JP3433389B2 - 遮断構造物の漏水・漏気の検出方法 - Google Patents

遮断構造物の漏水・漏気の検出方法

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JP3433389B2
JP3433389B2 JP18892296A JP18892296A JP3433389B2 JP 3433389 B2 JP3433389 B2 JP 3433389B2 JP 18892296 A JP18892296 A JP 18892296A JP 18892296 A JP18892296 A JP 18892296A JP 3433389 B2 JP3433389 B2 JP 3433389B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、汚染された地層
や土壌の対策工および廃棄物の中間処理場ならびに最終
処分場などの遮水工・遮気工の欠陥もしくは破損箇所か
ら地中に漏洩する汚水、漏出ガスの有無を早期に検出す
るための遮断構造物からの漏水漏気検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】廃棄物の中間処理場ならびに最終処分場
では、廃棄物から有害物質の浸出や有害ガスが発生し、
地層中に浸透して土壌汚染や地下水汚染の原因となる。
このため、廃棄物の中間処理場ならびに最終処分場に
は、これらの有害物質や有害ガスの地層中への浸透や公
共水域への流出を防止すべく、遮水工が施されるのが一
般的である。遮水工としては、粘土、ビニールシート、
アスファルト等を埋立地の側面部、底面部へ敷設した
り、あるいは難透気層まで止水鋼矢板を打ち込む等の工
法が取られる。
【0003】また、汚染された地層もしくは汚染された
土を周辺から隔離する対策工としては、遮断工、遮水工
ならびに被覆工による封じ込め法や、化学的処理や固化
などの不溶化による封じ込め法がある。遮断工は、構造
物を構築し、この構造物の遮断の性能によって汚染され
た地層もしくは汚染された土を周辺から隔離するもの
で、コンクリート遮断槽に封じ込める方法、地中に連続
する壁状の構造物により封じ込める方法がある。また、
遮水工は、遮水シート、粘土、コンクリート地中壁など
を側面や底面に布設する方法である。さらに、被覆工に
は、覆土、植栽工、アスファルト塗装による保護または
飛散を防ぐもの、もしくは特殊な塗料による塗装法など
がある。化学的処理は、汚染物質が出てこないように難
溶性の硫化物を生成や還元させたりして、有害物質の溶
出量を低減させる方法で、処理土は現場封じ込め処分あ
るいは産業廃棄物として最終処分場に埋め立て処分され
る。また、固化は、汚染した地層または土に水硬性セメ
ントなどを混合させて固化したのち、コンクリート遮断
槽や遮水槽に封じ込める方法である。
【0004】軟弱な地盤上に施工した遮水工、遮断工、
被覆工や化学的処理による固化土、水硬性セメントなど
による固化土(以下これらを総称して遮断構造物とい
う)は、埋立てに伴う沈下現象などによってひび割れが
生じたり、遮水シートの場合にはシートがちぎれたりし
て遮水の機能が損なわれることがある。また、最も一般
的なシート系遮水工の欠陥発生原因は、設計時において
は排水対策不良、沈下予測不良、沈下対策不良などがあ
り、建設時においては接合不良、法面整形不良、伐木・
除根不良があり、供用時においては転圧時重機急旋回、
保護土不足、重機による直接損傷、法面部への直接埋立
などがある。また、コンクリートなどの遮断構造物にお
いても欠陥発生原因は、遮水シートの場合と変わりなく
同様の原因が設計時、建設時、供用時に発生する。
【0005】上記遮断構造物に欠陥や破損が発生した場
合は、廃棄物および汚染した地層もしくは土壌から浸出
した汚染物質が欠陥部や破損部から地中に浸透して土壌
汚染や地下水汚染の原因となる。このため、遮断構造物
