JP3425395B2 - 半導体多波長撮像素子 - Google Patents

半導体多波長撮像素子

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JP3425395B2
JP3425395B2 JP24617499A JP24617499A JP3425395B2 JP 3425395 B2 JP3425395 B2 JP 3425395B2 JP 24617499 A JP24617499 A JP 24617499A JP 24617499 A JP24617499 A JP 24617499A JP 3425395 B2 JP3425395 B2 JP 3425395B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の波長の赤外
線に感度を有する半導体多波長撮像素子とその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の半導体多波長撮像素子は半導体
基板上に例えばフォトダイオードからなる多数の受光素
子がマトリックス状に配置されている。各受光素子は複
数の波長を感知するため、各波長に対応した構造を有し
ている。
【0003】従来の代表的なHg1-x Cdx Teを材料として
用いた複数の波長に感度を有する赤外線撮像素子として
はUS−P−5113076 (Santa Barbara Researc
h Center, USA, 12.05.92)に開示されたメサ型構造の半
導体多波長撮像素子がある。この撮像素子は、n型Hg
0.7 Cd0.3 Te層から受光すると、中赤外線はn型Hg0.7C
d0.3 Te層とp型Hg0.6 Cd0.4 Te層との間の逆バイアス
接合部付近で発生されたキャリアにより検知され、遠赤
外線はp型Hg0.6 Cd0.4 Te層とn型Hg0.8 Cd0.2Te層と
の間の逆バイアス接合部付近で発生されたキャリアによ
り検知される。
【0004】この撮像素子はメサ型構造であるため、第
2の受光層であるインジウム添加n型Hg0.8 Cd0.2 Te層
の受光領域占有面積比(Fill Factor)が第1の受光層イ
ンジウム添加n型Hg0.7 Cd0.3 Te層と比較して少ない。
このため、第2の受光層n型Hg0.8 Cd0.2 Te層に相当す
る波長に対して十分な感度が得られなかった。
【0005】また、波長帯域を選択するために、ダイオ
ードにバイアス電圧を切り替えて印加する回路が必要で
あるため、出力に電荷転送素子を接続して使用できない
という問題があった。
【0006】また、US-P-5149956(Santa Barbara Resea
rch Center, USA, 22.09.92)で開示された撮像素子で
は、2個のフォトダイオードにより1画素が構成され、
この1画素に対して2つの結合柱が設けられている。こ
のため、1画素当たりの面積を縮小することが困難であ
り、画素密度を高めることができなかった。
【0007】また、EP-A-0475525(Philips Electronics
and Associated Industries Limited, GB, 18.03.92 )
に記載された半導体多波長検出器では、禁制帯幅の異な
る半導体層研磨工程やエッチング工程によって数十ミク
ロンメーター以下まで薄膜化し、それらを接着剤を用い
て接着させて積層体とする必要があり、製作が非常に困
難である。
【0008】また、受光層から電荷を取り出すための接
続電極が、1画素当たり2本必要となり高密度集積が困
難であった。
【0009】更に、受光層の中に分離溝を設けているた
め、受光層の受光領域占有面積比が中赤外線を受ける受
光層に対して減少するため十分な感度が得られなかっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、化合物半
導体を用いた従来の多波長に感度を有する2次元赤外線
撮像素子は高密度集積に適した構造のものがなく、しか
も製造方法が複雑であり、素子として完成させることが
非常に困難であった。
【0011】本発明の目的は、高密度集積化が可能で、
製造方法を簡素化し得る半導体多波長撮像素子とその製
