JP3782845B2 - 汚染した地層または廃棄物集積箇所における透気性および透気範囲測定方法 - Google Patents

汚染した地層または廃棄物集積箇所における透気性および透気範囲測定方法 Download PDF

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、汚染した地層や廃棄物集積箇所、例えば廃棄物の中間処理場あるいは最終処分場の汚染物質または廃棄物から発生するガスを除去する施設の装置設計、運転条件を得るための汚染した地層または廃棄物集積箇所における透気性および透気範囲測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般廃棄物や産業廃棄物に含まれる有機物は、その中に生息する微生物により分解され、ガスや浸出水を生じる。その微生物は、代謝様式の違いによって分類すると、好気性、嫌気性微生物および通性嫌気性微生物に分けられる。このうち、好気性微生物は、動植物と同様に呼吸し、栄養分を酸化することによりエネルギーを得ると共に、炭酸ガスを生成する。一方、嫌気性微生物は、酸素のない条件下で、発酵によりエネルギーを得、アルコール類、有機酸、炭酸ガス、メタン、硫化水素等を生成するという代謝を営んでいる。また、通性嫌気性微生物は、酸素の存在下では好気性微生物、酸素のない条件下では嫌気性微生物と同様な代謝を営んでいる。
【0003】
汚染した地層や廃棄物集積箇所で発生するガスの量や質は、廃棄物の性状と、地層中の場合には地層内部の性状によって決まる。廃棄物や地層内部が、嫌気性の状態にあればメタンや炭酸ガス等、好気性であれば炭酸ガスが発生する。また、廃棄物や地層内部は、嫌気性領域と好気性領域がさまざまに入り混じっており、これら発生ガスによる火災やガス爆発、あるいは地温上昇に伴う周辺動植物の生態系への悪影響等の危険性があるため、できるだけ速やかに廃棄物や地層中からガスを除去することが重要になる。廃棄物や地層中からのガス抜き施設は、適当な間隔をおいてガス抜き管を設置することが必要である。ガス抜き管の間隔を決める簡便法としては、例えば、廃棄物最終処分場の場合、埋立深さ、覆土厚、廃棄物層の透気係数、覆土層の透気係数、管径を用いたダイヤグラムが知られている。なお、この発明でいう地層とは、地表面を構成する土壌および人工的に形成された盛り土、埋土をも含むものをいう。
【0004】
一方、トリクロロエチレン等の揮発性有機塩素化合物による土壌、地下水汚染は、大きな社会問題となっており、その浄化対策が急がれている。揮発性有機塩素化合物で汚染された地層や廃棄物集積箇所の汚染物質を除去する方法は、一般的には汚染領域の地表面から吸引井戸を掘削し、土壌中の揮発性有機塩素化合物を減圧下で気化させ、地上に取り出す真空抽出法が用いられている。また、前記真空抽出法のほかには、汚染物質近傍に空気を圧入し、大気中に汚染物質を気化排出させて浄化する空気圧入法が知られている。さらに、その他の方法としては、地層中や廃棄物中に栄養源、酸素ガス、メタンガス等を注入して微生物を活性化させ、これによって汚染物質を分解させて浄化するバイオレメディエーションが知られている。
【0005】
上記真空抽出法を実施するには、汚染領域における透気性および透気範囲を測定し、該測定結果に基づいて真空ポンプの能力算出、地層中や廃棄物中の減圧範囲の推定、吸引井戸の掘削に関する設計、運転条件の設定を行う必要がある。また、空気圧入法を実施するには、同様に汚染領域における透気性および透気範囲を測定し、該測定結果に基づいて空気圧送ブロワーの能力算出、圧入空気の影響範囲の推定、空気圧入用ストレーナーパイプの設置に関する設計、運転条件の設定を行う必要がある。さらに、バイオレメディエーションを実施するには、汚染領域における透気性および透気範囲を測定し、該測定結果に基づいて栄養源、酸素ガス、メタンガス等の注入装置の設計、影響範囲の推定を行う必要がある。
【0006】