が健全であるか否かの確認方法としては、遮断構造物を
ブロック分割し、ブロック毎に遮断構造物下部に専用の
集水暗渠を設置し、この水質の変化から漏水を検知する
方法、遮水シートが電気的に絶縁性が高いこと、中間処
理場および最終処分場の内外は遮水シートにより電気的
に絶縁されていることになる点に着目し、この状態で遮
水工に欠陥が生じると、中間処理場および最終処分場内
外は欠陥発生地点で短絡されるので、この状態変化を電
気的に把握することにより漏水地点を把握する方法、遮
水シートを二重化し、これをブロックに分割し、ブロッ
ク毎に専用配管を行い、これに送気または排気すること
により欠陥を検出する方法がある。
【0006】また、廃棄物中で発生するメタンガス等の
大気中への漏洩を防止すべく、メタンガス等発生部位の
上部や周囲にコンクリート壁などの遮気壁を設置した場
合には、この遮気壁の遮蔽の度合いを確認する必要があ
る。このような場合には、遮気壁の上部でメタンガス検
知器などを用いて漏洩を検知している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記ブロック毎の集水
暗渠の水質変化から遮水工の欠陥を確認する方法は、間
接的に漏洩しているか否かを検知しているのみであっ
て、直接遮断構造物に欠陥や破損が起きているか判断す
ることはできない。さらに、集水暗渠を新規に設置する
からには、設計変更を行う必要があり、既設の遮断構造
物への適用は難しい。また、地盤中に電気を流す方法
は、間接的に漏洩しているか否かを検知しているのみで
あって、直接遮断構造物に欠陥や破損が起きているかは
判断できない。またこの検知システムは、地盤が地下水
によって飽和されているか、あるいは地下水が存在して
いる必要があり、地下水の存在していない場所では漏水
または浸出ガスを検知することはできないという欠点を
有している。
【0008】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、廃棄物の中間処理場ならびに最終処分場および
汚染した地層もしくは土壌の遮断構造物の欠陥もしくは
破損を容易に検出できる遮断構造物の漏水・漏気の検出
方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、遮断構造物
の外側もしくは遮断構造物自体に送気孔を設置し、該送
気孔にトレーサーガスまたはトレーサーガス混入気体を
圧入し、廃棄物中間処理場または最終処分場内に設置し
た観測孔、ガス抜き管あるいは廃棄物上面、覆土表面な
どでトレーサーガスディテクターによってトレーサーガ
スのリークの有無検出を常時あるいは適時に行うことと
している。このように、遮断構造物の外側もしくは遮断
構造物自体に送気孔を設置し、トレーサーガスまたはト
レーサーガス混入気体を圧入すれば、遮断構造物に欠陥
や破損があるとトレーサーガスまたはトレーサーガス混
入気体が廃棄物中間処理場または最終処分場内部に透気
し漏洩してくる。したがって、廃棄物中間処理場または
最終処分場内に設置した観測孔、ガス抜き管あるいは廃
棄物上面、覆土表面などでトレーサーガスディテクター
によってトレーサーガスのリークの有無を検出すれば、
遮断構造物の欠陥の有無を検査することができる。
【0010】また、この発明は、ガス発生源周辺に設置
した遮断構造物の外側あるいは遮断構造物自体に送気孔
を設置し、該送気孔にトレーサーガスまたはトレーサー
ガス混入気体を圧入し、廃棄物中間処理場および最終処
分場の廃棄物上面、覆土表面などでトレーサーガスディ
テクターによってトレーサーガスのリークの有無検出を
常時あるいは適時に行うこととしている。このように、
ガス発生源周辺に設置した遮断構造物の外側あるいは遮
断構造物自体に送気孔を設置し、該送気孔にトレーサー
ガスまたはトレーサーガス混入気体を圧入すれば、遮断
構造物に欠陥があるとトレーサーガスまたはトレーサー
ガス混入気体が遮断構造物を透過して遮断構造物上面、