造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に形成
された禁制帯幅の異なる複数の第1導電型の半導体受光
層と前記第1導電型の半導体受光層の間に介在させた半
導体分離層とを有する積層構造と、前記積層構造の各第
1導電型の半導体受光層中に連続して形成され、前記第
1導電型の半導体受光層との間にpn接合を形成する第
2導電型の領域と、前記第2導電型の各領域に接続され
た出力用電極と、前記複数の第1導電型の半導体受光層
にそれぞれ接続された複数の接地電極とを具備する半導
体多波長撮像素子を提供する。
【0013】本発明は、基板上に形成された第1の禁制
帯幅の第1導電型の第1の半導体受光層と、前記第1の
半導体受光層上に成長された半導体分離層と、前記半導
体分離層上に成長された第1の禁制帯幅と異なる第2の
禁制帯幅の第1導電型の第2の半導体受光層と、前記第
1及び第2の半導体受光層中に連続して形成されて、前
記第1導電型の第1及び第2の半導体受光層との間にp
n接合を形成している複数の第2導電型の領域と、前記
複数の第2導電型領域にそれぞれ接続された出力用電極
と、前記第1導電型の第1及び第2の半導体受光層にそ
れぞれ接続された接地電極とを具備する波長撮像素子を
提供する。
【0014】本発明の半導体多波長撮像素子では、前記
半導体分離層の禁制帯幅は前記禁制帯幅の異なる複数の
第1導電型の半導体受光層のいずれのものよりも広く選
定される。また、前記第2導電型の各領域の表面は窪ん
だ形状となっている。そのため、不純物を深い位置まで
拡散することができる。
【0015】本発明の半導体多波長撮像素子では、前記
第1及び第2の半導体受光層の各層として水銀を含む化
合物半導体を使用することが好ましい。
【0016】本発明は、基板上に第1の禁制帯幅の第1
導電型の第1の半導体受光層を成長させる工程と、前記
第1の半導体受光層上に前記第1の半導体受光層と電気
的に分離する半導体分離層を成長させる工程と、前記半
導体分離層の表面をエッチングし開口部を形成する工程
と、前記開口部に不純物を導入し第2導電型の領域を形
成する工程と、前記第2導電型の領域を含む前記半導体
分離層上に第1の禁制帯幅と異なる禁制帯幅の第1導電
型の次の半導体受光層を成長させる工程と、前記分離層
成長、分離層における開口部の形成、第2導電型の領域
形成の工程を所定の積層数に達するまで反復する工程
と、最上部の半導体受光層に形成された第2導電型の領
域の上面に出力電極を形成する工程と、積層された前記
各半導体受光層としての第1導電型の領域にそれぞれ接
地電極を形成する工程とを具備する半導体多波長撮像素
子の製造方法を提供する。
【0017】本発明は、基板上に第1の禁制帯幅の第1
導電型の半導体受光層を成長させる工程と、前記半導体
受光層上に前記半導体受光層と電気的に分離する半導体
分離層を成長させる工程と、前記半導体分離層の表面を
エッチングし開口部を形成する工程と、前記半導体分離
層上に第1の禁制帯幅と異なる禁制帯幅の第1導電型の
次の半導体受光層を成長させる工程と、前記分離層成
長、分離層における開口部の形成、異なる禁制帯幅の次
の第1導電型半導体受光層の成長の工程を積層する半導
体受光層の数だけ反復する工程と、前記開口部に不純物
を導入して各半導体受光層を貫通する第2導電型の領域
を形成する工程と、前記第2導電型の領域の上面に出力
用電極を形成する工程と、前記第1導電型の各半導体受
光層に接地電極を形成する工程とを具備する半導体多波
長撮像素子の製造方法を提供する。
【0018】また、本発明は、複数の画素位置の各々に
配置され、異なる波長領域をそれぞれ感知する複数のフ
ォトダイオードと、各画素位置における前記複数のフォ
トダイオードのアノードに共通に接続された第1のスイ
ッチ素子と、複数の画素位置にそれぞれ対応し、異なる
波長領域毎に同じ波長領域を感知する複数のフォトダイ
オードのカソードに共通に接続される第2のスイッチ素
子とを具備する半導体多波長撮像素子を提供する。
【0019】この半導体多波長撮像素子によると、スイ
ッチ素子の切り替えによって画素及び波長領域を任意に
選択することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0021】先ず、第1の実施形態の構造について説明
