JP3431620B2 - 研磨装置 - Google Patents

研磨装置

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JP3431620B2
JP3431620B2 JP2002089739A JP2002089739A JP3431620B2 JP 3431620 B2 JP3431620 B2 JP 3431620B2 JP 2002089739 A JP2002089739 A JP 2002089739A JP 2002089739 A JP2002089739 A JP 2002089739A JP 3431620 B2 JP3431620 B2 JP 3431620B2
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員規 玉置
健 野口
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数本の光ファイ
バ芯線が共通の外套被膜によって覆われる光ファイバケ
ーブルなどの被研磨物を研磨するための研磨装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】図30は、光ファイバケーブル1を示す
断面図である。図31は、従来の技術の光ファイバケー
ブル1の分岐方法を示す図である。基地局設備と複数の
通信端末機器とを通信可能に接続して通信網が形成され
ている。基地局設備と通信端末機器とを接続するにあた
っては、高い通信速度を得るために、光通信を可能にす
る光ファイバケーブル1が用いられる。 【0003】光ファイバケーブル1は、複数本の光ファ
イバ芯線2が、並べられた状態で、共通の外套被膜3に
よって覆われ、帯状に形成される。図31では、従来の
分岐方法を理解しやすくするために、外套被膜3を除去
した状態で光ファイバケーブル1を示す。このような光
ファイバケーブル1は、その一端部で、各光ファイバ芯
線2が基地局設備に接続され、基地局設備から延ばされ
ている。通信端末機器は、光ファイバケーブル1の中途
部から一本の光ファイバ芯線2が分岐されて接続され
る。 【0004】光ファイバケーブル1を分岐するにあたっ
ては、図31(1)に示すように、光ファイバケーブル
1全体を中途部で切断し、図31(2)に示すように、
切断された端部において、各光ファイバ芯線2を分離す
る。次に、図31(3)に示すように、一本の光ファイ
バ芯線2を抜き出して、端末機器に接続される端末機器
用光ファイバ芯線4とを接続するとともに、図31
(4)に示すように、分岐した光ファイバ芯線を除く残
余の各光ファイバ芯線2を、接続用はぎ芯線5を用いて
再接続をしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】光ファイバケーブル1
は、各光ファイバ芯線2を共通に覆う外套被膜3を有す
るので、光ファイバケーブル1を切断せずに、一本の光
ファイバ芯線2だけを抜き出すことができない。したが
って光ファイバケーブル1全体を一旦切断しなければな
らないので、現用回線である既に通信に用いられている
光ファイバ芯線2が存在する場合、停波、すなわち通信
停止する必要がある。 【0006】また1本の光ファイバ芯線2を抜き出した
後、残余の光ファイバ芯線2を再接続しなければなら
ず、手間を要する。しかも各光ファイバ芯線2を分離す
るときに、指の爪および分離工具などで光ファイバ芯線
2を引っ掛けて分離するので、各光ファイバ芯線2を損
傷しているおそれがあり、この部分を切除することが好
ましい。したがって各光ファイバ芯線2の切断された端
部同士を接続することができず、接続用はぎ芯線5を用
いなければならず、1本の光ファイバ芯線2を再接続す
るにあたって2ヶ所の接続が必要となる。たとえば8芯
の光ファイバケーブル1の場合、再接続するにあたって
4芯接続が2回、2芯接続が2回、単身接続が2回の接
続作業が必要となる。 【0007】本発明の目的は、通信停止することなく、
かつ分岐作業の手間を少なくすることができる光ファイ
バケーブルの分岐に好適に用いることができる研磨装置
を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、一対の挟持片であって、各挟持片は、長手方向一端
部に挟持部を有し、長手方向他端部付近で、挟持部が近
接および離反する方向へ角変位軸線まわりに相互に角変
位自在に連結される挟持片本体と、前記挟持片本体の長
手方向一端部に、前記挟持片本体から幅方向両側に突出
して着脱自在に装着され、挟持片本体と協働して、挟持
部に平面状の研磨面を形成する状態に、可撓性を有する
基材の一表面に、複数の研磨用微粒子が固着されて設け
られるシート状研磨材を着脱可能に保持する保持体とを
それぞれ含む一対の挟持片と、長手薄板状に形成される
へら片であって、前記各挟持片に対して前記角変位軸線
まわりに角変位自在に、長手方向一端部で各挟持片本体
に沿った状態で保持され、長手方向他端部は、長手方向
一端部から他端部に向かうにつれて、幅寸法を小さくす
るように先細状に形成されるとともに、前記角変位軸線
から長手方向他端部の先端までの距離が、各挟持片にお
ける前記角変位軸線から各保持体までの距離よりも大き
く形成されるへら片とを備え、少なくともいずれか一方
の挟持部は、前記シート状研磨材を装着した状態で、前
記シート状研磨材の研磨面を被研磨物に面接触させて、
被研磨物を挟持可能であることを特徴とする研磨装置で
ある。 【0009】本発明に従えば、挟持部を有する一対の挟
