JP3426031B2 - 水素ガスを含む雰囲気ガスを使用する熱処理炉の区画出入口のシール装置 - Google Patents

水素ガスを含む雰囲気ガスを使用する熱処理炉の区画出入口のシール装置

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JP3426031B2
JP3426031B2 JP14578594A JP14578594A JP3426031B2 JP 3426031 B2 JP3426031 B2 JP 3426031B2 JP 14578594 A JP14578594 A JP 14578594A JP 14578594 A JP14578594 A JP 14578594A JP 3426031 B2 JP3426031 B2 JP 3426031B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼帯の如き
金属帯をその表面に酸化被膜を生成させない状態で光輝
焼鈍したり歪取り焼きなまししたりする熱処理を行うた
めに水素ガスを含み還元性を有する易燃性雰囲気ガスを
使用する熱処理炉の区画出入口にあって、弾性回転ロー
ルをフエルト等の弾性パッド(以下、弾性シールパッド
と称する)と金属帯とに押し付けてかかる雰囲気ガスを
外気と遮断するシール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼帯の如き金属帯をその表面
に酸化被膜を生成させない状態で光輝焼鈍したり歪取り
焼きなまししたりする熱処理を行うための熱処理炉は、
その内部に、例えば水素ガス75%と窒素ガス25%と
の混合ガスの如き水素ガスを含み還元性を有する易燃性
の雰囲気ガス(以下、単に炉内ガスと言うことがある)
が送気されている。
【0003】このような熱処理炉において区画された出
入口である入口部及び出口部の金属帯の通過部分には、
炉内ガスを外気と遮断(以下、シールと称することがあ
る)するためのシール装置が設置されており、このシー
ル装置としては例えば特公昭42−18893号公報に
開示されているように、弾性回転ロールと炉体に固定さ
れたシール金物の表面に固定された弾性シールパッドと
より成る装置が紹介されている。
【0004】以下に、従来の水素ガスを含む雰囲気ガス
を使用する熱処理炉の1例として一般的なステンレス鋼
帯用の竪型光輝焼鈍炉の場合について説明する。図5は
一般的なステンレス鋼帯用の竪型光輝焼鈍炉の概略構造
説明図であり、金属帯Sはデフレクターロールを経由し
て入口側に設けられたシール装置3'を通り、炉体1内
へ入って所定の温度まで加熱された後に冷却され、炉体
1内から出て来る時に出口側に設けられたシール装置
3'を通る。炉体1中には前述した如き水素ガスを含有
する炉内ガス10が常時注入されており、炉内圧力は外気
より10〜50mmH2O程度高い圧力状態に保持されて
いて、炉体1内に空気(酸素)が侵入して炉内ガス10と
混合することが無いように出入口にそれぞれ設けられた
シール装置3',3'から少しずつ外気へ漏れ出すように
操炉されている。
【0005】図6は従来のシール装置における駆動手段
近傍を示す側面説明図、図7は従来のシール装置におけ
るロール押付機構を示す正面説明図である。この図6及
び図7に示す従来のシール装置3'においては、周面が
弾性ゴムで被覆された一対の弾性回転ロール4を、走行
する金属帯Sの表裏面と炉体1に固定されたシール金物
5の表面に固定された弾性シールパッド6の表面とにロ
ール押付機構9の作動力により押し付けて金属帯Sの走
行に追従して回転せしめて炉内ガスを外気からシールす
る構造を成している。この弾性回転ロール4を金属帯S
の表裏面とシール金物5の表面に固定されている弾性シ
ールパッド6の表面とに押し付けるロール押付機構9に
ついて図6及び図7に基づいて簡単に説明する。このロ
ール押付機構9におけるレバー9bは回転中心となる固定
ピン9cに枢着されており、その先端部には弾性回転ロー
ル4の弾性回転ロール軸4aを支持する軸受4bが取り付け
