JP3426236B2 - 電気泳動のための分離媒体 - Google Patents
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Description
(バイオポリマー)の電気泳動分離のための篩媒体に関
する。
メディカル研究において広範囲な応用があることが見出
されている。CEの範囲及び複雑さは迅速に増大してい
る。CEは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のような
確立したクロマトグラフィー法を用いるものより実質的
に良好な分析分離を発揮することができる。従来の電気
泳動法の分離のモードは遅くて、労働集約型の、比較的
再現性に乏しい傾向にあり、定量性能も限られたもので
ある。さらに、工程を完全に自動化することが困難であ
った。キャピラリー電気泳動の最大の利点は、完全に自
動化できることであり、高分解能を提供し、及びごく少
量のサンプルでも定量することができることにある。こ
のことはグッツマン(N.A.Guzman)、ヘルナンデス(L.
Hernandez)、及びテラベ(S.Terabe)のAnalyticalBio
technology、第1章(ホーベイス(C.Horvath)及びナ
イクリー(J.G.Nikelly)編、ACSシンポジウムシリー
ズ、ACS、ワシントン、DC(1990))に概説されてい
る。これらの能力は従来の電気泳動法の能力を大きく越
えるものである。
れている。それには有機及び無機の陰イオン及び陽イオ
ン、並びに薬物、染料、及びそれらの前駆体、並びにビ
タミン、炭水化物、カテコールアミン、アミノ酸、タン
パク質、及びペプチド、並びに核酸、ヌクレオチド、及
びオリゴヌクレオチドが挙げられる。ガスクロマトグラ
フィー、超臨界流体クロマトグラフィー、及び液体クロ
マトグラフィーと比較して、CEは応用できる分子量範囲
の点から鑑みて、最もよい分離技術である。同じカラム
種で遊離したアミノ酸から複雑な分子マトリクスを有す
る大きなタンパク質までの範囲を分離することができ
る。
CEの方が質量感度がよい。しかし、オープンCEカラムで
生物巨大分子の複雑な混合物を解析する初期の試みで
は、がっかりさせられるものであった。未処理の溶融シ
リカキャピラリーを用いると、そのキャピラリーの壁面
に多くのタンパク質が吸着するため、複雑なタンパク質
の巨大分子の場合には重大な問題が生じる。オリゴヌク
レオチドの場合、好ましくない質量:電荷比のために大
量の混合物成分の共移動(comigration)を伴いがちで
ある。
キャピラリーの開発であった。著しく高い分離効率がゲ
ル充填CEによって得られた。核酸とSDS−変性タンパク
質との混合物を電気泳動分離する際のサイズ選択を達成
するために、架橋ゲルマトリクスが用いられた。しか
し、キャピラリーに均一な応力なしのゲルを機械的な作
業で調製するのは、重合誘導収縮及びキャピラリー内で
泡が発生するために困難である。
非架橋ポリアクリルアミド、又は(ヒドロキシエチル)
セルロース(HEC)のようなからまったポリマーの溶液
を巨大分子篩媒体として試験した。このことがグロスマ
ン(P.D.Grossman)及びソアネ(D.S.Soane)のBiopoly
maers、31巻、1221頁(1991年);グロスマン(P.D.Gro
ssman)及びソアネ(D.S.Soane)のJ.Chromatography、
559巻、257頁(1991年);ボード(M.J.Bode)のFEBS L
ett.、65巻、56頁(1991年);チュ(M.Zhu)、ハンセ
ン(D.L.Hansen)、バード(S.Burd)、及びギャノン
(F.Gannon)のJ.Chromatography、480巻、311頁(1989
年);チン(A.M.Chin)及びコルバーン(J.C.Colbur
n)のAm.Biotech.Lab.、7巻、16頁(1989年);ティー
ツ(D.Tietz)、ゴットリープ(M.M.Gottlieb)、ファ
