JP3433915B2 - 粉剤の分包充填包装方法とそのための包装機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、長尺樹脂フィルム
を使用して定量の粉剤を多数の分包に区分して包装する
ための包装方法とその包装機に関する。特に、本発明
は、長尺樹脂フィルムを水平直進移動させる過程で、分
包のための熱シールと粉剤の充填を行なう分包包装方法
とそのための包装機に関する。

【０００２】

【従来の技術】長尺樹脂フィルムを使用して定量の粉剤
を多数の分包に区分して包装するための分包充填包装機
には、水平ロータリー型と縦型とが知られている。

【０００３】水平ロータリー型の包装機は、フィルムコ
イルから巻き戻しした長尺の樹脂フィルムを水平方向に
移動させながら、ターンテーブル上の周囲に配置した多
数のシーリングバーで、一定間隔の幅シールを形成しな
がらフィルムを保持し、互いに隣り合うシーリングバー
の間で旋回する多数のシュートを順次フィルムの間に挿
入して所定量の粉剤を充填し、充填後には、シュートを
抜き、シーリングバーを外す。このように、幅シール部
で隔離された袋部を作ったフィルムは、その上縁を熱シ
ールし密封し、縁シールしたフィルムは、幅シール部に
ミシン目を入れ、所要数の袋毎に幅シール部で切断され
る。

【０００４】縦型包装機においては、長尺樹脂フィルム
が上方より下方に向けて移送され、フィルムの下降の過
程で、フィルムは幅方向にＵ字状に折り曲げ、両縁部か
らシュートをフィルム内に挿入したまま、その下方で
は、縁部熱シールを連続的に行なって縁シール部を形成
し、さらに幅方向に熱シールを一定間隔で行なって、幅
シール部を形成する。幅シール部の形成するたびに、上
方から所定量の粉剤がシュートから装入され、装入後に
は、次の幅シール部を新たに形成する。このようにし
て、幅シール部の形成と、粉剤の充填とを繰り返して、
フィルムには多数の分包が形成される。このフィルム
は、上記の幅シール部にミシン目をいれ、所要の袋数毎
に幅シール部で切断される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記の水平ロータリー
型の包装機は、多数のシーリングバーとこれに対応する
多数のシュートとをロータリーディスク上で高速回転さ
せることにより、単位時間当たりの充填袋数、即ち、充
填速度を大きくすることができ、生産性が大きいという
利点がある。他方では、シーリングバーとシュートを回
転駆動する装置及び粉剤の計量切り出し装置の構造が極
めて複雑化し、これが、この装置を高価なものにしてい
た。また、シーリングバーのピッチ、即ち、袋幅、が変
更できないという欠点もあった。

【０００６】他方の縦型の分包充填包装機は、フィルム
を下降する過程で処理する機構であり、幅シール用のシ
ーリングバー１個とこれに連動して粉剤を充填するシュ
ートも１個であリ、しかも、幅シール中は、フィルムの
加工を停止する間欠動作であるので、包装機の構造が極
めて簡単であるという利点の反面、１個のシーリングバ
ーの駆動速度でフィルム全体の充填速度が律速されるの
で、充填速度が小さいという難点があった。

【０００７】本発明は、上記の分包充填包装機の有する
課題に鑑み、縦型の分包充填包装機よりも大きな充填速
度を有する粉剤を分包充填して包装する方法とそのため
の構造が簡単で取り扱い易い包装機を提供しようとする
ものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、長尺フィルム
を水平に連続直進させる過程で幅シーリングと粉剤充填
とを行なう型の粉剤分包充填包装方法を提供しようとす
るものである。即ち、本発明は、長尺フィルムを幅方向
へ折り返してその長手方向を直進移動させながら、幅シ
ール用のシーリングバーと充填用のシュートを連動して
前後に繰り返し移動させて、幅シールを成形するごと
に、粉剤を充填させるものである。

【０００９】本発明の分包充填包装方法は、幅シーリン
グ部材と充填用のシュート部との所要の動作を、以下の
ａ）〜ｄ）の過程に従って繰り返すことにより、達成さ
れる。

【００１０】即ち、ａ）の過程は、開始位置から、幅シ
ーリング部材と充填用のシュート部とを移動しながら幅
方向に二つ折りにした長尺フィルムの両縁部の間に粉剤
供給用のシュート部の先側を挿入して、且つ挿入した該
シュート部をフィルムに連動して前進させる。ｂ）の過
程は、幅シーリング部材を該シュート後方位置でフィル
ムに連動して前進させながら、該幅シーリング部材で長
尺フィルムの幅方向を熱シールして、袋部を形成し、且
つ、所定量計量した粉剤をシュートにより当該袋部内に
充填する。

