JP3442221B2 - ロボットの制御方法 - Google Patents

ロボットの制御方法

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JP3442221B2
JP3442221B2 JP15027996A JP15027996A JP3442221B2 JP 3442221 B2 JP3442221 B2 JP 3442221B2 JP 15027996 A JP15027996 A JP 15027996A JP 15027996 A JP15027996 A JP 15027996A JP 3442221 B2 JP3442221 B2 JP 3442221B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロボットの制御方
法、より詳細には、組立用ロボット装置や搬送用ロボッ
ト装置などに用いられて好適なロボット把持部の姿勢制
御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図13は、ロボットの把持部の姿勢を説
明するための図で、図中、36は把持部、36bはフィ
ンガー部、36cはクッション部材、37は被把持物体
(長軸物ワーク)である。
【0003】例えば、図13に示したように、長軸物ワ
ーク37を把持する把持部36がチャック式ハンドの場
合、長軸物ワーク37の長軸に対する直角方向Yのずれ
には強いが、長軸物ワーク37の長軸方向Xにはクッシ
ョン部材36cと長軸物ワーク37表面との間の摩擦力
だけで固定されているので、ロボットが物体を把持して
搬送する際に、ロボットの把持姿勢によっては、被把持
物体37にかかる慣性力の変化が大きく、それに対応で
きずに物体をすべり落とす可能性がある。
【0004】そこで、上記問題点を解決するために、一
般的には、移動中の把持姿勢を考慮した経由点の生成や
慣性力を考えた加減速の設定、あるいは、把持部を改造
して、あらゆる方向からの外力に強い把持機構を構成す
る方法や把持力を高めるなどの方法が採られる。
【0005】また、特開平7-227779号公報には、被把持
物体の重心を検出し、重心位置が把持位置の垂下領域に
位置するように把持部の姿勢を制御することにより、把
持対象物を安定に把持する方法が開示されている。
【0006】さらに、特開平6-285776号公報には、自走
式ロボットにおいて、上下2台の走行台車を設け、ロボ
ットの姿勢,ワークの重量・把持方向などに合わせて下
部走行台車の速度指令値を変更することにより、走行台
車の起動,停止時のワークの落下やロボット自身の損傷
といった問題を解決することができる制御方法が開示さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような移動中の把持姿勢を考慮した経由点の生成や慣
性力を考えた加減速の設定は、慣性力の方向とハンドの
長軸に対する直角方向とを常に安定して一致させること
が必要であるが、それは事実上困難であり、あまり現実
的な方法であるとは言えないし、把持部を改造して対応
する場合は、把持部が大型化したり、機構が複雑になっ
てしまうという問題がある。
【0008】また、前記特開平7-227779号公報のもの
は、重心位置を把持できないとき、あるいは検出できな
いときに対応できないという問題があり、さらに、前記
特開平6-285776号公報のものは、自走式ロボットについ
てであるが、移動方向が一方向に限られるなどの制約が
問題となっている。
【0009】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、慣性力の方向を自動的に検知し、それに基
づいた姿勢制御を行うことにより、慣性力による被把持
物体の落下を防止することが可能なロボットの制御方法
を提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、長軸
物の物体を把持する把持部と、該把持部および前記物体
を所定の位置に移動させる位置制御と前記把持部の姿
勢制御とを行うロボット制御手段とを有するロボットの
制御方法において、前記物体を前記把持部が摩擦力のみ
で固定して所定の位置に移動させる場合、前記ロボット
制御手段は、前記把持部の移動時に該把持部にかかる加
速度の方向および/または慣性力の方向を演算する演算
手段を有し、該演算結果に基づいて前記加速度の方向
よび/または慣性力の方向と前記物体の長軸方向に対す
る直角方向とが一致するように前記把持部の向きを変え
