JP3437644B2 - インボードエンジン用ラバーカップリング - Google Patents

インボードエンジン用ラバーカップリング

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JP3437644B2
JP3437644B2 JP15106794A JP15106794A JP3437644B2 JP 3437644 B2 JP3437644 B2 JP 3437644B2 JP 15106794 A JP15106794 A JP 15106794A JP 15106794 A JP15106794 A JP 15106794A JP 3437644 B2 JP3437644 B2 JP 3437644B2
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茂紀 塩沢
陽一 石川
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ヤマハマリン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船に搭載されるインボ
ードエンジンとトランスミッションとの間に介装される
インボードエンジン用ラバーカップリングに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、インボードエンジンとトランスミ
ッションとの間には、エンジンのトルク変動を吸収する
ことを目的としてラバーカップリングが介装されてい
た。この種のラバーカップリングは、インボードエンジ
ンの出力軸に結合された円盤状カップリング本体と、こ
のカップリング本体にクッションゴムを介して連結され
た被駆動軸用連結部材と、これらを収容するハウジング
とによって形成されていた。
【0003】この従来のラバーカップリングによれば、
エンジンの出力軸の回転は、トルク変動がクッションゴ
ムによって緩衝された状態で被駆動軸用連結部材および
これに結合されたトランスミッションの入力軸に伝わる
ことになる。また、前記ラバーカップリングは、ハウジ
ングにその内方空間とエンジンルームとを連通する通気
口が開口されており、自然換気によりハウジング内の熱
が外部のエンジンルームへ放散するように構成されてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】インボードエンジンが
搭載されるエンジンルームは走航中には温度が約50℃
にも達し、その上、ラバーカップリング内のクッション
ゴムも動力伝達時にはハウジングで略密閉されている雰
囲気の中で発熱する。したがって、クッションゴムの物
性が熱により変化するおそれがあり、クッションゴムを
熱に対する耐性が高くなるように構成しなければならな
いという問題があった。
【0005】すなわち、クッションゴムを体積を増やす
と共に、クッションゴムを耐熱性の高い高品質な材料に
よって形成して前記発熱に対する耐性を高めなければな
らず、コストが高くなってしまう。また、クッションゴ
ムが大型になると、これを収容するためにラバーカップ
リング全体が大型化してしまい、エンジン全体の外形も
大きくなってしまう。
【0006】なお、上述したような不具合は、ハウジン
グの通風口の開口面積を自然換気によりクッションゴム
を冷却できる程度に大きくすれば解消することはでき
る。しかし、単に通風口を拡げると、ハウジングはイン
ボードエンジンにトランスミッションを連結する連結部
材の一部としても機能しているので、剛性低下となって
好ましくない。
【0007】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、ハウジングの通風口の開口面積を最
小限に抑えつつクッションゴムを効率よく冷却させるこ
とができるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るインボ
ードエンジン用ラバーカップリングは、カップリング本
体に送風用フィンを形成すると共に、ハウジングの外周
部に空気流通口を開口させたものである。
【0009】第2の発明に係るインボードエンジン用ラ
バーカップリングは、第1の発明に係るインボードエン
ジン用ラバーカップリングにおいて、空気流通口をハウ
ジングの外周部に少なくとも2つ開口させ、これらの空
気流通口どうしを互いに対向させたものである。
【0010】第3の発明に係るインボードエンジン用ラ
バーカップリングは、第1の発明または第2の発明に係
るインボードエンジン用ラバーカップリングにおいて、
