JP3434920B2 - 微量透析器及び透析膜チューブ保持器 - Google Patents

微量透析器及び透析膜チューブ保持器

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JP3434920B2 JP28736494A JP28736494A JP3434920B2 JP 3434920 B2 JP3434920 B2 JP 3434920B2 JP 28736494 A JP28736494 A JP 28736494A JP 28736494 A JP28736494 A JP 28736494A JP 3434920 B2 JP3434920 B2 JP 3434920B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微量透析器、特に、試料
の注入された透析膜を透析液中に浸漬させ、その透析膜
内外間の浸透圧差を利用して試料の透析を行う透析器の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】生体抽出物等である高分子物質に混在す
る塩類等の低分子物質を取り除く手段として透析膜を用
いた所謂透析技術が汎用されている。このような透析膜
は、低分子物質である無機電解質や水は透過させるが、
一定分子量以上の蛋白質や高分子コロイドは透過させな
い程度の孔径を有する膜であり、セロハン等の人工膜が
挙げられる。
【0003】即ち、透析膜内に試料を注入し、試料注入
済透析膜を透析液に浸漬させると、透析膜内の試料中に
含まれる低分子物質や無機電解質の一部が、透析膜内外
間の浸透圧差により透析膜を透過し、透析膜を浸漬して
いる透析液中に移動するため、試料の透析が行われるも
のである。即ち、図6(A)に示すように、試料注入済
透析膜としての試料体10を透析漕12内の透析液に浸
漬させ、透析漕12の底部に載置された棒磁石14をマ
グネチックスターラ16により回転し、透析漕12内の
透析液を攪拌しながら試料の透析を行う。
【0004】前記試料注入済透析膜としての試料体10
は、同図(B)に示すように、チューブ状に形成された
透析膜18の一端20を緊縛し、他端22から試料の注
入を行った後に、試料注入端である他端22を緊縛して
完成される。また、同図(B)に示した試料体10の他
に、同図(C)に示すような試料体24も考えられてい
た。同図(C)に示す試料体24は、同図(B)に示し
たようなチューブ状に形成された透析膜18を用いるの
ではなく、平膜状に形成された透析膜18を用い、これ
を筒状体26の一端側の開口部28にぴったりと貼り合
した後に、他端側の開口部30から試料を試料体24内
に注入して完成される。このような試料体24の試料の
透析を行う場合には、試料体24の透析膜18を透析漕
12内の透析液に浸漬させ、前記試料体10と同様な透
析を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような透析膜内外の浸透圧差を利用して試料の透析を
行う透析方法では、透析膜内外間のモル濃度が均衡する
所謂透析平衡に達すると、透析膜内の試料中に含まれる
低分子物質や無機電解質の一部は、透析膜内外間の浸透
圧差を動力として透析膜を透過し、透析膜外側の透析液
中に移動することができないため、良好に透析が行えな
いという透析膜特有の欠点を有している。このため、従
来の透析方法では、マグネチックスターラ16により透
析槽12内の棒磁石14を回転させ、透析槽12内の透
析液を攪拌することで、透析膜18内外間の浸透圧差の
急激な低下を緩和しているが、試料が熱の影響を受けや
すいものである場合、マグネチックスターラ16の発生
する熱による試料の変性や細菌繁殖のおそれがあった。
【0006】また、透析器を冷蔵庫内に設置すること
で、マグネチックスターラ16から発生する熱の伝導を
防ごうとすれば、透析器を設置可能なスペースの有無
や、機械部であるマグネチックスターラ16の湿度の高
い環境下での保守維持が問題となってしまう。さらに、
透析槽12内の透析液を頻繁に交換することで、透析膜
18内外間の浸透圧を最大に維持しようとすれば、その
透析液の交換に手間と時間がかかってしまうという問題
点があった。
【0007】そして、試料体10の試料の透析を行う場
合、透析膜18の面積の大きい構成であるため、良好に
透析を行えるが、チューブ状に形成されている透析膜1
8から試料の出し入れが容易にできる適切な技術が存在
しないために、試料の出し入れを行うに際し、試料損失
のおそれを生じてしまうと共に、非常に手間と時間がか
かってしまう。このため、試料体24を用い、筒状体の
開口部から試料の出し入れを容易に行なおうとすれば、
試料量に対して透析膜18の面積の小さい構成であるた