持片の少なくともいずれか一方の挟持部に、可撓性を有
する基材の一表面に、複数の研磨用微粒子が固着されて
設けられるシート状研磨材を装着して平面状の研磨面を
形成し、この研磨面を被研磨物に面接触させて、被研磨
物を挟持することができる。このように被研磨物を挟持
した状態で、研磨装置を被研磨物に対して変位させるこ
とによって、前記シート状研磨材を被研磨物に摺動させ
て、被研磨物を研磨することができる。シート状研磨材
は、被研磨物に面接触され、しかもシート状研磨材と被
研磨物との接触面圧力を均一にすることができ、被研磨
物を均一に研磨することができる。このような研磨装置
は、複数本の光ファイバ芯線が共通の外套被膜によって
覆われる帯状の光ファイバケーブルを研磨し、外套被膜
を除去するために、好適に用いることが可能である。ま
たシート状研磨材は、着脱自在であるので、被研磨物を
研磨することによって、シート状研磨材が摩耗した場合
には、シート状研磨材だけを交換して、研磨装置自体は
繰返し利用することができ、無駄を少なくすることがで
きる。へら片は、その長手方向他端部が長手方向一端部
から他端部に向かうにつれて、幅寸法を小さくするよう
に先細状の長手薄板状に形成されて、挟持片本体に保持
される。このようなへら片は、外套被膜が除去された光
ファイバケーブルの特定の光ファイバ芯線と、これに隣
接する光ファイバ芯線との間に、へら片の先細状の先端
部を容易に刺し入れて挿入することができる。このよう
にへら片を挿入した状態で研磨装置を変位させることに
よって、前記特定の光ファイバ芯線の縁を切って分離す
ることができる。またへら片を各挟持片と一緒に保持す
ることによって、運搬性および保管性に優れ、作業性を
高くすることができる。また各挟持片の保持体は、挟持
片本体から幅方向両側に突出して挟持片本体の長手方向
一端部に装着される。へら片は、前記各挟持片に対して
前記角変位軸線まわりに角変位自在に、長手方向一端部
で各挟持片本体に沿った状態で保持される。また、へら
片は、前記角変位軸線から長手方向他端部の先端までの
距離が、各挟持片における前記角変位軸線から各保持体
までの距離よりも大きく形成される。これによってへら
片は、各挟持片本体に沿った状態では、長手方向他端部
が各保持体に係止される。したがってへら片が各挟持片
に挟まれる角度範囲にある位置に配置される状態と、へ
ら片が各挟持片に挟まれる角度範囲を除く、各挟持片の
外側にある位置に配置される状態との2つの状態の、一
方の状態から他方の状態へ不所望に変化することを阻止
できる。 【0010】 【0011】 【0012】 【0013】 【0014】 【0015】 【0016】 【0017】 【0018】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
研磨装置10を開いた状態で示す斜視図である。図2
は、研磨装置10を開いた状態で示す正面図である。図
3は、研磨装置10を閉じた状態で示す斜視図である。
図4は、研磨装置10を閉じた状態で示す正面図であ
る。図5は、研磨装置10をへら片11が突出された状
態で示す斜視図である。研磨装置10は、被研磨物を研
磨するための装置であって、一対の挟持片12a,12
bを含む。 【0019】各挟持片12a,12bは、長手状の部材
であり、長手方向一端部13a,13bに被研磨物を挟
持するための挟持部14a,14bをそれぞれ有し、長
手方向他端部15a,15b付近で角変位軸線L12ま
わりに相互に角変位自在に連結される。これら各挟持片
12は、図1、図2および図5に示すように、各挟持部
14a,14bが相互に離間した離間位置と、図3およ
び図4に示すように、各挟持部14a,14bが当接し
た当接位置とにわたって、離間位置から当接位置に向か
う近接方向Aおよびその反対方向である当接位置から離
間位置に向かう離反方向Bへ相対的に角変位することが
できる。近接方向Aは、各挟持部14a,14bが相対
的に近接する方向であり、離反方向Bは、各挟持部14
a,14bが相対的に離反する方向である。離間位置で
は、長手方向他端部15a,15bが当接している。 【0020】図6は、図2の切断面線S6−S6から見
た断面図である。各挟持片12a,12bは、挟持片本
体16a,16bと、挟持片本体16a,16bと協働
して研磨材17a,17bを保持する保持体18a,1
8bとをそれぞれ有する。このような構成によって、各
挟持部14a,14bのうち、少なくともいずれか一
方、本実施の形態では両方の挟持部14a,14bに
は、平面状の研磨面19a,19bを形成する状態に研
磨材17a,17bを着脱自在にそれぞれ装着すること
ができる。研磨材17a,17bは、可撓性を有する基
材の一表面に、複数の研磨用微粒子が固着されて設けら
れるシート状研磨材であって、たとえば紙やすりなどに
よって実現することができる。 【0021】図7は、研磨材17a,17bが装着され
た各挟持部14によって光ファイバケーブル20を挟持
した状態を、光ファイバケーブル20の長手方向に垂直
な平面で切断して示す断面図である。図8は、研磨材1
7a,17bが装着された各挟持部14a,14bによ
って光ファイバケーブル20を挟持した状態を、光ファ
イバケーブル20の長手方向に平行な平面で切断して示
す断面図である。図9は、光ファイバ芯線21を示す断
面図である。研磨装置10は、各挟持部14に研磨材1
7を装着した状態で、被研磨物、たとえば図7および図
8に示すような光ファイバケーブル20を、各挟持部1
4a,14bによって挟持することができる。各挟持部
14によって挟持した状態で、各研磨材17の研磨面1