【００１１】ｃ）の過程は、次いで、シュートを袋部か
ら引き抜き、幅シーリング部材をフィルムから開放す
る。ｄ）の過程は、幅シーリング部材とシュート部とを
後退させて元の開始位置に復帰させる。元の位置に戻っ
た幅シーリング部材とシュート部とは、再び、上記の
ａ）の過程に戻り、以下同様にｄ）の過程までを繰り返
す。

【００１２】本発明の分包充填包装機は長尺フィルムの
長手方向に連続移動中に幅方向に二つ折りに折り曲げる
フィルムガイドと、移動中の折り曲げたフィルムを幅方
向に熱シールして且つ粉剤を充填する幅シーリング充填
装置と、充填したフィルムの縁部を熱シールするダイロ
ールとを含む。

【００１３】上記の幅シーリング充填装置は、長尺フィ
ルムの長手方向に沿って前後移動可能に搭載された可動
台と、可動台上に左右に開閉可能に軸支されたシーリン
グ部材により折り曲げたフィルムを幅方向に熱シールす
る幅シーリング部材と、いずれかの可動台に固定された
シュート保持機構により対応幅シーリング部材より先行
する位置で且つシュート下端部がフィルム両縁間に挿入
離脱可能に上下位置に移動制御可能に保持された１以上
のシュートを含むシュート部と、該シュートに定量の粉
剤を供給する粉剤供給装置と、から成っている。

【００１４】この幅シーリング充填装置においては、好
ましくは、上記可動台が、フィルムの長手方向に沿って
配置されたレール上を摺動可能に搭載されているものが
採用できる。さらに、幅シーリング充填装置は、上記可
動台を前後往復移動させるための可動台駆動機構を含
み、この可動台駆動機構が、可動台に連結されたラック
と、ラックと噛み合うラックピニオンと、ラックピニオ
ンの軸に固定したサーボモータとから成り、サーボモー
タの回転制御により、少なくともシーリングバーの閉鎖
時には、フィルムの移動と同期して可動台を前進移動さ
せるのがよい。

【００１５】この包装機において、幅シーリング部材
は、上記可動台に軸支されて上方に向けて開閉する左右
一対のシーリングバーより成り、シーリングバーがヒー
タを備えて、二つ折りにした長尺フィルムを挟圧し熱シ
ールする。

【００１６】幅シーリング充填装置には、シーリングバ
ーを開閉駆動するための開閉機構を含み、このシーリン
グバーを開閉駆動機構は、各シーリングバーの基部より
横方向に突設された摺動部材と、各摺動部材を長手方向
への摺動を可能にそれぞれ受容して上下移動若しくは上
下回動可能な一対の摺動ガイドと、両摺動ガイドを上下
駆動するカム機構と、から成るものが利用できる。

【００１７】このようなカム機構には、モータにより回
転するカムと、該カムに従動するカムフォロアに接続さ
れて上記の両側の摺動ガイドに接続されたリンク機構、
とから成るものが利用できる。

【００１８】さらに、幅シーリング充填装置は、所定量
の粉剤を、幅シール形成直後にシュート部に切り出して
供給するための粉剤供給装置を含む。

【００１９】上記の分包充填包装機は、さらに、長尺フ
ィルムの長手方向に連続移動中に幅方向に二つ折りに折
り曲げるフィルムガイドを含み、さらに、粉剤を充填し
たフィルムの上縁部を熱シールするダイロールとを含
む。

【００２０】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の包装方法の工程
の概要を示すが、この実施形態では、樹脂フィルムのコ
イルからコイル巻き戻し装置によりフィルムに巻き戻し
して、フィルムガイドにより、フィルムを幅方向にＵ字
状に折り曲げて、フィルムを水平方向に連続直進させな
がら、幅シール部の形成と、幅シール部に区切られた袋
部への粉剤の充填と、を行なう。

【００２１】次いで、予熱部を経て、縁シール部のダイ
ロールにより縁部をシールして、袋部を密封し、次い
で、カッター装置により幅シール部にミシン目入れ又は
切断をして、多数の分包が得られる。

【００２２】この実施形態において、フィルムは、長手
方向がほぼ水平に且つ連続直進移動するように駆動され
るが、シーリング充填装置の両側でフィルムに適度の張
力を付与して移動させる。例えば、フィルムの駆動は、
ダイロールの連続回転で行ない、コイル巻き戻し装置に
設けたテンションロールが、フィルムの張力を制御し
て、フィルムの長手方向に一定の張力を与えて、フィル
ムを移動させることができる。

【００２３】この実施形態は、幅シーリング充填装置
は、熱シールのために加熱可能な幅シーリング部剤と粉
剤を袋部に供給するガイドとしてシュート部を備えてお
り、両者は、同時に連動して移動するように配置され
る。幅シーリング部は、二つ折りのフィルムにその幅方
向に熱シールを施して局部的に熱圧着するものであり、
一例として、左右に開閉可能でフィルムを挟んで後に開
放するように開閉駆動されるシーリングバーが利用でき
る。