フィンをカップリング本体の外周部に開口された穴の壁
面によって形成すると共に、カップリング本体の軸心部
に空気流通口を開口させたものである。
【0011】第4の発明に係るインボードエンジン用ラ
バーカップリングは、第3の発明に係るインボードエン
ジン用ラバーカップリングにおいて、カップリング本体
に開口されたフィン用穴を軸方向から見て略平行四辺形
状に形成し、このフィン用穴におけるカップリング本体
の周方向に対向する2つの壁を、軸心側から外周側へ向
かうにしたがって次第にカップリング本体の回転方向後
側に偏在させたものである。
【0012】第5の発明に係るインボードエンジン用ラ
バーカップリングは、第3の発明または第4の発明に係
るインボードエンジン用ラバーカップリングにおいて、
カップリング本体に開口されたフィン用穴を軸方向から
見て略平行四辺形状に形成し、このフィン用穴における
カップリング本体の周方向に対向する2つの壁を、エン
ジン側へ向かうにしたがって次第にカップリング本体の
回転方向前側へ偏在するようカップリング本体の軸線に
対して傾斜させたものである。
【0013】第6の発明に係るインボードエンジン用ラ
バーカップリングは、第3の発明ないし第5の発明のう
ち何れか1つのインボードエンジン用ラバーカップリン
グにおいて、クッションゴムをカップリング本体の軸心
部に配設し、このクッションゴムに、カップリング本体
の軸心部の空気流通口に連通する空気穴を穿設したもの
である。
【0014】第7の発明に係るインボードエンジン用ラ
バーカップリングは、第6の発明に係るインボードエン
ジン用ラバーカップリングにおいて、クッションゴム
に、径方向に沿って延びて空気穴内とクッションゴム外
周側の空間とを連通する副空気通路を設けたものであ
る。
【0015】
【作用】第1の発明によれば、カップリング本体が回転
することによりハウジングの軸心部と外周部の空気流通
口の一方から他方へ流れる空気流が生じるから、クッシ
ョンゴムがこの空気流に晒されて強制空冷される。
【0016】第2の発明によれば、少なくとも2つの空
気流通口を対向させたため、クッションゴムを横断する
ように空気流を流すことができクッションゴムを効果的
に冷却できる。
【0017】第3の発明によれば、カップリング本体が
回転することにより生じる空気流はカップリング本体の
軸心部を通ることになるので、クッションゴムの軸心側
が冷却され易くなる。また、カップリング本体にその軽
量化を図りつつ送風機能をもたせることができる。
【0018】第4の発明によれば、フィンとしての送風
機能が増進され、カップリング内部に入った空気流をさ
らに効果的に流通させることができる。第5の発明によ
れば、空気流がカップリング本体の外側へ流れ易くなる
ので、フィンの送風効率が更に高くなる。
【0019】第6の発明によれば、カップリング本体が
回転することにより生じる空気流はクッションゴムの空
気穴およびカップリング本体の空気流通穴を通るから、
この空気流がクッションゴムの壁面を伝わるようにして
流れて熱伝達効率が高い。
【0020】第7の発明によれば、クッションゴムは空
気穴および副空気通路を通る空気流により更に効果的に
冷却される。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図4に
よって詳細に説明する。図1は本発明に係るラバーカッ
プリングの搭載状態を示す側面図、図2は本発明に係る
ラバーカップリングの側断面図、図3はカップリング本
体の正面図、図4はハウジングをエンジン側から見た状
態を示す背面図である。なお、図3中には図2の破断位
置をII−II線によって示してある。
【0022】これらの図において、1はインボードエン
ジン、2は本発明に係るラバーカップリング、3はトラ
ンスミッションである。このトランスミッション3は前
記ラバーカップリング2を介してインボードエンジン1
に連結されている。すなわち、エンジン1の出力軸とし
てのクランク軸1aの軸端部にボルト止めされたフライ
ホイール4がラバーカップリング2に結合されると共
に、このラバーカップリング2がトランスミッション3
の入力軸3aに結合されている。
【0023】前記トランスミッション3は、入力軸3a
にクラッチギヤ3bが連結されると共に、このクラッチ
ギヤ3bに出力歯車軸3cを噛合させて形成されてい
る。この出力歯車軸3cと共に不図示のプロペラが回転
するように構成されている。
【0024】ラバーカップリング2は、図2に示すよう
に、インボードエンジン1のフライホイール4に取付け
ボルト5によって固定されたカップリング本体6と、被
駆動軸としてのトランスミッション3の入力軸3aがス
