JP3438474B2 - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP3438474B2
JP3438474B2 JP16614896A JP16614896A JP3438474B2 JP 3438474 B2 JP3438474 B2 JP 3438474B2 JP 16614896 A JP16614896 A JP 16614896A JP 16614896 A JP16614896 A JP 16614896A JP 3438474 B2 JP3438474 B2 JP 3438474B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル化された
画像を処理する装置に係り、特に高速かつ低コストで画
像の空間フィルタ処理を行なうことが可能な画像処理装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像処理装置や、画像を取り扱うことが
できるDTP(Desk Top Publishin
g)システム、プリンティングシステムなどでは、入力
画像のノイズの除去やエッジの鮮鋭化などの処理に、空
間フィルタ処理が用いられる場合がある。この空間フィ
ルタ処理は、例えば、3×3のフィルタ係数K(i,
j)(i=−1〜1,j=−1〜1)を用い、画像中の
各画素P(x,y)について次の式の計算を行なうこと
で実行される。 P’(x,y)=Σj=-1 1 Σi=-1 1 K(i,j)×P
(x+i,y+j)
【0003】図3は、空間フィルタ処理に用いられるフ
ィルタ係数の一例の説明図である。フィルタ係数K
(i,j)としては、例えば、図3に示すようなフィル
タ係数を用いることができる。図3では、3×3のサイ
ズのフィルタ係数を用いて空間フィルタ処理を行なう場
合のフィルタ係数の一例を示しているが、5×5や他の
サイズの係数マトリクスを用いて空間フィルタ処理を行
なうこともある。
【0004】空間フィルタ処理を上記の式のとおりに行
なうと、図3に示すような最も小さい係数マトリクスを
用いる場合でも、その演算量は1画素当たり乗算9回+
加算8回が必要であり、大容量の画像に対して空間フィ
ルタ処理を行なう場合や、さらに大きなサイズのフィル
タ係数を用いる場合には、非常に長い処理時間が必要と
なってしまう。
【0005】従来、この問題を解決する方法の一例とし
ては、例えば、ハードウエアによるパイプライン構成が
よく用いられている。図21は、従来の空間フィルタ処
理を行なう画像処理装置の一例を示す構成図である。図
中、21はFIFO部、22は係数格納部、23は乗算
器、24は加算器である。
【0006】図21に示す従来の画像処理装置では、処
理対象となる画像データをFIFO(First−In
First−Outバッファ)部21で遅延して注目
画素とその近傍画素を同期させて取り出し、複数の乗算
器23を用いて係数格納部22に設定されている係数と
の乗算処理を並列に行ない、その結果を複数の加算器2
4を用いて並列に積算して出力値を生成することで高速
な処理を実現している。しかしながらこのような構成
は、複数のFIFOや乗算器、加算器などのハードウエ
アにより装置コストが増加し、さらに構成が固定である
ため、任意の係数サイズの空間フィルタ処理を実行する
などの柔軟な使用が困難であるという欠点がある。
【0007】一方、各種の画像処理を高速化する手法の
一つとして、画像データを圧縮処理した状態で伸長する
ことなく処理を行なう方法が提案されている。例えば、
特開昭57−89171号公報では、2値画像中の白黒
変化点を例えばランレングスデータに符号化し、符号化
したデータを用いて任意角度の回転を行なう方式が提案
されている。特開昭57−100555号公報では、2
値画像の1次元符号化データに対する左右のシフト処理
が提案されており、拡縮、重畳、合成、消去なども可能
であると述べられている。また、特開昭58−1424
67号公報では2値画像を白黒変化点符号化し、符号化
した2ラインのデータ間での論理演算法が、特開平4−
34669号公報では2値画像のランレングス符号化デ
ータに対する論理フィルタリング方式が提案されてい
る。さらに、“The UtahRaster Too
lkit”,The 3rd. Usenix Wor
kshop on Graphics,Montere
y Carifornia,1986.11では、多値
画像をランレングス圧縮したデータに対して、整数倍の
拡縮やテーブル処理などが行なわれている。
【0008】これらの方式では、圧縮による処理データ
量とデータ読み出しコストの減少を利用した高速化が図
られ、さらにデータ格納に必要な装置コストを減らすこ
とができる。しかしながら、前述した空間フィルタ処理
については、このような圧縮データのままでの処理手法
は提案されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、ランレングス圧縮された画
像データを伸長せずに空間フィルタ処理を行なうことに
より、高速、低コストかつ柔軟な画像の空間フィルタ処
理を実現可能な画像処理装置を提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、画像処理装置において、行単位のランレングス形式
で表現された行データで構成される画像データに対して
空間フィルタ処理を行なう画像処理装置において、行デ
ータに定数を乗じる乗算手段と、行データを右または左
にN画素シフトするシフト手段と、複数の行データを加
算する加算手段を備え、前記乗算手段、前記シフト手
段、前記加算手段を用いてランレングス表現された画像
データの空間フィルタ処理を行なうことを特徴とするも
のである。
【0011】請求項2に記載の発明は、行単位のランレ
ングス形式で表現された行データで構成される画像デー
タに対して空間フィルタ処理を行なう画像処理装置にお
いて、前記行データに対してフィルタ係数を乗じる乗算
手段と、該乗算手段によってフィルタ係数が乗じられた
行データに対し該フィルタ係数の係数マトリクス中の位
置に応じた画素数だけ行データを右または左にシフトす
るシフト手段と、該シフト手段によってシフトされた行
データおよび前記乗算手段によってフィルタ係数が乗じ
られた行データのうちの複数の行データについて加算を
行なう加算手段を備えていることを特徴とするものであ
る。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の画像処理装置において、さらに、演算前ある
いは演算後の行データを一時記憶する記憶手段を備えて
いることを特徴とするものである。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2に記載の画像処理装置において、前記加算手段は、加
算を行なう複数の行データの左端のランデータを取り出
し、それぞれのラン長を比較してその最小値を求め、さ
らに各ランの画素値の和を求めて前記ラン長の最小値と
組にして新たなランデータとして出力するとともに、各
行のランデータのラン長から前記最小値を減算し、ラン
長が0となったランデータについてはその行の次のラン
データを取り出す処理を行の右端まで繰り返し行なうこ
とを特徴とするものである。
【0014】請求項5に記載の発明は、画像処理装置に
おいて、入力された画像を行単位のランレングス形式で
