行
った。CV測定において作用極にはITO電極、参照電
極には銀線、対極には銀板を用いた。測定結果は図5に
示した。
【0049】このCV測定と同時に、透過率の変化の追
跡も行った。結果を図6に示したが、CV測定の電位の
掃引の開始と同時に透過率の測定を10秒毎に行った。グ
ラフの添数字はデータ獲得の順番を示しており、次の表
1のデータナンバーに対応している。
【0050】
【0051】上記した測定の結果、図6のデータによれ
ば、電圧印加に伴って、陰極上にAgの析出が進行し、
透過率が低下することが分かり、遮蔽性が可視光域(400
〜700nm)全域に亘って十分となる。そして、電圧の極性
を逆にすると、析出銀の溶解によって透過率が上昇す
る。
【0052】なお、こうした透過率の変化から、銀の析
出、溶解は可逆性に富むようであるが、図5のCV測定
の結果からは、サイクルの繰り返しにより、特に還元側
では矢印Aで示すように値が負に小さくなる方向へシフ
トしており、銀の析出、溶解の反応は繰り返しによって
不可逆の方向に進んでいることが分かる。また、この例
における銀の着、消色による遮蔽性の制御は良好であ
り、析出銀膜の着色は白色であった。
【0053】例2(ハロゲン化銀AgXの使用) 可逆な銀の析出、溶解の系の検討に、ハロゲン化銀を用
いた。この例においては、銀(錯)塩のなかでも可逆性
に富むヨウ化銀(AgI)を用いた。
【0054】この例では、銀の析出電位を知るために、
種々の定電位における透過率の変化を調べた。溶媒とし
て非水系のアセトニトリルを用いた。ヨウ化銀濃度は1.
0mol/Lとし、これを溶解することと導電率を上げる目
的で、ヨウ化ナトリウム(NaI)を1.0mol/L溶解さ
せた。この溶液をRED液として用いた。
【0055】透過率の変化の追跡は、以下の電位条件
(〜)で行った。ここでも、作用電極にITO電
極、参照極に銀線、対極に銀板を用いた。
【0056】−1000mV −1400mV −1500mV −2000mV 1400mV 2000mV 〜の電圧印加時間は全て 120秒間で行っており、一
連の順で連続的に測定を行った。
【0057】結果を図7〜図12に示す。得られたデータ
は10秒毎に取り込んだ値である。銀の析出において、電
位が−1500mVのとき大きな変化が透過率の変化として現
れた。これ以上の還元電位の印加では大きな透過率の変
化は見られず、むしろ溶媒の分解等に寄与しているよう
であった。
【0058】また、酸化側では、+1400mVより析出銀膜
の溶解によるものと思われる透過率の変化があるもの
の、400nm 近傍の波長領域において吸収が始まり、ヨウ
素(I2)の析出が始まったものと考えられる。また、過剰
な酸化電位(+2000mVのとき)による大量のヨウ素発生
に伴い、溶液は黄濁化した。
【0059】例3(パラジウム核表面処理法) パラジウム核表面処理を行うために、パラジウム溶液及
びスズ溶液の2種類の溶液を用意した。各溶液の調製条
件は次の通りであった。
【0060】a)パラジウム溶液 パラジウム溶液として、塩化パラジウム(PdCl2)
0.1gを 0.1%HCl1L中に溶解させたものを用いた。P
dCl2 は始め、分散状態となるが、6時間攪拌するこ
とにより溶解し、溶液は黄濁化した。
【0061】b)スズ溶液 スズ溶液として、SnCl2 0.1gを 0.1%HCl 100mL
中に溶解させたものを用いた。
【0062】次に、これらの溶液を用いたITO電極の
無電解めっき法は次の通りであった。 (1)スズ溶液中で1分間、攪拌しながらスズ核をITO
電極(基板)上に析出させた。 (2)過剰なスズ溶液を取り除くため、純水で30秒間基板
を洗浄した。 (3)パラジウム溶液中で1分間、攪拌しながら、(1)で
析出したスズ核をパラジウム核に置換させた。 (4)過剰なパラジウム溶液は、純水で30秒間洗浄するこ
とによって除去した。以上の (1)〜(4) の一連の作業を
1サイクルとした。
【0063】例4(パラジウム処理を施したITO電極
の透過率の変化) 例3で作製したパラジウム処理ITO電極の透過率の低
下の度合いを調べるために、種々のサイクル数でパラジ
ウム処理したITO電極の透過率を測定した。
【0064】図13にその透過率の変化を示す。このグラ
