JP3432144B2 - 電気洗濯機 - Google Patents

電気洗濯機

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JP3432144B2
JP3432144B2 JP18937998A JP18937998A JP3432144B2 JP 3432144 B2 JP3432144 B2 JP 3432144B2 JP 18937998 A JP18937998 A JP 18937998A JP 18937998 A JP18937998 A JP 18937998A JP 3432144 B2 JP3432144 B2 JP 3432144B2
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年恭 釜野
保 鹿森
利之 内山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全自動電気洗濯機
に係り、特に、構成の簡素化および安全性の向上に関す
る。
【0002】
【従来の技術】全自動電気洗濯機は、一般には、減速ギ
ヤと摩擦クラッチと摩擦ブレーキを内蔵するようにユニ
ット化した駆動機構部を水受け外槽の底壁の外側にねじ
止め固定することにより、この底壁を水密状態に貫通さ
せてこの外槽内の底部に同心2重出力軸を突出させ、こ
の同心2重出力軸の外側の脱水軸の上端に洗濯兼脱水槽
を取り付け、内側の洗濯軸の上端に撹拌翼を取り付けた
構造である。駆動機構部の入力側は、プーリおよびベル
トを介して駆動モータに連結し、この駆動モータから回
転駆動力を入力するようにしている。
【0003】そして、この駆動機構部は、洗濯(洗いお
よび濯ぎ)行程では、摩擦ブレーキによって脱水軸に摩
擦制動力を作用させることにより洗濯兼脱水槽を静止状
態にして撹拌翼を低速度で正逆回転させ、脱水行程で
は、摩擦ブレーキを解放すると共に洗濯兼脱水槽と撹拌
翼を一緒に高速度回転させるように入力軸と同心2重出
力軸の間の連係関係を切り換え、衣類投入口の蓋が開け
られたときには、洗濯兼脱水槽を静止させる摩擦制動力
を発生するように摩擦ブレーキを機能させる。
【0004】全自動電気洗濯機は、更に、給水電磁弁、
排水電磁弁、蓋開閉センサ、水位センサ、モータ駆動回
路、電磁弁駆動回路、入力スイッチと表示ランプと報知
ブザーを備えた操作パネル、これらを制御する制御装置
を備える。
【0005】制御装置は、マイクロコンピュータを主体
にして構成し、予め設定された制御プログラムに従っ
て、操作パネルの入力スイッチからの指示入力に従った
洗濯および脱水コースの設定と、設定された洗濯および
脱水行程の処理を実行する。洗濯および脱水行程の処理
では、電磁弁を制御して外槽への給排水を実行し、駆動
モータおよび駆動機構部を制御して洗濯兼脱水槽と撹拌
翼の回転および制動を実行し、表示ランプやブザーを制
御して各行程の進行状態の報知を実行する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような全自動電気
洗濯機は、洗濯および脱水性能の向上、洗濯および脱水
機能の多様化、安全性の向上などを進めてきたことによ
り、構成が複雑化し、高価になってきている。
【0007】従って、本発明の1つの目的は、構成を簡
素化した電気洗濯機を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、構成が簡単で安全性
が高い電気洗濯機を提供することにある。
【0009】本発明の更に他の目的は、安全で取り扱い
性に優れた電気洗濯機を提供することにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、構成が簡単で脱
水性能に優れた電気洗濯機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、洗濯兼脱水槽
と撹拌翼を駆動する駆動モータに極数変換型の単相誘導
電動機を使用し、洗濯行程は、多数極数の巻線構成にし
て撹拌翼を正逆回転方向に交互に低速度駆動し、脱水行
程は、少数極数の巻線構成にして洗濯脱水槽を正回転
方向に高速度脱水駆動するようにした電気洗濯機におい
て、前記脱水行程は、布量(洗濯負荷量)に応じて運
転極数を切り換えるようにしたことを特徴とし、また
は、前記脱水行程は、洗濯負荷量に応じて、比較的軽負
荷時には、少数極数の巻線構成→多数極数の巻線構成→
少数極数の巻線構成に切り換えて高速度脱水駆動するよ
うにし、比較的重負荷時には、多数極数の巻線構成→少
数極数の巻線構成に切り換えて高速度脱水駆動するよう
にしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を参照し
て説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施形態を示す全自動
電気洗濯機の縦断側面図である。図2は、この全自動電
気洗濯機における外槽の底壁の外側への構成部品の設置
状態を示す底面図である。図3は、この全自動電気洗濯
機における外槽の底面図である。図4は、この全自動電
気洗濯機における外槽の一部縦断側面図である。図5
は、この全自動電気洗濯機におけるクラッチ/回り止め
装置の部分を示す縦断側面図とその一部を展開した図で
ある。図6は、この全自動電気洗濯機におけるクラッチ
/回り止め装置の一部の縦断側面図、図7は、その底面
図である。図8は、この全自動電気洗濯機におけるクラ
ッチ/回り止め装置の回り止め機能作動(洗濯駆動)状
態を示す縦断側面図、図9は、クラッチ接続機能作動
(脱水駆動)状態を示す縦断側面図である。
【0014】ポリプロピレンなどの合成樹脂を成形して
構成した水受け外槽1は、略四角筒形に構成した鋼板製
の外枠2内に、複数の吊り棒3と緩衝ばね4およびダン
パーなどによって防振支持する。この外枠2は、その側
壁に円みをもたせた形状とすることにより、薄手の鋼板
で必要な剛性が得られるように工夫する。外槽1の側壁
には、防振ばね4を介して吊り棒3を係合するための係
合リブ1aを一体的に突設する。
【0015】この外槽1内にはステンレスやポリプロピ
レンなどの合成樹脂製の有底円筒状の洗濯兼脱水槽5を
回転自在に設置する。
【0016】洗濯兼脱水槽5は、その上端縁に流体バラ
ンスリング5aを備え、側壁には多数の脱水孔5bを有
し、底にはフランジ5cを備える。そして、この洗濯兼
脱水槽5内の底部中央部にはポリプロピレンなどの合成
樹脂で成形した大形の撹拌翼6を回転自在に設置する。
【0017】外槽1に対する洗濯兼脱水槽5の設置およ
び該洗濯兼脱水槽5内への撹拌翼6の設置は、外槽1の
底壁を貫通するようにインサート成形した噛み合い式の
クラッチ/回り止め装置7の脱水軸および洗濯軸によっ
て実現する。
【0018】噛み合い式のクラッチ/回り止め装置7
は、洗濯兼脱水槽5への駆動力伝達を断続するクラッチ
装置と洗濯時に洗濯兼脱水槽5を回り止めする装置を複
合したもので、外槽1の底壁を貫通するようにインサー
ト成形する面を提供する筒状のハウジング7aを備え
る。このハウジング7a内を貫通するように軸受7b,
7cと水シール7dによって水密状態に支持した中空の
脱水軸7eは、更にその内側を貫通するように、水密状
態に洗濯軸7fを支持して同心2重軸を構成する。ハウ
ジング7aは、その下端縁に、脱水軸7eを係止するた
めの回り止め凹凸7gを備える。脱水軸7eは、その上
端には、前記洗濯兼脱水槽5のフランジ5cを嵌着して
結合するためのボス部7hを備え、下端部にはその外周
