JP3433697B2 - 管の矯正用ロールおよび管の製造方法 - Google Patents

管の矯正用ロールおよび管の製造方法

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    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、管の軸方向の曲
がりおよび横断面のゆがみ(以下楕円と記す)を矯正す
る矯正用ロールと、この矯正用ロールを備えたロール矯
正機による矯正工程を含む伝熱管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電設備における蒸気発生器およ
び給水ヒータ等の熱交換器に用いられるU字状の伝熱管
は、外径30mm以下、長さ20m以上の細径長尺の伝
熱管をU字状に曲げて製造される。このU字状の伝熱管
は、熱交換器に組み込まれた後の使用前検査として、ま
た、一定期間使用された後の定期検査として、渦流探傷
により管内面から検査される。この管内面からの渦流探
傷における検査基準は、原子力発電設備の安全性確保の
必要上極めて厳しい。
【0003】前記使用前検査および定期検査と同様の検
査基準による渦流探傷が、伝熱管の製造後の出荷前の検
査にも要求され、この渦流探傷の結果、検査基準を外れ
るものは不合格品とされるのは当然のことながら、検査
基準内であっても、その結果を管毎にその軸方向位置と
関連付けて記録することが要求される。
【0004】前記伝熱管は、一般に、熱間押出により製
造された継目無管、または溶接により製造された溶接管
を素管とし、冷間引抜、冷間圧延などの冷間加工および
熱処理により製造され、その後熱処理により生じた曲が
りおよび楕円がロール矯正機で矯正される。
【0005】図6は、ロール矯正機の一例を説明する模
式図である。ロール矯正機は、回転軸の方向が互いに交
差する状態で上下方向に対向して配置した1対の鼓形の
矯正用ロールRa、Rbを複数対備え、図示を省略した
ロール昇降機構により、1対の矯正用ロールRa、Rb
の対向間隔および隣接する1対の矯正用ロールRa、R
bの高さ方向位置が調整可能な構造である。矯正に際し
ては、被矯正管Aの表面が矯正用ロールの表面に沿うよ
うに回転軸の交差角度を調整し、矯正用ロールRa、R
bの対向間隔を被矯正管の外径より若干小さく設定して
クラッシュを付与するとともに、隣接する1対の矯正用
ロールRa、Rbの高さを調整してオフセットを付与し
て、曲がりおよび楕円を矯正する。
【0006】矯正用ロールRa、Rbは高い剛性と耐摩
耗性が要求されるため、工具鋼やセラミックスを素材と
し、表面の形状は、所定範囲内の外径の被矯正管を矯正
できるよう工夫された曲線で形成されている。
【0007】熱処理後、前記ロール矯正機で曲がりおよ
び楕円が矯正された伝熱管は、その後切断等の精製工程
を経た後、渦流探傷により内面から検査される。
【0008】ところが、このような工程を経て製造され
た伝熱管を内面から渦流探傷すると、軸方向に一定の周
期を有する信号が検出される。
【0009】図7は、伝熱管の渦流探傷の結果を示すチ
ャートの一例で、検査基準で定められた標準疵からの信
号Sの大きさを4Vに設定したとき、約0.8Vの大き
さの信号が周期的に発生する。この信号は、ベースノイ
ズNと呼ばれ、伝熱管の軸方向に生じる微細な寸法変動
に起因することが知られており、疵による信号と誤って
判定されるのを防止するとともに検査能率の向上のため
に、その大きさを極力小さくすることが望まれる。
【0010】すなわち、渦流探傷の際に、チャート上に
おける信号に基づいて自動判定する場合、ベースノイズ
が大きいと微小欠陥からの信号がベースノイズの中に隠
れてしまい、この微小欠陥を管毎にその軸方向位置と関
連付けて記録することができなくなる。
【0011】したがって、渦流探傷時に、その結果が表
示されるCRTを検査員が目視観察し、CRT上で疑わ
しい信号が発生すればその部分を再度低速で検査し、微
小欠陥とベースノイズとをCRT上の波形で区分してい
るため、検査能率が低い。
【0012】発明者等は、前記ベースノイズが一定の周
期をもつ微細な寸法変動であることに着目し、伝熱管を
ロール矯正する際の設定条件である、クラッシュ量およ
びオフセット量について調査した。その結果、前記寸法
変動は、伝熱管と矯正用ロールとの接触状態に起因し、
矯正時のロールのクラッシュ量およびオフセット量を、
曲がりおよび楕円を矯正できる範囲内の最適条件に設定
すれば、この一定周期をもつ微細な寸法変動を小さくす