表現された行データに変換する画像圧縮手段と、請求項
1ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置と、該
画像処理装置から出力される空間フィルタ処理後の行デ
ータを画像に復元する復元手段を有することを特徴とす
るものである。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の画像処理装置の
第1の実施の形態を示すブロック図である。図中、1は
画像入力部、2は画像記憶部、3は画像出力部、4は空
間フィルタ処理部、5は制御部、11は行データ乗算
部、12は行データシフト部、13は行データ加算部で
ある。画像入力部1は、伝送または蓄積されたランレン
グス形式の画像データを入力する。画像記憶部2は、画
像入力部1から入力された画像データを記憶する。画像
出力部3は、処理結果を出力する。空間フィルタ処理部
4は、空間フィルタ処理を行なう。制御部5は、各部を
制御する。
【0016】空間フィルタ処理部4は、行データ乗算部
11と行データシフト部12と行データ加算部13を有
し、入力されたランレングス形式の画像に対して空間フ
ィルタ処理を行なう。行データ乗算部11は、ランレン
グス変換された画像データの1行分を読み込んでその画
素値にフィルタ係数を乗算する。行データシフト部12
は、ランレングス変換された画像データの1行分を読み
込んでその行を右または左にN画素シフトする。行デー
タ加算部13は、ランレングス変換された画像データの
複数行を読み込んで各行を加算する。
【0017】図1において、画像データは、画像入力部
1から入力されて画像記憶部2に格納され、空間フィル
タ処理部4へ読み出されて空間フィルタ処理され、処理
された順に画像出力部3へ送られて出力される。
【0018】図2は、画像データのランレングス形式表
現の一例の説明図である。図2(A),(B)に示す各
例とも、上に画像データを示し、下にその画像データの
ランレングス表現を示している。画像データの各矩形
は、同じ行中の連続する画素を示しており、矩形中の数
値は画素値を示している。また、ランレングス表現は、
同じ画素値が連続する画素数とその画素値とをペアとし
て表現する。図2では、このペアの間を点線で区切り、
2つの値がペアであることを示している。
【0019】図2(A)において上に示す1行分の画像
データが与えられた場合を例に説明する。先頭から3画
素は同じ画素値(=200)が並んでいるので、ランレ
ングス表現は“3,200”となる。次は画素値180
が1画素なので“1,180”となり、以下同様に処理
されて図2(A)の下に示した結果を得る。図2(A)
からも明らかなように、このような表現形式は、同じ画
素値が連続することが多い画像の場合にはデータ圧縮の
効果が生じる。
【0020】図2(B)は、図2(A)で説明した表現
とは若干異なるランレングス表現の一例を示している。
このランレングス表現では、同じ画素値が連続する部分
はその画素数とその画素値とをペアとして表現し、1画
素ごとに異なる画素値となっている部分についてはその
部分の画素数を負に変換した値とその部分の複数の画素
値をペアとして記述する。図2(B)において上に示し
た画像データが与えられた場合を例に説明する。先頭か
ら3画素は同じ画素値(=200)が並んでいるので、
ランレングス表現は“3,200”となる。次は18
0,150と異なる画素値が2画素並ぶので、表現は
“−2,180,150”となり、以下同様に処理され
て図2(B)の下に示す結果を得る。図2(A)で説明
した方法よりもやや複雑になるが、図2(B)に示す例
からも分かるように、やや圧縮率が向上する場合が多
い。
【0021】以下の実施の形態では、図2(A)に示す
ランレングス形式を前提として説明を行なうが、例え
ば、図2(B)に示すようなランレングス形式の場合で
も“−2,180,150”なる表現を内部的に“1,
180”と“1,150”の2つのランに読み替えて処
理するように制御すれば同様に適用でき、またその他の
形式でも、1次元的な同一画素値の連続数に相当する数
と、その画素値に相当する量を用いて表現するものなら
ば容易に適用可能である。
【0022】このようなランレングス変換は行ごとに行
なわれる。以下の説明において、変換前の画像データの
行ごとのデータ、あるいは変換後のランレングス表現さ
れた行ごとのデータを、行データと呼ぶことにする。
【0023】図4は、本発明の画像処理装置の第1の実
施の形態における動作の概要を示すフローチャートであ
る。なお、図4では、画像の縦は0〜H−1のH行で構
成されており、Dn はn行目のランレングス圧縮された
行データを表わしているものとする。以下の説明では、
説明を簡単にするために図3に示すような3×3の大き
さのフィルタ係数を用いた空間フィルタ処理について説
明する。しかし本発明はこれに限定されるものではな
く、フィルタ係数の値がどのようなものでも、またフィ
ルタ係数のサイズがどのようなものでも適用可能であ
る。
【0024】3×3サイズのフィルタ処理では、先頭行
と最終行を処理する際に、実際には存在しない−1行目
とH行目のアクセスが発生する。そこでS11におい
て、画像記憶部2からD-1を読み出す命令がD0 を出力
し、DH を読み出す命令がDH- 1 を出力するように設定
を行なう。また、S32では初期設定として、処理対象
のラインを0行目とするために、nに0を設定する。
【0025】次にS33では、画像記憶部2から空間フ
ィルタ処理部4に行データDn-1 ,Dn ,Dn+1 が入力
される。先頭行の場合にはn=0と設定されているの
で、D-1(=D0 ),D0 ,D1 が空間フィルタ処理部
4に入力される。
【0026】S34では、S33で入力された行データ
を対象として空間フィルタ処理を実行し、その結果を画
像出力部3に出力する。この部分の動作については、後
に図5などを参照しながら詳細に説明を行なう。
【0027】次にS35では、次の行を処理対象とする
ため、処理対象行を表わすnに1を加える。S36で
は、nとHとを比較し、n<Hの場合にはまだ未処理の
行が残っていることになるのでS33に戻って処理を続
け、n≧Hの場合には処理を終了する。
【0028】図5は、本発明の画像処理装置の第1の実
施の形態における空間フィルタ処理の一例を示すフロー
チャートである。この処理は、図4のS34において行
なわれる処理である。図4のS33に示した処理によ
り、空間フィルタ処理部4にはランレングス圧縮された
行データDn-1 ,Dn ,Dn+1 の3行分のデータが入力
されている。そこでS41では、はじめに行データ乗算
部11を用いてDn+1 にフィルタ係数K(−1,1)=
K(1,1)=0.05を乗算し、次に行データシフト
部12でこれを左右に各1画素シフトしたデータを作成
する。以下、もとのデータに対して乗算およびシフト処
理された行データをDn (乗数,シフト画素数)と表現
する。ここで、シフト画素数は右をプラス、左をマイナ
スで表記する。なお、行データ乗算部11および行デー
タシフト部12の動作の詳細については、後述する。
【0029】また、S42において、行データ乗算部1
1でDn+1 にK(0,1)=0.1を乗算してD
n+1 (0.1,0)を作成する。S41とS42の処理
によって、Dn+1 に対する演算処理ができた。作成され
たデータは、Dn+1 (0.05,−1),Dn+1 (0.