【００２４】シュート部は、袋部の上部開口部に挿入可
能な先細中空の漏斗状のシュートが利用され、シュート
は、上下移動するように支持されて、その移動制御がな
される。

【００２５】幅シーリング充填装置は、図１において、
幅シーリング部材２ａとして１つのシーリングバー２０
と１つのシュート部４ａとしてシュート４１とで、１組
をなしている。幅シーリング充填装置の幅シーリング部
材とシュート部は、１組でもよく、または、２組以上を
配置することもできる。２組以上を配置する場合は、幅
シーリング部材２ａ、２ｂとシュートとが交互に配置さ
れる。複数組の幅シーリング部材２ａ、２ｂとシュート
部４ａ、４ｂとすることにより、この包装方法の充填速
度を高めることができる。

【００２６】図１の例では、シュート部４ａ、４ｂは、
幅シーリング部材２ａ、２ｂのシーリングバー２０それ
ぞれの前に、シュート４１、４１が配置される。幅シー
リング部材のシーリングバー２０、２０により幅シール
を形成し、幅シール部９１により形成した袋部９２に各
シュートが挿入され、充填される。

【００２７】図１ないし図４により、本発明の包装方法
の実施形態を、２組の幅シーリング部材２ａ、２ｂとシ
ュート部４ａ、４ｂを使用した例で、以下に説明する。

【００２８】この実施形態は、幅シーリング部材２ａ、
２ｂは、垂直状態で開閉可能な一対のシーリングバー２
０、２０を含み、各シーリングバー２０は、ヒータを内
蔵して、少なくとも挟圧面２１が加熱されており、フィ
ルム９を挟んだときには、挟圧面が接触したフィルムを
熱圧着して、幅シール部を形成する（図１０参照）。

【００２９】シュート部４ａ、４ｂは、漏斗状をなすシ
ュート４１、４１が使用され、幅シール部９１の間で形
成された袋部９２に上縁の開口部に挿入できる先端部を
有するものが利用され、粉剤を案内して袋部内に充填す
るものである。

【００３０】上記の製造方法において、過程ａ）は、幅
シーリング部材２ａ、２ｂとシュート部４ａ、４ｂと
は、開始位置から移動する過程で、幅方向に二つ折りに
した長尺Ｕ字状のフィルム９の両縁部間に、粉剤充填用
のシュート４１のその先側を挿入し、且つ、該シュート
４１、４１をフィルムに連動して前進させる。

【００３１】過程ａ）の開始位置では、既に前回のシー
ル充填操作により、フィルム９の前方には、多数の幅シ
ール部９１により区分されて形成された多数の袋部９２
に所定量の粉剤９５が充填されて、フィルムは、一定速
度で、連続して前方に移動する。

【００３２】この開始位置は、フィルムをＵ字状に二つ
折りにするフィルムガイド８５の直後に設定され、シー
リングバーは開いた状態であるので、Ｕ字状のフィルム
の両方の上縁部の間には、シーリングバー後端により若
干広がりがあって、シュート４１、４１の先端の挿入が
容易である。

【００３３】この過程ａ）は、図２に示すように、シュ
ート部４ａ、４ｂが、幅シーリング部材２ａ、２ｂと共
に、 前方に移動するが、その速度は、図５に示すよう
に、フィルムの移動速度より大きくされ、シュート部４
ａ、４ｂのシュート４１の先端とシーリングバー２０と
を、その前回形成した横シール部９１に近づける。これ
により、開始位置でのシュート４１、４１のフィルム９
の両縁内への挿入を容易にし、且つ、幅シール部９１間
の間隔を調整することができる。

【００３４】過程ｂ）では、図３と図５に示すように、
左右一対のシーリングバー２０を、対応する該シュート
４１の後方位置でフィルムに連動して前進させながら、
該シーリングバー２０の間で長尺フィルムの幅方向を挟
んで熱シールして幅シール部９１を形成し、袋部９２を
形成する。この過程は、熱シールの開始とほぼ同時に若
しくは若干遅れて所定量の粉剤９５をシュート４１によ
り当該袋部９２内に供給し始め、充填する。この過程
ｂ）は、図５に示すように、幅シーリング部材と該シュ
ート部とは、フィルムと等速で移動させる。

【００３５】行程ｃ）は、図４に示すように、次いで、
シュート４１を袋部９２から引き抜き、シーリングバー
２０、２０をフィルム９から開放して、行程ｄ）におい
ては、幅シーリング部材２ａ、２ｂとシュート部４ａ、
４ｂとを急速に後退させて元の開始位置に復帰させる。
過程ｄ）の復帰過程は、できるだけ高速にするのが、好
ましい。