する。図1および図2に示すように、単結晶CdZnT
e(Zn:3%)基板11上には複数の受光素子として
のフォトダイオードがマトリックス状に配置される。す
なわち、基板11には例えばMWIR用の第1の禁制帯
幅を有するp型Hg0.7 Cd0.3 Te受光層12が設けられ、
このp型Hg0.7 Cd0.3 Te受光層12上にCdTe分離層
13が設けられる。
【0022】p型Hg0.7 Cd0.3 Te受光層12中の各画素
位置にはn領域14が設けられる。CdTe分離層1
3上に例えばLWIR用の第2の禁制帯幅を有するp型
Hg0. 77 Cd0.23 Te受光層15が設けられ、このp型Hg
0.77 Cd0.23 Te受光層15上にCdTe保護膜層16及
び保護膜としての硫化亜鉛薄膜18が設けられる。
【0023】p型Hg0.77 Cd0.23 Te受光層15中のn
領域14の上にはHg0.77 Cd0.23 Teのn領域17が設
けられる。このn領域17上にインジウム電極19が
設けられる。素子アレイの周辺部には各波長の受光層1
2、15に対して、共通の接地電極21、23が設けら
れている。このうち電極21は絶縁膜28により受光層
15から絶縁されている。すべての素子の電極19上に
例えばインジウムからなる結合柱(バンプ)20が設け
られ、波長毎の共通接地電極21、23上にもインジウ
ムの結合柱22、24が設けられている。これらの結合
柱20、22、24に図示せぬ電荷転送素子が電気的に
接続される。この結果、図1に示されるように複数の多
波長受光素子がマトリックス状に配列された多波長撮像
素子が構成される。
【0024】ここで、図1,図2に示す半導体多波長撮
像素子の製造方法について述べる。図3(a)に示すよ
うに、有機化合物を原料とする化学気相成長法(MOC
VD)でMWIRとしての単結晶CdZnTe(Zn:
3%)基板11上にp型Hg0. 7 Cd0.3 Te受光層12が約
10μm成長される。成長条件は原料ガスとして金属水
銀、ジメチルカドミウム、ジイソプロピルテルルとし、
成長温度を例えば360℃とする。さらに連続して成長
温度320℃でp型Hg0.7 Cd0.3 Te 受光層12上にC
dTe分離層13が約2μm成長される。フォトリソグ
ラフイ技術を用いて、各画素位置において1辺10μm
の正方形にCdTe分離層13及びその下の受光層12
が分離層13の表面から受光層12へ約3μmの深さに
エッチングして除去される。その後、ドナー不純物とし
て例えばボロンが、例えばドーズ1×1014
−3、加速電圧150keVでイオン注入されたり、
インジウムが拡散されてn領域14が形成される。
【0025】次に、図3(b)に示すように、さらに原
料供給量を変更し、金属水銀、ジメチルカドミウム、ジ
イソプロピルテルルを用いて、成長温度360℃でLW
IRとしてのp型Hg0.77 Cd0.23 Te受光層15が分離層
13および受光層12の露出部分上に約10μm成長さ
れる。その際、成長開始時の成長温度を320℃とし
て、約2分間で360℃までに上昇させる。こうするこ
とによって、Hg0.7 Cd0. 3 Teのn領域14とp型Hg
0.7 Cd0.3 Te受光層12からの水銀の解離を防ぐことが
できる。さらに連続して成長温度320℃でCdTe保
護膜層16が受光層15上に約2μm成長される。
【0026】次に、フォトリソグラフイ技術を用いてn
領域14の上方において1辺10μmの正方形に保護
膜層16および受光層15が保護膜層16の表面から受
光層15へ約3μmエッチング除去される。その後、ド
ナー不純物としての例えばボロンが、例えば1×10
14cm−3、加速電圧150keVでイオン注入され
たり、インジウムが拡散されて前記n領域14と連続
するHg0.77 Cd0.23 Teのn領域17が形成される。
【0027】この後、図3(c)に示すように、保護膜
層16およびHg0.77 Cd0.23 Teのn 領域17上に硫化
亜鉛薄膜18が保護膜として300nm積層される。硫
化亜鉛薄膜18が選択的にエッチングされ、Hg0.77 Cd
0.23 Teのn領域17が露出される。Hg0.77 Cd0.23 T
eのn領域17の露出部にインジウムの電極19が形
成される。この電極19上にインジウムの結合柱20が
設けられる。