9を、光ファイバケーブル20に面接触させることがで
きる。 【0022】光ファイバ芯線21は、コア21aがクラ
ッド21bに覆われ、さらに被膜21cに覆われ、また
さらに着色層21dに覆われて形成される。この着色層
21dは、光ファイバケーブル20に設けられる複数の
光ファイバ芯線21から特定の光ファイバ芯線21を視
覚的に判別することができるようにするための層であっ
て、光ファイバケーブル20には、各着色層21dの色
の異なる光ファイバ芯線21が設けられる。 【0023】このような複数本の光ファイバ芯線21
が、並べられた状態で、共通の外套被膜22,23によ
って覆われ、帯状の光ファイバケーブル20が形成され
る。本実施の形態では、光ファイバケーブル20は、8
本の光ファイバ芯線21を有する8芯のケーブルであっ
て、4本ずつにグループ分けされ、各グループ毎に、4
本の光ファイバ芯線21が並べられた状態で第1外套被
膜22によって覆われ、これら全体を第2外套被膜23
によって覆って、帯状に構成される。本実施の形態で
は、研磨装置10は、このような光ファイバケーブル2
1を、その厚み方向両側から挟持部14によって挟持
し、研磨装置10を光ファイバケーブル21に対して変
位して、各研磨材17a,17bを光ファイバケーブル
21に摺動させ、各外套被膜22,23を厚み方向両側
から研磨して除去するために用いられる。 【0024】このような光ファイバケーブル21の被膜
除去に用いる場合、たとえばアルミナ質研削材から成
り、粒径がたとえば75μm以上125μm以下程度の
研磨用微粒子を有する研磨材17が好適に用いられる。
このような材質および粒径の研磨用微粒子を有する研磨
材17を用いれば、数回の研磨で外套被膜22,23に
適度な傷がつき、外套被膜のみを剥離させやすくなる。 【0025】図10は、研磨装置10を分解して示す斜
視図である。図11は、研磨装置10を分解して示す正
面図である。図12は、研磨装置10を分解して示す側
面図である。図13は、一方の挟持片本体16aを示す
正面図である。図14は、一方の挟持片本体16aを示
す正面図である。図15は、図14の切断面線S15−
S15を示す断面図である。図16は、一方の保持体1
8aを示す正面図である。図17は、一方の保持体18
aを示す底面図である。図18は、一方の保持体18a
を示す側面図である。図19は、へら片11を示す正面
図である。図20は、へら片11を示す平面図である。
図21は、図20の切断面線S20−S20から見た断
面図である。図22は、研磨装置10を閉じた状態で、
各挟持部14a,14b付近の一部を示す正面図であ
る。図10〜図12には、理解を容易にするために、一
部の部品を省略して示す。図1〜図6を併せて参照し
て、研磨装置10は、一対の挟持片本体16a,16b
と、一対の保持体18a,18bと、軸部材25と、ば
ね部材26と、へら片11とが組み立てられて構成され
る。各挟持片本体16a,16bは、同様の構成であ
り、各保持体18a,18bは、同様の構成である。 【0026】各挟持片本体16a,16bは、たとえば
ポリアセタールなどの合成樹脂から成り、大略的に長尺
長方形板状の基部30と、基部30における幅方向一側
部から厚み方向一方に突出する壁部31とを有する。基
部30は、その長手方向一端部における厚み方向他方側
の表面部に保持体嵌合凹所32が形成され、この長手方
向一端部が残余の部分に比べて薄肉に形成されている。
さらにこの薄肉に形成される長手方向一端部には、厚み
方向に貫通し、内ねじが刻設される保持体固定ねじ孔3
5が形成されている。 【0027】壁部31は、基部30の長手方向両端部間
の中間部であって、長手方向他端部寄りの部分において
突出している。この壁部31は、その幅寸法W31が、
基部30の幅寸法W30の約1/2(W30=2×W3
1)である。また壁部31には、基部30の幅方向に貫
通する軸孔33が形成されるとともに、幅方向他方側の
表面部に幅方向他方に開放するばね嵌合凹所34が形成
されている。これら壁部31の幅方向他方側の端部の端
面36は、軸孔33の軸線に垂直な平面に形成され、軸
孔33の軸線をほぼ全周にわたって取囲み、かつ軸孔3
3の軸線に関して基部30の長手方向両側にわたって配
置される。 【0028】各保持体18a,18bは、たとえばポリ
アセタールなどの合成樹脂から成り、大略的に長方形板
状の基部37と、基部37における幅方向両側部から厚
み方向一方に突出する2つの係止突部38とを有する。
また基部37には、厚み方向に貫通する保持体ねじ係止
孔39が形成される。 【0029】各保持体18a,18bは、各挟持片本体
16a,16bの長手方向一端部に、厚み方向他方側か
ら着脱自在に装着される。具体的には、各保持体18
a,18bは、各係止突部38を挟持片本体側に配置し
て、保持体嵌合凹所32に嵌合される。保持体ねじ係止
孔39に、外ねじが刻設される保持体固定ねじ部材40
を厚み方向他方側挿通し、その保持体固定ねじ部材40
を、頭部が各保持体18a,18bに係止される状態で
保持体固定ねじ孔35を利用して、各挟持片本体16
a,16bに螺着し、各保持体18a,18bが、各挟
持片本体16a,16bに固定される。この状態で各係
止突部38が、各挟持片本体16a,16bの幅方向両
側部に係止され、各保持体18a,18bの各挟持片本
体16a,16bに対する保持体固定ねじ部材40まわ
りの角変位が阻止される。また保持体嵌合凹所32を形
成することによって、各挟持片12a,12bの厚みを
小さくし、狭隘な空間で作業を容易にすることができ
る。 【0030】このように各挟持片本体16a,16bに