覆土表面などに漏洩してくる。したがって、遮断構造物
上面、覆土表面などでトレーサーガスディテクターによ
ってトレーサーガスのリークの有無を検出すれば、ガス
発生源周辺に設置した遮断構造物の欠陥の有無を検査す
ることができる。
【0011】さらに、この発明は、汚染した地層や土壌
を遮断構造物内に封じ込めて拡散を防止する封じ込め法
の遮断構造物の外側あるいは遮断構造物自体に送気孔を
設置し、該送気孔にトレーサーガスまたはトレーサーガ
ス混入気体を圧入し、遮断構造物内部に設置した観測孔
あるいは表面などでトレーサーガスディテクターによっ
てトレーサーガスのリークの有無検出を常時あるいは適
時に行うこととしている。このように、汚染した地層や
土壌を内部に封じ込めた遮断構造物の外側あるいは遮断
構造物自体に送気孔を設置し、該送気孔にトレーサーガ
スまたはトレーサーガス混入気体を圧入すれば、遮断構
造物に欠陥があるとトレーサーガスまたはトレーサーガ
ス混入気体が遮断構造物を透過して遮断構造物上面、覆
土表面などに漏洩してくる。したがって、遮断構造物上
面、覆土表面などでトレーサーガスディテクターによっ
てトレーサーガスのリークの有無を検出すれば、汚染し
た地層や土壌を内部に封じ込めた遮断構造物の欠陥の有
無を検査することができる。
【0012】さらにまた、この発明は、汚染した地層や
土壌を不溶化処理により封じ込めた不溶化処理土内部も
しくは不溶化処理土周辺部分に送気孔を設置し、該送気
孔にトレーサーガスまたはトレーサーガス混入気体を圧
入し、不溶化処理土周辺もしくは不溶化処理土内部に設
置した観測孔あるいは表面などでトレーサーガスディテ
クターによってトレーサーガスのリークの有無検出を常
時あるいは適時に行うこととしている。このように、汚
染した地層や土壌を不溶化処理により封じ込めた不溶化
処理土内部もしくは不溶化処理土周辺部分に送気孔を設
置し、該送気孔にトレーサーガスまたはトレーサーガス
混入気体を圧入すれば、不溶化処理土に欠陥があるとト
レーサーガスまたはトレーサーガス混入気体が不溶化処
理土を透過して不溶化処理土外側もしくは内側に漏洩し
てくる。したがって、不溶化処理土外側もしくは内側で
トレーサーガスディテクターによってトレーサーガスの
リークの有無を検出すれば、不溶化処理の効果を判定す
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の遮断構造物の漏水・漏
気の検出方法では、廃棄物中間処理場または最終処分場
の場合は遮断構造物の外側あるいは遮断構造物自体に送
気孔を設置し、該送気孔にトレーサーガスまたはトレー
サーガス混入気体を圧入し、廃棄物中間処理場または最
終処分場に設置した観測孔、ガス抜き管あるいは廃棄物
上面、覆土表面などでトレーサーガスディテクターによ
ってトレーサーガスのリークの有無を検知し、遮断構造
物の欠陥もしくは破損の有無あるいは不溶化処理の効果
を判定する。
【0014】また、この発明の廃棄物処分場のガス発生
源上部に施工した遮断構造物の漏気の検出方法において
は、ボーリングによって遮断構造物の外側あるいは遮断
構造物自体に送気孔を設置し、該送気孔にトレーサーガ
スまたはトレーサーガス混入気体を圧入し、遮断構造物
上面、覆土表面などでトレーサーガスディテクターによ
ってトレーサーガスのリークの有無を検知し、ガス発生
源上部に施工した遮断構造物の欠陥や破損の有無を判定
する。
【0015】さらに、この発明の汚染された地層や土壌
を遮断構造物内に封じ込めて拡散を防止する封じ込め法
の遮断構造物の外側あるいは遮断構造物自体に送気孔を
設置し、該送気孔にトレーサーガスまたはトレーサーガ
ス混入気体を圧入し、遮断構造物内部に設置した観測孔
あるいは表面などでトレーサーガスディテクターによっ
てトレーサーガスのリークの有無を検出し、内部に汚染
された地層や土壌を封じ込めた遮断構造物の欠陥や破損
の有無を判定する。
