JP3442169B2 - 輸液用プラスチックバッグ - Google Patents

輸液用プラスチックバッグ

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JP3442169B2 JP29815594A JP29815594A JP3442169B2 JP 3442169 B2 JP3442169 B2 JP 3442169B2 JP 29815594 A JP29815594 A JP 29815594A JP 29815594 A JP29815594 A JP 29815594A JP 3442169 B2 JP3442169 B2 JP 3442169B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は輸液用プラスチックバッ
グ、特に補液回路への空気流入のない輸液用プラスチッ
クバッグに関する。
【0002】
【従来の技術】輸液(補液)用の容器としては、ガラス
製容器(バイアル瓶)が従来から広く一般的に使用され
てきたが、ガラス製容器は、重量が重い、割れ易い等の
欠点があり、軽量かつ落しても割れないプラスチック製
容器が、徐々に、その使用数量を伸ばしてきている。プ
ラスチック製容器は、容器本体が瓶型形状をした自立す
ることができるボトルタイプと、容器本体が袋型形状で
あり自立することが出来ないバッグタイプの2つに大別
することができる。プラスチックボトルの形状は、従来
から使用されてきたガラス製バイアル瓶の材質のみをプ
ラスチックに変更したとも言うべくバイアル瓶に似た形
状をしており、自立するための容器本体形状及び底部構
造を持っており、容器壁は自立するためにある程度の肉
厚および剛性を持っている。また、プラスチックバッグ
は、その容器壁の柔軟性を更に進め、容器が自立するた
めの構造として底部構造および本体形状を持たない、扁
平な容器本体形状をしていることを特徴としている。輸
液療法における輸液容器からの液の排出は、通常輸液セ
ット(又は補液回路等)により自然落下にて行なわれる
が、ガラス製バイアル瓶は容器形状が変化しないため、
滴下していくうちに容器内が減圧状態となり、内容液の
排出が不能に陥るのでエアー針を刺す必要がある。一
方、プラスチック製容器では液の減少に伴って容器が潰
れるため、エアー針の必要ない滴下が可能であり、エア
ーの導入に伴う細菌等の混入を心配する必要がなくなっ
た。しかしながら、例えば、プラスチック素材ではガラ
ス素材と比較して容器から内容液に溶出する成分が多い
ことが問題点として挙げられ、添加剤の少ないプラスチ
ック素材を使用する、又は、そのための樹脂素材の検討
も行なわれている。
【0003】このように改良されてきたプラスチック容
器ではあるが、従来のガラス製バイアル瓶に比較して未
だに機能的に劣る部分が存在することは確かであり、現
在も更に改良されつつある。即ち、プラスチック製容器
では、例えば、ボトルタイプの容器として、一端に吊下
手段を有する薬液滴下用合成樹脂製容器において、使用
に当って前記吊下手段によりこれを懸架した際、内容液
の略々液面付近、またはこれより上方部位置の壁部の肉
厚を、その下方部の肉厚に比し、薄く構成したことを特
徴とする薬液滴下用容器(実公昭61−25792号公
報)、インフレーションタイプのバッグとして、輸液注
出用頭部に続く頸部が扁平に形成され、この扁平部に、
シート状の合成樹脂製バッグ本体の偏平開口部が挿嵌さ
れ接着されている輸液バッグ(特開昭63−48270
号公報)、ブロー成形タイプのバッグとして、上端部に
開口部を有しブロー形成されてなる開口部と容器部を有
する合成樹脂製医療用バッグにおいて、容器部の内部と
外部の圧力差により容器部周縁近辺部が容易に潰れ得る
ように容器部の側方および下方周縁部が熱溶着されてい
ることを特徴とする高圧蒸気滅菌に耐える液体容器(特
公平4−31295号公報)及び軟質プラスチック製液
体収納部と該収納部の上端に設けられた吊下部と該収納
部の下端部に設けられた液体排出口とからなる容器本体
と、該収納部にほぼ密に充填された液体と該収納部が液