フでは、空気をブランクにとり、 350〜820nm までの波
長領域における透過率を測定したものである。測定に供
した試料は、パラジウム処理を施していないITO基板
と、パラジウム処理を4サイクル〔Pd(4) 〕、10サイ
クル〔Pd(10)〕繰り返したものを用いた。
【0065】この結果、Pd(10)に関しては約 350〜65
0nm の波長領域間ではITO単独の膜に比べ約10%程
度、約 680〜820nm の波長領域間では約5%程度の透過
率の低下があった。これに対し、Pd(4)のものでは、
未処理のITO基板と大差は無かった。
【0066】例5(パラジウム処理を施したITO電極
を用いた透過率変化の測定) この測定に用いたRED液は、溶媒としてアセトニトリ
ルを用い、AgI 100mM 、NaI 500mM 、テトラエ
チルアンモニウムパークロレート(Tetraethylammoniump
erchlorate)(以下、TEAPと称する。)10mMを溶解さ
せたものからなっていた。作用電極は、ITO、Pd
(6)、Pd(10)を用い、参照電極に銀線、対極に銀板を
用いた。なお、この例に用いた電気化学セルは図1に示
したものであった。
【0067】また、駆動法には矩形印加電圧を用いた。
用いた矩形印加電圧(vs. Ag wire)の駆動法は次の通り
であった(カッコ内は保持時間)。 −800mV(500msec) 0 mV(1sec)
【0068】この矩形印加電圧を用い、25回繰り返し
て、作用電極上に析出したAg膜による透過率の測定を
行った。また、このときブランクには、電析する前のI
TO基板の透過率を用いた。その結果を以下に示す。
【0069】作用電極としてITO単独基板を用いたと
きの透過率の変化を図14に、作用電極としてPd(6)を
用いたときのものを図15に、作用電極としてPd(10)を
用いたときのものを図16にそれぞれ示す。各透過率の変
化のグラフは、 350〜800nmの波長領域に関して測定を
行っており、5秒毎にデータを獲得した。
【0070】その結果、ITO単独のものは同駆動法に
おいて、波長 460nm付近に2%程度の遮蔽があったのに
対し、パラジウム処理を施したものについては、−800m
V という比較的低電圧での電析により、Pd(6)で45〜
65%、Pd(10)で68〜84%の遮蔽があり、最大遮蔽時の
作用電極は薄黒色を呈していた。
【0071】以上の結果から、ITO上に付着したパラ
ジウムの核によりAgの析出形態が大きく変化し、Ag
を析出させるための電位を参照電極の電位にかなり近づ
けることができた。このことにより、過電圧印加による
作用電極の損傷を軽減し、かつRED材料として用いた
時の駆動に要する消費電力を小さくすることができる。
【0072】例6(高電流値→低電流値への駆動) ジメチルスルホキシド(DMSO)中にヨウ化銀50mMを
ヨウ化ナトリウム 500mMと共に溶解させ、還元剤として
アスコルビン酸(AsA)を 100mM溶解させたものをR
ED液とした。作用電極(銀の析出−溶解用の基板とな
るITO電極)、対極(銀板)、参照電極(銀線)の用
意された電気化学セル中にRED液を充填し、測定に供
した。
【0073】測定を行う前に、ポテンショスタットを用
いてCV(サイクリックボルタンメトリー)測定を行
い、可逆な銀の析出−溶解反応を得るために必要な電気
量を概算した。その結果、それぞれ約41.7mC/cm2、38.7
mC/cm2と見積もった。この電気量を用い、ガルバノスタ
ットを用いて電流制御によるRED溶液からの銀の析出
及び溶解を試みた。そのときの電流値の駆動方法につい
ては次の方法を採用した。
【0074】即ち、定電流による銀の析出、溶解を高電
流から低電流にシフトさせて行うものであり、駆動法の
例として下記の表2及び表3(図17)に示すものが考え
られる。また、電流値は矩形のステップ型印加法により
シフトさせており、電流値の変化に要する時間は無視で
きるものとした。
【0075】
【0076】
【0077】この駆動法を用いたときの遮蔽速度に関し
て、その透過率の変化を追跡したグラフを図19に示す。
また、データの獲得は 0.5sec 毎に行っており、およそ
