JP3443593B2 - 医療用水及びその製造装置 - Google Patents
医療用水及びその製造装置Info
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- JP3443593B2 JP3443593B2 JP10777994A JP10777994A JP3443593B2 JP 3443593 B2 JP3443593 B2 JP 3443593B2 JP 10777994 A JP10777994 A JP 10777994A JP 10777994 A JP10777994 A JP 10777994A JP 3443593 B2 JP3443593 B2 JP 3443593B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、外科手術時の
切開洗浄液、透析液、注射液等の水として医療用に使用
される水、すなわち医療用水及びその製造装置に関す
る。
切開洗浄液、透析液、注射液等の水として医療用に使用
される水、すなわち医療用水及びその製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、原水を電解槽にて電解処理する電
解水生成装置によって得られる電解水には、殺菌効果が
あると云われていて、電解水を医療用水として使用でき
るとの記載が例えば特公平2−7715号公報にある。
解水生成装置によって得られる電解水には、殺菌効果が
あると云われていて、電解水を医療用水として使用でき
るとの記載が例えば特公平2−7715号公報にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電解水を安
価に得るためには、原水のベースとして蒸留水を用いる
代わりに水道水や地下水を用いるのが好ましいが、近年
の水道水や地下水は家庭排水等によって相当に汚濁され
ていて、その汚濁物質を栄養源とする微生物も多数含ま
れており、微生物の中にはエンドトキシン等の毒素を出
すものも多い。このエンドトキシン等の毒素は、人体の
血液等の体液中に混入すると発熱を起こすこと、外科手
術によって切開された部位に付着すると炎症を起こすこ
とが知られている。本発明は、上記した実状に鑑みてな
されたものであり、その目的は発熱、炎症の原因となる
毒素を全く含まず、しかも殺菌効果のある医療用水を安
価に提供すること及びその製造装置を提供することにあ
る。
価に得るためには、原水のベースとして蒸留水を用いる
代わりに水道水や地下水を用いるのが好ましいが、近年
の水道水や地下水は家庭排水等によって相当に汚濁され
ていて、その汚濁物質を栄養源とする微生物も多数含ま
れており、微生物の中にはエンドトキシン等の毒素を出
すものも多い。このエンドトキシン等の毒素は、人体の
血液等の体液中に混入すると発熱を起こすこと、外科手
術によって切開された部位に付着すると炎症を起こすこ
とが知られている。本発明は、上記した実状に鑑みてな
されたものであり、その目的は発熱、炎症の原因となる
毒素を全く含まず、しかも殺菌効果のある医療用水を安
価に提供すること及びその製造装置を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、水道水または地下水に食塩
を加えて作った原水(希塩水)を電解槽にて電解処理し
て得た電解水を水と同程度の分子であるOHラジカルは
透過可能でエンドトキシンおよび次亜塩素酸は透過を阻
止されるエンドトキシン除去フィルタ(水及びこれと同
程度の分子を透過させるがイオン、コロイドその他の透
過を阻止する逆浸透膜または水とイオン及びこれらと同
程度の分子を透過させるがコロイドその他の透過を阻止
する限外濾過膜を備えたフィルタ)を通して医療用水を
得た。また、医療用水製造装置を、水道水または地下水
に食塩を加えて作った原水を電解処理する電解槽の処理
水出口に上記したエンドトキシン除去フィルタを接続し
て、電解槽にて電解処理された電解水が前記エンドトキ
シン除去フィルタを通して医療用水とされるように構成
した。
ために、本発明においては、水道水または地下水に食塩
を加えて作った原水(希塩水)を電解槽にて電解処理し
て得た電解水を水と同程度の分子であるOHラジカルは
透過可能でエンドトキシンおよび次亜塩素酸は透過を阻
止されるエンドトキシン除去フィルタ(水及びこれと同
程度の分子を透過させるがイオン、コロイドその他の透
過を阻止する逆浸透膜または水とイオン及びこれらと同
程度の分子を透過させるがコロイドその他の透過を阻止
する限外濾過膜を備えたフィルタ)を通して医療用水を
得た。また、医療用水製造装置を、水道水または地下水
に食塩を加えて作った原水を電解処理する電解槽の処理
水出口に上記したエンドトキシン除去フィルタを接続し
て、電解槽にて電解処理された電解水が前記エンドトキ
シン除去フィルタを通して医療用水とされるように構成
した。
【0005】
【発明の作用効果】本発明による医療用水は、水道水ま
たは地下水に食塩を加えて作った原水を電解槽にて電解
処理して得た電解水を水と同程度の分子であるOHラジ
カルは透過可能でエンドトキシンおよび次亜塩素酸は透
過を阻止されるエンドトキシン除去フィルタを通して得
たものであり、電解水中には電解処理によって殺菌作用
のある次亜塩素酸やOHラジカルが含まれている。とこ
ろで、OHラジカルは水と同程度の分子であるため上記
したエンドトキシン除去フィルタを透過するものの、次
亜塩素酸は上記したエンドトキシン除去フィルタにて透
過を阻止されて同フィルタの上流に溜まり、これが上記
したエンドトキシン除去フィルタの上流に溜まるエンド
トキシンを分解させて他の物質に変化させる。これによ