1,0),Dn+1 (0.05,−1)である。
【0030】次にS43において、行データ乗算部11
でDn にK(−1,0)=K(1,0)=0.1を乗算
してDn (0.1,0)を作成し、これを行データシフ
ト部12で左右に各1画素ずつシフトしてDn (0.
1,−1),Dn (0.1,1)を作成する。さらに、
S44において、行データ乗算部11でDn にK(0,
0)=0.4を乗算してDn (0.4,0)を作成す
る。
【0031】次にS45において、行データ乗算部11
でDn-1 にK(−1,−1)=K(1,−1)=0.0
5を乗算してDn-1 (0.05,0)を作成し、これを
行データシフト部12で左右に各1画素ずつシフトして
n-1 (0.05,−1),Dn-1 (0.05,1)を
作成する。さらに、S46において、行データ乗算部1
1でDn-1 にK(0,−1)=0.1を乗算してD
n (0.1,0)を作成する。
【0032】S47において、行データ加算部13でS
41からS46までに作成したDn+1 (0.05,−
1),Dn+1 (0.1,0),Dn+1 (0.05,
1),Dn(0.1,−1),Dn (0.4,0),D
n (0.1,1),Dn-1 (0.05,−1),Dn-1
(0.1,0),Dn-1 (0.05,1)を加算して空
間フィルタ処理結果を作成する。そして、この結果を画
像出力部3に出力して1行分のフィルタ処理を終了す
る。なお、行データ加算部13の動作の詳細について
は、後述する。
【0033】次に、行データ乗算部11の動作の詳細に
ついて説明する。図6は、本発明の画像処理装置の第1
の実施の形態における行データ乗算部の処理の一例を示
すフローチャートである。行データ乗算部11では、与
えられた行データに対して、S51で処理対象のランを
ランレングス形式の行データの先頭のランにセットす
る。ここでいうランとは、図2に示した同じ画素値が連
続する画素数とその画素値とのペアを示す。
【0034】次にS52において、この処理対象ランの
画素値の部分に与えられた乗数を乗算する。乗数として
フィルタ係数のいずれかが与えられているので、画素値
に与えられたフィルタ係数を乗算することになる。次に
S53でまだ未処理のランが残っているかを判定し、残
っていればS54で処理対象ランを現在の次のランに移
動してS52に戻り、残っていなければ処理を終了す
る。
【0035】図7は、本発明の画像処理装置の第1の実
施の形態における行データ乗算部の処理の具体例の説明
図である。図7に、図6に示した乗算処理によるランレ
ングスデータの変化を示す。ここでは、乗数0.4をラ
ンレングス形式の行データに乗算する。図2に示したよ
うに、ランレングス形式の行データは、同じ画素値が連
続する画素数とその画素値とのペアであるランが並んで
いる。各ランにおいて、画素数をそのままとし、画素値
に対して0.4を乗算する。例えば、最初の画素数と画
素値のペアである(3,200)は、その画素値に0.
4が乗算され、(3,80)となる。以下、同様であ
る。
【0036】このように、ランを単位として処理を行な
うので、通常の画素単位での処理と比べて乗算回数が1
/(圧縮率)に削減され、高速に処理が実行できる。
【0037】次に、行データシフト部12の動作の詳細
について説明する。図8は、本発明の画像処理装置の第
1の実施の形態における行データシフト部の処理の一例
を示すフローチャートである。ここでは、行データシフ
ト部12で右方向にN画素シフトを行なう場合の処理を
示している。このとき、行データシフト部12は、ラン
レングス形式の行データの左端の画素値を左側にN画素
追加し、右側のN画素を削除する。このようなシフト処
理は、行データの左端部分及び右端部分のランの画素数
が変更されるのみで実行され、間のランについてはシフ
トによって画素数は変化しない。ランレングス形式の行
データは、行中の位置情報は有していないので、このよ
うな処理によって画像データの行データがシフトした場
合と同等のランレングス形式の行データが得られる。
【0038】行データシフト部12に入力された行デー
タは、S61で行の左端のランの画素数に移動量Nを加
算する。これによって、左端のランにおける画素数の追
加が行なわれる。このとき、例えば左端に特定の値、例
えば‘0’を追加する場合には、“N,0”なるランを
新たに左端に挿入してもよい。
【0039】次に右端部分のランについて、N画素の削
除を行なう。まずS62で行の右端のランの画素数と移
動量Nとの比較を行ない、画素数<Nの場合にはS63
に、画素数=Nの場合にはS65に、画素数>Nの場合
にはS66に移る。画素数<Nの場合には、そのランは
シフトによってすべて削除されるので、S63で移動量
Nから右端のランの画素数を引いた値を新たなNとして
設定し、右端ランのそのものを削除してS62に戻って
先の処理を繰り返す。画素数=Nの場合には、右端ラン
のラン長とNが等しいので、S65で右端ランそのもの
を削除して処理を終了する。画素数>Nの場合には、右
端のランの一部の画素が削除されるのみであるので、そ
のランは残し、S66で右端のランの画素数からNを減
算して処理を終了する。
【0040】ここでは行データを右方向にシフトする場
合を説明したが、左方向にシフトする場合は右端のラン
に対する処理と左端のランに対する処理を逆にすること
で左方向のシフト処理が可能である。
【0041】図9は、本発明の画像処理装置の第1の実
施の形態における行データシフト部の処理の具体例の説
明図である。いま、図9(A)に示すランレングス形式
の行データが与えられたものとする。ここで、右に1画
素シフト、すなわちN=1の場合を考える。まず図8の
S61により左端のランの画素数(=3)にシフト量N
(=1)を加算して画素数を4とする。次にS62で右
端のランの画素数(=4)とシフト量N(=1)とを比
較し、Nの方が小さいのでS66に進み、右端のランの
画素数からNを減算して画素数を3とし、処理を終了す
る。これにより、図9(B)に示すようなシフト後のラ
ンレングス形式の行データが得られる。
【0042】また、左に4画素シフト、すなわちN=−