4秒で透過率は20%以下に到達していることが分かる。
【0078】例7(低電流値→高電流値への駆動) 低電流による銀の析出、溶解を低電流値から高電流値に
シフトさせるものであり、例6と同様にステップ印加法
を用いた。例として下記の表4及び表5(図18)に示す
駆動法が挙げられる。
【0079】
【0080】
【0081】図20に透過率の変化のグラフを示す。この
グラフも図19と同様、データを0.5sec毎に獲得したもの
である。その結果、低電流値から高電流値への駆動法で
は、その逆の駆動法のもの(例6)に比べて遮蔽速度は
遅れるものの(透過率20%への到達時間:約 4.5〜5.0
秒)、最終遮蔽は良好であった。
【0082】以上のようにして、2種類の駆動法を用い
て遮蔽速度及び遮蔽度について検討した結果、各駆動法
を用いた9秒後の透過率の最大低下にはさほど差は見ら
れないものの、初期の透過率の低下に大きな違いがみら
れた。
【0083】さらに、この2種類の駆動法を用いて電析
したAg膜の形態を走査型電子顕微鏡(SEM)により
観察した結果、例7の低電流値→高電流値への駆動法を
用いたときの析出Ag核は逆の駆動法(例6)に比べて
粒径が揃っていることが分かった。
【0084】例8(耐久性テスト) 例6、例7の2種類の駆動法を用いて、着、消色(銀の
析出、溶解)についての耐久性を確認するための予備テ
ストを行った。その結果、例6の駆動法で約 800サイク
ル、例7の駆動法で約1000サイクル以上の繰り返しが可
能であることを確認した。
【0085】従って、駆動速度という意味では例6の高
電流値→低電流値の駆動法が有効であり、また、例7の
低電流値→高電流値への駆動法は電極損傷の低減に有効
であることが分かった。
【0086】例9(還元剤のヨウ素発生抑制の効果) 従来、上記の如き反応において、析出後の銀を溶解させ
るとき、同時に下記の式1のようにヨウ素(I2)が生成
し、これが溶液系を茶褐色に濁らせるために問題となっ
ていた。 2I- →I2 +2e- ・・・(式1)
【0087】しかし、ヨウ素よりも標準酸化還元電位の
低い還元剤を溶液に混入することにより、I2の析出を抑
制することができた。
【0088】即ち、例6で述べたRED溶液には、アス
コルビン酸が含有されているが、アスコルビン酸を溶解
させた系は無色であり、溶液を濁すことはなかったの
で、光学フィルタの透過率にとって有利である。そし
て、アスコルビン酸は還元剤として作用し、ヨウ素をイ
オン化するので、銀を溶解させる際の析出I2を抑制する
ことができ、溶液がI2で濁ることがなかった。この点か
ら、アスコルビン酸は最適であると考えられる。
【0089】また、アスコルビン酸に代えて(或いは併
用して)塩化スズを用いても、上記と同様のI2析出阻止
作用があった。但し、還元剤を添加する場合、析出I2
抑制効果は還元剤の選択で可能であるが、あくまでも光
学フィルタとして適用するためには、溶液系を濁さない
(透過率の低下の原因とならない)還元剤の使用が望ま
れる。
【0090】例10(四級アンモニウム塩の添加効果) 上述のRED液を用いて銀の析出、溶解を行う際に、R
ED液の導電率を高める目的で四級アンモニウム塩の混
入を試みた。例6で用いたRED液にテトラブチルアン
モニウムパークロレート(Tetrabutylammoniumperchlo
rate) (TBAP)を 300mM添加したもので、 1.6mAで
10秒間、定電流(電気量は16mC)での銀の析出を試みた
ときの透過率の変化のグラフを図21に示す。また、図22
には同RED液で四級アンモニウム塩を添加しないRE
D液を用いて、 2.0mAで10秒間、定電流(電気量は20m
C)での銀の析出を試みたときの透過率の変化のグラフ
を示す。
【0091】これらの結果から分かるように、支持電解
質として四級アンモニウム塩を添加することにより、透
過率の低下に要する電流値を低下させることができた。
このことにより、電極にかかる過電圧を軽減させること
ができ、析出溶解の繰り返し回数を増大させ得ることが
考えられる(図21のスペクトルでの析出溶解で、2000回
以上の繰り返しを確認した。また、銀の溶解時の透過率
はほぼ 100%であった。)。
【0092】また、下記のように、他の四級アンモニウ