ることにより前記物体安定把持姿勢を保持するように
姿勢制御することを特徴としたもので、複雑な教示をす
ることなく、また、簡単な把持機構により、慣性力によ
って被把持物体を落とすようなトラブルを抑えることが
できるようにしたものである。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記ロボット制御手段は、前記把持部あるいはその
近傍に前記加速度を検知する検知手段を有し、該検知結
果に基づいて前記演算手段が前記把持部の加速度および
慣性力の方向を演算することを特徴としたもので、複雑
な演算をしなくても慣性力の方向を算出することがで
き、これにより、請求項1の発明と同様な効果を得るこ
とができるようにしたものである。
【0012】請求項3の発明は、請求項1あるいは2の
発明において、前記ロボットは、プログラムに基づいて
動作し、該プログラムのコマンドによって、前記把持部
の一連の動作において、前記安定把持姿勢を保持する姿
勢保持モード期間と前記安定把持姿勢を保持しない通常
モード期間とに切り替えることができることを特徴とし
たもので、請求項1の発明の機能が必要か不要かに合わ
せて、任意のタイミングで姿勢モードを簡単に切り替え
ることができるようにしたものである。
【0013】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記安定把持姿勢の設定値が前記プログラムのコマ
ンドによって変更することができることを特徴としたも
ので、把持部毎に要求される把持姿勢のバリエーション
に簡単に対応することができるようにしたものである。
【0014】請求項5の発明は、請求項3あるいは4の
発明において、前記姿勢保持モードの有効期間中に、教
示された前記把持部の移動経路の経由点を通らずに前記
把持部が移動する軌道データを生成し、教示された前記
経由点の姿勢データを前記軌道データに基づいた前記安
定把持姿勢のデータに置換することを特徴としたもの
で、経由点の教示の際に、経由点を通過するときの慣性
力の方向を気にせずに教示することができるようにした
ものである。
【0015】請求項6の発明は、請求項3乃至5のいず
れかの発明において、前記ロボット制御手段は、前記把
持部が指令を受けた前記安定把持姿勢と実際の姿勢との
差があらかじめ設定された範囲を超えたことを判定する
判定手段を有し、該判定に基づいた信号を外部入出力端
子あるいは前記プログラム上に出力することを特徴とし
たもので、装置の安全性を高めることができ、姿勢制御
を確実に行うことができるようにしたものである。
【0016】
【0017】請求項の発明は、請求項1乃至のいず
れかの発明において、前記ロボット制御手段は、前記物
体の重心位置に作用する慣性力の方向を演算する慣性力
方向演算手段を有し、該演算結果に基づいて前記物体の
慣性力の方向と前記把持部の安定把持方向が平行となる
ように姿勢制御することを特徴としたもので、被把持物
体の重心を把持することができなくても、請求項1と同
様の効果を得ることができるようにしたものである。
【0018】請求項の発明は、請求項1乃至のいず
れかの発明において、前記ロボット制御手段は、複数の
前記安定把持姿勢から一姿勢を選択する判断手段を有す
ることを特徴としたもので、動作パターンを記憶させる
ことにより、最適な姿勢変化を行うことができるように
したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用されるロボ
ットの一実施例を説明するための構成図で、図1(A)
は全体構成図で、図1(B)は図1(A)のB部拡大図
で、図1(C)は図1(B)のC−C矢視図で、図1
(D)は図1(B)のD−D矢視図で、図中、1はロボ
ットコントローラ、2はサーボアンプ、3は第1アー
ム、3aは第1回転軸、4は第2アーム、4aは第2回
転軸、5は昇降軸、5aは第3回転軸、6は把持部、6
aはチャック開閉用シリンダ、6bはフィンガー部、6
cはクッション部材、7は被把持物体(長軸物ワーク)
である。
【0020】図1に示した実施例は、長軸物を把持して
搬送する水平多関節ロボットで、図1(A)に示したよ
うに、把持部6の位置を決める第1アーム3、第2アー
ム4、第1回転軸3a,第2回転軸4a,昇降軸5と把
持部6の水平面での姿勢を決める第3回転軸5aで構成
されており、把持部6は、昇降軸5の先端に取り付けら
れている。
【0021】把持部6の位置制御および姿勢制御は、ロ
ボットコントローラ1で行われ、各軸3a,4a,5a