に摺動子7iを軸方向に摺動可能に係合させるためのス
プライン7jを備える。このクラッチ/回り止め装置7
は、外槽成形時にこの部組み状態でハウジング7aが外
槽1の底壁を貫通するようにインサート成形する。その
後の部品組み立て作業を容易にする観点からは、少なく
とも、ハウジング7aに軸受7b,7cを圧入した部組
み状態でインサート成形することが望ましい。
【0019】洗濯軸7fは、その上端に撹拌翼6を嵌着
して結合し、下端部にはプーリ7kを嵌着して結合す
る。
【0020】プーリ7kは、前記摺動子7iに対向する
係合穴7mを備える。
【0021】摺動子7iは、上側端には、上昇したとき
にハウジング7aの下端縁に形成した回り止め凹凸7g
に噛み合い係合し、下降したときにはこの回り止め凹凸
7gから離脱する上側凹凸7nを備え、下側端には、下
降したときにプーリ7kの係合穴7mに噛み合い係合
し、上昇したときにはこの係合穴7mから離脱する下側
突起7pを備える。この摺動子7iは、脱水軸7eに形
成したスプライン7jに軸方向に摺動自在に係合し、軸
受7cの内輪とこの摺動子7iの間に圧縮状態に収納し
たばね7qによって下降状態に摺動されて回り止め凹凸
7gから離脱して係合穴7mに係合することにより脱水
軸7eを洗濯軸7fと一体的に回転させるようにし、外
槽1の底壁に支持した操作レバー7rによって押し上げ
ることにより上昇状態に摺動されて係合穴7mから離脱
して回り止め凹凸7gに係合することにより脱水軸7e
を回り止めする。この摺動子7iは、昇降の途中の状態
では、回り止め凹凸7gおよび係合穴7mの何れからも
離脱した自由な状態を呈する。
【0022】この実施形態において、脱水軸7eに対す
る軸方向に摺動自在な摺動子7iの係合は、スプライン
係合構造としたが、滑りキーやセレーション係合のよう
に、相対的な回転運動を阻止しながら軸方向の摺動を可
能にする他の係合手段を用いても良い。
【0023】外槽1の上端には、この外槽1と前記洗濯
兼脱水槽5の間の隙間に洗濯物が落下するのを防止する
ために、合成樹脂製の槽カバー1b設ける。
【0024】外槽1の底壁外側には、更に、この外槽1
の剛性を高めて原形を維持するための一体的に成形した
背丈の高い放射状および環状の補強リブ1cと、駆動モ
ータ取り付け座1dと、操作レバー取り付け座1eと、
排水弁取り付け座1fおよび駆動レバー取り付け座1g
を設ける。特に、クラッチ/回り止め装置7のハウジン
グ7aを外槽1の底壁に鉛直且つ水密状態に堅固にイン
サート成形して実用化するためには、成形時の硬化に伴
う収縮や荷重による変形を軽減することが必要である。
従って、放射状および環状の補強リブ1cは、ハウジン
グ7aの周囲を覆うように成形した筒状のハウジング成
形部から均等に配置して収縮や荷重による応力を均等に
分散し、局部的に集中した変形が発生しないようにす
る。このために、ハウジング7aの周囲を覆うように成
形した筒状のハウジング成形部1c1から放射状に伸ば
した補強リブ1cについては、中間円環部1c2によっ
て囲むことにより、ハウジング成形部1c1が倒れるよ
うな不均一な応力が発生するのを防止する。補強リブ1
cは、この中間円環部1c2の外側にも形成して外槽1
を補強するようにすることは、勿論である。
【0025】そして、前記駆動モータ取り付け座1dと
操作レバー取り付け座1eと排水弁取り付け座1fと駆
動レバー取り付け座1gは、少なくともその一部は、前
記補強リブ1cの途中に一体的に成形し、あるいは補強
リブ1cに連なるように一体的に成形する。
【0026】駆動モータ取り付け座1dには、駆動モー
タ9をねじ止めして設置し、操作レバー取り付け座1e
には前記操作レバー7rの一端を垂直方向に転角自在に
係合支持し、排水弁取り付け座1fには排水電動弁装置
10をねじ止めして設置し、駆動レバー取り付け座1g
には駆動レバー10bを水平方向に転角自在にねじ止め
して設置する。
【0027】駆動モータ9の出力軸9aは、プーリ9b
とベルト11を介して前記プーリ7kに連結する。
【0028】排水電動弁装置10は、外槽1の排水口1
hに接続されて排水パイプ10fへの排水通路を開閉す
る排水弁10aと、この排水弁10aの開閉状態を検出
する排水弁開閉検出スイッチ(詳細は後述する)と、前
記操作レバー7rの自由端部を昇降駆動するように設置
した前記駆動レバー10bと、カム10cを介してこれ
らを駆動する弁駆動モータ10dを備える。弁駆動モー
タ10dによる排水弁10aの開閉操作に連動して駆動
レバー10bを転角駆動することにより、排水弁「閉」
では前記操作レバー7rを押し上げてスライドカラー7
iの上側凹凸7pをハウジング7aの回り止め凹凸7g
に噛み合い係合させ、排水弁「開」では前記操作レバー
7rを解放することによってスライドカラー7iをばね
7qの伸力により下降させて下側突起7pをプーリ7k
の係合穴7mに噛み合い係合させる。このような操作レ
バー7rの押し上げ/解放は、駆動レバー10bの端部
にバネ力によって弾力的に後退可能に設けた操作子10
eの傾斜面を操作レバー7rの自由端に作用させること
によって実現する。弁駆動モータ10dによる排水弁1
0aと駆動レバー10bの駆動は、電磁プランジャによ
る駆動に変形することも可能である。
【0029】操作子10eは、傾斜面に大きな反力を受
けたときに、この傾斜面を後退させるようにばね力に逆
らって転角してこの反力を逃がすように駆動レバー10
bに結合する。この大きな反力は、操作子10eの傾斜
面によって操作レバー7rを押し上げて摺動子7iを上
昇させるときに、この摺動子7iの上側凹凸7nがハウ
ジング7aの回り止め凹凸7gに嵌合せずに衝突状態に
なって該摺動子7iの上昇が停止されることにより発生
する。弁駆動モータ10dは、このような凹凸の衝突に
よって摺動子7iの上昇が途中で阻止された状態におい
ても排水弁10aを全開するようにカム10cを回転さ
せ、連動する駆動レバー10bも強制的に転角駆動す
る。そこで、摺動子7iの上昇が停止した後の駆動レバ
ー10bの転角は、傾斜面を後退させるように操作子1
0eを弾性的に転角させることによって、連動部材を破
損するような大きな応力が発生するのを回避しながら実
現する。傾斜面を後退させるような操作子10eの転角
は、操作レバー7rを下降させるように作用しているば
ね7qの伸力によっては発生しないように各ばね力を設
定する。
【0030】摺動子7iの上昇において上側凹凸7nが
ハウジング7aの回り止め凹凸7gに嵌合せずに衝突状
態になって該摺動子7iの上昇が停止下状態は、洗濯行
程において、洗濯軸7fを一回転方向に微動させること
により解消する。洗濯兼脱水槽5と撹拌翼6は洗濯物や
洗濯水を介した摩擦結合状態にあることから、洗濯軸7
fを回転させると、洗濯兼脱水槽5が緩やかに連れ回り
する。従って、摺動子7iの上側凹凸7nがハウジング
7aの回り止め凹凸7gに噛み合い係合するような位置
合わせが実現する。
【0031】外枠1の上端に設置するトップカバー12
には、衣類投入口12aを開口し、その後方の内側には
給水電磁弁13を設置し、手前の内側には水位センサ1
4と、ブザーを内蔵したコントローラ15と、操作パネ
ル16と、蓋ロック/振れ検出ユニットとを設置し、電
気部品は保護カバー12b,12cで覆って防水し、衣
類投入口12aには転角して該衣類投入口12aを開閉
する蓋17を設置する。
【0032】図10および図11は、この全自動電気洗
濯機における蓋ロック/振れ検出ユニットの機構部の縦
断側面図であり、図10は蓋ロックが解除されている状
態を示し、図11は蓋ロック状態を示している。
