JP3440368B2 - 高圧配電系統における地絡方向判別方法及び地絡方向判別装置 - Google Patents

高圧配電系統における地絡方向判別方法及び地絡方向判別装置

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JP3440368B2 JP22872994A JP22872994A JP3440368B2 JP 3440368 B2 JP3440368 B2 JP 3440368B2 JP 22872994 A JP22872994 A JP 22872994A JP 22872994 A JP22872994 A JP 22872994A JP 3440368 B2 JP3440368 B2 JP 3440368B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非接地系の高圧或いは特
別高圧の配電系統(これらの系統を本件明細書中におい
ては単に高圧配電系統と呼び、その配電線を高圧配電線
と呼ぶ)において地絡事故が発生した場合に、その地絡
事故点の方向を判別する方法及びその判別の為に用いる
判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】非接地系の高圧或いは特別高圧の配電系
統における地絡事故点の方向の判別の為には、地絡事故
の発生によって高圧配電線に生ずる零相電流と零相電圧
とを高圧配電線の途中の地点にて検出し、それらの検出
した零相電圧に対する零相電流の位相を判別することに
よって、上記事故点が上記検出地点よりも負荷側の配電
線にあるのか或いは電源側の配電線にあるのかを判別す
るようにしたものがある(例えば特開昭58−4313
2号公報参照)。このようなものによれば、例えば配電
線に対する樹木の接触或いは蛇などの小動物の接触によ
って基本波(商用周波)の零相電流が流れる地絡事故が
生じた場合には、その基本波の零相電流及びそれによっ
て生ずる基本波の零相電圧とを検出して上記位相の判別
を的確に行うことができ、事故点の方向を的確に判別す
ることができる。その結果、事故点の探査者は、その判
別結果を基に探査範囲を狭めて探査作業を迅速に行うこ
とが出来る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの従来のもの
では、例えば配電線として用いているケーブルの絶縁が
悪くなりかけた場合や、塩分の付着により碍子の絶縁が
悪くなりかけた場合など、時たまパチッと放電が生じて
地絡電流が瞬間的に流れるような瞬時的な地絡事故の場
合には、上記のような基本波の零相電流が殆ど流れない
ため、その零相電流の検出が出来ず上記事故点の方向の
判別が困難となる問題点があった。
【0004】又、上記樹木の接触や小動物の接触による
地絡の場合においては上記基本波の零相電流が小さい場
合や、或いは、上記瞬時的な地絡事故の場合においては
僅かな基本波の零相電流を検出できる場合であっても、
図5に示すようにそれら検出できる基本波の零相電流51
の途中に大きな高周波52が混入すると、例えば図示の如
く基本波の零相電圧50に対して基本波の零相電流51は位
相が揃っているにも拘わらず、誤ってその高周波でもっ
て位相の判別を行って位相にずれ53があると判別してし
まい、その結果、地絡事故点の方向の判別を誤ってしま
う問題点があった。
【0005】本願発明の高圧配電系統における地絡方向
判別方法及び地絡方向判別装置は上記従来技術の問題点
(技術的課題)を解決する為に提供するものである。第
1の目的は、非接地系の高圧配電線の地絡事故発生時に
生ずる零相電流の高周波成分と零相電圧の高周波成分と
を利用して、特定地点からの地絡事故点の方向を特定出
来るようにして、事故点探査の迅速化を可能にするもの
であり、第2の目的は、地絡事故時に生ずる基本波の零
相電圧と零相電流とを利用する従来技術では判別できな
いような瞬時的或いは間欠的な地絡事故点の方向判別に
ついても、その判別可能性を著しく向上させるようにす