【0028】なお、禁制帯幅の異なる層が積層される場
合、赤外線の入射する方向から、禁制帯幅を順次狭くす
ることによって、各層でより効率的にその層の禁制帯幅
に適合した赤外線を吸収できる。したがって、図1,図
2の撮像素子では、単結晶CdZnTe基板11から入
射する赤外線の入射方向によって、各受光層の禁制帯幅
は順次狭くなっている。また、半導体分離層13は第1
導電型の半導体受光層12、15のいずれの禁制帯幅よ
りも広い禁制帯幅の半導体層で形成される。
【0029】即ち、HgCdTeの受光層がMOCVD
によって形成されるとき、受光層の成分は以下の規則に
よって決められる。
【0030】受光層のCd混晶組成比をxとして、カド
ミウム原料(DMCd)の原料供給量をyとすると、
【0031】
【数1】
【0032】の関係式を用いてカドミウム原料供給量を
設定している。この時、水銀供給量とテルル原料(DI
PTe)はそれぞれ4.7×10-4 mol/minで一定量と
している。例えば、x=0.23のLWIR用受光層を
形成する場合は、DMCd供給量を2.53×10-5 mo
l/min、x=0.30のMWIR用受光層を形成する場合
は、DMCd供給量を 2.8×10-5 mol/min、x=
0.80のSWIR用受光層を形成する場合は、DMC
d供給量を4.33×10-5 mol/minとしている。但
し、原料供給量とCd混晶組成比の関係は成長温度や成
長装置によって全く異なる。
【0033】図4は図1の撮像素子の等価回路を示して
いる。但し、スイッチ素子26,27および駆動回路2
9が付加されている。p型Hg0.7 Cd0.3 Te受光層12と
Hg0. 7 Cd0.3 Teのn領域14とによりフォトダイオー
ドD11が構成され、p型Hg 0.77 Cd0.23 Te受光層15
とHg0.77 Cd0.23 Teのn領域17とによりフォトダイ
オードD12が構成される。2つのフォトダイオードD
11、D12のカソードはn領域14、17により形
成される。これらn領域14、17は電極19及び結
合柱20に共通接続されている。各結合柱20はそれぞ
れスイッチ素子25を介して電荷転送素子の入力端に結
合される。
【0034】また、各フォトダイオードD11のアノー
ドは接地電極21および結合柱22に接続され、各フォ
トダイオードD12のアノードは接地電極23および結
合柱24に接続されている。これらの結合柱22、24
はそれぞれスイッチ素子26、27を介して接地され
る。例えばフォトダイオードD11で赤外線を検知する
場合、駆動回路29からの駆動信号によりスイッチ素子
26をオンとすると共に、スイッチ素子25をオンとす
ることにより、第1の禁制帯幅の受光層が接地される。
そのため、フォトダイオードD11に生じた光信号をス
イッチ素子25を通して電荷転送素子に転送することが
できる。このときフォトダイオードD12の出力信号は
スイッチ27がオフであるため受光層が接地されず、ス
イッチ素子25を通して光信号を電荷転送素子に転送さ
れることはない。
【0035】また、フォトダイオードD12で赤外線を
検知する場合、スイッチ素子26をオフとし、スイッチ
素子27、25をオンとする。すると、スイッチ素子2
5を通してフォトダイオードD12の光信号が電荷転送
素子に転送できる。
【0036】上記スイッチ素子25〜27のスイッチン
グ制御を図5のタイミングチャートを参照して以下に詳
しく説明する。
【0037】図4に示す回路において、スイッチ素子2
5に16.7msec毎に50μsecパルスが印加され、ス
イッチ素子26あるいは27に図5(a)に示すような
100μsecのパルスが駆動回路29より印加される
と、ダイオードD11に対応する第1フレームの第1の
波長の出力信号およびダイオードD12に対応する第2
フレームの第2の波長の出力信号が選択的に得られる。
即ち、スイッチ素子26,27の切り替えにより第1の
波長および第2の波長の画像信号が得られる。これによ
って、例えばスイッチ素子26をオンして実行感度の良
い3〜5μm帯の画像で目標が捕らえられていたとき
に、高温の物体による障害行為が生じた場合、フレーム
が更新されるところでスイッチ素子26をオフとし、ス
イッチ素子27をオンとすることにようて検知波長を8
〜12μm帯に切り替えることができる。8〜12μm