各保持体18a,18bが装着されて、各挟持片12
a,12bが構成される。各挟持部14a,14bは、
各挟持片本体16a,16bの長手方向一端部によって
構成される。各研磨材17a,17bは、各挟持片本体
16a,16bの長手方向一端部における厚み方向一方
側に、研磨用微粒子が設けられる研磨面と反対側の面を
各挟持片本体16a,16bに対向させて支持させて配
置され、各挟持片本体16a,16bの長手方向一端部
における幅方向両端部に巻き掛けるようにして、厚み方
向他方側に折返され、その折り返される両端部が、各挟
持片本体16a,16bと各保持体18a,18bとに
よって挟持されて、各挟持部14a,14bに保持され
る。 【0031】各挟持部14a,14bとなる各挟持片本
体16a,16bの長手方向一端部における厚み方向一
方側の表面、したがって各研磨材17a,17bを支持
する面は、各軸孔33の軸線と平行な平面に形成され、
これによって保持される各研磨材17a,17bの研磨
面19a,19bは、各軸孔33の軸線と平行な平面と
なる。このように保持される各研磨材17a,17b
は、両端部が挟持されることによって確りと保持され、
しかも各保持体18a,18bが、各係止突起38によ
って、各挟持片本体16a,16bに対して角変位阻止
されているので、各研磨材17a,17bを光ファイバ
ケーブル20に対して摺動させても、各研磨材17a,
17bが不所望にずれてしまうことが防がれる。 【0032】各挟持片12a,12bは、各挟持片本体
16a,16bの厚み方向一方側表面部が相互に対向す
るように、さらに長手方向一端部同士が対向し、かつ長
手方向他端部同士が対向するように配置される。このよ
うに配置された状態で、軸部材25が、その軸線を、各
挟持片本体16a,16bの各軸孔33の軸線と一致さ
せて、各軸孔33に共通に挿通されて設けられ、この軸
部材25によって、各挟持片12a,12bが、軸部材
25の軸線と一致する角変位軸線L12まわりに角変位
自在に連結される。 【0033】軸部材25は、円筒状の部材であって、内
ねじが刻設されるとともに、軸線方向一端部には外向き
フランジ部42が形成されている。この軸部材25に
は、外ねじが刻設される軸止めねじ部材44が螺着さ
れ、軸部材25の外向きフランジ部42と、軸止めねじ
部材44の頭部とによって、各挟持片本体16a,16
bの壁部31を一緒に挟持している。これによって軸部
材25が抜止めされるとともに、壁部31における幅方
向他方側の端部の端面36同士を当接させ、各挟持片1
2a,12bが相対的に角変位するときに、各端面36
に案内させて、各挟持片12a,12bの不所望な変位
を防止して、各挟持片12a,12bが、角変位軸線L
12まわりに円滑に角変位するようにできる。 【0034】ばね部材26は、各挟持片12a,12b
に、離反方向Bの押圧力、具体的には、ばね力を発生さ
せる押圧力発生手段であって、ねじりコイルばねによっ
て実現される。このばね部材26は、各挟持片本体16
a,16bのばね嵌合凹所34に嵌まり込み、軸部材2
5が挿通した状態で設けられる。この状態で、両端部が
各挟持片12a,12bの挟持片本体16a,16bに
弾発的に当接され、各挟持片12a,12bに、離反方
向Bのばね力が与えられる。 【0035】研磨装置10は、操作者によって操作力が
与えられていない状態では、ばね部材26のばね力によ
って、各挟持片12a,12bが離間位置にある開いた
状態にある。この開いた状態から、ばね力よりも大きな
操作力を与えて、各挟持片12a,12bを近接方向A
へ角変位させることによって、各挟持片12a,12b
が当接位置にある閉じた状態にすることができる。この
閉じた状態から、操作力を解除すると、ばね部材26の
ばね力によって、各挟持片12a,12bが離反方向B
へ角変位され、開いた状態になる。ここで当接位置は、
各研磨材17a,17bが装着されていない状態では、
各挟持部14a,14b同士が直接当接する位置であ
り、各研磨材17a,17bが装着されている状態で
は、各研磨材17a,17bが当接する位置であり、両
者ともほぼ同様の位置であるので、両者とも当接位置と
いう。 【0036】研磨装置10は、光ファイバケーブル20
を分岐する作業の一環として、上述のように光ファイバ
ケーブル20を研磨して、外套被膜22,23を除去す
るために用いられる装置であって、光ファイバケーブル
20を分岐する作業において、特定の光ファイバ芯線2
1を抜き出して分離するために用いることができるよう
に、へら片11を備える。したがって本実施の形態の研
磨装置10は、単なる研磨装置ではなく、光ファイバ分
離装置として機能する。 【0037】へら片11は、たとえばポリアセタールな
どの合成樹脂から成り、長手薄板状に形成される。この
へら片11は、長手方向一端部47に、厚み方向に貫通
する取付孔48が形成され、長手方向他端部49は、長
手方向一端部から他端部に向かうにつれて、幅寸法を小
さくするように先細状に形成され、略3角形状である。
また周縁部は、全周にわたって、外方に向かうにつれ
て、厚みを小さくするように傾斜して形成されるととも
に、丸みを有する非先鋭形状に形成される。 【0038】このへら片11は、取付孔48に軸部材2
5が挿通されて、取付孔48の軸線を角変位軸線L12
と一致させて、各挟持片12a,12bとともに、長手
方向一端部で挟持されて、各挟持片本体16a,16b
に沿った状態で保持される。この状態でへら片11は、
各挟持片12a,12bに対して、角変位軸線L12ま
わりに角変位自在であり、図1〜図4に示すような、各