プライン嵌合する連結部材7と、この連結部材7と前記
カップリング本体6との間に介装されたクッションゴム
8と、これらを覆うハウジング9とから形成されてい
る。
【0025】前記カップリング本体6は図3に示すよう
に全体が円盤状に形成され、フライホイール4に対接さ
れる外周側フランジ6aと、この外周側フランジ6aか
ら軸心に向かうにしたがって次第にフライホイール4か
ら離間するように傾斜する円錐部6bと、この円錐部6
bの軸心側に位置する軸心側フランジ6cと、前記円錐
部6bの外周面に突設された送風用フィン6dが一体に
設けられている。
【0026】前記フィン6dは円錐部6bからカップリ
ング本体6の軸方向と平行に延設された板によって構成
され、図3に示すように円錐部6bの周方向に等間隔お
いて多数配設されている。そして、各フィン6dは、図
3中に矢印Rで示す回転方向にカップリング本体6が回
転したときに軸心側から外周側へ空気が流れるように湾
曲して形成されている。
【0027】前記連結部材7は、カップリング本体6と
同一軸線上に位置づけられ、前記軸心側フランジ6cの
中心穴10に臨むように筒状に形成されたボス7aと、
このボス7aの軸方向一端部に一体に設けられたフラン
ジ7bとから形成されている。前記ボス7aにトランス
ミッション3の入力軸3aが嵌合するスプラインが形成
されている。
【0028】前記クッションゴム8は特に耐熱性を考慮
したものではない材料によって形成され、前記カップリ
ング本体6の軸心側フランジ6cと、前記連結部材7の
フランジ7bとに両者の全面にわたって接着されてい
る。すなわち、このクッションゴム8は円環状に形成さ
れている。なお、この円環状のクッションゴム8の軸心
部は連結部材7のボス7aの外周面とは離間されてい
る。
【0029】前記ハウジング9は、図2および図4に示
すように、エンジン1側からトランスミッション3側へ
向かうにしたがって次第に外径が小さくなるような略円
筒状に形成されており、エンジン1側端部がエンジン1
に固着され、他端がトランスミッション3に固着される
構造になっている。そして、外周部におけるエンジン1
側で比較的外径が大きい部分に空気出口孔11が開口さ
れると共に、外周部におけるトランスミッション3側で
比較的外径が小さい部分に空気入口孔12が開口されて
いる。
【0030】前記空気出口孔11は、図2に示すよう
に、このハウジング9内に前記カップリング本体6を組
み込んだ状態でフィン6dの下流側端部と対応する部位
に配設され、図4に示すように、ハウジング9の周方向
に等間隔おいて4箇所に形成されている。前記空気入口
孔12は、このハウジング9内にカップリング本体6や
連結部材7を組み込んだ状態で連結部材7のフランジ7
bと対応する部位に配設され、本実施例では1箇所に形
成されている。また、この空気入口孔12の開口縁部に
は図4に示すように、ハウジング9の径方向に沿って軸
心側へ向かうダクト13が設けられている。
【0031】このダクト13は側板13a,13aと、
底板13bとからなり、空気入口孔12から流入した空
気を軸心部へ導くように構成されている。すなわち、こ
のハウジング9においては、実質的な空気入口部分はこ
のダクト13の先端部になる。
【0032】このように構成されたラバーカップリング
2では、エンジン1が始動されてフライホイール4が回
転すると、これと共にカップリング本体6が回転し、こ
の回転がクッションゴム8を介して連結部材7およびト
ランスミッション3の入力軸3aに伝わる。このため、
従来と同様にしてエンジン1の出力変動を吸収すること
ができる。このときの回転方向は図3中に矢印Rで示す
方向になる。
【0033】また、カップリング本体6が上述したよう
に回転すると、フィン6dによってカップリング本体6
の周囲の空気が外周側へ押し流され、図2中に破線矢印
Aで示すように空気が流れる。すなわち、カップリング
本体6の周囲の空気がハウジング9の空気出口孔11か
らハウジング外へ流出すると共に、これに伴って負圧に
なる軸心部分に空気入口孔12からダクト13を介して
空気が流入する。このため、このラバーカップリング2
が送風機としても機能するようになり、ハウジング9内
に生じる空気流にクッションゴム8が晒されてこれが強
制空冷される。
【0034】したがって、クッションゴム8の体積を可
及的に小さく設定できると共にクッションゴム8の材料
として耐熱性を考慮しない材料を使用することができる
から、コストを低く抑えることが可能になる。
【0035】なお、前記実施例ではハウジングの空気出
口孔を4箇所設けた例を示したが、図5〜図7に示すよ