るものである。他の目的及び利点は図面及びそれに関連
した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明における高圧配
電系統における地絡方向判別方法は、非接地系の高圧配
電線の地絡事故発生時に生ずる零相電流の高周波成分を
該高圧配電線の途中地点において零相電流検出器により
検出すると共に、上記地絡事故発生時に生ずる零相電圧
の高周波成分を零相電圧検出器により検出し、それらの
検出した零相電圧の高周波成分と零相電流の高周波成分
の夫々の立ち上がり部分の極性が同極性の場合には、上
記地絡事故点が上記零相電流の検出地点に対して負荷側
の高圧配電線にあり、逆極性の場合には電源側の高圧配
電線にあると判別し、または、上記零相電流検出器或い
は上記零相電圧検出器の極性が上記と反対の場合には、
上記立ち上がり部分の極性が同極性の場合には電源側の
高圧配電線にあり、逆極性の場合には負荷側の高圧配電
線にあると判別するようにするものである。又本発明に
おける地絡方向判別装置は、非接地系の高圧配電線から
地絡事故発生時における零相電流の高周波成分及び零相
電圧の高周波成分を夫々検出する為の零相電流検出手段
及び零相電圧検出手段と、上記検出された零相電流の高
周波成分及び零相電圧の高周波成分の夫々の立ち上がり
部分の極性が同極性の場合には、上記地絡事故点が上記
零相電流の検出地点に対して負荷側の高圧配電線にあ
り、逆極性の場合には電源側の高圧配電線にあると判別
し、または、上記零相電流検出手段或いは上記零相電圧
検出手段の極性が上記と反対の場合には、上記立ち上が
り部分の極性が同極性の場合には電源側の高圧配電線に
あり、逆極性の場合には負荷側の高圧配電線にあると判
別する地絡方向判別手段と、上記地絡方向判別手段の判
別結果を表示する為の表示手段とを備えるものである。
【0007】
【作用】高圧配電線において地絡事故が発生すると、そ
の地絡事故によって生ずる零相電流の高周波成分を高圧
配電線の途中地点において検出すると共に、零相電圧の
高周波成分を検出する。それら検出した零相電流及び零
相電圧の立ち上がり部分の極性を比較することによっ
て、それが同極性の場合には上記地絡事故点が上記零相
電流の検出地点の一方の側の高圧配電線にあり、逆極性
の場合には上記地絡事故点が上記検出地点の他方の側の
高圧配電線にあると判別することができる。
【0008】
【実施例】以下本願の実施例を示す図面について説明す
る。周知の非接地系の高圧配電系統の一例を示す図1に
おいて、1は変電所変圧器、2は母線、3A〜3Cは複数の
高圧配電線を示す。これらの母線2及び配電線3A〜3Cは
何れも三相交流の配電用で通常夫々3本で1組となって
いるものであるが、図では便宜上1本の線で示す。次に
4A〜4Cは各配電線での地絡事故の発生の有無を判別する
ための地絡方向判別装置で、各々は各配電線3A〜3Cの夫
々全域を守備できるよう各配電線において上記母線2と
の接続部近くに付設している。上記配電線3Aと配電線3B
と配電線3Cとは母線2を介して連なっている。従って地
絡方向判別装置4Aは上記母線2を介して相互に連なった
状態の配電線3Aと配電線3B,3Cとの途中地点に付設され
た状態となっている。地絡方向判別装置4Bも同様に配電
線3Bと配電線3A,3Cとの途中地点に付設された状態とな
っている。又、地絡方向判別装置4Cも同様に配電線3Cと
配電線3A,3Bとの途中地点に付設された状態となってい
る。
【0009】次に上記各地絡方向判別装置の構成をブロ
ックで示す図2について説明する(代表として装置4Aを
示すが他の装置も同様の構成である)。5は高圧配電線
から零相電流の高周波成分を検出する為の零相電流検出
手段を示し、零相電流検出器7と後述の高周波取出用の
フィルタ14とで構成したものを例示する。零相電流検出
器7は配電線3Aに流れる零相電流を捕える為のもので、
例えば零相変流器が用いられる。該変流器は例えば配電
線3Aに既設の故障区間検出器に内蔵されているものを利
用することができる。しかしそれとは別個のものを配電