のサーボモータへはサーボアンプ2を通して、ロボット
コントローラ1の指令が送られ、ロボットコントローラ
1へはエンコーダの値がフィードバックされる。
【0022】図1(B)〜図1(D)に示したように、
把持部6は、長軸物ワーク7を把持するためのチャック
式ハンドで、チャック開閉用シリンダ6aに長軸物用の
フィンガー部6bが取り付けられており、把持部6のチ
ャック駆動部はロボットコントローラからのON/OF
F信号によりチャックを開閉する。
【0023】図2は、図1に示した実施例における被把
持物体の安定把持姿勢および方向を説明するための図
で、図2(A)は被把持物体7の安定把持姿勢を説明す
るための図で、図2(B)は、被把持物体物7が円弧軌
道を描いて移動する時の安定把持方向の変化を説明する
ための図で、図中、Aaは加速領域、Acは定速領域、
Arは減速領域、Dsは安定把持方向、Fは慣性力の方
向、Gは終点、Sは始点、Xは被把持物体7の長軸方
向、Yは長軸方向Xに対する直角方向で、図1と同じ作
用をする部分には図1と同じ符号が付してある。
【0024】図1(B)〜図1(D)に示したように、
チャック式ハンドにより、長軸物ワーク7を把持する場
合、図13に示したように、長軸物ワーク7の長軸に対
する直角方向Yの外力には強いが、長軸物ワーク7の長
軸方向Xにはクッション部材6cと長軸物ワーク7の表
面との間の摩擦力だけで固定されるので、外力が大きい
時、物体(長軸物ワーク7)をすべり落とす可能性があ
る。
【0025】この場合、Y方向が長軸物ワーク7を安定
して把持することができる方向(安定把持方向Ds)と
なる。従って、図2(A)に示したように、慣性力Fの
方向とY方向が一致するように把持部6の向きを変える
ことにより、慣性力FのX方向成分は0になるので、長
軸物ワーク7がずれたり落ちたりしにくくなる。
【0026】図2(B)は、把持部6が始点Sから終点
Gまでの円弧軌道を描く時に把持部6にかかる慣性力F
の方向と把持部6の姿勢の変化を示したもので、加速領
域Aaおよび減速領域Arでは、遠心力以外に角加速度
による慣性力を受ける。
【0027】図3は、本発明によるロボットの制御方法
の一実施例を説明するための構成図で、図中、11はプ
ログラム動作部、12は軌道生成部、13は加速度方向
演算部、14は姿勢生成部、15,19はサーボ制御
部、16,20はサーボアンプ、17,21はサーボモ
ータ、18,22はエンコーダである。
【0028】まず、プログラム動作部11でロボット言
語で書かれたプログラムの中から移動命令を解釈し、そ
れに基づいて、軌道生成部12で現在地から目標位置ま
での位置軌道生成を行う。サーボ制御部15はその目標
軌道をもらい、駆動部(サーボアンプ16)に指令値を
送る。
【0029】一方、加速度方向演算部13は、軌道生成
部12から把持部6の位置データをもらって加速度の方
向または慣性力Fの方向を算出する。姿勢生成部14で
はこの結果から、目標姿勢をサーボ制御部19に送る。
なお、把持部6の加速度は、第1アーム3と第2アーム
4の長さと、第1回転軸3a,第2回転軸4aの角速
度,角加速度から算出される。
【0030】請求項1の発明は、上述のように、軌道生
成部12から得た把持部6の位置データにより、加速度
方向演算部13が把持部6の加速度の方向あるいは慣性
力Fの方向を算出し、この結果から姿勢生成部14が把
持部6の目標姿勢データを算出してサーボ制御部19に
送り、さらに、このサーボ制御部19からの指令に基づ
いてサーボモータ21が作動し、これにより、把持部6
が、図2に示したような、安定把持姿勢を得ることがで
きるようにしたものである。
【0031】図4は、本発明によるロボットの制御方法
の他の実施例を説明するための構成図で、図中、23は
外部出力端子、24は加速度計で、その他図1乃至図3
と同じ作用をする部分には図1乃至図3と同じ符号が付
してある。
【0032】請求項2の発明は、把持部6の軸上に2つ
の加速度計24が直交するように取り付けており、その
加速度計24により、把持部6の移動中の加速度を計
り、それぞれの値から加速度方向演算部13で慣性力の
方向を割り出し、その演算結果に基づいて、姿勢生成部
14で把持部6の姿勢が安定把持姿勢になるように指令
値を出し、この指令値にサーボモータ21を追従させる
ようにしたもので、加速度計24から得られた測定値に
基づいて、すなわち、位置指令値とは独立した形で姿勢
指令値を送ることができるようにしたものである。
【0033】図5は、本発明によるロボットの制御方法