従来の一般的な地盤の透気性試験装置や方法としては、例えば、図3〜図5に示す透気試験装置が、土質工学会編:土質調査法(第2回改訂版)に開示されている。図3〜図5に示す透気試験装置は、送気装置51、送気孔52、観測孔53および図示しない自記記録装置からなる。送気装置51は、コンプレッサーまたはボンベに直結したエアーホース61から圧力計62を有する補給タンク63に空気またはガスを供給し、下部が連通して水が貯えられた同じ容積の第1タンク64および第2タンク65と補給タンク63を電磁弁66、67を介して連結し、第1タンク64および第2タンク65と送気孔52の上部に圧力指示計68を有する先端にストレーナー加工部69を有する管が電磁弁70、71を介して連結し、低圧から高圧まで高い精度で送気できるよう構成されている。送気孔52は、図4に示すとおり、下端部にストレーナー加工部69を有する内管72と、内管72より大径の上部に圧力指示計68を有し第1タンク64および第2タンク65と連結した外管73とからなり、内管72と外管73との空隙はパッカー74またはセメント注入により密閉され、内管72と外管73との空隙から送気した空気が漏れないように構成され、送気した空気が地表に逆流することなく、目的とする地層中にスムーズに透気できる構造を有している。なお、75は制御装置である。観測孔53は、図5に示すとおり、下端部にストレーナー加工部76を有する内管77と、内管77より大径の上部にガス採取口78と圧力変換器79を有する上部が密閉された外管80からなり、内管77と外管80との空隙はパッカー81またはセメント注入により密閉され、内管77と外管80との空隙から空気が漏れないように構成され、内管77のストレーナー加工部76先端およびストレーナー加工部76の上部に水圧測定用圧力変換器82、83が挿入され、圧力変換器79と水圧測定用圧力変換器82、83はデジタル測定装置84と接続されている。図示しない自記記録装置は、送気量経時変化、観測孔内の水圧、空気圧変化等を自記記録できる。なお、85は粘土層の難透気層、86は調査対象の透気層を示す。
【0007】
一方、上記透気試験装置を用いケーソン工事を対象とする場合は、事前の調査ボーリング資料を検討し、透気性や酸欠に対して問題があると考えられる透気層86を選び出し、予定ケーソン中心地点に送気孔52を設置し、観測孔53は例えばケーソン外周面から2m、6m、14mの円周上に配置する。透気試験は、送気孔52、観測孔53を設置後に開始し、定常的透気状態、乱流的透気状態、酸欠度、土中ガス発生の有無を確認できるデータが入手できれば、送気を停止する。
【0008】
また、他の地盤の透気試験方法としては、地質調査用ボーリング孔の一定区間の上下端部をパッカーでそれぞれ隙間なく区切ると共に、ボーリング孔の前記上下パッカー間内の地下水をガスと置換した後、ボーリング孔の上下パッカー間内に所定の圧を加え、ボーリング孔の上下パッカー間周壁より地盤中に逃散する透気量を測定する方法(特公昭63−30446号公報)、土壌中にガス圧力を検出する1または複数の圧力検出素子を設け、その圧力検出素子が埋設されている土壌を筒体で囲み、筒体内に地上からガスを圧送し、圧力検出素子の出力に基づいて土壌の透気係数を測定する方法(特開平4−173343号公報)が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記図3〜図5に示す透気試験装置を用いる方法は、定置型であるため多送気点による測定が制限されると共に、透気速度を検出することが困難であるばかりでなく、透気性測定に長時間を要するという欠点を有している。
【0010】