うに1箇所とすることもできる。図5はハウジングの他
の例を示す図で、同図はハウジングをエンジン側から見
た状態を示す背面図である。図6は図5におけるVI−VI
線断面図、図7は空気出口孔を示す図で、同図は図5に
おけるVII線矢視図である。これらの図において前記図
1ないし図4で説明したものと同一もしくは同等部材に
ついては、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0036】図5〜図7に示すハウジング9は、カップ
リング本体(図示せず)のフィンと対向する周壁14が
図5中に符号aで示す部位からeで示す部位まで、同図
において右回りに1周だけ略螺旋状に次第に径方向外方
へ偏在するように形成されている。そして、この周壁1
4が最も外側に位置するところに図7に示すように空気
出口孔11が開口されている。
【0037】このように構成すると、ハウジング9内の
空気を周壁14に沿って流すことができ、空気出口孔1
1から効率よく排出させることができる。この場合の空
気は、図6中に右下がりの平行斜線を施した部分を流れ
ることになる。このため、ハウジング9内を通過する空
気量を増やすことができ、より一層クッションゴムを冷
却させ易くすることができる。
【0038】また、図1〜図4で示した実施例ではカッ
プリング本体にフィンを立設させた例を示したが、図8
〜図13に示すようにカップリング本体に開口された穴
の壁面によってフィンを形成することもできる。
【0039】図8はカップリング本体の穴の壁面によっ
てフィンを形成した他の例を示す側断面図、図9は図8
に示したカップリング本体の正面図で、同図は連結部材
がクッションゴムを介して連結された状態で描いてあ
る。また、図9中には図8の断面位置をVIII−VIII線に
よって示してある。図10はクッションゴムを2箇所に
設けた他の例を示す側断面図、図11は図10に示した
カップリング本体の正面図で、同図は連結部材がクッシ
ョンゴムを介して連結された状態で描いてある。なお、
図11では連結部材やクッションゴムの一部を破断して
示す。また、図11中には図10の断面位置をX−X線に
よって示してある。図12はフィンを形成する穴の壁面
を傾斜させた例を示す図、図13は図12におけるXIII
−XIII線断面図である。これらの図において前記図1な
いし図4で説明したものと同一もしくは同等部材につい
ては、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0040】図8および図9に示すカップリング本体6
は、円錐部6bに穴21が周方向に等間隔おいて多数形
成されている。この穴21は図9に示すようにカップリ
ング本体6を軸方向に見て略平行四辺形状に形成されて
いる。そして、この穴21におけるカップリング本体6
の周方向に対向する2つの壁21a,21bは、軸心側
から外周側へ向かうにしたがって次第にカップリング本
体6の回転方向後側へ偏在されている。また、前記壁2
1a,21bは、前記図3中に符号6dで示すフィンと
同様に湾曲されている。
【0041】このため、前記壁21a,21bのうちカ
ップリング本体6の回転方向後側に位置する壁21bが
実質的に送風用フィンを構成することになる。
【0042】また、この実施例では、カップリング本体
6の軸心側フランジ6c、連結部材7のフランジ7bお
よびクッションゴム8には、軸心の近傍でこれらを貫通
するように貫通穴22が穿設されている。この貫通穴2
2は、図9に示すように同心円上に等間隔おいて4箇所
に配設されている。
【0043】さらに、クッションゴム8における連結部
材7のフランジ7bに接着される部分には、それぞれの
貫通穴22の内方空間とクッションゴム8の外方とを連
通する空気溝23が形成されている。この空気溝23
は、図9に示すように貫通穴22から径方向外側へ向け
て直線状に形成されている。
【0044】このように構成すると、カップリング本体
6が回転するときには穴21の壁21bによって空気が
外周側へ押し流され、カップリング本体6の内方から外
方へ向かう空気流が生じる。このカップリング本体6の
外周側へ流された空気はハウジング9の空気出口孔11
を通ってハウジング外へ流出する。また、このときには
カップリング本体6内は負圧になるので、ハウジング9
の空気入口穴12からダクト13を介して空気がハウジ
ング内に流入し、カップリング本体6の内外を連通する
貫通穴22に流入する。
【0045】貫通穴22に流入した空気は、大部分が貫
通穴22を通過してカップリング本体6の内方空間に流
れ込むが、その一部は前記空気溝23を通ってクッショ