ることができることがわかった。
【0013】しかし、この最適条件は極めて狭い範囲で
あり、また、この狭い範囲も、ロールの摩耗等の影響に
より、伝熱管をロール矯正する時期によって異なる。し
たがって、ロール矯正の都度、最適条件を探し出して設
定する必要があり、ロール矯正作業におけるロール設定
時間が極めて長くなる。また、ロール矯正に先立ち、長
時間かけてロールを最適条件に設定しても、多数の伝熱
管を連続してロール矯正すると、ロールの摩耗等によ
り、周期的な寸法変動の大きさが微妙に変化する。この
寸法変動の微妙な変化の監視と、その変化に伴うロール
の再設定が必要となり、全ての伝熱管の周期的な寸法変
動の大きさを、一定値以下の低レベルに抑えることは極
めて困難である。
【0014】周期的な寸法変動を防止するのに有効と考
えられるロール矯正方法として、クラッシュを付与する
ロールの昇降機構に液圧シリンダを用い、この液圧シリ
ンダの設定圧力を一定に保持して矯正する方法がある
(特開昭55−128318号公報参照)。しかし、こ
の方法は、被矯正管に生じる残留応力の低減には効果が
あるが、矯正用ロールは工具鋼やセラミックスを素材と
しているため、周期的な寸法変動を小さくする効果はほ
とんどない。
【0015】一方、原子力発電設備における湿分分離機
用の伝熱管としてローフィンチューブが用いられる。こ
のローフィンチューブは、冷間加工により所定の外径肉
厚に加工された管材の外面に、所定高さの螺旋状のフィ
ンをディスクロールによる冷間転造加工により形成した
後、熱処理を施して製造される。その後、熱処理により
生じた曲がりおよび楕円が、前記伝熱管の矯正と同様の
方法で矯正される。
【0016】ところが、ロール矯正機で矯正されたロー
フィンチューブは、そのフィン頂部がロールとの接触に
より挫屈してフィン高さが低くなり、所定のフィン高さ
が得られないことがある。これを防止するために、挫屈
によるフィン高さの減少分を見越した高いフィンを転造
加工により形成した場合は、転造加工における加工度が
大きくなって加工能率が低下し、また、加工度が大きく
なることに伴い、フィン頂部に加工割れが生じる虞があ
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、蒸
気発生器や給水ヒータ等の熱交換器に用いられる伝熱管
のロール矯正時に生じる周期的な寸法変動の低減、およ
びローフィンチューブのロール矯正時に生じるフィン頂
部の挫屈の防止に有効な矯正用ロールと、この矯正用ロ
ールを備えたロール矯正機を用いた伝熱管の製造方法を
提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨は、次の
(1)の矯正用ロールと、(2)の伝熱管の製造方法に
ある。
【0019】(1)ロール矯正機において、回転軸の方
向が互いに交差する状態で上下方向に対向配置して用い
る鼓形の矯正用ロールであって、ロール本体の少なくと
も外層部がスプリング式硬さHs(JIS K 630
1 A型)で50〜100の弾性体で形成されている管
の矯正用ロールである。この管は、蒸気発生器または熱
交換器に用いられる伝熱管にするのが望ましい。さら
に、この管は、湿分分離機用の伝熱管として用いられる
ローフィンチューブにすることができる。
【0020】(2)の製造工程における少なくとも最
終のロール矯正を、前記(1)に記載の管の矯正用ロー
ルを備えたロール矯正機で行う、管または各種の伝熱管
の製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の矯正用ロールの
一例を示す縦断面図で、傾斜ロール矯正機用の矯正ロー
ルである。同図において、矯正用ロール1は、ロール本
体2と軸3とからなる。ロール本体2は、JIS K
6301に規定されるスプリング式硬さ試験(A型)に
よる硬さ(以下、Hs(JIS A)と表す)が50〜
100の弾性体で形成される。このような弾性体として
合成ゴム、天然ゴム、樹脂を挙げることができるが、な
かでも耐摩耗性に優れ、原子力用発電設備の部材として
規制されるハロゲンの少ないウレタンゴムが望ましい。
【0022】弾性体の硬さをHs(JIS A)50〜
100とするのは、伝熱管の曲がりおよび楕円を矯正す
るための硬さとして、Hs(JIS A)50以上必要
で、一方、硬さがHs(JIS A)100を超えると
従来の矯正用ロールと同様に比較的大きな寸法変動およ
び、フィン頂部の挫屈が生じるためである。
【0023】この矯正用ロール1は、例えば、溶融させ