体を収納した状態から液体の排出に応じて上方から密着
して形成される扁平面部分と残液量に応じて下方に残存
する曲面部分とに分割され、その分割線と接する点を排
出液量または/および残液量として該収納部の片面に付
された目盛と該収納部の他の片面に少なくとも前記目盛
に対応する位置に設けた光反射手段とからなることを特
徴とする目盛付き容器(特公昭58−30058号公
報)、等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プラスチック容器の閉
塞は、通常、熱溶着により行なわれる場合が多いため、
容器内の空気量を全くの0として容器口を閉塞すること
にも困難がある。この場合、容器内の空気は、エアー針
から導入される室内の空気とは異なり、滅菌工程を経て
いることから菌的な問題を指摘する者はいないが、誤っ
て体内に導入されてしまう場合があるので問題とされて
いる。又、容器壁が柔軟なプラスチックバッグでは、空
気量を0として使用する場合には、残液量の見にくさが
指摘されており、又、容器上部に内容液が残った状態で
点滴を終了してしまうことがありその点で問題である。
更に、輸液容器は大量の輸液(補液)をするために連結
して使用する場合がある。この場合にも、容器内に全く
空気がないプラスチック容器の連結使用では、エアー針
を使用するのでなければ、エアーの導入の心配はなく、
そのバッグが完全に偏平な状態まで内容液を排出(残液
量=0)できるのであれば、これが理想的なバッグと言
うことができるが、このような条件により製造できるプ
ラスチックバッグは未だ存在していない。プラスチック
バッグの輸液時には、内容液の減量に伴いバッグがスム
ーズに扁平化することから、容器固有の残液量に近づく
まで、バッグ内はほとんど減圧状態とはならない。この
ため、極小量とも言える残液量の内容液を排出するため
にエアー針を刺した場合にも、容器固有の残液量に近づ
いた減圧状態となるまで、エアー針からエアーを吸い込
まない。また、プラスチックバッグの連結使用時には、
補液回路をセットした最初のバッグから内容液が排出さ
れても、容器固有の残液量に近づき減圧状態となるまで
次のバッグからの液の流入はほとんど行なわれない。現
実には、容器間を連結する連結管は、その管径が細いこ
とによる抵抗があるため、容器内の減圧状態がその抵抗
値を越えた時点から次のバッグからの液の流入が始まる
ことになる。また、連結したバッグを同じ高さに吊り下
げても、内容液の排出に伴って液面が低下することによ
る落差ができるため、経時的に次のバッグからの液の流
入があるが、これは少量である。そして結果的に、内容
液は最初のバッグから容器固有の残液量に近づくまで排
出され、順次、最終のバッグまで内容液がなくなってい
く。この場合、2番目以降のバッグの内容液を排出して
いる時の最初のバッグの状態は、ほぼ、残液量に相当す
る液量を残しているのみであり、容器固有の残液量が少
ない場合には容器内の液面は相当に低い位置となること
から、補液回路へのエアー流入が有り得るため、これに
対する注意を必要とした。
【0005】一方、プラスチックバッグは、インフレー
ションチューブ(又はフィルム)を溶着により製袋し容
器口部材を溶着により取り付けて製造されるインフレタ
イプと、ブロー成形により口部及び袋状本体を一体的に
形成するブロータイプの2つに大別することができる。
インフレーションチューブタイプのバッグは容器本体が
元々扁平なインフレーションチューブであることから、
内容液排出時には容器本体が容易に潰れ、その残液量は
非常に少ないものである。しかしながら、このインフレ
タイプのバッグは、扁平なインフレーションチューブ製
容器本体に立体的な口部材等を溶着することから、溶着
シールの際にしわができ、ここからの液漏れが問題点と
して挙げられている。又、ブロー成形容器は、出来上が
り形状の金型内にて、下方を閉じた円筒状溶融パリソン
にエアーを吹き込んで成形されるため、その出来上がり
形状は、パリソンの中心から円心状方向に垂直に伸びる
のみの形状が限界であり、このため、容器本体を偏平な
