JP3432864B2 - 吸収式冷凍機の精留装置 - Google Patents

吸収式冷凍機の精留装置

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重男 机
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Sanyo Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は発生器で発生させた蒸
気と溶液分散器から流下させた溶液とを接触させ、高純
度の蒸気を凝縮器に供給するようにした吸収式冷凍機の
精留装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の吸収式冷凍機の精留装置として
は、例えば図5(A)に示すように箱又はパイプの底面
aに孔bを単に開け、液を連続流下させるものとか、図
5(B)に示すように箱の側面cに切り込みdを入れ、
オーバーフローによる連続流下させるものとか、図5
(C)に示すように箱eから毛細管fを配設し、該毛細
管fの毛細管作用の吸い上げにより連続流下させるもの
とか、図5(D)に示すようなノズルgにより液を霧状
噴射するもの等が知られている。このような構成をもつ
精留装置では、液流量が変動して少なくなると、いずれ
も均一な分散が得られなくなり、特に、この傾向は分散
器に傾きが発生すると顕著に現れる欠点があった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】即ち、上記構成の精留
装置では、液流量が変動して均一な分散滴下が行なわれ
ないと、気体・溶液の接触が悪くなり、取り出す気体
(蒸気)の純度が悪くなる。特に、取り出した蒸気を凝
縮し冷媒として使用する吸収冷凍機においては、蒸発温
度が上がり冷凍能力が低下する。また、吸収冷凍機で冷
暖房能力に余剰が生じた場合には、液循環量を減少させ
ることができないと燃焼量にムダが発生する。 【0004】本発明は上記実情に鑑み、分散器本体の形
状をパイプ構造を採り、各枝パイプの上下側に孔を穿設
することで液流量の変動にも対処して液を均一に滴下で
きるようにし、高純度の蒸気を取り出す吸収式冷凍機の
精留装置を提供することを目的としたものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、発生器で発生
させた蒸気と溶液分散器から流下させた溶液とを接触さ
せ、高純度の蒸気を凝縮器に供給するようにした吸収式
冷凍機の精留装置において、溶液分散器は両端部が閉塞
された主パイプとこの主パイプから分岐させた複数本の
枝パイプからなり、この枝パイプの上下部にそれぞれ孔
を設けると共に、下側の孔の周縁には凸部を設けてなる
ものである。 【0006】 【作用】上記のように、溶液分散器は主パイプに複数本
の枝パイプを組み合わせた水平パイプ形状とし、且つ各
枝パイプには液流出用の孔を、パイプ本体の上下面に開
けているため、混合液又は還留液の流量が多いときは溶
液は上下の孔より流出する。また、溶液分散器の傾きが
枝パイプの直径以下なら散布性能に影響を与えることも
ない。更に、流量が少なくなり液粒の滴下が悪くなった
時でも、この凸部の孔を経るため、確実に滴下ができ
る。 【0007】 【実施例】以下、本発明を実施例の図面に基づいて説明
すれば、次の通りである。 【0008】図1は吸収式冷凍機の精留装置を示すもの
で、1は円塔型精留装置本体で、該精留装置本体1は混
合液(作動溶液)の供給段から上部1aを濃液部2、下
部1bを回収部3とした二分構成とし、この濃液部2の
上方に還流液用液分散器4を、回収部3の上方に混合液
用液分散器5を設置し、且つ濃液部2と回収部3には上
昇する蒸気と下降する液との接触を密にするため塔内に
充填材6,7を詰めて精留装置8とする。この場合、混
合液用液分散器5の構成は、図2,3に示すように中央
上部に漏斗状液流入部9を設けた主パイプ10の両側
に、先端を閉塞した複数本(図示にあって、片側6本)
の枝パイプ11を所定間隔もって平行に突設し、且つ該
各枝パイプ11の上下側に多数個の液流出用の孔12を
それぞれ穿設すると共に、この孔12中、下側の孔12
には下向きの筒状となる凸部(バーリング)13を設け
た構造としている。 【0009】次にこの作用を説明すると、先ずこの精留
装置8を図4に示す吸収式冷凍機に組み込む場合、該精
留装置8の上方には凝縮器14を連設し、該凝縮器14