めに、透析速度が低下し、透析が良好に行えないという
問題点があった。本発明は、前記従来技術の課題に鑑み
なされたものであり、その目的は、省スペースで、且
つ、透析膜を利用した透析が効率的に安定して行える透
析器及び透析膜チューブ保持器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明に係る透析器及び透析膜チューブ保持器は、次
のように構成される。即ち、本発明の請求項1記載の微
量透析器は、透析膜内外間の浸透圧差を利用して試料の
透析を行う透析器において、底部に孔を有する透析液タ
ンクと、 前記透析液タンクの下方に設けられ、前記透
析液タンク内の透析液が一端部上方から流入し、他端部
上方から透析廃液が流出可能なU字状透析漕と、少なく
とも前記U字状透析漕の流出端部の外周囲に設けられ、
前記U字状透析漕の流出端部から流出した透析廃液の貯
留可能な廃液タンクと、を備え、前記U字状透析槽の開
口部に試料の注入された透析膜チューブを投入可能とす
ることを特徴とする。また、本発明の請求項2記載の透
析膜チューブ保持器は、請求項1記載の透析器に用いら
れ、透析膜チューブの開口部を保持可能な保持器であっ
て、少なくとも一端が開口している透析膜チューブの開
口部に嵌合可能な筒状体と、前記筒状体の開口部に嵌合
可能な蓋体と、を備えることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明に係る微量透析器は、前述した手段を有
するので、次の様な作用を有する。即ち、透析液タンク
の下方にU字状透析漕を設けることとしたので、透析液
タンク内の透析液は、その透析液の自重により透析タン
クの底部の孔からU字状透析槽の一端部上方に自然流下
するため、透析液タンク内の透析液をU字状透析槽内に
供給することが動力を用いずに行える。そして、一端部
上方からU字状透析槽内に供給された透析液によって透
析槽内に投入された試料注入済透析膜チューブが浸漬さ
れることとしたので、透析膜チューブ内の試料の透析を
行うことができる。また、処理済透析液は、一般に未処
理透析液よりも比重が大きく、その自重によりU字状透
析漕内を下降すると共に、U字状透析漕の他端部上方か
ら自然流出する。
【0010】さらに、少なくともU字状透析槽の流出端
部の外周囲に廃液タンクを設けることとしたので、U字
状透析漕の流出端部から流出した処理済透析液は、廃液
タンク内に貯留される。このように、試料注入済透析膜
チューブを浸漬する処理済透析液を、透析液タンク内か
らU字状透析漕内に自然流下した未処理透析液と順次置
換することとしたので、試料注入済透析膜チューブ内外
間の浸透圧差を最大に維持することができるので、良好
に透析を行うことができる。
【0011】また、前述したような透析液の置換に動力
を用いるのではなく、透析液の自重を利用することとし
たので、動力から発生する熱の伝導を防ぐことができる
と共に、透析器の小型化を図ることができる。また、本
発明に係る透析膜チューブ保持器は、前述した手段を有
するので、次のような作用を有する。即ち、筒状体を透
析膜チューブの開口部に嵌合するように挿入することと
したので、透析膜チューブの開口縁部をしっかりと開口
した状態で維持することができ、筒状体の開口部から試
料の出し入れが容易に行える。
【0012】そして、筒状体の開口部から透析膜チュー
ブ内に試料を注入した後に、その筒状体の開口部に蓋体
を嵌合させることで、請求項1記載の微量透析器のU字
状透析漕の開口部から透析漕内に投入でき、この試料体
は、透析膜の面積の大きい構成であるため、良好に透析
を行うことができる。また、試料の出し入れを行うに際
し、透析膜チューブの緊縛作業を行うのではなく、筒状
体の開口部から蓋体を着脱することで、試料の出し入れ
が容易に行えるため、試料損失のおそれを防ぐことがで
きると共に、手間並びに時間の短縮を図ることができ
る。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の好適な実施例に
ついて説明する。尚、何れの図面も本実施例の微量透析
器の基本的構造を示しているに過ぎず、本発明の技術的
思想を有するものであれば形状の相違や他の付属物等が
あっても問題ではない。実施例1 (図1) 図1には、本発明に係る透析膜チューブ保持器を用いた
試料体の一実施例が示されており、(A)は配置図、
(B)は縦断面図、(C)は分解図である。
【0014】同図において、試料体32は、透析膜チュ
ーブ18の開口部22に嵌合可能な筒状体34と、前記
筒状体34の側面に透析膜チューブ18を間に挟んだ状
態で嵌合可能な握持体36と、前記筒状体34の開口部
38に嵌合可能な蓋体40と、透析膜チューブ18の開
口部20に嵌合可能な栓体42と、筒状の押体44と、
筒状の蓋体46と、を含む。前記筒状体34は、その略