ウセット(J.S.Fawcett)、及びクラムバッハ(A.Chram
bach)のElectrophoresis、7巻、217頁(1986年)に報
告されている。このアプローチは各々の分析後に分離キ
ャピラリーの充填及び洗浄を簡単になすことができ、ゆ
えに前の分析からの汚染の可能性を回避できる。しか
し、キャピラリー内のからまったポリマーの溶液は架橋
ゲルと比較して分解能及び再現性が劣る。
のキャピラリー電気泳動(CE)の分解能は、多分篩ポリ
マー及び検体分子の適当なタイムスケールの結果とし
て、大きな検体分子(analyte molecules)に対しては
良好ではない。メッシュ内の検体分子の滞留時間(又は
経過時間)は、検体のサイズ及び電気泳動移動度、網目
構造のメッシュサイズ、並びに掃引される電界強度によ
って制御される。からまりの寿命、即ちメッシュを形成
するストランドの移動度は網目構造を構成する巨大分子
の網目構造集結度、長さ、及び濃度に依存する。高い分
解能を達成するには、からまったポリマー溶液の緩和時
間を検体分子の滞留時間より桁違いに大きくなければな
らない。
よってDNAを分離するヒノ(T.Hino)のMS Thesis、カリ
フォルニア大学バークレー校(1991年)によって報告さ
れた例によって具体的に示されているが、この条件は典
型的なCE応用には必ずしも必要ではない。この例では、
ポリアクリルアミドのスロー−モードの緩和時間はから
まった溶液に対して5.9×10-4秒(T3%、25℃)あり、
架橋系に対しては4.0×10-3(T3%、25℃)であった。D
NAの典型的な滞留時間は文献(グロスマン(P.D.Grossm
an)及びソアネ(D.S.Soane)のBiopolymers、31巻、12
21頁(1991年);グロスマン(P.D.Grossman)及びソア
ネ(D.S.Soane)のJ.Chromatography、559巻、257頁(1
991年);スドール(J.Sudor)、フォレット(F.Fore
t)、及びボセック(P.Bocek)のElectrophoresis、12
巻、1056頁(1991年))から概算できる。即ち、2つの
極端な状態(オグストン(Ogston)とバイアスをかけた
レプテーション(reptation))が次のものの間の滞留
時間と仮定する。
粒子として挙動する(オグストンモデル)ことを意味
し、大きな電界の影響下のレプテーションでは、溶質は
より伸びたものになり、その動きは蛇が網目構造中を通
り抜けるように動く。DNAの計算した滞留時間の限界は
次の通りである。30塩基対の場合は1.5×10-5秒から1.8
×10-4秒であり、100塩基対の場合は1.5×10-5秒から8.
2×10-4秒である。100塩基対の計算した滞留時間は、3.
3Åの塩基対あたりの流体力学直径に基づく30塩基対の
データから外挿した(シュミッツ(K.S.Schmitz)、An
Introduction to Dynamic Light Scattering by Macrom
olecules、Academic Press、NY(1990年);ブランフィ
ールド(V.A.Branfield)、弟10章、Dynamic Light Sca
ttering、Plenum Press,NY(1985年))。この結果か
ら、からまったポリマーの緩和時間及びDNAの滞留時間
は非常に近いことがわかる。ゆえに、からまったポリマ
ーを用いて高分子量のDNAにはシャープな分解を期待で
きない。検体がメッシュを完全に通り抜ける前に篩媒体
を包含する網目構造は失敗する。
で、比較的再現性が乏しく、制限された定量的な能力し
か有していない。また、操作を完全に自動化したものに
するのも困難である。CEはこれらの問題の解決法を提供
する望みがある。しかし、篩媒体を選択するのは困難で
ある。オープンCEカラムはキャピラリーの壁に多くのタ
ンパク質を吸収する。架橋ゲル充填CEはキャピラリーに
均一な応力なしのゲルを調製する機械的作業における問
題によって、即ち、重合により収縮が誘導され、キャピ
ラリー内に泡が発生するために、複雑である。キャピラ
