JP3438537B2 - ニューラルネットワークの演算装置 - Google Patents

ニューラルネットワークの演算装置

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JP3438537B2 JP19416797A JP19416797A JP3438537B2 JP 3438537 B2 JP3438537 B2 JP 3438537B2 JP 19416797 A JP19416797 A JP 19416797A JP 19416797 A JP19416797 A JP 19416797A JP 3438537 B2 JP3438537 B2 JP 3438537B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡易形のマイクロ
コンピュータを用いてニューラルネットワークの計算を
行うように構成されたニューラルネットワークの演算装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば8ビットや16ビットのマイクロ
コンピュータを用いたニューラルネットワークの演算装
置においては、一般的に次のようにしてニューラルネッ
トワークの計算を実行している。まず、EWSを用いて
学習を行うことにより、各ニューロン間の結合係数と、
シグモイド関数の入力値と関数値との関係を示すデータ
テーブルとを予め求めておき、これらをROMに記憶さ
せる。そして、上記マイクロコンピュータによりニュー
ラルネットワークの計算を行う場合には、各ニューロン
への入力値と結合係数の積和演算を行うと共に、その演
算結果でシグモイド関数のデータテーブルを検索してシ
グモイド関数値を求めることにより、ニューラルネット
ワークの出力を計算している。
【0003】また、電気機器である例えば自動車用空調
装置の制御装置に上記構成のニューラルネットワークの
演算装置を組み込むことが考えられている。ここで、自
動車用空調装置のような電気機器の制御装置に搭載され
た制御プログラムには、動作上の基本周期(例えば0.
5秒や1.0秒等の時間)がある。そして、上記制御プ
ログラムに組み込まれた各種のサブルーチンや割り込み
ルーチン等の処理動作は、上記基本周期内で実行完了す
るように構成する必要がある。従って、上記ニューラル
ネットワークの演算を実行するNN制御用サブルーチン
の動作も、上記基本周期内で実行完了するように設計さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ニューラル
ネットワークの特性を仕様変更したい場合(即ち、ニュ
ーラルネットワークを適用する制御系の仕様を変更した
い場合)には、EWSにより再び学習を行って各ニュー
ロンの結合係数を新たに求め、これら求めた結合係数を
ROMに記憶させれば良い。ここで、仕様変更の程度が
大きい場合には、ニューラルネットワークを構成するニ
ューロンの個数を増加しなければならない場合もある。
【0005】このような場合、各ニューロンへの入力値
と結合係数の積和演算の繰り返しループの回数が増える
ので、NN制御用サブルーチンの計算時間、即ち、実行
完了までに要する時間が長くなる。このため、NN制御
用サブルーチンが前記基本周期内で実行完了しなくなる
事態が発生した。これに対しては、上記NN制御用サブ
ルーチンのロジックを変更して、例えば2つのサブルー
チンに分割したりして、NN制御用サブルーチンが基本
周期内で確実に実行完了するように構成しなければなら
なかった。しかし、NN制御用サブルーチンのロジック
を変更する作業はかなり面倒であると共に、作業ミスが
発生するおそれもあった。
【0006】一方、上記したニューラルネットワークの
演算装置を電気機器に組み込む場合、シグモイド関数の
データテーブルの分解能を高くすると、該データテーブ
ルがかなり大きくなってしまい、電気機器に設けられた
ROM内に収容できなくなることがある。これに対し
て、本発明者は、分解能を低下させることなく、シグモ
イド関数のデータテーブルを小さくしたニューラルネッ
トワークの演算装置を発明し、先に出願している(特願
平8−223714号、尚、この出願は、まだ公開され
ていない)。
【0007】この先願の構成においては、シグモイド関
数のデータテーブルを小さくする構成の他に、シグモイ
ド関数の傾きTが「1」の場合のデータテーブルだけを
ROMに記憶するように構成している。そして、傾きT
が「1」以外の場合には、シグモイド関数の入力値、即
ち、各ニューロンへの入力値と結合係数の積和演算結果
を1/T倍する演算を行い、この1/T倍した値を入力
値として傾きTが「1」の場合のデータテーブルを参照
してニューラルネットワークの出力値を求めるようにし
ている。これにより、傾きTが「1」以外の場合もニュ
ーラルネットワークの計算を実行可能に構成している。
【0008】ここで、本発明者は、上述したように1/
T倍する演算によりニューラルネットワークの出力値の
誤差がどれくらいになるかを、多数のデータを用いてシ
ミューレーションを行うことにより、調べてみた。この
結果、ニューラルネットワークの出力値の誤差は、±5
ビット程度あることがわかった。尚、この誤差には、シ
グモイド関数のデータテーブルの検索処理に伴う誤差±
3ビットが含まれている。
【0009】また、上記先願の構成では、各ニューロン
への入力値と結合係数の分解能の制約から、それらの積
和演算を行うときに誤差が発生し、更に、この誤差が上
記1/T倍演算を行うときに増幅されるという問題もあ
った。具体的には、結合係数ω及び各ニューロンへの入
力値xの各分解能を、ω:4000h≡10 x:4000h≡1 (但し、左辺はコンピュータ内で計算に用いる16進数
を、右辺は物理量を表す。) とし、x=1(=4000
h)にて、1入力当たりωが(1/2)ビットずれてい
るとし、ωとxの積和を計算する毎に誤差が同一方向に
蓄積するというワーストケースを想定した場合、図9に
示すような演算誤差が発生することがわかった。この図
9において、T=1.0の場合が1/T倍演算処理を実
行していない場合の演算誤差を示している。上記図9か
ら、例えばT=0.2、ニューロン数=20の場合、演
算誤差が最大125ビット(LSB)になることがわか
る。
【0010】従って、シグモイド関数の傾きTが「1」
の場合のデータテーブルだけをROMに記憶するように
構成した場合、1/T倍演算処理に伴ってかなり大きな
演算誤差が発生するおそれがあり、何らかの対策が必要
であった。
【0011】そこで、本発明の目的は、ニューラルネッ