また、上記特公昭63−30446号公報に開示の方法は、ボーリング孔の上下パッカー間周壁より地盤中に逃散する透気量を測定できるが、透気方向や透気速度を検出することができない。このため、この方法は、地下岩盤内へのガス貯蔵の有無を評価できるが、地層に浸透した汚染物質の浄化設備の設計条件や最適な運転条件を設定するに必要なデータを採取することはできない。また、特開平4−173343号公報に開示の方法は、地下埋設ガス管からのガス漏洩時のガスの拡散状態予測のために開発されたもので、筒体内上下方向の圧力検出素子の出力に基づいて土壌の透気係数を測定するため、透気方向や透気速度を検出することができない。したがって、この方法は、地層に浸透した汚染物質の浄化設備の設計条件や最適な運転条件を設定するに必要なデータを採取することはできない。
【0011】
この発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、地層汚染現場や廃棄物の中間処理場あるいは最終処分場の汚染物質や発生ガスを除去するための装置設計、運転条件を得る汚染した地層または廃棄物集積箇所における透気性および透気範囲を、安価で、容易に、しかも安全に測定することができる汚染した地層または廃棄物集積箇所における透気性および透気範囲測定方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、汚染箇所またはガス発生箇所の近傍に送気管を設け、該送気管の周囲に観測孔を設け、前記送気管からトレーサーガスまたはトレーサーガス混入気体を汚染箇所またはガス発生箇所の近傍に圧入し、観測孔または地表面や廃棄物表面からトレーサーガスリークディテクターにガスを吸引してトレーサーガスの有無を検知し、透気性および圧入圧力とトレーサーガスの透気範囲との関係を求めることとしている。このように、送気孔から観測孔または地表面や廃棄物表面までのトレーサーガスの到達時間と濃度を検出することにより、地層中や廃棄物集積箇所内の透気速度、透気係数を演算により求めることができ、安価で、短時間に、汚染箇所またはガス発生箇所における透気性および透気範囲を測定することができ、地層や廃棄物集積箇所に滞留した汚染物質や発生ガスの浄化設備の設計条件や最適な運転条件を設定するに必要なデータを採取することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明の透気性および透気範囲測定方法では、汚染箇所やガス発生箇所の近傍に送気管を設け、該送気管の周囲に観測孔を設け、前記送気管からトレーサーガスまたはトレーサーガス混入気体を汚染箇所やガス発生箇所の近傍に圧入し、観測孔または地表面や汚染物質表面からトレーサーガスディテクターにガスを吸引してトレーサーガスの有無を検知し、透気性および圧入圧力とトレーサーガスの透気範囲との関係を求める。
【0014】
この発明におけるトレーサーガスとしては、地層は緻密であり、かつ土粒子は吸着力を有するため、不活性なガス、特に常温常圧下においてガス状で、吸着剤などに吸着されないばかりでなく、大気中に微量しか存在していないかあるいは存在していないガス、例えば、ヘリウム、フロン、六フッ化硫黄あるいはネオンを使用すれば、空気や窒素に混入した状態でも検出できるが、フロンの場合は環境汚染の問題がある。また、トレーサーガスの供給は、トレーサーガス単独あるいはトレーサーガスを空気や窒素などに混入し、送気孔から意図する圧力、流量で供給する。
【0015】
トレーサーガスは、通常ボンベに高圧状態で充填されているため、透気性測定現場に運搬でき、大型で高価なコンプレッサーやタンクを準備することなく、減圧器、ニードルバルブ等を用いることによって、毒性、引火性等危険な性状がないため、公害を引き起こすことなく、安全に意図する圧力、ガス流量で送気孔から供給することができる。
【0016】