リー内のからまったポリマー溶液は分解能及び再現性が
乏しい。これら全ての問題が、スラブゲル電気泳動に加
えて他の電気泳動の構造にも見いだされた。
方法及び媒体組成を提供すること、特にキャピラリーゲ
ル電気泳動によって提供することにある。
からまった溶液の分解能及び再現性を改良する方法及び
手段を提供することにある。
にDNA及びタンパク質のシーケンサーを含む関連する電
気泳動技術のための新しいクラスの分離媒体、並びにそ
れらの調製方法及び利用を提供することにある。
気泳動装置の充填及び洗浄方法を開発し、ゲル充填及び
からまったポリマー溶液充填系を組合せて、高い分解
能、充填及び洗浄の容易性、キャピラリー及び装置の再
利用などを図った。2つの異なるアプローチ、即ち化学
的架橋と物理的架橋を用い、装置の再利用のために容易
に充填及び洗浄できる、高い分解能を有する安定した系
を作製した。他の態様として、網目構造は高分子電解質
で形成され、得られるイオン媒体は電荷していない媒体
と比較して高い分解能を達成する。
る。ゲルの特性は浸透圧、温度、溶媒組成、及び膨潤の
度合で表されるゲル状態に依存する。架橋ゲル粒子は、
逆乳化重合、沈澱重合、又は標準懸濁重合によって調製
される。これらの方法により形成したゲル粒子は、300
Å−500Åといった小さいものからミクロン程度又はミ
クロンの十から百倍の大きさとしてもよい。有限架橋ゲ
ル網目構造サイズの最適範囲は、ゲルの膨潤比及びキャ
ピラリーの直径に依存する。ゲル粒子の水溶性媒体は、
さまざまなpH及びイオン強度を有する緩衝溶液、又は特
定の用途のための精製脱イオン水とすることができる。
キャピラリーに充填するための懸濁液中のゲル粒子の最
適な装填は、ゲル粒子を有する懸濁液の粘度、及び膨潤
/解膨潤の程度によって決定される。一般に、使用のた
めの手順には、1)キャピラリー充填、2)膨潤及び測
定、並びに3)粒子の解膨潤及びキャピラリー洗浄の工
程が含まれる。ゲル粒子の膨潤は、溶液の温度変化、p
H、及びイオン強度、並びに、解膨潤のための電場及び
イオンに影響を受け得る。
る。第1には、親水性モノマーと疎水性モノマーを共重
合することが挙げられる。普通の条件下で、共重合体は
線状、かつ非会合であり、いくらかからみ合いがある可
能性がある。しかし、溶媒の条件、例えば溶液の温度及
びイオン強度(又はpH)を変化させることによって、共
重合体の疎水性領域を凝集させ、共重合体が架橋系のよ
うな挙動を示す。このように、溶液の温度、pH、及びイ
オン強度を変化させることにより充填、測定、及び洗浄
をすることができる。第2に、1価イオンと2価イオン
とを交換することにより、即ち、緩衝液の電気泳動によ
り、架橋するか又は解離している共役機能基(イオン化
した基)を含む篩媒体を製造することができる。
の一般のクラスの他のメンバーも分離媒体として用いる
ことができる。充填には電界ゼロ、静水誘導流体流も含
まれる。分析の際、電界をオンにすると液体は静止した
固体になる。測定後、電界がオフになると媒体は再度液
体となり、洗い流すことができる。
4、5、6、7、及び8での換算温度に対する膨潤比及
び体積フラクションのグラフである。
B)、並びに、解膨潤及びキャピラリー洗浄(図2C)の
概要図である。
濁液の粘度のグラフである。
積フラクションに関するゲル膨潤比(V/V0)のグラフで
ある。白丸は25℃アセトン;黒丸は15℃アセトン;白四
角はエタノール;及び黒四角は15℃エタノールである。
線は親水性ポリマーであり、太線は疎水性ポリマーであ
る。影の部分は疎水性塩析現象を通して物理的に結合し
た領域を示している。
である。図6Aは解離した状態であり、図6Bは会合した状
態である。
ある。白抜き印(RB)は緩衝溶液(0.025M トリス−HC
l+0.192Mグリシン+0.1%ドデシル硫酸ナトリウム)中
の(V/V0)である。黒の印(RW)は脱イオン水中の(V/
V0)である。四角はpH3、丸はpH4.5、三角はpH12.1であ
る。
ある。白抜き印(RB)は緩衝溶液(0.025M トリス−HC