線に付設しても良い。6は高圧配電線から零相電圧の高
周波成分を検出する為の零相電圧検出手段を示し、零相
電圧検出器8と後述の高周波取出用のフィルタ15とで構
成したものを例示する。零相電圧検出器8は上記零相電
流によって生ずる零相電圧を捕える為のもので、例えば
周知の接地変圧器、或いは高圧配電線からコンデンサを
介して零相電圧を取り出すようにしたもの(例えば前記
特開昭58−43132号公報に示されているようなも
の)を用いることができる。
【0010】次に10は判別装置の本体を示す。該本体10
は例えば上記故障区間検出器の近傍に設置できるように
する為に、電柱への取付が可能な一つの独立したケース
に収納されている。11は零相電流の入力端、12は零相電
圧の入力端を夫々示す。フィルタ14は、零相電流検出器
7からの零相電流の信号に基本波成分と高周波成分が混
在している場合に、基本波成分の存在による誤判定を防
止するため、基本波成分を抑圧して高周波成分を明瞭度
高く取り出すようにしたものであり、基本波の通過を阻
止し高周波のみを通過させる広帯域フィルタを例示す
る。通過帯域は例えば数KHz〜数MHzである。フィルタ15
も零相電圧に関して上記フィルタ14と同様の目的で用い
たものであり、上記フィルタ14と同様のものが用いられ
る。
【0011】次に16は地絡発生判別手段で、上記配電線
に接続されている負荷の平衡の崩れによって零相電流及
び零相電圧が発生した場合はそれを地絡事故の発生とし
ては検出せず、本当の地絡によって零相電流及び零相電
圧が発生した場合のみそれを地絡事故の発生として検出
する為のものであって、負荷の平衡の崩れと地絡事故と
を各々の場合に生ずる零相電流と零相電圧のレベルの違
いによって判別するようにしたものを例示する。該判別
手段16は判別の信頼度を高めるために、零相電流での判
別を行う零相電流信号レベル検出回路17と零相電圧での
判別を行う零相電圧信号レベル検出回路18との両方で並
行的に判別を行うようにしているが、回路を簡素化する
ためには零相電流信号レベル検出回路17のみによる判別
であっても良い。上記零相電流信号レベル検出回路17
は、入力する零相電流信号の信号レベルを予め設定され
ている設定レベルと比較し、設定レベルを超えていれば
地絡事故の発生を検出したことを示す地絡検出信号を出
力する。上記零相電圧信号レベル検出回路18は、入力す
る零相電圧信号に関して上記零相電流信号レベル検出回
路17と同様の機能を果たすものである。
【0012】次に20は地絡方向判別手段で、地絡事故の
発生による高周波の零相電流及び高周波の零相電圧が検
出されたときに、地絡事故点の方向が地絡方向判別装置
4Aの付設地点に対して一方の側の配電線(例えば本例で
は地絡方向判別装置4Aを付設した配電線3A)であるか、
或いは他方の側の配電線(例えば本例では地絡発生装置
4Aを付設した配電線3Aとは別な配電線3B,3C)であるか
を判別する為のものである。該判別手段20は、A/D変
換回路21,22と、波形記録回路23と信号処理回路24とか
ら成るものを例示する。A/D変換回路21,22は波形記
録回路23としてデジタル式のものを用いたが為に零相電
流信号及び零相電圧信号を夫々デジタル化する為に用い
たものであり、波形記録回路23としてアナログ式のもの
を用いる場合には不要である。波形記録回路23は、地絡
事故によって発生した零相電流及び零相電圧信号の波形
データを一時的に記録することによって、処理回路24の
処理速度が遅くても上記零相電流及び零相電圧の立ち上
り部分の極性の判別をそれらの発生後の時間においてゆ
っくりと行うことが出来るようにする為に用いたもので
ある。該波形記録回路23は、判別に必要な零相電流及び
零相電圧の波形データを少ない容量のメモリでもって記
憶できるようにする為に、入力する信号を順次メモリに
記憶し、メモリが一杯になると最も古い波形データから
順次新しいものに更新していって、常に最新の一定量の
(一定時間の)波形データのみをメモリに記憶させてお
くことができるようにしたものを用いている。