られていて、後端部にシリンダー9aの作動力が加わる構
造となっており、2本で一対の弾性回転ロール4はその
間を通過する金属帯Sの表裏面ヘ押し付けられると同時
にシール金物5の表面に固定された弾性シールパッド6
の表面にも押し付けられて炉体1内が外気と遮断され、
炉内ガスがシールされるのである。
【0006】このような従来のシール装置3'では、一
般に弾性回転ロール4は金属帯Sとの接触面の摩擦抵抗
によってその周速が金属帯Sの走行速度と同速で回転す
るので、特別に弾性回転ロール4を金属帯Sの走行速度
と同速で回転させるようにする回転駆動手段は設けられ
ていない。しかしながら、弾性回転ロール4の押付力が
大きくてロールが偏平化したり、弾性シールパッド6へ
の押付力が大きかったり、金属帯Sと弾性回転ロール4
との間の摩擦係数が変わるなどの何らかの原因で弾性回
転ロール4の周速が金属帯Sの走行速度と同速で回転し
ない状態が発生すると、弾性回転ロール4の周面と金属
帯Sとの間でスリップが生じることになるため、弾性回
転ロール4の摩耗が速くなったり、金属帯Sの表裏面に
カキ疵が発生したり、弾性回転ロール4と金属帯Sとの
間の摩擦抵抗の増大により金属帯Sに作用する張力が増
大することになるため、弾性回転ロール4をその周面が
金属帯Sの走行速度に追従して回転するように回転駆動
せしめる駆動手段7が設けられている場合がある。
【0007】この従来のシール装置3'に設けられてい
駆動手段7としては、図6に示す如く炉体1のフレー
ム2に軸支されている弾性回転ロール4の弾性回転ロー
ル軸4aが、駆動源7aよりの回転動力を減速機7c,カップ
リング7e及び分配機7dにより連結されている動力伝達用
のユニバーサルジョイント7baを介して伝達されるよう
に構成されているものが使用されていた。
【0008】従来の駆動手段7の無い構成においては、
走行する金属帯Sと弾性回転ロール4との摩擦によりこ
の弾性回転ロール4は回転力を与えられ、回転抵抗、即
ち偏平化した弾性回転ロール4の回転に要する力と弾性
回転ロール4を押さえて摺動してシールしている弾性シ
ールパッド6のブレーキ力等に打ち勝って弾性回転ロー
ル4と金属帯Sとがスリップしないように回転しなけれ
ばならない。しかしながら、ロール押付機構9による弾
性回転ロール4の金属帯Sへの押圧力が強すぎると、弾
性回転ロール4の偏平が大きくなるため、出口のシール
装置3'では炉内で金属帯Sを弛ませたり、入口のシー
ル装置3'では炉内張力を大きくして、炉内の金属帯S
の破断の恐れが出るなどの状況が起こる。また、ロール
押付機構9による弾性回転ロール4の金属帯Sへの押圧
力が低すぎると、シール性が悪くなり、炉内ガスがシー
ル装置3'から炉体1外へ余計に漏れ出したり或は遂に
外気が炉体1内に侵入したりして、炉内ガスの消費量が
多くなると共に、漏れ出した炉内ガスの発火の危険性が
高くなり、しかも外気の侵入によって炉体1内の露点が
上昇し酸化性雰囲気になることにより、炉体1内を通板
される金属帯Sを着色させてしまうなど金属帯Sの表面
品質を低下させてしまう等の問題が生じるのである。従
って、適正な押圧力、即ち良好なシール性を有すること
のできる範囲であって、可及的に小さな押圧力で弾性回
転ロール4を金属帯Sと弾性シールパッド6とに押し付
けることが好ましい。
【0009】また、駆動手段7を設けた構成において
は、速度制御方法では、弾性回転ロール4の周速を強制
的に金属帯Sの走行速度に合わそうとする。弾性回転ロ
ール4は押圧力で偏平化しており完全な真円とはなって
いないのであるが、予め制御装置に入力されたロール径
であるとして、金属帯Sの走行速度と同調して回転させ
られる。このため、実際は弾性回転ロール4の径は偏平
のため若干小さくなっており、弾性回転ロール4の押圧
力を強くすればするほど、走行する金属帯Sから回転力
を貰うことになる。また二本の弾性回転ロール4を1個
の駆動源7aから分配して駆動していたので、弾性回転ロ
ール4の金属帯Sへの押圧力による偏平量や弾性シール
パッド6の押圧力や表面状態等で決まる弾性回転ロール