【0033】蓋ロック/振れ検出ユニット18は、蓋1
7の開動をロック/解除する機能手段と、蓋17の開閉
状態を検出する機能手段と、外槽1の振れ(洗濯兼脱水
槽5の振れ回り)振幅の大きさを検出する振れ量検出機
能手段を複合したユニットである。蓋ロック/解除機能
手段は、閉じられた蓋17を常にロックして開動を阻止
し、蓋開指示に応じて、安全状態を確認し、更には安全
状態に制御した後にロックを解除して蓋17を開放する
ように制御装置と連係する。
【0034】蓋17は、その先端部に、ロック爪係合部
17aを備える。
【0035】そして、蓋ロック/振れ検出ユニット18
は、閉じられた蓋17のロック爪係合部17aに押され
て転角して該ロック爪係合部17aに係合して該蓋17
を開動不能にロックし、反転してロックを解除すると共
にその状態を検出スイッチ(後述する)に伝えるロック
爪部材18aと、転角してロック爪係合部17aに係合
(ロック)したロック爪部材18aの反転(解除)を阻
止するようにばねに押されて突出し、電磁力によって引
き戻されてロック爪部材18aの反転(解除)を可能に
するプランジャ18bを備えた電磁装置18cと、洗濯
兼脱水槽5の正常回転状態における外槽1の懸垂位置か
ら僅かに離れた位置に垂下させて該外槽1の過度の振れ
に応動して前記検出スイッチを動作させる振れ検出レバ
ー18dとを備える。検出スイッチは、蓋のロックが解
除された状態および外槽1の振れが大きくなったときに
開放される接点を備える兼用タイプである。
【0036】駆動モータ9は、2極/6極切り換え型の
コンデンサ分相単相誘導電動機を使用する。この全自動
電気洗濯機は、洗濯行程では、撹拌翼6を低速度で正逆
回転させ、脱水行程では、洗濯兼脱水槽5を一方向に高
速度で回転させることが必要である。従来の全自動電気
洗濯機は、一般的には、この2種類の回転速度の駆動力
を駆動機構部の減速ギヤを使用して得るようにしている
が、この実施形態では、この減速ギヤを廃止して駆動機
構の構成を簡素化するために、駆動モータ9の極数切り
換えによって得るようにしている。
【0037】2極/6極切り換え型コンデンサ分相単相
誘導電動機の出力特性は、図12に示すように、6極構
成の出力特性121は高トルクで低速度回転となるの
で、撹拌翼6を低速度で正逆回転させる洗濯行程の駆動
力に適している。そして、2極構成の出力特性122
は、低トルクであるが高速度回転となるので、洗濯兼脱
水槽5を一方向に高速度回転させる脱水行程の駆動力に
適している。しかしながら、脱水起動時には比較的大き
な駆動トルクで加速することを必要としていることか
ら、2極構成状態でこの大きな駆動トルクを得ることが
できるようなコンデンサ分相単相誘導電動機を使用する
ことは、構造が大型化して不経済となる。そこで、この
駆動モータ9は、脱水起動時の強い加速を実現するため
の駆動トルクは6極構成状態で得ることができる程度の
大きさに構成し、図13に示すように、この脱水起動は
6極構成の駆動特性131で行い、その後に、2極構成
に切り換えて高速度脱水回転の駆動特性132を実現す
るようにする。t1は、極数切り換えのための給電休止
時間である。
【0038】このような2極/6極切り換え型のコンデ
ンサ分相単相誘導電動機は、2極構成用と6極構成用の
2種類の巻線を施し、この2種類の巻線を極数切り換え
スイッチによって選択的に使用することにより2極構成
と6極構成を実現する。分相用のコンデンサは、1つの
コンデンサを2極構成と6極構成に共用するように接続
する。
【0039】この種の全自動電気洗濯機において、洗濯
行程における撹拌翼6の回転速度は、350rpm以下
であることが望ましく、脱水行程における洗濯兼脱水槽
5の回転速度は、700〜1000rpmであることが
望ましい。2極/6極切り換え型のコンデンサ分相単相
誘導電動機により、50〜60Hzの電源領域におい
て、このような回転速度を実現するために、洗濯軸7f
に結合したプーリ7kと駆動モータ9の出力軸9aに結
合したプーリ9bの径を異ならせて減速を実行する。こ
のときの減速比(プーリ比)は、1/3〜1/4が好適
である。
【0040】このような駆動回転速度は、4/6極切り
換え型のコンデンサ分相単相誘導電動機を使用して1/
1.5〜1/2の減速比で実現することもできる。但
し、価格的には2/6極切り換え型のコンデンサ分相単
相誘導電動機が有利である。
【0041】図14は、操作パネル16の平面図であ
る。この操作パネル16は、メンブレンスイッチとLE
D表示灯を組み合わせたもので、洗濯水量を設定する水
量キー16aとその表示灯群16bの対と、予約時間を
設定する予約キー16cとその表示灯16dの対と、洗
濯脱水行程を選択する行程キー16eとその表示灯群1
6fの対と、洗濯コースを選択的に設定するコースキー
群16gとその表示灯群16hの対と、電源キー16i
と、蓋17の開放を指示する蓋オープンキー16jと確
認表示灯16kの対56を備える。コースキー16g
は、洗濯コースの選択とスタート/一時停止の指示入力
に兼用する。
【0042】図15は、この全自動電気洗濯機の電気的
構成を示すブロック図である。
【0043】コントローラ15は、マイクロコンピュー
タ15aを中心にして構成し、電源回路15bと、ゼロ
クロス信号発生回路15cと、リセット回路15dと、
電源リレー15eと、駆動モータ9の2/6極切り換え
リレー15fと、給水電磁弁13と排水電動弁装置10
と蓋ロック/振れ検出ユニット18の電磁装置18cと
駆動モータ9への給電を制御する半導体交流スイッチン
グ素子(FLS)群で構成したFLS回路15gと、布
量センサ回路15hと、クロック信号を発生する発振回
路15iと、ブザー15jと、機種に応じた制御特性を
設定する機種切り換えスイッチ15kとを備える。
【0044】駆動モータ9は、6極構成用の主巻線9c
と補助巻線9dと、2極構成用の主巻線9eと補助巻線
9fを備える。2/6極切り換えリレー15fは、FL
S回路15gからの給電を6極構成用巻線9c,9dま
たは2極構成用巻線9e,9fに選択的に供給するため
の6極構成側常閉の切り換え接点を備える。
【0045】FLS回路15gは、この駆動モータ9へ
の給電制御に関しては、2つのFLS15g1,15g2
を備える。FLS15g1は、正回転給電制御用の半導
体交流スイッチング素子、FLS15g2は逆回転給電
制御用の半導体交流スイッチング素子である。
【0046】排水電動弁装置10は、弁体開閉駆動のリ
ミットスイッチとして動作する排水弁開閉検出スイッチ
10g,10hを備える。この排水弁開閉検出スイッチ
10gは排水弁10aが全開すると開放する常閉接点で
あり、排水弁開閉検出スイッチ10hは排水弁10aが
全閉すると開放する常閉接点である。
【0047】蓋ロック/振れ検出ユニット18は、前述
したようにロック爪部材18aおよび振れ検出レバー1
8dによって操作される検出スイッチ18eを備える。
【0048】分相コンデンサ19は、FLS回路15g
と切り換えリレー15fの間に接続し、2/6極回路構
成に共用するようにする。
【0049】なお、操作パネル16に関しては、各種の
キー群を参照符号16zで示し、LED表示灯群を参照
符号16yで示す。
【0050】次に、マイクロコンピュータ15aによる
洗濯/脱水および蓋ロック/解除制御について説明す
る。
【0051】洗濯行程では、水量キー16aによって設
定された設定水量(水位)まで給水するように給水電磁
弁13を制御する。一般に、このときの水位は、その後
の洗いおよび濯ぎ中に洗濯水が衣類に滲み込むことによ
り低下する。この水位の低下は、洗濯性能を低下させる