l+0.192Mグリシン+0.1%ドデシル硫酸ナトリウム)中
の(V/V0)であり、黒の印(PW)は脱イオン水中の(V/
V0)である。四角は25℃、丸は45℃、三角は15℃であ
る。
に、従来のスラブ及び他のタイプの電気泳動に用いるた
めに開発された。架橋は化学的手段又は物理的手段のい
ずれによっても達成される。媒体は簡便に充填及び洗浄
するために折りたたみ又は収縮するように選択され、測
定の際すべての気孔を充填するように膨潤する。これ
は、ゲルが懸濁している緩衝液、もしくは、温度、イオ
ン強度、pH、イオンの存在又は不存在、溶媒組成、もし
くはそれらのうちのいくつかの組合せを選択することに
より達成される。
成できる。例えば、ポリマーの緩和時間がDNAの滞留時
間と比較して桁違いに大きくなる。結果として、架橋系
はからまったポリマー溶液系と比べてはるかによい分解
能を示す。
用の点で重大な非簡便性を被っている。これらの問題を
化学的架橋又は物理的架橋のいずれかを用いることによ
り克服する。
加させることにより、篩媒体のメッシュサイズを変化さ
せることができる。しかし、ゲル膨潤比が高いことが必
要である。T%及びC%が増加すれば、ゲル膨潤比が低
くなる。よって、高分解能を達成するためにはC%(又
はT%)を増加しなければならず、ゲル膨潤比が高くす
るにはC%(又はT%)を減少させなければならない。
これを高分子電解質を用いて達成する。篩媒体として負
に荷電したゲルを調製することができ、例えば濃度80%
のアクリルアミドを濃度20%のアクリル酸ナトリウム、
及び架橋剤から調製できる。負に荷電したメッシュは静
電反発のために負に荷電した検体に対してさらに制限さ
れた障壁を有する。同様のメカニズムが正に荷電した検
体にも生じる。タンパク質及びDNAは負に荷電している
ので、負に荷電した高分子電解質(アクリル酸ナトリウ
ム)を用いることにより、篩媒体の有効なメッシュサイ
ズを低下させ、分解能を高められる。同時に、イオンゲ
ルは一般のゲルと比較して膨潤比が大きい。
る。その特性はそれらの2つの成分の相互作用に大きく
依存する。液体はポリマー網目構造をコンパクトな質量
に折りたたむのを妨げる一方、網目構造は液体を保持す
る。ゲルはその平衡特性、動作特性、及び運動特性によ
って特徴付けられる。これらの特性は浸透圧、温度、溶
媒組成、及び膨潤の度合によって表されるゲル状態に依
存する。相境界からゲル状態の距離はすべての特性に大
きく影響する。ポリマーゲル中の相転移が最近見いださ
れた。ゲルの状態は外部の条件に基づいて劇的に変化す
る。圧縮率はある臨界温度では無限大になり(ゲルは50
0と同じくらい多くの要因によって膨潤するか又は収縮
する。)、温度に依存する。ある定まった条件下で、膨
潤又は収縮が不連続となり、ゆえに温度の小さな変化に
よってゲル体積に大きな変化を及ぼす。そのような転移
は溶媒組成、pH、又はイオン組成を変化させることによ
っても影響を受け得る。
度、温度、及び溶媒組成に関連する(フローリー(P.J.
Flory)のPrinciple of Polymer Chemistry、コーネル
大学出版、イサカ、NY(1953年);デュセック(K.Duse
k)及びパターソン(D.Patterson)のJ.Poly.Scinece、
Part A−2、6巻、1209頁(1968年);及び、タナカ
(T.Tanaka)らのPhys.Rev.lett.、45巻、1636頁(1980
年))。ポリマー網目構造に作用する3つの圧力があ
る。対イオンの陽圧、ポリマーストランド中の親和性に
よる陰圧、及び網目構造を穏和な拡張に保持するゴム弾
性である。ゲルの相平衡はフローリー−ハギンズ(Flor
y−Huggins)の誘導を用いて述べることができる。
度;vは溶媒のモル体積;φはポリマー網目構造の体積フ
ラクション;ΔFはポリマーセグメント間に接触が形成
するのに伴う自由エネルギー減少;φ0は成分ポリマー
鎖がランダム構造を有する条件での網目構造体積フラク
ション;nはφ=φ0での単位体積あたりの成分鎖の数;