の他の実施例を説明するための図で、図5(A)はフロ
ーチャートで、図5(B)は把持部の軌道を示した図で
ある。
【0034】図6は、図5に示した実施例における通常
モード時の制御を説明するための構成図で、図中、25
は機構変換部、26は機構パラメータで、その他図1乃
至図5と同じ作用をする部分には図1乃至図5と同じ符
号が付してある。
【0035】請求項3の発明は、例えば、図5(B)に
示したように、把持部6が始点A→経由点M1→経由点
2→終点Dの経路で移動する際に、SM1間とM2G間
を姿勢保持モードにし、M12間を直線補間するための
通常モードにしたい場合などに、図5(A)に示したよ
うなフローチャートにするために、プログラムにモード
ON(SM1,M2G),モードOFF(M12)のコマ
ンドを書き込むことにより、姿勢保持モードの有効期間
と通常モードの期間との切り替えができるようにしたも
のである。
【0036】この発明は、被把持物体を把持した後の搬
送中の把持部の姿勢を自由に変えてよいことが必要条件
になるので、干渉物を避けたり補間動作をする場合は、
モードOFFにして通常モードに切り替える必要があ
る。なお、図6に示したように、通常モードの制御構成
は、軌道生成部12とサーボ制御部15,19の間に機
構変換部25が組み込まれる。
【0037】図7は、本発明によるロボットの制御方法
の他の実施例を説明するためのフローチャートである。
【0038】請求項4の発明は、例えば、図7に示した
ように、部品P1を搬送(S11〜S14)し、ハンド
交換(S15)を行って部品P2を搬送(S17〜S2
0)する場合、安定把持姿勢の設定コマンドを移動命令
の直前にいれて、姿勢軸の原点からのオフセット角度を
設定コマンドに記述する方法を採るようにしたもので、
プログラムに安定把持方向を設定する値を書き込むこと
により、把持部6および被把持物体に合わせて安定把持
姿勢を変更することができるようにしたものである。
【0039】図8は、本発明によるロボットの制御方法
の他の実施例を説明するための図で、M3は経由点で、
その他、図1乃至図7と同じ作用をする部分には図1乃
至図7と同じ符号が付してある。
【0040】請求項5の発明は、図8に示したように、
姿勢保持モード有効中であって、把持部6が始点S→経
由点M3→終点Gの経路を教示されたときの姿勢データ
を無視して実線で示したように、経由点M3で停止せず
にM3の近傍を通るように、軌道の位置データを生成
し、安定把持姿勢の姿勢データに置換し、安定把持姿勢
を保持することができるようにしたものである。
【0041】破線で示した経路のように経由点M3で一
旦位置決めをするときは、姿勢保持モード有効中であっ
ても教示姿勢で停止する。また、図5(B)で示した経
路の場合は、経由点M1,経由点M2では停止しないが、
姿勢は教示姿勢になる。
【0042】図9は、本発明によるロボットの制御方法
の他の実施例を説明するための図で、Tは時間、T1
移動開始点、T2は安定把持姿勢開始点、θは第3回転
軸の角度、θ1は停止姿勢の第3回転軸の角度、θ2は移
動開始時T1における安定把持姿勢に対する第3回転軸
の角度である。
【0043】請求項1乃至5の発明において、把持部6
の位置の軌道生成が把持部6の姿勢の生成に優先して行
われるので、把持部6の安定把持姿勢を保持することが
できない区間(以下、姿勢非保持区間とする)が生じ
る。例えば、図9に示したように、把持部6が停止状態
から目標位置へ移動するとき、把持部6の停止姿勢角度
θ1と移動開始時における安定把持姿勢に対する第3軸
の角度θ2の間にギャップがあるため、移動開始直後
(T1〜T2)は安定把持姿勢を保持することができな
い。また、把持部6の安定把持姿勢を保持するための駆
動軸の最大加速度,最大速度の設定条件などによって
は、把持部6の移動に対して把持部6の安定把持姿勢が
追従できないことも起こりうる。
【0044】請求項6の発明は、図4に示したように、
サーボ制御部19に、把持部6の指令角度と実際の角度
との差があらかじめ設定した範囲を超えたときに姿勢非
保持状態と判定する判定部を設け、把持部6が姿勢非保
持状態の間、警告信号を外部入出力端子あるいはプロク
ラム上に出力することができるようにしたもので、例え
ば、外部端子と警告灯などを継ぐことにより、ワークを
落とす可能性があるので作業者に危険であることを知ら
せたり、また、プログラムがこの信号を受けることによ
りスピードを遅くするなどの処理をすることができるよ
うにしたものである。
【0045】図10は、本発明によるロボットの制御方