ム塩を添加し、上記と同様にして得られた透過率の変化
を測定し、図23〜図26にその結果を示した。
【0093】図23:例6で用いたRED液にテトラブチ
ルアンモニウムブロマイド(Tetrabutylammoniumbromi
de) (TBAB)を 300mM添加したもので、 1.6mAで10
秒間、定電流(電気量は16mC)での銀の析出を試みたと
きの透過率の変化。
【0094】図24:例6で用いたRED液にテトラブチ
ルアンモニウムイオダイド(Tetrabutylammoniumiodid
e)(TBAI)を 300mM添加したもので、 1.8mAで10秒
間、定電流(電気量は18mC)での銀の析出を試みたとき
の透過率の変化。
【0095】図25:例6で用いたRED液にテトラブチ
ルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート(Tetra
butylammoniumhexafluorophosphate) (TBAHFP)
を 300mM添加したもので、 1.9mAで10秒間、定電流(電
気量は19mC)での銀の析出を試みたときの透過率の変
化。
【0096】図26:例6で用いたRED液にテトラブチ
ルアンモニウムテトラフルオロボレート(Tetrabutyla
mmoniumtetrafuluoroborate)(TBATFB)を 300mM
添加したもので、 2.0mAで10秒間、定電流(電気量は20
mC)での銀の析出を試みたときの透過率の変化。
【0097】これらの結果からも、支持電解質として上
記の種々の四級アンモニウム塩を添加しても、透過率の
低下に要する電流値を低下させることができた(但し、
図23のデータは、電流が 1.6mAであるにもかかわらず良
好な結果を示しており、電流を増大させると更に向上す
るものと思われる。)。このことにより、電極にかかる
過電圧を軽減させることができ、析出溶解の繰り返し回
数を増大させ得ることが考えられる。
【0098】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基いて更に変形が可能
である。
【0099】例えば、上述したRED材料の種類やRE
D液成分の組み合わせ、濃度等は種々変更してよく、銀
塩も上述に例示したものに限られない。
【0100】また、ITO電極パターンを含む光学フィ
ルタの構造をはじめ、各構成部分の材質、更には駆動方
法も上述したものに限定されることはない。例えば、フ
ィルタ構造として、図3に示した如き電極パターンをス
トライプ状、格子状等のように種々に変化させてもよい
し、各分割電極毎に異なるRED液のセルを分割して並
置することもできる。この場合、RED液と従来のEC
液を組み合わすこともできる。
【0101】また、本発明による光学フィルタは、公知
の他のフィルタ材(例えば有機系のエレクトロクロミッ
ク材、液晶、エレクトロルミネッセンス材)と組み合わ
せる等も可能である。また、本発明による光学フィルタ
は、CCDの光学絞り用をはじめ、各種光学系、更には
電子写真複写機や光通信機器等の光量調節用としても広
く適用可能である。
【0102】
【発明の作用効果】本発明による光学フィルタは上述し
た如く、従来のEC材料とは全く異なる着想に基いて、
銀塩を含有するRED液を光学機器の光量調節のための
フィルタ材として用い、対向電極の駆動制御(特に印加
電圧)によって銀塩による銀を電極上に析出、溶解させ
る可逆な系を形成している。従って、RED材料を用い
て、低消費電力で非発光型の可視光域に好適な光学フィ
ルタを提供することができる。また、フィルタ材として
動作するための銀を析出溶解させる作用電極となる透明
電極に、パラジウム、又は銀より貴な金属の蒸着による
表面処理が行われるので、透明電極への銀の析出電位を
下げ、銀の析出溶解を容易とし、透明電極や溶液自身が
電気的に受ける損傷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による光学フィルタの概略断面
図である。
【図2】同光学フィルタの概念図である。
【図3】同光学フィルタの具体例のITO電極パターン
図である。
【図4】同具体例の光学フィルタの概略断面図である。