中間部の外周壁に凸部48が形成されている。前記握持
体36は、その側面に切欠部50が形成されている。前
記栓体42は、その略下部の外周壁にネジ山部52が形
成されている。前記蓋体46は、その内周壁に前記栓体
42のネジ山部52と螺合可能なネジ山部54が形成さ
れている。前記試料体32は、先ず、透析膜チューブ1
8の開口部20に栓体42を挿入し、透析膜チューブ1
8の開口部20の縁部を栓体42のネジ山部52まで引
張り出した後に、栓体42のネジ山部52から押体44
を挿入して栓体42と押体44との間に透析膜チューブ
膜18が挟み込まれるように嵌合し、栓体42のネジ山
部52に蓋体の46ネジ山部54を螺合し、透析膜チュ
ーブ18の開口部20の閉栓を行う。
【0015】次に、透析膜チューブ18の開口部22に
筒状体34を挿入し、透析膜チューブ18の開口部22
の縁部を筒状体34の上方まで押し込んだ後に、その筒
状体34に切欠部50から握持体36をはめ込んで透析
膜チューブ18を間に挟んだ状態で嵌合させると、開口
部22がしっかりと開口した状態で透析膜チューブ18
を保持することができる。そして、筒状体34の開口部
38から透析膜チューブ18内に試料を注入した後に、
その開口部38に蓋体40を嵌合させて完成される。こ
のように、本実施例に係る試料体32によれば、筒状体
32を透析膜チューブ18の開口部22に嵌合させるよ
うに挿入した後に、握持体36を筒状体34に透析膜チ
ューブ18を間に挟んだ状態で嵌合させることとしたの
で、透析膜チューブ18の開口縁部をしっかりと開口し
た状態で維持して保持することができ、筒状体34の開
口部38から透析膜チューブ18内への試料の出し入れ
が容易に行える。
【0016】また、その試料の出し入れを行うに際し、
筒状体34の開口部38から蓋体40を着脱すること
で、試料の出し入れがさらに容易に行えるため、試料損
失のおそれを防ぐことができると共に、手間並びに時間
の短縮を図ることができる。実施例2 (図2) 図2には、本発明に係る透析膜チューブ保持器を用いた
試料体の一実施例が示されており、(A)は配置図、
(B)は縦断面図、(C)は分解図である。同図におい
て、試料体56は、透析膜チューブ18の開口部22に
嵌合可能な筒状体58と、前記筒状体58の側面に透析
膜チューブ18を間に挟んだ状態で嵌合可能な握持体6
0と、前記筒状体58の開口部62に嵌合可能な蓋体6
4と、透析膜チューブ18の開口部20を挟持可能な挟
持体66と、を含む。前記筒状体58は、その略中間部
の外周壁に凸部68が形成されている。前記握持体60
は、その側面に切欠部70が形成されている。前記挟持
体66は、略直方体状の本体72と、略コの字型に形成
され、前記本体72に対して一部揺動可能な揺動体74
と、より構成され、前記本体72は、同図(B)に示す
ような切欠部72aを有する。
【0017】前記試料体56は、先ず、挟持体66の本
体72と揺動体74との間に透析膜チューブ18の開口
部20側を挿入し、その本体72と揺動体74の間から
引張り出した後に、揺動体74を本体72に対して図中
時計周りに回転させながら、透析膜チューブ18の開口
部22側を図中上方に少し引張ると、同図(B)に示す
ように、本体72の切欠部72aと揺動体74との間に
透析膜チューブ18が挟まれ、開口部20側がしっかり
と閉口された状態になる。
【0018】次に、透析膜チューブ18の開口部22に
筒状体58を挿入し、透析膜チューブ18の開口部22
の縁部を筒状体58の上方まで押し込んだ後に、その筒
状体58に、切欠部70から握持体60をはめ込んで透
析膜チューブ18を間に挟んだ状態で嵌合させると、開
口部22がしっかりと開口した状態で透析膜チューブ1
8を保持することができる。そして、筒状体58の開口
部62から透析膜チューブ18内に試料を注入した後
に、その開口部62に蓋体64を嵌合させて完成され
る。
【0019】このように、本実施例に係る試料体56に
よれば、筒状体58を透析膜チューブ18の開口部22
に嵌合させるように挿入した後に、握持体60を筒状体
58に透析膜チューブ18を間に挟んだ状態で嵌合させ
ることとしたので、前記第1実施例と同様に、透析膜チ
ューブ18の開口部22をしっかりと開口した状態で維
持して保持することができ、筒状体58の開口部62か
ら透析膜チューブ18内への試料の出し入れが容易に行
えるが、透析膜チューブ18の開口部20を挟持体66
により挟持させることで、開口部20側の閉口がさらに
容易に行える。また、図3には、本発明に係る微量透析
器の外観斜視図が示され、また図4には、前記図1に示
した試料体32が設置された状態の微量透析器の縦断面
図が示されている。
【0020】同図において、本実施例の微量透析器76
は、廃液タンク78と、前記廃液タンク78内に載置さ