及び、fは有効ポリマー鎖あたりの解離した対イオンの
数である。平衡において、即ち上記の式を次の式のよう
に表すことができる。
度の関数としての平衡膨潤比の計算値を示す。図1に示
されているように、アクリルアミド基の少量が加水分解
することにより転移における折りたたみのサイズに劇的
な変化を生じる。式2のln(1−φ)項をφ3のオーダ
ーまで拡張すると、式2は次のようになる。
続であるかによって決まる。このパラメータはつぎのよ
うに解釈することができる。有効ポリマー鎖は半径a及
び連続長bである自由に結合したセグメントから成る。
溶媒分子の体積をa3と仮定する。ポリマーセグメント間
で相互作用を無視するという仮定の下で、鎖の末端から
末端までの距離はR≒n1/2bである。Rは隣接架橋間
の平均距離であるので、v≒a2/R3、φ≒nba3/R3とな
る。ゆえに、Sは次のように表すことができる。
aの比(b/a)(これは鎖の剛性を示す)に依存するこ
とがわかる。ゆえに、ゲルの膨潤比を大きくするため
に、成分ポリマー鎖は十分な剛性、又はイオン化した基
を十分な数有していなければならない。イオン化した基
の対イオン及びポリマー鎖の剛性の双方により浸透圧が
増加し、ポリマー網目構造を拡張するのに作用し、その
結果として不連続な体積変化となる。
組成の変化によって誘導することができる。そのような
挙動は図1に示した理論曲線によって説明することがで
きる(f値はpHと共に変化する)。イオン強度の変化も
相転移を誘導する。
は、充填/洗浄又は分解能再現性、キャピラリー再利用
のいずれかにおいて不利である。これらの問題は、サブ
ミクロン又はより大きなサイズの球状の形態の架橋ゲル
を逆乳化重合、沈澱重合、又は標準懸濁重合を用いて調
製することによって克服することができる。
するが、非極性液体には溶解するとしてもほんの少しし
か溶解しない不均一重合系を包含するのに用いられる。
このように、逆乳化重合ではウォーター−イン−オイル
(water−in−oil)エマルジョンの形成を促進する界面
活性剤を用いて親水性モノマーの水溶液を連続疎水性媒
体に分散する。その後、油溶性又は水溶性のいずれかの
開始剤を用いて重合が開始される。過酸化ジベンゾイル
及び過酸化ジラウロイルが代表的な油溶性開始剤であ
る。ソルビタンモノステアレートは本願で好適なウォー
ター−イン−オイル乳化剤である。
エンのような好適な有機溶媒に乳化剤を溶解し、水溶性
モノマー溶液を攪拌しながら加えることによってエマル
ジョンを形成する。粗エマルジョンは均質化され平均滴
サイズを減少し、エマルジョン安定性を増加する。エマ
ルジョンを攪拌しながら40℃から70℃まで加熱し、重合
を生じさせる。完全に転化するのに必要な時間は数分間
から数時間までさまざまである。この方法により形成し
た粒子は300Å程度と小さく、加えた界面活性剤の量に
依存する。粒子を脱イオン水で数時間遠心分離して洗浄
した。
要がある。例えば、水溶性溶媒中のポリ−N−イソプロ
ピルアクリルアミド(ポリ(NIPAM))の最低臨界溶液
温度(LCST)は約32℃である。よって、重合の際、重合
温度が32℃より高い場合、沈澱するであろう。表1に、
水溶性溶媒中のポリ−NIPAMと同様の他の系であって、
そのLCSTが既知であるものを示す。
を冷却器、窒素注入口、及び攪拌器を備えた三角フラス
コ中の水に溶解する。窒素を溶液にバブルして温度を70
℃に制御する。過硫酸カリウムを開始剤として用いるこ
とができる。その後、ゆっくりと攪拌しながら反応を24
時間続ける。得られる微小球を遠心分離して懸濁溶媒か
ら分離する。それを水に再分散してその後数回遠心分離
して純度を上げる。微小球のサイズは500Åと同じほど
小さいか、又は攪拌条件に依存して大きいかである。即
ち、混合物を速く攪拌すれば、微小球は小さくなる。
チルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N
−ベンジルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアク
リルアミド、N,N'−ジエチルアクリルアミド、N−ドデ
シルメタクリルアミド、N−イソボニルアクリルアミ
ド、N−メチルメタクリルアミド、ジアセトンアクリル
アミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アク
リルアミド、メタクリルアミド、及び(1−ナフチルメ
チル)メタクリルアミドが挙げられる。次のものは架橋
剤として用いることができる。N,N'−ビス(1,2−エチ
レン)ジメタクリルアミド、N,N'−エチレンビスアクリ
ルアミド、N,N'−ヘキサメチルビスアクリルアミド、N,
N'−メチレンビスアクリルアミド、N,N'−メチレンビス
メタクリルアミド、N,N'−ノノメチレンビスアクリルア
ミド、N,N'−オクタメチレンビスアクリルアミド、N,N'
−(イソプロピリデン)ビスアクリルアミド、N,N'−ト
リメチレンビスアクリルアミド、ピペラジンジアクリル
アミド、N,N'−ビスアクリリルシスタミン、及びN,N'−
ジアリル酒石酸ジアミドである。このとき、最も好まし
いモノマーアクリルアミド及びアクリル酸ナトリウムで
ある。他のモノマー及び架橋剤が当業者に知られてお
り、上記でリストアップしたものの代わりに用いること
ができる。
注入した、即ち真空で1ミクロンのサイズより小さいフ
ィルタを通して引くことで注入した。図2Aにこれを示
す。注入の際に粒子は折りたたまれた状態にあることを
書き添える。有限架橋ゲル網目構造サイズの最適範囲は
ゲル膨潤比及びキャピラリーの直径に依存する。キャピ
ラリーの直径は普通50μmから100μmで変化する。ゲ
ル膨潤平衡データから、水溶性媒体中の微小球の数密度
を予想できる。この水溶性媒体は緩衝溶液又は脱イオン
水であってもよく、充填するキャピラリーに対する懸濁
液中の特定の粒子に依存し、懸濁液(粒子を有する)の
粘度及び膨潤/解膨潤の量によって決定する。
を示す。粘度は次のように表すことができる。
度、φは充填剤の体積フラクション、nsは溶媒の粘度、
KEは形状のファクターである。粒子が球形であると仮定
するならば、KE=2.5である(アインシュタイン(Einst
ein)の式)。
続体積変化より上の相領域に制御されるべきであり、そ
れによって粒子を折りたたんだ状態にすることができ
る。ゲルの膨潤比を知ることにより、粒子の数密度及び
サイズを決定することができる。折りたたまれた粒子よ
り小さい孔サイズのフィルタをキャピラリーの末端に置
き、懸濁している液体のみを通過させることができる。
図2Aにこれを示す。
積変化領域より上に上げるべきであり、それによって粒
子は膨潤する。図2Bに示されているように、全粒子体積
は粒子がお互いにぶつかり合って連続相となるようなも
のである。結果として、キャピラリーは粒子のみで充填
され、他の気孔は含まれない。
段階で、温度はキャピラリー充填段階で用いられた温度
に変化して粒子を折りたたんだ状態にする。
法で達成できる。イオン性ゲルの可逆性膨潤及び収縮
は、相転移でのイオン化の本質的な役割と矛盾しないpH
及びイオン組成によって影響を受ける。pHを変化させる
か又は塩イオンを溶媒に加えるかすると、イオン性浸透
圧が変化するのと同時に、対イオンの有効数が変化す
る。pH又はイオン濃度が大きくなるとゲルはより膨潤す
る。イオン組成が変化によっても相転移が誘導される。
転移のために必要な濃度は、1価のNaClと2価のMgCl2
とでは4倍違う。解膨潤を達成するのに互いに作用する
パラメータの組合せを用いることもできる。例えば、温
度をゲル球が収縮する点まで変化させ、その後、緩衝溶
液を電気泳動によって低いpH又は低いイオン濃度を通す
ことができる。よって、ゲル球はさらに収縮し、分離装
置(キャピラリースラブ又は環)から簡単に洗い流すこ
とができる。これは図2Cに示される。
モノマーとともに、アセトン、メタノール、又はエタノ
ールのようなケトン又は低級アルコールをキャピラリー
に注入すると粒子は最小のものに折りたたまれ、簡単に
洗浄することができる。
る。1つは、親水性及び疎水性モノマーを共重合してブ
