JP3443288B2 - 消臭フィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内その他の空間
において発生する悪臭分子を消臭分解する消臭フィルタ
の製造方法に関するものである。
において発生する悪臭分子を消臭分解する消臭フィルタ
の製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年の生活環境の質の高度化に伴い、住
環境の快適さが求められている。最近の気密性の高い家
屋では、臭いがこもりやすく、タバコ臭や体臭、ペット
臭等を取り除きたいという要望が高まってきている。そ
のため、脱臭・消臭機能を有するフィルタを、エアコン
や空気清浄器などの空調装置に取り入れる提案がなされ
ており、その消臭方法としては、活性炭、光触媒酸化、
オゾン酸化によるものが多く利用されている。
環境の快適さが求められている。最近の気密性の高い家
屋では、臭いがこもりやすく、タバコ臭や体臭、ペット
臭等を取り除きたいという要望が高まってきている。そ
のため、脱臭・消臭機能を有するフィルタを、エアコン
や空気清浄器などの空調装置に取り入れる提案がなされ
ており、その消臭方法としては、活性炭、光触媒酸化、
オゾン酸化によるものが多く利用されている。
【０００３】ただし、活性炭による消臭方法では、臭気
分子を吸着することによって脱臭するが、吸着量が飽和
すると活性炭に吸着した臭気分子は、平衡によって脱着
し再放出されるという問題がある。また、光触媒酸化に
よる消臭方法では、消臭速度が遅く、励起光源(紫外線)
を設ける必要がある。そして、紫外線ランプを使用する
と、コストが高く、電力消費が大きくなるなどの問題が
ある。さらに、オゾン酸化による消臭方法では、過剰オ
ゾンを分解する装置が必要であり、高価格や電力消費が
大きいだけでなく、オゾンそのものが人体に有害なため
に、安全性上好ましくないなどの問題を有する。
分子を吸着することによって脱臭するが、吸着量が飽和
すると活性炭に吸着した臭気分子は、平衡によって脱着
し再放出されるという問題がある。また、光触媒酸化に
よる消臭方法では、消臭速度が遅く、励起光源(紫外線)
を設ける必要がある。そして、紫外線ランプを使用する
と、コストが高く、電力消費が大きくなるなどの問題が
ある。さらに、オゾン酸化による消臭方法では、過剰オ
ゾンを分解する装置が必要であり、高価格や電力消費が
大きいだけでなく、オゾンそのものが人体に有害なため
に、安全性上好ましくないなどの問題を有する。
【０００４】そこで、上記方法による問題点を解決する
ものとして、鉄フタロシアニン錯体等の遷移金属キレー
ト化合物を用いた酸化触媒法が、現在注目されている。
例えば、白井汪芳著「化学と工業」１０月号２７項(199
1)、戸嶋直樹著「工業材料」１０月号４５(1991)にその
方法が記載されている。また、金属フタロシアニンが持
つ酸化還元能を応用した消臭剤が特開昭６２−９７５５
５号公報に記載されている。即ち、臭気分子の多くは移
動性水素を有するため、これを脱水素酸化し、ダイマー
化し、水溶性化し、不揮発化させることにより消臭が可
能となる。
ものとして、鉄フタロシアニン錯体等の遷移金属キレー
ト化合物を用いた酸化触媒法が、現在注目されている。
例えば、白井汪芳著「化学と工業」１０月号２７項(199
1)、戸嶋直樹著「工業材料」１０月号４５(1991)にその
方法が記載されている。また、金属フタロシアニンが持
つ酸化還元能を応用した消臭剤が特開昭６２−９７５５
５号公報に記載されている。即ち、臭気分子の多くは移
動性水素を有するため、これを脱水素酸化し、ダイマー
化し、水溶性化し、不揮発化させることにより消臭が可
能となる。
【０００５】この消臭方法は、実際に、生体内酵素が臭
気分子に作用する例に見ることができる。これらの反応
を行うタカラーゼ酵素は、ヘマトポルフィリンを含み、
アポ蛋白質と結合して、鉄は３価スピンの電子状態で、
蛋白質のヒスチジンイミダゾール窒素が第５配位座に配
位している。これと類似の触媒活性のあるカルボキシフ