【００３６】分包充填包装方法は、上記のａ）〜ｄ）の
過程を繰り返して行なわれ、この例は、２組の幅シーリ
ング部材とシュート部の組み合わせにより、１回の往復
操作で、２個の分包が造られる。フィルムは、さらに、
連続して前進し、予熱部８６とダイロール８７により、
縁部のシールがされ、縁シール部９３により密封された
袋部９２の分包が形成される。

【００３７】本発明の分包充填包装機は、長尺フィルム
９を水平方向に連続移動しながら、幅シール部９１を施
して所定量の粉剤９５を充填して多数の分包を連続的に
包装するものであるが、分包充填包装機は、長尺フィル
ム９の長手方向に連続移動中に幅方向に二つ折りに折り
曲げるフィルムガイド８５と、移動中の折り曲げたフィ
ルム９を幅方向に熱シールして且つ粉剤を充填する幅シ
ーリング充填装置と、充填したフィルムの両縁部熱シー
ルするダイロール８７とを含んでいる。

【００３８】上記の幅シーリング充填装置は、幅シーリ
ング部材２（２ａ、２ｂ）とシュート部４（４ａ、４
ｂ）とが、前後直線運動可能な可動台１１ａ、１１ｂに
搭載され、可動台１１ａ、１１ｂは、摺動駆動機構によ
りその移動行程が制御される。幅シーリング部材２ａ、
２ｂは、左右に開閉するシーリングバーを利用し、シー
リングバー開閉機構により、幅シーリング部材２ａ、２
ｂの前後移動中においても開閉制御することができる。
シュート部は、さらに、シュートの先端を袋部９２内に
挿入と分離ができるように、シュート部移動中でも、昇
降できるシュート保持機構を備えている。さらに、シュ
ート部４ａ、４ｂに所望量の粉剤を供給できる粉剤供給
装置６が配置されている。

【００３９】１つ又は２つ以上の可動台１１ａ、１１ｂ
は、長尺フィルム９の長手方向に沿って直線状に配置さ
れた固定摺動レール１０上に、前後摺動可能に搭載され
ている。可動台１１ａ、１１ｂには、熱幅シーリング部
材２（２ａ、２ｂ）としてのシーリングバー２０、２０
と、シュート部４（４ａ、４ｂ）としてのシュート４
１、４２とが配置されている。

【００４０】シーリングバー２０、２０は、可動台１１
ａ、１１ｂ上に、左右に開閉可能に軸支されており、シ
ーリングバー開閉機構により、該シーリングバー２０、
２０を開閉操作する。シュートは、可動台１１ａ、１１
ｂに固定されたシュート保持機構により対応シーリング
バー２０、２０より先行する位置で保持され、シュート
下端部がフィルム両縁間に挿入離脱可能に上下位置に移
動制御可能にされている。幅シーリング充填装置は、こ
のシュートに定量の粉剤を供給する粉剤供給装置を備え
ている。

【００４１】図６及び図７は、本発明の実施形態に係る
粉剤分包充填包装機全体の概要を示す断面図であるが、
この包装機は、フィルムコイル９０を巻き戻すためのコ
イル巻き戻し装置８１が機械本体下部に配置され、コイ
ル巻き戻し装置８１からのフィルム９を引き上げる一対
のテンションロール８２が設けられている。機械上部に
は、フィルムをＵ字状に折り曲げるフィルムガイド８５
が水平状態に保持され、後述の幅シーリング充填装置
と、袋部９２に粉剤が充填されたフィルムの縁部を予熱
するためヒータを含む予熱部８６と、袋部９２上縁を熱
シールするためダイロール８７を含む縁シール部と、さ
らに、幅シール９１部にミシン目入れ又は切断をするカ
ッター装置８８が配置されている。

【００４２】幅シーリング充填装置は、幅シーリング部
材２とシュート部４を有し、シュート部の上方には、粉
剤を所定量切り出して幅シーリング充填装置のシュート
部に供給するための粉剤供給装置６が配置されている。

【００４３】幅シーリング充填装置の構造と機能を、図
６から図１０により、以下に、説明するが、上記の幅シ
ーリング充填装置には、長尺フィルム９の長手方向に沿
って固定摺動レール１０に前後移動可能に搭載された２
つの可動台１１ａ、１１ｂが配置され、各可動台には、
幅シーリング部材２ａ、２ｂの一対の開閉可能なシーリ
ングバー２０、２０と、上記シュート４ａ、４ｂが配置
されている。

【００４４】幅シーリング充填装置は、可動台１１ａ、
１１ｂを前後駆動する可動台駆動機構を備えており、こ
の駆動機構は、可動台に接続されたラック１２と、サー
ボモータ１４の回転軸に固定されてラック１２に噛み合
うピニオン１３とから成り、さらに、前後の可動台１１
ａ、１１ｂの間は、連結棒（不図示）により、相互距離
が調節できるようになっている。サーボモータ１４の回
動により、可動台１１ａ、１１ｂを所望の行程で、往復
運動させる。

