JP3429298B2 - 多色画像形成方法及び多色画像形成材料 - Google Patents

多色画像形成方法及び多色画像形成材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光を用い
て高解像度のフルカラー画像を形成する多色画像形成方
法及び多色画像形成材料に関する。特に、本発明は、デ
ジタル画像信号からレーザー記録により、印刷分野にお
けるカラープルーフ(DDCP:ダイレクト・ディジタ
ル・カラープルーフ)、あるいはマスク画像を作製する
のに有用な多色画像形成方法及び多色画像形成材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】グラフィックアート分野では、カラー原
稿からリスフィルムを用いて作製された一組の色分解フ
イルムを使用して印刷版の焼付けが行われるが、一般
に、本印刷(実際の印刷作業)の前に色分解工程での誤
りや色補正の必要性等をチェックするために、色分解フ
イルムからカラープルーフを作製している。カラープル
ーフには、中間調画像の高再現性を可能とする高解像力
の実現や、高い工程安定性等の性能が望まれている。ま
た、実際の印刷物に近似したカラープルーフを得るため
に、カラープルーフに使用される材料としては、実際の
印刷物に使用される材料、例えば基材としては印刷本紙
を、色材としては顔料を用いることが好ましい。また、
カラープルーフの作製方法としては、現像液を用いない
乾式の方法の要望が高い。
【0003】乾式のカラープルーフ作製法として、最近
の印刷前工程(プリプレス分野)における電子化システ
ムの普及に伴い、デジタル信号から直接カラープルーフ
を作製する記録システムが開発されている。このような
電子化システムは、特に高画質のカラープルーフを作製
するのが目的であり、一般的には、150線/インチ以
上の網点画像を再現する。デジタル信号から高画質のプ
ルーフを記録するためには、デジタル信号により変調可
能で、かつ記録光を細く絞り込むことが可能なレーザー
光を記録ヘッドとして用いる。このため、レーザー光に
対して高い記録感度を示し、かつ、高精細な網点を再現
可能にする高解像力を示す画像形成材料の開発が必要と
なる。
【0004】レーザー光を利用した転写画像形成方法に
用いられる画像形成材料としては、支持体上に、レーザ
ー光を吸収して熱を発生する光熱変換層、及び顔料が熱
溶融性のワックス、バインダー等の成分中に分散された
画像形成層をこの順に有する熱溶融転写シート(特開平
5−58045号公報)が知られている。これらの画像
形成材料を用いる画像形成方法では、光熱変換層のレー
ザー光照射領域で発生した熱によりその領域に対応する
画像形成層が溶融し、転写シート上に積層配置された受
像シート上に転写され、受像シート上に転写画像が形成
される。
【0005】また、特開平6−219052号公報に
は、支持体上に、光熱変換物質を含む光熱変換層、非常
に薄層(0.03〜0.3μm)の熱剥離層、色材を含
む画像形成層がこの順に設けられた熱転写シートが開示
されている。この熱転写シートでは、レーザー光を照射
されることによって、前記熱剥離層の介在により結合さ
れている画像形成層と光熱変換層との間の結合力が、低
減され、熱転写シート上に積層配置した受像シート上
に、高精細な画像が形成される。前記熱転写シートを用
いた画像形成方法は、所謂「アブレーション」を利用し
ており、具体的には、レーザー光の照射を受けた領域
で、熱剥離層が一部分解し、気化するため、その領域で
の画像形成層と光熱変換層との間の接合力が弱まり、そ
の領域の画像形成層が上に積層した受像シートに転写さ
れる現象を利用している。
【0006】これらの画像形成方法は、受像シート材料
として受像層(接着層)を付設した印刷本紙を用いるこ
とができること、色の異なる画像を次々と受像シート上
に転写することによって多色画像が容易に得られること
等の利点を有し、特にアブレーションを利用する画像形
成方法は、高精細な画像が容易に得られるという利点を
有し、カラープルーフ(DDCP:ダイレクト・ディジ
タル・カラープルーフ)、あるいは高精細なマスク画像
を作製するのに有用である。
【0007】DTP環境が進む中、CTP(Compu
ter To Plate)使用先は中間のフイルム出
し工程がなくなり、校正刷りやアナログ方式のプルーフ
からDDCP方式によるプルーフニーズが強くなってき
ているが、近年更に高品位・高安定性で、印刷一致性に
優れた大サイズのDDCPが望まれている。レーザー熱
転写方式は高解像度での印画が可能であり、従来から
レーザー昇華方式、レーザーアブレーション方式、
レーザー溶融方式等のシステムがあるが、いずれも記録
網点形状がシャープでないという問題があった。のレ
ーザー昇華方式は色材として染料を用いているため、印
刷物近似性が十分ではなく、かつ色材が昇華する方式で
あるため網点の輪郭がぼやけてしまい、解像度が十分高
くないという問題があった。一方、レーザーアブレーシ
ョン方式は色材として顔料を用いているため印刷物近似
性は良好であるが、色材が飛散する方式であるため昇華
方式と同様に網点の輪郭がぼやけてしまい、解像度が十
分高くないという問題があった。更にのレーザー溶融
方式も溶融物が流動するのでクリアーな輪郭が出ないと
いう問題があった。
【0008】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明の目的は、高品位・高安定性で、
印刷一致性に優れた大サイズのDDCPを提供すること
にあり、具体的には、本発明の目的は、1)熱転写シー
トは顔料色材、印刷物との比較でも照明光源の影響を受
けない、色材薄膜の転写で、網点のキレ、安定性に優れ
ること、2)受像シートはレーザーエネルギー熱転写シ
ートの画像形成層を安定、確実に受像できること、3)
アート(コート)紙、マット紙、微塗工紙等少なくとも
64〜157g/m2の範囲に対応して本紙転写可能、
微妙な質感描写や正確な紙白(ハイキー部)再現ができ
ること、4)更にきわめて安定した転写剥離性が得られ
ることを達成することにある。また、異なる温湿度条件
下において、マルチビームであるレーザー光により、高
エネルギーでレーザー記録した場合も、画質が良好であ
り、安定した転写濃度の画像を受像シート上に形成し得
る、多色画像形成方法を提供することにある。
【0010】
【0011】そして、本発明の更に他の目的は、本紙上
に転写された画像を一層鮮明で高品質にすることにあ
り、更には、受像シートと熱転写シートとを記録装置に
供給する際に、記録装置内に異物が侵入することによる
画像品質の低下を防止することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、前記課題を解決す
るための本発明に係る手段は、以下の通りである。 (1)支持体上に少なくとも受像層を有する受像シート
と、支持体上に少なくとも光熱変換層と画像形成層とを
有するイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックを含む
少なくとも4種類以上の色の異なる熱転写シートとを用
い、各熱転写シートの画像形成層と受像シートの受像層
とを対向して重ね合わせ、レーザー光を照射して、画像
形成層のレーザー光照射領域を受像シートの受像層上へ
転写して画像記録する多色画像形成方法において、前記
各熱転写シートの画像形成層は、光熱変換層の直上にあ
り、ブラックの熱転写シートの画像形成層の層厚が0.
5〜0.7μmであり、イエロー、マゼンタ、シアンの
各熱転写シートの画像形成層の層厚が0.2μm以上
0.5μm未満であり、前記各熱転写シートの前記画像
形成層の光学濃度(OD)と層厚(μm単位)の比OD
/層厚が1.50以上であり、前記転写画像の解像度が
2400dpi以上であり、前記レーザー光照射領域の
画像形成層を薄膜状態で受像シートに転写させ、かつ熱
転写画像を前記受像シートに記録する前に、印刷物を作
成するためのカラー画像データをプルーフ出力装置用の
カラー画像データに変換処理するカラー画像データ変換
処理工程、及び、前記印刷物の色及び/又は網点と前記
プルーフ出力装置により出力されるカラー画像の色及び
/又は網点とを一致させるためのデータ変換の処理をす
る色・網点一致変換処理工程より成るカラーマッチング
工程を有することを特徴とする多色画像形成方法。(2)光熱変換層のレーザー光照射領域に対して、画像
記録後の断面積を(a)、画像記録前の断面積を(b)
としたときに、変形率={(a+b)/(b)}×10
0が110%以上であることを特徴とする上記(1)に
記載の多色画像形成方法。 (3)前記色・網点一致変換処理工程が、コントーン
(連続調)データをラスターデータに変換処理する工
程、及び、受け取ったラスターデータを予め実験的に作
成した4次元(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロ
ー)のテーブルによって同じラスターデータをもとに作
成された印刷物に色が一致するように変換し、最後に前
記印刷物の網点と一致するように網点用の2値データに
変換処理する工程であることを特徴とする上記()に
記載の多色画像形成方法。
【0013】()前記熱転写シートが少なくともイエ
ロー、マゼンタ、シアン、及びブラックを含む4種類以
上の熱転写シートからなることを特徴とする上記(1)
〜()のいずれかに記載の多色画像形成方法。 ()前記各熱転写シートの画像形成層を前記受像シー
トの受像層上へ転写する順序がブラック、シアン、マゼ
ンタ、イエローの順序であることを特徴とする上記
(1)に記載の多色画像形成方法。 ()前記受像シート上の画像形成層を、本紙上で支持
体から近い順にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック
の画像形成層となる順序で本紙転写されることを特徴と
する上記()に記載の多色画像形成方法。 ()前記少なくともイエロー、マゼンタ、シアン、及
びブラックを含む4種類以上の熱転写シートと受像シー
トとが、ロール状態で記録装置に供給され、該記録装置
中で前記各シートがロールから繰り出されて自動搬送さ
れることを特徴とする上記()又は()に記載の多
色画像形成方法。
【0014】(8)前記転写画像の解像度が2600d
pi以上の画像であることを特徴とする上記(1)〜
)のいずれかに記載の多色画像形成方法。 ()前記各熱転写シートの画像形成層の光学濃度(O
D)と層厚(μ単位)の比OD/層厚が1.80以上で
あることを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに
記載の多色画像形成方法。 (10)前記各熱転写シートの画像形成層の光学濃度
(OD)と層厚(μ単位)の比OD/層厚が2.50以
上であることを特徴とする上記(1)〜()のいずれ
かに記載の多色画像形成方法。 (11)前記各熱転写シートの画像形成層及び前記受像
シートの受像層の水に対する接触角が7.0〜120.
0°の範囲にあることを特徴とする上記(1)〜(
)のいずれかに記載の多色画像形成方法。 (12)前記多色画像の記録面積が594×841mm
以上のサイズであることを特徴とする上記(1)〜(
)のいずれかに記載の多色画像形成方法。 (13)前記各熱転写シートの画像形成層の光学濃度
(OD)と層厚(μ単位)の比OD/層厚が1.80以
上であり、前記受像シートの水に対する接触角が86°
以下であることを特徴とする上記(1)〜(12)のい
ずれかに記載の多色画像形成方法。
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】本出願人は高品位・高安定性で、
印刷一致性に優れたB2/A2以上更にはB1/A1以
上の大サイズのDDCPを提供するために鋭意検討した
結果、本紙転写・実網点出力・顔料タイプのB2サイズ
以上の画像形成材料及び出力機と高品位CMSソフトか
らなるDDCP用レーザー熱転写記録システムを開発し
た。
【0017】本出願人が開発したレーザー熱転写記録シ
ステムの性能の特徴、システム構成及び技術ポイントの
概要は次の通りである。性能の特徴はドット形状がシ
ャープであるため、印刷物近似性に優れた網点を再現で
きる。色相の印刷物近似性が良好である。記録品質
は環境温湿度の影響を受けにくく、また繰り返し再現性
が良いため、安定したプルーフを作成できる。このよう
な性能の特徴が得られる材料の技術的ポイントは薄膜転
写技術を確立したこと、レーザー熱転写システムに要求
される材料の真空密着保持性・高解像度記録への追従・
耐熱性の改良がポイントである。具体的には赤外吸収
色素の導入による光熱変換層を薄膜化すること、高T
gポリマー導入による光熱変換層の耐熱性を強化するこ
と、耐熱性顔料導入により色相安定化を図ること、
ワックス、無機顔料等の低分子成分添加により接着力・
凝集力をコントロールすること、光熱変換層へのマッ
ト材添加により、画質劣化を伴わないで真空密着性を付
与すること等が挙げられる。システムの技術的ポイント
は記録装置の多数枚連続集積のためのエアー搬送、
熱転写装置の、転写後カール低減のための本紙上挿入、
システム接続拡張性を持たせた汎用出力ドライバーの
接続等が挙げられる。このように本出願人が開発したレ
ーザー熱転写記録システムは多様な性能の特徴、システ
ム構成及び技術ポイントによって構成されている。しか
しこれらは例示であって、本発明はこれらの手段に限定
されるものではない。
【0018】本出願人は個々の素材、光熱変換層、画像
形成層、受像層などの各塗布層、各熱転写シートや受像
シートなどは個々バラバラに存在するのではなく有機
的、総合的に機能するようにすべきであり、更にこれら
画像形成材料は記録装置や熱転写装置と組み合わされて
最高の性能を発揮するものであるとの考えの基に開発を
行った。本出願人は画像形成材料の各塗布層や構成する
素材を十分吟味しそれらの素材の特長を最大限に引き出
す塗布層を作り画像形成材料とし、この画像形成材料が
最高の性能を発揮するような各種の物理特性の適当な範
囲を見出した。その結果、各素材、各塗布層、各シート
や物理特性との関係を極め、更には画像形成材料と記録
装置や熱転写装置と有機的、総合的に機能させることに
より、思いもかけず、高性能な画像形成材料を見出すこ
とができた。このような本出願人が開発したシステムに
おける本発明の位置付けは、本出願人の開発したシステ
ムを支える高性能の画像形成材料の特性を引き出すため
に、カラーマッチング工程との組み合わせを規定した多
色画像形成方法と、それに用いる多色画像形成材料に関
する要の発明である。
【0019】まず、本発明に用いられるカラーマッチン
グ工程について、その内容、作用、及び効果について説
明する。カラー印刷物を作成するにあたっては、予め、
カラー画像データから作成された印刷版で印刷されて得
られる画像に近似したプルーフを作成し、印刷物の仕上
がりを事前に確認する。従って、印刷物を作成するため
のカラー画像データに基づいて、プルーフ用のカラー画
像を出力するには、印刷物の色を忠実に再現したカラー
画像を得るため、つまり、印刷物近似性の高い画像を得
るためには、カラーマッチング工程を設け、与えられた
種々のカラー画像データに対応し、該カラー画像データ
に対して各種補正及び色変換処理を施す必要がある。こ
のカラーマッチング工程において各種補正及び色変換処
理を行うためには、例えば、プルーフ出力装置を用いて
印刷物のプルーフを作成する場合、カラー印刷機に係る
印刷条件(例えば、印刷用紙の種類、印刷用インクの種
類等)を考慮してカラー画像データを変換する印刷条件
補正用変換テーブル、前記印刷条件に依存することな
く、当該プルーフ出力装置やカラー印刷機の出力方式
(例えば、網点変調方式や濃度変調方式)等に応じて標
準的な色補正を行うための標準色変換テーブル、当該プ
ルーフ出力装置の機差や使用環境、経時的変化等を補正
するためのキャリブレーション用変換テーブル等が必要
である。これらの各種補正用変換テーブルは4次元(ブ
ラック、シアン、マゼンタ、イエロー)のテーブルとし
て予め実験的に作成しておき、本発明を実現するシステ
ム内に保存しておくとよい。4次元テーブルは、予め重
要色データについて、各種条件下(印刷条件、出力方
式、使用環境等)で、実際に印刷機にて印刷した画像と
プルーフ出力装置にて記録した画像を用意し、その測色
値を比較してその差が最小になるように作成すればよ
い。
【0020】本発明のカラーマッチング工程では、印刷
物を作成するためのカラー画像データはプルーフ出力装
置用のカラー画像データに変換処理され(カラー画像変
換処理工程)、該プルーフ出力装置用のカラー画像デー
タが、印刷物の色・網点と出力されるプルーフの色・網
点とが一致するようにデータ変換処理される(色・網点
一致変換処理工程)。色・網点一致変換工程では、上記
のプルーフ出力装置用のカラー画像データ(コントーン
(連続調)データ)をRIP(ラスターイメージプロセ
ッサー)システム等を通してラスターデータに変換し、
次いで、該ラスターデータを上記したような各種補正デ
ータを有する色変換用の4次元テーブルにより印刷物に
色が一致するようにデータ変換し、最後に、印刷物の網
点と一致するように網点用の2値データに変換する。こ
れらのカラーマッチング工程で色や網点のデータ変換処
理を行うことにより、印刷物に高精度に合わせたカラー
プルーフ画像を簡易に作成することができる。また、大
画面に対応した効率の良いカラーマッチングが実現でき
る。これらのデータ変換等の詳細は、特開平11−41
475号公報、特開2001−169110号公報に記
載されている。
【0021】
【0022】
【0023】また、上記のカラーマッチング工程を組み
合わせた本発明の多色画像形成方法には、他の一つの実
施態様として、更にもう一つの発明が内在する。この更
にもう一つの発明の、上述の本出願人が開発したシステ
ムにおける位置付けは、本システムを支える高性能の画
像形成材料の特性を引き出すために、色の記録順序、更
には全自動ロール供給との組み合わせを規定した要の技
術となっている。
【0024】通常、カラー画像を形成するためには少な
くともイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックを含む
4色以上の画像形成層を受像シートの受像層上に転写
し、更に、本紙上に積層することが必要である。本発明
の一つの実施態様のように上記4色の画像形成層を受像
層上に、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順序
で転写するのが好ましく、更に、本紙上に支持体から近
い順にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に積
層するの特に好ましい。このようにすることで、得られ
た画像の黒色が非常に鮮明で画像品質が良好になり、こ
の点は特に解像度が2400dpi以上の高解像度画像
の場合非常に大きな利点となる。
【0025】また、画像形成層のOD/層厚が一定値以
上であることが好ましい。本発明でいうOD/層厚と
は、画像形成層の光学濃度(OD)と「μm」単位で測
定した画像形成層の厚みの比である。ここで言う光学濃
度とは熱転写シートから受像シートに転写し、さらに特