タロシアニン鉄錯体、例えばオクタカルボキシフタロシ
アニン鉄錯体は、タカラーゼと類似の反応機構で分解
し、触媒活性がヘミンの６倍という高い活性を示してい
る。例えば、メルカプタンの酸化を例にとると、その酸
化は次の化学反応で示される。 ２-Ｒ-ＳＨ ＋ ２ＯＨ- → ２Ｒ-Ｓ- ＋ ２Ｈ2Ｏ ２Ｒ-Ｓ- ＋ ２Ｈ2Ｏ ＋ Ｏ2 → Ｒ-Ｓ-Ｓ-Ｒ ＋ Ｈ2Ｏ2 ＋ ２ＯＨ- （ただし、Ｒ：ＣＨ3、Ｃ2Ｈ5） 上式の反応で生じたチオラートアニオンは酸素ととも
に金属フタロシアニンに配位して三元錯体である活性種
となり、そして式のように、この活性種に配位してい
るチオラートアニオンは、ジスルフィドに二量化される
ことにより消臭される。
気分子に作用する例に見ることができる。これらの反応
を行うタカラーゼ酵素は、ヘマトポルフィリンを含み、
アポ蛋白質と結合して、鉄は３価スピンの電子状態で、
蛋白質のヒスチジンイミダゾール窒素が第５配位座に配
位している。これと類似の触媒活性のあるカルボキシフ
タロシアニン鉄錯体、例えばオクタカルボキシフタロシ
アニン鉄錯体は、タカラーゼと類似の反応機構で分解
し、触媒活性がヘミンの６倍という高い活性を示してい
る。例えば、メルカプタンの酸化を例にとると、その酸
化は次の化学反応で示される。 ２-Ｒ-ＳＨ ＋ ２ＯＨ- → ２Ｒ-Ｓ- ＋ ２Ｈ2Ｏ ２Ｒ-Ｓ- ＋ ２Ｈ2Ｏ ＋ Ｏ2 → Ｒ-Ｓ-Ｓ-Ｒ ＋ Ｈ2Ｏ2 ＋ ２ＯＨ- （ただし、Ｒ：ＣＨ3、Ｃ2Ｈ5） 上式の反応で生じたチオラートアニオンは酸素ととも
に金属フタロシアニンに配位して三元錯体である活性種
となり、そして式のように、この活性種に配位してい
るチオラートアニオンは、ジスルフィドに二量化される
ことにより消臭される。
【０００６】現在は、エアコンや空気清浄機等の空調装
置が作動するような空気が流動する環境下でも消臭効果
を有するような消臭フィルタが特に求められている。金
属フタロシアニン錯体を用いた消臭フィルタは、活性炭
を用いたフィルタに比較して、消臭速度が遅く、空気が
流動する環境では消臭効果が低下する。そのため、金属
フタロシアニン錯体と活性炭やゼオライト等の臭気分子
吸着剤を混合した消臭フィルタが通常使用される。臭気
分子は活性炭等の吸着剤に吸収されるために、空気が流
動する環境でも消臭が有効に行われる。さらに、吸着剤
に混合しておいた金属フタロシアニン錯体の酸化触媒反
応によって、吸着剤から脱離した臭気分子を酸化分解す
ることにより、吸着剤からの臭気漏れを防ぐことができ
る。
置が作動するような空気が流動する環境下でも消臭効果
を有するような消臭フィルタが特に求められている。金
属フタロシアニン錯体を用いた消臭フィルタは、活性炭
を用いたフィルタに比較して、消臭速度が遅く、空気が
流動する環境では消臭効果が低下する。そのため、金属
フタロシアニン錯体と活性炭やゼオライト等の臭気分子
吸着剤を混合した消臭フィルタが通常使用される。臭気
分子は活性炭等の吸着剤に吸収されるために、空気が流
動する環境でも消臭が有効に行われる。さらに、吸着剤
に混合しておいた金属フタロシアニン錯体の酸化触媒反
応によって、吸着剤から脱離した臭気分子を酸化分解す
ることにより、吸着剤からの臭気漏れを防ぐことができ
る。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
金属フタロシアニン錯体と活性炭やゼオライト等の臭気
分子吸着剤を混合した消臭フィルタでは、臭気分子が金
属フタロシアニン錯体に吸着して消臭するため、フィル
タ担体に金属フタロシアニンがモノマー状態で結合され
る必要がある。そのため、金属フタロシアニンを無機物
質や高分子化合物に化学結合してダイマーの形成を防い
でいる。
金属フタロシアニン錯体と活性炭やゼオライト等の臭気
分子吸着剤を混合した消臭フィルタでは、臭気分子が金
属フタロシアニン錯体に吸着して消臭するため、フィル
タ担体に金属フタロシアニンがモノマー状態で結合され
る必要がある。そのため、金属フタロシアニンを無機物