4のロール1本毎の回転抵抗が、通常状態に比べて正常
か異常かを判断することができなかった。つまり弾性回
転ロール4の回転抵抗は、弾性回転ロール4一本毎に異
なり、分配機7dを経由した方式では、駆動源7aをモータ
ーとした場合、供給電流値から二本の弾性回転ロール駆
動の合計必要動力を総括的にしか検出できない。また、
弾性回転ロール4一本毎個別駆動を行う方式であって
も、一般的にモーター回転数を1/10〜1/20に減
速して使用しており、弾性回転ロール4の1回転毎の抵
抗は検出できない。減速機7cを使わずにモーター直結と
すると、トルクが大きくなることでモーターは大型とな
り、しかも炉内ガスが漏れている環境で使用する防爆タ
イプのモーターを使用することから大変高価となり、現
実的でなく一般には用いられていない。
【0010】一方、トルク一定制御方法を用いて弾性回
転ロール4の回転抵抗分を補助駆動し、弾性回転ロール
4を金属帯Sの走行に追従させて回転させる方法もあっ
た。しかしながら、弾性回転ロール4の回転抵抗は弾性
回転ロール4の金属帯Sへの押付力によるロールの偏平
化や弾性シールパッド6の押圧力や表面状態等により大
きく変わり、例えば金属帯Sの板厚が厚ければ押圧力を
大きくするし、薄ければ小さくするといった具合に、そ
の状況毎に必要なトルクが変わるので、常に適正トルク
を与えることは困難である。従って、例えば弾性回転ロ
ール4の回転抵抗分を補助駆動しようとしたとき、駆動
手段7における駆動源の出力が大きすぎて弾性回転ロー
ル4の回転抵抗以上の回転トルクを与えてしまうと、ロ
ール周速を金属帯Sの走行速度より速い状態で回転させ
ようとして、つまり弾性回転ロール4にて金属帯Sを送
り出すように力が働き、出口のシール装置3'の場合、
炉内で金属帯Sが形状を崩したり、切断したりする恐れ
があったりし、逆に入口のシール装置3'の場合、炉内
で金属帯Sの張力が緩むため、金属帯Sに弛みシワや特
に炉体1内での接触疵が発生する恐れがある。また、金
属帯Sと弾性回転ロール4との間の摩擦係数の限度を超
えると、弾性回転ロール4と金属帯Sとの間でスリップ
が生じて、金属帯Sにカキ疵やシワが生じる原因とな
る。また、供給電流が少なく駆動源7aの出力が小さすぎ
ると駆動手段7を設けた意味が無くなる。更に言えば、
駆動源7aの出力が小さすぎて特に金属帯Sを加速してい
るようなときは、加速エネルギーを弾性回転ロール4だ
けでなく、駆動手段7自身の回転抵抗分まで金属帯Sか
ら与えられるような状況となることもあり得る。そうな
れば、出口のシール装置3'では炉内で金属帯Sを弛め
るし、入口のシール装置3'では金属帯Sの炉内張力を
大きくして炉内の金属帯Sの破断の恐れが生じる。
【0011】このように駆動手段7を設けても、従来の
方式では駆動源7aの出力がシール装置3'に対して適正
な力を与えているのかどうかを瞬時に判断することがで
きない。また、シール性を上げるため弾性回転ロール4
表面が軟らかいので、炉内耐火物等が落下した場合、そ
れらの異物が弾性回転ロール4表面に刺さり、弾性シー
ルパッド6と引っ掛かりながら回転する等、シールする
弾性シールパッド6を痛めたり、異物で金属帯Sに圧痕
を付けたりするなど、弾性回転ロール4一本毎について
のロール自体の磨耗・圧痕等によるいたみ具合や安全上
からも、そして走行する金属帯Sの表面品質上からも重
大である不具合な状況が運転中の設備からは判らないの
である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の欠点を解消し、ロール押付機構による弾性回転ロー
ルの金属帯及び弾性シールパッドへの押圧力が適正であ
るか否か、シール装置を構成する各部分の摩擦状態が適
正であるか否か、シール装置を構成する各部分に部分的
な偏摩耗や異物の噛み込み等が存在するか否か、更に弾
性回転ロールを回転駆動せしめるための駆動系が正常に
作動しているか否か等を検出することを可能とし、従っ
て水素ガスを含む炉内ガスを使用する熱処理炉の区画出
入口において炉内ガスの漏れを抑えて弾性回転ロールが
金属帯と弾性シールパッドとに適正に押圧されながら回