菱アート紙に本紙転写した画像を、濃度計X−rite
938(X−rite社製)にて、イエロー(Y色)、
マゼンタ(M色)、シアン(C色)、ブラック(K色)
それぞれY、M、C、Kモードで測定した反射光学濃度
である。画像形成層の層厚は画像記録前の熱転写シート
の断面を走査型電子顕微鏡観察することにより測定す
る。OD/層厚を1.50以上にすることにより、印刷
プルーフとして要求される画像濃度が容易に得られると
同時に、画像形成層を薄膜とすることが可能で、受像層
への転写が効率良く行え、画像形成層の破断性も安定で
ドット形状をシャープにすることができ、ひいては画像
情報に応じた高解像度記録への追随性と優れた網点再現
を可能にする。また、画像形成層をより薄膜化できるた
め、環境温湿度の影響を極力少なくでき、画像の繰り返
し再現性も良くなり、更に安定な転写剥離性が得られ、
印刷物近似性のより高いプルーフを作成できる。そし
て、OD/層厚を1.80以上とすることにより一層そ
の効果を助長でき、更に、OD/層厚を2.50以上と
することにより転写濃度と解像力を大幅に増大させるこ
とができる。OD/層厚が1.50未満であると充分な
画像濃度が得られないか、又は画像形成層の破断性も悪
く解像度が低下して、いずれにせよ良好な画像が得られ
ない。
【0026】本発明では、熱転写シート及び受像シート
はロール形態で記録装置に供給され、装置内で各シート
がロールから繰り出されることで完全に自動搬送される
ことが好ましい。ここで言う「全自動」とは熱転写シー
ト及び受像シートの記録装置へのセットは人が行うが、
以降記録完了までの操作は全く人手を用いず行う方式を
言う。本発明では熱転写シートと受像シートを対向させ
て重ね合わせレーザー光を照射して記録画像を形成す
る。その際、熱転写シートと受像シートの間に異物が存
在すると画像形成層の転写を妨害して白いスポット状の
非転写部、いわゆる「白抜け」が発生して画像品質を大
きく低下させる。全自動にすることにより、記録装置内
へのゴミなどの微小な異物の侵入を防止でき、この様な
画像品位の低下を防止できる。一般に1画面中に上記の
異物による故障が発生する確率は画像面積に比例するの
で、画像面積が大きい場合には白抜けが実用上の問題に
なる。特に面積が515mm×728mm以上の画像の
場合白抜けは非常に大きな問題となるが、「全自動」に
することにより白抜けが非常に少ない良好な画像を得る
ことができる。
【0027】本発明には、さらに次のような特徴があ
る。即ち、その1つは、多色画像形成材料に特徴があ
り、具体的には、各熱転写シートの画像形成層及び受像
シートの受像層の水に対する接触角を7.0°〜12
0.0°の範囲にすることにある。これにより、画像形
成時に十分な接着力が得られ、ドット形状をシャープに
することができ、ひいては画像情報に応じた優れた網点
再現を可能にする。また、印刷本紙へ転写しても、転写
不良を起こすことなく欠陥のない高品位のプルーフの作
成を可能にする。さらに、上記の観点を含め、十分な濃
度を有した高品質な画像を得るためには、各熱転写シー
トのOD/層厚が1.80以上であり、受像シートの受
像層の水に対する接触角が86°以下であることが好ま
しい。上記各層表面の水に対する接触角の値など、本発
明でいう各層表面の水に対する接触角は、コンタクトア
ングルメーター(Contact Angle Met
er)CA−A型(協和界面科学(株)製)を用いて測
定した値である。
【0028】また、別の特徴としては、レーザー光照射
領域の画像形成層が薄膜状態で受像シートに転写する点
が挙げられる。本発明では、本出願人が開発した薄膜転
写方式によって、転写画像の線幅再現性が0.9から
1.1であるという優れた解像度が得られる。この薄膜
転写方式は、従来のレーザー昇華方式、レーザーア
ブレーション方式、レーザー溶融方式等のシステムよ
りも優れた方法であるが、本発明の多色画像形成方法は
当然の如く、なんらその方法に限定されるものではな
い。と同時に本出願人が開発したシステムに織り込まれ
た種々の技術は、上記従来の各システムにも適用し、改
良できる技術も多く、高解像度の多色画像形成材料や多
色画像形成方法を得ることに寄与できるものである。本
発明でいう線幅再現性とは、レーザビームスポットの2
次元エネルギー分布を主走査方向に積分し、副走査方向
でのエネルギー分布にしたものの半値幅aを取り、それ
を2倍にした長さ2aに対して、転写された画像の線幅
bの比(b/2a)をいう。
【0029】次に、本発明の内容を含め、本出願人が開
発したシステムの全体について以下に説明する。本発明
のシステムでは、薄膜熱転写方式を発明、採用したこと
によって高解像度、高画質化を達成した。本発明のシス
テムでは解像度が2400dpi以上、好ましくは26
00dpi以上の転写画像を得ることの出来るシステム
である。薄膜熱転写方式とは層厚が0.01〜0.9μ
mの薄膜の画像形成層を部分的に溶融しない状態又はほ
とんど溶融しない状態で受像シートに転写する方式であ
る。即ち記録された部分が薄膜として転写するため、極
めて解像度の高い熱転写方式を開発したものである。薄
膜熱転写を効率的に行う好ましい方法は、光記録によっ
て光熱変換層内部をドーム状に変形させ、画像形成層を
押し上げ、画像形成層と受像層との密着力を高め、転写
しやすくすることである。この変形が大きいと画像形成
層を受像層に押しつける力が大きいので転写しやすくな
り、一方、変形が小さいと画像形成層を受像層に押しつ
ける力が小さいので十分な転写が出来ない部分が出てく
る。そこで薄膜転写に好ましい変形はレーザー顕微鏡
(VK8500、キーエンス社製)により観察したもの
で、この変形の大きさは光熱変換層の記録部の光記録後
の増加した断面積(a)と光熱変換層の記録部の光記録
前の断面積(b)を加えた値を光熱変換層の記録部の光
記録前の断面積(b)で除した値に100を乗じて計算
される変形率で評価できる。即ち変形率={(a+b)
/(b)}×100である。変形率は110%以上、好
ましくは125%以上、更に好ましくは150%以上で
ある。破断伸びを大きくすれば変形率は250%より大
きくても良いが、通常は250%程度に押さえることが
好ましい。
【0030】薄膜転写における画像形成材料の技術ポイ
ントは以下の通りである。 1.高熱応答性と保存性の両立 高画質を達成するためにはサブミクロンオーダーの薄膜
の転写が必要であるが所望の濃度を出すためには、高濃
度に顔料を分散した層を作る必要があり、熱応答性とは
相反する。また、熱応答性は保存性(接着)とも相反す
る関係にある。これらの相反関係を新規なポリマー・添
加剤の開発により解決した。 2.高い真空密着性の確保 高解像度を追求した薄膜転写では転写界面は平滑な方が
好ましいが、それでは十分な真空密着性が得られない。
これまでの真空密着性付与の常識にとらわれず、比較的
粒径の小さなマット剤を多めに、画像形成層の下の層に
入れることで、熱転写シートと受像シート間に適度なギ
ャップを均一に保ち、マット剤による画像の抜けが無
く、薄膜転写の特徴を確保したまま、真空密着性を付与
させた。 3.耐熱性有機素材の使用 レーザー記録時にレーザー光を熱に変換する光熱変換層
は約700℃に、顔料色材を含む画像形成層は約500
℃にも達する。光熱変換層の素材として有機溶剤塗布可
能な変性ポリイミドを開発すると共に、顔料色材として
印刷用顔料よりも耐熱性が高く、安全で色相のあった、
顔料を開発した。 4.表面清浄性の確保 薄膜転写では熱転写シートと受像シート間のごみは画像
欠陥となり、重大な問題である。機器外部からの進入・
材料カッテイングでの発生などがあり、材料管理だけで
は不十分であり、機器にごみを除去する機構を付ける必
要があったが、転写材料表面をクリーニングできる適度
な粘着性を維持できる素材を見出し、搬送ローラー材質
を変更することにより生産性を低下することなく、ごみ
の除去を実現した。
【0031】以下、本発明のシステムの全体について詳
述する。本発明はシャープな網点による熱転写画像を実
現し、かつ本紙転写及びB2サイズ以上の記録(515
mm×728mm以上ができることが好ましい。更に好
ましくは、B2サイズは543mm×765mmであ
り、これ以上の大きさ(特に好ましくは594×841
mm以上)に記録が可能であるシステムである。本発明
が開発したシステムの性能の特長の一つはシャープなド
ット形状が得られるということである。このシステムで
得られた熱転写画像は2400dpi以上の解像度で印
刷線数に応じた網点画像とすることができる。1つ1つ
の網点はにじみ・欠けがほとんどなく形状が非常にシャ
ープであるため、ハイライトからシャドーまでの高範囲
の網点をクリアーに形成することができる。その結果、
イメージセッターやCTPセッターと同じ解像度で高品
位な網点出力が可能であり、印刷物近似性の良い網点と
階調を再現することができる。
【0032】また、本発明が開発したシステムの性能の
特長の二つ目は繰り返し再現性が良好であるということ
である。この熱転写画像は、網点形状がシャープである
ためレーザービームに対応した網点を忠実に再現でき、
また記録特性の環境温湿度依存性が非常に小さいため、
幅広い温湿度環境下で色相・濃度とも安定した繰り返し
再現性を得ることができる。更に本発明が開発したシス
テムの性能の特長の三つ目は色再現が良好であるという
ことである。このシステムで得られた熱転写画像は、印
刷インクに使用されている着色顔料を用いて形成されて
おり、また繰り返し再現性が良好なため高精度のCMS
(カラーマネージメントシステム)を実現できる。ま
た、この熱転写画像は、Japanカラー、SWOPカ
ラーなどの色相、即ち、印刷物の色相とほぼ一致させる
ことができ、蛍光灯や白熱灯など光源が変わったときの
色の見え方についても印刷物と同様の変化を示すことが
できる。
【0033】また、本発明が開発したシステムの性能の
特長の四つ目は文字品質が良好であるということであ
る。このシステムで得られた熱転写画像は、ドット形状
がシャープなので、微細文字の細線がきれよく再現でき
る。次に本発明のシステムの材料技術の特徴について更
に詳述する。DDCP用熱転写方式として、昇華方方
式 アブレーション方式 熱溶融方式のものがあ
る。、の方式は色材が昇華もしくは飛散する方式で
あるため網点の輪郭がぼやけてしまう。一方の方式も
溶融物が流動するのでクリアーな輪郭が出ない。本出願
人は薄膜転写技術を基本に、レーザー熱転写系での新た
な問題点を解決し、更に高画質のものにするため、下記
に述べる技術を盛り込んだ。
【0034】材料技術の特徴の第1はドット形状のシャ
ープ化である。レーザー光を光熱変換層で熱に変換し、
隣接する画像形成層に伝え、画像形成層が受像層に接着
することにより画像記録を行う。ドット形状をシャープ
にするためにはレーザー光により発生した熱が、面方向
に拡散せずに転写界面まで伝えられ、加熱部/非加熱部
の境界面で画像形成層がシャープに破断する。このため
に、熱転写シートにおける光熱変換層の薄膜化と画像形
成層の力学特性を制御する。ドット形状のシャープ化の
技術1は光熱変換層の薄膜化である。シミュレーション
では、光熱変換層は瞬間的に約700℃に達すると推定
され、膜が薄いと変形や破壊がおこりやすい。変形・破
壊が起こると光熱変換層が画像形成層とともに受像シー
トに転写したり、転写像が不均一になるという実害を生
じる。一方、所定の温度を得るには膜中に光熱変換物質
を高濃度に存在させねばならず、色素の析出や隣接層へ
の移行といった問題も発生する。光熱変換物質としては
従来カーボンが使用されることが多かったが、本材料で
はカーボンに比べ使用量が少なくてすむ赤外吸収色素を
用いた。バインダーは高温でも十分な力学強度を持ち、
更に赤外吸収色素の保持性のよいポリイミド系化合物を
導入した。このように、光熱変換特性の優れた赤外吸収
色素及びポリイミド系などの耐熱性バインダーを選定す
ることにより、光熱変換層を約0.5μm以下に薄膜化
することが好ましい。
【0035】また、ドット形状のシャープ化の技術2は
画像形成層の特性の改良である。光熱変換層の変形が起
こったり、又は画像形成層そのものが高熱により変形す
ると、受像層に転写した画像形成層はレーザー光の副走
査パターンに対応した厚みムラを生じ、そのため画像が
不均一になり見かけの転写濃度が低下する。この傾向は
画像形成層の厚みが薄いほど顕著である。一方、画像形
成層の厚みが厚いとドットのシャープさが損なわれかつ
感度も低下する。この相反する性能を両立させるため
に、ワックス等の低融点物質を画像形成層に添加するこ
とより転写ムラを改良することが好ましい。また、バイ
ンダーの代わりに無機微粒子を添加することにより層厚
を適正に上げることで、加熱部/非加熱部の界面で画像
形成層がシャープに破断するようにし、ドットのシャー
プさ・感度を保ちつつ転写ムラを改良することができ
る。
【0036】また、一般にワックス等の低融点物質は、
画像形成層表面に滲み出たり、結晶化する傾向があり、
画質や熱転写シートの経時安定性に問題を生じる場合が
ある。この問題に対処するためには、画像形成層のポリ
マーとのSP値差が小さい低融点物質を使用することが
好ましく、ポリマーとの相溶性を上げ、低融点物質の画
像形成層からの分離を防止することができる。また、構
造の異なる数種類の低融点物質を混合することで共融化
させ結晶化を防止することも好ましい。その結果、ドッ
ト形状がシャープでかつむらの少ない画像が得られる。
【0037】また、材料技術の特徴の第2は記録感度に
温湿度依存性があるということを見出した点である。一
般に、熱転写シートの塗布層が吸湿することで層の力学
物性と熱物性が変化し、記録環境の湿度依存性が生じ
る。この温湿度依存性を少なくするためは、光熱変換層
の色素/バインダー系、及び画像形成層のバインダー系
を有機溶剤系にすることが好ましい。また、受像層のバ
インダーとしてポリビニルブチラ―ルを選択すると共に
その吸水性を小さくするためにポリマー疎水化技術を導
入することが好ましい。ポリマー疎水化技術としては、
特開平8−238858号公報に記載のようにヒドロキ
シル基を疎水基と反応させたり、2つ以上のヒドロキシ
ル基を硬膜剤で架橋するなどが挙げられる。
【0038】材料技術の特徴の第3は色相の印刷物近似
性を改良した点である。サーマルヘッド方式のカラープ
ルーフ(例えば、富士写真フイルム社製FirstPr
oof)での顔料の色マッチング、安定分散技術に加
え、レーザー熱転写システムで新たに生ずる下記の問題
点を解決した。即ち色相の印刷物近似性改良の技術1は
高耐熱性顔料を使用した点である。通常、レーザー露光
による印画時に画像形成層にも約500℃以上の熱がか
かり、従来使用していた顔料では熱分解してしまうもの
があったが、耐熱性の高い顔料を画像形成層に採用する
ことによりこれを防止することができる。そして、色相
の印刷物近似性改良の技術2は赤外吸収色素の拡散防止
である。印画時の高熱により、赤外吸収色素が光熱変換
層から画像形成層に移行すると、色相が変化してしまう
のを防止するために、前述したように保持力の強い赤外
吸収色素/バインダーの組み合わせで光熱変換層を設計
することが好ましい。
【0039】材料技術の特徴の第4は高感度化である。
一般に、高速印画ではエネルギー不足となり特にレーザ
ー副走査の間隔に対応する隙間が発生する。前述したよ
うに光熱変換層の色素高濃度化及び光熱変換層・画像形
成層の薄膜化は、熱の発生/伝達の効率を上げることが
できる。更に、加熱時に画像形成層がわずかに流動し隙
間を埋める効果と受像層との接着性をあげる目的で、画
像形成層へ低融点物質を添加することが好ましい。ま
た、受像層と画像形成層との接着性を上げ、転写した画
像の強度を十分持たせるために、受像層のバインダーと
して例えば、画像形成層と同じポリビニルブチラールを
採用することが好ましい。
【0040】材料技術の特徴の第5は真空密着性の改良
である。受像シートと熱転写シートは、真空密着により
ドラム上に保持されることが好ましい。この真空密着は
両シートの接着力制御により画像を形成しているため受
像シートの受像層面と転写シートの画像形成層面のクリ
アランスに画像転写挙動が非常に敏感なので重要であ
る。ゴミ等異物のきっかけで材料間のクリアランスが広
がってしまうと画像欠陥や画像転写ムラが生じてしま
う。このような画像欠陥や画像転写ムラを防止するに
は、熱転写シートに均一な凹凸をつけることで、エアー
のとおりをよくし均一なクリアランスを得ることが好ま
しい。
【0041】真空密着性改良の技術1は熱転写シートと
の表面凹凸化である。2色以上の重ね印画でも真空密着
性の効果を十分に出せるように、凹凸は熱転写シートに
つけた。熱転写シートに凹凸をつける方法としては、一
般にエンボス処理等の後処理、塗布層へのマット剤添加
があるが、製造工程簡略化、材料の経時安定化のために
マット剤添加が好ましい。マット剤は塗布層厚みより大
きいものが必要であり、マット剤を画像形成層に添加す
るとマット剤の存在する部分の画像が欠落するという問
題が発生するので、最適な粒径のマット剤を光熱変換層
に添加することが好ましく、これにより画像形成層その
ものはほぼ均一な厚みとなり、欠陥のない画像を受像シ
ート上に得ることができる。
【0042】次に本発明のシステムのシステム化技術の
特徴について述べる。システム化技術の特徴1は記録装
置の構成である。これまで述べたようなシャープなドッ
トを確実に再現するため、記録装置側も高精度な設計が
要求される。従来のレーザー熱転写用記録装置と基本的
構成は同様である。この構成はハイパワーの複数のレー
ザーを備えた記録ヘッドが、ドラム上に固定された熱転
写シートと受像シートにレーザーを照射して記録する、
いわゆるヒートモードのアウタードラム記録システムで
ある。その中で、以下の態様が好ましい構成である。記
録装置の構成1はごみの混入を避けることである。受像
シート及び熱転写シートの供給は、全自動ロール供給と
する。少数枚のシート供給では人体から発生するごみの
混入が多いので、ロール供給を採用した。熱転写シート
は4色各1ロールずつあるため、ローディングユニット
が回転して各色のロールを切り替えるようにしている。
各フイルムはローディング中にカッターで所定長に切断
された後、ドラムに固定される。記録装置の構成2は記
録ドラム上の受像シートと熱転写シートとの密着を強く
することである。受像シート及び熱転写シートの記録ド
ラムへの固定は真空吸着とする。メカ固定では受像シー
ト及び熱転写シート間の密着力を強くできないため、真
空吸着を採用した。記録ドラム上には多数の真空吸着孔
を形成し、ドラム内部をブロアや減圧ポンプなどにより
減圧にすることによりシートがドラムに吸着される。受
像シートが吸着されている上から熱転写シートが更に吸
着されるために、熱転写シートのサイズを受像シートよ
り大きくする。最も記録性能に影響の大きい熱転写シー
トと受像シートの間のエアーは、受像シートの外の熱転
写シートだけのエリアから吸引される。
【0043】記録装置の構成3は排出台上に複数枚安定
に集積することである。本装置では、B2サイズ以上の
大面積のシートを何枚も排出台上に重ねて集積できるも
のとする。熱接着性を持つ、既に集積されたフイルムA
の受像層の上に次のシートBを排出すると、両者が貼り