【0016】さらにまた、この発明の汚染された地層や
土壌を不溶化処理により封じ込めた不溶化処理土内部も
しくは不溶化処理土周辺部分に送気孔を設置し、該送気
孔にトレーサーガスまたはトレーサーガス混入気体を圧
入し、不溶化処理土周辺もしくは不溶化処理土内部に設
置した観測孔あるいは表面などでトレーサーガスディテ
クターによってトレーサーガスのリークの有無を検出
し、不溶化処理の効果を確認する。
【0017】この発明におけるトレーサーガスとして
は、地層は緻密であり、かつ土粒子は吸着力を有するた
め、特に不活性なガス、特に常温常圧下においてガス状
で、吸着剤などに吸着されないばかりでなく、大気中に
微量にしか存在していないかあるいは存在していないガ
ス、例えば、ヘリウム、フロン、六フッ化硫黄あるいは
ネオンを使用すれば、空気や窒素やメタンに混入した状
態でも検出できるが、フロンの場合は環境汚染の問題が
ある。トレーサーガスの供給は、トレーサーガス単独あ
るいはトレーサーガスを空気や窒素やメタンなどに混入
し、送気孔から意図する圧力、流量で供給する。
【0018】上記トレーサーガスは、通常ボンベに高圧
状態で充填されているため、透気度測定現場に運搬で
き、大型で高価なコンプレッサーやタンクを準備するこ
となく、減圧器、ニードルバルブ等を用いることによっ
て、毒性、引火性等危険な性状でないため、公害を引き
起こすことなく、安全に意図する圧力、ガス流量で送気
孔から供給することができる。
【0019】この発明において観測孔または地表面や廃
棄物表面から吸引したガスをトレーサーガスディテクタ
ーを用いて検出できる装置は、トレーサーガスを選択的
にまた連続的に容積比で百万分の一から十億分の一程度
の濃度で検出するには、ガスクロマトグラフ、ガスクロ
マトグラフ質量分析計あるいはトレーサーガスディテク
ターが考えられるが、コンパクトで運搬し易く、その場
で連続的に測定でき、操作が簡単であると共に、高感度
であるため、圧送空気にトレーサーガスを混入した状態
でも検知でき、応答時間の遅れの心配もないことから、
トレーサーガスディテクターを選択した。トレーサーガ
スディテクターとしては、トレーサーガスがヘリウムの
場合はヘリウムリークディテクター、トレーサーガスが
フロンの場合はフロンリークディテクター、トレーサー
ガスが六フッ化硫黄の場合はハロゲンリークディテクタ
ー、トレーサーガスがネオンの場合はネオンリークディ
テクターを使用する。
【0020】この発明における送気孔は、廃棄物中間処
理場または最終処分場の遮断構造物の破損による漏水・
漏気の検知においては、遮断構造物が1枚の不透水シー
ト、粘土層、鋼矢板、コンクリート地中壁の場合は遮断
構造物の外側、望ましくは下部中央に達するように設置
し、遮断構造物が二重化した袋状不透水シートの場合は
遮断構造物自体に設置し、送気したトレーサーガスまた
はトレーサーガス混入気体が破損した遮断構造物を透過
して廃棄物処分場内にスムーズに透過できる構造のもの
を用いる。また、廃棄物処分場のガス発生源上部に施工
した遮断構造物の漏気の検出においては、遮断構造物が
1枚の不透水シート、粘土層、鋼矢板、コンクリート地
中壁の場合は遮断構造物の外側、遮断構造物が二重化し
た不透水シートの場合は遮断構造物自体に送気孔を設
け、送気したトレーサーガスまたはトレーサーガス混入
気体が破損した遮断構造物を透過して遮断構造物上面、
覆土表面にスムーズに透過できる構造のものを用いる。
【0021】さらに、汚染された地層や土壌を遮断構造
物内に封じ込めて拡散を防止する封じ込め法の遮断構造
物の破損による漏水・漏気の検知においては、遮断構造
物が1枚の不透水シート、粘土層、鋼矢板、コンクリー
ト地中壁の場合は遮断構造物の外側、望ましくは下部中
央に達するように設置し、遮断構造物が二重化した袋状
不透水シートの場合は遮断構造物自体に設置し、送気し
たトレーサーガスまたはトレーサーガス混入気体が破損
した遮断構造物を透過して遮断構造物の上面、覆土表面