れ、U字状透析槽としての本体80と、前記本体80上
に載置される透析液タンク82と、を含む。前記本体8
0は、前記透析液タンク82内の透析液が供給される透
析液供給口84と、前記透析液供給口84に対して下流
側に設けられ、試料体が投入可能な試料体投入口86
と、前記試料体投入口86の側面に設けられ、U字状透
析漕の一端としての流入口88と、前記流入口88に対
して下流側に設けられ、U字状透析漕の他端としての流
出口90と、前記流入口88に対して図中右側に設けら
れた通気口92と、前記通気口92に嵌合可能な通気口
蓋体94と、前記透析液供給口84、流入口88、及び
通気口92を連通しているT字管96と、前記試料体投
入口86、流入口88、及び流出口90を連通している
U字状透析漕としてのU字管98と、前記U字管98の
図中右下側に設けられた排出口100と、前記排出口1
00に嵌合可能な排出口蓋体102と、より構成され、
前記流出口90を、前記流入口88より低い位置で開口
させることが好適である。
【0021】前記透析液タンク82は、透析液タンク8
2内に透析液を注入するための透析液注入口104と、
前記透析液注入口104に嵌合可能な弁付き蓋106
と、透析液タンク82の図中右上側に設けられた通気口
108と、前記通気口108に嵌合可能な通気口蓋体1
10と、を有する。なお、前記廃液タンク78内に容量
以上の透析廃液が流入し、その廃液が前記廃液タンク7
8から流出してしまうことを防ぐため、前記透析液タン
ク82の容量を、前記廃液タンク78の容量以下とする
ことが好適である。
【0022】本実施例では、透析を行う試料が注入され
た透析膜として前記図1に示した試料体32を想定し、
前記本体80の試料体投入口86には、試料体32が挿
入されているものとする。本実施例に係る微量透析器は
概略以上のように構成され、以下にその作用について説
明する。先ず、通気口蓋体110がしっかりと締められ
た状態にある透析液タンク82の透析液注入口104か
ら透析液を供給した後に、弁付き蓋106をしっかりと
締める。
【0023】この透析液タンク82の弁付き蓋106
を、本体80の透析液供給口84に合致させるように、
透析液タンク82を本体80に載置した後に、透析液タ
ンク82の通気口蓋体110を緩めると、通気口108
から透析液タンク82内に外気が流入すると共に、透析
液タンク82内の透析液は、その自重によって弁付き蓋
106の微小孔から本体80の透析液供給口84に自然
流下し、T字管96を介して、流入口88からU字管9
8内に流入する。そして、U字管98の流出口90まで
透析液の液面が到達した後に、試料体投入口86に試料
体32を挿入し、透析液に試料体32の透析膜チューブ
18を浸漬させることで、透析膜チューブ18内の試料
の透析を開始する。
【0024】また、U字管98内の処理済透析液は、透
析膜チューブ18内から透析液中に移動した溶質の増加
によってその比重が未処理透析液よりも大きくなると、
U字管98内を下降しやすくなると共に、透析膜チュー
ブ18上方から透析タンク82内の未処理透析液が順次
流入することとしたので、透析膜チューブ18近傍に滞
留せずに、U字管98内を移動し、流出口90から流出
口90近傍の処理済透析液が流出し、この処理済透析液
は、廃液タンク78内に貯留される。図5には、本実施
例に係る微量透析器32を用いて塩化カリウム溶液の透
析を行った透析結果が示されている。
【0025】即ち、透析膜チューブ18内に500mM
塩化カリウムを700μl入れ、本実施例の微量透析器
76に設置する。そして、透析開始後、一定時間毎に透
析膜チューブ内液の塩化カリウム濃度を測定し、当初濃
度との比から透析率を計算し、○ー○でプロットした。
同時に、透析液の流量についても透析液タンク内残量よ
り測定し、△ー△でプロットした。 同図から明らかな
ように、透析開始1時間後、透析液流量150mlで9
9%以上の透析率を得ることができ、その後も透析液流
量の増加に伴い、良好な透析を行うことができる。
【0026】なお、本実施例では、試料体投入口86に
試料体32を一つのみ投入する例について説明したが、
これに限定されるものではなく、例えば複数本の試料体
32を試料体投入口86に挿入する構成としてもよい。
また、本実施例では、試料体32を、本体80の試料体
投入口86に挿入する例について説明したが、これに限
定されるものではなく、処理済透析液の比重が未処理透
析液よりも軽いと予想される場合には、試料体32を、
本体80の流出口90に投入することが好適である。
【0027】さらに、本実施例では、試料体として前記
図1に示した試料体32を用いる例について説明した
が、これに限定されるものではなく、例えば前記図2に
示したような試料体56にも適用可能である。
【0028】以上説明したように、本実施例に係る微量