【図5】本発明の実施例に使用するRED材料のCV
(サイクリックボルタンメトリー)曲線図である。
【図6】同実施例の光学フィルタの着色時の印加電圧に
よる透過率変化を示すスペクトル図である。
【図7】同実施例における特定電位でのRED液の透過
率変化を示すスペクトル図である。
【図8】同実施例における他の特定電位でのRED液の
透過率変化を示すスペクトル図である。
【図9】同実施例における他の特定電位でのRED液の
透過率変化を示すスペクトル図である。
【図10】同実施例における他の特定電位でのRED液の
透過率変化を示すスペクトル図である。
【図11】同実施例における他の特定電位でのRED液の
透過率変化を示すスペクトル図である。
【図12】同実施例における更に他の特定電位でのRED
液の透過率変化を示すスペクトル図である。
【図13】同実施例において電極を表面処理したときの電
極の透過率変化を示すスペクトル図である。
【図14】同実施例において電極を表面処理したときのR
ED液の透過率変化を示すスペクトル図である。
【図15】同実施例において電極を表面処理したときのR
ED液の透過率変化を示すスペクトル図である。
【図16】同実施例において電極を表面処理したときのR
ED液の透過率変化を示すスペクトル図である。
【図17】同実施例における電極駆動方法を示すグラフで
ある。
【図18】同実施例における他の電極駆動方法を示すグラ
フである。
【図19】図17の駆動方法におけるRED液の透過率変化
を示すスペクトル図である。
【図20】図18の駆動方法におけるRED液の透過率変化
を示すスペクトル図である。
【図21】同実施例における特定電位でのRED液の透過
率の変化を示すスペクトル図である。
【図22】同実施例において四級アンモニウム塩を添加し
ない場合のRED液の透過率変化を示すスペクトル図で
ある。
【図23】同実施例における特定電位でのRED液の透過
率の変化を示すスペクトル図である。
【図24】同実施例における特定電位でのRED液の透過
率の変化を示すスペクトル図である。
【図25】同実施例における特定電位でのRED液の透過
率の変化を示すスペクトル図である。
【図26】同実施例における特定電位でのRED液の透過
率の変化を示すスペクトル図である。
【符号の説明】
1・・・RED液(銀塩含有液) 2、2a〜2e、3、3a〜3e・・・ITO電極 4、5・・・表示窓(透明基板) 6、6A、6B・・・対極 7・・・スペーサ 8A〜8F・・・電源 10・・・光学フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 春夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社 内 (72)発明者 日隈 弘一郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭64−26887(JP,A) 特開 昭62−30184(JP,A) 特開 昭64−26886(JP,A) 実開 平2−62481(JP,U) 米国特許4240717(US,A) I.Camlibel et al, AN ECPERIMENTAL DI SPLAY STRUCTURE BA SWD ON REVERSIBLE ELECTRODEPOSITION, Apll,Phys.Lett.,1978 年,vol.33,no.9.pp.793 −794 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/15 - 1/19 G09F 9/30 - 9/46

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀塩を溶解させた溶液が対向電極間に配
    され、これらの電極の駆動制御により銀の析出又は溶解
    を生じさせ、これによって着色又は消色するように構成
    された光学フィルタにおいて、フィルタ材としての銀を
    析出又は溶解させるための作用電極となる透明電極が、
    パラジウムで表面処理されているか、或いは、銀より貴
    な金属の蒸着によって表面処理されていることを特徴と
    する光学フィルタ