質や高分子化合物に化学結合してダイマーの形成を防い
でいる。
【０００８】金属フタロシアニン誘導体の中で、カルボ
キシル基を多く有する分子は、立体障害によりダイマー
を形成しにくいことが報告されている。図１にカルボキ
シル基が８個有するオクタカルボン酸鉄フタロシアニン
の分子構造を示す。しかしながら、アルカリ水溶液中で
は、時間が経過すると、次第に金属フタロシアニン分子
がダイマーを形成することが判明した。
キシル基を多く有する分子は、立体障害によりダイマー
を形成しにくいことが報告されている。図１にカルボキ
シル基が８個有するオクタカルボン酸鉄フタロシアニン
の分子構造を示す。しかしながら、アルカリ水溶液中で
は、時間が経過すると、次第に金属フタロシアニン分子
がダイマーを形成することが判明した。
【０００９】図２に金属フタロシアニン錯体のダイマー
の構造図を示す。金属フタロシアニンの構造そのもの
は、平面構造であるから、図２Ａに示す金属フタロシア
ニンダイマーまたは図２Ｂに示す金属フタロシアニン−
μ−オキソダイマーを生じてしまう。よって、中心金属
Ｍが他の物質の電子を授受しにくくなり、触媒活性が低
下する。
の構造図を示す。金属フタロシアニンの構造そのもの
は、平面構造であるから、図２Ａに示す金属フタロシア
ニンダイマーまたは図２Ｂに示す金属フタロシアニン−
μ−オキソダイマーを生じてしまう。よって、中心金属
Ｍが他の物質の電子を授受しにくくなり、触媒活性が低
下する。
【００１０】そこで、本発明はかかる課題を解決するた
めに、金属フタロシアニン錯体を溶解させるアルカリ水
溶液中で、金属フタロシアニンのダイマーが生成しない
ような消臭フィルタの製造方法を提供することを目的と
する。
めに、金属フタロシアニン錯体を溶解させるアルカリ水
溶液中で、金属フタロシアニンのダイマーが生成しない
ような消臭フィルタの製造方法を提供することを目的と
する。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本願の発明者らは、金属
フタロシアニンがダイマーを生成する原因が、ポリカル
ボン酸金属フタロシアニンのアルカリ水溶液中の溶存酸
素であることを突き止め、実際に、水溶液中の溶存酸素
を除くことにより、モノマーからダイマーへ２量子化す
るのを抑制することができることを見い出した。さら
に、アルカリ水溶液中の溶存酸素を除く手段として、不
活性ガスをバブリングしたり、また、無水亜硫酸ナトリ
ウム塩を添加することが有効であることを見い出した。
フタロシアニンがダイマーを生成する原因が、ポリカル
ボン酸金属フタロシアニンのアルカリ水溶液中の溶存酸
素であることを突き止め、実際に、水溶液中の溶存酸素
を除くことにより、モノマーからダイマーへ２量子化す
るのを抑制することができることを見い出した。さら
に、アルカリ水溶液中の溶存酸素を除く手段として、不
活性ガスをバブリングしたり、また、無水亜硫酸ナトリ
ウム塩を添加することが有効であることを見い出した。
【００１２】すなわち、上記課題を解決するために、本
発明の消臭フィルタの製造方法は、ポリカルボン酸金属
フタロシアニンを溶解させたアルカリ水溶液を調整する
工程と、アルカリ水溶液中の溶存酸素を取り除く工程
と、フィルタ担体を浸漬してフィルタ担体にポリカルボ
ン酸金属フタロシアニンを付着させる工程と、前記工程
によりポリカルボン酸金属フタロシアニンが付着したフ
ィルタ担体を酸浴で処理した後、水洗および乾燥する工
程とを有することを特徴とする。
発明の消臭フィルタの製造方法は、ポリカルボン酸金属
フタロシアニンを溶解させたアルカリ水溶液を調整する
工程と、アルカリ水溶液中の溶存酸素を取り除く工程
と、フィルタ担体を浸漬してフィルタ担体にポリカルボ
ン酸金属フタロシアニンを付着させる工程と、前記工程
によりポリカルボン酸金属フタロシアニンが付着したフ
ィルタ担体を酸浴で処理した後、水洗および乾燥する工
程とを有することを特徴とする。
【００１３】好ましくは、前記アルカリ水溶液中の溶存
酸素を取り除く工程として、前記アルカリ水溶液をガス
