JP3424285B2

JP3424285B2 - 肥料移送装置

Info

Publication number: JP3424285B2
Application number: JP29545793A
Authority: JP
Inventors: 石田　　伊佐男
Original assignee: Iseki and Co Ltd
Current assignee: Iseki and Co Ltd
Priority date: 1993-11-25
Filing date: 1993-11-25
Publication date: 2003-07-07
Anticipated expiration: 2018-07-07
Also published as: JPH07143808A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、粉・粒状の肥料を施肥
する施肥装置の肥料ホッパに対して、肥料を供給し、あ
るいは肥料ホッパに残った肥料を回収するようにした肥
料移送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、田植機に付設されて、肥料ホッパ
に収容された粉・粒状の肥料を所定量ずつ繰り出して、
ブロアからの圧力風により施肥管に送出して、移植苗の
条間の圃場に散布するようにした施肥装置が、本出願人
により提案されていて周知である。

【０００３】そして、上記肥料ホッパに粉・粒状の肥料
を供給するときは、図１１に示すように、小型トラック
Ａの荷台Ｂに設置された肥料搬送機Ｃの肥料タンクＤ
に、肥料袋Ｅに収容された肥料（化成肥料）を入れ、駆
動部Ｆに接続された搬送チューブＧを介して供給するよ
うにしている。搬送チューブＧ内には、チューブＧ内で
回転する螺旋バネＨがその全長にわたって嵌挿されてい
て、その回転により肥料を搬送し、先端開口から排出す
るようにしたものである。搬送チューブＧは螺旋バネＨ
が嵌挿されてその重量が重いので、スタンドＩで支持し
て使用されている。また、搬送チューブＧの先端部には
操作レバーＪが設けられ、駆動部Ｆを駆動する図示しな
いエンジンのスロットルレバー（遠心クラッチのオン・
オフ）を兼ねると同時に、シャッタＫを開閉操作するよ
うにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが上記肥料搬送
機Ｃにおいては、以下のような問題点があった。．粒
状肥料を螺旋バネＨにより搬送チューブＧ内を移送する
と、粉砕されて施肥装置で施肥するとき散布ムラを生じ
る。．搬送チューブＧは螺旋バネＨが嵌挿されていて
その重量が重いので、取扱性がよくなく、スタンドＩを
必要としていた。．螺旋バネＨを逆回転させると、肥
料を逆方向に移送させることができるが、上記肥料ホッ
パに残った肥料を回収する作業には適していなかった。
そこで本発明は、上記の各問題点を解決することを目的
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、以下の構成を特徴とする。Ａ．粉・粒状の肥料を供給及び回収する肥料タンクと、
この肥料タンクに連通され空気圧により肥料を移送する
ホースと、空気圧を発生させるブロアとを備え、肥料タ
ンクの下部に排出口、上部に回収口を設け、前記排出口
にブロアのダクト及びホースの一端側を連通させ、肥料
タンクからホースを介してブロアの空気圧により肥料を
圧送しホースの他端側の先端部から吐出して供給する状
態と、前記回収口にブロアのダクト及びホースの一端側
を連通させ、ホースの他端側の先端部からホースを介し
てブロアの空気圧により肥料を吸引して肥料タンクに回
収する状態とに択一的に切替可能に設けてなる。

【０００６】Ｂ．ブロワによる圧力風により粉・粒状の
肥料を送出して施肥する施肥装置の肥料ホッパを備え、
ブロアのダクトに吸入口と吐出口とを設け、前記吸入口
に外部連通用ホースの一端側を連通し、前記吐出口に肥
料ホッパ連通用ホースの一端側を連通すると共に、外部
連通用ホースの他端側の先端部から外部連通用ホース、
ダクト及び肥料ホッパ連通用ホースを介してブロアの空
気圧により肥料を圧送し肥料ホッパ連通用ホースの他端
側の先端部から吐出して前記肥料ホッパへ供給する状態
と、前記吸入口に肥料ホッパ連通用ホースの一端側を連
通し、前記吐出口に外部連通用ホースの一端側を連通す
ると共に、肥料ホッパに残った肥料を肥料ホッパ連通用
ホースの他端側の先端部から肥料ホッパ連通用ホース、
ダクト及び外部連通用ホースを介してブロアの空気圧に
より吸引し外部連通用ホースの他端側の先端部から吐出
して回収する状態とに択一的に切替可能に設けてなる。