ついてしまうことがある。貼りつくと次のシートがきち
んと排出されずにジャムが発生するので問題である。貼
りつき防止にはフイルムAとBの接触を防止することが
最善である。接触防止策としてはいくつかの方法が知ら
れている。(a)排出台に段差を設けフイルム形状を平
坦でなくすことによりフイルム間にすきまをつくる方
法、(b)排出口を排出台よりも高い位置にして排出フ
イルムを上から落とす構造にする方法、(c)エアーを
両フイルムの間に噴出して後から排出されるフイルムを
浮き上がらせる方法、などがある。このシステムではシ
ートサイズがB2と非常に大きいため、(a)、(b)
の方法では構造が非常に大きくなってしまうので、
(c)のエアー噴出法を採用した。そのためにエアーを
両シートの間に噴出して後から排出されるシートを浮き
上がらせる方法を採用するものとする。
【0044】本装置の構成例を図2に示す。以上のよう
な本装置に画像形成材料を適用してフルカラーの画像を
形成するシーケンス(以上、本システムの画像形成シー
ケンスという)を説明する。 1)記録装置1の記録ヘッド2の副走査軸が副走査レー
ル3により、また記録ドラム4の主走査回転軸並びに熱
転写シートローディングユニット5が原点に復帰する。 2)受像シートロール6が搬送ローラー7によってほど
かれて記録ドラム4上に受像シート先端が記録ドラムに
設けられた吸引孔を介して真空吸引されて固定される。 3)記録ドラム4上にスクイーズローラー8が降りてき
て、受像シートを抑えつけながら、ドラムの回転により
受像シートが更に規定量搬送されたところで停止しカッ
ター9によって規定長に切断される。 4)更に記録ドラム4が1周して受像シートのローディ
ングが終了する。 5)次に受像シートと同様のシーケンスで、1色目―黒
―の熱転写シートKが熱転写シートロール10Kから繰
り出され、切断されてローディングされる。 6)次に記録ドラム4が高速回転を始め、副走査レール
3上の記録ヘッド2が動き始め、記録開始位置に到達し
たところで記録画像信号に従って記録ヘッド2により記
録レーザーが記録ドラム4上に照射される。記録終了位
置で照射を終了し、副走査レール動作、ドラム回転が停
止する。副走査レール上の記録ヘッドを原点に戻す。 7)記録ドラム上に受像シートを残したまま、熱転写シ
ートKだけを剥がしとる。そのため、熱転写シートKの
先端を爪でひっかけて排出方向に引っ張り出して、廃棄
口32から廃棄箱35へ廃棄する。 8)5)〜7)を残りの3色分繰り返す。記録順序は黒
の次は、シアン、マゼンタ、イエローの順序である。即
ち、2色目―シアン―の熱転写シートCが熱転写シート
ロール10Cから、3色目―マゼンタ―の熱転写シート
Mが熱転写シートロール10Mから、4色目―イエロー
―の熱転写シートYが熱転写シートロール10Yから順
次繰り出される。一般の印刷順序とは逆であるが、これ
は後の工程の本紙転写によって本紙上の色順序が逆にな
るからである。 9)4色が完了すると、最後に記録済みの受像シートを
排出台31まで排出する。ドラムから剥がしとる方法は
7)の熱転写シートと同じであるが、熱転写シートと違
い廃棄しないので、廃棄口32まで進んだところでスイ
ッチバックによって排出台に戻す。排出台に排出される
際には、排出口33の下からエアー34を噴出して複数
枚の集積を可能にしている。
【0045】上記熱転写シートロール及び受像シートロ
ールの供給部位又は搬送部位の何れかの搬送ローラー7
に、表面に粘着材料が配設された粘着ローラーを用いる
ことが好ましい。
【0046】粘着ローラーを設けることにより、熱転写
シート及び受像シートの表面をクリーニングすることが
できる。
【0047】粘着ローラーの表面に配設される粘着材料
としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、ポリオレフィン樹脂、ポ
リブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体(S
BR)、スチレン−エチレン−ブテン−スチレン共重合
体(SEBS)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体(NBR)、ポリイソプレン樹脂(IR)、スチレン
−イソプレン共重合体(SIS)、アクリル酸エステル
共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アク
リル樹脂、ブチルゴム、ポリノルボルネン等が挙げられ
る。
【0048】粘着ローラーは熱転写シート及び受像シー
トの表面と接触することにより、その表面をクリーニン
グすることができ、接触圧は接触していれば格別限定さ
れない。
【0049】粘着ローラーに使用する粘着性を有する素
材のビッカース硬さHvは50kg/mm2(≒490
MPa)以下であることが、異物であるゴミを十分に取
り除き、画像欠陥を抑制可能であることから好ましい。
【0050】ビッカース硬さというのは、対面角が13
6度の正四角錐形のダイヤモンド圧子に静荷重をかけて
硬さを測定した硬さであり、ビッカース硬さHvは以下
の式で求められる。
【0051】硬さHv=1.854P/d2(kg/m
2)≒18.1692P/d2(MPa) ここでP:荷重の大きさ(kg)、d:くぼみの正方形
の対角線長さ(mm)。
【0052】また本発明においては、上記の粘着ローラ
ーに使用する粘着性を有する素材の20℃における弾性
率が200kg/cm2(≒19.6MPa)以下であ
ることが、上記と同様に異物であるゴミを十分に取り除
き、画像欠陥を抑制可能であることから好ましい。
【0053】システム化技術の特徴2は熱転写装置の構
成である。記録装置で画像を印刷された受像シートを、
印刷本紙(「本紙」と呼ぶ)に転写する工程を行うた
め、熱転写装置を使用する。この工程はFirst P
roofTMと全く同じである。受像シートと本紙を重
ねて熱と圧力をかけると両者が接着し、その後本紙から
受像フイルムを引き剥がすと、画像と接着層だけが本紙
上に残り、受像シート支持体とクッション層ははがれ
る。従って実用上は画像が受像シートから本紙に転写さ
れることになる。First ProofTMでは、ア
ルミニウム製のガイド板の上に本紙と受像シートを重ね
てヒートローラーの間を通すことによって転写してい
る。アルミニウムガイド板を使用するのは本紙の変形を
防ぐためである。しかし、これをB2サイズの本システ
ムに採用すると、B2より大きなアルミニウムガイド板
が必要となり、装置の設置スペースが大きくなるという
問題が発生する。そこで本システムではアルミニウムガ
イド板を使用しないで、更に搬送パスが180度回転し
て挿入側に排出されるような構造を採用したので、設置
スペースは非常にコンパクトになった(図3)。しかし
アルミニウムガイド板を使用しないために、本紙が変形
するという問題が発生した。具体的には排出された本紙
と受像シートの対が受像シートを内側にしてカールして
しまい、排出台の上で転がってしまう。この丸まった本
紙から受像シートを引き剥がすのは作業として非常に困
難である。
【0054】そこで、本発明では、丸まりを防止する方
法として受像シートを本紙の下側になるように挿入する
のが好ましく、本紙と受像シートによる収縮量の差によ
るバイメタル効果と、熱ローラーに巻きつかせる構造に
よるアイロン効果を利用したものである。従来のように
受像シートを本紙の上に重ねて挿入する場合には、挿入
進行方向に対しての受像シートの熱収縮が本紙の熱収縮
より大きいために、バイメタル効果によるカールは上が
内側となり、アイロン効果の方向と同じなので相乗効果
によりカールがひどくなる。ところが受像シートを本紙
の下側になるように挿入すれば、バイメタル効果のカー
ルは下向き、アイロン効果のカールは上向きとなるため
に、カールは相殺され問題なくなった。
【0055】本紙転写のシーケンスは、以下である(以
下、本システムで用いる本紙転写方法という)。この方
法に用いる図3に示す熱転写装置41は、記録装置と違
い手作業の装置である。 1)まず、本紙42の種類に応じて、ヒートローラー4
3の温度(100〜110℃)と転写時搬送速度をダイ
ヤル(不図示)で設定する。 2)次に挿入台の上に受像シート20を画像を上にして
置き、画像上のほこりを除電ブラシ(不図示)で除去す
る。その上にほこりを除去した本紙42を重ねる。その
際、下に置く受像フイルム20より上に置く本紙42の
サイズの方が大きいので、受像シート20の位置が見え
なくなって位置あわせがやりにくい。この作業性を改善
するために挿入台44上に受像シート・本紙それぞれの
載置位置を示すマーク45をつけてある。本紙の方が大
きい理由は、受像シート20が本紙42からずれてはみ
出してヒートローラー43を受像シート20の受像層で
汚してしまうことを防止するためである。 3)受像シート・本紙を重ねたまま挿入口に押し込む
と、挿入ローラー46が回転して両者をヒートローラー
43に向かって送り出す。 4)本紙先端がヒートローラー43の位置まで来たとこ
ろで、ヒートローラーがニップされ転写を開始する。ヒ
ートローラーは耐熱のシリコンゴムローラーである。こ
こで圧力と熱が同時にかけられることによって、受像シ
ートと本紙は接着される。ヒートローラー下流には耐熱
シートでできたガイド47が設置されていて、受像シー
ト・本紙対は上側ヒートローラーとガイド47の間を、
熱をかけたまま上方に搬送され、剥離爪48の位置でヒ
ートローラーから引き剥がされてガイド板49に沿って
排出口50まで導かれる。 5)排出口50から出てきた受像シート・本紙対は接着
されたまま、挿入台の上に排出される。後は手作業で本
紙42から受像シート20を引き剥がす。
【0056】システム化技術の特徴3はシステムの構成
である。以上の装置を、製版システム上に接続すること
によって、カラープルーフとしての機能を発揮できるこ
とになる。ある製版データから出力される印刷物と限り
なく近い画質のプリント物が、プルーフから出力される
必要があり、前記したように本発明の多色画像形成方法
ではカラーマッチング工程を有する。そこで、実際のシ
ステムとしては、色や網点を印刷物と近づけるためのソ
フトウェアが必要で、以下、具体的接続例を紹介する。
富士写真フイルム社製CelebraTMという製版シ
ステムからの印刷物のプルーフをとる場合、システム接
続としては図4に示されるように以下のようになる。C
elebraにCTP(Computer To Pl
ate)システムを接続する。これで出力した印刷版を
印刷機にかけることによって最終印刷物が得られる。C
elebraにカラープルーフとして上記記録装置であ
る富士写真フイルム社製Luxel FINALPRO
OF 5600(以下、FINALPROOFとも記
す)を接続するが、その間に色や網点を印刷物に近づけ
るためのプルーフドライブソフトウェアとして富士写真
フイルム社製PDシステムTMを接続する。図4に示さ
れるシステムにおいては、製版システムであるCele
braとPDシステムがカラーマッチング工程を担うこ
ととなる。製版システムのCelebraにて、ラスタ
ーデータに変換されたコントーン(連続調)データ(画
像データ)は、網点用の2値データに変換されてCTP
システムに出力され、最終的に印刷される。一方、同じ
コントーンデータ(画像データ)はプルーフ出力装置用
の画像データ、更にはラスターデータに変換され、PD
システムにも出力される。PDシステムは受け取ったデ
ータを4次元(黒、シアン、マゼンタ、イエロー)のテ
ーブルによって前記印刷物に色が一致するように変換す
る。そして最後に前記印刷物の網点と一致するように網
点用の2値データに変換し、FINALPROOFに出
力する。前記4次元テーブルは予め実験的に作成してお
き、システム内に保存してある。作成のための実験とは
次のようなものである。重要色データを、CTPシステ
ム経由で印刷した画像と、PDシステム経由でFINA
LPROOFに出力した画像を用意し、その測色値を比
較してその差が最小になるようにテーブルを作成する。
以上のようにして、本発明は解像力の高い材料の能力を
十分に発揮できるようなシステム構成を実現できた。
【0057】次に本発明のシステムに用いる材料である
熱転写シートについて説明する。熱転写シートの画像形
成層表面の表面粗さRzとその裏面層表面の表面粗さR
zの差の絶対値が3.0以下であり、受像シートの受像
層表面の表面粗さRzとその裏面層表面の表面粗さRz
の差の絶対値が3.0以下であることが好ましい。この
ような構成により、上記のクリーニング手段と相俟って
画像欠陥を防止でき、搬送ジャムをなくし、更にドット
ゲイン安定性を向上させることができる。
【0058】本明細書で、表面粗さRzというのは、J
ISのRz(最大高さ)に相当する十点平均面粗さのこ
とをいい、粗さの曲面から基準面積分だけ抜き取った部
分の平均面を基準面として、最高から5番目までの山の
標高の平均値と最深から5番目までの谷底の深さの平均
値との距離を入力換算したものである。測定には東京精
密(株)製の触針式の3次元粗さ計(サーフコム570
A−3DF)を用いる。測定方向は縦方向とし、カット
オフ値は0.08mm、測定面積は0.6mm×0.4
mm、送りピッチは0.005mm、測定スピードは
0.12mm/sである。
【0059】上記の熱転写シートの画像形成層表面の表
面粗さRzとその裏面層表面の表面粗さRzの差の絶対
値は1.0以下であり、また受像シートの受像層表面の
表面粗さRzとその裏面層表面の表面粗さRzの差の絶
対値が1.0以下であることが上記の効果を更に向上さ
せる観点から好ましい。
【0060】更に、別の態様としては、熱転写シートの
画像形成層表面とその裏面層表面の表面粗さ及び又は受
像シートの表裏面の表面粗さRzが2〜30μmである
ことが好ましい。このような構成によって、上記のクリ
ーニング手段と相俟って画像欠陥を防止でき、搬送ジャ
ムをなくし、更にドットゲイン安定性を向上させる。
【0061】また熱転写シートの画像形成層の光沢度は
80〜99であることも好ましい。
【0062】光沢度は、画像形成層表面の平滑性に大き
く依存し、画像形成層層厚の均一性を左右し得る。光沢
度が高い方が画像形成層として均一で高精細画像への用
途により適しているが、平滑性が高いと搬送時の抵抗は
より大きくなり、両者がトレード・オフの関係である。
光沢度が80〜99の範囲であると、両者の両立が可能
でバランスが取れる。
【0063】次に、レーザーを用いた薄膜熱転写による
多色画像形成の機構の概略を図1を用いて説明する。熱
転写シート10のブラック(K)、シアン(C)、マゼ
ンタ(M)又はイエロー(Y)の顔料を含む画像形成層
16の表面に、受像シート20を積層した画像形成用積
層体30を用意する。熱転写シート10は、支持体12
と、その上に、光熱変換層14、及び更にその上に、画
像形成層16を有し、受像シート20は、支持体22
と、その上に、受像層24を有し、熱転写シート10の
画像形成層16の表面には、受像層24が接触するよう
に積層される(図1(a))。その積層体30の熱転写
シート10の支持体12側から、レーザー光を画像様に
時系列的に照射すると、熱転写シート10の光熱変換層
14のレーザー光被照射領域が発熱し、画像形成層16
との密着力が低下する(図1(b))。その後、受像シ
ート20と熱転写シート10とを剥離すると、画像形成
層16のレーザー光被照射領域16’が、受像シート2
0の受像層24上に転写される(図1(c))。
【0064】多色画像形成においては、光照射に用いら
れるレーザー光は、マルチビーム光であることが好まし
く、特にマルチビーム2次元配列であることが好まし
い。マルチビーム2次元配列とは、レーザー照射によっ
て記録する際に、複数個のレーザービームを使用し、こ
れらのレーザービームのスポット配列が、主走査方向に
沿って複数列、副走査方向に沿って複数行からなる2次
元平面配列をしていることをいう。マルチビーム2次元
配列であるレーザー光を使用することにより、レーザー
記録に要する時間を短縮することができる。
【0065】使用されるレーザー光は、特に制限なく使
用することができ、アルゴンイオンレーザ光、ヘリウム
ネオンレーザ光、ヘリウムカドミウムレーザ光等のガス
レーザ光、YAGレーザー光等の固体レーザー光、半導
体レーザー光、色素レーザー光、エキシマレーザー光等
の直接的なレーザー光が利用される。あるいは、これら
のレーザー光を二次高調波素子を通して、半分の波長に
変換した光等も用いることができる。多色画像形成方法
においては、出力パワーや変調のし易さ等を考慮する
と、半導体レーザー光を用いることが好ましい。多色画
像形成方法では、レーザー光は、光熱変換層上でのビー
ム径が5〜50μm(特に6〜30μm)の範囲となる
ような条件で照射することが好ましく、また走査速度は
1m/秒以上(特に3m/秒以上)とすることが好まし
い。
【0066】また、多色画像形成は、ブラックの熱転写
シートにおける画像形成層の層厚が、イエロー、マゼン
タ、及びシアンの各熱転写シートにおける画像形成層の
層厚より大きく、かつ、0.5〜0.7μmであること
が好ましい。このようにすることにより、ブラックの熱
転写シートをレーザー照射した際に、転写ムラによる濃
度の低下を抑えることができる。前記ブラックの熱転写
シートにおける画像形成層の層厚が0.5μm以上にす
ることで、高エネルギーで記録した際に、転写ムラがな
く画像濃度が維持され、印刷のプルーフとして必要な画
像濃度を達成することができる。この傾向は、高湿条件
下でより顕著となるため、環境による濃度変化を抑える
ことができる。一方、前記層厚を0.7μm以下にする
ことで、レーザー記録時に転写感度が維持でき、小点の
付きや、細線も改良される。この傾向は、低湿条件下で
より顕著である。また、解像力も良化できる。前記ブラ
ックの熱転写シートにおける画像形成層の層厚は、より
好ましくは0.55〜0.65μmであり、特に好まし
くは0.60μmである。
【0067】更に、前記ブラックの熱転写シートにおけ
る画像形成層の層厚が、0.5〜0.7μmであり、前
記イエロー、マゼンタ、及びシアンの各熱転写シートに
おける画像形成層の層厚が、0.2μm以上0.5μm
未満である。前記イエロー、マゼンタ、及びシアンの各
熱転写シートにおける画像形成層の層厚を0.2μm以
上にすることで、レーザー記録時に転写ムラがなく濃度
維持が図られ、一方、0.5μm以下にすることで、転
写感度や解像力が改良できる。より好ましくは、0.3
〜0.45μmである。
【0068】前記ブラックの熱転写シートにおける画像
形成層は、カーボンブラックを含有することが好まし
く、該カーボンブラックは、着色力の異なる少なくとも
2種類のカーボンブラックからなることが、P/B(ピ
グメント/バインダー)比を一定の範囲にしつつ、反射
濃度を調節することができるため好ましい。カーボンブ
ラックの着色力は、種々の方法によって表されるが、例
えば、特開平10−140033号公報に記載のPVC
黒度等が挙げられる。PVC黒度とは、カーボンブラッ
クをPVC樹脂に添加、2本ロールにより分散、シート
化し、三菱化学(株)カーボンブラック「#40」、
「#45」の黒度を各々1点、10点と基準値を定め、
試料の黒度を視感判定により評価したものである。PV
C黒度の異なる2種以上のカーボンブラックを、目的に