傾向を伴うために、従来の全自動電気洗濯機の制御装置
は、この水位の低下を補うための補給水を設定水量に関
わらずに一律に行うようにしており、水消費量が増える
と共に洗濯時間が長くなる傾向にある。しかしながら、
この水位の低下量は、図16に示すように、洗濯負荷量
(布量)によって異なっており、軽負荷状態での水位の
低下は微量である。従って、一律に補給水を行っても実
質的な改善効果が得られない場合がある。
【0052】そこで、この実施形態の全自動電気洗濯機
のコントローラ15におけるマイクロコンピュータ15
aは、図17に示すように、給水(ステップ1701)
を行った後に設定水位を確認し(ステップ1702)、
高水位設定でないときには補給水を行わないで洗い、濯
ぎ撹拌を実行する(ステップ1710)。
【0053】高水位設定のときには、布量センサ回路1
5hによって洗濯する布量を検出し(ステップ170
3)、検出した布量が設定水量に対して定格または80
%以上かどうかを判定し(ステップ1704)、未満の
ときには、ステップ1710の洗い、濯ぎ撹拌を実行す
る。そして、80%以上のときには、t2秒間の洗い、
濯ぎを行った後に水位が設定水位にあるかどうかを水位
センサ14の出力信号で確認し(ステップ1705,1
706,1707)、設定水位にあれば、ステップ17
10の洗い、濯ぎ撹拌を実行する。設定水位にないとき
には、設定水位までの補給水(ステップ1708,17
09)を実行した後にステップ1710の洗い、濯ぎ撹
拌に移る。
【0054】因に、この洗濯行程における撹拌翼6の正
逆回転駆動は、FLS15g1,15g2を交互に導通さ
せることによって駆動モータ9を6極構成で正逆回転さ
せて行う。
【0055】脱水行程では、駆動モータ9は、図13に
示したように、6極構成で起動して加速し、その後に2
極構成に切り換えて高速度脱水駆動を実現する。そのた
めに、マイクロコンピュータ15aは、図18に示すよ
うに、排水電動弁装置10を制御して排水を終了すると
(ステップ1801)、脱水運転を開始する(ステップ
1802)。
【0056】先ず、FLS15g1,15g2をオフに保
った状態で駆動モータ9が6極構成となるように切り換
えリレー15fを制御し、次いで、FLS15g1をオ
ンさせて6極構成の主巻線9cに給電し、補助巻線9d
には分相コンデンサ19を介して給電することにより、
正回転方向に脱水起動する(ステップ1803)。この
6極構成での低速度脱水駆動を振れ量過大または一時停
止キーによる脱水停止指示を監視しながらt3秒間継続
する(ステップ1804,1805)。
【0057】次いで、FLS15g1をオフ状態にした
後に切り換えリレー15fを制御して駆動モータ9を2
極構成となるように切り換え、その後に再びFLS15
1をオンさせて2極構成の主巻線9eに給電し、補助
巻線9fには分相コンデンサ18を介して給電すること
により、正回転方向に高速度脱水駆動を行う(ステップ
1806)。この2極構成での高速度脱水運転を振れ量
過大または一時停止キーによる脱水停止指示を監視しな
がらt4秒間継続して脱水を終了する(ステップ180
7,1808)。
【0058】ステップ1804,1807において脱水
停止指示が発生すると、駆動モータ9を電気制動手段と
して機能させて脱水回転停止を行い(ステップ180
9)、再スタート指示が入力されればステップ1802
に戻り、入力されなければ脱水行程を終了するように分
岐する(ステップ1810)。
【0059】このような脱水行程において、軽量負荷
(布量が少ない)のときに駆動モータ9を6極構成にし
て起動すると、駆動トルクが過大になって洗濯兼脱水槽
5が急激に加速されることから洗濯兼脱水槽5の振れ回
り量が大きくなり、従って、外槽1の振れ量も大きくな
って検出スイッチ18eが作動して脱水停止指示が発生
する機会が多くなる。従って、軽負荷のときには、図1
9に示すように、発生トルクの小さい2極構成の駆動特
性191で緩やかに始動し、次いで、6極構成の駆動特
性192で大きく加速し、その後に再び2極構成の高速
度駆動特性193にして高速度脱水駆動を行うように駆
動モータ9を切り換え制御することにより、円滑で高脱
水率の脱水行程を実現することができる。この切り換え
制御は、時間管理によって行うようにすることが便利で
ある。例えば、駆動モータ9を2極構成にしての緩やか
な始動を3〜10秒間実行し、その後の6極構成での強
い加速は15〜30秒間実行し、その後に再び2極構成
にして高速度脱水駆動を所定時間実行するようにすれば
良い。また、駆動モータ9の回転速度を検出する回転速
度計を設け、実際の回転速度を計測しながら切り換え制
御を行うようにすれば、制御精度が向上する。
【0060】なお、加速度を調整するためには、必要に
応じて、FLS18g1をゼロクロス制御によって間欠
的に導通させて駆動モータ9に間欠給電するようにすれ
ば良い。
【0061】また、脱水行程における脱水回転速度特性
を洗濯布量と布質に応じて変えるようにすると、更に好
ましい脱水機能を実現することができる。例えば、ウー
ル製品やデリケートな衣類を脱水するときは高速度脱水
回転を抑えることが望ましいことから、布量および布質
を検出し、この検出結果に応じて、駆動モータ9を6極
構成のままで高速度脱水駆動を継続(2極構成にしな
い)する脱水制御や、2極構成で起動し、その後は6極
構成で高速度脱水駆動を継続(2極構成にしない)する
脱水制御を実行するようにすると良い。
【0062】また、脱水行程では、駆動モータ9の発生
トルクを洗濯兼脱水槽5に伝達するために、スライドカ
ラー7iを下降させて下側突起7pをプーリ7kの係合
穴7mに嵌合させて噛み合い係合させておくことが必要
である。スライドカラー7iの下降は、排水電動弁装置
10が排水弁10aを開動するときに駆動レバー10b
を転角させて操作レバー7rを解放することにより、ば
ね7qの伸力によって実現するが、下側突起7pと係合
穴7mが位置ずれしている状態では、両者の噛み合い
(嵌合)が起らない。そして、この未嵌合状態で駆動モ
ータ9による脱水駆動を行うと、下側突起7pと係合穴
7mの縁が擦れ合って空転しなが異音を発生するように
なる。
【0063】このような空転現象の発生を防止するため
に、脱水行程では、先ず、プーリー7kを緩やかに回転
させて噛み合い係合位置合わせを行うように駆動モータ
9を緩速駆動(微動)させる。この噛み合い係合位置合
わせのための緩速駆動は、0.1秒程度の短い時間のパ
ルス的な給電を時間をおいて複数回行うようにすると良
い。また、給電時間は、その長さを変えることにより、
噛み合い易い緩速駆動が得られるようにすると良い。
【0064】衣類に滲み込んだ洗剤を除去するために行
うシャワー脱水濯ぎは、一般的には、高速度脱水回転中
に間欠的に注水しながら行うようにしている。そのため
に、このシャワー脱水濯ぎは、水音や水跳ねの問題があ
る。
【0065】この実施形態は、この問題に対処するため
に、図20に示すように、駆動モータ9を2極構成−6
極構成−2極構成に切り換えて運転する脱水駆動におい
て、6極構成で駆動している低速度駆動中と2極構成の
高速度脱水駆動の初期の段階で比較的低速度の脱水回転
中に給水電磁弁13を間欠的または連続的に開いて注水
するように行うことによって、水音や水跳ねを軽減する
ものである。必要な量の濯ぎ水を注水するためには、こ
の比較的低速度の脱水回転状態を比較的長い期間にわた
って安定に継続することが必要である。このような低速
度脱水駆動には、駆動モータ9への給電の断続を繰り返
すことにより脱水速度の上昇特性を緩慢にする間欠給電