トレーサーガスの供給においては、ボンベ内のトレーサーガスは乾燥しているので、そのまま通気させると地層または廃棄物を乾燥させて間隙率を上昇させてしまう結果、通気させるにしたがって通気性をどんどん上昇させてしまうこととなる。このため、ボンベから供給するトレーサーガスは、通気させる地層または廃棄物内と同じ温度で湿潤させたのち供給しなければ、前記と同様に地層または廃棄物を乾燥あるいは逆に結露してしまい、間隙率を上昇または低下させてしまうこととなる。このため、トレーサーガスの湿潤器は、地層中または廃棄物中に埋設するか、あるいは地層中または廃棄物中の温度と同一に保持して湿潤することが考えられる。しかし、ここで大切な点は、通気させる部分と同じ温度にすることである。地層または廃棄物内部の温度は、必ずしも深さ方向に一定ではなく、特に地表部分(おおよそ1m位まで場所によって異なる)は気温に左右されるが、それ以深は現場に特有な地温勾配で決定される。また、メタン発酵するような廃棄物層内部は、数十度ないしは数百度といった高温になることが知られている。したがって、湿潤器を埋設する場合は、通気させる部分またはそれと同温度の状態の部分に埋設する必要があり、埋設しない場合には、通気させる部分と同温度になるように工夫した湿潤器にする必要がある。
【0017】
この発明において観測孔または地表面や廃棄物表面から吸引したガスをトレーサーガスディテクターを用いて検出するのは、トレーサーガスを選択的にまた連続的に容積比で百万分の一から十億分の一程度の濃度で検出するには、ガスクロマトグラフ、ガスクロマトグラフ質量分析計あるいはトレーサーガスディテクターが考えられるが、コンパクトで運搬し易く、その場で連続的に測定でき、操作が簡単であると共に、高感度であるため、圧送空気にトレーサーガスを混入した状態でも検知でき、応答時間の遅れの心配もないことから、トレーサガスディテクターを選択した。トレーサーガスディテクターとしては、トレーサーガスがヘリウムの場合はヘリウムリークディテクター、トレーサーガスがフロンの場合はフロンリークディテクター、トレーサーガスが六フッ化硫黄の場合はハロゲンリークディテクター、トレーサーガスがネオンの場合はネオンディテクターを使用する。
【0018】
この発明における送気孔は、汚染した地層や廃棄物集積箇所に滞留する汚染物質を除去するためのガス供給管またはガス吸引管の装置設計、運転条件を得るための透気性測定においては、汚染箇所下部に達し、送気したトレーサーガスまたはトレーサーガス混入気体が汚染物質滞留部にスムーズに透気できる構造のもの。また、汚染した地層や廃棄物集積箇所内で発生するメタン、炭酸ガスなどの発生ガスのガス抜き施設の装置設計、運転条件を得るための透気性測定においては、ガス発生箇所下部に達し、送気したトレーサーガスまたはトレーサーガス混入気体がガス発生箇所にスムーズに透気できる構造のものを用いる。また、送気孔は、通気箇所の温度測定できるよう、温度測定機能を付加したものを使用する。
【0019】
【実施例】
実施例1
以下にこの発明の詳細をトレーサーガスとしてヘリウムガスを使用し、トレーサーガスリークディテクターとしてヘリウムリークディテクターを使用した場合について説明するが、この発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0020】
この発明の汚染した地層における透気範囲の測定方法を図1に基づいて説明する。図1は汚染した地層における透気範囲の測定原理の説明図である。
図1において、1はハンドオーガーで汚染箇所2の下部に穿孔した透気範囲を測定するための送気孔で、下部にストレーナ加工部3を有する送気パイプ4からなる。5は150×105Paの圧力でヘリウムガスが充填されているヘリウムガスボンベ、6は圧力調整弁、7は流量調整弁、8は汚染箇所2の近くに埋設した内部に水が充填されている湿潤器で、ヘリウムガスボンベ5から圧力調整された所定量のヘリウムガスが水中にバブリングされる。湿潤器8の水中にバブリングされて汚染箇所2とほぼ同じ温度で湿潤されたヘリウムガスは、送気パイプ4に連結されたヘリウムガス供給管9を介して送気パイプ4のストレーナー加工部3に所定の圧力、流量で圧入され、ストレーナー加工部3から地層10中に浸透するよう構成されている。
【0021】