でバブリングする方法、または無水亜硫酸ナトリウム塩
を添加する方法を用いることを特徴とする。さらに、好
ましくは、バブリングガスとして、窒素もしくはアルゴ
ン等の不活性ガスを用いることを特徴とする。
酸素を取り除く工程として、前記アルカリ水溶液をガス
でバブリングする方法、または無水亜硫酸ナトリウム塩
を添加する方法を用いることを特徴とする。さらに、好
ましくは、バブリングガスとして、窒素もしくはアルゴ
ン等の不活性ガスを用いることを特徴とする。
【００１４】また、前記フィルタ担体が不織布、ペーパ
ーハニカム、セラミック繊維ハニカム、押出成形ハニカ
ムであることを特徴とする。
ーハニカム、セラミック繊維ハニカム、押出成形ハニカ
ムであることを特徴とする。
【００１５】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施形態に
基づいて、詳細に説明する。
基づいて、詳細に説明する。
【００１６】＜実施形態１＞第１の実施形態として、通
気性のある不織布を用いた消臭フィルタの製造方法につ
いて説明する。水酸化カリウムを溶かしたアルカリ水溶
液を窒素ガスでバブリングして、溶存酸素を脱気した。
このアルカリ水溶液に１％濃度のオクタカルボキシフタ
ロシアニン鉄を溶かし、フタロシアニン鉄をアルカリ塩
にして水溶液を調製した。アルカリ水溶液に通気性のあ
る不繊布を浸漬させた後、不繊布を引き上げて、次に、
希塩酸水溶液に浸して中和させた。その後、水で十分に
洗浄してオクタカルボキシフタロシアニン鉄を不織布に
担持した。
気性のある不織布を用いた消臭フィルタの製造方法につ
いて説明する。水酸化カリウムを溶かしたアルカリ水溶
液を窒素ガスでバブリングして、溶存酸素を脱気した。
このアルカリ水溶液に１％濃度のオクタカルボキシフタ
ロシアニン鉄を溶かし、フタロシアニン鉄をアルカリ塩
にして水溶液を調製した。アルカリ水溶液に通気性のあ
る不繊布を浸漬させた後、不繊布を引き上げて、次に、
希塩酸水溶液に浸して中和させた。その後、水で十分に
洗浄してオクタカルボキシフタロシアニン鉄を不織布に
担持した。
【００１７】作製した消臭フィルタは、家庭用エアコン
室内機の集塵フィルタ部に取り付けた。消臭フィルタを
搭載したエアコンを消臭評価用ボックス(１メートル立
方)に設置し、消臭効果を調べた。評価用ボックス内の
温度を２５℃とし、湿度を３０％に調整した。ボックス
内に硫化水素ガスを導入し、エアコン動作前と動作後に
サンプリングを行い、ガス検知管（ガステック製）によ
り硫化水素のガス濃度を測定した。
室内機の集塵フィルタ部に取り付けた。消臭フィルタを
搭載したエアコンを消臭評価用ボックス(１メートル立
方)に設置し、消臭効果を調べた。評価用ボックス内の
温度を２５℃とし、湿度を３０％に調整した。ボックス
内に硫化水素ガスを導入し、エアコン動作前と動作後に
サンプリングを行い、ガス検知管（ガステック製）によ
り硫化水素のガス濃度を測定した。
【００１８】硫化水素の初期濃度は１５ｐｐｍとした。
硫化水素ガスは３０分後には消臭フィルタにより完全に
消臭され、検知管では検出できなかった。
硫化水素ガスは３０分後には消臭フィルタにより完全に
消臭され、検知管では検出できなかった。
【００１９】＜実施形態２＞第２の実施形態として、セ
ラミック繊維紙からなるハニカム構造体を用いた消臭フ
ィルタの製造方法について説明する。セラミック繊維紙
からなるハニカム構造体は、耐熱性および耐食性に優れ
ており、押出成形によるセラミックハニカム構造体より
も軽量で圧力損失が少ない。ここでは、セラミック繊維
紙からなるハニカム構造体であるハニクルＬＴ(ニチア
ス株式会社)を用いた。
ラミック繊維紙からなるハニカム構造体を用いた消臭フ
ィルタの製造方法について説明する。セラミック繊維紙
からなるハニカム構造体は、耐熱性および耐食性に優れ
ており、押出成形によるセラミックハニカム構造体より
も軽量で圧力損失が少ない。ここでは、セラミック繊維
紙からなるハニカム構造体であるハニクルＬＴ(ニチア
ス株式会社)を用いた。