法の他の実施例を説明するための図で、T0は姿勢変更
開始点で、その他図9と同じ作用をする部分には図9と
同じ符号が付してある。
【0046】図10に示した実施例は、把持部6が、あ
る停止の姿勢から移動を開始する際に、図9に示したよ
うな姿勢非保持区間を作らない代わりに、把持部6の姿
勢が準備できるまでの間(T0〜T1:姿勢変更区間)、
把持部6の位置の移動を開始しないようにしたもので、
これにより、タイムロスのためにタクトは落ちるが、把
持部6が停止姿勢からスムーズに安定把持姿勢に姿勢変
更をすることができるようにしたものである。
【0047】結局、把持部6の姿勢変更用の仮想経由点
を1つ生成したことと同じ結果となり、図10に示した
実施例では、始点の位置で把持部6の姿勢のみを動かし
た仮想経由点を生成したことになるが、その場で把持部
6の姿勢変更ができない場合などは停止状態の把持部6
の安定把持方向の延長上に仮想経由点を生成し、把持部
6の姿勢を変えながら移動するという方法でもよい。
【0048】また、姿勢生成部14における姿勢生成の
段階で、軌道生成部12が生成した把持部6の位置変化
に対して把持部6の姿勢変化が追従できないことがわか
るので、軌道生成部12に把持部6の軌道生成のやり直
しを命じることができるようにし、軌道生成部12で
は、この再生成指令を受けると把持部6の姿勢変化が追
従できるところまで把持部6の位置変化のスピードを遅
らせて、把持部6の軌道生成を演算し直すことができる
ようにする方法でもよい
【0049】図11(A),図11(B)は、本発明に
よるロボットの制御方法の他の実施例を説明するための
図で、dは第3回転軸5aとワーク7の重心の距離、F
0は把持部6に働く慣性力、F1はワーク7の重心に働く
慣性力、φは補正角、ωは角速度で、その他図1乃至図
8と同じ作用をする部分には図1乃至図8と同じ符号が
付してある。
【0050】図11(A)に示したように、把持部6が
一定の角速度ωで旋回している時、ワーク7の重心が把
持部6の中心軸(第3回転軸5a)から距離dだけ離れ
ている場合、ワークの慣性力F1は、把持部6の慣性力
0の方向と少し異なり、図13に示したように、安定
把持方向以外の方向に働いてしまう。
【0051】請求項の発明は、ワーク7の重心位置を
把持部6の基準位置からのオフセット値(X,Y,Z)
として設定することにより、演算部13で補正角φを計
算し、把持部6の姿勢を補正することが行われるように
したもので、例えば、ワーク7の重心位置が把持部6の
基準位置(第3回転軸5a)から距離dだけ離れている
場合、オフセット値として(d,0,0)を設定する
と、把持部6の位置と速度データをもとに補正角φを計
算し、図11(B)に示したように、把持部6の安定把
持方向と物体(ワーク7)の重心にかかる慣性力F1
方向を平行にするようにしたものである。
【0052】図12(A)乃至図12(D)は、本発明
によるロボットの制御方法の他の実施例を説明するため
の図で、図中、Dsは安定把持方向、STはストッパ、
Rは把持部6の可動範囲である。
【0053】図12に示した実施例は、図2(A)に示
した実施例の矢印Yの反対向き(180゜回転した向
き)でも安定把持方向Dsになるはずなので、可動範囲
Rが360゜で、安定把持方向Dsが2つある場合に、
可動範囲R内でより近い安定把持方向Dsを選択するよ
うな動作パターンを示したものである。
【0054】請求項の発明は、把持部6の安定把持方
向Dsが複数あるときに、姿勢生成部14に設けられた
判断部で、図12に示したようないくつかの動作パター
ンから、当てはまるものを選択することができるように
したものである。
【0055】
【発明の効果】請求項1の発明は、長軸物の物体を把持
する把持部と、該把持部および前記物体を所定の位置に
移動させる位置制御と前記把持部の姿勢制御とを行う
ロボット制御手段とを有するロボットの制御方法におい
て、前記物体を前記把持部が摩擦力のみで固定して所定
の位置に移動させる場合、前記ロボット制御手段は、前
記把持部の移動時に該把持部にかかる加速度の方向およ
び/または慣性力の方向を演算する演算手段を有し、該
演算結果に基づいて前記加速度の方向および/または慣
性力の方向と前記物体の長軸方向に対する直角方向とが
一致するように前記把持部の向きを変えることにより
記物体安定把持姿勢を保持するように姿勢制御する
で、複雑な教示をすることなく、また、簡単な把持機構
により、慣性力によって被把持物体を落とすようなトラ
ブルを抑えることができる。