チューブ状に作成することは困難であり、明らかに立体
的な形状となり、円滑な内容液排出のための容器の扁平
化に不利である。また、ブロー成形においては、パリソ
ンから金型までの距離の遠近に応じて、近い位置では容
器壁の厚さが厚く、遠い位置ではその容器壁の厚さは薄
く成形され、容器本体壁の正背面部及び側部を均一な厚
さに成形することは困難であり、そのため、ブロー成形
により製造されるプラスチックバッグでは、容器本体
(袋)側部付近の形状および厚肉により折り畳み(扁平
化)が不十分となり、内容輸液の全量排出が不可能な場
合が有り、偏平チューブ製容器本体をもつインフレタイ
プのバッグよりは残液量は明らかに多いものであるが、
一つの製造工程により生産されるため生産効率が良く、
コスト的にも有利である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意研究の結果、輸液用プラスチックバッ
グにおいて、バッグ開口部付近の胴部の径及び厚さをバ
ッグ本体胴部よりも小径及び肉厚とすることにより、前
記残留液等の課題が解決できること、またこのような形
状のバッグを形成するにはブロー成形が適していること
を見出し、本発明に到達したものである。即ち、本発明
は開口部、胴部及び底部よりなる輸液用プラスチック
バッグにおいて、バッグ開口部付近の胴部の径及び厚さ
がバッグ本体胴部よりも小径及び肉厚とされたものから
なる輸液用プラスチックバッグ、ブロー成形により製
造された上記1記載の輸液用プラスチックバッグ、及び
連結して使用するための上記1記載の輸液用プラスチ
ックバッグ、に関する。本発明は輸液用プラスチックバ
ッグにおいて、バッグ開口部付近の胴部の径をバッグ本
体の胴部のそれよりも小径とするものであり、又該バッ
グ開口部付近の厚みをバッグ本体の胴部のそれよりも肉
厚とするものである。これにより、特に輸液容器複数本
を連結使用する場合に極めてよい結果が得られるのであ
る。輸液容器複数本を連結使用する場合には、容器内が
容器間連結管の抵抗よりも減圧状態とならなければ次の
バッグからの内容液の流入はないが、この減圧状態は、
容器固有の残液量に近くならなければその状態とはなら
ないのである。このため、連結使用される場合のバッグ
は、容器固有の残液量が多いほど、補液回路(点滴セッ
ト)への空気の流入若しくはそれに対する危険性がない
ため、好都合といわれていた。しかしながら、最終的に
容器内の残液量が多いことは不都合なことであるから、
単純にこのような容器設計をすることはできないことは
云うまでもない。最終的に残液量を少なくした上で、補
液回路への空気流入およびその危険性がない容器を提供
することがよいわけである。そのため、本発明ではバッ
グ本体胴部の下方開口部付近を容器本体胴部より小径と
したものであり、これにより残液量が少なくなった場合
においても液面の低下は少なくなり、補液回路(点滴セ
ット)への空気流入が起こり難いバッグとすることが出
来るのである。そして、本発明の形状のバッグをブロー
成形により製造する場合には、該開口部付近の胴部の径
の小さい部分の容器壁の肉厚が、大径の容器本体胴部に
比して厚く成形されるため、容器本体胴部は潰れてもこ
の部分は潰れ難くなるという特徴を有するのである。。
このようなプラスチックバッグ形状及び形態にすること
により、容器本体の小径胴部によって、輸液セットへの
空気流入およびその危険性の少ない輸液用バッグの機能
を発揮し、尚かつ、残液量を少なくすることができるも
のである。
【0007】本発明では、容器本体の大部分を占める袋
状胴部を、輸液用容器本来の、潰れ易く、残液量が少な
く、滴下速度の変化のない材質が用いられる。その材質
は医療用に適した素材が用いられ、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィンが用いられる。そして充
填される内容液の性質によって要求される特性を持った
材質を使用することができ、例えばポリ塩化ビニリデン
等のガスバリアー性の材質を用いることができ、又これ
を層構成に含む多層構造のものに成形することができ