【００４５】上記前後の一対のシーリングバー２０、２
０は、可動台１１ａ、１１ｂ上に固定した軸２３に、上
方に向けて左右に開閉可能に軸支されており、シーリン
グバー２０、２０が開いているときは、シーリングバー
２０、２０の間を、折り返したフィルムが、相対的に移
動でき、シーリングバー２０、２０が閉じたときは、シ
ーリングバー２０の内面、即ち、挟圧面２１が、折り返
したフィルムを挟圧する。 シーリングバー２０、２０
は、内装されたヒータ（不図示）により加熱されてお
り、シーリングバー２０、２０の挟圧より、折り曲げた
フィルムを幅方向に熱シールし幅シール部を形成して、
折り返したフィルム９を一体に圧着する。

【００４６】本発明の幅シーリング充填装置は、シーリ
ングバー２０を開閉操作するために、シーリングバー開
閉機構を備えており、この例では、シーリングバー２０
の基部２４より外側に突出する傾動棒２５とこの傾動棒
２５を受止して上下移動させるシーリングバーガイド３
０を有し、シーリングバーガイド３０を上下移動させる
ことにより、シーリングバーを開閉させる。

【００４７】シーリングバー２０は、可動台１１ａ、１
１ｂと共に、前後移動するので、これに対処するため、
シーリングバーガイド３０は、上記の摺動レール１０の
前後両側であって、左右シーリングバーの支軸２３の延
長上に配置した前後の支軸３０２、３０２を設けて、各
支軸３０２周りに回動する左右一対のアーム３０１、３
０１を前後に設け、この前後の対応するアーム３０１、
３０１に、上記のシーリングバーガイド３０を接続して
いる。

【００４８】左右のシーリングバーガイド３０は、シー
リングバー２０、２０の左右の傾動棒２５（この例で
は、 基部から突出した回転自在なローラ）を摺動可能
に受止して、シーリングバーガイドの上下に追随して、
傾動棒を上下に傾動させ、シーリングバー２０、２０を
開閉することができる。そして、シーリングバー２０
が、可動台１１の可動範囲内においては（例えば、シー
リングバー２０が、（図８（Ｂ）と図９とに示す範囲の
位置の）どの位置にあっても、左右のシーリングバーガ
イド３０、３０を上下するだけで、左右一対のシーリン
グバー２０、２０の開閉動作をすることができる。

【００４９】シーリングバーガイド３０の駆動装置は、
この例は、両側のシーリングバーガイド３０、３０をカ
ム機構で制御するものである。これは、シーリングバー
制御用のモータ３６で回転駆動されるカム回転板３４の
盤面に閉ループ状のカム溝３４０が刻設され、このカム
溝３４０にカムフォロア３３が嵌り、このカムフォロア
３３を固定して一端が軸支されて上下に傾動するクラン
ク３２を設け、このクランクに一対の連結棒３１、３１
をそれぞれシーリングバーガイドと連結して、このクラ
ンク３２の上下運動に連動して、シーリングバーガイド
３０、３０を上下駆動する。

【００５０】このようにして、図１０（Ａ、Ｂ）に示す
ように、カム回転板３４の板面に刻設された閉ループ状
のカム溝３４０は、概して言えば、回転中心軸３４４に
対して大円部３４１と小円部３４２とが繋がった形状を
有し、カム回転板の回転によりこのカム溝３４０の形状
に従って、カムフォロア３３は上下運動するが、図１０
（Ａ）に示すように、大円部３４１と接触してカムフォ
ロアが上昇した時は、クランク３２が上昇して、左右の
シーリングバーガイド３０、３０が上がり、これに伴っ
て、シーリングバー２０、２０が閉じて、フィルム９に
対して幅方向の熱シールを行なう。

【００５１】他方、図１０（Ｂ）に示すように、カム回
転板３４の反転で、小円部３４２と接触して、カムフォ
ロアが下降した時は、リンクが下降し、左右のシーリン
グバーガイド３０、３０が下がり、これに伴って、シー
リングバー２０、２０が開くことになり、フイルムとシ
ーリングバーとは相対的な移動ができる。

【００５２】シュート部については、シュート部４は、
粉剤供給装置の下方に配置されている固定用シュート４
２と、固定用シュート直下に昇降シュート４１と、昇降
用のシュートを昇降操作するシュート昇降装置と、固定
用シュート及びシュート昇降装置を支持して可動台１１
ａ、１１ｂに固定するためのシュート固定部材４３から
成る。固定用と昇降用のシュート４１、４２は、可動台
１１ａ、１１ｂの移動に伴って、シーリング部材２ａ、
２ｂと連動して移動するが、上下２つのシュート４１、
４２は、二つ折りにしたフィルム９の直上にあり、且
つ、対応する一対のシーリングバー２０、２０の直前に
位置するように、上記のシュート固定部材４３を介し
て、配置されている。