帯の赤外画像では高温物体を撮像することによるハレー
ションなどの問題は生じないため目標物の形状を正確に
判断し、軌道を正しく修正することができた。
【0038】また、図5(b)に示すように第1及び第
2ラインについてスイッチ素子25に10μsecのパル
スが16.7msec毎に印加され、かつスイッチ素子26
および27にそれぞれ20μsecのパルスが印加された
場合、第1ラインの第1の波長の出力信号および、その
次の第2のラインの第2の波長の出力信号が選択的に得
られる。即ちスイッチ素子26,27の切り替えにより
第1の波長および第2の波長のライン信号が選択的に得
られる。これによって例えば、監視用カメラとして用
い、背景に常時高温物体がある領域を撮影している場
合、その領域が映るラインではスイッチ素子27をオン
しておき、検知波長8〜12μm帯で監視し、背景が低
温物体の領域はスイッチ素子27をオフとし、スイッチ
素子26をオンとして実行感度の良い3〜5μm帯で監
視することができる。
【0039】また、図5(c)に示すように第1および
第2の画素についてスイッチ素子25に5μsecのパル
スが16.7msec毎に印加され、かつスイッチ素子26
と27にそれぞれ印加された場合、第1画素の第1の波
長の出力信号およびその次の第2画素の第2の波長の出
力信号が選択的に得られる。即ち、即ちスイッチ素子2
6,27の切り替えにより第1の波長および第2の波長
の画素信号が選択的に得られる。これによって画素毎に
検知波長を変えることができ、先の実施形態に示すよう
に背景に高温物体がある領域だけ検知波長を8〜12μ
m帯にすることによって物体の認識率を向上することが
可能になった。
【0040】上記構造の素子を液体窒素温度(77K)
に冷却した状態で各画素のダイオード特性を測定した。
その結果が表1に示されている。この表1に示すよう
に、波長毎に感度差が少なく、単一波長素子に近い高感
度の赤外線多波長検出器が得られることが分かる。ま
た、画素ピッチも30μmと、単一波長の赤外線検知器
と同様のものが得られた。
【0041】
【表1】
【0042】図6は本発明の第2の実施形態に従った3
波長赤外線検出器を示す。前記第1の実施形態と同一部
分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明す
る。
【0043】単結晶CdZnTe(Zn:3%)基板1
1上にp型Hg0.2 Cd0.8 Te受光層31を形成する。この
p型Hg0.2 Cd0.8 Te受光層31上にCdTe分離層13
を約2μm成長する。また、p型Hg0.2 Cd0.8 Te受光
層31の中にHg0.2 Cd0.8 Teのn領域32を形成す
る。このn領域32より上方の構造は第1の実施形態
と同様である。また、p型Hg0.2 Cd0.8 Te受光層31に
接地電極33を介してインジウムの結合柱34が設けら
れている。前記接地電極33は絶縁膜35により受光層
12、15と絶縁されている。
【0044】この実施形態の場合も第1の実施形態と同
様に、p型Hg0.2 Cd0.8 Te受光層31の成長条件は原料
ガスとして金属水銀、ジメチルカドミウム、ジイソプロ
ピルテルルを用い、成長温度は例えば360℃である。
また、Hg0.2 Cd0.8 Teのn領域32はドナー不純物を
拡散あるいはイオン注入などを用いて形成される。
【0045】図7は図6の等価回路を示しており、図4
と同一部分には同一符号を付す。p型Hg0.2 Cd0.8 Te受
光層31とHg0.2 Cd0.8 Teのn領域32とによりフォ
トダイオードD13が形成される。これらフォトダイオ
ードのカソードはフォトダイオードD11、D12と共
通接続され、各アノードは接地電極33、結合柱34に
共通接続されている。この結合柱34はスイッチ素子3
6を介して接地される。フォトダイオードD13の出力
信号はスイッチ素子36及びスイッチ素子25をオンと
することにより選択的に取り出され、電荷転送素子に転
送される。
【0046】各画素のフォトダイオード特性を第1の実
施形態と同様に測定した結果、第1の実施形態と同様に
波長毎に感度差の少ない高感度な3波長赤外線検出器が
得られることが確認された。
【0047】図8は、本発明の第3の実施形態を示して