にスムーズに透過できる構造のものを用いる。また、汚
染された地層や土壌を不溶化処理により封じ込めた不溶
化処理の効果判定においては、不溶化処理土内部もしく
は不溶化処理土周辺部分に送気孔を設置し、該送気孔に
トレーサーガスまたはトレーサーガス混入気体を圧入
し、不溶化処理土周辺もしくは不溶化処理土内部に設置
した観測孔あるいは表面などでトレーサーガスディテク
ターによってトレーサーガスのリークの有無を検出し、
不溶化処理の効果を判定する。
【0022】
【実施例】
実施例1 以下にこの発明の詳細をトレーサーガスとしてヘリウム
ガスを使用し、トレーサーガスディテクターとしてヘリ
ウムリークディテクターを使用した場合について説明す
るが、この発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0023】この発明の廃棄物最終処分場の遮水工の漏
水・漏気の検出方法を図1に基づいて説明する。図1は
廃棄物最終処分場の遮水工の漏水・漏気の検出原理の説
明図である。図1において、1は遮水シートからなる遮
断構造物、2は遮断構造物1の上部に埋められた廃棄
物、3はボーリングマシンによって遮断構造物1の下部
中央に達するように廃棄物処分場に設置された遮断構造
物の外側から穿孔した送気孔で、先端にストレーナ加工
部4を有する送気パイプ5からなる。6は150×10
5Paの圧力でヘリウムガスが充填されているヘリウム
ガスボンベ、7は圧力調整弁、8は流量調整弁、9は圧
力計、10は流量計で、ヘリウムガスボンベ6から圧力
調整された所定量のヘリウムガスは、送気パイプ5に連
結されたヘリウムガス供給管11を介して送気パイプ5
に圧入され、ストレーナ加工部4から地層12中に浸透
するよう構成されている。
【0024】13は台車14に搭載されたパージ用の真
空ポンプで、真空ポンプ13の吸込み側は、先端にフー
ド15を有する吸引管16と圧力計17、流量計18お
よび流量調整弁19を介して連結され、吐出側は大気中
に開放されている。20は同じく台車14に搭載された
ヘリウムリークディテクターで、ヘリウムリークディテ
クター20を起動すると、フード15を介して廃棄物表
面からの透過ガスを所定の流量で吸引するよう構成され
ている。なお、21は送気パイプ5の上端とヘリウムガ
ス供給管11との隙間を密閉するゴム栓である。
【0025】上記のとおり構成したことによって、廃棄
物最終処分場の遮断構造物1の破損による漏水・漏気の
有無を検出する場合は、予め吸引管16から地上ガスを
真空ポンプ13により吸引して吸引管16内をバージし
たのち、ヘリウムリークディテクター20を作動して地
上ガスを吸引し、バックグラウンドとして測定してお
く。そして、圧力計9、流量計10を見ながら圧力調整
弁7、流量調整弁8を操作して予め設定された圧力、流
量でヘリウムガスボンベ6からヘリウムガスをヘリウム
ガス供給管11を介して送気パイプ5に圧入し、ストレ
ーナ加工部4から遮断構造物1の下部に浸透させる。
【0026】一方、遮断構造物1の破損による漏水・漏
気の有無検出は、台車14を遮断構造物1の上部に堆積
した廃棄物2上まで移動させ、ヘリウムリークディテク
ター20を起動して流量計18を見ながら流量調整弁1
9を操作して廃棄物2表面に位置させたフード15を介
して予め設定された流量でガスを吸引し、ヘリウムリー
クディテクター20のヘリウムガス検知ブザーが鳴るか
どうかを検査する。遮断構造物1が破損している場合
は、遮断構造物1の破損箇所から遮断構造物1の下部に
浸透させたヘリウムガスが浸透し、廃棄物2層を透過し
て廃棄物2表面に排出されるので、ヘリウムリークディ
テクター20のヘリウムガス検知ブザーが鳴る。また、
遮断構造物1に破損がない場合は、遮断構造物1の下部
に浸透させたヘリウムガスは、遮断構造物1を透過して
廃棄物2層に侵入することがなく、廃棄物2表面でのヘ
リウムリークディテクター20のヘリウムガス検知ブザ