制御が望ましい。
【0066】間欠注水は、駆動モータ9への間欠給電に
同期させて、給電期間に注水し、または断電期間中に注
水するように行う同期注水制御方式と、間欠給電に非同
期で注水する非同期注水制御方式がある。また、駆動モ
ータ9に間欠給電を行わないで連続的に給電する脱水駆
動制御方式においても、間欠注水によるシャワー脱水濯
ぎを行うことができることは、勿論である。
【0067】このシャワー脱水濯ぎにおける注水制御
は、安定した比較的低速度脱水回転状態にあるときに所
定量の濯ぎ水を間欠注水するために、洗濯布量に応じて
行うことが望ましい。例えば、洗濯布量を「大」「中」
「少」に区分するときには、電源周波数や給水能力(給
水流量)にもよるが、10〜15リットルの濯ぎ注水量
を実現するためには、洗濯布量「大」においては、駆動
モータ9を6極構成の運転に切り換えてからt5=80
〜110秒経過後に3秒注水/10秒休止の間欠注水を
16回繰り返し、洗濯布量「中」においては、駆動モー
タ9を6極構成の運転に切り換えてからt5=70〜9
0秒経過後に4秒注水/9秒休止の間欠注水を12回繰
り返し、洗濯布量「少」においては、駆動モータ9を6
極構成の運転に切り換えてからt5=5〜10秒経過後
に5秒注水/3秒休止の間欠注水を9回繰り返すように
すると良い。
【0068】蓋オープンキー16jは、押圧されること
により、衣類投入口12aを覆う蓋17を開放するため
の蓋開放指示信号を発生する。マイクロコンピュータ1
5aは、この蓋開放指示信号に応動して、蓋ロック/振
れ検出ユニット18のプランジャ18bを引き戻してロ
ック爪部材18aを反転可能にするように電磁装置18
cを付勢することにより、蓋17のロックを解除する
が、その前に、運転状況を確認し、状況に応じて、洗濯
兼脱水槽5の回転を減速および停止させて安全を確保す
るための電気制動制御とその表示制御を行う。
【0069】電気制動は、駆動モータ9を2極(正回
転)構成にして高速度脱水駆動している状態からの制動
では、先ず、6極(正回転)構成の巻線9c,9dを使
用するように接続して同期回転速度を低くすることによ
り制動トルクを発生させて減速し、その後は、断電して
自然に減速させ、または、必要に応じて、脱水駆動で使
用した補助巻線9dに半波整流電圧または全波整流電圧
あるいは直流平滑電圧を印加して制動トルクを発生させ
て制動する。
【0070】そして、この制動状態を表示する制御は、
確認表示灯16kの点滅表示によって行う。この制動中
であることを表示のための点滅周期は、通常の洗濯/脱
水行程を表示する表示灯の点滅周期に対して短くするこ
とにより、識別できるようにする。具体的には、例え
ば、行程表示は900〜1000m秒の周期で点滅し、
制動状態表示は700m秒の周期で点滅するようにする
と良い。そして、制動終了(蓋ロック解除)に近付くに
従って点滅周期を変えるようにすることにより、終了ま
での待ち時間の長さを把握することができるようにする
と便利である。
【0071】一般のこの種の全自動電気洗濯機の定格負
荷(4.2kg)時における洗濯兼脱水槽5の高速度脱
水回転(900rpm程度)から自然に停止するまでの
惰性回転時間は、50〜60秒である。
【0072】この惰性回転時間を短縮するためには、前
述したように、電気制動を行うことが有効である。この
電気制動は、図21に示すように、先ず、駆動モータ9
を2極構成の運転(脱水駆動)から6極構成の運転(制
動運転)に切り換えて同期回転速度を低くすることによ
り制動トルクを発生させて減速し、その後に、断電また
は半波整流電圧,全波整流電圧または直流平滑電圧を補
助巻線に供給することにより制動トルクを発生させて減
速する。半波整流電圧,全波整流電圧または直流平滑電
圧を供給することにより制動トルクを発生させる制動
は、構成手段の簡素化と制動効果の観点から、補助巻線
回路側のFLS15g2をゼロクロス制御することによ
って得た半波整流電圧を駆動モータ9の補助巻線9dに
印加する構成が有利である。
【0073】駆動モータ9と洗濯兼脱水槽5をプーリを
介してベルト結合した全自動電気洗濯機における制動で
は、駆動モータ9の制動トルクが過大になると、ベルト
とプーリの間に滑りが発生して鳴き音が発生すると共に
摩耗量が増加する。また、駆動モータ9に大きな電流が
流れて過熱する。従って、駆動モータ9により発生する
制動トルクの大きさは、ベルトとプーリの間の滑り発生
を考慮して設定することが必要である。ベルトとプーリ
の間の滑りの発生は、ベルトとプーリの接触面積を広く
し、接触圧力を高め、摩擦係数を大きくすることにより
抑制することができる。しかしながら、このような対応
策は、部品が大型化して高価になる不都合を伴う。
【0074】この実施形態は、この滑りによる鳴き音の
発生を防止するために、図22に示すように、先ず、駆
動モータ9を2極構成で運転する高速度脱水駆動(80
0〜1000rpm程度)を止め(断電)て暫くの間は
自然に惰性回転させることにより洗濯兼脱水槽5の回転
速度を600rpm程度まで自然減速し、次いで、6極
構成の低い同期速度で運転(制動運転)することによっ
て制動トルクを発生させて強制減速し、その後に、この
6極構成での運転を停止し、必要に応じて、この6極構
成の補助巻線9dに半波整流電圧,全波整流電圧あるい
は直流平滑電圧を印加することにより制動トルクを発生
させて更に強制減速するようにすることにより、回転を
停止するまでの時間を更に短縮することを提案する。
【0075】また、図23に示すように、2極(正回
転)構成での高速度脱水駆動を止めると同時に該2極構
成の補助巻線9fに半波整流電圧,全波整流電圧あるい
は直流平滑電圧を印加することにより電気制動トルクを
発生させて更に強制減速するようにすることにより、回
転を停止するまでの時間を更に短縮することも可能であ
る。
【0076】更にまた、図24に示すように、2極構成
での高速度脱水駆動を止めて暫くの間は自然に惰性回転
させて自然減速した後に、2極構成の補助巻線9fに半
波整流電圧,全波整流電圧あるいは直流平滑電圧を印加
することにより電気制動トルクを発生させて更に強制減
速するようにすることにより、回転を停止するまでの時
間を更に短縮することも可能である。
【0077】この2極構成による高速度脱水駆動を止め
た後の暫くの間(10〜15秒間)の惰性回転による自
然な減速は、その後の電気制動における過大な制動トル
クの発生を防止すると共にこの惰性回転中の冷却効果に
よって駆動モータ9の温度を下げてその後の電気制動で
の過熱防止に効果的である。
【0078】このようにして蓋開放のための安全条件の
成立を確認すると、蓋ロック/振れ検出ユニット18の
電磁装置18cを付勢してプランジャ18bを引き戻し
てロック爪部材18aを反転させ、蓋17のロック爪係
合部17aを解放する。これにより、蓋17の開放が可
能となる。蓋17を僅かに開動させる程度のばね圧を該
蓋17に作用させておくことにより、ホップアップ式の
蓋開動作を実現することができる。
【0079】蓋オープンキー16jが押されてから蓋ロ
ックを解除するまでの制御処理は、そのときに洗濯兼脱
水槽5がどのような状態にあるかによって変えるべきで
ある。例えば、洗濯兼脱水槽5が高速度脱水回転(駆動
モータ9を2極構成にして駆動)しているときに蓋オー
プンキー16jが押された場合の制動と、自然な惰性回
転による減速中に蓋オープンキー16jが押された場合
の制動と、その他の安全確保のための制動では、制動特
性を変えるべきである。電気制動では駆動モータ9の補
助巻線9c,9fにロック電流(5〜6A)程度の電流