トワークの特性を仕様変更する場合に、ニューラルネッ
トワークの演算処理に要する時間が長くなることを防止
して、ロジックの変更を不要にし得るニューラルネット
ワークの演算装置を提供するにある。また、本発明の他
の目的は、シグモイド関数の傾きTが「1」の場合のデ
ータテーブルを記憶するように構成しながら、演算誤差
を小さくすることができるニューラルネットワークの演
算装置を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
【0013】
【0014】請求項の発明においては、シグモイド関
数の入力値と関数値との対応関係を示すデータテーブル
として、シグモイド関数の傾きTが「1」の場合のデー
タテーブルを記憶するように構成し、そして、傾きTが
「1」以外の場合には、シグモイド関数の入力値を1/
T倍する演算をニューラルネットワークで処理可能なよ
うに各ニューロンの係合係数を設定した。この構成によ
れば、1/T倍演算処理は、EWS等にて学習により結
合係数を求める段階で実行される。この場合、EWS等
によれば浮動小数点演算が可能であるから、1/T倍演
算処理の精度を高くすることができる。そして、上記構
成では、各ニューロンへの入力値と結合係数の積和演算
結果を1/T倍する演算が不要となるから、1/T倍演
算処理に伴って発生する演算誤差がなくなる。従って、
シグモイド関数の傾きTが「1」の場合のデータテーブ
ルを記憶するように構成しながら、演算誤差を小さくす
ることができる。
【0015】請求項2の発明によれば、結合係数の分解
能を、適用する制御系に対応するように、または、ニュ
ーラルネットワークを構成する複数の階層の層間に対応
するように設定した。これにより、固定小数点演算する
場合でも、演算精度が低下することを極力防止できる。
この場合、請求項3の発明のように、結合係数の分解能
を設定するに際して、結合係数と入力値との積和がオー
バーフローしないように設定すると、演算を正しく実行
することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を車両用空調装置で
ある例えば自動車のオートエアコンに適用した一実施例
について、図1ないし図8を参照しながら説明する。ま
ず、車両用空調装置の概略全体構成を示す図2におい
て、車両用空調装置1は、自動車の車室内の前部に配設
された空調ユニット2と、主としてマイクロコンピュー
タ3からなるエアコン制御装置4とから構成されてい
る。
【0017】上記空調ユニット2のダクト5内には、そ
の上流部(図2中左端部)から下流部(図2中右端部)
にかけて、内外気切替ダンパ6、送風装置であるブロワ
7、エバポレータ8、エアミックスダンパ9、ヒータコ
ア10、デフダンパ11、ベントダンパ12及びフット
ダンパ13が順に配設されている。この構成の場合、内
外気切替ダンパ6は、サーボモータ14により駆動され
るように構成されている。この内外気切替ダンパ6は、
ダクト5の上流部に形成された外気導入口15から外気
(室外空気)を導入する外気導入モード(2点鎖線で示
す状態)と、ダクト5の上流部に形成された内気導入口
16から内気(室内空気)を導入する内気循環モード
(実線で示す状態)とを切り替えるためのダンパであ
る。
【0018】また、ブロワ7は、外気または内気をダク
ト5内に導入して該ダクト5内を右方へ送風するもので
あり、遠心ファン17とブロワモータ18とから構成さ
れている。このブロワモータ18は、ブロワ駆動回路1
9から与えられる駆動電圧に応じて回転速度を可変可能
に構成されている。これにより、ブロワ7の送風力を可
変できる構成となっている。
【0019】そして、上記エバポレータ8は、図示しな
い周知構成の冷凍サイクルの一部を構成するものであ
り、その冷凍サイクルの作動に応じて供給された液冷媒
を蒸発させることにより、ブロワ7から送風された空気
を冷却する機能を有している。尚、上記冷凍サイクル
は、エバポレータ8の他にコンプレッサ、コンデンサ、
レシーバ、エキスパンションバルブ(いずれも図示しな
い)等を備えて構成されている。
【0020】また、エアミックスダンパ9は、サーボモ
ータ20により駆動されるように構成されている。この
エアミックスダンパ9は、ヒータコア10を通過する空
気量と、ヒータコア10を迂回する空気量とを調節する
機能を有している。上記ヒータコア10は、自動車のエ
ンジン冷却系統からの冷却水が供給されるように構成さ
れており、該冷却水の温度に応じた温度に昇温されるこ
とにより、その周囲を通過する空気を加熱する機能を有
している。
【0021】更に、デフダンパ11、ベントダンパ12
及びフットダンパ13は、それぞれサーボモータ21、
22及び23により駆動されるように構成されている。
これらデフダンパ11、ベントダンパ12及びフットダ
ンパ13は、ダクト5に形成されたデフロスタ吹出口2
4、ベント吹出口25及びフット吹出口26をそれぞれ
開閉するように構成されている。ここで、ベントダンパ
12及びフットダンパ13は、サーボモータ22及び2
3により各別に開閉駆動されることにより、ベント吹出
口25から乗員の上半身及び顔面に冷風を送風するベン
トモード、頭寒足熱の心地良い暖房を行うバイレベルモ
ード、室内暖房を行うフットモード、室内暖房とフロン
トガラスの曇り除去を行うフット・デフモード等を切り
替えることが可能な構成となっている。
【0022】一方、車両用空調装置1の操作パネル27
は、運転席の周辺(例えばインストルメントパネル)に
設けられている。この操作パネル27に設けられた各種
の操作スイッチ(図示しない)からのスイッチ信号は、
エアコン制御装置4のマイクロコンピュータ3に与えら
れるように構成されている。上記操作スイッチとして、
温度設定用スイッチ、内外気切替用スイッチ、風量設定
用スイッチ等が設けられている。
【0023】また、上記マイクロコンピュータ3は、内
気センサ28、外気センサ29、日射センサ30、エバ
後温センサ31及び水温センサ32から出力される各検
知信号をAD変換器33を介して受けるように構成され
ている。ここで、内気センサ28は、車室内の温度を検
知する温度センサであり、内気温検知信号を出力する。
外気センサ29は、車室外の温度を検知する温度センサ
であり、外気温検知信号を出力する。日射センサ30
は、車室内の現実の日射量を検知するセンサであり、日
射量検知信号を出力する。エバ後温センサ31は、エバ
ポレータ8の空気出口部分の温度を検知する温度センサ
であり、エバ後温検知信号を出力する。水温センサ32
は、エンジン冷却系統の冷却水の温度を検知する温度セ
ンサであり、水温検知信号を出力する。