応じて適宜選択して使用することができる。
【0069】以下に、具体的なサンプル作製方法を述べ
る。 <サンプル作製方法>250ccバンバリーミキサーに
てLDPE(低密度ポリエチレン)樹脂に試料カーボン
ブラックを40質量%配合し、115℃、4分混練りす
る。 配合条件 LDPE樹脂 101.89g ステアリン酸カルシウム 1.39g イルガノックス1010 0.87g 試料カーボンブラック 69.43g 次に、120℃で、2本ロールミルにてカーボンブラッ
ク濃度が1質量%になるように希釈する。
【0070】 希釈コンパウンド作製条件 LDPE樹脂 58.3g ステアリン酸カルシウム 0.2g カーボンブラック40質量%配合樹脂 1.5g スリット幅0.3mmでシート化し、このシートをチッ
プに切断、240℃のホットプレート上で65±3μm
のフイルムに成形する。
【0071】多色画像を形成する方法としては、前述し
たように前記熱転写シートを用いて、同一の受像シート
上に多数の画像層(画像が形成された画像形成層)を繰
返し重ね合せて多色画像を形成してもよく、複数の受像
シートの受像層上に一旦画像を形成した後、印刷本紙等
へ再転写することにより、多色画像を形成してもよい。
後者については、例えば、相互に異なる色相を有する色
材を含む画像形成層を有する熱転写シートを用意し、こ
れと、受像シートとを組み合わせた画像形成用積層体を
独立に四種(四色、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラ
ック)製造する。各々の積層体に、例えば、色分解フィ
ルタを介して、画像に基づくデジタル信号に従うレーザ
ー光照射を行い、それに続いて、熱転写シートと受像シ
ートとを剥離し、各受像シートに各色の色分解画像を独
立に形成する。次に、形成された各々の色分解画像を、
別に用意した印刷本紙等の実際の支持体、もしくはそれ
に近似した支持体上に順次積層させることにより、多色
の画像を形成することができる。
【0072】レーザー光照射を用いる熱転写シートは、
レーザービームを熱に変換しその熱エネルギーを利用し
て顔料を含む画像形成層を受像シートに薄膜転写方式に
より、受像シート上に画像を形成することが好ましいも
のであるが、それら熱転写シート及び受像シートからな
る画像形成材料の開発に用いた技術は、適宜、溶融型転
写方式、アブレーションによる転写方式、昇華型転写方
式等の熱転写シート及び/又は受像シートの開発に応用
し得るものであり、本発明のシステムはこれら方式に用
いる画像形成材料も包含し得る。
【0073】以下に、熱転写シート及び受像シートにつ
いて詳述する。 [熱転写シート]熱転写シートは、支持体上に、少なく
とも光熱変換層及び画像形成層を有し、更に必要に応じ
て、その他の層を有してなる。
【0074】(支持体)熱転写シートの支持体の材料に
は特に限定はなく、各種の支持体材料を目的に応じて用
いることができる。支持体は剛性を有し、寸法安定性が
良く、画像形成の際の熱に耐えるものが好ましい。支持
体材料の好ましい例としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリカー
ボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、ポリアミド(芳香族又は脂肪族)、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリスルホン等の合成樹脂材料を挙げ
ることができる。中でも、二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートが、機械的強度や熱に対する寸法安定性を考慮
すると好ましい。尚、レーザー記録を利用したカラープ
ルーフの作製に用いる場合には、熱転写シートの支持体
はレーザー光を透過させる透明な合成樹脂材料から形成
するのが好ましい。
【0075】支持体の厚みは25〜130μmであるこ
とが好ましく、50〜120μmであることが特に好ま
しい。画像形成層側の支持体の中心線平均表面粗さRa
(表面粗さ測定機(Surfcom,東京精機(株)
製)等を用いてJIS B0601に基づき測定)は
0.1μm未満であることが好ましい。支持体の長手方
向のヤング率は200〜1200kg/mm2(≒2〜
12GPa)が好ましく、幅方向のヤング率は250〜
1600kg/mm2(≒2.5〜16GPa)である
ことが好ましい。支持体の長手方向のF−5値は、好ま
しくは5〜50kg/mm2(≒49〜490MP
a)、支持体幅方向のF−5値は、好ましくは3〜30
kg/mm2(≒29.4〜294MPa)であり、支
持体長手方向のF−5値が支持体幅方向のF−5値より
高いのが一般的であるが、特に幅方向の強度を高くする
必要があるときはその限りではない。また、支持体の長
手方向及び幅方向の100℃30分での熱収縮率は好ま
しくは3%以下、更に好ましくは1.5%以下、80℃
30分での熱収縮率は好ましくは1%以下、更に好まし
くは0.5%以下である。破断強度は両方向とも5〜1
00kg/mm2(≒49〜980MPa)、弾性率は
100〜2000kg/mm2(≒0.98〜19.6
GPa)が好ましい。
【0076】熱転写シートの支持体には、その上に設け
られる光熱変換層との密着性を向上させるために、表面
活性化処理及び/又は一層又は二層以上の下塗層の付設
を行ってもよい。表面活性化処理の例としては、グロー
放電処理、コロナ放電処理等を挙げることができる。下
塗層の材料としては、支持体と光熱変換層の両表面に高
い接着性を示し、かつ熱伝導性が小さく、また耐熱性に
優れたものであることが好ましい。そのような下塗層の
材料の例としては、スチレン、スチレン−ブタジエン共
重合体、ゼラチン等を挙げることができる。下塗層全体
の厚さは通常0.01〜2μmである。また、熱転写シ
ートの光熱変換層付設側とは反対側の表面には、必要に
応じて、反射防止層や帯電防止層等の各種の機能層の付
設、あるいは表面処理を行うこともできる。
【0077】(バック層)本発明の熱転写シートの光熱
変換層付設側とは反対側の表面には、バック層を設ける
ことが好ましい。バック層は支持体に隣接する第1のバ
ック層とこの第1のバック層の支持体とは反対側に設け
られた第2のバック層との2層で構成されることが好ま
しい。本発明では、第1のバック層に含まれる帯電防止
剤の質量Aと第2のバック層に含まれる帯電防止剤の質
量Bとの比(B/A)は0.3未満である。B/Aが
0.3以上であると滑り性及びバック層の粉落ちが悪化
する傾向がある。
【0078】第1のバック層の層厚Cは0.01〜1μ
mであることが好ましく、0.01〜0.2μmである
ことが更に好ましい。また、第2のバック層の層厚Dは
0.01〜1μmであることが好ましく、0.01〜
0.2μmであることが更に好ましい。これら第1及び
第2のバック層の層厚の比C:Dは1:2〜5:1であ
ることが好ましい。
【0079】第1及び第2のバック層に使用される帯電
防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン、
グリセリン脂肪酸エステル等の非イオン系界面活性剤、
第4級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、アル
キルホスフェート等のアニオン系界面活性剤、両性界面
活性剤、導電性樹脂等の化合物が使用できる。
【0080】また、導電性微粒子を帯電防止剤として用
いることもできる。このような導電性微粒子としては、
例えば、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In2
3、MgO、BaO、CoO、CuO、Cu2O、Ca
O、SrO、BaO2、PbO、PbO2、MnO3、M
oO3、SiO2、ZrO2、Ag2O、Y23、Bi
23、Ti23 、Sb23 、Sb25 、K2Ti6
13、NaCaP218、MgB 25等の酸化物;Cu
S、ZnS等の硫化物;SiC、TiC、ZrC、V
C、NbC、MoC、WC等の炭化物;Si34、Ti
N、ZrN、VN、NbN、Cr2N等の窒化物;Ti
2、ZrB2、NbB2、TaB2、CrB、MoB、W
B、LaB5等の硼化物;TiSi2、ZrSi2、Nb
Si2、TaSi2、CrSi2、MoSi2、WSi2
の珪化物;BaCO3、CaCO3、SrCO3、BaS
4、CaSO4等の金属塩;SiN4−SiC、9Al2
3−2B23等の複合体が挙げられ、これら1種を単
独で又は2種以上を併用してもよい。これらのうち、S
nO2、ZnO、Al23、TiO2、In23、Mg
O、BaO及びMoO3が好ましく、SnO2、ZnO、
In23及びTiO2が更に好ましく、SnO2が特に好
ましい。
【0081】なお、本発明の熱転写材料をレーザー熱転
写記録方式に用いる場合、バック層に用いる帯電防止剤
はレーザー光を透過できるように実質的に透明であるこ
とが好ましい。
【0082】導電性金属酸化物を帯電防止剤として使用
する場合には、その粒子径は光散乱をできるだけ小さく
するために小さい程好ましいが、粒子とバインダーの屈
折率の比をパラメータとして使用して決定されるべきも
のであり、ミー(Mie)の理論を用いて求めることが
できる。一般に平均粒子径が0.001〜0.5μmの
範囲であり、0.003〜0.2μmの範囲が好まし
い。ここでいう、平均粒子径とは、導電性金属酸化物の
一次粒子径だけでなく高次構造の粒子径も含んだ値であ
る。
【0083】第1及び第2のバック層には帯電防止剤の
他に、界面活性剤、滑り剤及びマット剤等の各種添加剤
やバインダーを添加することができる。第1のバック層
に含まれる帯電防止剤の量はバインダー100質量部に
対して10〜1000質量部が好ましく、200〜80
0質量部が更に好ましい。また、第2のバック層に含ま
れる帯電防止剤の量はバインダー100質量部に対して
0〜300質量部が好ましく、0〜100質量部が更に
好ましい。
【0084】第1及び第2のバック層の形成に使用され
るバインダーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の
アクリル酸系モノマーの単独重合体及び共重合体、ニト
ロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、
セルロースアセテートのようなセルロース系ポリマー、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビ
ニル系共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルアルコールのようなビニル系ポリマー及びビニル化合
物の共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミ
ドのような縮合系ポリマー、ブタジエン−スチレン共重
合体のようなゴム系熱可塑性ポリマー、エポキシ化合物
のような光重合性若しくは熱重合性化合物を重合、架橋
させたポリマー、メラミン化合物等を挙げることができ
る。
【0085】(光熱変換層)光熱変換層は、光熱変換物
質、バインダー、及び必要に応じてマット剤を含有し、
更に必要に応じて、その他の成分を含有する。光熱変換
物質は、照射される光エネルギーを熱エネルギーに変換
する機能を有する物質である。一般的には、レーザー光
を吸収することのできる色素(顔料を含む。以下、同様
である。)である。赤外線レーザーにより画像記録を行
う場合は、光熱変換物質としては、赤外線吸収色素を用
いるのが好ましい。前記色素の例としては、カーボンブ
ラック等の黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニ
ン等の可視から近赤外域に吸収を有する大環状化合物の
顔料、光ディスク等の高密度レーザー記録のレーザー吸
収材料として使用される有機染料(インドレニン染料等
のシアニン染料、アントラキノン系染料、アズレン系色
素、フタロシアニン系染料)、及びジチオールニッケル
錯体等の有機金属化合物色素を挙げることができる。中
でも、シアニン系色素は、赤外線領域の光に対して、高
い吸光係数を示すので、光熱変換物質として使用する
と、光熱変換層を薄層化することができ、その結果、熱
転写シートの記録感度をより向上させることができるの
で好ましい。光熱変換物質としては、色素以外にも、黒
化銀等の粒子状の金属材料等、無機材料を用いることも
できる。
【0086】光熱変換層に含有されるバインダーとして
は、支持体上に層を形成し得る強度を少なくとも有し、
高い熱伝導率を有する樹脂が好ましい。更に、画像記録
の際に、光熱変換物質から生じる熱によっても分解しな
い、耐熱性を有する樹脂であると、高エネルギーの光照
射を行っても、光照射後の光熱変換層の表面の平滑性を
維持できるので好ましい。具体的には、熱分解温度(T
GA法(熱質量分析法)で10℃/分の昇温速度で、空
気気流中で5%質量減少する温度)が400℃以上の樹
脂が好ましく、前記熱分解温度が500℃以上の樹脂が
より好ましい。また、バインダーは、200〜400℃
のガラス転移温度を有するのが好ましく、250〜35
0℃のガラス転移温度を有するのがより好ましい。ガラ
ス転移温度が200℃より低いと、形成される画像にカ
ブリが発生する場合があり、400℃より高いと、樹脂
の溶解性が低下し、生産効率が低下する場合がある。
尚、光熱変換層のバインダーの耐熱性(例えば、熱変形
温度や熱分解温度)は、光熱変換層上に設けられる他の
層に使用される材料と比較して、より高いのが好まし
い。
【0087】具体的には、ポリメタクリル酸メチル等の
アクリル酸系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコー
ル等のビニル系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエス
テル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、アラミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、尿素/メ
ラミン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリイミ
ド樹脂が好ましい。
【0088】特に、下記一般式(I)〜(VII)で表
されるポリイミド樹脂は、有機溶媒に可溶であり、これ
らのポリイミド樹脂を使用すると、熱転写シートの生産
性が向上するので好ましい。また、光熱変換層用塗布液
の粘度安定性、長期保存性、耐湿性が向上する点でも好
ましい。
【0089】
【化1】
【0090】前記一般式(I)及び(II)中、Ar1
は、下記構造式(1)〜(3)で表される芳香族基を示
し、nは、10〜100の整数を示す。
【0091】
【化2】
【0092】
【化3】
【0093】前記一般式(III)及び(IV)中、A
2は、下記構造式(4)〜(7)で表される芳香族基
を示し、nは、10〜100の整数を示す。
【0094】
【化4】
【0095】
【化5】
【0096】前記一般式(V)〜(VII)中、n及び
mは10〜100の整数を示す。式(VI)において、
n:mの比は6:4〜9:1である。
【0097】尚、樹脂が有機溶媒に可溶であるか否かを
判断する目安としては、25℃において、樹脂がN−メ
チルピロリドン100質量部に対して、10質量部以上
溶解することを基準とし、10質量部以上溶解する場合
は、光熱変換層用の樹脂として好ましく用いられる。よ
り好ましくは、N−メチルピロリドン100質量部に対
して、100質量部以上溶解する樹脂である。
【0098】光熱変換層に含有されるマット剤として
は、無機微粒子や有機微粒子を挙げることができる。こ
の無機微粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化アル
ミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸バリウ
ム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、窒化ホウ素等の金属塩、カオリン、クレ
ー、タルク、亜鉛華、鉛白、ジークライト、石英、ケイ
ソウ土、バーライト、ベントナイト、雲母、合成雲母等
が挙げられる。有機微粒子としては、フッ素樹脂粒子、
グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、スチレン−ア
クリル共重合体樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、メラミ
ン樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げるこ
とができる。
【0099】マット剤の粒径は、通常、0.3〜30μ
mであり、好ましくは0.5〜20μmであり、添加量
は0.1〜100mg/m2が好ましい。
【0100】光熱変換層には、更に必要に応じて、界面
活性剤、増粘剤、帯電防止剤等が添加されてもよい。
【0101】光熱変換層は、光熱変換物質とバインダー
とを溶解し、これに必要に応じてマット剤及びその他の
成分を添加した塗布液を調製し、これを支持体上に塗布
し、乾燥することにより設けることができる。ポリイミ
ド樹脂を溶解するための有機溶媒としては、例えば、n
−ヘキサン、シクロヘキサン、ジグライム、キシレン、
トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メチルエ
チルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、1,4−ジ
オキサン、1,3−ジオキサン、ジメチルアセテート、
N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホオキサイ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、γ
−ブチロラクトン、エタノール、メタノール等が挙げら
れる。塗布、乾燥は、通常の塗布、乾燥方法を利用して
行うことができる。乾燥は、通常、300℃以下の温度
で行い、200℃以下の温度で行うのが好ましい。支持
体として、ポリエチレンテレフタレートを使用する場合
は、80〜150℃の温度で乾燥するのが好ましい。
【0102】光熱変換層におけるバインダーの量が少な
すぎると、光熱変換層の凝集力が低下し、形成画像が受
像シートに転写される際に、光熱変換層が一緒に転写さ
れやすくなり、画像の混色の原因となる。またポリイミ
ド樹脂が多すぎると、一定の光吸収率を達成するために
光熱変換層の層厚が大きくなって、感度低下を招きやす
い。光熱変換層における光熱変換物質とバインダーとの
固形分質量比は、1:20〜2:1であるのが好まし
く、特に、1:10〜2:1であるのがより好ましい。
また、光熱変換層を薄層化すると、前記した様に、熱転
写シートを高感度化できるので好ましい。光熱変換層
は、0.03〜1.0μmであるのが好ましく、0.0
5〜0.5μmであるのがより好ましい。また、光熱変
換層は、波長808nmの光に対して、0.80〜1.