透析器によれば、透析液タンク82内の透析液が、その
自重によって、本体80の流入口88からU字管98内
に流入することとしたので、透析膜チューブ18近傍の
処理済透析液を順次下方に押し下げ、流出口90から流
出口90近傍の処理済透析液を流出させることができる
ので、透析膜チューブ18近傍を順次未処理透析液によ
って満たすことができ、透析膜チューブ18内外間の浸
透圧差を最大に維持し、良好に透析膜チューブ18内の
試料の透析を行うことができる。そして、前述したよう
な透析液の置換に動力を用いるのではなく、透析液の自
重を利用することとしたので、動力から発生する熱によ
る試料の影響を取り除くことができると共に、透析器の
小型化を図ることができる。このため、動力源である電
力の供給が困難であると共に、高湿度であるために機械
部に悪影響を及ぼすおそれのある家庭用冷蔵庫内でも試
料の透析を良好に行うことができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る微量
透析器によれば、底部に孔を有する透析液タンクの下方
にU字状透析漕を配置することとしたので、透析液の自
重を利用し、U字状透析漕内の処理済透析液を、順次未
処理透析液に置換することによって、試料注入済透析膜
チューブ内外間の浸透圧差を最大に維持することができ
るので、良好に透析膜チューブ内の試料の透析が行え
る。そして、その透析液の置換を行うに際し、ポンプ等
の動力を用いるのではなく、透析液の自重を利用するこ
ととしたので、透析液置換にポンプ等の動力を用いるも
のと比較して、透析器の小形化を図ることができる。ま
た、本発明に係る透析膜チューブ保持器によれば、筒状
体の開口部から蓋体を着脱することで、透析膜チューブ
内の試料の出し入れが容易に行え、また、透析膜の面積
の大きい構成とすることで、従来のものと比較して、試
料の透析も良好且つ迅速に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)、及び(C)は、本発明の一実
施例に係る透析膜チューブ保持器の配置図、縦断面図、
及び分解図である。
【図2】(A)、(B)、及び(C)は、本発明の一実
施例に係る透析膜チューブ保持器の配置図、縦断面図、
及び分解図である。
【図3】本発明の一実施例に係る微量透析器の外観斜視
図である。
【図4】本発明の一実施例に係る微量透析器の縦断面図
である。
【図5】実施例に係る微量透析器により得られた実験デ
ータである。
【図6】従来の透析方法を示す説明図である。
【符号の説明】
18 … 透析膜 34 … 筒状体 40 … 蓋体 78 … 廃液タンク 82 … 透析液タンク 86 … 試料体投入口 88 … 流入口(U字状透析漕の流入端部) 90 … 流出口(U字状透析漕の流出端部) 98 … U字管(U字状透析漕) 106 … 弁付き蓋
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−358527(JP,A) 特開 平6−178919(JP,A) 特開 平6−133765(JP,A) 特開 昭53−58288(JP,A) 特開 昭56−124487(JP,A) 特開 平2−160022(JP,A) 実開 平3−59026(JP,U) 実開 平5−85299(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/00 - 1/44 B01D 61/00 - 61/58 B01D 63/00 - 63/16 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透析膜内外間の浸透圧差を利用して試料
    の透析を行う透析器において、 底部に孔を有する透析液タンクと、 前記透析液タンクの下方に設けられ、前記透析液タンク
    内の透析液が一端部上方から流入し、他端部上方から透
    析廃液が流出可能なU字状透析漕と、 少なくとも前記U字状透析漕の流出端部の外周囲に設け
    られ、前記U字状透析漕の流出端部から流出した透析廃
    液を貯留可能な廃液タンクと、 を備え、前記U字状透析漕の開口部に試料の注入された
    透析膜チューブを投入可能とすることを特徴とする微量
    透析器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の微量透析器に用いられ、
    透析膜チューブの開口部を保持可能な保持器であって、 少なくとも一端が開口している透析膜チューブの開口部
    に嵌合可能な筒状体と、 前記筒状体の開口部に嵌合可能な蓋体と、 を備えることを特徴とする透析膜チューブ保持器。
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