たウレタンゴムを軸3の周りに付着させた後冷却して、
ロール本体2の外径より大きい外径のロール素材を形成
し、このロール素材の外面を所定形状に切削して製造さ
れる。
【0024】図2は、本発明の矯正用ロールの他の例を
示す縦断面図で、傾斜ロール矯正機用の矯正用ロールで
ある。同図において、矯正用ロール11は、ロール外層
部12aおよびロール内層部12bを備えたロール本体
12と軸13とからなる。
【0025】ロール外層部12aは、Hs(JIS
A)が50〜100の例えばウレタンゴムで形成され
る。また、その最小厚さTは、被矯正管の材質、寸法お
よび要求される真円度や真直度にもよるが、被矯正管の
外径の10%以上とするのが好ましい。
【0026】この矯正用ロール11は、図1の矯正用ロ
ールと同様に、溶融させたウレタンゴムをロール内層部
12bの周りに付着させた後冷却して、ロール外層部1
2aの外径より大きい外径のロール素材を形成し、この
ロール素材の外面を所定形状に切削した後、ロール内層
部12bの内面に軸13をキー14および固定具15に
より嵌め合わすことにより製造される。
【0027】本発明の矯正用ロールは、図1および図2
に示す傾斜ロール型矯正機のロールのみならず、V−H
型ロール矯正機の矯正用ロールや遊星型ロール矯正機の
矯正用ロールにも適用することができる。
【0028】次に、本発明の管の製造方法を、継目無給
水ヒータ用管、ローフィンチューブおよび溶接給水ヒー
タ用管について図3〜図5に基づいて説明する。
【0029】図3は継目無給水ヒータ用管の主要な製造
工程を示す図である。同図において、熱間押出法または
ロール穿孔法などにより製造された継目無の素管は、途
中冷間加工、途中熱処理、最終冷間加工および最終熱処
理により所定の寸法、性質の給水ヒータ用管に加工され
る。
【0030】途中冷間加工の回数は特に限定しない。素
管の材質、寸法等により省略してもよいし、1回または
複数回行ってもよい。途中冷間加工法も特に限定しな
い。冷間引抜や冷間圧延などの周知の管の冷間加工法を
採用すればよい。
【0031】途中熱処理は、主に、途中冷間加工により
硬化した材料を軟化するためのもので、複数回の途中冷
間加工の間、または、途中冷間加工と最終冷間加工との
間で必要により行えばよい。
【0032】最終冷間加工法は特に限定しないが、冷間
圧延法では圧延中に管を間欠的に軸周りに回転させて圧
延ロール間に送り込むため、圧延後の管に軸方向に周期
的な寸法変動が生じる。また、マンドレルを用いた冷間
引抜法では引抜終了後、管内面からマンドレルを引き抜
くためのリーリングにより、管に軸方向の微小な寸法変
動が生じる。従ってこれらの寸法変動を避けるために、
プラグを用いる冷間引抜法によるのが好ましい。
【0033】最終熱処理は、給水ヒータ用管に必要とさ
れる強度、組織を得るためのもので、材質と必要とされ
る性質とにより、従来どおりの条件により行えばよい。
【0034】最終熱処理された給水ヒータ用管は、ロー
ル矯正により曲がりおよび楕円が矯正され、その後、切
断などの精整工程を経て検査される。
【0035】本発明の製造方法では、前記ロール矯正に
よる曲がりおよび楕円の矯正に、例えば、図1に示す矯
正用ロールを備えた傾斜ロール型ロール矯正機を用い
る。ロール矯正時は、従来と同様に、給水ヒータ用管の
外面が矯正用ロールの表面に沿うようにロール軸の交差
角度を設定し、クラッシュおよびオフセットを曲がりお
よび楕円を矯正することのできる条件範囲に設定する。
【0036】本発明の矯正用ロールは、適度の硬さと弾
性とを備えているため、一定の周期をもつ微細な寸法変
動を防止するためのクラッシュおよびオフセットの条件
範囲は、従来の矯正用ロールを用いる場合に比べて広
く、また、矯正用ロールが摩耗しても寸法変動の変化は
少ない。
【0037】なお、前記の製造工程中、途中熱処理によ
り曲がりが生じ、ロール矯正による矯正が行われること
があるが、この途中のロール矯正は、本発明の矯正用ロ
ールを備えたロール矯正機、または、従来の矯正用ロー
ルを備えたロール矯正機のいずれによってもよい。
【0038】U字状の給水ヒータ用管の場合は、図3の
工程を経た後、U字状に曲げ加工される。また、曲げ加
工の有無に拘わらず、必要により外面が研磨加工される
こともある。
【0039】なお、図3は継目無給水ヒータ用管の主要
な製造工程を示す図であるが、蒸気発生器用管も図3と
同じ工程で製造される。
【0040】図4はローフィンチューブの製造工程を示
す図である。同図において、熱間押出法またはロール穿