には冷媒配管15を介して冷媒タンク16を接続し、該
冷媒タンク16には冷媒ポンプ17を介して蒸発器18
に連結する。この蒸発器18を吸収器19に連絡し、該
吸収器19に接続した溶液タンク20に溜まった混合液
を溶液ポンプ21から熱交換器22を経て前記精留装置
8の混合液用液分散器5に導く配管構成とし、且つ前記
凝縮器14で得た還流液を前記還流液用液分散器4に導
く配管構成としている。 【0010】ここにおいて、精留装置8の下端に配置し
た加熱器23を備えた発生器24の加熱により吸収液と
なる混合液から冷媒ガスが上昇し、回収部3の充填材7
と濃液部2の充填材6中を上昇し、濃液,還流液と気液
接触をして凝縮器14へ流れ、該凝縮器14にて冷媒ガ
スが凝縮し冷媒液となって冷媒タンク14に一旦溜めら
れてから蒸発器18に導かれらる。そして、該蒸発器1
8での冷媒散布時に生ずる冷媒蒸気の気化潜熱にて冷水
管25が冷却され、その冷水を室内器26に導き所定の
冷房を行う。一方、この冷媒蒸気は吸収器19に流れ吸
収液に吸収されて溶液タンク20に溜まり、該溶液タン
ク20に溜まった混合液は熱交換器22を経て混合液用
液分散器5に供給される。また、還流液用液分散器4に
は凝縮器14で凝縮した冷媒液の一部が還流液として導
かれ滴下する。 【0011】この場合、混合液用液分散器5から滴下す
る混合液の孔12は各枝パイプ11の上下側に配設して
なり、液流量が少ない時には下側の孔12より流下滴下
し、液流量が一定流量を越えると上側の孔12からも流
出しパイプの外面を流下し、下側の孔12より出る液と
合流し滴下するため、液流量が変化しても分散性能が低
下しないものとなる。従って、孔径を小さくすることが
でき、液流量が約1/2に減少しても均一な液分散滴下が
行われる。また、液分散器はパイプで構成されているた
め、液分散器(吸収冷暖房機)に傾きが発生しても枝パ
イプの直径以下ならば分散能力に大きな影響を及ぼさな
い。また、下側の孔の下向き凸部13は流量が少なくな
り、液粒の滴下が悪くなった時でも液を孔部より確実に
滴下させるのに有効である。 【0012】 【発明の効果】上述のように、本発明の吸収式冷凍機の
精留装置は枝パイプ構成の液分散器のパイプの上下側に
多数の滴下用孔を設け、液流量に応じて上下側孔から流
出滴下しえるため、分散性能が低下せず、且つ精留塔径
の比較的小さいもので精留量を変動させる場合、特に精
留装置を搭載する吸収冷凍機においての冷凍能力の変動
と同時に燃焼量を変化でき、省エネルギーを可能とする
ものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例を示す精留装置の正面図であ
る。 【図2】同パイプ型液分散器の平面図である。 【図3】同正面図である。 【図4】精留装置を組み込んだ吸収式冷凍機の概略図で
ある。 【図5】従来の液分散方法を示す説明図であり、(A)
は底面に孔を開けた状態、(B)は側面に切り込みを入
れオーバーフローを行う状態、(C)は毛細管作用で吸
い上げる状態、(D)はノズルにより霧状噴射する状態
を示す。 【符号の説明】 1 塔型精留装置本体 2 濃液部 3 回収部 4 還流液用液分散器 5 混合液用液分散器 9 液流入部 10 主パイプ 11 枝パイプ 12 孔 13 凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畔上 義男 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 実開 昭51−25646(JP,U) 実公 昭63−10449(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 33/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 発生器で発生させた蒸気と溶液分散器か
    ら流下させた溶液とを接触させ、高純度の蒸気を凝縮器
    に供給するようにした吸収式冷凍機の精留装置におい
    て、溶液分散器は両端部が閉塞された主パイプとこの主
    パイプから分岐させた複数本の枝パイプからなり、この
    枝パイプの上下部にそれぞれ孔を設けると共に、下側の
    孔の周縁には凸部を設けてなる吸収式冷凍機の精留装
    置。
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