26の光学濃度を有していると、画像形成層の転写感度
が向上するので好ましく、前記波長の光に対して0.9
2〜1.15の光学濃度を有しているとより好ましい。
レーザーピーク波長における光学濃度が0.80未満で
あると、照射された光を熱に変換することが不充分とな
り、転写感度が低下することがある。一方、1.26を
超えると、記録時に光熱変換層の機能に影響を与え、か
ぶりが発生することがある。
【0103】(画像形成層)画像形成層は、受像シート
に転写されて画像を形成するための顔料を少なくとも含
有し、更に、層を形成するためのバインダー、及び所望
により、その他の成分を含有する。顔料は一般に有機顔
料と無機顔料とに大別され、前者は特に塗膜の透明性に
優れ、後者は一般に隠蔽性に優れる等の特性を有してい
るので、用途に応じて、適宜選択すればよい。前記熱転
写シートを印刷色校正用に用いる場合には、印刷インキ
に一般に使用されるイエロー、マゼンタ、シアン、及び
ブラックと一致するか、あるいは色調が近い有機顔料が
好適に使用される。またその他にも、金属粉、蛍光顔料
等も用いる場合がある。好適に使用される顔料の例とし
ては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキ
ノン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔
料、イソインドリノン系顔料、ニトロ系顔料を挙げるこ
とができる。画像形成層に用いられる顔料を、色相別に
分けて、以下に列挙するが、これらに限定されるもので
はない。
【0104】1)イエロー顔料 Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
12(C.I.No.21090) 例)Permanent Yellow(パーマネント
イエロー) DHG(クラリアントジャパン(株)
製)、Lionol Yellow(リオノールイエロ
ー) 1212B(東洋インキ製造(株)製)、Irg
alite Yellow(イルガライトイエロー)
LCT(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)
製)、Symuler Fast Yellow(シム
ラーファーストイエロー) GTF 219(大日本イ
ンキ化学工業(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
13(C.I.No.21100) 例)Permanent Yellow(パーマネント
イエロー) GR(クラリアントジャパン(株)製)、
Lionol Yellow(リオノールイエロー)
1313(東洋インキ製造(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
14(C.I.No.21095) 例)Permanent Yellow(パーマネント
イエロー) G(クラリアントジャパン(株)製)、L
ionol Yellow(リオノールイエロー) 1
401−G(東洋インキ製造(株)製)、Seika
Fast Yellow(セイカファーストイエロー)
2270(大日精化工業(株)製)、Symuler
Fast Yellow(シムラーファーストイエロ
ー) 4400(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
17(C.I.No.21105) 例)Permanent Yellow(パーマネント
イエロー) GG02(クラリアントジャパン(株)
製)、Symuler Fast Yellow(シム
ラーファーストイエロー) 8GF(大日本インキ化学
工業(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
155 例)Graphtol Yellow(グラフトールイ
エロー) 3GP(クラリアントジャパン(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
180(C.I.No.21290) 例)Novoperm Yellow(ノボパームイエ
ロー) P−HG(クラリアントジャパン(株)製)、
PV Fast Yellow(ファーストイエロー)
HG(クラリアントジャパン(株)製) Pigment Yellow(ピグメントイエロー)
139(C.I.No.56298) 例)Novoperm Yellow(ノボパームイエ
ロー) M2R 70(クラリアントジャパン(株)
製)
【0105】2)マゼンタ顔料 Pigment Red(ピグメントレッド) 57:
1(C.I.No.15850:1) 例)Graphtol Rubine(グラフトールル
ビン) L6B(クラリアントジャパン(株)製)、L
ionol Red(リオノールレッド) 6B−42
90G(東洋インキ製造(株)製)、Irgalite
Rubine(イルガライトルビン) 4BL(チバ
・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、Symu
ler Brilliant Carmine(シムラ
ーブリリアントカーミン) 6B−229(大日本イン
キ化学工業(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 122
(C.I.No.73915) 例)Hosterperm Pink(ホスターパーム
ピンク) E(クラリアントジャパン(株)製)、Li
onogen Magenta(リオノゲンマゼンタ)
5790(東洋インキ製造(株)製)、Fastog
en Super Magenta(ファストゲンスー
パーマゼンタ) RH(大日本インキ化学工業(株)
製) Pigment Red(ピグメントレッド) 53:
1(C.I.No.15585:1) 例)Permanent Lake Red(パーマネ
ントレイクレッド)LCY(クラリアントジャパン
(株)製)、Symuler Lake Red(シム
ラーレイクレッド) C conc(大日本インキ化学
工業(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 48:
1(C.I.No.15865:1) 例)Lionol Red(リオノールレッド) 2B
3300(東洋インキ製造(株)製)、Symule
r Red(シムラーレッド) NRY(大日本インキ
化学工業(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 48:
2(C.I.No.15865:2) 例)Permanent Red(パーマネントレッ
ド) W2T(クラリアントジャパン(株)製)、Li
onol Red(リオノールレッド) LX235
(東洋インキ製造(株)製)、Symuler Red
(シムラーレッド)3012(大日本インキ化学工業
(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 48:
3(C.I.No.15865:3) 例)Permanent Red(パーマネントレッ
ド) 3RL(クラリアントジャパン(株)製)、Sy
muler Red(シムラーレッド) 2BS(大日
本インキ化学工業(株)製) Pigment Red(ピグメントレッド) 177
(C.I.No.65300) 例)Cromophtal Red(クロモフタルレッ
ド) A2B(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ
(株)製)
【0106】3)シアン顔料 Pigment Blue(ピグメントブルー) 15
(C.I.No.74160) 例)Lionol Blue(リオノールブルー) 7
027(東洋インキ製造(株)製)、Fastogen
Blue(ファストゲンブルー) BB(大日本イン
キ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:1(C.I.No.74160) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) A2R(クラリアントジャパン(株)製)、
Fastogen Blue(ファストゲンブルー)
5050(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:2(C.I.No.74160) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) AFL(クラリアントジャパン(株)製)、
Irgalite Blue(イルガライトブルー)
BSP(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)
製)、Fastogen Blue(ファストゲンブル
ー) GP(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:3(C.I.No.74160) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) B2G(クラリアントジャパン(株)製)、
Lionol Blue(リオノールブルー)FG73
30(東洋インキ製造(株)製)、Cromophta
l Blue(クロモフタルブルー) 4GNP(チバ
・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、Fast
ogen Blue(ファストゲンブルー) FGF
(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:4(C.I.No.74160) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) BFL(クラリアントジャパン(株)製)、
Cyanine Blue(シアニンブルー)700−
10FG(東洋インキ製造(株)製)、Irgalit
e Blue(イルガライトブルー) GLNF(チバ
・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)、Fast
ogen Blue(ファストゲンブルー) FGS
(大日本インキ化学工業(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 1
5:6(C.I.No.74160) 例)Lionol Blue(リオノールブルー) E
S(東洋インキ製造(株)製) Pigment Blue(ピグメントブルー) 60
(C.I.No.69800) 例)Hosterperm Blue(ホスターパーム
ブルー) RL01(クラリアントジャパン(株)
製)、Lionogen Blue(リオノゲンブル
ー) 6501(東洋インキ製造(株)製)
【0107】4)ブラック顔料 Pigment Black(ピグメントブラック)
7(カーボンブラックC.I.No.77266) 例)三菱カーボンブラック MA100(三菱化学
(株)製)、三菱カーボンブラック #5(三菱化学
(株)製)、Black Pearls(ブラックパー
ルズ) 430(Cabot Co.(キャボット社)
製) また、本発明で用いることのできる顔料としては、「顔
料便覧、日本顔料技術協会編、誠文堂新光社、198
9」、「COLOUR INDEX、THE SOCI
ETY OF DYES & COLOURIST、T
HIRD EDITION、1987」などを参照して
適宜商品を選択できる。
【0108】前記顔料の平均粒径としては、0.03〜
1μmが好ましく、0.05〜0.5μmがより好まし
い。前記粒径が0.03μm以上であると、分散コスト
が上がったり、分散液がゲル化等を起こすこともなく、
一方、1μm以下にすると、顔料中に粗大粒子が存在し
ないので、画像形成層と受像層との密着性が良好であ
り、また、画像形成層の透明性を改良することもでき
る。
【0109】画像形成層のバインダーとしては、軟化点
が40〜150℃の非晶質有機高分子重合体が好まし
い。前記非晶質有機高分子重合体としては、例えば、ブ
チラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹
脂、スルホンアミド樹脂、ポリエステルポリオール樹
脂、石油樹脂、スチレン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレン、2−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニ
ル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノ
スチレン等のスチレン及びその誘導体、置換体の単独重
合体や共重合体、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメ
タクリレート等のメタクリル酸エステル類及びメタクリ
ル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、α−エチルヘキシルアクリレート等の
アクリル酸エステル及びアクリル酸、ブタジエン、イソ
プレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテ
ル類、マレイン酸及びマレイン酸エステル類、無水マレ
イン酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル
系単量体の単独あるいは他の単量体等との共重合体を用
いることができる。これらの樹脂は2種以上混合して用
いることもできる。
【0110】画像形成層は、顔料を30〜70質量%含
有しているのが好ましく、30〜50質量%含有してい
るのがより好ましい。また、画像形成層は、樹脂を70
〜30質量%含有しているのが好ましく、70〜40質
量%含有しているのがより好ましい。
【0111】前記画像形成層は、以下の〜の成分を
前記その他の成分として含有することができる。 ワックス類 ワックス類としては、鉱物系のワックス類、天然ワック
ス類、合成ワックス類等が挙げられる。前記鉱物系のワ
ックスの例としては、パラフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックス、エステルワックス、酸化ワックス
等の石油ロウ、モンタンロウ、オゾケライト、セレシン
等が挙げられる。なかでも、パラフィンワックスが好ま
しい。該パラフィンワックスは、石油から分離されるも
のであり、その融点によって各種のものが市販されてい
る。前記天然ワックスの例としては、カルナバロウ、木
ロウ、オウリキュリーロウ、エスパルロウ等の植物ロ
ウ、密ロウ、昆虫ロウ、セラックロウ、鯨ロウ等の動物
ロウが挙げられる。
【0112】前記合成ワックスは、一般に滑剤として用
いられ、通常は高級脂肪酸系の化合物からなる。このよ
うな合成ワックスの例としては、下記のものが挙げられ
る。 1)脂肪酸系ワックス 下記一般式で表される直鎖の飽和脂肪酸: CH3(CH2nCOOH 前記式中、nは6〜28の整数を示す。具体例として
は、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミチン酸、12−ヒ
ドロキシステアリン酸、アゼライン酸等が挙げられる。
また、上記脂肪酸等の金属塩(例えば、K、Ca、Z
n、Mgなど)が挙げられる。 2)脂肪酸エステル系ワックス 前記脂肪酸のエステルの具体例としては、ステアリン酸
エチル、ステアリン酸ラウリル、ベヘン酸エチル、ベヘ
ン酸ヘキシル、ミリスチン酸ベヘニル等が挙げられる。 3)脂肪酸アミド系ワックス 前記脂肪酸のアミドの具体例としては、ステアリン酸ア
ミド、ラウリン酸アミド等が挙げられる。 4)脂肪族アルコール系ワックス 下記一般式で表される直鎖飽和脂肪族アルコール: CH3(CH2nOH 前記式中、nは6〜28の整数を表す。具体例として
は、ステアリルアルコール等が挙げられる。
【0113】前記1)〜4)の合成ワックスのなかで
も、特にステアリン酸アミド、ラウリン酸アミド等の高
級脂肪酸アミドが好適である。尚、前記ワックス系化合
物は、所望により単独もしくは適宜組み合わせて使用す
ることができる。
【0114】可塑剤 前記可塑剤としては、エステル化合物が好ましく、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ
(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジノニル、フタル酸
ジラウリル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸ブチル
ベンジル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジ(2−
エチルヘキシル)、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)等の脂肪族二塩基酸エステル、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリ(2−エチルヘキシル)等のリン酸トリ
エステル類、ポリエチレングリコールエステル等のポリ
オールポリエステル類、エポキシ脂肪酸エステル等のエ
ポキシ化合物等、公知の可塑剤が挙げられる。これらの
中でもビニルモノマーのエステル、特に、アクリル酸又
はメタクリル酸のエステルが、添加による転写感度の向
上や転写ムラの改良効果、及び破断伸びの調節効果が大
きい点で好ましい。
【0115】前記アクリル酸又はメタクリル酸のエステ
ル化合物としては、ポリエチレングリコールジメタクリ
レート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールアクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、ジペンタエリスリトール−ポリアク
リレート等が挙げられる。
【0116】また、前記可塑剤は高分子であってもよ
く、なかでもポリエステルは、添加効果が大きい点、及
び保存条件下で拡散し難い点等で好ましい。該ポリエス
テルとしては、例えば、セバシン酸系ポリエステル、ア
ジピン酸系ポリエステル等が挙げられる。尚、画像形成
層中に含有させる前記添加剤は、これらに限定されるも
のではない。また、可塑剤は、1種単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0117】画像形成層中の前記添加剤の含有量が多す
ぎると、転写画像の解像度が低下したり、画像形成層自
身の膜強度が低下したり、光熱変換層と画像形成層との
密着力の低下による未露光部の受像シートへの転写が起
きる場合がある。上記観点から、前記ワックス類の含有
量としては、画像形成層中の全固形分の0.1〜30質
量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。ま
た、前記可塑剤の含有量としては、画像形成層中の全固
形分の0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質
量%がより好ましい。
【0118】その他 画像形成層は、更に、上記の成分の他に、界面活性剤、
無機あるいは有機微粒子(金属粉、シリカゲル等)、オ
イル類(アマニ油、鉱油等)、増粘剤、帯電防止剤等を
含有してもよい。黒色の画像を得る場合を除き、画像記
録に用いる光源の波長を吸収する物質を含有すること
で、転写に必要なエネルギーを少なくできる。光源の波
長を吸収する物質としては、顔料、染料のいずれでも構
わないが、カラー画像を得る場合には、画像記録に半導
体レーザー等の赤外線の光源を使用して、可視部に吸収
の少ない、光源の波長の吸収の大きな染料を使用するこ
とが、色再現上好ましい。近赤外線染料の例としては、
特開平3−103476号公報に記載の化合物を挙げる
ことができる。
【0119】画像形成層は、顔料と前記バインダー等と
を溶解又は分散した塗布液を調製し、これを光熱変換層
上に塗布し、乾燥することにより設けることができる。
塗布液の調製に使用される溶媒としては、n−プロピル
アルコール、メチルエチルケトン、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル(MFG)、メタノール、水等が
挙げられる。塗布、乾燥は、通常の塗布、乾燥方法を利
用して行うことができる。
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】、前記熱転写シートには、独立した感熱
剥離層を設ける代わりに、感熱材料を光熱変換層塗布液
に添加して光熱変換層を形成し、光熱変換層と感熱剥離
層とを兼ねるような構成とすることもできる。感熱材料
としては、それ自身が熱により分解若しくは変質して気
体を発生する化合物(ポリマー又は低分子化合物)、水
分等の易気化性気体を相当量吸収若しくは吸着している
化合物(ポリマー又は低分子化合物)等を用いることが
できる。これらは併用してもよい。 熱により分解若しく
は変質して気体を発生するポリマーの例としては、ニト
ロセルロースのような自己酸化性ポリマー、塩素化ポリ
オレフィン、塩素化ゴム、ポリ塩化ゴム、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデンのようなハロゲン含有ポリマ
ー、水分等の揮発性化合物が吸着されているポリイソブ
チルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、水分等の
揮発性化合物が吸着されているエチルセルロース等のセ
ルロースエステル、水分等の揮発性化合物が吸着されて
いるゼラチン等の天然高分子化合物等を挙げることがで
きる。熱により分解若しくは変質して気体を発生する低
分子化合物の例としては、ジアゾ化合物やアジド化のよ
うな発熱分解して気体を発生する化合物を挙げることが
できる。 尚、上記のような、熱による感熱材料の分解や
変質等は280℃以下で発生することが好ましく、特に
230℃以下で発生することが好ましい。 感熱材料とし
て低分子化合物を用いる場合には、バインダーと組み合
わせることが望ましい。バインダーとしては、上記のそ
れ自身が熱により分解若しくは変質して気体を発生する
ポリマーを用いることもできるが、そのような性質を持
たない通常のバインダーを使用することもできる。感熱
性の低分子化合物とバインダーとを併用する場合には、
前者と後者の質量比は0.02:1〜3:1であること
が好ましく、0.05:1〜2:1であることが更に好
ましい。
【0124】熱転写シートの画像形成層が塗設されてい
る側の最表層の静摩擦係数を0.35以下、好ましくは
0.20以下にすることは好ましい。最表層の静摩擦係
数を0.35以下とすることで熱転写シートを搬送する
際のロール汚れをなくし、形成される画像を高画質化し
得る。静摩擦係数の測定法は特願2000−85759
の段落(0011)に記載の方法に従う。画像形成層表
面のスムースター値が23℃、55%RHで0.5〜5
0mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ま
しく、更に好ましくは2.2〜50mmHg(≒0.2
93〜6.65kPa)かつRaが0.05〜0.4μ
mであることが好ましく、このことにより接触面に受像
層と画像形成層とが接触し得ない多数のミクロな空隙を
少なく出来、転写、更には画質の点で好ましい。前記R
a値は、表面粗さ測定機(Surfcom,東京精機
(株)製)等を用いてJIS B0601に基づき測定
することができる。画像形成層の表面硬さがサファイヤ
針で10g以上であることが好ましい。米国連邦政府試
験基準4046により熱転写シートに帯電させた後、熱