孔法などにより製造された継目無の素管は、途中冷間加
工および途中熱処理により所定の寸法、性質の管材に加
工され、その後、所定高さの螺旋状のフィンをディスク
ロールにより形成する冷間転造加工と、最終熱処理とに
よりローフィンチューブに加工される。最終熱処理され
たローフィンチューブは、例えば図1に示す矯正用ロー
ルを備えた傾斜ロール型矯正機により曲がりおよび楕円
が矯正され、その後、切断などの精整工程を経て検査さ
れる。本発明の矯正用ロールは、適度の硬さと弾性とを
備えているため、フィンの頂部が挫屈してフィン高さが
低くなることはない。
【0041】図5は、溶接給水ヒータ用管の製造工程を
示す図である。同図において、冷間圧延法により製造さ
れた冷延板のスリット材は、溶接造管、冷管引抜などの
冷間加工および熱処理により溶接給水ヒータ用管に加工
され、その後ロール矯正、精製工程を経て検査される。
ロール矯正では、継目無給水ヒータ用管と同様に例え
ば、図1に示す矯正用ロールを備えた傾斜ロール型矯正
機により曲がりおよび楕円が矯正される。なお、図5の
製造工程において、冷間引抜等の冷間加工が省略され、
溶接造管に続いて、熱処理および遊星型ロール矯正機に
よるロール矯正がオンラインで行われることがあるが、
この場合は、遊星型ロール矯正機の矯正用ロールに本発
明の矯正用ロールを使用する。
【0042】
【実施例】〈実施例1〉材質がASME SB−163
UNS N06690のNi基合金で、外径55m
m、肉厚7mmの継目無素管から、図3の工程により外
径22.23mm、肉厚1.3mmの蒸気発生器用管を
製造した。なお、最終冷間加工は、プラグを用いる冷間
引抜法とした。この蒸気発生器用管に図2に示す本発明
の矯正用ロールを備えた傾斜型ロール矯正機および従来
の矯正用ロールを備えた傾斜型ロール矯正機により曲が
りおよび楕円の矯正を施した。用いた矯正用ロールおよ
びロール矯正の条件を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】矯正後の蒸気発生器用管各50本につい
て、外径変動ピッチおよび各ピッチ内の外径変動量を測
定した後、その内面から渦流探傷により検査し、標準疵
の信号Sの大きさとベースノイズNの大きさとの比(S
/N)を調査した。渦流探傷の条件は、蒸気発生器用管
と同じ材質、寸法の管に標準疵として径が0.84mm
の貫通孔を設けた試験材を、400KHzの周波数で検
査したときの前記貫通孔による信号の大きさを4Vに設
定した。
【0045】結果を表1にあわせて示す。なお、表1で
は各外径変動ピッチにおける外径変動量のうち最も大き
いものを最大変動量として表した。表1からわかるよう
に、本発明例では外径変動量が0.004mmと従来例
の0.015mmに対して大幅に減少し、渦流探傷にお
けるS/Nも格段に向上した。
【0046】〈実施例2〉材質がASME SB−16
3 UNS N06690のNi基合金で、外径55m
m、肉厚7mmの継目無素管から、図3の工程により外
径19.05mm、肉厚1.1mmの蒸気発生器用管を
製造した。なお、最終冷間加工は、実施例1と同様にプ
ラグを用いる冷間引抜法とした。この蒸気発生器用管に
図2に示す矯正用ロールを備えた傾斜型ロール矯正機に
より曲がりおよび楕円の矯正を施した。用いた矯正用ロ
ールおよびロール矯正の条件を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】矯正後の蒸気発生器用管各50本につい
て、外径変動ピッチ、最大変動量およびS/Nを実施例
1と同様の方法で調査した。なお、渦流探傷の条件は、
蒸気発生器用管と同じ材質、寸法の管に標準疵として径
が0.66mmの貫通孔を設けた試験材を、550KH
zの周波数で検査したときの前記貫通孔による信号の大
きさを4Vに設定した。
【0049】結果を表2にあわせて示す。表2からわか
るように、硬さが本発明で規定する硬さより硬い比較例
では外径変動量が0.015mm、S/Nが3〜10で
あったのに対し、本発明例では外径変動量が0.005
mm、S/Nが20〜50と大幅に向上した。
【0050】〈実施例3〉 材質がJIS G3463 SUS304TBのステン
レス鋼で、外径46mm、肉厚4mmの継目無素管か
ら、図3の工程により外径15.9mm、肉厚1.2m
mの給水ヒータ用管を製造した。なお、最終冷間加工
は、実施例1と同様にプラグを用いる冷間引抜法とし
た。この給水ヒータ用管に図1に示す本発明の矯正用ロ
ールを備えた傾斜型ロール矯正機および従来の矯正用ロ
ールを備えた傾斜型ロール矯正機により曲がりおよび楕