ーは鳴らない。したがって、遮断構造物1の破損による
漏水・漏気の有無は、ヘリウムリークディテクター20
のヘリウムガス検知ブザーが鳴るか鳴らないかによって
判定することができる。
【0027】なお、この発明における廃棄物中間処理場
または最終処分場のガス発生源上部に施工した遮断構造
物の漏気の検出は、送気孔3を遮断構造物1の下部中央
に達するように穿孔するのに代えて、廃棄物処分場の廃
棄物のガス発生源上部に施工した遮断構造物の下部中央
に達するように穿孔するのが異なるのみで、その他は前
記と同様であるので、説明は省略する。
【0028】実施例2 ヘリウムガスおよびヘリウムリークディテクターを用
い、遮水工の破損の有無試験を実施した。試験は、関東
ローム層の地表に直径約2m、深さ約1mのすり鉢状の
穴を2個掘削し、一方の穴に破損のないビニールシート
からなる遮水シートを、他方の穴には約5mmの孔を有
するビニールシートからなる遮水シートを敷いたのち、
それぞれの遮水シート上に掘削時に掘り起こした土を埋
め戻した。しかるのち、ボーリングバーを用いてそれぞ
れの穴の近傍からそれぞれの遮水シート下部中央に達す
る内径20mmの送気孔を穿孔し、該送気孔に先端5c
mをストレーナ加工した送気パイプを底まで挿入して送
気孔との隙間を密閉した。
【0029】ついで150×105Paの圧力で充填さ
れているヘリウムガスボンベから圧力計および流量計を
見ながら圧力調整弁、流量調整弁を介してヘリウムガス
ボンベから1.3×105Paの供給圧力でヘリウムガ
スを送気パイプに連結されたヘリウムガス供給管を介し
て送気パイプのストレーナ加工部に10分間通ガスし、
ストレーナ加工部から地層中に縦幅5cmで放射状に通
ガス浸透させながら、各遮水シートの中央部の地表面か
らヘリウムリークディテクターを起動して流量計を見な
がら流量調整弁を操作し、予め設定された流量0.2L
/minでフードを介してガスを吸引し、ヘリウムガス
検知ブザーが鳴るか鳴らないかを試験した。
【0030】その結果、約5mmの孔を有する遮水シー
トを敷いた場合は、通ガス開始後約20秒後にヘリウム
ガス検知ブザーが鳴ったが、破損のない遮水シートを敷
いた場合は、2時間経過してもヘリウムガス検知ブザー
が鳴らなかった。
【0031】実施例3 関東ローム層の地表に1m四方、1mの深さの区間でロ
ームと水硬性セメント370kgを混合させ、原位置に
て固化を行った。その後、固化土中心部に深さ80cm
の送気孔を穿孔して全区間をストレーナー加工した送気
管を挿入し、固化土周辺の境目の固化していない場所に
深さ80cmの観測孔を四方に4ヵ所穿孔して全区間を
ストレーナー加工した吸引管を挿入し、ヘリウムガスボ
ンベから1.3×105Paの供給圧力でヘリウムガス
を送気管に予め設定された流量1L/minで2昼夜
(48時間)ヘリウムを流し続けながら、各ヘリウムリ
ークディテクターを起動して各吸引管から流量調整弁を
操作し、予め設定された流量0.2L/minでガスを
吸引し、ヘリウムガス検知ブザーが鳴るか鳴らないかを
試験したが、いずれの吸引管もヘリウムガス検知ブザー
が鳴らなかった。
【0032】
【発明の効果】この発明は、廃棄物中間処理場または処
分場の遮水工や汚染された地層や土壌の対策工の欠陥や
破損に起因する漏水、漏気や不溶化処理効果をトレーサ
ーガスとトレーサーガスディテクターを用いて観測孔ま
たは地表面や汚染物質表面へのトレーサーガスの排出有
無を測定することにより検知することができ、早期に遮
水工や対策工の欠陥や破損の発生検出や不溶化処理効果
を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃棄物最終処分場の漏水・漏気の検出原理の説
明図である。
【符号の説明】