いる。この実施形態は第1の実施形態と同様な赤外線2
波長撮像素子であるが、第1の実施形態に比べ製造工程
が容易である。すなわち、第3の実施形態では、n
域14と17を一度に形成して製造工程を簡単にしてい
る。
【0048】第3の実施形態の製造方法について図9を
参照して説明する。第1の実施形態と同様に、図9
(a)の工程において、有機化合物を原料とする化学気
相成長法で単結晶CdZnTe(Zn:3%)基板11
上にp型Hg0.7 Cd0.3 Te受光層12が約10μm成長さ
れる。成長条件は原料ガスとして金属水銀、ジメチルカ
ドミウム、ジイソプロピルテルルを用い、成長温度を例
えば360℃とする。さらに連続して成長温度320℃
でp型Hg0.7 Cd0.3 Te受光層12上にCdTe分離層1
3を約2μm成長する。フォトリソグラフイ技術を用い
て、受光層12と分離層13が1辺10μmの正方形に
CdTe分離層13の表面から受光層12に約3μmエ
ッチング除去される。
【0049】さらに図9(b)に示すように原料供給量
を変更し、金属水銀、ジメチルカドミウム、ジイソプロ
ピルテルルを用いて、成長温度360℃でp型Hg0 .77
Cd0. 23 Te受光層15が分離層13および受光層12の
上に約10μm成長される。その際、成長開始時の成長
温度を320℃として、約2分間で360℃までに上昇
させる。第1の実施形態と同様にこうすることによっ
て、Hg0.7 Cd0.3 Teのn 領域14とp型Hg0.7 Cd0.3
Te受光層12からの水銀の解離を防ぐことができる。
【0050】また、同様に連続して成長温度320℃で
CdTe保護膜層16が受光層15の上に約1μm成長
する。保護膜層16および受光層15がフォトリソグラ
フイ技術を用いて1辺10μmの正方形に保護膜層16
の表面から受光層15へ約6μmエッチング除去され
る。その後、ドナー不純物が拡散あるいはイオン注入な
どを用いて受光層12、及び受光層15に導入され、図
9(c)に示すようにHg 0.77 Cd0.23 Teのn領域14
と17が形成される。
【0051】次に、保護膜層16上に、保護膜として硫
化亜鉛薄膜が300nmに積層される。また、各n
域17にインジウムの電極19が形成され、各波長の受
光層12、15に対して、共通の接地電極21、23が
素子アレイの周辺部に形成される。
【0052】さらに、すべての素子の電極19上にイン
ジウムの結合柱20が設けられ、波長毎の共通接地電極
21、23上にもインジウムの結合柱22、24が設け
られる。これら結合柱20、22、24に波長と各画素
を選択可能に電荷転送素子が電気的に接続される。
【0053】上記製造方法は、n領域14、17を形
成するための不純物導入工程が1回で済むため、フォト
リソグラフイ工程での位置ずれを防ぐことができる。そ
のため、検知器毎の感度のばらつきを抑えることが可能
となる。
【0054】以上説明したように本発明では禁制帯幅の
異なる半導体層とそれらの間の分離層とを順次成長させ
て形成する。従来からpn接合を含む複数の半導体層を
順次成長させることによって、積層構造を形成すること
は半導体技術において知られているが、受光素子、特に
水銀を原料に含む赤外線受光素子ではエピタキシヤル成
長を実施する際の加熱によって水銀が下地半導体素子表
面から解離しやすい。それによって半導体素子が破壊さ
れるため、すべての半導体層を連続して積層することは
困難であった。しかし本発明では、第1乃至第3の実施
形態において説明したように、半導体層を連続して積層
する場合、成長開始時の成長温度を320℃として、約
2分間で360℃までに上昇させることによって水銀の
解離を防ぐことに成功し、本発明のような積層構造を成
長させることを可能にした。
【0055】また、各画素の電気的接続に必要な結合柱
の数を1画素について1本とすることができるため1画
素当たりの占有面積を削除でき、高集積化が可能にな
る。製造方法を簡素化でき容易に高品質の半導体多波長
撮像素子を得ることができる。
【0056】なお本発明は、上記実施の形態に限定され
るものではない。例えば、第1及び第2の導電型の半導
体受光層は、少なくとも水銀を含む半導体化合物として
HgZnTe受光層でもよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