ロック構造又はグラフト構造にして、緩衝溶液の温度及
びイオン強度を変化させることにより疎水性領域を物理
的に結合すること、及び、分離することができる。2つ
めとして、電気泳動によって2価のイオンを1価のイオ
ンに交換して、共役機能基を含む篩媒体を架橋結合又は
解離させることができる。
いて、細線は親水性領域を示し、太線は疎水性領域を表
している。普通の条件下で、共重合体は線状である(図
5A参照)が、温度及びイオン強度(又はpH)などの溶媒
条件を変化させることによって、疎水性領域が凝集し、
共重合体は架橋系(図5B参照)のような挙動を示す。こ
のように、ポリマー分子が分離され、容易に流動できる
ある温度、イオン強度、及びpHでキャピラリーを充填す
る。その後、温度及び/又はイオン強度及びpHを変化さ
せることにより、系は物理的に架橋される。分析後、こ
れらの条件をキャピラリーが充填される条件に再度変化
させることによりキャピラリーを容易に洗浄することが
できる。
価イオンとの交換、例えば緩衝液の電気泳動によるもの
を利用するものであり、共役機能基を含む篩媒体を架橋
結合又は解離するものである。図6A及び図6Bにこの工程
を例示する。
おいて亜鉛2価イオンを含む緩衝液を加えると、ナトリ
ウム塩と置換されポリマーを架橋結合する。
属キレート化合物が挙げられる。架橋結合は、それぞれ
キレート剤又は金属イオンを導入することによって達成
する。
理解されるであろう。但し、本発明はこの実施例に限ら
れるものではない。
ルジョンの形成を促進する界面活性剤を用いて、親水性
モノマーの水溶性溶液を連続的な疎水性油媒体に分散す
る。その後、油溶性又は水溶性のいずれかの開始剤で重
合を開始する。反応の最終生成物に関する限り、逆ラテ
ィスはより層別化しないか又はより容易に凝集するとい
うことがわかる。これらのラティスを無限にコロイド分
散に維持するために連続かつゆっくりとした攪拌が必要
となる。
メチレン−ビス−アクリルアミドを架橋剤として用い、
T10C2溶液を調製した。ここでT%及びC%は次のもの
である。
いた。o−キシレン7mlにSMSを0.875g溶解し、T10C2溶
液(水溶性モノマー溶液)を約3時間から4時間攪拌し
ながら加えることによってエマルジョンが生成した。重
合の際、温度を約50℃に制御した。粗エマルジョンを均
一化して、平均滴サイズを減少させエマルジョン安定性
を増加させた。
離することにより洗浄することとしてもよい。ゲル粒子
は単一分散ではないが、それらを濾過することによりあ
るサイズ範囲、例えば1μのフィルタを用いることによ
り、1μより小さい粒子を収集することができる。
う。次の試薬を組み合わせた。
衡の変化 環境条件、即ち温度、pH、溶媒を変化させることによ
りゲル膨潤平衡を変化させることができる。ガラス管
(ID=6.4mm)にキャスティングすることによりゲルデ
ィスクを調製した。ゲルディスクの寸法は直径約6mmで
厚さ約13mmであった。ゲルディスク調製後、表面の水を
除去するのに実験用ティッシュペーパーで各々のサンプ
ルを吸い取り、重さを測定した。膨潤したゲルと調製し
たゲルとの質量比から膨潤能を決定した。キャスト(乾
燥ゲルではない)時のゲルの体積をV0で示す。
径及び長さも測定した。10%T及び2%Cで調製したア
クリルアミド/N,N'−メチレン−ビス−アクリルアミド
ゲルの特性を図4、図7、及び図8に示す。
又はアセトンの濃度が増加すると共に減少し、1.2−1.4
から0.2−0.3に減少したことがわかる。
関数として減少したことがわかる。
Claims (21)
- 【請求項1】容易に流動できるが電気泳動用ゲルとして
は効果的ではない第一の状態から、電気泳動用ゲルとし
て有用である第二の状態へ可逆的に進むことができる電
気泳動媒体を有する電気泳動装置であって、前記媒体が
以下の(1)又は(2)のいずれかを含有する、前記電
気泳動装置。 (1)前記媒体が第一の状態にあるときは実質的に互い
に独立しているポリマー分子であって、前記媒体が第二
の状態にあるときは可逆的に架橋するか又は凝集して連