る。そして、本発明のプラスチックバッグは連結使用し
て大量の補液(輸液)をする場合に好適である。即ち本
発明のプラスチックバッグは連結使用する場合に、補液
回路へのエアー流入およびその危険性がなく、最初のバ
ッグの胴部本体部分(吊り下げの場合における上部)か
ら潰れ、内容液を排出をすることができる。本発明のバ
ッグでは、開口部付近の縮径部分が肉厚であり潰れ難い
ため、その部分にある程度の残液量が残ることになる。
しかしながらこの残液量についても、その連結する最終
バッグにエアー針を刺すことにより、容器に固有の残液
量となる内容液をも排出することができる。この場合に
は、エアー針からエアーを導入しながら、内容液は最終
のバッグから排出される。エアーの導入を伴っての内容
液の排出は、残液量が少量であり、短時間で行なわれる
ので、特別の影響はないと言うことができる。また、本
発明のバッグでは潰れ難い縮径部分を別に構成したこと
により、その内容液のほとんどを収納する本体胴部を、
例えば円滑な排出のための容器壁を(エアー流入を考慮
することなく)極薄にするような、本体の機能を追及す
るように構成することが可能である。上述のように、本
発明のプラスチックバッグ形状は、補液回路へのエアー
流入およびその危険性を最小限に押さえることができ、
特に、連結使用時において、その効果を一層発揮するこ
とができる。そして、本発明では輸液用バッグ内に内容
液を充填する際に空気を少量導入することができる。こ
れにより残液量を確実に確認することができる。その空
気量はバッグ及び縮径部分の大きさにもよるが、通常は
30〜100ml以上であることができる。
【0008】次に図面により本発明の輸液用プラスチッ
クバッグを具体的に説明する。図1は本発明の輸液用プ
ラスチックバッグの平面図であり、図2は本発明の輸液
用プラスチックバッグの側面図である。本発明のバッグ
1は開口部3の付近の胴部に縮径胴部4を有する。この
縮径胴部4はバッグ本体胴部2よりも小径である。又、
この縮径胴部4はその厚みもバッグ本体胴部2よりも肉
厚である。又3’は口栓である。図中5は吊り下げ部で
ある。輸液の注入には吊下げ部分でバッグを吊り下げ
る。その際胴部の肉薄部分から潰れて輸液の排出がスム
ーズに行なわれる。本発明はこの縮径胴部4に特徴を有
する。この縮径胴部4は、潰にくいように肉厚に成形さ
れており、この部分に相当する容量は容器固有の残液量
となるため少ない方がよいが、エアーの吸い込みの危険
性を減らすためにある程度の高さを有する必要があり、
これらの相互関係から設定される。そしてこの容量は容
器本体容量の2〜10%程度、特には、3〜6%程度に
設定されることが好ましい。また、残液量を見易くする
ために、容器内に空気を入れて容器口を閉塞する場合に
は、エアーの吸い込みの危険性を減らすために、エアー
量よりもある程度大きな容量となるように縮径胴部の大
きさを設定することが好ましい。バッグ本体胴部の径お
よび縮径胴部の径はバッグの容量によって異なるが、そ
の比率は3:2〜4:1程度に設計される。特に、ブロ
ー成形によって製造される場合には、ブロー比により壁
の厚さに差ができるように、その比率を2:1以上とす
ることが好ましい。本発明のバッグはその大きさは限定
されるものではないが、例えば内容量が約2.5lのバ
ッグで、容器本体の長軸巾;220mm、容器高さ(本
体、フランジ部〜吊り具上端)400mm、容器本体短
軸巾(中央部分)50mm、縮径部の長軸巾80mm、
縮径部高さ(本体部分のみ)40mm、縮径部短軸巾
(中央部分)40mm、縮径部分容量約100mlであ
る。本発明のバッグにおける容器本体壁の肉厚は、成形
するバッグの大きさ(容量)によって異なり、また、通
常のブローバッグと同様に、周方向の部分により肉厚に
差があるが、0.2〜1.0mm程度、特には、0.3
〜0.8mm程度に成形されるのが好ましい。また、縮
径胴部の容器壁の肉厚もバッグ容量によって異なるが、
0.8〜1.8mm程度、特には、1.0〜1.5mm
程度に成形されるのが好ましい。そして、ブロー成形す