4の場合は、図8の右端と左端を入れ換えたフローチャ
ートに従って処理を行なう。右端のランの画素数(=
4)にシフト量(=4)を加算して画素数を8とする。
次に左端のランの画素数(=3)とシフト量N(=1)
とを比較し、Nの方が大きいのでNから左端のランの画
素数を減じ、Nを1とする。また、左端のランそのもの
を削除し、さらに処理を繰り返す。今度は左端のランの
画素数は1である。新たなシフト量N(=1)と比較
し、一致するので右端のランそのものを削除し、処理を
終了する。これにより、図9(C)に示すようなシフト
後のランレングス形式の行データが得られる。
【0043】上述したように、ランレングス変換された
行データのシフト処理は、左右の幾つかのランデータに
対する操作だけで処理が完了するので、ランレングス変
換されていない通常の画像データのシフト処理と比べて
高速に処理を行なうことができる。
【0044】次に、行データ加算部13の動作の詳細に
ついて説明する。図10は、本発明の画像処理装置の第
1の実施の形態における行データ加算部の処理の一例を
示すフローチャートである。行データ加算部13は、入
力された加算対象の2つのランレングス形式の行データ
である行1,行2に対して加算処理を行なう。
【0045】S71では行1の左端のランの画素数、画
素値をL1,V1に代入し、同様に行2の左端のランの
画素数、画素値をL2,V2に代入する。次にS72で
は、L0=min(L1,L2),V0=V1+V2な
るL0,V0をそれぞれ画素数、画素値とするラン“L
0,V0”を生成して出力する。次にS73では、L
1,L2からそれぞれL0を減算してL1,L2に代入
する。次にS74ではL1と0とを比較し、L1=0の
場合にはS75に、L1>0の場合にはS77に進む。
S72でL1とL2の小さい方をL0としているので、
減算後のL1が負となることは無い。
【0046】L1=0の場合には、S75において、行
1に次のランがあるか否かをチェックし、ランがあれば
S76で行1の次のランの画素数、画素値をそれぞれL
1,V1に代入してS77に進み、ランが無ければ処理
を終了する。
【0047】S77では、L2についてS74と同じく
0との比較を行ない、L2=0の場合にはS78に進
み、L2>0の場合にはS72に戻る。S78では行2
に次のランがあるか否かをチェックし、ランがあればS
79で行2の次のランの画素数、画素値をそれぞれL
2,V2に代入してS72に戻り、無ければ処理を終了
する。
【0048】図11は、本発明の画像処理装置の第1の
実施の形態における行データ加算部の処理の具体例の説
明図である。いま、図11に行1と行2として示した2
つのランレングス形式の行データが行データ加算部13
に与えられたものとし、この2つの行データの加算を行
なう。
【0049】図10に示したフローチャートに則して説
明すると、S71において各行の先頭のランが読み出さ
れてL1=3,V1=80,L2=4,V2=20とな
り、S72でL0=min(L1,L2)=min
(3,4)=3,V0=V1+V2=80+20=10
0が計算されて、(画素数,画素値)=(3,100)
がランとして出力される。
【0050】次にS73においてL1=L1−L0=3
−3=0,L2=L2−L0=4−3=1となり、S7
4でL1=0が判定されてS75に進み、次のランがあ
るので、S76でそのランが読み出されてL1=1,V
1=72が設定される。次にS77でL2>0が判定さ
れ、S72に戻る。
【0051】このような処理をどちらかの行のランが無
くなるまで行なうことで、図11に示す処理結果を得る
ことができる。図11の場合には1行中に17画素が含
まれているが、この手法では加算回数は8回で済み、さ
らに同じ画素値が連続する場合には、ランレングス変換
されていない通常の画素単位の加算処理と比較して高速
な処理が期待できる。
【0052】なお、ここでは2つの行の加算処理を説明
したが、加算処理を行なう行数が3以上の場合には、2
行ずつの加算を繰り返し行なうか、または図10に示す
フローチャートにおいて、S71で行mの先頭ランの画
素数、画素値をLm,Vmに代入し、S72でL0=m
in(L1,L2,…,Lm),V0=V1+V2+…
+Vmとし、S73でLm=Lm−L0とし、S74以
下で各Lmに対して0ならば次のランを読み出すように
することで処理を行なうことができる。
【0053】以上説明したように、ランレングス変換さ
れた形式のまま処理を行なうように各部を構成すること
で、高速な空間フィルタ処理が可能な画像処理装置を実
現することができる。尚、ここでは図3の3×3係数に
よるフィルタ処理を例に説明を行なったが、説明からも
明らかなように本発明はこれに限定されるものではな
く、係数値や係数サイズはどのようなものであっても問
題はなく、同一の構成で任意の空間フィルタ処理が可能
な柔軟な処理装置を実現することができる。
【0054】図12は、本発明の画像処理装置の第1の
実施の形態における空間フィルタ処理の具体例の説明図
である。図12(A)はランレングス変換前の画像デー
タを示している。実際の画像は非常に大きいが、ここで
は15画素×3行のみ示している。矩形中の数値が画素
値である。この画像データは、図12(B)に示すよう
なランレングス形式の行データに変換されている。変換
の詳細は図2において説明したとおりである。このよう
なランレングス形式の行データが画像記憶部2に格納さ
れている。
【0055】空間フィルタ処理部4は、まずDn とD
n-1 として0行目を、またDn+1 として1行目の行デー
タを読み込み、演算を行なう。これにより、図12
(C)の0行目のデータが出力される。次に、Dn-1
して0行目、Dn として1行目、Dn+1 として2行目の
行データを読み込み、演算を行なって、図12(C)の
1行目のデータを出力する。さらに、Dn-1 として1行
目、Dn とDn+1 として2行目の行データを読み込み、
演算を行なって図12(C)の2行目のデータを出力す
る。このようにして、図12(C)に示すような空間フ
ィルタ処理後のランレングス形式の行データが得られ
る。