【0013】信号処理回路24は、上記波形記録回路23の
記録制御をする為の記録制御部25と、波形記録回路23に
記録された波形データから零相電流及び零相電圧の立ち
上がり部分を読み取る為の読取部26と、読み取った立ち
上がり部分のレベル判定を行うためのレベル判定部27
と、読み取った立ち上がり部分の極性判別を行う為の極
性判別部28と、それらのレベル判定及び極性判別の結果
に対応した地絡発生信号を出力する為の出力部29とを備
えている。このような信号処理回路24は、例えば周知の
CPU又はDSP(デジタルシグナルプロセッサ)等、
マイクロコンピュータを用いて構成すると良い。30は地
絡発生信号の出力端子である。
【0014】次に31は上記判別手段20による判別結果を
表示する為の表示手段で、一例として、常時は消灯状態
を保ち、地絡方向判別装置の付設地点に対して一方の側
の配電線で地絡事故があったときにはそれを点灯によっ
て表示し、他方の側の配電線で地絡事故があった場合に
はそれを非点灯によって表示する発光体(例えば発光ダ
イオード)を示すが、上記一方の側の配電線で地絡事故
があったときにそれをカウント数の増加によって表示
し、他方の側の配電線での地絡事故時にはカウント数の
非増加によって表示を行うようにした電磁カウンタ、或
いは、駆動信号を受けて表示ディスクが反転回動するこ
とにより表示を行う磁気反転表示器(例えば特公平4−
37654号公報参照)を用いることもできる。
【0015】上記構成のものにあって、地絡事故のない
正常時には配電線には零相電流が流れないため、地絡方
向判別装置4A〜4Cは作動せずそれらの表示器31は消灯の
ままである。又配電線の負荷の不平衡によって零相電流
が流れそれに伴い零相電圧が発生した場合、それらは夫
々の検出器7,8で検出される。しかしそれらの殆どは
基本波成分であるのでフィルタ14,15を通過することが
できず、又僅かな高周波がそれらのフィルタ14,15を通
過してもその信号レベルは低いので零相電流信号レベル
検出回路17及び零相電圧信号レベル検出回路18の設定レ
ベルを下回り、それらは出力を生じない。従って信号処
理回路24は作動せず表示器31は消灯のままである。
【0016】次に図1の配電線3Aにおける例えば地点P1
において地絡事故が発生した場合を説明する。尚、上記
地絡電流は各配電線の対地間静電容量32に流れる電流で
あって零相電流であり、該零相電流Iは各配電線に例
えば夫々矢印で示される方向に流れる。又そのような零
相電流に伴って零相電圧Vが発生する。零相電圧V
は、その対地間静電容量間の電位差、つまり上記零相電
流Iの積分出力である。
【0017】上地絡事故が発生した場合、地絡方向判別
装置4Aは次のように動作する。零相電流検出器7と零相
電圧検出器8は配電線3Aから夫々零相電流と零相電圧と
を検出し、夫々零相電流信号と零相電圧信号を出力す
る。それらの信号の波形の一例は図3の(A)において
夫々、に示す通りである。これらの波形において、
34,36は基本波の成分を示し、35,37は高周波の成分を
示す。ケーブルの被覆が劣化してその劣化部分で放電を
起こし、瞬時的な地絡電流が流れる地絡事故の場合、図
示のように零相電流は、基本波の成分34は極めて小さ
く、一方高周波の成分35は非常に大きい。フィルタ14,
15は上記零相電流信号と零相電圧信号とを受けて、図3
の(A)における、に示すように高周波の成分35,
37のみとなった零相電流信号と零相電圧信号とを出力す
る。尚上記高周波の成分35,37における立ち上がりから
一定時間△tの部分を拡大すると図3の(A)における
、の通りである。
【0018】波形記録回路23は上記高周波の成分のみと
なった零相電流信号と零相電圧信号をA/D変換回路2
1,22を経て受け、その波形を記録する。一方、零相電
流信号レベル検出回路17と零相電圧信号レベル検出回路
18とは、上記高周波の成分のみとなった零相電流信号と
零相電圧信号とを夫々受けて前述のような設定レベルと
の比較を行う。地絡事故の場合、零相電流信号と零相電