【0056】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記ロボット制御手段は、前記把持部あるいはその
近傍に前記加速度を検知する検知手段を有し、該検知結
果に基づいて前記演算手段が前記把持部の加速度および
慣性力の方向を演算するので、複雑な演算をしなくても
慣性力の方向を算出することができ、これにより、請求
項1の発明と同様な効果を得ることができる。
【0057】請求項3の発明は、請求項1あるいは2の
発明において、前記ロボットは、プログラムに基づいて
動作し、該プログラムのコマンドによって、前記把持部
の一連の動作において、前記安定把持姿勢を保持する姿
勢保持モード期間と前記安定把持姿勢を保持しない通常
モード期間とに切り替えることができるので、請求項1
の発明の機能が必要か不要かに合わせて、任意のタイミ
ングで姿勢モードを簡単に切り替えることができる。
【0058】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記安定把持姿勢の設定値が前記プログラムのコマ
ンドによって変更することができるので、把持部毎に要
求される把持姿勢のバリエーションに簡単に対応するこ
とができる。
【0059】請求項5の発明は、請求項3あるいは4の
発明において、前記姿勢保持モードの有効期間中に、教
示された前記把持部の移動経路の経由点を通らずに前記
把持部が移動する軌道データを生成し、教示された前記
経由点の姿勢データを前記軌道データに基づいた前記安
定把持姿勢のデータに置換するので、経由点の教示の際
に、経由点を通過するときの慣性力の方向を気にせずに
教示することができる。
【0060】請求項6の発明は、請求項3乃至5の発明
において、前記ロボット制御手段は、前記把持部が指令
を受けた前記安定把持姿勢と実際の姿勢との差があらか
じめ設定された範囲を超えたことを判定する判定手段を
有し、該判定に基づいた信号を外部入出力端子あるいは
前記プログラム上に出力するので、装置の安全性を高め
ることができ、姿勢制御を確実に行うことができる。
【0061】
【0062】請求項の発明は、請求項1乃至の発明
において、前記ロボット制御手段は、前記物体の重心位
置に作用する慣性力の方向を演算する慣性力方向演算手
段を有し、該演算結果に基づいて前記物体の慣性力の方
と前記把持部の安定把持方向が平行となるように姿勢
制御するので、被把持物体の重心を把持することができ
なくても、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0063】請求項の発明は、請求項1乃至の発明
において、前記ロボット制御手段は、複数の前記安定把
持姿勢から一姿勢を選択する判断手段を有するので、動
作パターンを記憶させることにより、最適な姿勢変化を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるロボットの一実施例を説
明するための構成図である。
【図2】 図1に示した実施例における被把持物体の安
定把持姿勢および方向を説明するための図である。
【図3】 本発明によるロボットの制御方法の一実施例
を説明するための構成図である。
【図4】 本発明によるロボットの制御方法の他の実施
例を説明するための構成図である。
【図5】 本発明によるロボットの制御方法の他の実施
例を説明するための図である。
【図6】 図5に示した実施例における通常モード時の
制御を説明するための構成図である。
【図7】 本発明によるロボットの制御方法の他の実施
例を説明するためのフローチャートである。
【図8】 本発明によるロボットの制御方法の他の実施
例を説明するための図である。
【図9】 本発明によるロボットの制御方法の他の実施
例を説明するための図である。
【図10】 本発明によるロボットの制御方法の他の実
施例を説明するための図である。
【図11】 本発明によるロボットの制御方法の他の実
施例を説明するための図である。
【図12】 本発明によるロボットの制御方法の他の実
施例を説明するための図である。
【図13】 ロボットの把持部の姿勢を説明するための
図である。
【符号の説明】
1…ロボットコントローラ、2…サーボアンプ、3…第
1アーム、3a…第1回転軸、4…第2アーム、4a…
第2回転軸、5…昇降軸、5a…第3回転軸、6,36
…把持部、6a…チャック開閉用シリンダ、6b,36
b…フィンガー部、6c,36c…クッション部材、
7,37…被把持物体、11…プログラム動作部、12
…軌道生成部、13…加速度方向演算部、14…姿勢生