挟持片12a,12bに挟まれる角度範囲にある収納位
置に配置される収納状態と、図2に仮想線で示すととも
に図5に示すような、各挟持片12a,12bに挟まれ
る角度範囲を除く、各挟持片12a,12bの外側にあ
る突出位置に配置される突出状態との両方の状態に、角
変位させて状態変更することができる。 【0039】各保持体18a,18bの幅寸法W18
は、各挟持片本体16a,16bの幅寸法W16(=W
30)よりも大きく、各保持体18a,18bは、各挟
持片本体16a,16bから幅方向両側に突出してい
る。またへら片11は、取付孔48の軸線から長手方向
他端部の先端までの距離W11が、各挟持片12a,1
2bにおける各軸孔33の軸線から各保持体18a,1
8bまでの距離W12よりも大きい。これによって、へ
ら片11は、各挟持片本体16a,16bに沿った状態
では、長手方向他端部49が各保持体18a,18bに
係止されて、収納状態から突出状態への角変位による状
態変化および突出状態から収納状態への角変位による状
態変化が阻止される。へら片11は、操作者がへら片1
1を長手方向他端部49が各挟持片本体16a,16b
から離反するように弾性変形させることによって、長手
方向他端部49の各保持体18a,18bによる係止を
回避して、収納状態と突出状態とにわたって状態を変更
することができる。 【0040】研磨装置10によれば、各研磨材17a,
17bを装着して、各挟持片12a,12bに、近接さ
せる方向に操作力を与えて、平面状の研磨面19a,1
9bを被研磨物である光ファイバケーブル20に面接触
させて、光ファイバケーブル20を厚み方向両側から挟
持することができる。研磨装置10では、図22に示す
ように、各研磨材17a,17bを装着せずに、各挟持
片12a,12bを当接位置に配置すると、長手方向一
端部の先端部分だけが当接して、各挟持部14a,14
b間にテーパ状の隙間50が形成される。このような構
成であるので、光ファイバケーブル20を挟持した状態
で、各研磨材17a,17bの研磨面19a,19b
を、光ファイバケーブル20の厚み方向両側の表面に面
接触させることができる。 【0041】この状態で、研磨装置10を光ファイバケ
ーブル20に対して変位させることによって、各研磨材
17a,17bを光ファイバケーブル20に摺動させ
て、光ファイバケーブル20を研磨することができる。
このとき、各研磨材17a,17bは、光ファイバケー
ブル20に面接触され、しかも研磨材17a,17bと
光ファイバケーブル20との接触面圧力を均一にするこ
とができ、光ファイバケーブル20を均一に研磨するこ
とができる。このようにして、光ファイバケーブル20
の各外套被膜22,23を、均一に研磨して除去するこ
とができる。したがって各光ファイバ芯線21を損傷す
ることなく、各光ファイバ芯線21が露出するように、
光ファイバケーブル20の各外套被膜22,23を除去
することができる。 【0042】また研磨材17a,17bは、着脱自在で
あるので、研磨材17a,17bが摩耗した場合には、
研磨材17a,17bだけを交換して、研磨装置10自
体は繰返し利用することができ、無駄を少なくすること
ができる。また各挟持片12a,12bを同一の構成と
し、1つの金型で、一対の挟持片12a,12bを製造
することができ、製造を容易にし、製造コストを低減す
ることができる。またへら片11を各挟持片12a,1
2bと一緒に保持することによって、運搬性および保管
性に優れ、作業性を高くすることができる。 【0043】また各挟持片12a,12bおよびへら片
11が合成樹脂から成るので、研磨装置10を軽量に構
成することができるとともに、光ファイバ芯線21の損
傷を防止することができる。またへら片11は、周縁部
が非先鋭形状であるので、これによっても光ファイバ芯
線21の損傷を防止することができる。 【0044】図23は、研磨装置10を用いて実行され
る光ファイバケーブル20の分岐方法を示すフローチャ
ートである。図24は、光ファイバケーブル20の分岐
方法を示す図である。図25は、光ファイバケーブル2
0の分岐方法を拡大して示す図である。光ファイバケー
ブル20の分岐方法は、たとえば通信網を形成するため
に、基地局設備と複数の通信端末機器とを、高い通信速
度で通信できるように光通信可能に接続する光ファイバ
ケーブル20を分岐する方法である。 【0045】この光ファイバケーブル20は、その一端
部で、各光ファイバ芯線21が基地局設備に接続され、
基地局設備から延ばされている。たとえば一般家屋、ビ
ルなどに設けられる通信端末機器は、光ファイバケーブ
ル21の中途部から一本の光ファイバ芯線21が分岐さ
れて、これに接続される。たとえばこのように、光ファ
イバケーブル20から、一本の光ファイバ芯線21を分
岐して、別途に設けられる接続対象となる他の光ファイ
バ芯線とを接続するために、本発明の分岐方法が好適に
実施される。この分岐方法は、被膜除去工程と、芯線分
離工程と、芯線抜出工程と、芯線接続工程とを含む。 【0046】分岐方法に従う分岐作業では、ステップs
1の研磨材接触段階で、研磨材によって平面状の研磨面
を形成し、光ファイバケーブルの一表面に、研磨面を、
略等分布荷重を与えて面接触させる。具体的には、上述
の研磨装置10の各挟持部14a,14bに、図6に示
すように、各挟持片本体16a,16bと各保持体18
a,18bとによって挟んで、各研磨材17a,17b
を保持し、平面状の研磨面19a,19bを形成し、図
24(1)および図25(1)に示すように、研磨装置
10を操作者が操作して、各挟持部14a,14bによ