【００５３】昇降用のシュート４１と固定用のシュート
４２とは、何れも下部先端を先細にした漏斗状の筒体が
利用されている。昇降用のシュート４１の先端は、特
に、袋部９２の上縁の開口部に容易に挿入でき、且つ、
挿入を容易にするために断面長円状に成形されている。
固定用のシュート４２は、後述の粉剤供給装置６から供
給される粉剤を昇降用のシュート４１に誘導するもので
あり、これにより、安定して、粉剤の充填がなされる。

【００５４】シュート昇降装置は、昇降用シュート４１
を上下移動させるためのもので、サーボモータや圧空シ
リンダ、油圧シリンダなどが利用できる。この実施形態
は、、圧空シリンダ４４をシュート固定部材４３に固定
して、圧空シリンダー４４から上方に伸びるプッシャー
４４１は、水平アームにより、昇降用シュート４１に固
定され、圧空シリンダーにより昇降用シュート４１を昇
降させる。。

【００５５】いずれの昇降装置を利用しても、昇降用シ
ュート４１を上下移動させて、昇降用シュート４１の先
細の先端部を、折り返されたフィルム９の上縁部を越す
ことができるほど十分高い位置と、該先細先端部を、十
分に折り返されたフィルムの間に入るような低い位置
と、を実現するものである。

【００５６】本発明の幅シーリング充填装置は、該シュ
ートを経由して、袋部９２に定量の粉剤を切り出して供
給する粉剤供給装置６を含む。粉剤供給装置６は、モー
タにより水平回転される回転容器６１を備えて、この容
器６１内にホッパー６５から粉剤が供給される。回転容
器６１の底部６１０の円周方向に枡６２として円筒状の
貫通孔を設け、枡６２の上端面を底部６１０の上面とほ
ぼ面一にし、所望の円筒高さを設けて枡の容積を設定し
てある。さらに、回転容器の底部６１０の上面には、す
り切り板を設けて、枡６２に充填した粉剤の上面を上端
面とに揃えるようにされている。

【００５７】回転容器６１の底部下側には、開閉板６３
が枡６２の下端面を覆うように設けられており、開閉板
６３により、枡６２を密閉して粉剤を充填計量し、且
つ、開閉板６３を回転させることにより、枡６２の下端
面を開放して、粉剤を落下させることができるように取
着してある。

【００５８】枡６２はシュート部４の数と対応した数を
１組とし、底部６１０の周縁部に数組が、等角で配置さ
れている。この実施形態の例では、前後２つのシュート
部４ａ、４ｂに対応して前後２つの枡６２、６２を１組
として、枡６２、６２を円周方向に４組配置してある。
この例では、回転容器は、回転軸６８、６８０を介して
モータ駆動されて、回転容器６１の回転は、シーリング
バー２０とシュート４１の前後移動の一往復で１／４回
転するように同期づけられ、回転容器６１の１組の枡６
２、６２の配置は、充填過程ｂ）において、複数のシュ
ート部４ａ、４ｂの直上になるように位置付けられる。
この充填過程ｂ）では、シーリングバー２０、２０間で
長尺フィルム９の幅方向を挟んで熱シールして、袋部９
２を形成しながら、同時に、枡６２により所定量計量の
粉剤をシュートにより当該袋部９２内に充填できるよう
に位置付けられる。

【００５９】さらに、回転容器６１の上方には、粉剤を
補給するためのホッパー６５が設けてあり、ホッパーか
らの粉剤は、回転容器６１内に供給される。回転容器内
には、枡６２内の粉剤を枡の上端面ですり切るための
「すり切り板」（不図示）が固定されており、回転容器
の回転に従って、ホッパー６５からの粉剤が順次、回転
容器の底部内面に供給されて、枡に供給し、固定配置さ
れたすり切り板が、枡上部の粉剤を掻き退けて、枡６２
の容積に対応する容量の粉剤が枡に充填され、枡６２
は、下端面の開閉板により閉鎖されているので、枡内に
は、枡６２の容積で決まる一定量の粉剤が充填される。

【００６０】充填過程ｂ）では、枡の位置とシュートの
位置とは一致するように回転容器６１は、枡の下端面を
閉じている開閉板６３が、回動しながら開きピンの作用
で開き、枡に供給されている粉剤が枡の下端から落下
し、直下の固定シュートと次いで昇降シュートを経て、
粉剤は、袋部９２内に充填される。充填後にも回転容器
は回転中であり、開閉板が再び閉じられて、再度、供給
可能な状態で回転する。