【0056】図13は、本発明の画像処理装置の第1の
実施の形態における空間フィルタ処理部4の動作の具体
例の説明図である。1例として、図12(B)に示すラ
ンレングス形式の行データが画像記憶部2に格納されて
いるものとし、1行目の行データについて図3に示すフ
ィルタ係数を適用して空間フィルタ処理を行なう過程を
簡単に説明する。図5に示すフローチャートにおいて、
S41でD2 にフィルタ係数の0.05を乗算し、図1
3中のD2 (0.05,0)を計算する。さらに、この
2 (0.05,0)を左右に各1画素シフトし、図1
3中のD2 (0.05,−1),D2 (0.05,1)
を生成する。また、S42において、D2 にフィルタ係
数0.1を乗算し、図13中のD2 (0.1,0)を計
算する。同様にして、D1 に対してS43でフィルタ係
数の0.1を乗算し、図13中のD1 (0.1,0)を
計算し、さらに左右に各1画素シフトし、図13中のD
1(0.1,−1),D1 (0.1,1)を生成する。
また、S44でD2 にフィルタ係数0.4を乗算し、図
13中のD1 (0.4,0)を計算する。さらに、S4
5でD0 にフィルタ係数の0.05を乗算し、図13中
のD0 (0.05,0)を計算し、さらに左右に各1画
素シフトし、図13中のD0 (0.05,−1),D0
(0.05,1)を生成する。また、S46において、
0 にフィルタ係数0.1を乗算し、図13中のD
0 (0.1,0)を計算する。
【0057】このようにして求められたD0 (0.0
5,−1),D0 (0.05,1),D0 (0.1,
0),D1 (0.1,−1),D1 (0.1,1),D
1 (0.4,0),D2 (0.05,−1),D
2 (0.05,1),D2 (0.1,0)をS47で加
算する。それぞれの最初のセルの画素数をL0〜L8と
し、画素値をV0〜V8とする。図13からL0=5,
L1=7,L2=6,L3=6,L4=8,L5=7,
L6=8,L7=10,L8=9,V0=5,V1=
5,V2=10,V3=10,V4=10,V5=4
0,V6=5,V7=5,V8=10である。L0〜L
8の最小値はL0の5であるから、加算後の行データの
最初のセルの画素数は5となり、画素値はV0〜V8の
和である100となる。
【0058】L0〜L8はそれぞれ5だけ減じられ、L
1=2,L2=1,L3=1,L4=3,L5=2,L
6=3,L7=5となる。L0については次のセルの画
素数10が代入される。また、V0も0となる。更新後
のL0〜L8の最小値はL2とL3の1であるから、次
のセルの画素数は1、画素値は95となる。
【0059】このような処理を繰り返し行ない、加算を
行なうことにより、図12(C)の1行目に示すような
行データが得られることになる。0行目、2行目につい
ても同様の処理によって図12(C)に示すような行デ
ータが得られる。図12(C)に示すような空間フィル
タ処理結果が得られた後、必要に応じてランレングス形
式からの逆変換を行なえば、図12(D)に示すような
ビットマップ形式の画像データが得られる。
【0060】図12(A)と図12(D)に示す画像デ
ータを比較すればわかるように、図12(D)に示す画
像の方が画素値の変化が緩やかになっており、平滑化フ
ィルタ処理がなされたことがわかる。このように、ラン
レングス形式のデータに対して本発明の空間フィルタ処
理を行なうことによって、従来の画像データに対する空
間フィルタ処理と同じ処理を行なうことができた。しか
も、上述のように演算量は従来に比べて格段に少なく、
高速処理が可能である。
【0061】上述の第1の実施の形態では、図5のS4
1,S43,S45に示すように、フィルタ係数の各行
に含まれる同じ係数値の乗算は一括して行なうことで乗
算回数が少しでも少なくなるように工夫している。しか
し、図3に示すフィルタ係数のように、空間フィルタ処
理では左右だけでなく上下にも係数が対称な場合が多
く、このような特性を利用すればさらに乗算回数を削減
できる可能性がある。これから述べる第2の実施の形態
では、フィルタ係数の中で異なる行に共通の係数値が存
在する場合に、先の行に対する空間フィルタ処理の結果
を利用して後の行に対するフィルタ処理をさらに高速化
する方法を説明する。
【0062】図14は、本発明の画像処理装置の第2の
実施の形態を示すブロック図である。図中、図1と同様
の部分には同じ符号を付して説明を省略する。14は行
データ一時記憶部である。この第2の実施の形態におけ
る空間フィルタ処理部4には、上述の第1の実施の形態
の構成に加えて、行データ一時記憶部14が付加されて
いる。行データ一時記憶部14は、処理対象行より以前
の行を処理する際に計算された複数の行データを一時的
に格納する。この行データ一時記憶部14に計算結果を
格納しておくことによって、処理対象行をまたがった行
データの再利用が可能となる。
【0063】図15は、本発明の画像処理装置の第2の
実施の形態における動作の概要を示すフローチャートで
ある。なお、図15では、画像は0行目からH−1行目
までのH行で構成されているものとして説明を行なう。
ここでも説明を簡単にするために、第1の実施の形態と
同じく図3に示したフィルタ係数を用いて空間フィルタ
処理を行なう場合を例にして説明を行なう。
【0064】S81において、処理対象行を示す変数n
を0に設定し、0行目から処理を開始する。S82にお
いて、変数nの値を判定し、n=0ならばS83に、1
≦n≦H−2ならばS86に、n=H−1ならばS88
に移る。
【0065】n=0の場合、計算済みの行はなく、3行
すべてについて計算を行なわなければならない。S83
で画像記憶部2から空間フィルタ処理部4にD0 ,D1
を入力し、次のS84において、空間フィルタ処理を実
行する。この時計算されるD1 (0.1,0)や、B1
=D1 (0.05,−1)+D1 (0.1,0)+D1
(0.05,1)、D-1の計算値として得られるB0
0 (0.05,−1)+D0 (0.1,0)+D
0 (0.05,1)等を行データ一時記憶部14に格納
しておく。その後、S85においてnに1を加算して制
御をS82に戻す。