【０００７】

【発明の効果】上記Ａ．及びＢ．（請求項１及び２）の
構成によって、本発明の肥料移送装置は以下の作用効果
を奏する。イ．粒状肥料でも粉砕されることがなく肥料ホッパへ供
給あるいは肥料ホッパから回収でき、その肥料を使用し
て精度の高い施肥作業を行うことができる。また、ホー
ス内にはブロアからの空気圧が作用するだけであり、ホ
ースの重量を軽くでき、取扱性が良好になる。従って、
従来の搬送チューブのようにスタンドを必要としない。
さらに、空気圧により肥料を搬送するので、肥料タンク
あるいは肥料ホッパに肥料を残すことなく搬送すること
ができる。

【０００８】ロ．同じホース、ブロア等を共用して、肥
料を供給する状態と肥料を回収する状態とに択一的に切
り替えできるので、肥料供給用と肥料回収用と別々に装
置を設ける場合と比較して、装置が簡単な構造になり、
しかも装置をコンパクトに構成できる。ハ．施肥作業時に肥料を送出するためのブロワを利用し
て肥料ホッパに肥料を供給したりあるいは肥料ホッパに
残った肥料を回収したりでき、この肥料移送装置を簡単
に構成することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付の図面を参照
して具体的に説明する。図１ないし図３において、符号
１は小型（軽）トラックで、その荷台２の前部には肥料
搬送機３が設置されている。この肥料搬送機３は、粉・
粒状の肥料を収容し、摺鉢型の下部開口から排出して供
給し、あるいは回収された粉・粒状の肥料を収容する肥
料タンク４と、この肥料タンク４の下部に連通され、肥
料タンク４から排出された肥料を空気圧により移送する
か、あるいは、回収した肥料を空気圧により吸引して肥
料タンク４に送り込んで収容するホース５と、該ホース
５に空気圧を供給するブロア６とからなるものである。

【００１０】上記肥料タンク４は、上端部にヒンジ７を
介して開閉可能に枢着され、パッキン８及びクランプ金
具９を介して気密に被嵌する開閉蓋１０を有し、この開
閉蓋１０にホース接続孔１１を開口している。ホース接
続孔１１にはキャップ１２が被嵌されている。また、上
記ヒンジ７直下の肥料タンク４側面にはフィルタ１３を
設けた吸引ダクト接続孔１４が開口され、この吸引ダク
ト接続孔１４にもキャップ１５が被嵌されている。さら
に、肥料タンク４の排出口１６には、小型トラック１か
ら電源を供給されるモータ１７によって開閉制御される
シャッタ１８が設けられている。

【００１１】上記ブロア６は、小型トラック１から電源
を供給される図示しないモータによって正回転、または
逆回転して、空気圧による圧力風、または吸引風を発生
させるものである。そして、そのダクト１９を上記肥料
タンク４の排出口１６に連通する送風管２０に接続した
ときは圧力風を発生させ、上記吸引ダクト接続孔１４に
接続したときは吸引風を発生させるようにしている。ま
た、ダクト１９を吸引ダクト接続孔１４に接続したとき
は、送風管２０にキャップ２１が被嵌されるようになっ
ている。

【００１２】上記ホース５は、外周部に巻線２２が施し
てあって、可撓性を有しながらも折れ曲がってホースを
閉塞しない形状になっており、その基端部が上記送風管
２０に対して着脱可能となっていて、取り外して上記ホ
ース接続孔１１に接続でき、ホース５を取り外した送風
管２０にはキャップ２３が被嵌されるようになってい
る。また、そのホース５の先端部には、上記ブロア６の
モータをオン・オフ制御するブロアスイッチ２４と、上
記シャッタ１８を開閉するモータ１７をオン・オフ制御
するシャッタスイッチ２５とが設けられている。さら
に、ホース５の先端には、肥料を供給するときに用いる
網ノズル２６と、肥料を吸引するときに用いる吸引ノズ
ル２７とが着脱可能に設けられている。なお、上記キャ
ップ１２と２３、１５と２１をそれぞれ兼用させるよう
にすると都合がよい。

【００１３】一方、本発明による肥料搬送機３により、
粉・粒状の肥料が供給され、また、肥料ホッパ２９に残
った肥料が吸引排出される施肥装置２８は、乗用型田植
機に付設されて、肥料ホッパ２９に収容された粉・粒状
の肥料を所定量ずつ繰り出して、施肥装置２８に備えた
図示しないブロアからの圧力風により施肥管に送出し
て、移植苗の条間の圃場に形成した施肥溝に散布するよ
うにしたものである。そして、肥料ホッパ２９は開閉蓋
を有し、複数条の肥料繰出し機構に対して粉・粒状の肥
料を供給するよう上部で連通した構造になっている。図
３において、符号３０は肥料袋であり、図１及び図２で
も明らかなように、ホース５は小型トラック１の運転席
側から側方に延出されており、ホース５の取扱性を良く
している。