るために押し出す溶融パリソンの直径を、ほぼ縮径部分
の直径と同じにすることにより、縮径胴部の容器壁の肉
厚を周方向にほぼ均一に成形することもでき、縮径部分
は更に潰れ難いものとなる。図3は本発明の輸液用バッ
グ1の使用状態を示す模式図であり、吊り下げ部の穴を
支持体にかけて開口部には点滴セット6が装着され、開
口部が下になるようにして使用する。又図4は本発明の
輸液用バッグ1を複数連結し、大量に輸液を注入する場
合の連続使用状態の模式図である。バッグの連結は連結
セット7によって行なわれる。最終バッグにはエア針8
が取り付けられる。本発明では前記の通りバッグの開口
部付近の胴部の径及び厚さがバッグ本体胴部よりも小径
及び肉厚とされたプラスチックバッグであり、最初のバ
ッグ本体胴部より、順次、内容液がなくなり、潰れ難い
縮径部分には内容液が残るため、補液回路にエアーを吸
い込むおそれなく、内容液をスムーズに排出することが
できるのである。
【0009】本発明の輸液用プラスチックバッグは、例
えば以下のようにして製造することができる。即ち、本
発明の輸液用プラスチックバッグでは、押し出すパリソ
ンの直径を、ほぼ縮径部分の直径と同じにして、これを
ブロー成形する。その工程は以下のとおりである。 開口部付近に縮径胴部を有する金型上部から該縮径
部分の直径に相当する中空円筒状溶融樹脂パリソンを押
し出す。 金型を閉じ、首部を縮径成形すると同時に、パリソ
ン下部を閉塞する。 エアーを吹き込んで金型形状に成形する。 金型を開いて製品を取り出す。
【0010】
【作用】プラスチックバッグの開口部付近の胴部の径及
び厚さをバッグ本体胴部よりも小径及び肉厚としたこと
により、残液量が少なくなっても液面を高くすることが
できるため、液面が点滴針の真上まで低下することなく
次の容器からの液の流入が起こり、輸液途中でのエアー
の吸い込みを防ぐことができる。そのため空気の混入な
く、輸液の注入ができ、特に連結使用して大量の輸液を
行なう場合に極めて円滑に輸液の注入ができる。
【0011】
【実施例】本発明の形状に成形されたブローバッグを用
いた排出試験を下記の条件にて行なった。この試験で
は、ブロー成形した表2に示すブローバッグ5本を連結
(総内容量:9000ml)して、輸液ポンプ(排出速
度:60ml/min.)による排出試験を行なった。
比較のために、同じく表2に示す一般的な形状のインフ
レーションバッグ5本およびバイアル瓶10本を連結し
て総内容量を統一して同様に試験した。結果を表に示
す。なお表1はエア針の有無による補液回路へのエア流
入時の残液量であり、表2は実験に使用したバッグ及び
バイヤル瓶のスペックである。この実施例では輸液用バ
ッグの内容液の排出にはエアー針使用しない場合と、使
用する場合との二通りについて行なった。 (1)本発明の輸液用バッグにおいて、エアー針を使用
しない場合は、内容液は先ず最初のバッグの本体胴部が
潰れ、該バッグの縮径部分にのみ内容液を残した状態で
排出される。そして、バッグの縮径部分に内容液を残し
た状態で第2のバッグの内容液の排出が始まり、2番目
以降のバッグも同様に縮径部分にのみ内容液を残して順
番に排出された。2番目以降のバッグから内容液が流入
しているときの液面と点滴針の距離は、約3cmであっ
た。5本のバッグのほぼ縮径部分の容量に相当する40
0mlを残した状態で、補液回路にエアーを吸い込まず
に排出を終了した。又エアー針を使用した場合では、内
容液は容器本体胴部が潰れ、最初のバッグの縮径部分に
のみ内容液を残した時点から次のバッグ内容液の流入が
始まり、2番目以降のバッグも同様に縮径部分にのみ内
容液を残して順番に排出された。5本のバッグのほぼ縮
径部分の容量に相当する500mlとなった時点で最終
バッグのエアー針からエアーが流入し、全ての内容液
が、最終のバッグから順番に排出した。 (2)インフレーションバッグにおいて、エアー針を使
用しない場合は、その内容液は最初のバッグ本体胴部が
潰れて液の排出が始まり、最初のバッグの内容液がほと
んど排出した後、次のバッグ内容液の排出が始まり、2
番目以降のバッグも同様に内容液をほとんど排出した