  2. 【請求項2】 スズ溶液及びパラジウム溶液の二液処理
    法によるパラジウムでの表面処理において、スズ溶液と
    して、塩化スズ0.10〜1.0gを0.010〜0.10%のHCl
    1Lに溶解させたものが用いられる、請求項に記載し
    た光学フィルタ。
  3. 【請求項3】 スズ溶液及びパラジウム溶液の二液処理
    法によるパラジウムでの表面処理において、パラジウム
    溶液として、塩化パラジウム0.10〜1.0gを0.010〜0.10
    %のHCl 1Lに溶解させたものが用いられる、請求
    に記載した光学フィルタ。
  4. 【請求項4】 チオシアン化銀又はハロゲン化銀を水又
    は非水溶媒に溶解させた溶液が配された、請求項1に記
    載した光学フィルタ。
  5. 【請求項5】 チオシアン化銀が用いられる場合、飽和
    チオシアン化カリウムが用いられる、請求項に記載し
    た光学フィルタ。
  6. 【請求項6】 チオシアン化銀の濃度が0.050〜1.0 m
    ol/Lである水系の溶液が使用されている、請求項
    に記載した光学フィルタ。
  7. 【請求項7】 チオシアン化銀が用いられる場合、フェ
    ロシアン化カリウムが添加される、請求項に記載した
    光学フィルタ。
  8. 【請求項8】 フェロシアン化カリウムの濃度が0.005
    〜0.010 mol/Lである、請求項に記載した光学フ
    ィルタ。
  9. 【請求項9】 ハロゲン化銀を溶解させるための溶媒と
    して、非水溶媒が用いられている、請求項に記載した
    光学フィルタ。
  10. 【請求項10】 非水溶媒が有機溶媒である、請求項
    に記載した光学フィルタ。
  11. 【請求項11】 ハロゲン化銀の濃度が0.005〜2.0 m
    ol/Lである非水溶媒系の溶液が使用されている、請
    求項に記載した光学フィルタ。
  12. 【請求項12】 ハロゲン化銀がヨウ化銀である場合、
    支持電解質がヨウ化銀の等濃度〜20倍濃度の範囲で溶
    液に添加されている、請求項に記載した光学フィル
    タ。
  13. 【請求項13】 ハロゲン化銀を溶解させると共に還元
    剤を添加した溶液が配された、請求項1に記載した光学
    フィルタ。
  14. 【請求項14】 還元剤としてアスコルビン酸及び/又
    は塩化スズが用いられる、請求項13に記載した光学フ
    ィルタ。
  15. 【請求項15】 還元剤がハロゲン化銀の等濃度〜20
    倍濃度の範囲で添加されている、請求項13に記載した
    光学フィルタ。
  16. 【請求項16】 銀の電気化学的析出又は溶解を円滑化
    するために、支持電解質として四級アンモニウム塩が添
    加された電解液を用いた、請求項1に記載した光学フィ
    ルタ。
  17. 【請求項17】 支持電解質として用いた四級アンモニ
    ウム塩のアルキル基がブチル基である、請求項16に記
    載した光学フィルタ。
  18. 【請求項18】 支持電解質のアニオン基が、パークロ
    レート(C104 )基、臭素(Br)基、ヨウ素(I)
    基、ヘキサフルオロフォスフェート(PF6)基及びテ
    トラフルオロボレート(BF4 )基からなる群より選ば
    れた基である、請求項16に記載した光学フィルタ。
  19. 【請求項19】 四級アンモニウム塩がハロゲン化銀の
    等濃度〜20倍濃度の範囲で添加されている、請求項
    に記載した光学フィルタ。
  20. 【請求項20】 消色状態のときに、溶液は可視光領域
    に吸収を持たない、請求項1に記載した光学フィルタ。
  21. 【請求項21】 着色−消色の駆動を高電流値から低電
    流値へと矩形に変化させる電流によって行う、請求項1
    に記載した光学フィルタ。
  22. 【請求項22】 着色−消色の駆動を低電流値から高電
    流値へと矩形に変化させる電流によって行う、請求項1
    に記載した光学フィルタ。
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