成部、15,19…サーボ制御部、16,20…サーボ
アンプ、17,21…サーボモータ、18,22…エン
コーダ、23…外部出力端子、24…加速度計、25…
機構変換部、26…機構パラメータ、Aa…加速領域、
Ac…定速領域、Ar…減速領域、Ds…安定把持方
向、d…第3回転軸5aと被把持物体7の重心の距離、
F…慣性力の方向、F0…把持部6に働く慣性力、F1
被把持物体7の重心に働く慣性力、G…終点、M1
2,M3…経由点、R…把持部6の可動範囲、S…始
点、ST…ストッパ、T…時間、T0…姿勢変更開始
点、T1…移動開始点、T2…安定把持姿勢開始点、X…
被把持物体7の長軸方向、Y…長軸方向Xの直角方向、
θ…第3回転軸の角度、θ1…停止姿勢の第3回転軸の
角度、θ2…移動開始時T1における安定把持姿勢に対す
る第3回転軸の角度、φ…補正角、ω…角速度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25J 9/10 B25J 13/00 G05B 19/18

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長軸物の物体を把持する把持部と、該把
    持部および前記物体を所定の位置に移動させる位置制御
    前記把持部の姿勢制御とを行うロボット制御手段と
    を有するロボットの制御方法において、前記物体を前記
    把持部が摩擦力のみで固定して所定の位置に移動させる
    場合、前記ロボット制御手段は、前記把持部の移動時に
    該把持部にかかる加速度の方向および/または慣性力の
    方向を演算する演算手段を有し、該演算結果に基づい
    記加速度の方向および/または慣性力の方向と前記物
    体の長軸方向に対する直角方向とが一致するように前記
    把持部の向きを変えて前記物体安定把持姿勢を保持す
    ように姿勢制御することを特徴とするロボットの制御
    方法。
  2. 【請求項2】 前記ロボット制御手段は、前記把持部あ
    るいはその近傍に前記加速度を検知する検知手段を有
    し、該検知結果に基づいて前記演算手段が前記把持部の
    加速度および慣性力の方向を演算することを特徴とする
    請求項1に記載のロボットの制御方法。
  3. 【請求項3】 前記ロボットは、プログラムに基づいて
    動作し、該プログラムのコマンドによって、前記把持部
    の一連の動作において、前記安定把持姿勢を保持する姿
    勢保持モード期間と前記安定把持姿勢を保持しない通常
    モード期間とに切り替えることができることを特徴とす
    る請求項1あるいは2に記載のロボットの制御方法。
  4. 【請求項4】 前記安定把持姿勢の設定値が前記プログ
    ラムのコマンドによって変更することができることを特
    徴とする請求項3に記載のロボットの制御方法。
  5. 【請求項5】 前記姿勢保持モードの有効期間中に、教
    示された前記把持部の移動経路の経由点を通らずに前記
    把持部が移動する軌道データを生成し、教示された前記
    経由点の姿勢データを前記軌道データに基づいた前記安
    定把持姿勢のデータに置換することを特徴とする請求項
    3あるいは4に記載のロボットの制御方法。
  6. 【請求項6】 前記ロボット制御手段は、前記把持部が
    指令を受けた前記安定把持姿勢と実際の姿勢との差があ
    らかじめ設定された範囲を超えたことを判定する判定手
    段を有し、該判定に基づいた信号を外部入出力端子ある
    いは前記プログラム上に出力することを特徴とする請求
    項3乃至5のいずれかに記載のロボットの制御方法。
  7. 【請求項7】 前記ロボット制御手段は、前記物体の重
    心位置に作用する慣性力の方向を演算する慣性力方向演
    算手段を有し、該演算結果に基づいて前記物体の慣性力
    の方向と前記把持部の安定把持方向が平行となるように
    姿勢制御することを特徴とする請求項1乃至のいずれ
    かに記載のロボットの制御方法。
  8. 【請求項8】 前記ロボット制御手段は、複数の前記安
    定把持姿勢から一姿勢を選択する判断手段を有すること
    を特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のロボッ
    トの制御方法。
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