転されている状態に維持できる水素ガスを含む炉内ガス
を使用する熱処理炉の区画出入口のシール装置を提供す
ることを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる課題
を解決すべく鋭意検討した結果、水素ガスを含む雰囲気
ガスを使用する熱処理炉の出入口シール部に設けられて
おり、一対の弾性回転ロールを走行する金属帯の表裏面
と炉体に固定されたシール金物の表面に固定された弾性
シールパッドの表面とに押し付けて金属帯の走行に追従
して回転せしめて炉内雰囲気ガスをシールするシール装
置において、各弾性回転ロールを金属帯の走行速度に追
従して回転されるように駆動源よりの動力伝達され
伝達軸を介して、各弾性回転ロールに駆動手段が連結さ
れており、各弾性回転ロールと該駆動手段の駆動源との
間に各弾性回転ロール軸に伝達するトルクを検出するト
ルク検出器が設けられていれば、このトルク検出器によ
り正常状態の必要なトルクを検出しておいて、弾性シー
ルパッドや弾性回転ロール交換後等の状況が変わった時
の調整後の確認をすることができ、運転中は検出するト
ルクからロール押付機構による弾性回転ロールの金属帯
及び弾性シールパッドへの押圧力が適正であるか否か、
シール装置を構成する各部分の摩擦状態が適正であるか
否か、シール装置を構成する各部分に部分的な偏摩耗や
異物の噛み込み等が存在するか否か、更に弾性回転ロー
ルを回転駆動せしめるための駆動系が正常に作動してい
るか否か等を常時確実に検出することが可能となり、前
述の如き炉体内やシール装置における不具合とか危険な
状態や走行する金属帯の品質上問題となる状態を即時に
判断でき、早めの対応を採ることができることを究明し
て本発明を完成したのである。
【0014】以下、図面により本発明に係る水素ガスを
含む炉内ガスを使用する熱処理炉の区画出入口のシール
装置について詳細に説明する。図1は本発明装置の1実
施例を示す側面説明図、図2は同平面説明図、図3は本
発明装置の他の実施例を示す図2に相当する平面説明
図、図4は本発明装置に好ましく使用されるトルク検出
器の構造を説明する構造説明図である。
【0015】図面中、1は金属帯Sの表面に酸化被膜を
生成させない状態でステンレス鋼帯の如き金属帯Sを焼
鈍したり歪取り焼きなまししたりする熱処理を行うため
の水素ガスを含む還元性の炉内ガスを使用する熱処理炉
の炉体であって、この炉体1内には前記還元性であって
易燃性の炉内ガスが供給されて外気より10〜50mmH
2O程度高い圧力状態に保持されている。2は炉体1の
炉内ガスを使用される区画の出入口のフレームであり、
後述する弾性回転ロール4の弾性回転ロール軸4aを挿通
させてこの弾性回転ロール4を金属帯Sに押し付ける位
置と金属帯Sから離れた位置とに移動せしめるためのロ
ール押付機構9が取り付けられている。
【0016】3は前記炉内ガスを使用される区画の入口
部及び出口部にそれぞれ設けられている本発明に係るシ
ール装置であって、炉体1のフレーム2に固定されたシ
ール金物5の表面に固定された弾性シールパッド6と、
金属帯Sの幅方向両側方に位置するフレーム2に枢着さ
れており弾性シールパッド6の表面と金属帯Sの表裏面
とに押し付けられて炉内ガスをシールする一対の弾性回
転ロール4と、各弾性回転ロール4を金属帯Sの走行速
に追従して回転されるように駆動源7aよりの動力
されるユニバーサルジョイント7baと、このユニバー
サルジョイント7baと駆動手段7の減速機7c又は分配機7
dとの間で弾性回転ロール軸4aに伝達するトルクを検出
するトルク検出器8とを備えている。
【0017】弾性回転ロール4は、少なくとも表面が弾
性を有しており、シリコンゴム,フッ素ゴム,クロロプ
レンゴム,NBR,EPDM,ウレタンゴム,ブタジエ
ンゴム,ブチルゴム,イソプレンゴム,ニトリルゴム,
多硫化ゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,アクリル
ゴム,ビドリンゴム等より成る弾性を有するゴム製のロ