【0024】さて、マイクロコンピュータ3は、CPU
34、ROM35及びRAM36等から構成されてお
り、車両用空調装置の運転全般を制御する機能を有し、
そのための制御プログラムを記憶している。このマイク
ロコンピュータ3は、上記制御プログラム並びに操作パ
ネル27の各種操作スイッチからのスイッチ信号及び各
センサからの検知信号に基づいて、上記各ダンパのサー
ボモータ20、21、22、23及びブロワ7のブロワ
モータ18(ブロワ駆動回路19)を駆動制御するよう
に構成されている。
【0025】尚、マイクロコンピュータ3には、バッテ
リ37からの電力がイグニッションスイッチ38及び定
電圧回路(図示しない)を介して与えられるように構成
されている。また、バッテリ37の電力は、上記各ダン
パのサーボモータ20〜23及びブロワ7のブロワモー
タ18の駆動電力としても使用される構成となってい
る。
【0026】さて、上記マイクロコンピュータ3は、詳
しくは後述するようなニューラルネットワークの計算を
実行することにより目標吹出温度TAOを求め、車両用
空調装置1の各吹出口から送風される空気の温度が上記
求めた目標吹出温度TAOになるようにブロワ7の送風
量や各ダンパーの開閉状態及び開閉角度等を自動的に駆
動制御するように構成されている。この場合、マイクロ
コンピュータ3が、ニューラルネットワークの演算装置
を構成している。
【0027】ここで、上記求められた目標吹出温度TA
Oに基づいて、ブロワ7の送風量や各ダンパーの開閉状
態及び開閉角度等を自動的に駆動制御する制御内容は、
従来から周知の制御内容と同じであり、ここでは説明を
省略する。以下、ニューラルネットワークの計算を実行
することにより目標吹出温度TAOを求める制御の内容
について、具体的に説明する。
【0028】まず、マイクロコンピュータ3は、4つの
入力から1つの出力(即ち、目標吹出温度TAO)をニ
ューラルネットワークの計算を実行することにより求め
るように構成されている。この場合、4つの入力のうち
の第1の入力は、使用者が温度設定用スイッチを操作す
ることにより設定された設定温度TSET である。第2の
入力は、内気センサ28により検知された内気温度TR
である。第3の入力は、外気センサ29により検知され
た外気温度Tamである。そして、第4の入力は、日射セ
ンサ30により検知された日射量Ts である。
【0029】また、本実施例においては、ニューラルネ
ットワークとして図1に示すような階層型ニューラルネ
ットワークを使用している。この階層型ニューラルネッ
トワークは、例えば5個のニューロンN1-0 〜N1-4 か
らなる入力層ユニットU1と、例えば20個のニューロ
ンN2-0 〜N2-19からなる第1の中間層ユニットU2
と、例えば20個のニューロンN3-0 〜N3-19からなる
第2の中間層ユニットU3と、例えば1個のニューロン
N4-1 からなる出力層ユニットU4とから構成されてい
る。そして、入力層ユニットU1の各ニューロンと第1
の中間層ユニットU2の各ニューロンとはシナプス結合
され、第1の中間層ユニットU2の各ニューロンと第2
の中間層ユニットU3の各ニューロンとはシナプス結合
され、第2の中間層ユニットU3の各ニューロンと出力
層ユニットU4のニューロンとはシナプス結合されてい
る。
【0030】ここで、入力層ユニットU1のニューロン
N1-0 、第1の中間層ユニットU2のニューロンN2-0
及び第2の中間層ユニットU3のニューロンN3-0 がバ
イアスニューロンである。また、第1の中間層ユニット
U2の残りの19個のニューロンN2-1 〜N2-19並びに
第2の中間層ユニットU3の残りの19個のニューロン
N3-1 〜N3-19のうちで、ニューラルネットワークの計
算に使用したくないニューロン、具体的には、結合係数
が予め零に設定されたニューロンがダミーニューロンで
ある。これらダミーニューロン及び上記バイアスニュー
ロンについては、詳しくは後述する。
【0031】さて、上記階層型ニューラルネットワーク
を用いて計算を実行する場合、 1.入力層U1−第1の中間層U2間 2.第1の中間層U2−第2の中間層U3間 3.第2の中間層U3−出力層U4間 を順次計算して出力値、この場合、目標吹出温度TAO
を求める。ここで、各層間を計算するに際しては、各ニ
ューロンへの入力値とシナプス結合係数の積和演算を行
い、その演算結果をシグモイド関数を用いて非線形変換
して出力を求めている。この場合、シグモイド関数を用
いて上記階層型ニューラルネットワークの各層間の入出
力を定義すると、次の式(1)で表現される。尚、この
式(1)は、バイアスニューロンN1-0 、N2-0 、N3-
0 を設けない場合の式である。
【0032】
【数1】 但し、xは入力値、yは出力値、Wkjiは結合係
数、Tはシグモイド関数の傾き(形状パラメータ)、θ
kiは閾値(オフセット)、nは入力値の数(シナプス
結合されたニューロンの個数)である。
【0033】ここで、結合係数W、閾値θ、シグモイド
関数の傾きTは、予め学習することにより決定してお
く。この学習処理は、例えばEWS(エンジニアリング
ワークステーション)を用いて実行している。この場
合、傾きTはニューラルネットワークを適用する1つの
制御系について1つの値が決まるものであり、傾きTを
予め設定した状態で、結合係数W及び閾値θを設定して
いる。尚、これら結合係数W等を決定する学習処理とし
ては、従来周知の学習プログラムを適宜選択して用いれ
ば良く、ここでは説明を省略する。
【0034】次に、学習処理により決定した結合係数W
及び閾値θ並びに傾きTを、マイクロコンピュータ3の
ROM35内に記憶させておく。そして、マイクロコン
ピュータ3は、これら記憶している結合係数W、閾値
θ、傾きTと、入力値xとを、前記式(1)に代入して
ニューロネットワークの計算を実行するように構成され
ている。この場合、式(1)における積和部分(Σ(W
*x)−θ)は実際に計算し、シグモイド関数部分はシ
グモイド関数のデータテーブル(これは、シグモイド関
数の入力値と関数値との対応関係を示すデータテーブル
であり、詳しくは後述する)を検索することによりシグ
モイド関数値を求めるようにしている。
【0035】さて、上記ニューロネットワークの計算処
理は、マイクロコンピュータ3により図3に示すフロー
チャートに従って実行されるように構成されている。こ
こで、上記計算処理の具体的制御について説明する前
に、上記シグモイド関数のデータテーブルについて説明
する。
【0036】まず、前記式(1)における入力値xは、
0≦x≦1の範囲で変化する変数である。また、結合係