圧信号は何れも設定レベルを超えるので、零相電流信号
レベル検出回路17と零相電圧信号レベル検出回路18とは
何れも、地絡検出信号を出力する。
【0019】次に信号処理回路24における記録制御部25
は上記地絡検出信号を受けて一定時間後(波形記録回路
23による事故波形の記録を完了後)に記録停止信号を出
力し波形記録回路23の記録更新を停止させる。その後、
信号処理回路24における読取部26は上記波形記録回路23
に記録された零相電流の高周波成分35の信号及び零相電
圧の高周波成分37の信号の波形データから夫々の立ち上
がり部分35a,37aのデータを読み取る。そしてレベル
判定部27はそれらの立ち上がり部分の信号レベルを設定
レベルと比較し、この場合上記信号レベルは上記設定レ
ベルを超えるのでその旨を示す信号を出力する。又極性
判別部28は上記零相電流及び零相電圧の立ち上がり部分
35a,37aの極性判別を行い、この場合、図3(A)の
、から明らかなように同極性であるのでその旨を示
す信号を出力する。次に出力部29は上記レベル判定部27
と極性判別部28との出力を受けて、地絡事故点は地絡方
向判別装置4Aの付設地点に対して一方の側の配電線即ち
配電線3Aにあること(配電線3Aが事故回線であること)
を示す地絡発生信号を出力端子30に向けて出力する。す
ると表示器31は上記地絡発生信号を受けて点灯表示を行
う。従って、該地絡方向判別装置4Aの表示器31が点灯状
態であることを確認することにより、配電線3Aにおいて
地絡事故があったことを知ることができる。
【0020】一方、他の配電線3Bに付設した地絡方向判
別装置4Bの動作は次の通りである。上記地絡事故の場
合、地絡電流(零相電流I)は上記したように流れる
ので、地絡方向判別装置4Bの零相電流検出器7と零相電
圧検出器8とによって検出される零相電流信号と零相電
圧信号は図3の(B)において夫々、に示すように
なり、フィルタ14,15を通過後のそれらの信号は図3の
(B)における、のようになり、△t時間部分の拡
大は、のようになる。即ち立ち上がり部分35a,37
aの極性は逆極性となっている。従って符号17,18,2
1,22,23,25,26,27の各部材は上記地絡方向判別装
置4Aと同様に動作し同様の信号を出力するが、極性判別
部28はその判別結果が逆極性となるので、その旨を示す
信号を出力する。従って出力部29は上記レベル判定部27
と極性判別部28との出力を受けて、地絡事故点は地絡方
向判別装置4Bの付設地点に対して他方の側の配電線(配
電線3A又は配電線3C)にあることを示す地絡発生信号を
出力する。本例の場合は、地絡事故の発生はあったが、
その地絡事故の発生場所は地絡方向判別装置4Bを付設し
た配電線3Bではなかったこと(配電線3Bが健全回線であ
ること)を表示する為の信号であって、地絡事故が発生
していないときと同じ信号を出力端子30に向けて出力す
る。すると表示器31は上記信号を受けて消灯状態を維持
する。従って、該地絡方向判別装置4Bの表示器31が非点
灯状態であることを確認することにより、配電線3Bにお
いては地絡事故が生じていないことを知ることができ
る。尚もう一つの他の配電線3Cに付設した地絡方向判別
装置4Cの動作は上記地絡方向判別装置4Bと同様である。
【0021】上記のようにして配電線3Aが事故回線であ
ることが判明すると、事故探査の範囲を該配電線3Aのみ
に限定でき、事故点探査を迅速に行うことが出来る。又
上記のように瞬時的な地絡が生ずる段階で事故回線が判
明し、地絡事故点の探査を行うことができると、その地
絡事故点が完全地絡事故を起こす状態となる前に事故原
因を取り除き、配電系統の保全を図ることが出来る。尚
上記の場合、地絡方向判別装置はフィルタ14,15を備え
ているので、上記地点P1での地絡事故による零相電流及
び零相電圧が共に高周波成分のみであっても或いは基本
波成分と高周波成分とを含むものであっても、フィルタ
14,15以降の回路の動作は上記説明と同じとなり、事故
点の方向を的確に判別できる。