ンゴム8の外周側へ流出し、空気出口孔11へ向かう。
この空気の流れを図8中に破線矢印Aで示す。
【0046】したがって、クッションゴム8を貫通する
貫通穴22および空気溝23に空気が流れてクッション
ゴム8を強制冷却することができるので、図1〜図4に
示した実施例に較べて空気がクッションゴム8に触れ易
くなって冷却効率を高めることができる。
【0047】また、フィンをカップリング本体6に突設
する場合に較べてカップリング本体6の軽量化を図るこ
とができるという利点もある。
【0048】図10および図11に示すカップリング本
体6は、前記図8,9の実施例で説明した穴21が形成
されると共に、クッションゴム8との連結部分がこれと
は別のクッションゴム24を介して動力伝達を行う構造
になっている。すなわち、カップリング本体6の小径側
の端部には円錐部6bと一体にフランジ25が形成され
ており、このフランジ25のエンジン側の面に円環状の
クッションゴム24の軸方向一端が接着されている。そ
して、このクッションゴム24の他端が、これに接着さ
れた環状板26と、この環状板26の外周部に結合され
かつクッションゴム8に接着された結合部材27を介し
てクッションゴム8に連結されている。
【0049】前記結合部材27は、クッションゴム8に
接着される環状板部からエンジン1側へ軸方向に沿って
ピン27aが延設されており、このピン27aを前記フ
ランジ25の長穴25aに貫通させて環状板26に固着
させることによって、環状板26に連結されている。な
お、前記ピン27aおよび長穴25aは図11に示すよ
うに貫通穴22と対応する4箇所に配設されている。ま
た、長穴25aはクッションゴム24が弾性限界を越え
て変形することがないようにその長手方向の開口幅が設
定されている。さらに、結合部材27におけるクッショ
ンゴム8に接着される環状板部には、貫通穴22が穿設
されている。
【0050】このように構成すると、エンジン1のフラ
イホイール4とトランスミッション3の入力軸3aの間
には2個のクッションゴム8,24が介装されることに
なるので、出力変動を吸収できる幅が広くなる。すなわ
ち、カップリング本体6の回転はフランジ25からクッ
ションゴム24を介して環状板26,結合部材27に伝
わり、さらに、この結合部材27からクッションゴム8
を介して連結部材7および入力軸3aに伝わることにな
る。
【0051】また、カップリング本体6が回転すること
によりハウジング9の空気入口穴12からダクト13を
通ってハウジング9内に流入した空気は、その大部分が
貫通穴22を通って内方のクッションゴム24側へ流
れ、フランジ25の中心穴10およびクッションゴム2
4、環状板26の内周部を通ってカップリング本体6の
内方空間に流れ込むようになる。なお、貫通穴22に流
入した空気の一部は空気溝23を通ってクッションゴム
8の外周側へ送られる。このときの空気の流れを図10
中に破線矢印Aで示す。
【0052】したがって、クッションゴム8,24を軸
方向に並べて配置したとしても両者を空気流によって確
実に冷却することができる。
【0053】なお、カップリング本体6に形成する穴2
1は図12および図13に示すように形成することもで
きる。これらの図に示す穴21は、壁21a,21bが
カップリング本体6の軸線方向に対して傾斜されてい
る。傾斜方向は、図13に示すように、エンジン側へ向
かうにしたがって次第にカップリング本体6の回転方向
前側へ偏在するような方向になっている。
【0054】このように構成すると、空気をカップリン
グ本体6の外方へ流し易くなるので、送風効率が前記各
実施例に較べて高くなる。すなわち、クッションゴムの
冷却効率がきわめて高くなる。
【0055】なお、上述した各実施例ではカップリング
本体の軸心側から外周側へ向けて空気を流す構造とした
が、フィンの角度を変更することによりカップリング本
体6の外周側から軸心側へ空気を流すことも可能であ
る。このようにしても前記各実施例と同等の効果が得ら
れる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明に係るイ
ンボードエンジン用ラバーカップリングは、カップリン
グ本体に送風用フィンを形成すると共に、ハウジングの
軸心部と外周部に空気流通口を開口させたため、カップ
リング本体が回転することによりハウジングの軸心部と
外周部の空気流通口の一方から他方へ流れる空気流が生
じるから、クッションゴムがこの空気流に晒されて強制
空冷される。
【0057】このため、ハウジングの通風口の開口面積
を最小限に抑えつつクッションゴムを効率よく冷却させ