数Wは、例えば−10≦W≦10の範囲の数値であり、
閾値θは、例えば−3≦θ≦3の範囲の数値である。こ
の場合、結合係数W及び閾値θの数値範囲は、オートエ
アコン(車両用空調装置)の制御をニューラルネットワ
ークで制御(計算)する場合の一例の実験値である。こ
こで、上記x、W、θを例えば16ビット(2バイト)
のデータで表現することにする。これにより、x、W、
θのデータレンジは次の通りとなる。
【0037】(a)入力値x、0≦x≦1の場合、1を
「4000h」(以下、hは16進数を示す)で表現す
る。尚、xは符号なしデータである。
【0038】(b)結合係数W、−10≦W≦10の場
合、10を「4000h」で表現する。尚、MSB(最
上位ビット)は符号ビットである。但し、負数の表現方
法は、2の補数、または、符号絶対値表現のいずれかで
ある。
【0039】(c)閾値θ、−3≦θ≦3の場合、10
を「1000h」で表現する。尚、MSB(最上位ビッ
ト)は符号ビットである。但し、負数の表現方法は、2
の補数、または、符号絶対値表現のいずれかである。
【0040】ここで、 u=Σ(W*x)−θ とすると、前記式(1)のシグモイド関数f(u)は、
次の式(2)で表現される関数となる。
【0041】 f(u)=1/(1+exp(−u/T)) (2) このシグモイド関数f(u)をグラフにして示すと、図
4に示すような形状となる。但し、図4は傾きT=1の
場合である。この図4からわかるように、シグモイド関
数f(u)は、0以上1以下の値(0≦f(u)≦1)
をとる。そして、このシグモイド関数について、入力値
uと関数値f(u)との対応関係を示すデータテーブル
を作成する。
【0042】この場合、関数値f(u)の最大値1を
「4000h」で表現し、このときの分解能の制限か
ら、シグモイド関数のデータテーブルとしては、 −11.0≦u≦11.0 の範囲のデータを持つように構成した。尚、本実施例に
おいては、マイクロコンピュータ3で計算する場合のデ
ータ処理を容易にするために、データテーブルの上限及
び下限を、それぞれ11.875及び−11.875に
設定した。
【0043】そして、上述したように、シグモイド関数
のデータテーブルの上限及び下限を、データテーブルの
分解能に応じて設定した場合に、データテーブルの容量
(大きさ)を計算してみる。ここで、空調制御において
TAOを計算する場合、必要分解能から考えてTAOの
データ長を最低2バイトにする必要がある。また、上記
入力値uの定義域のデータ長も2バイト(16ビット)
に設定する必要がある。そして、入力値uの定義域の1
ビット(LSB)毎にTAOの2バイトのデータを持つ
ように構成したテーブルが上記シグモイド関数のデータ
テーブルとなる。このため、このデータテーブルの容量
を計算する式と、その計算値は、 216×2バイト=128Kバイト となる。このシグモイド関数のデータテーブルの具体的
構成を、図5に示す。
【0044】そして、上記シグモイド関数のデータテー
ブルを記憶させる記憶手段としてROM35を用いると
すると、128Kバイト以上のROMが必要になる。こ
れでは、ROM35の容量がまだかなり大きくなってし
まうので、本実施例では、シグモイド関数のデータテー
ブルを次に述べるようにして縮小している。
【0045】具体的には、上記シグモイド関数のデータ
テーブルの中から設定個数(例えば256個)おきのデ
ータだけを抽出し、これら抽出したデータから縮小デー
タテーブルを作成している。即ち、入力値uの16ビッ
トのデータのうちの上位1バイト分のデータテーブルだ
けを持つようにし、下位1バイト分のデータについては
データテーブルとしては持たないようにしている。これ
により、縮小データテーブルは、図5に示すデータテー
ブルの中から、入力値uが「−11.875×(128
/128)」から「−11.875×(1/128)」
までの各値と、「0」と、「11.875×(1/12
8)」から「11.875×(128/128)」まで
の各値と、これら入力値uの各値に対応する関数値f
(u)とを抽出し、これら抽出したデータから構成され
たデータテーブルとなる。この縮小データテーブルの大
きさは、 128Kバイト×1/256 となる。そして、本実施例では、上記縮小データテーブ
ルをマイクロコンピュータ3のROM35内に記憶して
いる。
【0046】そして、このような構成の縮小データテー
ブルに基づいてニューラルネットワークの計算を実行す
る場合、即ち、上記縮小データテーブルに基づいて入力
値uに対応する関数値f(u)を求める場合において、
入力値uが抽出したデータの間のデータについては、2
つの抽出データを2点として線形補間計算することによ
り関数値f(u)を求めるように構成されている。
【0047】また、上記縮小データテーブルは、傾きT
=1の場合のデータテーブルであるため、傾きTが1以
外の場合には、傾きTが1以外の場合のデータテーブル
を使用する必要がある。このためには、傾きTが1以外
の場合の縮小データテーブルを作成してROMに記憶さ
せておく必要がある。ここで、傾きTが複数ある場合と
は、ニューラルネットワークを適用する制御系が複数あ
る場合(換言すると、複数のニューラルネットワークを
用いる場合)である。このような場合には、複数の傾き
Tに対応するように形成された複数の縮小データテーブ
ルをROM35に記憶させなければならず、ROM35
の容量が大きくなってしまう。
【0048】そこで、本実施例においては、傾きT=1
の場合の縮小データテーブルだけを記憶しておき、傾き
Tが1以外の場合には、入力値uに1/Tを乗じたu/
Tを、入力値として上記T=1の場合の縮小データテー
ブルを参照することにより、入力値u/Tに対応する関
数値f(u)を検索して求めるようにしている。これに
より、傾きTが1以外の場合であっても、T=1の場合
の縮小データテーブルに基づいて関数値f(u)を求め
ることができる。
【0049】しかし、上記1/Tの演算処理を行うと、
次の2種類の計算誤差が発生する。まず1つは、「Σ
(ω・x)−θ」の計算確定後に、1/T倍の演算を実
行することによる出力yの計算誤差である。この計算誤
差は、従来技術の欄で説明したように、シミュレーショ
ンにより約±5ビットであることがわかった。
【0050】また、他の1つは、ω、xの分解能の制約
から、「Σ(ω・x)−θ」の計算時に誤差が発生し、
この誤差が、上記1/T倍の演算を実行することにより
増幅されて生ずる計算誤差である。この計算誤差として
は、従来技術の欄で説明したように、図9に示すような
演算誤差が発生することがわかった。例えばT=0.