【0066】S82において1≦n≦H−2の場合に
は、S86に移り、画像記憶部2から空間フィルタ処理
部4にDn ,Dn+1 を入力し、次のS87において、空
間フィルタ処理を実行する。ここでの空間フィルタ処理
は、Dn-1 における処理結果(Dn-1 (0.05,−
1)+Dn-1 (0.1,0)+Dn-1 (0.05,
1))や、Dn (0.1,0)等が計算されて行データ
一時記憶部14に格納されているので、これらの計算結
果を用いて計算を行なう。また、この時計算されるD
n+1 (0.1,0)や、Bn+1 =Dn+1 (0.05,−
1)+Dn+1 (0.1,0)+Dn+1 (0.05,1)
等の計算結果を行データ一時記憶部14に格納してお
く。このように、前行までの処理の中間結果を一時的に
格納して別の行への処理の際に用いることができるよう
に構成することで、さらに高速に処理を行なうことが可
能となる。このようにして1行目からH−2行目までの
空間フィルタ処理を行ない、その後、S85においてn
に1を加算して制御をS82に戻す。
【0067】S82において、n=H−1の場合には、
S88に移り、画像記憶部2から空間フィルタ処理部4
にDH-1 を入力し、次のS89において、空間フィルタ
処理を実行する。ここでの空間フィルタ処理は、ほとん
どの計算結果が行データ一時記憶部14に格納されてい
るので、これらを用いて計算を行なう。このH−1行は
最後の行であるので、計算結果を行データ一時記憶部1
4に格納する必要はない。
【0068】図16は、本発明の画像処理装置の第2の
実施の形態における0行目の処理の一例を示すフローチ
ャートである。図15のS84における空間フィルタ処
理を、図16を用いてより詳細に説明する。
【0069】始めにS91において、行データ乗算部1
1でD1 にK(−1,1)=K(1,1)=0.05を
乗算してD1 (0.05,0)を作成し、これを行デー
タシフト部12で左右に1画素ずつシフトしてD
1 (0.05,−1),D1 (0.05,1)を作成す
る。次にS92において、行データ乗算部11でD1
K(0,1)=0.1を乗算してD1 (0.1,0)を
作成し、これを行データ一時記憶部14に格納する。こ
の格納したデータをA1 とする。次にS93において、
行データ加算部13でD1 (0.05,−1),D
1 (0.1,0),D1 (0.05,1)を加算し、こ
のデータを行データ一時記憶部14に格納する。この格
納したデータをB1 とする。これでD1 に対する計算が
行なわれた。
【0070】次にS94において、行データ乗算部11
でD0 にK(−1,0)=K(1,0)=0.1を乗算
してD0 (0.1,0)作成し、これを行データシフト
部12で左右に1画素ずつシフトしてD0 (0.1,−
1),D0 (0.1,1)を作成する。次にS95にお
いて、行データ乗算部11でD0 に0.4を乗算してD
0 (0.4,0)を作成する。これでD0 に対する計算
が行なわれた。
【0071】0行目ではD-1のデータが存在しないの
で、D0 を用いて計算を行なう。S96において、行デ
ータ乗算部11でD0 にK(−1,1)=K(1,1)
=0.05を乗算してD0 (0.05,0)を作成し、
これを行データシフト部12で左右に1画素ずつシフト
してD0 (0.05,−1),D0 (0.05,1)を
作成する。次にS97において、行データ加算部13で
0 (0.05,−1),D0 (0.1,0),D
0 (0.05,1)を加算し、このデータを行データ一
時記憶部14に格納する。これでD-1に相当する計算が
行なわれた。行データ一時記憶部14に格納したデータ
をB0 とする。この格納したデータB0 は、D-1に相当
する計算値ではあるが、D0 (0.05,−1),D0
(0.1,0),D0 (0.05,1)の加算値である
ので、以降の計算処理において利用することができる。
【0072】次にS98において、行データ一時記憶部
14からB0 ,B1 を読み出し、行データ加算部13で
1 ,D0 (0.1,−1),D0 (0.4,0),D
0 (0.1,1),B0 を加算して空間フィルタ処理結
果を生成し、この結果を画像出力部3に出力する。この
時点で、行データ一時記憶部14には、A1 (=D
1(0.1,0)),B1 (=D1 (0.05,−1)
+D1 (0.1,0)+D1 (0.05,1)),B0
(=D0 (0.05,−1)+D0 (0.1,0)+D
0 (0.05,1))が記憶されている。このような手
順で0行目の空間フィルタ処理を行ない、その後、図1
5のS85においてnに1を加算して制御をS82に戻
す。
【0073】図17は、本発明の画像処理装置の第2の
実施の形態における1〜H−2行目の処理の一例を示す
フローチャートである。図15のS82において1≦n
≦H−2の場合には、S86に移り、画像記憶部2から
空間フィルタ処理部4にDn,Dn+1 を入力し、次のS
87において、以下の空間フィルタ処理を実行する。
【0074】始めにS101において、行データ乗算部
11でDn+1 にK(−1,1)=K(1,1)=0.0
5を乗算してDn+1 (0.05,0)を作成し、これを
行データシフト部12で左右に1画素ずつシフトしてD
n+1 (0.05,−1),Dn+1 (0.05,1)を作
成する。次にS102において、行データ乗算部11で
n+1 にK(0,1)=0.1を乗算してDn+1 (0.
1,0)を作成し、これを行データ一時記憶部14に格
納する。この格納したデータをAn+1 とする。次にS1
03において、行データ加算部13でDn+1 (0.0
5,−1),Dn+1 (0.1,0),Dn+1 (0.0
5,1)を加算し、このデータを行データ一時記憶部1
4に格納する。この格納したデータをBn+1 とする。
【0075】次にS104において、既に前行までの処
理により行データ一時記憶部14に格納されているAn
を読み出す。An は、前行の処理において計算されたD
n+1(0.1,0)であり、現在の処理対象行ではDn
(0.1,0)に対応する値である。読み出したAn
行データシフト部12で左右に各1画素してDn (0.