転写シートを接地後1秒後の画像形成層の帯電電位が−
100〜100Vであることが好ましい。画像形成層の
表面抵抗が23℃、55%RHで109Ω以下であるこ
とが好ましい。
【0125】次に前記熱転写シートと組み合わされて使
用され得る受像シートについて説明する。 [受像シート] (層構成)受像シートは、通常、支持体と、その上に、
1以上の受像層が設けられ、所望により、支持体と受像
層との間にクッション層、剥離層、及び中間層のいずれ
か1層又は2層以上を設けた構成である。また、支持体
の受像層とは反対側の面に、バック層を有すると、搬送
性の点で好ましい。
【0126】(支持体)支持体としては、プラスチック
シート、金属シート、ガラスシート、樹脂コート紙、
紙、及び各種複合体等のような通常のシート状の基材が
挙げられる。プラスチックシートの例としては、ポリエ
チレンテレフタレートシート、ポリカーボネートシー
ト、ポリエチレンシート、ポリ塩化ビニルシート、ポリ
塩化ビニリデンシート、ポリスチレンシート、スチレン
−アクリロニトリルシート、ポリエステルシート等を挙
げることができる。また、紙としては印刷本紙、コート
紙等を用いることができる。
【0127】支持体が、微小な空隙(ボイド)を有する
と、画質を向上させることができるので好ましい。この
ような支持体は、例えば、熱可塑性樹脂と、無機顔料や
前記熱可塑性樹脂と非相溶性の高分子等からなる填料と
を混合した混合溶融物を、溶融押出機によって単層又は
多層のフイルムとし、更に1ないし2軸に延伸すること
により作製することができる。この場合、樹脂及び填料
の選定、混合比率、延伸条件等によって空隙率が決定さ
れる。
【0128】前記熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン樹脂、及びポリエチレンテレフタ
レート樹脂が、結晶性が良く、延伸性が良く、ボイドの
形成も容易であるので好ましい。前記ポリオレフィン樹
脂、又はポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分と
し、それに適宜少量の他の熱可塑性樹脂を併用すること
が好ましい。前記填料として用いられる無機顔料として
は、平均粒径が1〜20μmのものが好ましく、炭酸カ
ルシウム、クレー、けいそう土、酸化チタン、水酸化ア
ルミニウム、シリカ等を用いることができる。また、填
料として用いられる非相溶性の樹脂としては、熱可塑性
樹脂としてポリプロピレンを用いる場合は、ポリエチレ
ンテレフタレートを填料として組み合わせるのが好まし
い。微小な空隙(ボイド)を有する支持体の詳細は特開
2001−105752号公報に記載されている。尚、
支持体における、無機顔料等の填料の含有率は、体積で
2〜30%程度が一般的である。
【0129】受像シートの支持体の厚さは、通常10〜
400μmであり、25〜200μmであるのが好まし
い。また、支持体の表面は、受像層(あるいはクッショ
ン層)との密着性、又は熱転写シートの画像形成層との
密着性を高めるために、コロナ放電処理、グロー放電処
理等の表面処理が施されていてもよい。
【0130】(受像層)受像シートの表面には、画像形
成層を転写し、これを固定するために、支持体上に、受
像層を1以上設けることが好ましい。受像層は有機重合
体バインダーを主体として形成される層であるのが好ま
しい。前記バインダーは、熱可塑性樹脂であることが好
ましく、その例としては、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のアクリ
ル系モノマーの単独重合体及びその共重合体、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートの
ようなセルロース系ポリマー、ポリスチレン、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアル
コール、ポリ塩化ビニル等のようなビニル系モノマーの
単独重合体及びその共重合体、ポリエステル、ポリアミ
ド等のような縮合系ポリマー、ブタジエン−スチレン共
重合体のようなゴム系ポリマーを挙げることができる。
受像層のバインダーは、画像形成層との間の適度な接着
力を得るために、ガラス転移温度(Tg)が90℃より
低いポリマーであることが好ましい。このために、受像
層に可塑剤を添加することも可能である。また、バイン
ダーポリマーは、シート間のブロッキングを防ぐため
に、そのTgが30℃以上であることが好ましい。受像
層のバインダーポリマーとしては、レーザー記録時の画
像形成層との密着性を向上させ、感度や画像強度を向上
させる点で、画像形成層のバインダーポリマーと同一、
若しくは類似のポリマーを用いることが特に好ましい。
【0131】受像層表面のスムースター値が23℃、5
5%RHで0.5〜50mmHg(≒0.0665〜
6.65kPa)が好ましく、かつRaが0.05〜
0.4μmであることが好ましく、このことにより接触
面に受像層と画像形成層とが接触し得ない多数のミクロ
な空隙を少なく出来、転写、更には画質の点で好まし
い。前記Ra値は、表面粗さ測定機(Surfcom,
東京精機(株)製)等を用いてJIS B0601に基
づき測定することができる。米国連邦政府試験基準40
46により受像シートに帯電させた後、受像シートを接
地後1秒後の受像層の帯電電位が−100〜100Vで
あることが好ましい。受像層の表面抵抗が23℃、55
%RHで109Ω以下であることが好ましい。受像層表
面の静止摩擦係数が0.2以下であることが好ましい。
受像層表面の表面エネルギーが23〜35mg/m2
あることが好ましい。
【0132】受像層上に一旦画像を形成した後、印刷本
紙等へ再転写する場合には、受像層の少なくとも一層を
光硬化性材料から形成することも好ましい。このような
光硬化性材料の組成としては、例えば、a)付加重合に
よって光重合体を形成しうる多官能ビニル又はビニリデ
ン化合物の少なくとも一種からなる光重合性モノマー、
b)有機ポリマー、c)光重合開始剤、及び必要に応じ
て熱重合禁止剤等の添加剤からなる組み合わせを挙げる
ことができる。上記の多官能ビニルモノマーとしては、
ポリオールの不飽和エステル、特にアクリル酸もしくは
メタクリル酸のエステル(例えば、エチレングリコール
ジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート)が用いられる。
【0133】前記有機ポリマーとしては前記受像層形成
用ポリマーが挙げられる。また、光重合開始剤として
は、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン等の通常の光ラ
ジカル重合開始剤が、層中の0.1〜20質量%の割合
で用いられる。
【0134】受像層の厚みは0.3〜7μm、好ましく
は0.7〜4μmである。0.3μm以上の場合、印刷
本紙への再転写の際に膜強度が確保できる。4μm以下
にすることで、本紙再転写後の画像の光沢が抑えられ、
印刷物への近似性が改良される。
【0135】(その他の層)支持体と受像層との間に、
クッション層を設けてもよい。クッション層を設ける
と、レーザー熱転写時に画像形成層と、受像層の密着性
を向上させ、画質を向上させることができる。また、記
録時、熱転写シートと受像シートの間に異物が混入して
も、クッション層の変形作用により、受像層と画像形成
層の空隙が小さくなり、結果として白ヌケ等の画像欠陥
サイズを小さくすることもできる。更に、画像を転写形
成した後、これを別に用意した印刷本紙等に転写する場
合、紙凹凸表面に応じて受像表面が変形するため、受像
層の転写性を向上することができ、また被転写物の光沢
を低下させることによって、印刷物との近似性も向上さ
せることができる。
【0136】クッション層は、受像層に応力が加えられ
た際に変形し易い構成であり、前記効果を達成するに
は、低弾性率を有する材料、ゴム弾性を有する材料ある
いは加熱により容易に軟化する熱可塑性樹脂からなるの
が好ましい。クッション層の弾性率としては、室温で好
ましくは0.5MPa〜1.0GPa、特に好ましくは
1MPa〜0.5GPa、より好ましくは10〜100
MPaである。また、ゴミ等の異物をめり込ませるため
には、JIS K2530で定められた針入度(25
℃、100g、5秒)が10以上であることが好まし
い。また、クッション層のガラス転移温度は80℃以
下、好ましくは25℃以下、軟化点は50〜200℃が
好ましい。これらの物性、例えば、Tgを調節するため
に可塑剤をバインダー中に添加することも好適に行うこ
とができる。
【0137】クッション層のバインダーとして用いられ
る具体的な材料としては、ウレタンゴム、ブタジエンゴ
ム、ニトリルゴム、アクリルゴム、天然ゴム等のゴム類
の他に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、可塑剤
入り塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂
等が挙げられる。尚、クッション層の厚みは使用する樹
脂その他の条件により異なるが、通常3〜100μm、
好ましくは10〜52μmである。
【0138】受像層とクッション層はレーザー記録の段
階までは接着している必要があるが、画像を印刷本紙に
転写するために、剥離可能に設けられていることが好ま
しい。剥離を容易にするためには、クッション層と受像
層の間に剥離層を厚み0.1〜2μm程度で設けること
も好ましい。層厚が大きすぎるとクッション層の性能が
現われ難くなるため、剥離層の種類により調整すること
が必要である。剥離層のバインダーとしては、具体的に
ポリオレフィン、ポリエステル、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルホルマール、ポリパラバン酸、ポリメタ
クリル酸メチル、ポリカーボネート、エチルセルロー
ス、ニトロセルロース、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポ
リビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ウレタン樹脂、
フッ素系樹脂、ポリスチレン,アクリロニトリルスチレ
ン等のスチレン類及びこれら樹脂を架橋したもの、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、アラミド等のTgが65℃
以上の熱硬化性樹脂及びそれら樹脂の硬化物が挙げられ
る。硬化剤としてはイソシアナート、メラミン等の一般
的硬化剤を使用することができる。
【0139】上記物性に合わせて剥離層のバインダーを
選ぶとポリカーボネート、アセタール、エチルセルロー
スが保存性の点で好ましく、更に受像層にアクリル系樹
脂を用いるとレーザー熱転写後の画像を再転写する際に
剥離性良好となり特に好ましい。また、別に、冷却時に
受像層との接着性が極めて低くなる層を剥離層として利
用することができる。具体的には、ワックス類、バイン
ダー等の熱溶融性化合物や熱可塑性樹脂を主成分とする
層とすることができる。熱溶融性化合物としては、特開
昭63−193886号に記載の物質等がある。特にマ
イクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カ
ルナバワックスなどが好ましく用いられる。熱可塑性樹
脂としては、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等のエチレン
系共重合体、セルロース系樹脂等が好ましく用いられ
る。
【0140】このような剥離層には添加剤として、高級
脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、アミド
類、高級アミン等を必要に応じて加えることができる。
剥離層の別の構成は、加熱時に溶融又は軟化することに
よって、それ自体が凝集破壊することで剥離性を持つ層
である。このような剥離層には過冷却物質を含有させる
ことが好ましい。過冷却物質としては、ポリ−ε−カプ
ロラクトン、ポリオキシエチレン、ベンゾトリアゾー
ル、トリベンジルアミン、バニリン等が挙げられる。更
に、別の構成の剥離性層では、受像層との接着性を低下
させるような化合物を含ませる。このような化合物とし
ては、シリコーンオイルなどのシリコーン系樹脂;テフ
ロン(登録商標)、弗素含有アクリル樹脂等の弗素系樹
脂;ポリシロキサン樹脂;ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルホルマール等のアセター
ル系樹脂;ポリエチレンワックス、アミドワックス等の
固形ワックス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活性剤
等を挙げることができる。剥離層の形成方法としては、
前記素材を溶媒に溶解又はラテックス状に分散したもの
をブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、
カーテンコーター、グラビアコーター、等の塗布法、ホ
ットメルトによる押出しラミネーション法などが適用で
き、クッション層上に塗布し形成することができる。又
は、仮ベース上に前記素材を溶媒に溶解又はラテックス
状に分散したものを、上記の方法で塗布したものとクッ
ション層とを貼り合わせた後に仮ベースを剥離して形成
する方法がある。
【0141】前記熱転写シートと組み合わされる受像シ
ートは、受像層がクッション層を兼ねた構成であっても
よく、その場合は、受像シートは、支持体/クッション
性受像層、あるいは支持体/下塗り層/クッション性受
像層の構成であってもよい。この場合も、印刷本紙への
再転写が可能なようにクッション性受像層が剥離可能に
設けられていることが好ましい。この場合、印刷本紙へ
再転写後の画像は光沢に優れた画像となる。尚、クッシ
ョン性受像層の厚みは5〜100μm、好ましくは10
〜40μmである。
【0142】また、受像シートには、支持体の受像層が
設けられている面とは反対側の面に、バック層を設ける
と、受像シートの搬送性が良化するので好ましい。前記
バック層には、界面活性剤や酸化錫微粒子等による帯電
防止剤、酸化珪素、PMMA粒子等によるマット剤を添
加すると、記録装置内での搬送性を良化させる点で好ま
しい。前記添加剤はバック層のみならず、必要によって
受像層その他の層に添加することもできる。添加剤の種
類についてはその目的により一概には規定できないが、
例えば、マット剤の場合、平均粒径0.5〜10μmの
粒子を層中、0.5〜80%程度添加することができ
る。帯電防止剤としては、層の表面抵抗が23℃、50
%RHの条件で1012Ω以下、より好ましくは109Ω
以下となるように、各種界面活性剤、導電剤の中から適
宜選択して用いることができる。
【0143】バック層に用いられるバインダーとして
は、ゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス、ニトロセルロース、アセチルセルロース、芳香族ポ
リアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アルキ
ド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、弗素樹脂、ポ
リイミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン
変性シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、テフロン樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセテ
ート、ポリカーボネート、有機硼素化合物、芳香族エス
テル類、弗化ポリウレタン、ポリエーテルスルホンなど
汎用ポリマーを使用することができる。バック層のバイ
ンダーとして架橋可能な水溶性バインダーを用い、架橋
させることは、マット剤の粉落ち防止やバック層の耐傷
性の向上に効果がある。また、保存時のブロッキングに
も効果が大きい。この架橋手段は、用いる架橋剤の特性
に応じて、熱、活性光線、圧力の何れか一つ又は組み合
わせなどを特に限定なく採ることができる。場合によっ
ては、支持体への接着性を付与するため、支持体のバッ
ク層を設ける側に任意の接着層を設けてもよい。
【0144】バック層に好ましく添加されるマット剤と
しては、有機又は無機の微粒子が使用できる。有機系マ
ット剤としては、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
その他のラジカル重合系ポリマーの微粒子、ポリエステ
ル、ポリカーボネートなど縮合ポリマーの微粒子などが
挙げられる。バック層は0.5〜5g/m2程度の付量
で設けられることが好ましい。0.5g/m2未満では
塗布性が不安定で、マット剤の粉落ち等の問題が生じ易
い。また、5g/m2を大きく超えて塗布されると好適
なマット剤の粒径が非常に大きくなり、保存時にバック
層による受像層面のエンボス化が生じ、特に薄膜の画像
形成層を転写する熱転写では記録画像の抜けやムラが生
じ易くなる。マット剤は、その数平均粒径が、バック層
のバインダーのみの層厚よりも2.5〜20μm大きい
ものが好ましい。マット剤の中でも、8μm以上の粒径
の粒子が5mg/m2以上が必要で、好ましくは6〜6
00mg/m2である。これによって特に異物故障が改
善される。また、粒径分布の標準偏差を数平均粒径で割
った値σ/rn(=粒径分布の変動係数)が0.3以下
となるような、粒径分布の狭いものを用いることで、異
常に大きい粒径を有する粒子により発生する欠陥を改善
できる上、より少ない添加量で所望の性能が得られる。
この変動係数は0.15以下であることが更に好まし
い。
【0145】バック層には、搬送ロールとの摩擦帯電に
よる異物の付着を防止するため、帯電防止剤を添加する
ことが好ましい。帯電防止剤としては、カチオン系界面
活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性
剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子の他、「1129
0の化学商品」化学工業日報社、875〜876頁等に
記載の化合物などが広く用いられる。バック層に併用で
きる帯電防止剤としては、上記の物質の中でも、カーボ
ンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫などの金属
酸化物、有機半導体などの導電性微粒子が好ましく用い
られる。特に、導電性微粒子を用いることは、帯電防止
剤のバック層からの解離がなく、環境によらず安定した
帯電防止効果が得られるために好ましい。また、バック
層には、塗布性や離型性を付与するために、各種活性
剤、シリコーンオイル、弗素系樹脂等の離型剤などを添
加することも可能である。バック層は、クッション層及
び受像層のTMA(Thermomechanical
Analysis)により測定した軟化点が70℃以
下である場合に特に好ましい。
【0146】TMA軟化点は、測定対象物を一定の昇温
速度で、一定の荷重を掛けながら昇温し、対象物の位相
を観測することにより求める。本発明においては、測定
対象物の位相が変化し始める温度を以てTMA軟化点と
定義する。TMAによる軟化点の測定は、理学電気社製
Thermoflexなどの装置を用いて行うことがで
きる。
【0147】前記熱転写シートと前記受像シートは、熱
転写シートの画像形成層と受像シートの受像層とを重ね
合わせた積層体として、画像形成に利用され得る。熱転
写シートと受像シートとの積層体は、各種の方法によっ
て形成することができる。例えば、熱転写シートの画像
形成層と受像シートの受像層とを重ねて、加圧加熱ロー
ラーに通すことによって容易に得ることができる。この
場合の加熱温度は160℃以下、もしくは130℃以下
が好ましい。
【0148】積層体を得る別の方法として、前述した真
空密着法も好適に用いられる。真空密着法は、真空引き
用のサクション孔が設けられたドラムの上に、先ず受像
シートを巻き付け、次いでその受像シートよりややサイ
ズの大きな熱転写シートを、スクイーズローラーで空気
を均一に押し出しながら受像シートに真空密着させる方
法である。また別の方法としては、金属ドラムの上に受
像シートを引っ張りつつ機械的に貼り付け、更にその上
に熱転写シートを同様に機械的に引っ張りつつ貼り付
け、密着させる方法もある。これらの方法の中で、ヒー
トローラー等の温度制御が不要で、迅速・均一に積層し
やすい点で、真空密着法が特に好ましい。
【0149】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
尚、文中で特に断りのない限り「部」は「質量部」を意
味する。
【0150】 実施例1−1 −熱転写シートK(ブラック)の作製− [バック層の形成] [バック第1層塗布液の調製] アクリル樹脂の水分散液 2部 (ジュリマーET410、固形分20質量%、日本純薬(株)製) 帯電防止剤(酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物) 7.0部 (平均粒径:0.1μm、17質量%) ポリオキシエチレンフェニルエーテル 0.1部 メラミン化合物 0.3部 (スミチックスレジンM−3、住友化学工業(株)製) 蒸留水 合計が100部に なるよう調製した
【0151】[バック第1層の形成]厚さ75μmの2
軸延伸したポリエチレンテレフタレート支持体(両面の
Raは0.01μm)の一方の面(裏面)にコロナ処理
を施し、バック第1層塗布液を乾燥層厚が0.03μm
になるよう塗布した後180℃で30秒間乾燥して、バ
ック第1層を形成した。支持体の長手方向のヤング率は
450kg/mm2(≒4.4GPa)で、幅方向のヤ
ング率は500kg/mm2(≒4.9GPa)であ
る。支持体の長手方向のF−5値は、10kg/mm2
(≒98MPa)、支持体幅方向のF−5値は、13k
g/mm2(≒127.4MPa)であり、支持体の1
00℃、30分での熱収縮率は長手方向が0.3%で、
幅方向が0.1%である。破断強度は長手方向が20k
g/mm2(≒196MPa)で、幅方向が25kg/
mm2(≒245MPa)、弾性率は400kg/mm2
(≒3.9GPa)である。
【0152】 [バック第2層塗布液の調製] ポリオレフィン 3.0部 (ケミパールS−120、27質量%、三井石油化学(株)製) 帯電防止剤(酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物) 2.0部 (平均粒径:0.1μm、17質量%) コロイダルシリカ 2.0部 (スノーテックスC、20質量%、日産化学(株)製) エポキシ化合物 0.3部 (ディナコールEX−614B、ナガセ化成(株)製) 蒸留水 合計が100部に なるよう調製した
【0153】[バック第2層の形成]バック第1層の上
にバック第2層塗布液を乾燥層厚が0.03μmになる
よう塗布した後170℃で30秒間乾燥して、バック第
2層を形成した。
【0154】[光熱変換層の形成] [光熱変換層用塗布液の調製]下記の各成分をスターラ
ーで攪拌しながら混合して、光熱変換層用塗布液を調製
した。 [光熱変換層用塗布液組成] ・赤外線吸収色素 7.6部 (「NK−2014」(株)林原生物化学研究所製、下記構造のシアニン色素)
【0155】
【化6】
【0156】(式中、RはCH3、X−はClO4−を示
す。) ・下記構造のポリイミド樹脂 29.3部 (「リカコートSN−20F」、新日本理化(株)製、熱分解温度:510℃)
【0157】
【化7】
【0158】(式中、R1はSO2を示す。R2
【0159】
【化8】