【００６１】

【発明の効果】本発明の包装粉剤の分包充填包装方法
は、長尺フィルムを水平方向に連続前進移動しながら、
幅シールを施して所定量の粉剤を充填して多数の分包を
連続的に包装する方法であるが、幅シーリング部材とシ
ュート部とを連接して、フィルムの移動に連動して移動
させながら、その往復行程で、シュート部の先端をフィ
ルムの両上縁間に挿入と取出し動作と、幅シーリング部
材による幅シール部の形成を行なうので、粉剤の高速の
分包充填が可能であり、包装速度の大きい包装が可能に
なると共にピッチ変更が可能になる。

【００６２】さらに、上記包装方法は、幅シーリング部
材とシュート部とを水平に往復移動する機構によるの
で、水平ロータリー式の分包方法に比べてはるかに機構
が簡素化され、安価で効率的な方法を提供することがで
きる。他方の縦型の包装方法に比較して、高速の分包が
可能になる。

【００６３】本発明の分包充填包装機は、幅シーリング
充填装置が、長尺フィルム９の長手方向に沿って配置さ
れた固定摺動レールに前後移動可能に搭載された１以上
の可動台上に左右に開閉可能に軸支されて折り曲げたフ
ィルムを幅方向に熱シールするシーリングバーと、該シ
ーリングバーを開閉操作するシーリングバー開閉機構
と、いずれかの可動台に固定されたシュート保持機構に
より対応シーリングバーより先行する位置で且つシュー
ト下端部がフィルム両縁間に挿入離脱可能に上下位置に
移動制御可能に保持された１以上のシュートとを含むの
で、粉剤の高速の分包充填が可能であり、包装速度の大
きい包装が可能になる。

【００６４】さらに、上記包装機は、幅シーリング部材
２（２ａ、２ｂ）とシュート部とを水平に往復移動する
機構によるので、水平ロータリー式の分包方法に比べて
はるかに機構が簡素化され、安価で効率的な方法を提供
することができる。他方の縦型の包装方法に比較して、
高速の分包が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施形態に係る粉剤分包充填包装方
法の過程を示す包装機の概念図である。

【図２】 本発明の実施形態に係る粉剤分包充填包装方
法の過程を示す包装機の上面図（Ａ）と正面図（Ｂ）で
ある。

【図３】 本発明の実施形態に係る粉剤分包充填包装方
法の過程を示す図２同様図である。

【図４】 本発明の実施形態に係る粉剤分包充填包装方
法の過程を示す図２同様図である。

【図５】 本発明の実施形態に係る粉剤分包充填包装方
法のタイムチャートを示す図である。本発明の粉剤分包
充填包方法における全過程について、カム回転板の駆動
主軸の回転で行なう際の、各過程の操作を主軸の回転角
度の関係で示してある。

【図６】 本発明の実施形態に係る粉剤分包充填包装機
の正面図である。

【図７】 本発明の実施形態に係る粉剤分包充填包装機
の側面断面図である。

【図８】 本発明の実施形態に係る粉剤分包充填包装機
のシーリング充填装置の側面図（Ａ）と上面図（Ｂ）を
示す。

【図９】 本発明の実施形態に係る粉剤分包充填包装機
のシーリング充填装置の上面図を示す。

【図１０】 本発明の実施形態に係る粉剤分包充填包装
機のシーリング充填装置の側面断面図を示す（Ａ、
Ｂ）。

【符号の説明】

１０ 摺動レール １１ 可動台 ２ 幅シーリング部材 ２０ シーリングバー ３０ シーリングバーガイド ３４ カム回転板 ４ シュート部 ４１ 昇降用のシュート ４２ 固定用のシュート ６ 粉剤供給装置 ８１ 巻き戻し装置 ８５ フィルムガイド ８７ ダイロール ９０ フィルムコイル ９１ 幅シール部 ９２ 袋部 ９３ 縁シール部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61J 3/00 B65B 1/02 B65B 1/30 B65B 9/06 B65B 9/08 B65B 41/10