【0022】次に、図1の地点P1’で地絡事故が生じた
場合、零相電流は矢印I'で示すように流れるので、
図における各地絡事故判別装置4A,4B,4Cは、夫々前記
説明の地絡事故判別装置4B,4A,4Cの動作と同じ動作を
し、配電線3A,3Cが健全回線で配電線3Bが事故回線であ
ることが判明する。
【0023】次に図4は上記地絡方向判別装置の使用状
態の異なる例を示すもので、1系統の高圧配電線41に多
数の地絡方向判別装置4D〜4G(何れも前記地絡方向判別
装置4Aと同様のもの)を所定間隔毎(例えば数十メート
ル或いは数百メートル毎)に付設し、地絡事故が発生し
た場合その事故点が上記地絡方向判別装置の付設によっ
て区分された区間42〜46の何れにあるかを判別できるよ
うにする例を示すものである。この例の場合、各地絡事
故判別装置に対してその付設地点の一方の側の配電線は
例えば付設地点よりも負荷側(交流電力の供給を受ける
側であり、一般的には変電所と反対の側)の配電線であ
り、他方の側の配電線は例えば付設地点よりも電源側
(交流電力の供給を行う側であり、一般的には変電所の
側)の配電線である。
【0024】上記使用状態において例えば地点P2におい
て地絡事故が発生すると、零相電流Iが矢印のように
流れる。すると地絡方向判別装置4D,4Eは前記地絡方向
判別装置4Aと同様の動作を行い、地絡事故点がそれらの
付設地点よりも負荷側にあることを前記表示器31の点灯
によって表示する。一方地絡事故判別装置4F,4Gは地絡
事故点がそれらの付設地点よりも電源側にあることを表
示器31の非点灯によって表示する。従ってそれらの地絡
事故判別装置4D〜4Gの表示器31の状態を見ることによっ
て、地絡事故点の場所を区間44と限定することが出来
る。
【0025】次に異なる実施例を説明する。上記零相電
流及び零相電圧の極性は、それらの検出の際のプラス及
びマイナスの取り方で夫々反転する。従って、それらの
極性を選択することによって、上記配電線において地絡
方向判別装置の付設地点に対して一方の側と他方の側と
が、夫々上記実施例とは反対となるようにしても良い。
例えば零相電流検出器7の極性を反転させることによっ
て、図1の例では、例えば地絡方向判別装置4Aに対し
て、一方の側の配電線が配電線3B,3Cとなって、他方の
側の配電線が配電線3Aとなるようにしたり、図4の例で
は、一方の側の配電線が電源側の配電線となり、他方の
側の配電線が負荷側の配電線となるようにしても良い。
【0026】上記地絡事故判別装置にあっては、出力部
29においてはレベル判定部27の判定結果と極性判別部28
の判別結果に応じて3種類の判別、即ち、(a)レベル判
定部27の判定結果及び極性判別部28の判別結果から、地
絡事故がありしかもその地絡事故点が地絡方向判別装置
の付設地点に対して一方の側の配電線にあったこと、
(b)レベル判定部27の判定結果及び極性判別部28の判別
結果から、地絡事故がありしかもその地絡事故点が地絡
方向判別装置の付設地点に対して他方の側の配電線にあ
ったこと、及び、(c)レベル判定部27の判定結果から地
絡事故がなかったことの判別を行い、表示手段において
はそれらの判別結果に応じて夫々、(a)地絡事故点が一
方の側の配電線であることを示す表示具(例えば矢印の
表示具)の作動、(b)地絡事故点が他方の側の配電線で
あることを示すもう一つの表示具の作動、及び、(c)上
記何れの表示具も非作動を行わすようにしても良い。
【0027】上記のような例えば放電による瞬時的な地
絡電流が短時間の内に間欠的に複数回生ずる場合には、
判別結果の信頼性を高める為に以下のようにしても良
い。即ち、地絡方向判別手段20においては、複数の高周
波35,37の立ち上がり部分35a,37aの夫々について前
述のようなレベル判定や極性判別を行う。そしてそれら
の結果から、地絡事故であると判定できかつその地絡事
故点の方向を特定できる回数が多い場合のみ、地絡事故
の発生及びその方向を示す信号を出力するようにしても
良い。
【0028】上記地絡事故が生じた場合に発生する零相