円の矯正を施した。用いた矯正用ロールおよびロール矯
正の条件を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】矯正後の給水ヒータ用管各50本につい
て、外径変動ピッチ、最大変動量およびS/Nを実施例
1と同様の方法で調査した。なお、渦流探傷の条件は、
給水ヒータ用管と同じ材質、寸法の管に標準疵として径
が0.2mmの貫通孔を設けた試験材を、200KHz
の周波数で検査したときの前記貫通孔による信号の大き
さを2Vに設定した。
【0053】結果を表3にあわせて示す。表3からわか
るように、本発明例では外径変動量が0.003mmと
従来例の0.011mmに対して大幅に減少し、渦流探
傷におけるS/Nも格段に向上した。
【0054】〈実施例4〉 材質がJIS G3463 SUS410TiTBのス
テンレス鋼で、外径45mm、肉厚5mmの継目無素管
から、図4の工程により外径19.05mm、肉厚1.
9mmの管材を製造し、その後冷間転造加工により高さ
1.45mm、先端部の幅0.15mm、ピッチ0.9
8mmのフィンが外面に形成されたローフィンチュブ
を製造した。このローフィンチューブに図2に示す本発
明の矯正用ロールを備えた傾斜型ロール矯正機および従
来の矯正用ロールを備えた傾斜型ロール矯正機により曲
がりおよび楕円の矯正を施した。用いた矯正用ロールお
よびロール矯正の条件を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】矯正後のローフィンチューブ各50本につ
いて、フィン頂部の挫屈量を調査した。結果を表4にあ
わせて示す。なお、挫屈量は、矯正前のフィン高さと矯
正後のフィン高さとの差の平均値とした。表4からわか
るように、従来例では、0.05mmの挫屈が発生した
のに対し本発明例では挫屈は発生しなかった。
【0057】
【発明の効果】この発明の矯正用ロールを備えたロール
矯正機により伝熱管の楕円や曲がりを矯正すれば、蒸気
発生器用管や給水ヒータ用管では、ロール矯正時に生じ
る周期的な寸法変動を低減することができる。また、ロ
ーフィンチューブでは、ロール矯正時にフィン頂部が挫
屈するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の矯正用ロールの一例を示す縦断面図で
ある。
【図2】本発明の矯正用ロールの他の例を示す縦断面図
である。
【図3】本発明の継目無給水ヒータ用管の主要な製造工
程を示す図である。
【図4】本発明のローフィンチューブの主要な製造工程
を示す図である。
【図5】本発明の溶接給水ヒータ用管の主要な製造工程
を示す図である。
【図6】ロール矯正の一例を説明する模試図である。
【図7】伝熱管の渦流探傷結果を示すチャートの一例で
ある。
【符号の説明】
1、11:矯正用ロール 2、12:ロール本体 3、13:軸. 12a:ロール外層部 12b:ロール内層部 14:キー 15:固定具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−178319(JP,A) 特開 昭63−199024(JP,A) 特開 平1−166808(JP,A) 実開 昭62−34919(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 3/02 B21D 3/05

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロール矯正機において、回転軸の方向が互
    いに交差する状態で上下方向に対向配置して用いる鼓形
    の矯正用ロールであって、ロール本体の少なくとも外層
    部がスプリング式硬さHs(JIS K 6301 A
    型)で50〜100の弾性体で形成されていることを特
    徴とする管の矯正用ロール。
  2. 【請求項2】上記管が蒸気発生器または熱交換器に用い
    られる伝熱管であることを特徴とする請求項1に記載の
    矯正用ロール。
  3. 【請求項3】上記管が湿分分離機用の伝熱管として用い
    られるローフィンチューブであることを特徴とする請求
    項1に記載の矯正用ロール。
  4. 【請求項4】管の製造工程における少なくとも最終のロ
    ール矯正を、請求項1〜3に記載の矯正用ロールを備え
    たロール矯正機で行うことを特徴とする管の製造方法。
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