【００１４】このような構成の肥料搬送機３において、
施肥装置２８の肥料ホッパ２９に粉・粒状の肥料を供給
するときは、図１に示すように、肥料袋３０から肥料タ
ンク４内に肥料を入れ、送風管２０の先端部にホース５
の基端部、及び基端部にブロア６のダクト１９をそれぞ
れ接続し、ホース５の先端に網ノズル２６を装着した状
態で、ブロアスイッチ２４及びシャッタスイッチ２５を
操作してシャッタ１８を開けると共に、ブロア６を正回
転させる。すると、ブロア６からの圧力風は送風管２０
を通ってホース５に働き、肥料タンク４の排出口１６か
ら排出された肥料は、圧力風に乗ってホース５内を運ば
れて網ノズル２６を介して、拡散されることなく肥料タ
ンク４内に収容される。

【００１５】このように、肥料タンク４に収容された肥
料は、肥料タンク４から排出されて空気圧により移送さ
れて肥料ホッパ２９に供給されるので、粒状肥料であっ
ても粉砕されることなく移送される。また、ホース５の
先端に網ノズル２６が装着されているので、ホース５の
先端から勢いよく排出される肥料が飛び散ることなく肥
料ホッパ２９内に確実に収容される。そして、田植作業
と同時に施肥作業が行われるが、肥料が粉砕されていな
いので粉と粒とが混合した状態にならず、施肥作業が精
度よく行われる。

【００１６】田植及び施肥作業が終わって、肥料ホッパ
２９内に残った肥料を回収するときは、肥料タンク４内
を空の状態にし、図２に示すように、送風管２０からホ
ース５の基端部、及びブロア６のダクト１９の先端部を
取り外し、その取り外した送風管２０側にキャップ２１
及び２３を被嵌する。取り外したホース５の基端部及び
ブロア６のダクト１９の先端部は、それぞれキャップ１
２，１５を取り外したホース接続孔１１及び吸引ダクト
接続孔１４に接続し、ホース５の先端には吸引ノズル２
７を装着した状態で、ブロアスイッチ２４を操作してブ
ロア６を逆回転させる。すると、ブロア６からの吸引風
はダクト１９を通って肥料タンク４内に働き、さらにホ
ース５に働いて、吸引ノズル２７を介して肥料ホッパ２
９内に残った肥料を吸引し、ホース５内を運ばれて肥料
タンク４内に回収される。

【００１７】図４ないし図６に示す本発明の第２実施例
のものは、上記肥料搬送機３のように肥料搬送手段を別
に設けることなく、乗用型田植機３１に装備された施肥
装置２８のブロア（ターボファン）３２を利用して、肥
料ホッパ２９に残った肥料の回収、あるいは肥料ホッパ
２９への肥料の供給も行えるようにしたものである。即
ち、ブロア３２は、通常は吸入管３４を接続して田植機
のエンジン周囲の外気を吸入してエアチャンバ３５に圧
力風を送り込んで、肥料ホッパ２９から繰り出された肥
料を安定的に施肥管に圧送する働きをするものである。

【００１８】本発明では、上記ブロア３２に、クランパ
３３ａを介してバケット（タンク）３３を着脱可能に装
着し、このバケット３３のブロア３２との接続部分にフ
ィルタ３６を設け、吸入管３４を接続してエアチャンバ
３５に圧力風を送り込んで施肥作業を行うようにすると
共に、肥料ホッパ２９に残った肥料を回収するときは、
吸入管３４に上記ホース５を接続し、ホース５の先端に
吸引ノズル２７を装着してブロア３２を回転させること
により、吸引ノズル２７から肥料を吸引してホース５を
介してバケット３３内に回収するようにしている。な
お、この実施例において、バケット３３の下部に吸入管
３４及びホース５を接続し、ホース５の先端に網ノズル
２６を装着してブロア３２を逆回転させることにより、
バケット３３内に収容した肥料を肥料ホッパ２９に供給
することも可能である。

【００１９】図７ないし図１０に示す本発明の第３実施
例のものは、上記第２実施例のものと同様に、乗用型田
植機３１に装備された施肥装置２８のブロア（ターボフ
ァン）３２を利用して、肥料ホッパ２９への肥料の供
給、あるいは肥料ホッパ２９に残った肥料の回収が行え
るようにしたものである。この実施例のものは、バケッ
ト３３の底部にシャッタ３７を設け、バケット３３に吸
入管３４を介してホース５または吸入・排出管３８を接
続し、ホース５の先端に網ノズル２６または吸引ノズル
２７を装着して、ブロア３２を回転させることにより、
肥料ホッパ２９への肥料の供給、あるいは肥料ホッパ２
９に残った肥料の吸引，回収が行えるのである。