が流れることから、この電気制動を長時間継続すると、
過熱焼損の危険がある。
【0080】図25は、洗濯兼脱水槽5が高速度脱水回
転状態から惰性回転により自然に停止するまでの回転速
度特性を示している。この実施形態は、このような回転
速度特性の脱水行程において、図26に示すように、蓋
オープンキー16jが押されるタイミングに応じて電気
制動時間を変える制動制御を実行する。
【0081】駆動モータ9を2極構成にして高速度脱水
駆動中に蓋オープンキー16jからの蓋開指示を入力す
ると(ステップ2601,2602)、電気制動制御処
理(ステップ2603)を実行し、これを20秒間継続
した後に蓋ロックを解除して電源をオートオフする(ス
テップ2604,2605,2606)。
【0082】駆動モータ9の高速度脱水駆動を停止した
後に蓋オープンキー16jからの蓋開指示を入力すると
(ステップ2601,2607)、駆動停止からの経過
時間を確認し(ステップ2608)、15秒以内であれ
ばステップ2603からの電気制動制御を実行する。
【0083】15秒以内でないときには15秒を越えて
30秒以内かどうかを確認し(ステップ2609)、そ
うであれば電気制動制御処理を実行し(ステップ261
0)、これを15秒間継続した後に蓋ロックを解除する
(ステップ2611,2605)。
【0084】15秒を越えて30秒以内の条件を満足し
ないときには30秒を越えて50秒以内かどうかを確認
し(ステップ2612)、この条件を満足するときには
電気制動制御処理を実行し(ステップ2613)、この
制動を10秒間継続した後に蓋ロックを解除する(ステ
ップ2614,2605)。
【0085】30秒を越えて50秒以内の条件を満足し
ないときには50秒を越えているかどうかを確認し(ス
テップ2615)、越えていなければステップ2608
に戻る。越えていれば、電気制動制御処理を実行し(ス
テップ2616)、これを5秒間継続した後に蓋ロック
を解除する(ステップ2617,2605)。
【0086】蓋オープンキー16jからの蓋開放指示が
ないときには、自然な惰性回転で減速して停止するよう
にし(ステップ2618)、これを60秒間継続した後
に終了ブザー15jを鳴動させ(ステップ2619,2
620)、その後に蓋ロックを解除して電源をオートオ
フする(ステップ2605,2606)。
【0087】この電気制動は、駆動モータ9を利用して
実現するが、具体的な実施形態としては、前述したよう
に、6極構成の主巻線9cと補助巻線9dに交流正弦波
電圧を印加する形態と、6極構成の主巻線9cおよび/
または補助巻線9dおよび/または2極構成の主巻線9
eおよび/または補助巻線9fに半波整流電圧,全波整
流電圧または直流平滑電圧を印加する形態がある。全波
整流電圧または直流平滑電圧を印加する形態で実施する
ときには、全波整流回路および平滑コンデンサを付加す
ることが必要であるが、半波整流電圧を印加する形態で
実施するときには、逆回転給電制御用のFLS15g2
を使用した半波整流電圧あるいは位相制御によって電源
電圧波形の一部を切り欠いて調整した半波整流電圧を補
助巻線9d,9fに印加するような構成が良い。
【0088】このような蓋ロックと電気制動は、洗濯兼
脱水槽5が高速度で回転している危険な状態で衣類投入
口12aを覆う蓋17が開放されるのを回避するために
行う。マイクロコンピュータ15aは、制御来歴を記憶
し、この制御来歴情報を参照しながら合理的な電気制動
および蓋ロック解除を行う制御処理を実行することによ
り、蓋17を安全な状態で開放することができる。図2
7は、その制御処理の一例を示している。
【0089】電源キー16iが押されて電源が投入され
ると(ステップ2701)、記憶している制御来歴情報
の中から電気制動情報を参照する。そして、脱水行程で
電気制動を行って停止した制御来歴が記憶されていると
きには、洗濯兼脱水槽5は停止して安全な状態にあるも
のと推定して蓋オープンキー16jからの蓋開指示を受
け付けて蓋17のロックを解除して開放するようにする
(ステップ2702,2703)。
【0090】しかしながら、初期状態や停電回復時やコ
ンセントに対して電源プラグを抜き差ししたときのよう
に制御来歴情報が記憶されていないときには、制御来歴
情報に基づいて洗濯兼脱水槽5の安全性を推定すること
ができないので、15秒間の電気制動を行ってから蓋オ
ープンキー16jからの蓋開指示を受け付けるようにす
る(ステップ2704,2705,2703)。
【0091】そして、洗濯行程(ステップ2706,2
707)を経て脱水行程(ステップ2708)において
は、駆動モータ9を6極構成にした低速度脱水駆動ある
いは2極構成で緩速起動した後に6極構成にした低速度
脱水駆動中に洗濯兼脱水槽5の振れ回りが過大になって
検出スイッチ18eが動作したときには、振れを減衰さ
せるために5秒間の電気制動を行った後に次の処理に移
行する(ステップ2709,2710,2711)。
【0092】低速度脱水駆動中に検出スイッチ18eが
動作しなければ2極構成の高速度脱水駆動に移り(ステ
ップ2712)、この高速度脱水駆動中に洗濯兼脱水槽
5の振れ回りが過大になって検出スイッチ18eが動作
したときには、振れを減衰するために20秒間の電気制
動を行った後に次の処理に移行する(ステップ271
3,2714,2715)。高速度脱水駆動中に洗濯兼
脱水槽5の過大な振れが検出されなければこの高速度脱
水駆動を継続して次の行程に移る。
【0093】また、蓋オープンキー16jからの蓋開放
指示を受けたときには、排水電動弁装置10における排
水弁10aの開閉状態を確認することにより洗濯兼脱水
槽5の回転の有無を推定することができる。この排水弁
10aの開閉状態は、弁駆動モータ10cによる開閉操
作を制御するために設けた前記排水弁開閉検出スイッチ
10g,10hの開閉状態を確認することにより知るこ
とができる。排水弁開閉検出スイッチ10gが「開」で
排水弁開閉検出スイッチ10hが「閉」であれば、排水
弁10aは全開して排水行程または脱水行程にある。ま
た、排水弁開閉検出スイッチ10hが「開」で排水弁開
閉検出スイッチ18gが「閉」であれば、排水弁10a
は全閉して洗濯(洗いまたは濯ぎ)行程にある。2つの
排水弁開閉検出スイッチ10g,10hが共に「開」は
異常であり、共に「閉」は不定(開閉動作の途中状態)
である。
【0094】図28は、このような排水弁開閉検出スイ
ッチ10g,10hの開閉状態に基づいて排水弁10a
の開閉状態、すなわち、洗濯兼脱水槽5の回転の有無を
推定して電気制動と蓋ロック解除を行うための制御処理
のフローチャートを示している。
【0095】蓋オープンキー16jから蓋開指示が入力
されたときには(ステップ2801)、先ず、排水弁開
閉検出スイッチ18gの開閉状態を確認する(ステップ
2802)。排水弁開閉検出スイッチ18gが「開」状
態にあるときには、排水弁開閉検出スイッチ18hの開
閉状態を確認する(ステップ2803)。排水弁開閉検
出スイッチ18g,18hが共に「開」の状態は異常で
あるので、排水弁異常と判定してエラー表示を行い、電
源をオートオフする(ステップ2804〜2806)。
排水弁開閉検出スイッチ18hが「閉」状態のときに
は、排水弁10aは開放状態であるので(ステップ28
07)、脱水行程であるかどうかを確認する(ステップ
2808)。そして、脱水行程中であれば洗濯兼脱水槽
5は回転中であるので、20秒間の電気制動制御処理
(ステップ2809,2810)を行った後に蓋ロック
解除を行う(ステップ2811)。
【0096】ステップ2808の確認において、脱水行