り、エンドトキシンは毒性の消えた小さい分子となって
上記したエンドトキシン除去フィルタを通過する。した
がって、上記したエンドトキシン除去フィルタにて使用
される逆浸透膜または限外濾過膜として分離機能が比較
的低くて安価なものを採用しても、上記したエンドトキ
シン除去フィルタを通して得た医療用水にはエンドトキ
シンが含まれず、発熱、炎症等の問題は全く生じない。
たは地下水に食塩を加えて作った原水を電解槽にて電解
処理して得た電解水を水と同程度の分子であるOHラジ
カルは透過可能でエンドトキシンおよび次亜塩素酸は透
過を阻止されるエンドトキシン除去フィルタを通して得
たものであり、電解水中には電解処理によって殺菌作用
のある次亜塩素酸やOHラジカルが含まれている。とこ
ろで、OHラジカルは水と同程度の分子であるため上記
したエンドトキシン除去フィルタを透過するものの、次
亜塩素酸は上記したエンドトキシン除去フィルタにて透
過を阻止されて同フィルタの上流に溜まり、これが上記
したエンドトキシン除去フィルタの上流に溜まるエンド
トキシンを分解させて他の物質に変化させる。これによ
り、エンドトキシンは毒性の消えた小さい分子となって
上記したエンドトキシン除去フィルタを通過する。した
がって、上記したエンドトキシン除去フィルタにて使用
される逆浸透膜または限外濾過膜として分離機能が比較
的低くて安価なものを採用しても、上記したエンドトキ
シン除去フィルタを通して得た医療用水にはエンドトキ
シンが含まれず、発熱、炎症等の問題は全く生じない。
【0006】また、本発明による医療用水は水道水また
は地下水を原水のベースとして使用するものであるた
め、蒸留水に比して製造コストが低くて経済的な効果が
期待できるとともに、殺菌作用のあるOHラジカルを含
んでいるため、特に外科手術時の切開洗浄液として極め
て有効に使用される。
は地下水を原水のベースとして使用するものであるた
め、蒸留水に比して製造コストが低くて経済的な効果が
期待できるとともに、殺菌作用のあるOHラジカルを含
んでいるため、特に外科手術時の切開洗浄液として極め
て有効に使用される。
【0007】また、本発明による医療用水製造装置は、
電解水生成装置における電解槽の処理水出口に上記した
エンドトキシン除去フィルタを接続することにより構成
できて、既存の電解水生成装置を有効に活用することが
できるとともに、当該装置をシンプルかつ安価に構成す
ることができる。
電解水生成装置における電解槽の処理水出口に上記した
エンドトキシン除去フィルタを接続することにより構成
できて、既存の電解水生成装置を有効に活用することが
できるとともに、当該装置をシンプルかつ安価に構成す
ることができる。
【0008】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。図1は本発明による医療用水を製造する装置
Bを概略的に示していて、この医療用水製造装置Bは電
解水生成装置Aの処理水出口11に接続された流入管1
2と、これに接続したエンドトキシン除去フィルタ13
と、これに接続した流出管14および廃液管15と、流
入管12に介装されてエンドトキシン除去フィルタ13
に流れる電解水を加圧する電動ポンプ16によって構成
されている。
説明する。図1は本発明による医療用水を製造する装置
Bを概略的に示していて、この医療用水製造装置Bは電
解水生成装置Aの処理水出口11に接続された流入管1
2と、これに接続したエンドトキシン除去フィルタ13
と、これに接続した流出管14および廃液管15と、流
入管12に介装されてエンドトキシン除去フィルタ13
に流れる電解水を加圧する電動ポンプ16によって構成
されている。
【0009】電解水生成装置Aは、水道水または地下水
に食塩を加えて作った原水(希塩水)を電解槽(図示省
略)にて電解処理して電解水を得るそれ自体公知のもの
であり、原水には水道水または地下水に含まれているエ
ンドトキシン等の毒素が含まれており、また電解水には
エンドトキシン等の毒素が含まれるとともに電解槽での
電解処理によって得られる次亜塩素酸やOHラジカルも
含まれている。なお、電解水生成装置Aの電解槽が隔膜
を備えているものであり酸性水とアルカリ水を分離生成
するものである場合には、処理水出口11に酸性水が流
出するように配管を構成し、また電解槽が隔膜を備えて
いないものである場合には、その流出口を処理水出口1
1とする。
に食塩を加えて作った原水(希塩水)を電解槽(図示省
略)にて電解処理して電解水を得るそれ自体公知のもの
であり、原水には水道水または地下水に含まれているエ
ンドトキシン等の毒素が含まれており、また電解水には
エンドトキシン等の毒素が含まれるとともに電解槽での
電解処理によって得られる次亜塩素酸やOHラジカルも
含まれている。なお、電解水生成装置Aの電解槽が隔膜
を備えているものであり酸性水とアルカリ水を分離生成
するものである場合には、処理水出口11に酸性水が流
出するように配管を構成し、また電解槽が隔膜を備えて
いないものである場合には、その流出口を処理水出口1
1とする。
【0010】エンドトキシン除去フィルタ13は、水及
びこれと同程度の分子を透過させるがイオン、コロイド
その他(これにエンドトキシン等が含まれる)の透過を
阻止する逆浸透膜、または水とイオン及びこれらと同程
度の分子を透過させるがコロイドその他の透過を阻止す
る限外濾過膜等の分離膜を備えたフィルタであって、そ
れ自体は公知のものであり、分離膜の素材としては使用
pH域、温度範囲の広い、かつ耐薬品性のある透水性能
の優れたもの(例えば、ポリアクリロニトリル、ポリス
ルフォン等)が採用されている。
びこれと同程度の分子を透過させるがイオン、コロイド