2、ニューロン数=20の場合、演算誤差が最大125
ビットになることがわかった。従って、シグモイド関数
の傾きTが「1」の場合のデータテーブルだけをROM
35に記憶するように構成した場合、1/T倍演算処理
に伴ってかなり大きな演算誤差が発生するおそれがあっ
た。
【0051】そこで、本実施例においては、傾きTが
「1」以外の場合には、シグモイド関数の入力値uを1
/T倍する演算をニューラルネットワークで処理可能な
ように、各ニューロンの係合係数を設定し、演算誤差を
低減するようにした。以下、この構成について具体的に
説明する。
【0052】まず、前記式(1)を下記のように変形す
る。尚、これ以降記載の式においては、添字i、kを付
すことを省略する。
【0053】 y=1/[1+exp{−[Σ(W*x)−θ]/T}] (1) =1/[1+exp{−[−(θ/T)+Σ(W/T)*x]}] =1/[1+exp{−[bias+Σ(ω*x)]}] (2) 但し、bias=−(θ/T)、ω=(W/T)と
置き換えている。
【0054】ここで、biasは新たな変数であり、以
下、バイアス項と称す。このバイアス項の導入により、
シグモイド関数の傾きTの演算処理及び閾値θの演算処
理が不要になり、その代わりに、バイアス項の処理をニ
ューラルネットワークに追加する必要が生ずる。具体的
には、上記式(2)を次のように変形する。
【0055】
【数2】 これにより、バイアス項のための特別な処理ルーチンが
不要になり、通常のニューロンと全く同じ処理でニュー
ラルネットワークの計算が可能になることがわかる。こ
の場合、バイアス項に対応するバイアスニューロンとし
て、0番目のニューロンをニューラルネットワークの3
つの層ユニットU1、U2、U3に追加すれば良い。本
実施例では、図1に示すように、入力層ユニットU1の
ニューロンN1-0 、第1の中間層ユニットU2のニュー
ロンN2-0 及び第2の中間層ユニットU3のニューロン
N3-0 をバイアスニューロンとして、予めニューラルネ
ットワークに組み込んでいる。そして、このように構成
することにより、前述した1/T演算処理に伴う2つの
計算誤差が発生しなくなるのである。
【0056】尚、前記式(1)に基づくニューラルネッ
トワークの計算は、簡易なマイクロコンピュータ3で実
行されるため、固定小数点演算で1/Tの演算を実行し
なければならず、演算誤差が特定の条件下で大きくなっ
てしまう。これに対して、上記したように置き換えた結
合係数ω(=W/T)は、EWSを使用して学習処
理する際に求められるため、浮動小数点演算が可能とな
り、演算を高精度に実行することができる。従って、上
記式(5)に基づくニューラルネットワークの計算を簡
易なマイクロコンピュータ3(即ち、固定小数点演算)
で実行したとしても、高精度な演算を保証することがで
きるのである。尚、上記式(5)から明らかなように、
バイアスニューロンの次層への出力値は、常に「1」と
なるように定義されている。
【0057】次に、本実施例においては、ニューラルネ
ットワークを構成するニューロンの個数を、適用する制
御系に最も良く対応するように決められた最適個数より
も多く設定している。そして、上記設定された複数のニ
ューロンの中で計算に使用したくないニューロン(この
ようなニューロンを、ここでは、ダミーニューロンと称
す)がある場合には、そのニューロンに関する結合係数
を零に設定している。以下、このダミーニューロンを用
いた構成について具体的に説明する。
【0058】まず、ニューラルネットワークを構成する
ニューロンの個数は、従来より、例えば特異値分解によ
る方法等によって、適用する制御系に最も良く対応する
ように決められている。このようにして決められたニュ
ーロンの個数を最適個数とすると、本実施例では、ニュ
ーロンの個数を上記最適個数よりも多く設定しており、
具体的には、第1の中間層U2及び第2の中間層U3の
各ニューロンの個数をそれぞれ20個としている。この
場合、各中間層U2、U3において、0番目のニューロ
ンN2-0 、N3-0 はバイアスニューロンであり、残りの
19個のニューロンN2-1 〜N2-19、N3-1 〜N3-19の
うちの使用しないニューロンがダミーニューロンとな
る。
【0059】例えば、各中間層U2、U3において、そ
れぞれ11番目ないし19番目のニューロンN2-11〜N
2-19、N3-11〜N3-19がダミーニューロンであったとす
る。この構成において、第2の中間層U3の3番目のニ
ューロンN3-3 の出力y3-3を計算する場合について考
察してみる。上記出力y3-3 は次の式(6)で定義され
る。
【0060】
【数3】 今、ダミーニューロンに関する結合係数ωを零と設定し
ているため、第1の中間層U2の11番目ないし19番
目のニューロンN2-11〜N2-19と第2の中間層U3の3
番目のニューロンN3-3 と間の結合係数は零となってい
る。具体的には、上記式(6)において、ωbj3=0
(但し、j=11〜19)となっている。これにより、
上記式(6)は次のように変形される。
【0061】
【数4】 この式(7)から、第1の中間層U2の11番目ないし
19番目のニューロンN2-11〜N2-19が存在しない場合
と等価なニューラルネットワークの計算を実現できてい
ることがわかる。このことは、第2の中間層U3の他の
ニューロンの出力を計算する場合も同様である。更に、
同様にして、出力層U4のニューロンN4-1 の出力を計
算する場合も、第2の中間層U3の11番目ないし19
番目のニューロンN3-11〜N3-19が存在しない場合と等
価なニューラルネットワークの計算を実現できているこ
とがわかる。従って、ダミーニューロンが存在するニュ
ーラルネットワークと、ダミーニューロンが存在しない
ニューラルネットワークとは等価であること(計算結果
が同じであること)が保証される。
【0062】次に、上記したダミーニューロンによって
もたらされる作用効果について具体的に説明する。ここ
で、その前に、マイクロコンピュータ3によりニューラ
ルネットワークの計算を実行する制御内容について、図
3のフローチャートを参照して説明する。この場合、最
初に、ニューラルネットワークの第1の中間層ユニット
U2の各ニューロンの出力値を前記式(5)により計算
する。具体的には、図3のステップS1において、第1
の中間層ユニットU2の0番目のニューロンN2-0 から
19番目のニューロンN2-19まで順番に計算していく。
【0063】各ニューロンの計算においては、式(5)
の中の積和部分(u=Σω・x)を計算した後、R
OM35に記憶しているシグモイド関数の縮小データテ
ーブル(図5参照)を参照して、上記入力値uに対応す