ることができる。これにより、クッションゴムを小型に
形成できると共に、耐熱性の高い材料を使用する必要も
なくなるので、コストを低く抑えることができる。その
上、ラバーカップリングの小型化を図れ、コンパクトな
インボードエンジンを得ることができる。
【0058】第2の発明に係るインボードエンジン用ラ
バーカップリングは、第1の発明に係るインボードエン
ジン用ラバーカップリングにおいて、空気流通口をハウ
ジングの外周部に少なくとも2つ開口させ、これらの空
気流通口どうしを互いに対向させたため、少なくとも2
つの空気流通口を対向させたため、クッションゴムを横
断するように空気流を流すことができクッションゴムを
効果的に冷却できる。
【0059】第3の発明に係るインボードエンジン用ラ
バーカップリングは、第1の発明または第2の発明に係
るインボードエンジン用ラバーカップリングにおいて、
フィンをカップリング本体の外周部に開口された穴の壁
面によって形成すると共に、カップリング本体の軸心部
に空気流通口を開口させたため、カップリング本体が回
転することにより生じる空気流はカップリング本体の軸
心部を通ることになるので、クッションゴムの軸心側が
冷却され易くなる。
【0060】このため、クッションゴムをより一層冷却
させることができる。しかも、カップリング本体にその
軽量化を図りつつ送風機能をもたせることができる。
【0061】第4の発明に係るインボードエンジン用ラ
バーカップリングは、第3の発明に係るインボードエン
ジン用ラバーカップリングにおいて、カップリング本体
に開口されたフィン用穴を軸方向から見て略平行四辺形
状に形成し、このフィン用穴におけるカップリング本体
の周方向に対向する2つの壁を、軸心側から外周側へ向
かうにしたがって次第にカップリング本体の回転方向後
側に偏在させたため、フィンとしての送風機能が増進さ
れ、カップリング内部に入った空気流をさらに効果的に
流通させることができる。
【0062】第5の発明に係るインボードエンジン用ラ
バーカップリングは、第3の発明または第4の発明に係
るインボードエンジン用ラバーカップリングにおいて、
カップリング本体に開口されたフィン用穴を軸方向から
見て略平行四辺形状に形成し、このフィン用穴における
カップリング本体の周方向に対向する2つの壁を、エン
ジン側へ向かうにしたがって次第にカップリング本体の
回転方向前側へ偏在するようカップリング本体の軸線に
対して傾斜させたため、空気流がカップリング本体の外
側へ流れ易くなるので、フィンの送風効率が更に高くな
る。
【0063】第6の発明に係るインボードエンジン用ラ
バーカップリングは、第3の発明ないし第5の発明のう
ち何れか1つのインボードエンジン用ラバーカップリン
グにおいて、クッションゴムをカップリング本体の軸心
部に配設し、このクッションゴムに、カップリング本体
の軸心部の空気流通口に連通する空気穴を穿設したた
め、カップリング本体が回転することにより生じる空気
流はクッションゴムの空気穴およびカップリング本体の
空気流通穴を通るから、この空気流がクッションゴムの
壁面を伝わるようにして流れて熱伝達効率が高くなる。
【0064】このため、クッションゴムを強制空冷によ
って冷却するに当たり、空気流に無駄なくクッションゴ
ムの熱を伝えられるから、クッションゴムを必要最小限
度の寸法まで小型化することができる。
【0065】第7の発明に係るインボードエンジン用ラ
バーカップリングは、第6の発明に係るインボードエン
ジン用ラバーカップリングにおいて、クッションゴム
に、径方向に沿って延びて空気穴内とクッションゴム外
周側の空間とを連通する副空気通路を設けたため、クッ
ションゴムは空気穴および副空気通路を通る空気流によ
り更に効果的に冷却される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るラバーカップリングの搭載状態
を示す側面図である。
【図2】 本発明に係るラバーカップリングの側断面図
である。
【図3】 カップリング本体の正面図である。
【図4】 ハウジングをエンジン側から見た状態を示す
背面図である。
【図5】 ハウジングの他の例を示す図で、同図はハウ
ジングをエンジン側から見た状態を示す背面図である。
【図6】 図5におけるVI−VI線断面図である。
【図7】 空気出口孔を示す図で、同図は図5における
VII線矢視図である。
【図8】 カップリング本体の穴の壁面によってフィン
を形成した他の例を示す側断面図である。
【図9】 図8に示したカップリング本体の正面図で、
同図は連結部材がクッションゴムを介して連結された状
態で描いてある。