Claims (12)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺フィルムを水平方向に連続前進移動
   させながら幅シール用の幅シーリング部材と粉剤充填用
   のシュート部とを連動させて前後駆動装置により前進と
   後退とを繰り返すようにして、該長尺フィルムに幅シー
   ルを施して所定量の粉剤を充填して多数の分包を連続的
   に包装する粉剤の分包充填包装方法であって、 ａ）開始位置からシュート部を移動しながらその先側を
   幅方向に二つ折りにした長尺フィルムの両縁部の間に挿
   入して、且つ該シュート部を幅シーリング部材と共にフ
   ィルムの前進方向に前進させ、 ｂ）該幅シーリング部材が、該シュート後方位置でフィ
   ルムに連動して前進しながら、長尺フィルムの幅方向を
   熱シールして袋部を形成し、且つ、該シュート部より所
   定量の粉剤を当該袋部内に充填し、 ｃ）次いで、シュート部を袋部から引き抜き、且つ、シ
   ーリング部材をフィルムから分離して ｄ）シュート部とシーリング部材とを後退させて元の開
   始位置に復帰させて、 ｅ）上記のａ）〜ｄ）の過程を繰り返すようにした粉剤
   の分包充填包装方法。
2. 【請求項２】 幅シーリング部材は、上方に向けて開閉
   する左右一対のシーリングバーより成り、シーリングバ
   ーがヒータを備えて、二つ折りにした長尺フィルムを挟
   圧し熱シールする請求項１に記載の方法。
3. 【請求項３】 シュート部が前後１対で配置され、前後
   一対の幅シーリング部材を、各対応するシュートの直後
   にそれぞれ配置した請求項１に記載の方法。
4. 【請求項４】 上記のシュート部と幅シーリング部材と
   は、上記の過程ａ）において、フィルムより早送りさ
   れ、過程ｂ）において、フィルムの移動に同期し、過程
   ｄ）で後退速度がフィルムの移動速度より大きくされて
   いる請求項１ないし３いずれかに記載の方法。
5. 【請求項５】 上記開始位置が、コイル巻き戻し装置か
   らのフィルムがフィルムを二つ折りにするフィルムガイ
   ドを経過した直後の位置に設定されている請求項１に記
   載の方法。
6. 【請求項６】 上記の袋部に充填されたフィルムは、さ
   らに、ダイロールにより縁部を熱シールして、この縁シ
   ール部により袋部を密封する過程を含む請求項１ないし
   ３いずれかに記載の分包充填包装方法。
7. 【請求項７】 長尺フィルムを水平方向に連続移動しな
   がら、幅シールを施して所定量の粉剤を充填して多数の
   分包を連続的に包装するための分包充填包装機におい
   て、 上記の分包充填包装機は、長尺フィルムをその長手方向
   に連続移動中に幅方向に二つ折りに折り曲げるフィルム
   ガイドと、移動中の折り曲げたフィルムを幅方向に熱シ
   ールして且つ粉剤を充填する幅シーリング充填装置と、
   充填したフィルムの縁部を熱シールするダイロールとを
   含み、 上記の幅シーリング充填装置が、長尺フィルムの長手方
   向に沿って前後移動可能に搭載された１以上の可動台
   と、可動台上に左右に開閉可能に軸支されたシーリング
   バーにより折り曲げたフィルムを幅方向に熱シールする
   幅シーリング部材と、いずれかの可動台に固定されたシ
   ュート保持機構により対応幅シーリング部材より先行す
   る位置で且つシュート下端部がフィルム両縁間に挿入離
   脱可能に上下位置に移動制御可能に保持された１以上の
   シュートを含むシュート部と、該シュートに定量の粉剤
   を供給する粉剤供給装置と、を含むことを特徴とする分
   包充填包装機。
8. 【請求項８】 幅シーリング充填装置は、上記可動台
   が、フィルムの長手方向に沿って配置されたレール上を
   摺動可能に搭載されている請求項７に記載の分包充填包
   装機。
9. 【請求項９】 幅シーリング充填装置は、上記可動台を
   前後往復移動させるための可動台駆動機構を含み、この
   可動台駆動機構が、可動台に連結されたラックと、ラッ
   クと噛み合うラックピニオンと、ラックピニオンの軸に
   固定したサーボモータとから成り、サーボモータの回転
   制御により、少なくともシーリングバーの閉鎖時には、
   フィルムの移動と同期して可動台を前進移動させる請求
   項７に記載の分包充填包装機。
10. 【請求項１０】 幅シーリング部材は、上記可動台に軸
    支されて上方に向けて開閉する左右一対のシーリングバ
    ーより成り、シーリングバーがヒータを備えて、二つ折
    りにした長尺フィルムを挟圧し熱シールする請求項７の
    分包充填包装機。
11. 【請求項１１】 シーリングバーを開閉するシーリング
    バー開閉機構を含み、該シーリングバー開閉機構が、各
    シーリングバーの基部より横方向に突設された摺動部材
    と、各摺動部材を長手方向への摺動を可能にそれぞれ受
    容して上下移動若しくは上下回動可能な一対の摺動ガイ
    ドと、両摺動ガイドを上下駆動するカム機構と、から成
    る請求項１０に記載の分包充填包装機。
12. 【請求項１２】 上記カム機構が、モータにより回転す
    るカムと、該カムに従動するカムフロアに接続されて上
    記の両摺動レールに接続されたリンク機構とから成る請
    求項１１に記載の分包充填包装機。