る関数値f(u)を求める。この場合、シグモイド関数
の縮小データテーブルを検索すると共に、上記入力値u
が抽出データ間の中間値であるときには線形補間計算を
実行することにより、関数値f(u)を算出し、これを
第1の中間層ユニットU2の各ニューロンの出力値とす
る。
【0064】そして、ステップS2にて、第1の中間層
ユニットU2の全てのニューロンの出力値を計算したか
否かを判断する。ここで、第1の中間層ユニットU2の
全てのニューロンの出力値を計算していない場合には、
ステップS1へ戻って、第1の中間層ユニットU2の残
りのニューロンの出力値を計算する処理を繰り返す。こ
れにより、第1の中間層ユニットU2の20個のニュー
ロンの出力値を計算する処理が繰り返される。
【0065】この後、第1の中間層ユニットU2の全て
のニューロンの出力値を計算したら、ステップS2にて
「YES」へ進む。そして、第2の中間層ユニットU3
の各ニューロンの出力値を前記式(5)により計算する
処理が実行される。具体的には、ステップS3におい
て、第2の中間層ユニットU3の番目のニューロンN
3-1 から19番目のニューロンN3-19まで順番に計算し
ていく。各ニューロンの計算処理は、第1の中間層ユニ
ットU2の各ニューロンの計算処理と同じである。
【0066】そして、ステップS4にて、第2の中間層
ユニットU3の全てのニューロンの出力値を計算したか
否かを判断する。ここで、第2の中間層ユニットU3の
全てのニューロンの出力値を計算していない場合には、
ステップS3へ戻って、第2の中間層ユニットU3の残
りのニューロンの出力値を計算する処理を繰り返す。こ
れにより、第2の中間層ユニットU3の19個のニュー
ロンの出力値を計算する処理が繰り返される。
【0067】この後、第2の中間層ユニットU3の全て
のニューロンの出力値を計算したら、ステップS4にて
「YES」へ進む。そして、ニューラルネットワークの
出力層ユニットU4の各ニューロンの出力値を前記式
(5)により計算する(ステップS5)。ここで、各ニ
ューロンの計算処理は、前記中間層ユニットU2、U3
の各ニューロンの計算処理と同じである。
【0068】続いて、出力層ユニットU4の全てのニュ
ーロンの出力値を計算したか否かを判断する(ステップ
S6)。ここで、出力層ユニットU4の全てのニューロ
ンの出力値を計算していない場合には、ステップS6に
て「NO」へ進み、ステップS5へ戻って、出力層ユニ
ットU4の残りの(2番目以降の)ニューロンの出力値
を計算する処理を繰り返す。尚、本実施例の場合、出力
層ユニットU4のニューロンは1個であるから、1回目
でステップS6にて「YES」へ進み、ニューラルネッ
トワークの計算処理を終了する。
【0069】さて、本実施例において、ニューラルネッ
トワークを適用する制御系の仕様変更によりニューロン
の最適個数を増やす必要が生じた場合について考察す
る。このような場合、増加させるニューロンとしてダミ
ーニューロンを割り当てると共に、学習処理により結合
係数ωを求める。そして、この求めた結合係数ωをRO
M35内に入れ替える。このように構成すると、仕様変
更を行っても、ニューロンの個数が仕様変更前と変わら
ない。即ち、本実施例の場合、2つの中間層ユニットU
2、U3の各ニューロンの個数が20個である。このた
め、各ニューロンの出力を計算する処理の繰り返し回数
が仕様変更前と同じである。従って、ニューラルネット
ワークの演算処理に要する時間も仕様変更前と同じで長
くならないため、従来構成とは異なり、ロジックの変更
等の作業が全く不要となる。
【0070】尚、本実施例においては、ダミーニューロ
ンを2つの中間層ユニットU2、U3に設けたが、入力
層ユニットU1や出力層ユニットU4に設けても良い。
また、設けるダミーニューロンの個数は、ニューラルネ
ットワークの計算時間が制御プログラムの動作上の基本
周期内に収まる範囲内で、できるだけ多く設けるように
構成すれば良い。
【0071】一方、本実施例では、結合係数の分解能
を、適用する制御系に対応するように、または、ニュー
ラルネットワークを構成する複数の階層の層間に対応す
るように設定している。これにより、簡易な構成のマイ
クロコンピュータ3により固定小数点演算する場合で
も、演算精度の低下を極力防止することができる。以
下、この結合係数の分解能の設定について具体的に説明
する。
【0072】まず、EWS等で学習処理することにより
求めた結合係数は、適用する各制御系及びニューラルネ
ットワークの階層の各層間毎に異なるものである。この
ため、結合係数の分布範囲も、下記の表1に示すよう
に、適用する制御系及びニューラルネットワークの階層
の層間毎にかなり異なる場合がある。
【0073】
【表1】 ここで、マイクロコンピュータ3内で計算する場合の結
合係数の分解能をある1つの分解能に固定してしまう
と、固定小数点演算のため、例えば2バイトという限ら
れたデータレンジを有効に使うことができず、計算誤差
の増大を招くことがあった。そこで、本実施例では、次
の3つの条件を満たすように結合係数の分解能を設定し
ている。
【0074】条件1 適用する各制御系及びニューラルネットワークの階層の
各層間毎に結合係数の分解能を設定する。例えば制御系
が3つあると共に、これら各制御系毎にニューラルネッ
トワークの層間が3つある場合には、3×3=9個にわ
けて結合係数の分解能を設定する必要がある。
【0075】条件2 入力ニューロン数と実際に使用する結合係数を考慮し
て、オーバーフローが起こらない範囲内に結合係数の分
解能を設定する。具体的には、ニューラルネットワーク
の階層の各層間毎に、(Σω*x)の最大値を求め、こ
れがオーバーフローしないようにする。尚、(Σω*
x)の最大値の算出に当たっては、入力値xを結合係数
ωと逆符号で且つ絶対値=1として計算しておけば、あ
らゆる入力値xの組み合わせに対応することができる。
【0076】例えば図6に示すような構成のニューラル
ネットワークにおいて、入力層と第1の中間層との間の
層間の結合係数ωの分解能を設定する場合について簡単
に説明する。この場合、第1の中間層の出力n2iは次
の式で計算される。
【0077】
【数5】 但し、i=1〜bであり、bは第1の中間層のニューロ
ンの個数−1である。また、n1p(p=0〜3)は入
力層の各ニューロンの出力である。尚、第2の中間層の
ニューロンの個数はc+1個である。
【0078】ここで、シグモイド関数のデータテーブル
の検索用の入力値uは次の式で定義される。
【0079】
【数6】 このuがオーバーフローを起こすと、正しい検索が不可
能となるので、この値uがオーバーフローしないように
分解能を決定する。そして、分解能の決定に当たって