って、厚み方向両側から挟持する。このようにして、図
7および図8に示すように、光ファイバケーブル20の
厚み方向両側の表面に、各研磨面19a,19bを、略
等分布荷重を与えて面接触させる。 【0047】次にステップs2の研磨工程では、研磨材
を、光ファイバケーブル20に対して研磨面に平行に変
位させて、光ファイバケーブルの外套被膜を研磨して除
去する。具体的には、上述のように各挟持部14a,1
4bによって光ファイバケーブル20を挟んだ状態で、
図24(2)および図25(2)に示すように、光ファ
イバケーブル20を直線状に延ばした状態で、研磨装置
10を光ファイバケーブル20に対して、その延在方
向、すなわち長手方向へ相対的に変位させ、各研磨材1
7a,17bを、光ファイバケーブル20の厚み方向両
側の表面部に摺動させ、研磨操作いわゆるやすりがけ操
作する。 【0048】このとき、たとえば一方の手で光ファイバ
ケーブル20を挟持するなどして、1ヶ所を固定し、他
方の手で研磨装置10を操作するなどして、研磨装置1
0を、固定した位置から遠ざかる方向Cだけへ変位させ
る。一方向Cだけへ変位させるように研磨操作すること
によって、外套被膜22,23を好適に除去することが
できる。詳しく述べると、両方向へ往復変位させると、
固定位置に近づけるように研磨装置10を変位させると
きに、図26に示すように光ファイバケーブル20を湾
曲させてしまうおそれがある。このように光ファイバケ
ーブル20を湾曲させてしまうと、光信号を伝播する各
光ファイバ芯線21が、光信号の伝播が不可能な状態に
湾曲してしまい、通信に影響を与えてしまう。また最悪
の場合には、各光ファイバ芯線21にマイクロベンドな
どを発生させて、損傷してしまうおそれもある。したが
って固定位置から遠ざかる方向Cだけへ研磨操作するこ
とが好ましい。 【0049】またこのような研磨操作は、各光ファイバ
芯線21がばらけてしまうまで、外套被膜22,23を
完全に除去するのではなく、外套被膜22,23の厚み
および研磨材17a,17bの特性に応じて適宜決定さ
れる回数だけ実行する。このようにして、各光ファイバ
芯線21が研磨材17a,17bによって研磨されて、
着色層21cが除去されるなど、損傷してしまうことを
防ぐことができる。この研磨操作の回数の目安の一例
は、たとえば外套被膜22,23が透光性を有する場
合、外套被膜22,23が白濁する程度の回数である。 【0050】次に、ステップs3のケーブル解段階で
は、図24(3)および図25(3)に示すように、フ
ァイバケーブル20における研磨装置10を用いて研磨
された研磨部分を、作業者が指先でつかむなどして解
し、薄く残しておいた外套被膜を完全に除去する。この
解し操作は、光ファイバケーブル20を幅方向両側から
圧縮するように挟持し、この挟持位置を光ファイバケー
ブル20の延在方向Dへ滑らかに変位させる。このよう
にして、光ファイバケーブル20に、ねじれおよび湾曲
を生じさせないようにして解す。この解し作業において
も、図27に示すように光ファイバケーブル20を湾曲
させたり、ねじれを生じさせると、ステップs2で関連
して述べた不具合と同様の不具合、たとえば通信障害お
よび損傷を生じるおそれがある。したがって上述のよう
に光ファイバケーブル20に、ねじれおよび湾曲を生じ
させないようにして解すことによって、通信障害および
損傷を防止することができ好適である。 【0051】これらステップs1〜s3を含んで被膜除
去工程が構成される。 【0052】次に、ステップs4の芯線分離段階で、分
岐すべき特定の光ファイバ芯線21を隣接する光ファイ
バ芯線21との縁を切って分離する。具体的には、図2
4(4)および図25(4)に示すように、特定の光フ
ァイバ芯線21とこれに隣接する光ファイバ芯線21と
の間に、研磨装置10のへら片11を、他端部の先細状
先端部を刺し入れて挿入する。そして、図24(5)お
よび図25(5)に示すように、たとえば一方の手で光
ファイバケーブル20を挟持するなどして、1ヶ所を固
定し、他方の手でへら片11を操作するなどして、へら
片11を、固定した位置から遠ざかる方向Eへ変位させ
る。このようにして特定の光ファイバ芯線21を分離す
る。このステップs4を含んで芯線分離工程が構成され
る。 【0053】次に、ステップs5の芯線抜出段階で、残
余の光ファイバ芯線21から分離した光ファイバ芯線2
1をすくい、抜き出す。具体的には、図24(6)およ
び図25(6)に示すように、特定の光ファイバ芯線2
1だけがへら片11の厚み方向一方側に配置され、残余
の光ファイバ芯線21がへら片11の厚み方向他方側に
配置されるように、へら片11を刺し入れて挿入する。
そして、図24(7)および図25(7)に示すよう
に、たとえば一方の手で光ファイバケーブル20を挟持
するなどして、1ヶ所を固定し、他方の手でへら片11
を操作するなどして、へら片11を、固定した位置から
遠ざかる方向Fへ変位させる。このようにして特定の光
ファイバ芯線21を抜き出す。このステップs5を含ん
で芯線抜出工程が構成される。 【0054】次にステップs6の芯線切断段階で、図2
5(8)に示すように、抜き出した特定の光ファイバ芯
線21だけを、ニッパなどの切断手段60を用いて、接
続作業に必要とされる接続余長を考慮して切断する。次
にステップs7の分離進展防止段階で、図24(8)お
よび図25(9)に示すように、分離した特定の光ファ
イバ芯線21の残余の光ファイバ芯線21との縁が切れ
る境目付近である付け根部を、接着剤61などを用いて
接着、いわゆる玉止めをする。このようにして、光ファ