【0160】を示す。) ・エクソンナフサ 5.8部 ・N−メチルピロリドン(NMP) 1500部 ・メチルエチルケトン 360部 ・界面活性剤 0.5部 (「メガファックF−176PF」、大日本インキ化学工業社製、F系界面活性 剤) ・下記組成のマット剤分散物 14.1部
【0161】マット剤分散物の調製 平均粒径1.5μmの真球シリカ微粒子(日本触媒
(株)製シーホスターKE−P150)10部、分散剤
ポリマー(アクリル酸エステルスチレン共重合体ポリマ
ー。ジョンソンポリマー(株)製ジュンクリル611)
2部、メチルエチルケトン16部及びNメチルピロリド
ン64部を混合し、これと直径2mmのガラスビーズ3
0部を容量200mlのポリエチレン製容器にいれてペ
イントシェーカー(東洋精機製)で2時間分散してシリ
カ微粒子の分散物を得た。
【0162】[支持体表面への光熱変換層の形成]厚さ
75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持
体)の一方の表面上に、上記光熱変換層用塗布液をワイ
ヤーバーを用いて塗布した後、塗布物を120℃のオー
ブン中で2分間乾燥して、該支持体上に光熱変換層を形
成した。得られた光熱変換層の波長808nmにおける
光学濃度を島津製作所社製UV−分光光度計UV−24
0で測定したところ、ODLH=1.03であった。層厚
は、走査型電子顕微鏡により光熱変換層の断面を観察し
たところ、平均で0.3μmであった。なお、本発明で
は熱転写シートの光熱変換層の光学濃度(ODLH)と
は、本発明の画像形成材料を記録するに際して、使用す
るレーザー光のピーク波長における光熱変換層の吸光度
を言い、公知の分光光度計を用いて測定を行うことがで
きる。分光光度計として、本発明では、上述のように
(株)島津製作所社製UV−分光光度計UV−240を
用いた。また、上記光学濃度(ODLH)は支持体込みの
ものから支持体単独の値を差し引いた値とした。
【0163】[画像形成層の形成] [ブラック画像形成層用塗布液の調製]下記の各成分
を、ニーダーのミルに入れ、少量の溶剤を添加しつつ剪
断力を加え、分散前処理を行った。その分散物に、更に
溶剤を加えて、最終的に下記組成となるように調製し、
サンドミル分散を2時間行い、顔料分散母液を得た。 [ブラック顔料分散母液組成] 組成1 ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Black(ピグメントブラック) 7(カーボンブラック C.I.No.77266) 4.5部 (「三菱カーボンブラック #5」、三菱化学(株)製、PVC黒度:1) ・分散助剤 0.8部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部 組成2 ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Black(ピグメントブラック) 7(カーボンブラック C.I.No.77266) 10.5部 (「三菱カーボンブラック MA100」、三菱化学(株)製、PVC黒度:1 0) ・分散助剤 0.8部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0164】次に、下記の成分をスターラーで攪拌しな
がら混合して、ブラック画像形成層用塗布液を調製し
た。 [ブラック画像形成層用塗布液組成] ・上記ブラック顔料分散母液 185.7部 組成1:組成2=70:30(部) ・ポリビニルブチラール 11.9部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・ワックス系化合物 (ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.7部 (ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.7部 (ラウリル酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.7部 (パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 1.7部 (エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」、日本化成(株)製)1.7部 (オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.7部 ・ロジン 11.4部 (「KE−311」、荒川化学(株)製) (成分:樹脂酸80〜97%;樹脂酸成分:アビエチン酸30〜40%、ネオ アビエチン酸10〜20%、ジヒドロアビエチン酸14%、テトラヒドロアビエ チン酸14%) ・界面活性剤 2.1部 (「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製 ) ・無機顔料 7.1部 (「MEK−ST」、30%メチルエチルケトン溶液、日産化学(株)社製) ・n−プロピルアルコール 1050部 ・メチルエチルケトン 295部 得られたブラック画像形成層用塗布液中の粒子を、レー
ザー散乱方式の粒度分布測定器を用いて測定したとこ
ろ、平均粒径0.25μmであり、1μm以上の粒子の
割合は、0.5%であった。
【0165】[光熱変換層表面へのブラック画像形成層
の形成]前記光熱変換層の表面に、上記ブラック画像形
成層用塗布液をワイヤーバーを用いて1分間塗布した
後、塗布物を100℃のオーブン中で2分間乾燥して、
光熱変換層の上にブラック画像形成層を形成した。以上
の工程により、支持体上に、光熱変換層及びブラック画
像形成層が、この順で設けられた熱転写シート(以下、
熱転写シートKと記す。同様に、イエロー画像形成層画
像形成層も設けられたものを熱転写シートY、マゼンタ
画像形成層が設けられたものを熱転写シートM、シアン
画像形成層が設けられたものを熱転写シートCと記す)
を作製した。熱転写シートKのブラック画像形成層の光
学濃度を、マクベス濃度計「TD−904」(Wフィル
ター)にて透過濃度(透過光学濃度)として測定したと
ころ、0.91であった。また、ブラック画像形成層の
層厚を測定したところ、平均で0.60μmであった。
【0166】得られた画像形成層の物性は以下のようで
あった。画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g
以上が好ましく、具体的には200g以上であった。表
面のスムースター値は23℃、55%RHで0.5〜5
0mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ま
しく、具体的には9.3mmHg(≒1.24kPa)
であった。表面の静止摩擦係数は0.2以下が好まし
く、具体的には0.08であった。表面エネルギーは2
9mJ/m2であった。水の接触角は94.8°であっ
た。露光面の光強度が1000W/mm2以上のレーザ
ー光で1m/sec以上の線速度で記録した時の光熱変
換層の変形率は168%であった。
【0167】−熱転写シートYの作製− 上記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成
層用塗布液の代わりに、下記組成のイエロー画像形成層
用塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様
にして、熱転写シートYを作製した。得られた熱転写シ
ートYの画像形成層の層厚は、0.42μmであった。 [イエロー顔料分散母液組成] イエロー顔料組成1: ・ポリビニルブチラール 7.1部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Yellow(ピグメントイエロー) 180(C.I.N o.21290) 12.9部 (「Novoperm Yellow(ノボパームイエロー) P−HG」、ク ラリアントジャパン(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部 [イエロー顔料分散母液組成] イエロー顔料組成2: ・ポリビニルブチラール 7.1部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Yellow(ピグメントイエロー) 139(C.I.N o.56298) 12.9部 (「Novoperm Yellow(ノボパームイエロー) M2R 70」 、クラリアントジャパン(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0168】 [イエロー画像形成層用塗布液組成] ・上記イエロー顔料分散母液 126部 イエロー顔料組成1:イエロー顔料組成2=95:5(部) ・ポリビニルブチラール 4.6部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・ワックス系化合物 (ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 0.7部 (べヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 0.7部 (ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 0.7部 (パルミチン酸アミド「ダイヤミットKP」、日本化成(株)製) 0.7部 (エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」、日本化成(株)製)0.7部 (オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)0.7部 ・ノニオン系界面活性剤 0.4部 (「ケミスタット1100」、三洋化成(株)製) ・ロジン 2.4部 (「KE−311」、荒川化学(株)製) ・界面活性剤 0.8部 (「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製 ) ・n−プロピルアルコール 793部 ・メチルエチルケトン 198部
【0169】得られた画像形成層の物性は以下のようで
あった。画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g
以上が好ましく、具体的には200g以上であった。表
面のスムースター値は23℃、55%RHで0.5〜5
0mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ま
しく、具体的には2.3mmHg(≒0.31kPa)
であった。表面の静止摩擦係数は0.2以下が好まし
く、具体的には0.1であった。表面エネルギーは24
mJ/m2であった。水の接触角は108.1°であっ
た。露光面の光強度が1000W/mm2以上のレーザ
ー光で1m/sec以上の線速度で記録した時の光熱変
換層の変形率は150%であった。
【0170】−熱転写シートMの作製− 上記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成
層用塗布液の代わりに、下記組成のマゼンタ画像形成層
用塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様
にして、熱転写シートMを作製した。得られた熱転写シ
ートMの画像形成層の層厚は、0.38μmであった。 [マゼンダ顔料分散母液組成] マゼンタ顔料組成1; ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化 点57℃) ・Pigment Red(ピグメントレッド) 57:1(C.I.No.1 5850:1) 15.0部 (「Symuler Brilliant Carmine(シムラーブリリア ントカーミン) 6B−229」、大日本インキ化学工業(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 80.4部 [マゼンダ顔料分散母液組成] マゼンタ顔料組成2; ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化 点57℃) ・Pigment Red(ピグメントレッド) 57:1(C.I.No.1 5850:1) 15.0部 (「Lionol Red(リオノールレッド) 6B−4290G」、東洋イ ンキ製造(株)製) ・分散助剤 0.6部 (「ソルスパースS−20000」、ICI(株)製) ・n−プロピルアルコール 79.4部
【0171】 [マゼンタ画像形成層用塗布液組成] ・上記マゼンタ顔料分散母液 163部 マゼンタ顔料組成1:マゼンタ顔料組成2=95:5(部) ・ポリビニルブチラール 4.0部 (「デンカブチラール#2000−L」、電気化学工業(株)製、ビカット軟化 点57℃) ・ワックス系化合物 (ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.0部 (ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.0部 (ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.0部 (パルミチン酸アミド「ダイヤミッドKP」、日本化成(株)製) 1.0部 (エルカ酸アミド「ダイヤミンドL−200」、日本化成(株)製)1.0部 (オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.0部 ・ノニオン系界面活性剤 0.7部 (「ケミスタット1100」、三洋化成(株)製) ・ロジン 4.6部 (「KE−311」、荒川化学(株)製) ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 2.5部 (「NKエステル A−TMMT」、新中村化学(株)製) ・界面活性剤 1.3部 (「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製 ) ・n−プロピルアルコール 848部 ・メチルエチルケトン 246部
【0172】得られた画像形成層の物性は以下のようで
あった。画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g
以上が好ましく、具体的には200g以上であった。表
面のスムースター値は23℃、55%RHで0.5〜5
0mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ま
しく、具体的には3.5mmHg(≒0.47kPa)
であった。表面の静止摩擦係数は0.2以下が好まし
く、具体的には0.08であった。表面エネルギーは2
5mJ/m2であった。水の接触角は98.8°であっ
た。露光面の光強度が1000W/mm2以上のレーザ
ー光で1m/sec以上の線速度で記録した時の光熱変
換層の変形率は160%であった。
【0173】−熱転写シートCの作製− 上記熱転写シートKの作製において、ブラック画像形成
層用塗布液の代わりに、下記組成のシアン画像形成層用
塗布液を用いた以外は、熱転写シートKの作製と同様に
して、熱転写シートCを作製した。得られた熱転写シー
トCの画像形成層の層厚は、0.45μmであった。 [シアン顔料分散母液組成] シアン顔料組成1: ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Blue(ピグメントブルー) 15:4(C.I.No. 74160) 15.0部 (「Cyanine Blue(シアニンブルー) 700−10FG」、東 洋インキ製造(株)製) ・分散助剤 0.8部 (「PW−36」、楠本化成(株)製) ・n−プロピルアルコール 110部 [シアン顔料分散母液組成] シアン顔料組成2: ・ポリビニルブチラール 12.6部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・Pigment Blue(ピグメントブルー) 15(C.I.No.74 160) 15.0部 (「Lionol Blue(リオノールブルー) 7027」、東洋インキ製 造(株)製) ・分散助剤 0.8部 (「PW−36」、楠本化成(株)製) ・n−プロピルアルコール 110部
【0174】 [シアン画像形成層用塗布液組成] ・上記シアン顔料分散母液 118部 シアン顔料組成1:シアン顔料組成2=90:10(部) ・ポリビニルブチラール 5.2部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・無機顔料「MEK−ST」 1.3部 ・ワックス系化合物 (ステアリン酸アミド「ニュートロン2」、日本精化(株)製) 1.0部 (ベヘン酸アミド「ダイヤミッドBM」、日本化成(株)製) 1.0部 (ラウリン酸アミド「ダイヤミッドY」、日本化成(株)製) 1.0部 (パルミチン酸アミド「ダイヤミンドKP」、日本化成(株)製) 1.0部 (エルカ酸アミド「ダイヤミッドL−200」(日本化成(株)製)1.0部 (オレイン酸アミド「ダイヤミッドO−200」、日本化成(株)製)1.0部 ・ロジン 2.8部 (「KE−311」、荒川化学(株)製) ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 1.7部 (「NKエステル A−TMMT」、新中村化学(株)製) ・界面活性剤 1.7部 (「メガファックF−176PF」、固形分20%、大日本インキ化学工業社製 ) ・n−プロピルアルコール 890部 ・メチルエチルケトン 247部
【0175】得られた画像形成層の物性は以下のようで
あった。画像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g
以上が好ましく、具体的には200g以上であった。表
面のスムースター値は23℃、55%RHで0.5〜5
0mmHg(≒0.0665〜6.65kPa)が好ま
しく、具体的には7.0mmHg(≒0.93kPa)
であった。表面の静止摩擦係数は0.2以下が好まし
く、具体的には0.08であった。表面エネルギーは2
5mJ/m2であった。水の接触角は98.8°であっ
た。露光面の光強度が1000W/mm2以上のレーザ
ー光で1m/sec以上の線速度で記録した時の光熱変
換層の変形率は165%であった。
【0176】−受像シートの作製− 下記の組成のクッション層用塗布液及び受像層用塗布液
を調製した。 1)クッション層用塗布液 ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部 (主バインダ−) (「MPR−TSL」、日信化学(株)製) ・可塑剤 10部 (「パラプレックスG−40」、CP.HALL.COMPANY社製) ・界面活性剤(フッ素系:塗布助剤) 0.5部 (「メガファックF−177」、大日本インキ化学工業(株)製) ・帯電防止剤(4級アンモニウム塩) 0.3部 (「SAT−5 Supper(IC)」、日本純薬(株)製) ・メチルエチルケトン 60部 ・トルエン 10部 ・N,N−ジメチルホルムアミド 3部
【0177】 2)受像層用塗布液 ・ポリビニルブチラール 8部 (「エスレックB BL−SH」、積水化学工業(株)製) ・帯電防止剤 0.7部 (「サンスタット2012A」、三洋化成工業(株)製) ・界面活性剤 0.1部 (「メガファックF−177」、大日本インキ化学工業(株)製) ・n−プロピルアルコール 20部 ・メタノール 20部 ・1−メトキシ−2−プロパノール 50部
【0178】小幅塗布機を用いて、白色PET支持体
(「ルミラー#130E58」、東レ(株)製、厚み1
30μm)上に、上記のクッション層形成用塗布液を塗
布し、塗布層を乾燥し、次に受像層用塗布液を塗布し、
乾燥した。乾燥後のクッション層の層厚が約20μm、
受像層の層厚が約2μmとなるように塗布量を調節し
た。白色PET支持体はボイド含有ポリエチレンテレフ
タレート層(厚み:116μm、空隙率:20%)とそ
の両面に設けた酸化チタン含有ポリエチレンテレフタレ
ート層(厚み:7μm、酸化チタン含有量:2%)との
積層体(総厚み:130μm、比重:0.8)からなる
ボイド含有プラスチック支持体である。作製した材料
は、ロール形態で巻き取り、1週間室温で保存後、下記
のレーザー光による画像記録に用いた。得られた受像層
の物性は以下のようであった。表面粗さRaが0.4〜
0.01μmが好ましく、具体的には0.02μmであ
った。受像層の表面のうねりが2μm以下が好ましく、
具体的には1.2μmであった。受像層の表面のスムー
スター値は23℃、55%RHで0.5〜50mmHg
(≒0.0665〜6.65kPa)が好ましく、具体
的には0.8mmHg(≒0.11kPa)であった。
受像層表面の静止摩擦係数は0.8以下が好ましく、具
体的には0.37であった。受像層表面の表面エネルギ
ーは29mJ/m2であった。水の接触角は85.0°
であった。
【0179】−転写画像の形成− 画像形成システムは、図4記載のシステムで記録装置と
してLuxel FINALPROOF 5600(富
士写真フイルム(株)製)を用い、上記したカラーマッ
チング工程を含む本システムの画像形成シーケンス及び
本システムで用いる本紙転写方法により本紙への転写画
像を得た。直径1mmの真空セクション孔(3cm×8
cmのエリアに1個の面密度)が開けられている直径3
8cmの回転ドラムに、上記で作製した受像シート(5
6cm×79cm)を巻き付け、真空吸着させた。次い
で、61cm×84cmに切断した前記熱転写シートK
(ブラック)を前記受像シートから均等にはみ出すよう
に重ね、スクイーズローラーでスクイーズさせつつ、セ
クション孔に空気が吸引されるように密着、積層させ
た。セクション孔が塞がれた状態での減圧度は、1気圧
に対して−150mmHg(≒81.13kPa)であ
った。前記ドラムを回転させ、ドラム上での積層体の表
面に、外側から波長808nmの半導体レーザー光を、
光熱変換層の表面で7μmのスポットになるように集光
し、回転ドラムの回転方向(主走査方向)に対して、直
角方向に移動させながら(副走査)、積層体へレーザー
画像(画線)記録を行った。レーザー照射条件は、以下
の通りである。また、本実施例で使用したレーザービー
ムは、主走査方向に5列、副走査方向に3列の平行四辺
形からなるマルチビーム2次元配列からなるレーザービ
ームを使用した。 レーザーパワー 110mW ドラム回転数 500rpm 副走査ピッチ 6.35μm 環境温湿度 20℃40%, 23℃50%, 2
6℃65%の3条件。露光ドラムの直径は360mm以
上が好ましく、具体的には380mmのものを用いた。
なお、画像サイズは515mm×728mm、解像度は
2600dpiである。前記レーザー記録が終了した積
層体を、ドラムから取り外し、熱転写シートKを受像シ
ートから手で引き剥がしたところ、熱転写シートKの画
像形成層の光照射領域のみが、熱転写シートKから受像
シートに転写されているのが確認された。
【0180】上記と同様にして、前記熱転写シートY、
熱転写シートM、及び熱転写シートCの各熱転写シート
から、受像シート上に画像を転写した。転写された4色
の画像を、記録紙に更に転写し、多色の画像を形成した
ところ、異なる温湿度条件下において、マルチビーム2
次元配列であるレーザー光により、高エネルギーでレー
ザー記録した場合も、画質が良好であり、安定した転写
濃度を有する多色画像を形成することができた。本紙へ
の転写は挿入台の材質のポリエチレンテレフタレートに
対する動摩擦係数が0.1〜0.7である、搬送速度が
15〜50mm/secである熱転写装置を用いた。熱
転写装置の熱ロール材質のビッカース硬度は10ないし