ールや、金属製のロールの周面に前記した如きゴム製の
ベルトを装着されているロールや、弾性回転ロール軸4a
に前記した如きゴム製のスリーブが嵌挿されているロー
ルのいずれであってもよい。
【0018】シール金物5は、熱処理される金属帯Sの
板幅より広幅に形成されており、ボルト・ナット等の固
定手段によって炉体1のフレーム2に固定されている。
弾性シールパッド6は、シール金物5の表面に接着剤や
ボルト・ナットにより固定されていて、金属帯Sの幅方
向両側方に位置するフレーム2の間隔にほぼ合致する幅
を有している。
【0019】弾性回転ロール4はロール押付機構9によ
って金属帯Sの表裏面に押し付ける位置と金属帯Sの表
裏面から離れた位置とに移動せしめられるので、駆動
段7としては炉体1のフレーム2に枢着されている一対
の弾性回転ロール4のそれぞれの弾性回転ロール軸4aに
ユニバーサルジョイント7baを介してトルク検出器8が
連結されており、このトルク検出器8と駆動源7a及び減
速機7cとがカップリング7eや分配機7dにより連結されて
いる。ここで図3に示す如く、駆動源7aよりの動力は一
対の弾性回転ロール4の各ロールに対応するユニバーサ
ルジョイント7baに分配せしめる分配機7dが設けられて
いて一対の弾性回転ロール4が一つの駆動源7aにより回
転駆動せしめられる構成であっても、図2に示す如く前
駆動手段7が一対のそれぞれの弾性回転ロール4に対
応して設けられておりそれぞれ独立した駆動源7aからの
動力を受けて回転駆動せしめられる構成であってもよ
い。
【0020】8は弾性回転ロール4と駆動手段7の駆動
源7aとの間で各弾性回転ロール軸4aに伝達するトルクを
検出するトルク検出器であって、水素ガスを含む雰囲気
ガスを使用する熱処理炉においてはその操業に際し易燃
性の炉内ガスを使用することから、火花を発生すること
無く駆動手段7の伝達軸7bのトルクを検出できるもの、
例えば図4に示す如く伝達軸7bに貼り付けられた歪ゲー
ジ8cの端子となる回転コア8f,8jに巻き付けられている
コイル8g,8kが伝達軸7bに固定されていると共に伝達軸
7bに軸受8bを介して装着されており本体8a内であって前
記回転コア8f,8jと対応する位置に磁路用の空隙を設け
て静止コア8d,8hに巻き付けられているコイル8e,8iが
固定されており、伝達軸7bに固定された回転部分と本体
8aに固定された固定部分とが非接触である回転トランス
型歪ゲージ式トルク検出器を使用することが安全上好ま
しい。
【0021】9は弾性回転ロール4を金属帯Sの表裏面
と弾性シールパッド6の表面とに押し付けるためのロー
ル押付機構であって、図6及び図7に示し且つ前記説明
した従来のシール装置3'におけるロール押付機構9と
同様のものを使用することができるのでその説明は省略
する。
【0022】
【作用及び発明の効果】このように構成された本発明に
係る水素ガスを含む炉内ガスを使用する熱処理炉の区画
出入口のシール装置3は、熱処理炉の操業に際して弾性
シールパッド6の表面と走行する金属帯Sの表裏面とに
一対の弾性回転ロール4を押し付けてシールする装置で
あって、弾性回転ロール4は金属帯Sの走行に伴って連
れ廻りすると共に、駆動手段7が設けられているので金
属帯Sの走行速度に追従して回転するように弾性回転ロ
ール4が回転駆動せしめられる。このとき、駆動手段7
がユニバーサルジョイント7baに作用させるトルクがト
ルク検出器8で検出されており、駆動手段7の減速機7c
や弾性回転ロール4の弾性回転ロール軸4aを支持する軸
受4b等に異常が無く、弾性回転ロール4の弾性シールパ
ッド6への押圧力や弾性回転ロール4の端部におけるフ
レームとの摩擦状態等が適正で、且つ弾性回転ロール4
や弾性シールパッド6の材質等に異状がなければ、金属
帯Sとの摩擦力により受ける回転力だけで弾性回転ロー
ル4は金属帯Sの走行速度と同じ周速で回転する場合も
あるので、この場合は駆動手段7の駆動源7aにより弾性
回転ロール4を積極的に回転する必要がないことになる
から、トルク検出器8で検出されるトルク即ち駆動手段
7が弾性回転ロール軸4aに伝達するトルクは駆動手段7