【００２０】まず、純水に無水亜硫酸ナトリウム塩を５
％濃度で溶かして、水酸化カリウムを加えて調整したア
ルカリ水溶液に、１％濃度のオクタカルボキシフタロシ
アニン鉄を溶解させたアルカリ水溶液を調製した。この
ように無水亜硫酸ナトリウム塩をアルカリ水溶液に溶解
すると溶存酸素がなくなる。このアルカリ水溶液にハニ
カム構造体を浸漬させた後、引き上げて乾燥させた。次
ぎに、このハニカム構造体を希塩酸水溶液に浸して中和
した。その後、十分洗浄して、消臭フィルタを作製し
た。
％濃度で溶かして、水酸化カリウムを加えて調整したア
ルカリ水溶液に、１％濃度のオクタカルボキシフタロシ
アニン鉄を溶解させたアルカリ水溶液を調製した。この
ように無水亜硫酸ナトリウム塩をアルカリ水溶液に溶解
すると溶存酸素がなくなる。このアルカリ水溶液にハニ
カム構造体を浸漬させた後、引き上げて乾燥させた。次
ぎに、このハニカム構造体を希塩酸水溶液に浸して中和
した。その後、十分洗浄して、消臭フィルタを作製し
た。
【００２１】作製した消臭フィルタは、家庭用エアコン
室内機の集塵フィルタ部に取り付けた。消臭フィルタを
搭載したエアコンを消臭評価用ボックス(１メートル立
方)に設置し、消臭効果を調べた。評価用ボックス内の
温度を２５℃とし、湿度を３０％に調整した。ボックス
内に硫化水素ガスを導入し、エアコン動作前と動作後に
サンプリングを行い、ガス検知管（ガステック製）によ
り硫化水素のガス濃度を測定した。
室内機の集塵フィルタ部に取り付けた。消臭フィルタを
搭載したエアコンを消臭評価用ボックス(１メートル立
方)に設置し、消臭効果を調べた。評価用ボックス内の
温度を２５℃とし、湿度を３０％に調整した。ボックス
内に硫化水素ガスを導入し、エアコン動作前と動作後に
サンプリングを行い、ガス検知管（ガステック製）によ
り硫化水素のガス濃度を測定した。
【００２２】硫化水素の初期濃度は１５ｐｐｍとした。
硫化水素ガスは３０分後には消臭フィルタにより完全に
消臭され、検知管では検出できなかった。
硫化水素ガスは３０分後には消臭フィルタにより完全に
消臭され、検知管では検出できなかった。
【００２３】＜実施形態３＞
第３の実施形態として、金属ハニカム構造の消臭フィル
タの製造方法について説明する。ハニカム構造体には、
無機バインダーを用いて疎水性ゼオライトを表面に固定
化したアルミ製ハニカムフィルタを用いた。１％濃度の
オクタカルボキシフタロシアニン鉄と水酸化カリウムを
溶解させたアルカリ水溶液を調製した。このアルカリ水
溶液を不活性ガスでバブリングして溶存酵素を除去し
た。このアルカリ水溶液に圧力損失の小さいハニカム構
造の金属ハニカム構造体を浸漬させた後、引き上げて乾
燥させた。次ぎに、希塩酸水溶液に浸して中和した。そ
の後、十分に純水で洗浄してフィルタ表面にオクタカル
ボキシフタロシアニン鉄を担持し、消臭フィルタを作製
した。
タの製造方法について説明する。ハニカム構造体には、
無機バインダーを用いて疎水性ゼオライトを表面に固定
化したアルミ製ハニカムフィルタを用いた。１％濃度の
オクタカルボキシフタロシアニン鉄と水酸化カリウムを
溶解させたアルカリ水溶液を調製した。このアルカリ水
溶液を不活性ガスでバブリングして溶存酵素を除去し
た。このアルカリ水溶液に圧力損失の小さいハニカム構
造の金属ハニカム構造体を浸漬させた後、引き上げて乾
燥させた。次ぎに、希塩酸水溶液に浸して中和した。そ
の後、十分に純水で洗浄してフィルタ表面にオクタカル
ボキシフタロシアニン鉄を担持し、消臭フィルタを作製
した。
【００２４】作製した消臭フィルタは、家庭用エアコン
室内機の集塵フィルタ部に取り付けた。消臭フィルタを
搭載したエアコンを消臭評価用ボックス(１メートル立
方)に設置し、消臭効果を調べた。評価用ボックス内の
温度を２５℃とし、湿度を３０％に調整した。ボックス
内に硫化水素ガスを導入し、エアコン動作前と動作後に
サンプリングを行い、ガス検知管（ガステック製）によ
り硫化水素のガス濃度を測定した。
室内機の集塵フィルタ部に取り付けた。消臭フィルタを
搭載したエアコンを消臭評価用ボックス(１メートル立