100が好ましく、具体的にはビッカース硬度が70を
用いた。得られた画像は3つの環境温湿度とも良好であ
った。
【0181】反射光学濃度は特菱アート紙に本紙転写し
たものを、濃度計 X−rite938(X−rite
社製)にてY,M,C,K色それぞれY,M,C,Kモ
ードにて測定した。各色の反射光学濃度、反射光学濃度
/画像形成層層厚は表1のとおりであった。
【0182】
【表1】
【0183】実施例1−2 プルーフ用記録装置としてCreoScitex社製
ProofSetterSpectrumを用いた以外
は実施例1−1と同様にして転写画像を形成した。
【0184】参考例1−1〜2 実施例1−1で用いた熱転写シート、受像シートに代え
て各々、参考例1−1として、コダック社製 アプルー
バル材料 Approval DigitalColo
r Proofing Film(昇華型熱転写材
料)、参考例1−2として、イメーション社製 MAT
CHPRINTTM DIGITAL HALFTON
E(アブレーション型熱転写材料)を用いた以外は、実
施例1−1と同様にして転写画像を形成した。
【0185】実施例1−3 実施例1−1で用いた熱転写シート、受像シートに代え
て、コニカ社製 Color−DecisionI材料
(溶融型熱転写材料)を用いた以外は、実施例1−1と
同様にして転写画像を形成した。
【0186】比較例1−1 実施例1−1でカラーマッチング工程を経ない以外は、
実施例1−1と同様にして転写画像を形成し、比較例1
−1とした。
【0187】比較例1−2 実施例1−3でカラーマッチング工程を経ない以外は、
実施例1−3と同様にして転写画像を形成し、比較例1
−2とした。
【0188】実施例、参考例及び比較例の結果を、表2
に示した。ここでの各画像の評価は、以下の基準により
目視で行った。 ○:良好 △:やや不十分 ×:劣る
【0189】
【表2】
【0190】実施例1−1〜3の転写画像と比較例1−
1〜2の各転写画像の対比を行った結果、カラーマッチ
ング工程を経ないと色再現が顕著に悪化した。参考例の
製品はいずれも記録網点形状がシャープでなかった。レ
ーザー昇華型、レーザーアブレーション型の各方式は色
材が昇華もしくは飛散する方式であるため網点の輪郭が
ぼやけてしまう。一方、レーザー熱溶融型の方式も溶融
物が流動するのでクリアーな輪郭が出ない。しかし、カ
ラーマッチング工程を経ているので良好な色再現が実現
されている。実施例は、色再現が良好であると同時に高
画質かつシャープな網点の画質である。
【0191】(1)線幅再現性 レーザビームスポットの2次元エネルギー分布を主走査
方向に積分し、副走査方向でのエネルギー分布にしたも
のの半値幅aを取り、それを2倍にした長さ2aに対し
て、転写された画像の線幅bの比(b/2a)を取っ
た。
【0192】(2)ドット形状 実施例1−1で得られた画像は2400〜2540dp
iの解像度で印刷線数に応じた網点画像を形成した。1
つ1つの網点はにじみ・欠けがほとんどなく形状が非常
にシャープであるため、ハイライトからシャドーまでの
高範囲の網点を図5〜図12で示すように鮮明に形成す
ることができた。なお、図5〜図12は、実施例1−1
で得られた画像のドット形状を示すもので、ドット中心
間の距離は125μmである。その結果、イメージセッ
ターやCTPセッターと同じ解像度で高品位な網点出力
が可能であり、図13及び図14で示すように、印刷物
近似性の良い網点と階調を再現することができた。図1
3(b)は実施例1−1で得られた画像の網点を示し、
ドット中心間の距離は125μmである。なお、(a)
は印刷物網点の拡大図であり、(b)のドット形状が
(a)の印刷物網点に極めて近似していることが確認で
きる。図14は実施例1−1で得られた画像のドット再
現性を示すもので、縦軸は反射濃度から計算されるドッ
ト面積率、横軸は入力信号のドット面積率を示す。点線
は印刷物、実線は実施例1による特性曲線である。ま
た、2600dpi以上の解像度でも本製品は良好な結
果を得た。
【0193】(3)繰り返し再現性 実施例1−1で得られた本発明の製品は網点形状がシャ
ープであるためレーザービームに対応した網点を忠実に
再現でき、また記録特性の環境温湿度依存性が非常に小
さいため、図15及び図16で示すように、色相・濃度
とも安定した繰り返し再現性が得られる。図15は実施
例1−1で得られた画像の繰り返し再現性をL*a*b
*表色系のa*b*平面に示している。また、図16は
実施例1で得られた画像の繰り返し再現性を示してい
る。図16に示す結果は、実施例1−1の画像形成材料
を用い、システムの環境温湿度を19℃37%RH、2
7℃37%RH、19℃74%RH、27℃74%RH
とし、レーザー照射エネルギーを180〜290mJ/
cm2に変更した以外は、実施例1−1と同様にして本
紙転写画像を得、そのODを縦軸に示した。この図から
本発明はレーザーによるエネルギー負荷が多少変動して
も広範囲の環境温湿度において一定した画像が得られる
ことがわかる。
【0194】(4)色再現 実施例1−1の熱転写シートは印刷インクに使用されて
いる着色顔料を色材として用いており、また繰り返し再
現性が良好なため高精度のCMSを実現できた。Jap
an−Colorの印刷部の色相とほぼ一致しており、
蛍光灯や白熱灯など光源が変わったときの色の見え方に
ついても印刷物と同様の変化を示した。
【0195】(5)文字品質 実施例1−1で得られた画像はドット形状がシャープな
ので、図17及び図18に示すように、微細文字の細線
がきれよく再現できた。図17は実施例1−1で得られ
た画像の2ポイントの文字品質を示すポジ像であり、図
18は実施例1−1で得られた画像の2ポイントの文字
品質を示すネガ像で、いずれも微細文字の細線がきれよ
く再現できたのが分かる。
【0196】
【0197】
【0198】
【0199】
【0200】
【0201】
【0202】
【0203】
【0204】
【0205】
【0206】
【0207】
【0208】
【0209】
【0210】
【0211】
【0212】
【0213】
【0214】実施例−1 −熱転写シートの作製− 熱転写シートK(ブラック)、Y(イエロー)、M(マ
ゼンタ)、及びC(シアン)を、下記塗布液の組成を下
記の如くしたこと以外は、実施例1−1と同様にして作
製した。
【0215】 [バック第2層塗布液の組成] ・ポリオレフィン 3.0部 (ケミパールS−120、27質量%、三井石油化学(株)製) ・帯電防止剤 2.0部 (酸化スズ−酸化アンチモンの水分散物、平均粒径:0.1μm、17質量%) ・コロイダルシリカ 2.0部 (スノーテックスC、20質量%、日産化学(株)製) ・エポキシ化合物 0.3部 (ディナコールEx614B、長瀬化成(株)製) ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 0.1部 ・蒸留水 合計が100部に なるように調製した
【0216】得られた熱転写シートK、Y、M、及びC
の各熱転写シートの画像形成層の物性は以下のようであ
った。 〔熱転写シートKの画像形成層の物性〕画像形成層の表
面硬さがサファイヤ針で10g以上が好ましく、具体的
には200g以上であった。表面のスムースター値は2
3℃、55%RHで0.5〜50mmHg(≒0.06
65〜6.65kPa)が好ましく、具体的には9.3
mmHg(≒1.24kPa)であった。表面の静止摩
擦係数は0.2以下が好ましく、具体的には0.08で
あった。表面エネルギーは29mJ/m2であった。水
の接触角は94.8°であった。反射光学濃度(OD)
は1.82であり、層厚が0.60μmで、OD/層厚
は3.03であった。露光面の光強度が1000W/m
2以上のレーザー光で1m/sec以上の線速度で記
録した時の光熱変換層の変形率は168%であった。
【0217】〔熱転写シートYの画像形成層の物性〕画
像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g以上が好ま
しく、具体的には200g以上であった。表面のスムー
スター値は23℃、55%RHで0.5〜50mmHg
(≒0.0665〜6.65kPa)が好ましく、具体
的には2.3mmHg(≒0.31kPa)であった。表
面の静止摩擦係数は0.2以下が好ましく、具体的には
0.1であった。表面エネルギーは24mJ/m2であ
った。水の接触角は108.1°であった。反射光学濃
度(OD)は1.01であり、層厚が0.42μmで、
OD/層厚は2.40であった。露光面の光強度が10
00W/mm2以上のレーザー光で1m/sec以上の
線速度で記録した時の光熱変換層の変形率は150%で
あった。
【0218】〔熱転写シートMの画像形成層の物性〕画
像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g以上が好ま
しく、具体的には200g以上であった。表面のスムー
スター値は23℃、55%RHで0.5〜50mmHg
(≒0.0665〜6.65kPa)が好ましく、具体
的には3.5mmHg(≒0.47kPa)であった。表
面の静止摩擦係数は0.2以下が好ましく、具体的には
0.08であった。表面エネルギーは25mJ/m2
あった。水の接触角は98.8°であった。反射光学濃
度(OD)は1.51であり、層厚が0.38μmで、
OD/層厚は3.97であった。露光面の光強度が10
00W/mm2以上のレーザー光で1m/sec以上の
線速度で記録した時の光熱変換層の変形率は160%で
あった。
【0219】〔熱転写シートCの画像形成層の物性〕画
像形成層の表面硬さがサファイヤ針で10g以上が好ま
しく、具体的には200g以上であった。表面のスムー
スター値は23℃、55%RHで0.5〜50mmHg
(≒0.0665〜6.65kPa)が好ましく、具体
的には7.0mmHg(≒0.93kPa)であった。表
面の静止摩擦係数は0.2以下が好ましく、具体的には
0.08であった。表面エネルギーは25mJ/m2
あった。水の接触角は98.8°であった。反射光学濃
度(OD)は1.59であり、層厚が0.45μmで、
OD/層厚は3.53であった。露光面の光強度が10
00W/mm2以上のレーザー光で1m/sec以上の
線速度で記録した時の光熱変換層の変形率は165%で
あった。
【0220】−受像シートの作製− 受像シートを実施例1−1と同様にして作製した。得ら
れた受像シートの受像層の物性は以下のようであった。
層厚が2μmであった。表面粗さRaが0.4〜0.01
μmが好ましく、具体的には0.02μmであった。受
像層の表面のうねりが2μm以下が好ましく、具体的に
は1.2μmであった。受像層の表面のスムースター値
は23℃、55%RHで0.5〜50mmHg(≒0.0
665〜6.65kPa)が好ましく、具体的には0.
8mmHg(≒0.11kPa)であった。受像層表面の
静止摩擦係数は0.8以下が好ましく、具体的には0.
37であった。受像層表面の表面エネルギーは29mJ
/m2であった。水の接触角は85.0°であった。
【0221】−転写画像の形成− 上記の各熱転写シート及び受像シートを用いた以外は実
施例1−1と同様にして転写画像を形成した。なお、受
像シートへの転写順序は、ブラック、シアン、マゼン
タ、イエローの順序で行った。
【0222】ここで、反射光学濃度の測定方法及び測定
結果を説明する。反射光学濃度は特菱アート紙に本紙転
写したものを、濃度計 X−rite938(X−ri
te社製)にてY,M,C,K色それぞれY,M,C,
Kモードにて測定した。各色の反射光学濃度、反射光学
濃度/画像形成層層厚は下記の表3のとおりであった。
【0223】
【表3】
【0224】上記システム構成で得られた画像の評価は
以下のように行った。 (1)ブラック画像部の反射濃度(OD)の測定及び画
像転写率の算出 前記熱転写シートKを用いて、各温湿度条件下で得られ
た転写画像の画像濃度を、反射マクベス濃度計「RD−
918」(Wフィルター)を用いて測定したところ、反
射濃度(OD)は下記のような値となった。前記熱転写
シー卜Kを、熱転写装置を用い、レーザー記録をするこ
となく受像シート上へ転写し、得られた黒色画像の反射
濃度(OD)を、上記方法により測定したところ、1.
88であり、レーザー記録による画像転写率は、18℃
30%、23℃50%、26℃65%の各温湿度条件下
でそれぞれ98.4%、96.8%、96.3%であっ
た。
【0225】<ブラック画質の評価>前記熱転写シート
Kを用いて、各温湿度条件下で得られた転写画像のベタ
部分及び線画部分を、光学顕微鏡で観察したところ、い
ずれの環境条件においても、ベタ部における隙間は見ら
れず、また線画の解像力は良好な結果であり、環境条件
への依存性が少ない黒色転写画像を得ることができた。
画質の評価は、以下の基準により目視で行った。 −ベタ部− ○:記録時の隙間や転写不良部分がない。 △:記録時の隙間や転写不良が部分的に存在する。 ×:記録時の隙間や転写不良が全面に存在する。 −線画部− ○:線画のエッジがシャープであり、良好な解像力を有
する。 ○△:線画のエッジがごくわずかにギザギザしている
が、ブリッジングは発生していない。 △○:線画のエッジがギザギザしているがブリッジング
は発生していない。 △:線画のエッジがギザギザしており部分的にブリッジ
ングが発生している。 ×:全面的にブリッジングが発生している。
【0226】次に、環境湿度23℃50%RHの温湿度
で作成したカラー画像については、更に以下の評価を実
施した。この結果も表に示している。
【0227】<ブラック部分の色調の評価> 記録紙に転写したカラー画像のブラック部分の色調を目
視で評価して、下記の3ランクに分けた。 ○:他の色と重なって転写している部分も黄色味や赤味
がなく良好。 △:他の色と重なって転写している部分は若干黄色味や
赤味があるが実用上許容できる。 ×:他の色と重なって転写している部分は黄色味や赤味
があり実用上許容できない。 その結果、実施例−1及び参考例−5では良好な色
調が得られたが、参考例2−1〜4はいずれも不良とな
った。
【0228】<白抜けの評価>サイズ515mm×72
8mmの記録紙に転写したカラー画像中の直径1mm以
上の白抜けの数を数えた。
【0229】また、実施例−1のその他の性能(ドッ
ト形状、繰り返し再現性、色再現性、文字品質)を評価
したところ、実施例1−1と同様に良好なものであっ
た。
【0230】参考例−1〜4 実施例−1と同一の試料を用い、画像形成の順序を表
のように変更する以外は、実施例−1と同様にして
参考例−1〜4を実施した。
【0231】参考例−5 イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各画像形成層
の顔料を0.5倍にする以外は、実施例−1と同様に
して参考例−5を実施した。ただし、画像形成層の光
学濃度は実施例−1に合わせた。
【0232】実施例−2 実施例−1と同じ試料を用いて画像サイズを594m
m×841mmにする以外は実施例−1と同様にして
実施例−2を実施した。
【0233】実施例−3 画像形成層の顔料の添加量を実施例−1の0.85倍
にする以外は実施例−1と同様にして実施例−3を
実施した。
【0234】実施例−4 画像形成層の顔料の添加量を実施例−1の1.15倍
にする以外は実施例−1と同様にして実施例−4を
実施した。
【0235】参考例−1〜5及び実施例−2〜4の
試料について、実施例−1と同様に環境温湿度23℃
50%RHで作成してブラック画像の画質、ブラック部
分の色調、白抜けの評価を実施した。以上の結果を表
に示した。
【0236】
【表4】
【0237】
【発明の効果】本発明において開発したプルーフ製品は
薄膜転写技術を基本に、レーザー熱転写系での新たな問
題点を解決し、更に高画質のものにするため、前述の種
々の技術を盛り込んだ薄膜熱転写方式にてシャープな網
点を実現し、本紙転写・実網点出力・顔料タイプ・B2
サイズの画像形成材料、出力機及び高品位CMSソフト
からなるDDCP用レーザー熱転写記録システムを開発
することが出来た。このように本発明では、解像力の高
い材料の能力を十分に発揮できるようなシステム構成を
実現できた。具体的には、CTP時代のフイルムレスに
対応し校正刷りやアナログ式カラープルーフから代わる
コントラクトプルーフを提供でき、このプルーフは顧客
の承認を得るための印刷物やアナログ式カラープルーフ
と一致した色再現性を再現できる。印刷インクと同じ顔
料系色材を使用し、本紙への転写が可能であり、モワレ
等のないDDCPシステムを提供できる。また本発明に
よれば本紙転写が可能であり、印刷インクと同じ顔料系
色材を使用し、印刷物近似性の高い大サイズ(A2/B
2以上)デジタルダイレクトカラープルーフシステムを
提供できる。本発明はレーザー薄膜熱転写方式を用い、
顔料色材を使用し、実網点記録を行って本紙転写できる
方式である。異なる温湿度条件下において、マルチビー
ム2次元配列であるレーザー光により、高エネルギーで
レーザー記録した場合も、画質が良好であり、安定した
転写濃度の画像を受像シート上に形成し得る、多色画像
形成方法を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザーを用いた薄膜熱転写による多色画像形
成の機構の概略を説明する図である。
【図2】レーザー熱転写用記録装置の構成例を示す図で
ある。
【図3】熱転写装置の構成例を示す図である。
【図4】レーザー熱転写用記録装置FINALPROO
Fを用いたシステムの構成例を示す図である。
【図5】実施例1−1で得られた画像のドット形状を示
す。ドット中心間の距離は、125μmである。
【図6】実施例1−1で得られた画像のドット形状を示
す。ドット中心間の距離は、125μmである。
【図7】実施例1−1で得られた画像のドット形状を示
す。ドット中心間の距離は、125μmである。
【図8】実施例1−1で得られた画像のドット形状を示
す。ドット中心間の距離は、125μmである。
【図9】実施例1−1で得られた画像のドット形状を示
す。ドット中心間の距離は、125μmである。
【図10】実施例1−1で得られた画像のドット形状を
示す。ドット中心間の距離は、125μmである。
【図11】実施例1−1で得られた画像のドット形状を
示す。ドット中心間の距離は、125μmである。
【図12】実施例1−1で得られた画像のドット形状を
示す。ドット中心間の距離は、125μmである。
【図13】実施例1−1で得られた画像のドット形状を
示す。ドット中心間の距離は、125μmである。
【図14】実施例1−1で得られた画像のドット再現性
を示す。縦軸は反射濃度から計算されるドット面積率、
横軸は入力信号のドット面積率を示す。
【図15】実施例1−1で得られた画像の繰り返し再現
性をL*a*b*表色系のa*b*平面に示す。
【図16】実施例1−1で得られた画像の繰り返し再現
性を示す。
【図17】実施例1−1で得られた画像の2ポイントの
文字品質を示す。ポジ像を示す。
【図18】実施例1−1で得られた画像の2ポイントの
文字品質を示す。ネガ像を示す。
【符号の説明】
1 記録装置 2 記録ヘッド 3 副走査レール 4 記録ドラム 5 熱転写シートローディングユニット 6 受像シートロール 7 搬送ローラー 8 スクイーズローラー 9 カッター 10 熱転写シート 10K、10C、10M、10Y 熱転写シートロール 12 支持体 14 光熱変換層 16 画像形成層 20 受像シート 22 受像シート用支持体 24 受像層 30 積層体 31 排出台 32 廃棄口 33 排出口 34 エアー 35 廃棄箱 42 本紙 43 ヒートローラー 44 挿入台 45 載置位置を示すマーク 46 挿入ローラー 47 耐熱シートでできたガイド 48 剥離爪 49 ガイド板 50 排出口
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−104063(JP,A) 特開 平6−219052(JP,A) 特開 平8−267944(JP,A) 特開2000−355177(JP,A) 特開2000−118144(JP,A) 特開 平11−55534(JP,A) 特開 平9−252414(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも受像層を有する受
    像シートと、支持体上に少なくとも光熱変換層と画像形
    成層とを有するイエロー、マゼンタ、シアン及びブラッ
    クを含む少なくとも4種類以上の色の異なる熱転写シー
    トとを用い、各熱転写シートの画像形成層と受像シート
    の受像層とを対向して重ね合わせ、レーザー光を照射し
    て、画像形成層のレーザー光照射領域を受像シートの受
    像層上へ転写して画像記録する多色画像形成方法におい
    て、前記各熱転写シートの画像形成層は、光熱変換層の直上
    にあり、ブラックの熱転写シートの画像形成層の層厚が
    0.5〜0.7μmであり、イエロー、マゼンタ、シア
    ンの各熱転写シートの画像形成層の層厚が0.2μm以
    上0.5μm未満であり、 前記各熱転写シートの前記画
    像形成層の光学濃度(OD)と層厚(μm単位)の比O
    D/層厚が1.50以上であり、前記転写画像の解像度
    が2400dpi以上であり、前記レーザー光照射領域
    の画像形成層を薄膜状態で受像シートに転写させ、かつ
    熱転写画像を前記受像シートに記録する前に、印刷物を
    作成するためのカラー画像データをプルーフ出力装置用
    のカラー画像データに変換処理するカラー画像データ変
    換処理工程、及び、前記印刷物の色及び/又は網点と前
    記プルーフ出力装置により出力されるカラー画像の色及
    び/又は網点とを一致させるためのデータ変換の処理を
    する色・網点一致変換処理工程より成るカラーマッチン
    グ工程を有することを特徴とする多色画像形成方法。
  2. 【請求項2】 光熱変換層のレーザー光照射領域に対し
    て、画像記録後の断面積を(a)、画像記録前の断面積
    を(b)としたときに、変形率={(a+b)/
    (b)}×100が110%以上であることを特徴とす
    る請求項1に記載の多色画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記各熱転写シートの画像形成層を前記
    受像シートの受像層上へ転写する順序がブラック、シア
    ン、マゼンタ、イエローの順序であることを特徴とする
    請求項1に記載の多色画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記受像シート上の画像形成層を、本紙
    上で支持体から近い順にイエロー、マゼンタ、シアン、
    ブラックの画像形成層となる順序で本紙転写されること
    を特徴とする請求項に記載の多色画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記各熱転写シートの画像形成層及び前
    記受像シートの受像層の水に対する接触角が7.0〜1
    20.0°の範囲にあることを特徴とする請求項1〜
    のいずれかに記載の多色画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記各熱転写シートの画像形成層の光学
    濃度(OD)と層厚(μ単位)の比OD/層厚が1.8
    0以上であり、前記受像シートの水に対する接触角が8
    6°以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれ
    かに記載の多色画像形成方法。
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