【図10】 クッションゴムを2箇所に設けた他の例を
示す側断面図である。
【図11】 図10に示したカップリング本体の正面図
で、同図は連結部材がクッションゴムを介して連結され
た状態で描いてある。
【図12】 フィンを形成する穴の壁面を傾斜させた例
を示す図である。
【図13】 図12におけるXIII−XIII線断面図であ
る。
【符号の説明】
1…インボードエンジン、2…ラバーカップリング、3
…トランスミッション、3a…入力軸、4…フライホイ
ール、6…カップリング本体、7…連結部材、8…クッ
ションゴム、9…ハウジング、11…空気出口孔、12
…空気入口孔、13…ダクト、21…穴、21b…壁、
22…貫通穴、24…クッションゴム、26…環状板、
27…結合部材。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 23/32 F02B 61/00,77/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インボードエンジンの出力軸に結合され
    た円盤状カップリング本体と、このカップリング本体に
    クッションゴムを介して連結された被駆動軸用連結部材
    と、これらを収容するハウジングとを備えたインボード
    エンジン用ラバーカップリングにおいて、前記カップリ
    ング本体に送風用フィンを形成すると共に、前記ハウジ
    ングの外周部に空気流通口を開口させたことを特徴とす
    るインボードエンジン用ラバーカップリング。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインボードエンジン用ラ
    バーカップリングにおいて、空気流通口をハウジングの
    外周部に少なくとも2つ開口させ、これらの空気流通口
    どうしを互いに対向させたことを特徴とするインボード
    エンジン用ラバーカップリング。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のインボー
    ドエンジン用ラバーカップリングにおいて、フィンをカ
    ップリング本体の外周部に開口された穴の壁面によって
    形成すると共に、カップリング本体の軸心部に空気流通
    口を開口させたことを特徴とするインボードエンジン用
    ラバーカップリング。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のインボードエンジン用ラ
    バーカップリングにおいて、カップリング本体に開口さ
    れたフィン用穴を軸方向から見て略平行四辺形状に形成
    し、このフィン用穴におけるカップリング本体の周方向
    に対向する2つの壁を、軸心側から外周側へ向かうにし
    たがって次第にカップリング本体の回転方向後側に偏在
    させたことを特徴とするインボードエンジン用ラバーカ
    ップリング。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4記載のインボー
    ドエンジン用ラバーカップリングにおいて、カップリン
    グ本体に開口されたフィン用穴を軸方向から見て略平行
    四辺形状に形成し、このフィン用穴におけるカップリン
    グ本体の周方向に対向する2つの壁を、エンジン側へ向
    かうにしたがって次第にカップリング本体の回転方向前
    側へ偏在するようカップリング本体の軸線に対して傾斜
    させたことを特徴とするインボードエンジン用ラバーカ
    ップリング。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし請求項5のうち何れか1
    つのインボードエンジン用ラバーカップリングにおい
    て、クッションゴムをカップリング本体の軸心部に配設
    し、このクッションゴムに、カップリング本体の軸心部
    の空気流通口に連通する空気穴を穿設したことを特徴と
    するインボードエンジン用ラバーカップリング。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のインボードエンジン用ラ
    バーカップリングにおいて、クッションゴムに、径方向
    に沿って延びて空気穴内とクッションゴム外周側の空間
    とを連通する副空気通路を設けたことを特徴とするイン
    ボードエンジン用ラバーカップリング。
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