11は台車12に搭載された地表からの透過ガスを吸引する真空ポンプで、真空ポンプ11の吸込み側は、先端にフード13を有する吸引管14と流量調整弁15を介して連結され、吐出側は同じく台車12に搭載されたヘリウムリークディテクター16と連結され、真空ポンプ11を起動すると、フード13を介して地表からの透過ガスを吸引してヘリウムリークディテクター16に供給するよう構成されている。なお、17は送気パイプ4の上端とヘリウムガス供給管9との隙間を密閉するゴム栓、18は送気パイプ4に設けた流量計、19は同じく送気パイプ4に設けた圧力計、20は吸引管14に設けた流量計、21は同じく吸引管14に設けた圧力計である。
【0022】
上記のとおり構成したことによって、汚染箇所2の透気範囲試験を実施する場合は、予め吸引管14から地上ガスを真空ポンプ11により吸引してヘリウムリークディテクター16によりバックグラウンドとして測定しておく。そして、圧力計19、流量計18を見ながら圧力調整弁6、流量調整弁7を操作して予め設定された圧力、流量でヘリウムガスボンベ5からヘリウムガスを被測定地層の乾燥を防止するために湿潤器8の水中にバブリングさせて湿潤させたのち、ヘリウムガス供給管9を介して送気パイプ4に圧入し、ストレーナ加工部3から汚染箇所2の下部に浸透させる。
【0023】
一方、透気範囲の測定は、台車12を送気孔1の近傍まで移動させ、真空ポンプ11を起動して流量計20を見ながら流量調整弁15を操作して地表近傍に位置させたフード13を介して予め設定された流量で地表ガスを吸引してヘリウムリークディテクター16に供給し、ヘリウムリークディテクター16のヘリウムガス検知ブザーと同時にヘリウムガス供給開始からの時間およびヘリウムガス濃度変化を読み取り、台車12を移動させながらフード13を上向きにして新鮮な地上ガスを吸引させてヘリウムリークディテクター16のヘリウムガス濃度レベルをバックグラウンドまで低下させ、次の測定位置まで台車12を移動させ、フード13を地表に到達するまで下降させて予め設定された流量で地表ガスを吸引してヘリウムリークディテクター16に供給して測定を開始する。このようにヘリウムガス供給開始からヘリウムガス透気範囲検知までの操作は、送気孔1の周囲全体に亘って近い順に実施することによって、送気孔1からの透気範囲を確定することができる。なお、この実施例では、地表ガスを吸引したが、送気孔1の周囲に観測孔を穿孔し、観測孔から真空ポンプ11により観測孔内ガスを吸引してヘリウムリークディテクター16に供給し、送気孔1からの透気範囲を測定することもできる。
【0024】
実施例2
ヘリウムガスおよびヘリウムリークディテクターを用い、地層中の透気試験を関東ローム層で実施した。試験は、地表から深さ95cm、内径20mmの送気孔を穿孔し、該送気孔からの距離1m、2m、3m、4m、5m、6mの各同心円上に地表から深さ85cm、内径15mmの観測孔を穿孔し、前記送気孔に先端5cmをストレーナ加工した送気パイプを下部まで挿入して送気孔との隙間を密閉したのち、150×105Paの圧力で充填されているヘリウムガスボンベから圧力調整弁、流量調整弁を介して地中に埋設された内部に水が充填されている湿潤器に、ヘリウムガスボンベから1.5×105Paに圧力調整したヘリウムガスを2.0l/minで供給して水中バブリングを実施して湿潤させたのち、初期1.4×105Pa、5分後から1.3×105Paの供給圧力でヘリウムガスを送気パイプに連結されたヘリウムガス供給管を介して送気パイプのストレーナ加工部に187分間通ガスし、ストレーナ加工部から地層中に縦幅5cmで放射状に通気させながら、送気孔から近い順に各真空ポンプを起動して流量調整弁を操作し、予め設定された流量0.2l/minで各観測孔底部から吸気チューブを介してガスを吸引し、各ヘリウムリークディテクターに供給して連続的に検知させると共に、各ヘリウムリークディテクターのヘリウムガス検知ブザーと同時にヘリウムガス供給開始からの時間を測定した。
【0025】