続ゲルを形成する前記ポリマー分子;又は (2)前記媒体が第一の状態にあるときに一緒に充填し
た場合、ポリマー間に空隙を有する架橋ポリマーの離散
した粒子であって、前記媒体が第二の状態にあるときに
膨張して互いに隣接して連続ゲルを形成する前記架橋ポ
リマーの離散した粒子。 - 【請求項2】前記媒体が離散した粒子である請求項1記
載の装置。 - 【請求項3】第二の状態における前記媒体が可逆的に架
橋したか又は凝集したポリマー分子を含有する請求項1
記載の装置。 - 【請求項4】前記媒体が架橋したポリマーゲルを含有す
る請求項3記載の装置。 - 【請求項5】前記ゲルが化学的に架橋している請求項4
記載の装置。 - 【請求項6】前記ゲルが物理的に架橋している請求項4
記載の装置。 - 【請求項7】前記媒体が、スラブ又はキャピラリーの形
態である請求項1記載の装置。 - 【請求項8】前記可逆的に架橋したか又は凝集したポリ
マー分子が、疎水性モノマーと親水性モノマーとのブロ
ック共重合体又はグラフト共重合体である請求項1記載
の装置。 - 【請求項9】前記ポリマー分子が金属イオン又はキレー
ト剤との相互作用により架橋している請求項8記載の装
置。 - 【請求項10】前記ポリマー分子が荷電している請求項
8記載の装置。 - 【請求項11】前記媒体が、温度変化、イオン強度変
化、pH変化、金属イオン又はキレート剤の存在又は不存
在の変化、溶媒組成変化、電界の適用又はこれらの組合
せにより、第一の状態から第二の状態に進む、請求項1
〜3又は請求項8のいずれか1項記載の装置。 - 【請求項12】以下の工程: 第一の状態と第二の状態とが可逆的である媒体を、該媒
体が容易に流動可能であるが、電気泳動用ゲルとしては
効果的ではない第一の状態で、前記ゲル保持部に導入す
る工程;及び 温度変化、イオン強度変化、pH変化、金属イオン又はキ
レート剤の存在又は不存在の変化、溶媒組成変化、電界
の適用又はこれらの組合せにより、前記媒体を、第一の
状態から、該媒体が電気泳動用ゲルとして有用である第
二の状態に変化させる工程; を含むゲル電気泳動装置用ゲル保持部の充填方法であっ
て、 ここで、前記媒体は、(1)前記第一の状態が、実質的
に互いに独立しているポリマー分子を含有する流動可能
な媒体であり、前記第二の状態が、可逆的に架橋するか
又は凝集して連続ゲルを形成する、ポリマー分子;又は
(2)前記第一の状態が、充填したときポリマー間で空
隙を有する架橋したポリマーの離散した粒子を形成し、
前記第二の状態が、膨張して互いに隣接して連続ゲルを
形成する前記離散した粒子、のいずれかを含み、 そのようにしてゲル保持部をゲル電気泳動で使用する準
備を整える、 前記方法。 - 【請求項13】前記変化が、温度変化、pH変化、金属イ
オンの存在又は不存在、又は溶媒組成の変化の結果であ
る請求項12記載の方法。 - 【請求項14】前記第二の状態が、温度変化、pH変化又
は溶媒変化により空隙なく製造される請求項13記載の方
法。 - 【請求項15】前記ゲル保持部において第二の状態の電
気泳動媒体でサンプルを分析する工程をさらに有する請
求項14記載の方法。 - 【請求項16】第二の状態から第一の状態へ前記電気泳
動媒体を変化させる工程をさらに含有する請求項15記載
の方法。 - 【請求項17】第一の工程が離散した粒子を含む請求項
12記載の方法。 - 【請求項18】第一の状態が、実質的に互いに独立した
ポリマー分子を含有する請求項12記載の方法。 - 【請求項19】前記ゲル保持部がスラブ保持部又はキャ
ピラリー保持部である請求項12記載の方法。 - 【請求項20】前記可逆的に架橋したか又は凝集したポ
リマー分子が、疎水性モノマーと親水性モノマーとの、
ブロック共重合体又はグラフト共重合体である請求項12
記載の方法。 - 【請求項21】前記可逆的に架橋したポリマー分子が、
金属イオン又はキレート剤により架橋している請求項12
記載の方法。
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