その他(これにエンドトキシン等が含まれる)の透過を
阻止する逆浸透膜、または水とイオン及びこれらと同程
度の分子を透過させるがコロイドその他の透過を阻止す
る限外濾過膜等の分離膜を備えたフィルタであって、そ
れ自体は公知のものであり、分離膜の素材としては使用
pH域、温度範囲の広い、かつ耐薬品性のある透水性能
の優れたもの(例えば、ポリアクリロニトリル、ポリス
ルフォン等)が採用されている。
【0011】上記した医療用水製造装置Bにおいては、
電解水生成装置Aの処理水出口11から流入管12にエ
ンドトキシン等の毒素を含むとともに次亜塩素酸やOH
ラジカルを含む電解水が流れると、電解水は電動ポンプ
16によって加圧されてエンドトキシン除去フィルタ1
3に圧送され、エンドトキシン除去フィルタ13にて分
離処理されて流出管14にはエンドトキシンと次亜塩素
酸を除去されOHラジカルを含む医療用水が導出され、
また廃液管15にはフィルタ13にて透過を阻止された
物質を高濃度に含む廃液が導出される。
電解水生成装置Aの処理水出口11から流入管12にエ
ンドトキシン等の毒素を含むとともに次亜塩素酸やOH
ラジカルを含む電解水が流れると、電解水は電動ポンプ
16によって加圧されてエンドトキシン除去フィルタ1
3に圧送され、エンドトキシン除去フィルタ13にて分
離処理されて流出管14にはエンドトキシンと次亜塩素
酸を除去されOHラジカルを含む医療用水が導出され、
また廃液管15にはフィルタ13にて透過を阻止された
物質を高濃度に含む廃液が導出される。
【図1】 本発明による医療用水を製造する装置を概略
的に示す概略構成図である。
的に示す概略構成図である。
A…電解水生成装置、B…医療用水製造装置、11…処
理水出口、12…流入管、13…エンドトキシン除去フ
ィルタ、14…流出管、15…廃液管、16…電動ポン
プ。
理水出口、12…流入管、13…エンドトキシン除去フ
ィルタ、14…流出管、15…廃液管、16…電動ポン
プ。
Claims (2)
- 【請求項1】 水道水または地下水に食塩を加えて作っ
た原水を電解槽にて電解処理して得た電解水を、水と同
程度の分子であるOHラジカルは透過可能でエンドトキ
シンおよび次亜塩素酸は透過を阻止されるエンドトキシ
ン除去フィルタを通して得た医療用水。 - 【請求項2】 水道水または地下水に食塩を加えて作っ
た原水を電解処理する電解槽の処理水出口に、水と同程
度の分子であるOHラジカルは透過可能でエンドトキシ
ンおよび次亜塩素酸は透過を阻止されるエンドトキシン
除去フィルタを接続して、電解槽にて電解処理された電
解水が前記エンドトキシン除去フィルタを通して医療用
水とされるように構成した医療用水製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10777994A JP3443593B2 (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | 医療用水及びその製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10777994A JP3443593B2 (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | 医療用水及びその製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07290065A JPH07290065A (ja) | 1995-11-07 |
JP3443593B2 true JP3443593B2 (ja) | 2003-09-02 |
Family
ID=14467812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10777994A Expired - Fee Related JP3443593B2 (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | 医療用水及びその製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3443593B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002052390A (ja) * | 2000-08-10 | 2002-02-19 | Coherent Technology:Kk | 不純物除去方法および不純物除去装置 |
JP5405736B2 (ja) * | 2007-12-13 | 2014-02-05 | 孜 佐中 | 透析用水溶液 |
JP4897022B2 (ja) * | 2009-09-09 | 2012-03-14 | 有限会社コメット | 精製水を製造するための水処理方法 |
JP5282109B2 (ja) * | 2011-03-03 | 2013-09-04 | 有限会社コメット | エンドトキシンが除去された精製水の製造方法 |
-
1994
- 1994-04-21 JP JP10777994A patent/JP3443593B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07290065A (ja) | 1995-11-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20021224 |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20030422 |
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