方)に設置し、消臭効果を調べた。評価用ボックス内の
温度を２５℃とし、湿度を３０％に調整した。ボックス
内に硫化水素ガスを導入し、エアコン動作前と動作後に
サンプリングを行い、ガス検知管（ガステック製）によ
り硫化水素のガス濃度を測定した。
【００２５】硫化水素の初期濃度は１５ｐｐｍとした。
硫化水素ガスは３０分後には消臭フィルタにより完全に
消臭され、検知管では検出できなかった。
硫化水素ガスは３０分後には消臭フィルタにより完全に
消臭され、検知管では検出できなかった。
【００２６】上記実施形態において、溶存酸素を取り除
く方法として窒素ガスによるバブリング法や無水亜硫酸
ナトリウム塩の添加法などを開示したが、本発明はこれ
ら方法に限定されるものではなく、その他の方法を用い
て、同様の目的を達せられるものであれば、適宜選択し
て用いることができることは言うまでもない。
く方法として窒素ガスによるバブリング法や無水亜硫酸
ナトリウム塩の添加法などを開示したが、本発明はこれ
ら方法に限定されるものではなく、その他の方法を用い
て、同様の目的を達せられるものであれば、適宜選択し
て用いることができることは言うまでもない。
【００２７】
【発明の効果】エアコンの集塵フィルタに、本発明の製
造方法による消臭フィルタを取り付けることにより、室
内空気の脱臭を効率よく行うことができる本発明による
製造方法によれば、金属フタロシアニンがダイマー化し
ないために、消臭性能は劣化せず、空気が流動する室内
環境でも消臭効果を有する消臭フィルタを提供すること
が可能となる。
造方法による消臭フィルタを取り付けることにより、室
内空気の脱臭を効率よく行うことができる本発明による
製造方法によれば、金属フタロシアニンがダイマー化し
ないために、消臭性能は劣化せず、空気が流動する室内
環境でも消臭効果を有する消臭フィルタを提供すること
が可能となる。
【図１】金属（鉄）フタロシアニンの構造図である。
【図２】金属フタロシアニンのダイマーの構造図であ
る。
る。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
A61L 9/00 - 9/22
B01D 53/02
B01D 53/04
Claims (4)
- 【請求項１】 ポリカルボン酸金属フタロシアニンを溶
解させたアルカリ水溶液を調整する工程と、アルカリ水
溶液中の溶存酸素を取り除く工程と、フィルタ担体を浸
漬してフィルタ担体にポリカルボン酸金属フタロシアニ
ンを付着させる工程と、前記工程によりポリカルボン酸
金属フタロシアニンが付着したフィルタ担体を酸浴で処
理した後、水洗および乾燥する工程とを有することを特
徴とする消臭フィルタの製造方法。 - 【請求項２】 請求項１記載のアルカリ水溶液中の溶存
酸素を取り除く工程として、前記アルカリ水溶液をガス
でバブリングする方法、またはアルカリ水溶液に無水亜
硫酸ナトリウム塩を添加する方法を用いることを特徴と
する消臭フィルタの製造方法。 - 【請求項３】 請求項２記載のバブリングガスとして、
窒素もしくはアルゴン等の不活性ガスを用いることを特
徴とする消臭フィルタの製造方法。 - 【請求項４】 前記フィルタ担体が不織布、ペーパーハ
ニカム、セラミック繊維ハニカム、押出成形ハニカムで
あることを特徴とする請求項１乃至３記載の消臭フィル
タの製造方法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23223497A JP3443288B2 (ja) | 1997-08-28 | 1997-08-28 | 消臭フィルタの製造方法 |
| EP19980304787 EP0893128B1 (en) | 1997-06-23 | 1998-06-17 | Composite space deodorizing filter |
| DE1998623929 DE69823929T2 (de) | 1997-06-23 | 1998-06-17 | Verbundluftdesodorierungsfilter |