後、順番に排出された。このときの液面の高さは輸液セ
ットのすぐ真上にまで低下してきており、輸液セットに
いつ空気を吸い込んでもおかしくない状態での排出が続
いた。残液量が約4200mlとなった時点で、容器内
のエアーを吸い込んだため、輸液を終了した。又エアー
針を使用した場合では、その内容液は最初のバッグ本体
胴部が潰れて液の排出が始まり、最初のバッグの内容液
がほとんど排出した後、次のバッグ内容液の排出が始ま
り、2番目以降のバッグも同様に内容液をほとんど排出
した後、順番に排出された。このときの液面の高さは輸
液セットのすぐ真上にまで低下してきており、輸液セッ
トにいつ空気を吸い込んでもおかしくない状態での排出
が続いた。残液量が約4000mlとなった時点で、容
器内のエアーを吸い込んだため、輸液を終了した。この
輸液終了時まで、最後のバッグに刺したエアー針から
は、エアーを吸い込まなかった。 (3)バイアル瓶において、エアー針を使用した場合
は、内容液の排出を始めるとほぼ同時に、最後のバイア
ル瓶に刺したエアー針からエアーを吸い始めた。最後の
バイアル瓶から内容液が減少し、次(前)のバイアル瓶
の内容液が順番になくなり、輸液セットには、全液量が
排出されるまで空気を吸い込まなかった。ガラス製バイ
アル瓶は容器変形が起こらないため、エアー針を使用し
ない場合には内容液の排出ができない。このため、エア
ー針を使用しない場合の試験は実施しなかった。このよ
うに本発明の輸液用バッグでは、最初のバッグから内容
液が排出され、2番目以降のバッグから内容液が排出さ
れているときの液面と点滴針の距離が約3cmあり、エ
アーの吸い込み、およびその危険性がなく、目的とする
排出液量までバッグの連結により排出することができ、
従来のバイアル瓶及びインフレーションバッグに比して
すぐれたものであることがわかる。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】輸液中での空気の混入のおそれがなく、
内容液の排出ができ、特に連結使用して大量の輸液を行
なう場合において、順次、最初のバッグ本体胴部より輸
液が排出され、残液量のない輸液の注入が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の輸液用プラスチックバッグの平面図で
ある。
【図2】本発明の輸液用プラスチックバッグの側面図で
ある。
【図3】本発明の輸液用プラスチックバッグの使用状態
の模式図である。
【図4】本発明の輸液用バッグ1を複数連結した連結使
用状態の模式図である。
【符号の説明】
1. 輸液用プラスチックバッグ 2. バッグ本体胴部 3. 開口部 3’.口栓 4. 縮径胴部 5. 吊り下げ部 6. 点滴セット 7. 連結セット 8. エア針

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開口部、胴部及び底部よりなる輸液用プラ
    スチックバッグにおいて、バッグ開口部付近の胴部の径
    及び厚さをバッグ本体胴部よりも小径及び肉厚とし、こ
    の小径の胴部に該容量に相当する少ない液量の残留液を
    滞留させ、該小容量の残留液により形成する液面をより
    高くさせてなる、空気の流入のない輸液用プラスチック
    バッグ。
  2. 【請求項2】バッグ開口部付近の胴部の小径が本体胴部
    の径の2/3〜1/4であり、該胴部の肉厚が本体胴部
    のそれの4〜1.8倍である請求項1記載の輸液用プラ
    スチックバッグ。
  3. 【請求項3】バッグ開口部付近の小径及び肉厚の胴部容
    量が本体胴部容量の2〜10%である請求項1又は2記
    載の輸液用プラスチックバッグ。
  4. 【請求項4】ブロー成形により製造された請求項1、2
    又は3記載の輸液用プラスチックバッグ。
  5. 【請求項5】連結して使用するための請求項1、2、3
    又は4記載の輸液用プラスチックバッグ。
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