1 遮断構造物 2 廃棄物 3 送気孔 4 ストレーナ加工部 5 送気パイプ 6 ヘリウムガスボンベ 7 圧力調整弁 8、19 流量調整弁 9、17 圧力計 10、18 流量計 11 ヘリウムガス供給管 12 地層 13 真空ポンプ 14 台車 15 フード 16 吸引管 20 ヘリウムリークディテクター 21 ゴム栓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日比 裕之 和歌山県和歌山市湊1850番地 共同酸素 株式会社 和歌山工場内 (72)発明者 佐藤 尚弘 東京都江東区新大橋1丁目8番11号 明 治コンサルタント株式会社内 (72)発明者 小林 滋 東京都江東区新大橋1丁目8番11号 明 治コンサルタント株式会社内 (72)発明者 長谷川 香 東京都江東区新大橋1丁目8番11号 明 治コンサルタント株式会社内 (72)発明者 杉浦 敏彦 東京都江東区新大橋1丁目8番11号 明 治コンサルタント株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−134930(JP,A) 特開 平8−57439(JP,A) 特開 平2−136414(JP,A) 特開 平6−213756(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 3/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物中間処理・最終処分場などにおけ
    る遮水・遮気を目的とした遮断構造物の破損による漏水
    ・漏気の検出方法において、遮断構造物の外側もしくは
    遮断構造物自体に送気孔を設置し、該送気孔にトレーサ
    ーガスまたはトレーサーガス混入気体を圧入し、廃棄物
    処分場内に設置した観測孔、ガス抜き管あるいは廃棄物
    上面、覆土表面などでトレーサーガスディテクターによ
    ってトレーサーガスのリークの有無検出を常時あるいは
    適時に行うことを特徴とする廃棄物処理・処分場の漏水
    ・漏気の検出方法。
  2. 【請求項2】 廃棄物中間処理場および最終処分場など
    のガス発生源周辺に設置した遮断構造物の漏気の検出方
    法において、遮断構造物の外側もしくは遮断構造物自体
    に送気孔を設置し、該送気孔にトレーサーガスまたはト
    レーサーガス混入気体を圧入し、廃棄物中間処理場およ
    び最終処分場などの廃棄物上面、覆土表面などでトレー
    サーガスディテクターによってトレーサーガスのリーク
    の有無検出を常時あるいは適時に行うことを特徴とする
    廃棄物中間処理場および最終処分場のガス発生源周辺に
    設置した遮断構造物の漏気の検出方法。
  3. 【請求項3】 汚染した地層や土壌を遮断構造物内に封
    じ込めて拡散を防止する封じ込め法の遮断構造物の破損
    による漏水・漏気の検出方法において、遮断構造物の外
    側もしくは遮断構造物自体に送気孔を設置し、該送気孔
    にトレーサーガスまたはトレーサーガス混入気体を圧入
    し、遮断構造物内部に設置した観測孔あるいは表面など
    でトレーサーガスディテクターによってトレーサーガス
    のリークの有無検出を常時あるいは適時に行うことを特
    徴とする遮断構造物の漏水・漏気の検出方法。
  4. 【請求項4】 汚染した地層や土壌を不溶化処理により
    封じ込めて地層や土壌を遮断構造物化する対策工の効果
    を判定する方法において、不溶化処理土内部もしくは不
    溶化処理土周辺部分に送気孔を設置し、該送気孔にトレ
    ーサーガスまたはトレーサーガス混入気体を圧入し、不
    溶化処理土周辺もしくは不溶化処理土内部に設置した観
    測孔あるいは表面などでトレーサーガスディテクターに
    よってトレーサーガスのリークの有無検出を常時あるい
    は適時に行うことを特徴とする固化処理の効果判定方
    法。
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