1,−1),Dn (0.1,1)を作成する。次にS1
05において、行データ乗算部11でDn にK(0,
0)=0.4を乗算してDn (0.4,0)を作成す
る。
【0076】次にS106において、行データ一時記憶
部14から前行までの処理で作成済みのBn-1 と、S1
03で作成したBn+1 を読み出し、行データ加算部13
でBn+1 ,Dn (0.1,−1),Dn (0.4,
0),Dn (0.1,1),Bn-1 を加算して空間フィ
ルタ処理結果を生成し、この結果を画像出力部3に出力
する。
【0077】次にS107において、行データ一時記憶
部14から、今後の処理で使用することが無くなったB
n-1 ,An を格納した領域を解放してn行目の処理を終
了する。この時点で、行データ一時記憶部14には、A
n+1 (=Dn+1 (0.1,0)),Bn+1 (=D
n+1 (0.05,−1)+Dn+1 (0.1,0)+D
n+1 (0.05,1)),Bn (=Dn (0.05,−
1)+Dn (0.1,0)+Dn (0.05,1))が
記憶されており、次の行以降の処理で同様に使用され
る。このように、前行までの処理の中間結果を一時的に
格納して別の行への処理の際に用いることができるよう
に構成することで、さらに高速に処理を行なうことが可
能となる。このような手順で1行目からH−2行目まで
の空間フィルタ処理を行ない、その後、図15のS85
においてnに1を加算して制御をS82に戻す。
【0078】図18は、本発明の画像処理装置の第2の
実施の形態におけるH−1行目の処理の一例を示すフロ
ーチャートである。図15のS82において、n=H−
1の場合には、S88に移り、画像記憶部2から空間フ
ィルタ処理部4にDH-1 を入力し、次のS89におい
て、空間フィルタ処理を実行する。
【0079】始めにS111において、既に前行までの
処理により行データ一時記憶部14に格納されているA
H-1 を読み出し、行データシフト部12で左右に1画素
ずつシフトしてDH-1 (0.1,−1),DH-1 (0.
1,1)を作成する。次にS112において、行データ
乗算部11でDH-1 にK(0,0)=0.4を乗算して
H-1 (0.4,0)を作成する。次にS113におい
て、行データ時記憶部14から前行までの処理で作成済
みのBH-2 とBH-1 を読み出し、行データ加算部13で
H+1 ,DH-1 (0.1,−1),DH-1 (0.4,
0),DH-1 (0.1,1),BH-2 を加算して空間フ
ィルタ処理結果を生成し、この結果を画像出力部3に出
力する。なお、DH は存在しないが、DH-1 を用いて計
算した結果であるBH-2 を行データ一時記憶部14から
読み出して処理を行なっている。
【0080】最後にS114において、行データ一時記
憶部14の全ての領域を解放してH−1行目の処理を終
了し、図15に戻って全体の処理を終了する。このよう
に、前行までの処理の中間結果を一時的に格納する手段
を持ち、それを別の行の処理に用いるよう構成すること
で、各行の空間フィルタ処理に必要な演算の一部が削減
でき、さらに高速に処理を行なうことが可能となる。
【0081】図19は、本発明の画像処理装置の第2の
実施の形態における空間フィルタ処理部4の動作の具体
例の説明図である。ここでは、図12(B)に示すラン
レングス形式の行データに対して図3に示すフィルタ係
数を適用する空間フィルタ処理を考え、1行目の処理に
ついて簡単に説明する。0行目の処理において、行デー
タ一時記憶部14には、A1 (=D1 (0.1,
0)),B0 (=D0 (0.05,−1)+D0 (0.
1,0)+D0 (0.05,1)),B1 (=D
1 (0.05,−1)+D1 (0.1,0)+D
1 (0.05,1))が格納されている。
【0082】新たにD2 を読み出し、フィルタ係数0.
05を乗算してD2 (0.05,0)を計算し、さらに
左右にシフトしてD2 (0.05,−1),D2 (0.
05,1)を求める。また、D2 にフィルタ係数0.1
を乗算してD2 (0.1,0)(=A2 )を計算し、行
データ一時記憶部14に格納する。そして、D2 (0.
05,−1)+D2 (0.1,0)+D2 (0.05,
1)を計算し、B2 として行データ一時記憶部14に格
納する。
【0083】次にA1 (=D1 (0.1,0))を読み
出し、左右にシフトしてD1 (0.1,−1),D
1 (0.1,1)を求める。さらに、D1 にフィルタ係
数0.4を乗算し、D1 (0.4,0)を求める。そし
て、B2 +B0 +D1 (0.1,−1)+D1 (0.