【００２０】即ち、図７及び図８に示すように、バケッ
ト３３に吸入管３４を介して吸入・排出管３８を接続
し、ホース５をブロア３２の送風側及びバケット３３の
排出側に接続してホース５の先端に網ノズル２６を装着
し、ブロア３２を回転させることにより、吸入・排出管
３８の先端部から肥料袋３０内の肥料を吸引し、バケッ
ト３３、ホース５を介して肥料ホッパ２９へ肥料を供給
することができる。また、図９及び図１０に示すよう
に、バケット３３に吸入管３４を介してホース５を接続
し、ホース５の先端に吸引ノズル２７を装着し、バケッ
ト３３の排出側に吸入・排出管３８を接続してブロア３
２を回転させることにより、肥料ホッパ２９内に残った
肥料を吸引ノズル２７で吸引して、ホース５、バケット
３３、吸入・排出管３８を介して肥料袋３０へ回収する
ことができる。

【００２１】なお、上記肥料搬送機３は、肥料に限ら
ず、穀粒、小麦粉、セメントなど各種の粉・粒体の移送
作業に用いることができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の肥料移送装置による肥料供給状態の側
断面図である。

【図２】本発明の肥料移送装置による肥料回収状態の側
断面図である。

【図３】肥料移送装置を装備した小型トラックの平面図
である。

【図４】本発明の第２実施例の肥料回収状態の全体斜視
図である。

【図５】同肥料ホッパ部分の概略平面図である。

【図６】同ブロア及びバケット（タンク）部分の側断面
図である。

【図７】本発明の第３実施例の肥料供給状態の全体斜視
図である。

【図８】同ブロア及びバケット（タンク）部分の側断面
図である。

【図９】同肥料回収状態の全体斜視図である。

【図１０】同ブロア及びバケット（タンク）部分の側断
面図である。

【図１１】従来の肥料搬送機Ｃの説明図である。

【符号の説明】

１小型トラック２荷台３肥料搬送機４肥料タンク５ホース６ブロア７ヒンジ８パッキン９クランプ金具１０開閉蓋１１ホース接続孔１２，１５，２１，２３キャップ１３，３６フィルタ１４吸引ダクト接続孔１６排出口１７モータ１８，３７シャッタ１９ダクト２０送風管２２巻線２４ブロアスイッチ２５シャッタスイッチ２６網ノズル２７吸引ノズル２８施肥装置２９肥料ホッパ３０肥料袋３１乗用型田植機３２肥料散布装置のブロア（ターボファン）３３バケット（タンク）３３ａクランパ３４吸入管３５エアチャンバ３８吸入・排出管

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】粉・粒状の肥料を供給及び回収する肥料
タンクと、この肥料タンクに連通され空気圧により肥料
を移送するホースと、空気圧を発生させるブロアとを備
え、肥料タンクの下部に排出口、上部に回収口を設け、前記排出口にブロアのダクト及びホースの一端側を連通
させ、肥料タンクからホースを介してブロアの空気圧に
より肥料を圧送しホースの他端側の先端部から吐出して
供給する状態と、前記回収口にブロアのダクト及びホースの一端側を連通
させ、ホースの他端側の先端部からホースを介してブロ
アの空気圧により肥料を吸引して肥料タンクに回収する
状態とに択一的に切替可能に設けてなる肥料移送装置。
【請求項２】ブロワによる圧力風により粉・粒状の肥
料を送出して施肥する施肥装置の肥料ホッパを備え、ブ
ロアのダクトに吸入口と吐出口とを設け、前記吸入口に外部連通用ホースの一端側を連通し、前記
吐出口に肥料ホッパ連通用ホースの一端側を連通すると
共に、外部連通用ホースの他端側の先端部から外部連通
用ホース、ダクト及び肥料ホッパ連通用ホースを介して
ブロアの空気圧により肥料を圧送し肥料ホッパ連通用ホ
ースの他端側の先端部から吐出して前記肥料ホッパへ供
給する状態と、前記吸入口に肥料ホッパ連通用ホースの一端側を連通
し、前記吐出口に外部連通用ホースの一端側を連通する
と共に、肥料ホッパに残った肥料を肥料ホッパ連通用ホ
ースの他端側の先端部から肥料ホッパ連通用ホース、ダ
クト及び外部連通用ホースを介してブロアの空気圧によ
り吸引し外部連通用ホースの他端側の先端部から吐出し
て回収する状態とに択一的に切替可能に設けてなる肥料
移送装置。