から回転トルクを弾性回転ロール4に伝達する方を正、
弾性回転ロール4から回転トルクを受ける方を負とすれ
ば、負ではあってはならないから、正の或る一定の値で
あるか又は零であればよい。
【0023】図4に示したトルク検出器8では、静止コ
ア8dに巻き付けられているコイル8eに供給された入力
は、対向する回転コア8fとの空隙を通る磁束を介して回
転コア8fに巻き付けられているコイル8gに伝達され、伝
達軸7bに貼り付けられた歪ゲージ8cで構成されるブリッ
ジ回路へ伝えられる。伝達軸7bに貼り付けられた歪ゲー
ジ8cに発生した歪に対応して発生したブリッジ回路から
の出力は回転コア8jに巻き付けられているコイル8kか
ら、対向する静止コア8hとの空隙を通る磁束を介して静
止コア8hに巻き付けられているコイル8iから出力される
ことによって、駆動手段7の伝達軸7bに作用するトルク
が検出される。トルク検出器8として、このような非接
触でトルクを検出できるものを使用すれば、通常のスリ
ップリングやブラシの如き火花を発生させる原因となる
ものがないので、易燃性ガスである炉内ガスを使用する
熱処理炉の操業を安全に行うことができて好ましい。
【0024】一般に、弾性回転ロール4と弾性シールパ
ッド6との摩擦抵抗値や、弾性回転ロール4の端部にお
ける炉体のフレームとの摩擦抵抗値は、熱処理炉の操業
開始時から摩耗に起因して経時的に変化するばかりか操
業開始前の低温時と操業中の高温時とでは異なっている
ので、これらの摩擦抵抗値が操業に際し経時的に変わる
ことに起因して弾性回転ロール4に伝達される駆動手段
7によるトルクが変動するが、このトルクの変動はトル
ク検出器8で駆動手段7の伝達軸7bに作用するトルクを
検出していれば検出できることになる。即ち、弾性回転
ロール4の押付力が大きすぎてロールの偏平のため必要
回転トルクが増大して駆動手段7からの回転力では不足
している状況や、摩耗が進行して弾性回転ロール4と弾
性シールパッド6との間に間隙が生じて摩擦抵抗値が低
下した状況や、前記摩耗や火災等に起因して弾性回転ロ
ール4や弾性シールパッド6の性状が変化して摩擦抵抗
値が増加したり駆動手段7の減速機7cや弾性回転ロール
4の弾性回転ロール軸4aを支持する軸受4bに異常が生じ
て回転抵抗値が増大したりする状況になると、トルク検
出器8でその変化が直ちに検出され、それぞれに対する
対応が早期に取れる。
【0025】ここで、トルク検出器8で検出されたトル
クの変動が小さな範囲内である場合には金属帯Sと弾性
回転ロール4との間の摩擦によって許容され周速に影響
が無いが、大きい場合にはもし駆動装置7の調整又は制
御可能な範囲外となると、弾性回転ロール4の周速が金
属帯Sの走行速度に対応しなくなり金属帯Sと弾性回転
ロール4との間でスリップが生じるような現象がシール
装置3に生じていることが判るのである。
【0026】即ち、水素ガスを含む雰囲気ガスを使用す
る熱処理炉の操業時には、金属帯Sに弾性回転ロール4
を押し付けているので金属帯Sと弾性回転ロール4との
間の摩擦抵抗によって弾性回転ロール4が金属帯Sに連
れ廻りすると共に、駆動手段7が設けられているので金
属帯Sの走行速度と同速の周速で弾性回転ロール4が回
転駆動せしめられるのであるが、弾性回転ロール4の押
圧力が強すぎるとロールの偏平による回転抵抗値が大き
くなる他に、弾性回転ロール4は金属帯Sの他に弾性シ
ールパッド6にも押し付けられているので炉体に固定さ
れたシール金物5への押付力が大きすぎたり、弾性シー
ルパッド6の摩擦係数が大きすぎたり、摩耗や火災等に
起因して弾性回転ロール4や弾性シールパッド6の摩擦
が大きくなるなど性状が変化したり、弾性回転ロール4
の弾性回転ロール軸4aを支持する軸受4bに異常が生じた
りして回転抵抗値が増大すると、トルク検出器8で速度
制御方法の場合、正常状態のトルク値よりも高いトルク
が検出されるので、いずれかの異常状態が発生している
ことが判るのである。
【0027】また、トルク検出器8で検出されたトルク
の変動が小さな範囲内であっても、トルク検出器8で1