程でないときには、排水行程で洗濯兼脱水槽5は回転し
ていないので、直ちに蓋ロック解除を行う(ステップ2
811)。
【0097】ステップ2802の確認において、排水弁
開閉検出スイッチ18gが「閉」状態のときには、排水
弁開閉検出スイッチ18hの開閉状態を確認する(ステ
ップ2812)。そして、この排水弁開閉検出スイッチ
18hが「開」状態であれば、排水弁10aを閉じた洗
濯行程にあって洗濯兼脱水槽5は回転していない安全な
状態にあるので、直ちに蓋ロックを解除する(ステップ
2813,2811)。
【0098】ステップ2812の確認において、排水弁
開閉検出スイッチ18hが「閉」状態のときには排水弁
10aが閉動作中の可能性があるので、20秒間の動作
待ちを行った後に、再度、排水弁開閉検出スイッチ18
hの開閉状態の確認を行う(ステップ2814,281
5)。そして、排水弁開閉検出スイッチ18hが「開」
状態になれば、排水弁10aが閉じて洗濯行程に移行し
たので、蓋ロック解除を行う(ステップ2815,28
13,2811)。
【0099】動作待ち時間を経過した後も排水弁開閉検
出スイッチ18hが「閉」状態にあるときには、排水弁
10aが異常な状態にあるので、エラー表示して電源を
オートオフする(ステップ2816〜2818)。
【0100】なお、蓋オープンキー16jを操作するこ
とによる蓋開指示に基づく各種の蓋ロック解除制御処理
に関しては、電源プラグが電源コンセントに接続されて
いれば、電源スイッチ16iが操作されていなくとも機
能するようにマイクロコンピュータ15aにプログラム
する。
【0101】ここで、脱水行程における駆動モータ9の
制御について説明する。この実施形態で使用する駆動モ
ータ9は、基本的には、図12および図13に示すよう
に、発生トルクの大きい6極構成で起動し、2極構成で
高速度駆動することにより脱水率を高めることができる
出力特性である。そこで、先ず、6極構成での起動は、
FLS15g1,15g2を遮断した状態で切り換えリレ
ー15fを動作させて6極構成の巻線9c,9dへの給
電回路を形成し、次いで、FLS15g1を導通させて
給電することにより行う。そして、所定時間経過後にF
LS15g1を遮断して駆動モータ9への給電を断ち、
切り換えリレー15fを動作させて2極構成の巻線9
e,9fへの給電回路を形成し、次いで、FLS15g
1を再び導通させて給電することにより、2極構成によ
る高速度脱水駆動を実現する。
【0102】そして、電気制動は、図21および図22
に示すように、先ず、FLS15g1を遮断することに
より2極構成での高速度脱水駆動中の駆動モータ9への
給電を止め、次いで、切り換えリレー15fを動作させ
て6極構成の巻線9c,9dへの給電回路を形成し、そ
の後直ちに、あるいは暫く休止した後に再びFLS15
1を導通させて駆動モータ9を6極構成で運転するこ
とにより、同期速度を越えた回転速度の駆動モータ9に
制動トルクを発生させる。駆動モータ9の回転速度が同
期速度以下になると駆動トルクを発生するようになるの
で、時機をみてFLS15g1を遮断状態にすることに
より駆動トルクによる加速を防止する。
【0103】その後は、自然に減速し、またはFLS1
5g2の導通タイミングを交流電源電圧の半波形単位で
ゼロクロス制御する半波整流を実行し、6極構成の補助
巻線9dに半波整流電圧を供給することにより電気制動
を実行する。この電気制動は、2極構成の補助巻線9f
に半波整流電圧を印加して行うこともできる。
【0104】また、6極構成の低い同期回転速度による
制動を行わずに、図23および図24に示すように、2
極構成の高速度脱水駆動を止めた後に、直ちに、あるい
は暫く休止した後に、2極構成の補助巻線9fに半波整
流電圧を印加して実現する。
【0105】図29は、給排水および洗濯行程と脱水行
程における蓋開放指示および布量(洗濯負荷量)に応じ
た電気制動と蓋ロック解除(蓋開放)の関係の変形例を
示している。
【0106】マイクロコンピュータ15aは、脱水行程
以外の給水,洗濯,排水行程においては、蓋オープンキ
ー16jからの蓋開放指示が入力されると、電気制動を
行うことなく直ちに蓋ロックを解除する処理を行う。
【0107】脱水行程においては、駆動モータ9を2極
構成にしての起動および6極構成でで加速中の低速度駆
動状態で蓋オープンキー16jからの蓋開放指示が入力
されると、直ちに5〜10秒間の電気制動を実行し、そ
の後、6秒間の待ち時間を経た後に蓋ロック解除を行
う。
【0108】駆動モータ9を6極構成から2極構成にし
て高速度脱水駆動〜脱水行程終了までの間に蓋オープン
キー16jからの蓋開放指示が入力されると、直ちに1
5〜20秒間の電気制動を実行し、その後、6秒間の待
ち時間を経た後に蓋ロック解除を行う。
【0109】高速度脱水駆動を終了してから電気制動ま
での休止時間は、布量に応じて変えるようにする。例え
ば、布量が「小」のときには10秒間休止とし、「大」
のときには15秒間休止とする。
【0110】また、休止後の電気制動時間も布量に応じ
て変えるようにする。例えば、「小」では5〜10秒間
の電気制動とし、「大」では10〜15秒間の電気制動
を実行するようにする。
【0111】駆動モータ9は、インバータモータとする
ことも可能である。このインバータモータを駆動モータ
9として使用する場合には、駆動速度および制動制御
は、速度指令に従って出力特性曲線に沿ってインバータ
周波数や電圧を変えることにより行うことになるから、
巻線構成を切り換える極数切り換えリレー回路は不要に
なる。
【0112】そして、駆動モータ9を洗濯軸7fに直結
したダイレクトドライブ方式にすれば、プーリとベルト
が不要になる。但し、洗濯軸7fには脱水軸7eに係合
して昇降する摺動子7iと係合/離脱するための係合穴
を備えた部材(プーリの代替部品)を取り付けることが
必要である。直結構成にしないまでも、駆動モータ9を
洗濯軸7fと同心の下方位置に設置すれば、外槽1の部
組み状態での重心が中心線上に近付いて重量バランスを
良くすることができ、外槽1の防振支持に効果的であ
る。
【0113】
【発明の効果】本発明は、極数変換型の単相誘導電動機
を使用し、脱水行程は、布量(洗濯負荷量)に応じて
極数切り換え特性を変えるようにしたので、例えば、脱
水工程において、布量(洗濯負荷量)が少ないときには
少数極数巻線構成により緩やかに脱水始動することに洗
濯兼脱水槽の振れ回り量が大きくなることによる不都合
を防止することができ、従って、構成が簡単で安全性,
取り扱い性および脱水性能に優れた電気洗濯機とするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す全自動電気洗濯機の
縦断側面図である。
【図2】図1に示した全自動電気洗濯機における外槽の
底壁の外側への構成部品の設置状態を示す底面図であ
る。
【図3】図1に示した全自動電気洗濯機における外槽の
底面図である。
【図4】図1に示した全自動電気洗濯機における外槽の
一部縦断側面図である。
【図5】図1に示した全自動電気洗濯機におけるクラッ
チ/回り止め装置の部分を示す縦断側面図とその一部の
展開図である。
【図6】図1に示した全自動電気洗濯機におけるクラッ
チ/回り止め装置の一部の縦断側面図である。
【図7】図6に示したクラッチ/回り止め装置の一部の
底面図である。
【図8】図6および図7に示した全自動電気洗濯機にお
けるクラッチ/回り止め装置の回り止め機能作動(洗濯
駆動)状態を示す縦断側面図である。
【図9】図6および図7に示した全自動電気洗濯機にお
けるクラッチ/回り止め装置のクラッチ接続機能作動