| CN98103266A CN1114449C (zh) | 1997-06-23 | 1998-06-23 | 组合式除臭过滤器及其生产方法和含其的过滤装置 |
| KR1019980023744A KR100278937B1 (ko) | 1997-06-23 | 1998-06-23 | 복합 탈취 필터 및 이를 포함하는 복합 탈취 필터 장치 및 탈취 필터 제조 방법 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23223497A JP3443288B2 (ja) | 1997-08-28 | 1997-08-28 | 消臭フィルタの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1156990A JPH1156990A (ja) | 1999-03-02 |
| JP3443288B2 true JP3443288B2 (ja) | 2003-09-02 |
Family
ID=16936084
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23223497A Expired - Fee Related JP3443288B2 (ja) | 1997-06-23 | 1997-08-28 | 消臭フィルタの製造方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3443288B2 (ja) |
| KR (1) | KR100278937B1 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007179868A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Suminoe Textile Co Ltd | 燃料電池用フィルターユニット |
| KR100734926B1 (ko) * | 2006-06-30 | 2007-07-03 | 이인화 | 액상 철 킬레이트 촉매를 이용한 황화합물 제거 및 메탄과이산화탄소 분리장치 |
| KR100910250B1 (ko) * | 2008-01-30 | 2009-07-31 | 박현주 | 질소와 인 제거 기능을 갖는 오폐수 정화용 담체 및 그 제작방법 |
| KR101013395B1 (ko) * | 2008-10-23 | 2011-02-14 | 주식회사 프라코 | 셀룰로오스 섬유를 이용한 오염물질 여과 필터 및 이의 제조방법 |
| KR101993091B1 (ko) * | 2018-07-11 | 2019-06-25 | 고정곤 | 진드기 항원에 대한 항알러지 효과를 갖고, 수명 안내가 가능한 부직포 기재를 포함하는 공기청정기용 필터 |
| KR101984431B1 (ko) * | 2018-07-11 | 2019-05-30 | 고정곤 | 진드기 항원에 대한 항알러지 효과를 갖고, 수명 안내가 가능한 항알러지 필터 |
-
1997
- 1997-08-28 JP JP23223497A patent/JP3443288B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1998
- 1998-06-23 KR KR1019980023744A patent/KR100278937B1/ko not_active IP Right Cessation
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1156990A (ja) | 1999-03-02 |
| KR19990007252A (ko) | 1999-01-25 |
| KR100278937B1 (ko) | 2001-01-15 |
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