イバ芯線21の分離進展を防止する。 【0055】次にステップs8の接続段階で、図25
(10)に示すように、分離されかつ切断された特定の
光ファイバ芯線21の一方側の部分、ここでは基地局設
備に連なる部分と、接続対象の光ファイバ芯線65、こ
こでは通信端末機器に連なる光ファイバ芯線65とを、
光的に接続する。この光ファイバ芯線同士の接続は、た
とえば図28に示す融着装置66を用いて、融着接続す
る。この接続部には、図29に示すような補強スリーブ
67を設けてもよい。この融着接続以外の接続方法で接
続してもよい。 【0056】ステップs6〜s8を含んで芯線接続工程
が構成される。この光ファイバ芯線の接続をして、分岐
方法に従う分岐作業が終了する。 【0057】上述の分岐方法によれば、まず被膜除去に
おいて、研磨材17a,17bが、光ファイバケーブル
20に面接触され、しかも研磨材17a,17bと光フ
ァイバケーブル20との接触面圧力が均一に保持され、
光ファイバケーブル20の外套被膜22,23を均一に
研磨することができる。したがって各光ファイバ芯線2
1を損傷することなく、各光ファイバ芯線21を露出せ
ることができるように、光ファイバケーブル20の外套
被膜22,23を除去することができる。 【0058】またこのようにして各光ファイバ芯線21
を損傷することなく、光ファイバケーブル20の外套視
膜22,23を除去し、特定の光ファイバ芯線21を残
余の光ファイバ芯線21から分離して抜き出すことがで
きる。この抜き出した光ファイバ芯線21と、別途に設
けられる他の光ファイバ芯線65とを光的に接続して分
岐することができる。このようにして、光ファイバケー
ブル20全体を切断することなく、特定の光ファイバ芯
線21だけを抜き出して分岐することができる。したが
って通信停止する必要がなく、また特定の光ファイバ芯
線21以外の残余の光ファイバ芯線21を切断する必要
がないのでその再接続が不要であり、分岐作業の手間を
少なくすることができる。 【0059】上述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎ
ず、本発明の範囲内において構成を変更することができ
る。たとえば光ファイバケーブル20は、通信網を形成
するためのケーブルに限定されることはなく、他のケー
ブルであってもよい。また光ファイバケーブルは、8芯
に限定されることはなく、4芯など、光ファイバ芯線の
数が、2〜7および9本以上のケーブルであってもよ
い。また光ファイバケーブル以外の被研磨物を研磨する
ために、研磨装置を用いてもよい。また研磨装置の材
質、形状、寸法などは、適宜変更してもよい。 【0060】また研磨装置は、研磨材を着脱自在に保持
する構成に限定されず、挟持部に一体に研磨材が設けら
れる構成であってもよい。つまり、研磨装置は、挟持部
をそれぞれ有し、挟持部が近接および離反する方向に相
対的に変位自在に設けられる一対の挟持片であって、少
なくともいずれか一方の挟持部には、平面状の研磨面を
有する研磨材が設けられ、研磨面を被研磨物に面接触さ
せて、被研磨物を挟持することができる構成であっても
よい。この装置は、研磨材が着脱自在であることによる
効果を除いて、上述の研磨装置10と同様の効果を達成
することができる。 【0061】 【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、挟持部
を有する一対の挟持片の少なくともいずれか一方の挟持
部に、可撓性を有する基材の一表面に、複数の研磨用微
粒子が固着されて設けられるシート状研磨材を装着して
平面状の研磨面を形成し、この研磨面を被研磨物に面接
触させて、被研磨物を挟持することができる。このよう
に被研磨物を挟持した状態で、研磨装置を被研磨物に対
して変位させることによって、前記シート状研磨材を被
研磨物に摺動させて、被研磨物を研磨することができ
る。シート状研磨材は、被研磨物に面接触され、しかも
シート状研磨材と被研磨物との接触面圧力を均一にする
ことができ、被研磨物を均一に研磨することができる。
このような研磨装置は、複数本の光ファイバ芯線が共通
の外套被膜によって覆われる帯状の光ファイバケーブル
を研磨し、外套被膜を除去するために、好適に用いるこ
とが可能である。またシート状研磨材は、着脱自在であ
るので、被研磨物を研磨することによって、シート状研
磨材が摩耗した場合には、シート状研磨材だけを交換し
て、研磨装置自体は繰返し利用することができ、無駄を
少なくすることができる。へら片は、その長手方向他端
部が長手方向一端部から他端部に向かうにつれて、幅寸
法を小さくするように先細状の長手薄板状に形成され
て、挟持片本体に保持される。このようなへら片は、外
套被膜が除去された光ファイバケーブルの特定の光ファ
イバ芯線と、これに隣接する光ファイバ芯線との間に、
へら片の先細状の先端部を容易に刺し入れて挿入するこ
とができる。このようにへら片を挿入した状態で研磨装
置を変位させることによって、前記特定の光ファイバ芯
線の縁を切って分離することができる。またへら片を各
挟持片と一緒に保持することによって、運搬性および保
管性に優れ、作業性を高くすることができる。また各挟
持片の保持体は、挟持片本体から幅方向両側に突出して
挟持片本体の長手方向一端部に装着される。へら片は、
前記各挟持片に対して前記角変位軸線まわりに角変位自
在に、長手方向一端部で各挟持片本体に沿った状態で保
持される。また、へら片は、前記角変位軸線から長手方
向他端部の先端までの距離が、各挟持片における前記角
変位軸線から各保持体までの距離よりも大きく形成され
る。これによってへら片は、各挟持片本体に沿った状態