また、検知時間測定後、観測孔内の圧力をマノメーターで調査した後、大気で零点更正を行いながら次のポイントまでヘリウムリークディテクターを移動してデータを採取した。その結果を表1、図2に示す。また、上記採取したデータに基づき透気係数を算出した。透気係数(Ka)は、平面的にヘリウムが移動する(二次元的に拡散)と仮定して下記(1)式によって算出した。その結果を表2に示す。
Ka=(βL2)/(ΔhΔt)…(cm/sec)……(1)式
ただし、β : 間隙率(−)土質試験により算出、L : 送気孔と観測点の距離(cm)、Δh : 2点間の圧力差(cmAq)、Δt : ヘリウムガスの到達時間(sec)
【0026】
【表1】
Figure 0003782845
【0027】
【表2】
Figure 0003782845
【0028】
表1、図2に示すとおり、ヘリウムの到達時間は、送気孔からの距離に対して指数関数的に増大する傾向を示しており、このことはヘリウムが平面的に拡散するためであると考えられる。また、表2に示すとおり、透気係数は、送気孔から1mまでの透気性を基準にすると、透気係数の上昇傾向から1m→4mまでの地層で透気性がよくなっていることが示唆されている。また、4m→6mにかけては、透気係数が低くなり、この間の地層の透気性が悪くなっていることが想定される。
【0029】
【発明の効果】
この発明は、送気孔から観測孔または地表面や汚染物表面までのトレーサーガスの到達時間と濃度を検出することにより、地層中や汚染物集積箇所内部の透気速度、透気係数を演算により求めることができ、安価で、短時間に、地層汚染現場や廃棄物の中間処理場あるいは最終処分場の汚染物質や発生ガスを除去するための装置設計、運転条件を得る地層中や汚染物集積箇所内部における透気性および透気範囲を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】汚染地層の透気範囲の測定原理の説明図である。
【図2】実施例2における送気孔からの距離と到達時間との関係を示すグラフである。
【図3】従来公知の現場透気試験装置の全体説明図である。
【図4】従来公知の現場透気試験装置の送気孔概略構成図である。
【図5】従来公知の現場透気試験装置の観測孔概略構成図である。
【符号の説明】
1、52 送気孔
2 汚染箇所
3、69、76 ストレーナ加工部
4 送気パイプ
5 ヘリウムガスボンベ
6 圧力調整弁
7、15 流量調整弁
8 湿潤器
9 ヘリウムガス供給管
10 地層
11 真空ポンプ
12 台車
13 フード
14 吸引管
16 ヘリウムリークディテクター
17 ゴム栓
18、20 流量計
19、21 圧力計
51 送気装置
53 観測孔
61 エアーホース
62 圧力計
63 補給タンク
64 第1タンク
65 第2タンク
66、67、70、71 電磁弁
68 圧力指示計
72、77 内管
73、80 外管
74、81 パッカー
75 制御装置
78 ガス採取口
79 圧力変換器
82、83 水圧測定用圧力変換器
84 デジタル測定装置
85 難透気層
86 透気層

Claims (1)

  1. 汚染した地層または廃棄物集積箇所に滞留する汚染物質または廃棄物から発生するガスを除去する施設の設計条件、運転条件を得るための透気性ならびに透気範囲測定方法において、地層あるいは廃棄物の汚染物質またはガス発生箇所の近傍に送気を設け前記送気からトレーサーガスまたはトレーサーガス混入気体を汚染物質またはガス発生箇所の近傍に圧入し、フードを介して地表面や廃棄物表面からトレーサーガスリークディテクターにガスを吸引してトレーサーガスの濃度を検知する操作を、前記送気孔の周囲で複数行い送気孔から地表面や廃棄物表面までのトレーサーガスの到達時間と濃度より透気速度と透気係数を算出し、並びにトレーサーガスの透気範囲求めることを特徴とする汚染した地層または廃棄物集積箇所における透気性および透気範囲測定方法。
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