は、上記uの式において、n1pはω1piと逆符号で
絶対値=1とし、i=1〜bまでこの値uをb個計算
し、b個の計算結果のうちの最大のものがオーバーフロ
ーしないように結合係数の分解能を設定する。そして、
このような処理を各制御系毎及び各層間毎に実行すれば
良い。
【0080】条件3 (Σω*x)の計算結果uを用いてシグモイド関数のデ
ータテーブル(図5参照)を検索する場合、上記計算結
果が「−11.875〜11.875」の範囲内にあれ
ば、データテーブルの検索を実行可能である。このと
き、データテーブルの検索に用いるu座標は、図7に示
す4バイトのデータ(Σω*x)の中から切り出した2
バイトのデータ(上位1バイトのデータが検索用であ
り、下位1バイトのデータが補間用である)である。こ
こで、上記切り出しは、シフト操作のみで簡単に実行で
きるように、結合係数の分解能を設定する。具体的に
は、 4000h11.875×2n のように結合係数の分解能を設定する。
【0081】このように結合係数の分解能を設定する理
由は、4バイトのデータ(Σω*x)の中から2バイト
のデータを切り出すときに、新たな乗除算を実行する
と、それに伴う演算誤差が発生してしまうためである。
【0082】そして、上記3つの条件1〜3に基づい
て、前記表1に示した結合係数の分解能を設定した例を
下記の表2に示す。
【0083】
【表2】 ここで、例えば制御系1における入力層と第1の中間層
との間の層間の結合係数の分解能を設定する場合を具体
的に説明する。まず、上記層間の結合係数の分布範囲が
「−13.1〜+35.4」である。また、Σω*xの
最大値が52.8となるので、4000h=11.87
5×2を満たして、オーバーフローが生じない範囲と
して、4000h95.0(=11.875×2
と定義する。そして、上述した処理を各制御系毎及び各
層間毎に実行すれば、上記表2の結果を得ることができ
る。
【0084】また、本実施例においては、ROM35内
に、シグモイド関数のデータテーブル、結合係数のデー
タ及び制御プログラムを、図8に示すように格納してい
る。即ち、ROM35内のエリア35a内に制御プログ
ラムを記憶し、エリア35b内にシグモイド関数のデー
タテーブルを記憶している。また、適用する制御系が5
個あるとすると、これら5個の制御系1〜5の各結合係
数はROM35内のエリア35c〜35g内に記憶され
ている。更に、これらエリア35c〜35g内は、それ
ぞれ3つのエリアに分割されており、この3つのエリア
にはニューラルネットワークの層間毎の結合係数が記憶
されている。
【0085】このような構成の本実施例によれば、ニュ
ーラルネットワークの演算処理により車両用空調装置制
御用の目標吹出温TAOを算出するように構成した。こ
のため、算出された目標吹出温TAOは、設計者が意図
するきめ細かい空調制御を実行するために最適な目標吹
出温TAOとなる。
【0086】また、上記実施例においては、目標吹出温
TAOをニューラルネットワークを用いた演算装置によ
り算出するに当たって、シグモイド関数のデータテーブ
ルの上限及び下限を、データテーブルの分解能に応じて
決めるように構成したので、シグモイド関数のデータテ
ーブルの大きさを小さくすることができ、該データテー
ブルを記憶させるROM35(記憶手段)の容量を小さ
くすることができる。しかも、この場合、データテーブ
ルの上限及び下限の外側のデータは、分解能によれば無
視できるデータであるから、計算精度が低下することは
ない。
【0087】更に、上記実施例では、シグモイド関数の
データテーブルの中から設定個数(例えば256個)お
きのデータだけを抽出し、これら抽出データから縮小デ
ータテーブルを作成した。具体的には、入力値uの16
ビットのデータのうちの上位1バイト分のデータテーブ
ルだけを持つようにし、下位1バイト分のデータについ
てはデータテーブルとしては持たないように構成した縮
小データテーブルを作成し、この縮小データテーブルを
ROM35に記憶させるように構成した。このため、デ
ータテーブルを記憶させるROM35の容量を大幅に小
さくすることができる。そして、上記縮小データテーブ
ルに基づいてニューラルネットワークの計算を実行する
場合、抽出したデータの間のデータについては、線形補
間計算することによりシグモイド関数値を求めるように
構成したので、計算精度が低下することを防止できる。
【0088】更にまた、上記実施例においては、シグモ
イド関数の縮小データテーブルとして傾きTが「1」の
場合の縮小データテーブルだけを記憶するように構成し
たので、データテーブルを記憶させるROM35の容量
を更に小さくすることができる。そして、傾きTが
「1」以外の場合には、入力値を1/T倍する演算をニ
ューラルネットワークで処理可能なように各ニューロン
の係合係数を設定するように構成した。
【0089】これにより、傾きTが「1」以外の場合
も、計算精度が低下することなく、ニューラルネットワ
ークの計算を実行することができる。特に、複数のニュ
ーラルネットワーク(これらは複数の制御系に対応して
いる)を用いた演算装置を使用する構成の場合には、傾
きTが複数存在するため、ROM35の容量を小さくで
きるという効果が顕著となる。
【0090】一方、上記実施例においては、結合係数の
分解能を、適用する制御系に対応するように、または、
ニューラルネットワークを構成する複数の階層の層間に
対応するように設定した。これにより、簡易なマイクロ
コンピュータ3で固定小数点演算してニューラルネット
ワークの計算を実行する場合でも、演算精度が低下する
ことを極力防止できる。
【0091】特に、上記実施例においては、結合係数の
分解能を設定するに際して、結合係数と入力値との積和
がオーバーフローしないように設定する構成とした。こ
れにより、演算を正常に実行することができる。また、
上記実施例では、結合係数と入力値との積和のデータか
ら、シグモイド関数のデータテーブルを検索するための
データを切り出す場合に、シフト操作だけでその作業が
完了するように構成した。このため、演算誤差の発生を
より防止することができる。
【0092】尚、上記実施例では、ニューラルネットワ
ークの中にバイアスニューロンとダミーニューロンを追
加する構成したが、これに限られるものではなく、ニュ
ーラルネットワークの中にバイアスニューロンだけを追
加する構成としても良いし、或いは、ダミーニューロン
だけを追加する構成としても良い。
【0093】また、上記実施例では、ニューラルネット
ワークの中にバイアスニューロンとダミーニューロンを
追加する構成とした上で、結合係数の分解能を、適用す
る制御系に対応するように、または、ニューラルネット