では、長手方向他端部が各保持体に係止される。したが
ってへら片が各挟持片に挟まれる角度範囲にある位置に
配置される状態と、へら片が各挟持片に挟まれる角度範
囲を除く、各挟持片の外側にある位置に配置される状態
との2つの状態の、一方の状態から他方の状態へ不所望
に変化することを阻止できる。 【0062】 【0063】 【0064】 【0065】
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の一形態の研磨装置10を開いた
状態で示す斜視図である。 【図2】研磨装置10を開いた状態で示す正面図であ
る。 【図3】研磨装置10を閉じた状態で示す斜視図であ
る。 【図4】研磨装置10を閉じた状態で示す正面図であ
る。 【図5】研磨装置10をへら片11が突出された状態で
示す斜視図である。 【図6】図2の切断面線S6−S6から見た断面図であ
る。 【図7】研磨材17a,17bが装着された各挟持部1
4a,14bによって光ファイバケーブル20を挟持し
た状態を、光ファイバケーブル20の長手方向に垂直な
平面で切断して示す断面図である。 【図8】研磨材17a,17bが装着された各挟持部1
4a,14bによって光ファイバケーブル20を挟持し
た状態を、光ファイバケーブル20の長手方向に平行な
平面で切断して示す断面図である。 【図9】光ファイバ芯線21を示す断面図である。 【図10】研磨装置10を分解して示す斜視図である。 【図11】研磨装置10を分解して示す正面図である。 【図12】研磨装置10を分解して示す側面図である。 【図13】一方の挟持片本体16aを示す正面図であ
る。 【図14】一方の挟持片本体16aを示す正面図であ
る。 【図15】図14の切断面線S15−S15を示す断面
図である。 【図16】一方の保持体18aを示す正面図である。 【図17】一方の保持体18aを示す底面図である。 【図18】一方の保持体18aを示す側面図である。 【図19】へら片11を示す正面図である。 【図20】へら片11を示す平面図である。 【図21】図20の切断面線S20−S20から見た断
面図である。 【図22】研磨装置10を閉じた状態で、各挟持部14
a,14b付近の一部を示す正面図である。 【図23】研磨装置10を用いて実行される光ファイバ
ケーブル20の分岐方法を示すフローチャートである。 【図24】光ファイバケーブル20の分岐方法を示す図
である。 【図25】光ファイバケーブル20の分岐方法を拡大し
て示す図である。 【図26】好適な研磨作業を説明するための斜視図であ
る。 【図27】好適な解し作業を説明するための斜視図であ
る。 【図28】接続装置66を示す斜視図である。 【図29】補強スリーブ67を示す斜視図である。 【図30】光ファイバケーブル1を示す断面図である。 【図31】従来の技術の光ファイバケーブル1の分岐方
法を示す図である。 【符号の説明】 10 研磨装置 11 へら片 12a,12b 挟持片 16a,16b 挟持片本体 17a,17b 研磨材 18a,18b 保持体 19a,19b 研磨面 20 光ファイバケーブル 21,65 光ファイバ芯線 22,23 外套被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H02G 1/12 304 H02G 1/12 304 1/14 1/14 C 15/08 15/08 D (72)発明者 近平 拓夫 大阪府大阪市西区立売堀4丁目5番21号 ヨツギ株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−337744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23D 71/04 B24D 15/02 G02B 6/00 333 G02B 6/00 334 G02B 6/00 336 H02G 1/12 304 H02G 1/14 H02G 15/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一対の挟持片であって、各挟持片は、 長手方向一端部に挟持部を有し、長手方向他端部付近
    で、挟持部が近接および離反する方向へ角変位軸線まわ
    りに相互に角変位自在に連結される挟持片本体と、 前記挟持片本体の長手方向一端部に、前記挟持片本体か
    ら幅方向両側に突出して着脱自在に装着され、挟持片本
    体と協働して、挟持部に平面状の研磨面を形成する状態
    に、可撓性を有する基材の一表面に、複数の研磨用微粒
    子が固着されて設けられるシート状研磨材を着脱可能に
    保持する保持体とをそれぞれ含む一対の挟持片と、 長手薄板状に形成されるへら片であって、 前記各挟持片に対して前記角変位軸線まわりに角変位自
    在に、長手方向一端部で各挟持片本体に沿った状態で保
    持され、 長手方向他端部は、長手方向一端部から他端部に向かう
    につれて、幅寸法を小さくするように先細状に形成され
    るとともに、前記角変位軸線から長手方向他端部の先端
    までの距離が、各挟持片における前記角変位軸線から各
    保持体までの距離よりも大きく形成されるへら片とを備
    え、 少なくともいずれか一方の挟持部は、前記シート状研磨
    材を装着した状態で、前記シート状研磨材の研磨面を被
    研磨物に面接触させて、被研磨物を挟持可能であること
    を特徴とする研磨装置。
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