密度集積化を可能とし、かつ製造方法を簡素化すること
のできる半導体多波長撮像素子とその製造方法を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に従ったの半導体多波
長撮像素子の断面図。
【図2】図1の半導体多波長撮像素子の斜視図。
【図3】図1に示す半導体多波長撮像素子の製造工程に
おける素子構造の断面図。
【図4】本発明の第1の実施形態の半導体多波長撮像素
子の等価回路図。
【図5】図4に示す回路を駆動するタイミングチャート
を示す図。
【図6】本発明の第2の実施形態の半導体多波長撮像素
子の断面図。
【図7】本発明の第2の実施形態の半導体多波長撮像素
子の等価回路図。
【図8】本発明の第3の実施形態の半導体多波長撮像素
子の断面図。
【図9】図8に示す半導体多波長撮像素子の製造工程に
おける素子構造の断面図。
【符号の説明】
11…単結晶CdZnTe基板、 12…p型Hg0.7 Cd0.3 Te受光層、 13…CdTe分離層、 14…n+ 領域、 15…p型Hg0.77Cd0.23Te受光層、 16…CdTe保護膜層、 17…n+ 領域、 18…硫化亜鉛保護膜、 19…インジウム電極、 20…インジウムの結合柱(バンプ)、 21…接地電極、 22…インジウムの結合柱(バンプ)、 23…接地電極、 24…インジウムの結合柱(バンプ)、 28…保護膜 29…駆動回路 31…p型Hg0.2 Cd0.8 Te受光層 32…n領域 33…接地電極 34…結合柱 35…絶縁膜 D11,D12,D13…フォトダイオード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/14 - 27/148 H04N 5/335

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された禁制帯幅の異なる複
    数の第1導電型の半導体受光層と前記第1導電型の半導
    体受光層の間に介在させた半導体分離層とを有する積層
    構造と、 前記積層構造の各第1導電型の半導体受光層中を貫通す
    るように連続して形成された領域であってその貫通領
    域側面と前記第1導電型の各半導体受光層との間にpn
    接合を形成する第2導電型の領域と、 前記第2導電型の各領域に接続された出力用電極と、 前記複数の第1導電型の各半導体受光層にそれぞれ接続
    された複数の接地電極とを具備することを特徴とする半
    導体多波長撮像素子。
  2. 【請求項2】 基板上に形成された第1の禁制帯幅の第
    1導電型の第1の半導体受光層と、 前記第1の半導体受光層上に成長された半導体分離層
    と、 前記半導体分離層上に成長された第1の禁制帯幅と異な
    る第2の禁制帯幅の第1導電型の第2の半導体受光層
    と、 前記第1及び第2の半導体受光層中並びに前記半導体分
    離層中を貫通するように連続して形成された領域であっ
    その貫通領域側面と前記第1導電型の第1及び第2
    の半導体受光層との間にpn接合を形成している複数の
    第2導電型の領域と、 前記複数の第2導電型の各領域にそれぞれ接続された出
    力用電極と、 前記第1導電型の第1及び第2の各半導体受光層にそれ
    ぞれ接続された接地電極とを具備することを特徴とする
    半導体多波長撮像素子。
  3. 【請求項3】 前記半導体分離層は、その禁制帯幅が前
    記禁制帯幅の異なる複数の第1導電型の半導体受光層の
    いずれのものよりも広い半導体層で構成されていること
    を特徴とする請求項1及び2記載の半導体多波長撮像素
    子。
  4. 【請求項4】 前記第2導電型の各領域の表面が窪んで
    いることを特徴とする請求項1及び2記載の半導体多波
    長撮像素子。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の半導体受光層の各層
    は少なくとも水銀を含む化合物半導体で形成されている
    ことを特徴とする請求項1及び2記載の半導体多波長撮
    像素子。
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