ワークを構成する複数の階層の層間に対応するように設
定する構成としたが、これに代えて、バイアスニューロ
ン及びダミーニューロンを追加せずに、結合係数の分解
能を、適用する制御系に対応するように、または、ニュ
ーラルネットワークを構成する複数の階層の層間に対応
するように設定する構成とするだけでも良い。更にま
た、バイアスニューロン或いはダミーニューロンの一方
を追加した上で、結合係数の分解能を、適用する制御系
に対応するように、または、ニューラルネットワークを
構成する複数の階層の層間に対応するように設定する構
成としても良い。
【0094】一方、上記実施例においては、ニューラル
ネットワークの中間層ユニットを2つとしたが、これに
代えて、1つ或いは3つ以上の中間層ユニットを設ける
ように構成しても良い。また、ニューラルネットワーク
の2つの中間層ユニットのニューロンの個数を各20個
としたが、これらニューロンの個数は適用する制御系に
応じて適宜決めれば良い。更にまた、入力層ユニットの
ニューロンの個数及び出力層ユニットのニューロンの個
数も、適用する制御系に応じて適宜決めれば良い。
【0095】一方、上記実施例では、車両用空調装置の
目標吹出温度TAOをニューラルネットワークを用いた
演算装置により算出する場合に適用したが、これに代え
て、例えば車両用空調装置の風量や吹出口モードや日射
補正量等をニューラルネットワークを用いた演算装置に
より算出する場合に適用することも好ましい構成であ
る。この場合、1つのニューラルネットワークを用いて
目標吹出温度TAO、風量、吹出口モード、日射補正量
等を算出するように構成しても良いし、或いは、複数の
ニューラルネットワークを用いて目標吹出温度TAO、
風量、吹出口モード、日射補正量等を算出するように構
成しても良い。
【0096】また、上記実施例では、本発明のニューラ
ルネットワークの演算装置を車両用空調装置に適用する
ように構成したが、これに限られるものではなく、エン
ジン制御装置やプラント制御装置に適用するように構成
しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、ニューラルネ
ットワークの構成を示す図
【図2】車両用空調装置の概略全体構成を示す図
【図3】フローチャート
【図4】シグモイド関数のグラフ
【図5】シグモイド関数のデータテーブルを示す図
【図6】他のニューラルネットワークの構成を示す図
【図7】結合係数と入力値の積和のデータからシグモイ
ド関数の検索用のデータ(u座標)を切り出す処理を示
す図
【図8】ROMの記憶エリアを示す図
【図9】演算誤差のビット数とニューロンの個数との関
係を示す図
【符号の説明】
1は車両用空調装置、2は空調ユニット、3はマイクロ
コンピュータ(ニューラルネットワークの演算装置)、
4はエアコン制御装置、34はCPU、35はROM、
36はRAMを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−63633(JP,A) 特開 平4−60752(JP,A) 特開 平5−197821(JP,A) 特開 平5−314089(JP,A) 特開 平6−175999(JP,A) 甘利俊一・他,「bit臨時増刊 人 工ニューラルシステム」,日本,共立出 版株式会社,1989年 9月10日,pp. 170 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06N 1/00 - 7/08 G06G 7/60 G05B 13/00 - 13/04 JSTファイル(JOIS) CSDB(日本国特許庁)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジニアリングワークステーション内
    で学習され、複数の制御系に対応した複数の結合係数を
    マイクロコンピュータ用に演算したマイクロコンピュー
    タ用の各ニューロンの結合係数(ω)と、 前記エンジニアリングワークステーション内での複数通
    りの結合係数学習の際に用いられ、かつ、各制御系に対
    応した複数のシグモイド関数の各傾き(T)を代表する
    傾きを持つマイクロコンピュータ用代表シグモイド関数
    とを、前記マイクロコンピュータ内に記憶して 、前記各
    ニューロンの結合係数と前記代表シグモイド関数に基
    づいてニューラルネットワークの入出力の計算を実行す
    るように前記マイクロコンピュータで構成されたニュー
    ラルネットワークの演算装置において、前記代表シグモイド関数は、 シグモイド関数の入力値と
    関数値との対応関係を示すデータテーブルとして、前記
    シグモイド関数の傾きTが「1」の場合のデータテーブ
    ルを前記マイクロコンピュータ内に記憶するように構成
    し、 前記傾きTが「1」以外の前記マイクロコンピュータ内
    の前記複数の制御系に対応する前記マイクロコンピュー
    タ用の各ニューロンの結合係数(ω)の場合には、前記
    各制御系に対応した複数のシグモイド関数を用いて前記
    エンジニアリングワークステーション内で学習された前
    記各制御系に対応した複数の前記結合係数(W)を1/
    T倍する演算を前記エンジニアリングワークステーショ
    ン内で行ってニューラルネットワークで処理可能なよう
    に各ニューロンの結合係数を前記マイクロコンピュータ
    内に設定したことを特徴とするニューラルネットの演算
    装置。
  2. 【請求項2】 前記マイクロコンピュータ用結合係数
    (ω)の分解能を、1つの分解能に固定せず、前記マイ
    クロコンピュータ内に構成された前記制御系毎に、また
    は、前記ニューラルネットワークを構成する複数の階層
    の層間毎に設定したことを特徴とする請求項1に記載の
    ニューラルネットワークの演算装置。
  3. 【請求項3】 前記マイクロコンピュータ用結合係数
    (ω)の分解能を設定するに際しては、前記マイクロコ
    ンピュータ用結合係数(ω)と前記各制御系に入力され
    る入力値との積和の最大値を前記エンジニアリングワー
    クステーション 内で求め、前記最大値に応じて設定した
    ことを特徴とする請求項2に記載のニューラルネットワ
    ークの演算装置。
JP19416797A 1997-07-18 1997-07-18 ニューラルネットワークの演算装置 Expired - Lifetime JP3438537B2 (ja)

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