(脱水駆動)状態を示す縦断側面図である。
【図10】図1に示した全自動電気洗濯機における蓋ロ
ック/振れ検出ユニットの機構部分の縦断側面であり、
蓋ロック解除状態を示している。
【図11】図1に示した全自動電気洗濯機における蓋ロ
ック/振れ検出ユニットの機構部分の縦断側面であり、
蓋ロック状態を示している。
【図12】図1に示した全自動電気洗濯機における駆動
モータの出力特性曲線図である。
【図13】図1に示した全自動電気洗濯機における脱水
駆動特性曲線図である。
【図14】図1に示した全自動電気洗濯機における操作
パネルの平面図である。
【図15】図1に示した全自動電気洗濯機の電気的構成
を示すブロック図である。
【図16】全自動電気洗濯機における洗濯時の水位低下
特性図である。
【図17】図1に示した全自動電気洗濯機における洗濯
制御処理フローチャートである。
【図18】図1に示した全自動電気洗濯機における脱水
制御処理フローチャートである。
【図19】図1に示した全自動電気洗濯機における軽負
荷時の脱水駆動特性図である。
【図20】図1に示した全自動電気洗濯機におけるシャ
ワー脱水濯ぎ制御処理の特性図である。
【図21】図1に示した全自動電気洗濯機の脱水行程に
おける電気制動制御処理の一例を示す特性図である。
【図22】図1に示した全自動電気洗濯機の脱水行程に
おける電気制動制御処理の他の例を示す特性図である。
【図23】図1に示した全自動電気洗濯機の脱水行程に
おける電気制動制御処理の更に他の例を示す特性図であ
る。
【図24】図1に示した全自動電気洗濯機の脱水行程に
おける電気制動制御処理の更に他の例を示す特性図であ
る。
【図25】図1に示した全自動電気洗濯機の脱水行程に
おける電気制動時間を示す特性図である。
【図26】図25に示した脱水行程における電気制動特
性を実現する制御処理のフローチャートである。
【図27】図1に示した全自動電気洗濯機における電気
制動および蓋ロック解除を制御来歴情報を参照して行う
制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図28】図1に示した全自動電気洗濯機における電気
制動および蓋ロック解除を排水弁の開閉状態を参照して
行う制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図29】図1に示した全自動電気洗濯機の給排水およ
び洗濯行程と脱水行程における蓋開放指示および布量
(洗濯負荷量)に応じた電気制動と蓋ロック解除(蓋開
放)の関係の変形例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】 1…外槽、1c…補強リブ、2…外枠、5…洗濯兼脱水
槽、6…撹拌翼、7…クラッチ/回り止め装置、7a…
ハウジング、7e…脱水軸、7f…洗濯軸、7i…摺動
子、7k,9b…プーリ、7r…操作レバー、9…駆動
モータ、10…排水電動弁、11…ベルト、12…トッ
プカバー、12a…衣類投入口、13…給水電磁弁、1
5…コントローラ、16…操作パネル、17…蓋、18
…蓋ロック/振れ検出ユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釜野 年恭 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 内 (72)発明者 鹿森 保 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 内 (72)発明者 内山 利之 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 日立多賀テクノロジー株式会社内 (72)発明者 渡辺 雅生 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 内 (56)参考文献 特開 昭48−59672(JP,A) 特開 昭50−54169(JP,A) 特開 昭57−203489(JP,A) 特開 昭60−62887(JP,A) 実開 昭51−92770(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06F 1/00 - 51/02 H02P 7/54

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】洗濯兼脱水槽と撹拌翼を駆動する駆動モー
    タに極数変換型の単相誘導電動機を使用し、洗濯行程
    は、多数極数の巻線構成にして撹拌翼を正逆回転方向に
    交互に低速度駆動し、脱水行程は、少数極数の巻線構成
    にして洗濯権脱水槽を正回転方向に高速度脱水駆動する
    ようにした電気洗濯機において、 前記脱水行程は、量に応じて運転極数を切り換える
    ようにしたことを特徴とする電気洗濯機。
  2. 【請求項2】洗濯兼脱水槽と撹拌翼を駆動する駆動モー
    タに極数変換型の単相誘導電動機を使用し、洗濯行程
    は、多数極数の巻線構成にして撹拌翼を正逆回転方向に
    交互に低速度駆動し、脱水行程は、少数極数の巻線構成
    にして洗濯兼脱水槽を正回転方向に高速度脱水駆動する
    ようにした電気洗濯機において、 前記脱水行程は、洗濯負荷量に応じて、 比較的軽負荷時には、少数極数の巻線構成→多数極数の
    巻線構成→少数極数の巻線構成に切り換えて高速度脱水
    駆動するようにし、 比較的重負荷時には、多数極数の巻線構成→少数極数の
    巻線構成に切り換えて高速度脱水駆動するようにしたこ
    とを特徴とする電気洗濯機。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記駆動モー
    タは、2極/6極変換型の単相誘導電動機としたことを
    特徴とする電気洗濯機。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の1項において、高速度脱水
    駆動終了後に多数極数巻線構成で運転することにより電
    気制動を行うようにしたことを特徴とする電気洗濯機。
  5. 【請求項5】請求項4において、高速度脱水駆動終了後
    に暫くの休止期間を経た後に多数極数巻線構成で運転す
    ることにより電気制動を行うようにしたことを特徴とす
    る電気洗濯機。
  6. 【請求項6】請求項4または5において、多数極数巻線
    構成で運転する電気制動の後に半波整流電圧を印加して
    更に電気制動を行うようにしたことを特徴とする電気洗
    濯機。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記半波整流電圧は、
    補助巻線に印加するようにしたことを特徴とする電気洗
    濯機。
  8. 【請求項8】請求項1〜3の1項において、高速度脱水
    駆動終了後に電動機巻線に電源電圧を整流した整流電圧
    を印加することにより電気制動を行うようにしたことを
    特徴とする電気洗濯機。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記整流電圧は、半波
    整流電圧としたことを特徴とする電気洗濯機。
  10. 【請求項10】請求項8または9において、前記整流電
    圧は、単相誘導電動機の補助巻線に印加するようにした
    ことを特徴とする電気洗濯機。
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