回転毎の周期でトルクの変動が検出されるので、弾性回
転ロール4に異物が噛み込んでいて金属帯Sにカキ疵又
は圧痕を付けている可能性が存在することも判り、トル
ク変動のタイミングを調べると、弾性回転ロール4のロ
ールの周上のどの部分に欠陥があるかも発見できるので
ある。
【0028】このようにシール装置に発生する種々の状
態を検知するする効果を奏する本発明に係る水素ガスを
含む雰囲気ガスを使用する熱処理炉の区画出入口のシー
ル装置は、通板する金属帯の表面品質が低下する要因を
早めに検出し、不良品を多量に製造することを防止でき
るので、その工業的価値は非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の1実施例を示す側面説明図であ
る。
【図2】図1の平面説明図である。
【図3】本発明装置の他の実施例を示す図2に相当する
平面説明図である。
【図4】本発明装置に好ましく使用されるトルク検出器
の構造を説明する構造説明図である。
【図5】一般的なステンレス鋼帯用の竪型光輝焼鈍炉の
構造説明図である。
【図6】従来のシール装置における駆動手段近傍を示す
側面説明図である。
【図7】従来のシール装置におけるロール押付機構を示
す正面説明図である。
【符号の説明】
1 炉体 2 フレーム 3 シール装置 3' 従来のシール装置 4 弾性回転ロール 4a 弾性回転ロール軸 4b 軸受 5 シール金物 6 弾性シールパッド 7 駆動手段 7a 駆動源 7aa 出力軸 7b 伝達軸 7ba ユニバーサルジョイント 7c 減速機 7d 分配機 7e カップリング 8 トルク検出器 8a 本体 8b 軸受 8c 歪ゲージ 8d 入力側静止コア 8e 入力側静止コイル 8f 入力側回転コア 8g 入力側回転コイル 8h 出力側静止コア 8i 出力側静止コイル 8j 出力側回転コア 8k 出力側回転コイル 9 ロール押付機構 9a シリンダー 9b レバー 9c 固定ピン 10 炉内ガス(還元性で易燃性の雰囲気ガス) S 金属帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/52 - 9/66 F27D 7/00 - 15/02 F27B 9/00 - 9/40 C21D 1/74

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素ガスを含む雰囲気ガスを使用する熱
    処理炉の区画出入口に設けられており、一対の弾性回転
    ロール(4)を、走行する金属帯(S)の表裏面と炉体(1)
    に固定されたシール金物(5)の表面に固定された弾
    ールパッド(6)の表面とに押し付けて金属帯(S)の走行
    に追従して回転せしめて、炉内雰囲気ガス(10)をシール
    するシール装置(3)において、各弾性回転ロール(4)を
    金属帯(S)の走行速度に追従して回転されるように駆動
    源(7a)よりの動力伝達される伝達軸(7b)を介して、各
    弾性回転ロール(4)に駆動手段(7)が連結されており、
    各弾性回転ロール(4)と該駆動手段(7)の駆動源(7a)と
    の間に、各弾性回転ロール軸(4a)に伝達するトルクを検
    出するトルク検出器(8)が設けられていることを特徴と
    する水素ガスを含む雰囲気ガスを使用する熱処理炉の区
    画出入口のシール装置。
  2. 【請求項2】 駆動手段(7)が、一対の弾性回転ロール
    (4)それぞれに対応して設けられている請求項1に記載
    の水素ガスを含む雰囲気ガスを使用する熱処理炉の区画
    出入口のシール装置。
  3. 【請求項3】 トルク検出器(8)が、駆動手段(7)の伝
    達軸(7b)と非接触でトルクを検出する回転トランス型歪
    ゲージ式トルク検出器である請求項1又は2に記載の水
    素ガスを含む雰囲気ガスを使用する熱処理炉の区画出入
    口のシール装置。
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