1,1)+D1 (0.4,0)を計算する。これによ
り、図12(C)の1行目の行データが得られる。
【0084】0行目、2行目についてもそれぞれ計算さ
れ、図12(C)に示すような空間フィルタ処理の処理
結果が得られる。この第2の実施の形態では、行データ
一時記憶部14を用いているので、演算回数が少なくな
り、高速な処理を実現することができる。
【0085】なお、この第2の実施の形態でも第1の実
施の形態と同じく図3に示したフィルタ係数を用いて空
間フィルタ処理を行なう場合を例として用いて説明を行
なったが、空間フィルタの係数の異なる行に等しい係数
値が含まれている場合には、制御の流れやどのような中
間結果を行データ一時記憶部14に格納するかなど詳細
は異なるものの、基本的には図14に示す構成を用いた
処理が可能である。
【0086】図20は、空間フィルタ処理に用いられる
フィルタ係数の別の例の説明図である。図20には、フ
ィルタ係数の別の例として、差分フィルタ処理に用いる
フィルタ係数の一例を示している。このようなフィルタ
係数を用いた空間フィルタ処理では、k行目の処理時に
は、Bk-1 (=Dk-1 (−1,−1)+Dk-1 (2,
0)+Dk-1 (−1,1)),Bk (=Dk (−1,−
1)+Dk (2,0)+Dk (−1,1)),B
k+1 (=Dk+1 (−1,−1)+Dk+1 (2,0)+D
k+1 (−1,1))の3つの値を行データ一時記憶部1
4に保持できればよい。0行目ではB0 ,B1 を計算し
てB0 +B0 +B1 の加算を行なえばよい。また、1〜
H−2行目ではBk+1 のみを計算してBk-1 ,Bk は行
データ一時記憶部14から読み出し、Bk-1 +Bk +B
k+1 の計算を行なえばよい。H−1行目では、BH-2
H-1 を行データ一時記憶部14から読み出してBH-2
+BH-1 +BH-1 の計算を行なえばよい。このようにし
て行データ一時記憶部14を用いて図20に示すフィル
タ係数に従った空間フィルタ処理を実現できる。
【0087】例えば、図3に示した平滑化フィルタ処理
の際には、k行目の処理時はAk ,Ak+1 ,Bk-1 ,B
k ,Bk+1 を行データ一時記憶部14に保持させるた
め、5行分の格納領域が必要であったが、図20に示し
たフィルタ係数による差分フィルタ処理では、行データ
一時記憶部14に3行分の積和結果を一時格納できれば
よく、図3に示したフィルタ係数の場合よりもさらに少
ない演算量で処理を実行できる。
【0088】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ランレングス形式に変換された画像データを
そのままの形式で空間フィルタ処理可能であり、しか
も、通常の画素単位での処理と比べて演算量を削減した
高速な処理が可能となる。さらにランレングス形式での
画像データの格納による画像記憶部2の必要容量の低減
し、従来必要であって複数の演算器などを不用とするこ
とができ、比較的安価に装置を構成することが可能とな
る。またさらに、本発明は特定のフィルタ係数や係数サ
イズに依存するものではなく、同一の構成で任意の空間
フィルタ処理を行なうことが可能な柔軟な処理装置が実
現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像処理装置の第1の実施の形態を
示すブロック図である。
【図2】 画像データのランレングス形式表現の一例の
説明図である。
【図3】 空間フィルタ処理に用いられるフィルタ係数
の一例の説明図である。
【図4】 本発明の画像処理装置の第1の実施の形態に
おける動作の概要を示すフローチャートである。
【図5】 本発明の画像処理装置の第1の実施の形態に
おける空間フィルタ処理の一例を示すフローチャートで
ある。
【図6】 本発明の画像処理装置の第1の実施の形態に
おける行データ乗算部の処理の一例を示すフローチャー
トである。
【図7】 本発明の画像処理装置の第1の実施の形態に
おける行データ乗算部の処理の具体例の説明図である。
【図8】 本発明の画像処理装置の第1の実施の形態に
おける行データシフト部の処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図9】 本発明の画像処理装置の第1の実施の形態に
おける行データシフト部の処理の具体例の説明図であ
る。
【図10】 本発明の画像処理装置の第1の実施の形態
における行データ加算部の処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図11】 本発明の画像処理装置の第1の実施の形態
における行データ加算部の処理の具体例の説明図であ
る。
【図12】 本発明の画像処理装置の第1の実施の形態
における空間フィルタ処理の具体例の説明図である。
【図13】 本発明の画像処理装置の第1の実施の形態
における空間フィルタ処理部4の動作の具体例の説明図
である。
【図14】 本発明の画像処理装置の第2の実施の形態
を示すブロック図である。
【図15】 本発明の画像処理装置の第2の実施の形態
における動作の概要を示すフローチャートである。
【図16】 本発明の画像処理装置の第2の実施の形態
における0行目の処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【図17】 本発明の画像処理装置の第2の実施の形態
における1〜H−2行目の処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図18】 本発明の画像処理装置の第2の実施の形態
におけるH−1行目の処理の一例を示すフローチャート
である。
【図19】 本発明の画像処理装置の第2の実施の形態
における空間フィルタ処理部4の動作の具体例の説明図
である。
【図20】 空間フィルタ処理に用いられるフィルタ係
数の別の例の説明図である。
【図21】 従来の空間フィルタ処理を行なう画像処理
装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1…画像入力装置、2…画像記憶部、3…画像出力部、
4…空間フィルタ処理部、5…制御部、11…行データ
乗算部、12…行データシフト部、13…行データ加算
部、14…行データ一時記憶部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/409 G06T 5/20 H04N 1/419

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 行単位のランレングス形式で表現された
    行データで構成される画像データに対して空間フィルタ
    処理を行なう画像処理装置において、行データに定数を
    乗じる乗算手段と、行データを右または左にN画素シフ
    トするシフト手段と、複数の行データを加算する加算手
    段を備え、前記乗算手段、前記シフト手段、前記加算手
    段を用いてランレングス表現された画像データの空間フ
    ィルタ処理を行なうことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 行単位のランレングス形式で表現された
    行データで構成される画像データに対して空間フィルタ
    処理を行なう画像処理装置において、前記行データに対
    してフィルタ係数を乗じる乗算手段と、該乗算手段によ
    ってフィルタ係数が乗じられた行データに対し該フィル
    タ係数の係数マトリクス中の位置に応じた画素数だけ行
    データを右または左にシフトするシフト手段と、該シフ
    ト手段によってシフトされた行データおよび前記乗算手
    段によってフィルタ係数が乗じられた行データのうちの
    複数の行データについて加算を行なう加算手段を備えて
    いることを特徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】 さらに、演算前あるいは演算後の行デー
    タを一時記憶する記憶手段を備えていることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記加算手段は、加算を行なう複数の行
    データの左端のランデータを取り出し、それぞれのラン
    長を比較してその最小値を求め、さらに各ランの画素値
    の和を求めて前記ラン長の最小値と組にして新たなラン
    データとして出力するとともに、各行のランデータのラ
    ン長から前記最小値を減算し、ラン長が0となったラン
    データについてはその行の次のランデータを取り出す処
    理を行の右端まで繰り返し行なうことを特徴とする請求
    項1または2に記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 入力された画像を行単位のランレングス
    形式で表現された行データに変換する画像圧縮手段と、
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置
    と、該画像処理装置から出力される空間フィルタ処理後
    の行データを画像に復元する復元手段を有することを特
    徴とする画像処理装置。
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