電圧は高圧配電線のどこにおいても同じ位相なので、そ
の零相電圧の検出は上記零相電流の検出地点とは別な場
所で行い、そこで検出した零相電圧の信号を上記入力端
子12に入力するようにしても良い。例えば図1及び図4
の場合、どこか一箇所の地絡方向判別装置の場所で零相
電圧の検出を行い、検出した零相電圧の信号を他の地絡
方向判別装置の本体10に与えるようにしても良い。
【0029】
【発明の効果】以上のように本願発明にあっては、高圧
配電線に地絡事故が生じた場合、その地絡事故によって
生ずる零相電流の高周波成分と零相電圧の高周波成分を
検出し、それらから上記地絡事故の事故点の方向を判別
できるので、事故点の探査範囲を狭めて探査作業を迅速
化出来る利点がある。しかも上記の場合、上記のように
零相電流の高周波成分と零相電圧の高周波成分を利用し
その立ち上がり部分の極性判別によって事故点の方向を
判別するので、上記地絡事故が瞬時的な地絡事故であっ
てそれによって生ずる零相電流及び零相電圧が高周波だ
けであっても、その事故点の方向を正確に判別できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】高圧配電系統を示す系統図。
【図2】地絡方向判別装置のブロック図。
【図3】(A)は事故回線における地絡方向判別装置の
動作説明用波形図、(B)は健全回線における地絡方向
判別装置の動作説明用波形図。
【図4】地絡方向判別装置の使用状態の異なる例を示す
系統図。
【図5】高周波成分を含む零相電圧及び零相電流の波形
の一例を示す図。
【符号の説明】
3A〜3C,41 高圧配電線 4A〜4C,4D〜4G 地絡方向判別装置 5 零相電流検出手段 6 零相電圧検出手段 20 地絡方向判別手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02H 3/38 H02H 3/50 - 3/52

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非接地系の高圧配電線の地絡事故発生時
    に生ずる零相電流の高周波成分を該高圧配電線の途中地
    点において零相電流検出器により検出すると共に、上記
    地絡事故発生時に生ずる零相電圧の高周波成分零相電
    圧検出器により検出し、それらの検出した零相電圧の高
    周波成分零相電流の高周波成分の夫々の立ち上がり部
    分の極性が同極性の場合には、上記地絡事故点が上記零
    相電流の検出地点に対して負荷側の高圧配電線にあり、
    逆極性の場合には電源側の高圧配電線にあると判別し、 または、上記零相電流検出器或いは上記零相電圧検出器
    の極性が上記と反対の場合には、上記立ち上がり部分の
    極性が同極性の場合には電源側の高圧配電線にあり、逆
    極性の場合には負荷側の高圧配電線にあると判別する
    とを特徴とする高圧配電系統における地絡方向判別方
    法。
  2. 【請求項2】 非接地系の高圧配電線から地絡事故発生
    時における零相電流の高周波成分及び零相電圧の高周波
    成分を夫々検出する為の零相電流検出手段及び零相電圧
    検出手段と、上記検出された零相電流の高周波成分及び
    零相電圧の高周波成分の夫々の立ち上がり部分の極性が
    同極性の場合には、上記地絡事故点が上記零相電流の検
    出地点に対して負荷側の高圧配電線にあり、逆極性の場
    合には電源側の高圧配電線にあると判別し、または、上
    記零相電流検出手段或いは上記零相電圧検出手段の極性
    が上記と反対の場合には、上記立ち上がり部分の極性が
    同極性の場合には電源側の高圧配電線にあり、逆極性の
    場合には負荷側の高圧配電線にあると判別する地絡方向
    判別手段と、上記地絡方向判別手段の判別結果を表示す
    る為の表示手段とを備えることを特徴とする地絡方向判
    別装置。
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