JP3423741B2 - ブラシレスモータ - Google Patents

ブラシレスモータ

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JP3423741B2
JP3423741B2 JP13794093A JP13794093A JP3423741B2 JP 3423741 B2 JP3423741 B2 JP 3423741B2 JP 13794093 A JP13794093 A JP 13794093A JP 13794093 A JP13794093 A JP 13794093A JP 3423741 B2 JP3423741 B2 JP 3423741B2
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洋和 八代
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブラシレスモータに係
り、特には歯科用研磨装置用の回転駆動手段として用い
られる場合に好適なブラシレスモータに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、直流モータからブラシや整流
子などの機械的な接触部を取り除き、それらの代わりに
電子的な整流機構を採用した無整流子モータ(いわゆる
ブラシレスモータ)が広く知られている。
【0003】一般に、このタイプのモータでは、軸受け
により回転可能に支承されたロータを、界磁マグネット
と電機子コイルとの磁気的相互作用に基づいて回転駆動
させるという構成が採用されている。また、かかる構成
を持つブラシレスモータには、高回転性・高加速性・静
粛性等というような、いくつかの好ましい特性があるこ
とが知られている。
【0004】このような諸特性を有するブラシレスモー
タを回転駆動手段として使用した器具の具体例として
は、例えば歯科において患者の歯を研磨・切削するため
に用いられる歯科用研磨装置などが挙げられる。
【0005】この種の装置は、通常、先端部に研磨用ド
リルを備えたハンドピースと呼ばれる把持部分と、前記
ドリルを高速で回転させるための回転駆動手段、つまり
ブラシレスモータとによって構成されている。
【0006】前記装置に用いられるブラシレスモータの
ケーシング内には、ロータが回転可能に配置されてお
り、ケーシングとロータとの間には薄い鋼板を複数枚積
層してなるヨーク(継鉄)が配置されている。ヨークを
構成する薄い鋼板の材料としては、従来、例えば珪素鋼
板などの鉄系のものが一般に使用されている。また、こ
のようなヨークの表面には、渦電流損の軽減を目的とし
て、絶縁樹脂からなる薄い皮膜が形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、歯科医療の
現場においては、口腔内に生息する細菌・ウィルス等が
医療器具を媒介として他の患者に感染するというような
事態を未然に防止する必要がある。このため、最近は使
用のたび毎に歯科用研磨装置を洗浄して研磨かす等を除
去したうえで、更にオートクレーブ等により加圧蒸気下
にて滅菌・消毒するという作業が実施されている。
【0008】しかし、上記のようなオートクレーブ処理
を頻繁に繰り返すと、どうしても鉄系材料からなるヨー
クの表面に錆が発生してしまう。この場合、ヨークの表
面から脱落した錆が軸受け部分等に入り込むことなどに
よって、ブラシレスモータに故障等が起こり易くなって
しまう。
【0009】また、ヨークの表面に樹脂皮膜がある場合
であっても、その皮膜は本来防錆を主目的とするもので
はないため、やはり錆の発生及び装置の故障というよう
な事態が生じてしまう。
【0010】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、オートクレーブによる滅菌・消毒
を頻繁に行うときでもヨークに錆が発生することがな
く、もって装置の故障率を確実に低減することが可能な
ブラシレスモータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、ケーシングと、そのケーシング内に
回転可能に配置されるロータと、薄い鋼板を複数枚積層
してなり、かつロータとケーシングとの間に介在される
ヨークとを備えたブラシレスモータにおいて、前記ヨー
を構成する各々の鋼板の表面に耐錆性金属薄層を形成
ことを特徴とするブラシレスモータをその要旨とし
ている。この場合、耐錆性金属薄層を無電解ニッケルめ
っき層としても良い。
【0012】
【作用】ヨークを構成する各々の鋼板の表面に耐錆性金
属薄層を形成した本発明によると、表面に樹脂皮膜を形
成したものやなんら処理を施していないものと比べて、
より確実な表面の保護が図られた状態となっている。ま
た、前記薄層は基本的に金属製であることから、樹脂製
である場合よりも高温に強く、かつ緻密性やヨークとの
密着性にも優れたものとなっている。従って、本発明に
よるとオートクレーブによる滅菌・消毒を頻繁に行った
場合でも、鉄系材料からなるヨークの表面まで加圧蒸気
が到達するというような事態が避けられる。よって、錆
の発生が確実に防止される。
【0013】前記耐錆性金属薄層は、例えばニッケル、
クロムから選択される少なくともいずれかの金属薄層で
あることが望ましい。その理由は、これらの金属は、い
ずれも緻密性・密着性に優れていることに加え、金属薄
層による渦電流損失が比較的小さいからである。
【0014】耐錆性金属薄層は無電解ニッケルめっき層
であることが望ましい。その理由は、無電解ニッケルめ
っき層を用いると、渦電流の損失量が比較的少なくな
り、モータの発熱量の増加が最小限に止められるからで
ある。
【0015】
【実施例】以下、本発明を歯科用研磨装置に具体化した
実施例1,2について図1〜図8に基づき詳細に説明す
る。
【0016】まず、実施例1の歯科用研磨装置のハンド
ピース32側に回転駆動力を与えるためのブラシレスモ
ータM側の構成を中心に説明する。図1に示されるよう
に、略円筒状のケーシング1の内側後端部には、エンド
プレート2が固着されている。エンドプレート2の中央
部には、挿通孔2aが透設されている。エンドプレート
2の外周面とケーシング1の内周面との間には、いわゆ
るOリングと呼ばれるような樹脂製のシールリング3が
介装されている。そして、エンドプレート2とシールリ
ング3とが上記のように配置されることによって、ケー
シング1の後端部が閉塞された状態となっている。
【0017】ケーシング1の先端部近傍には、ケーシン
グ1の内周面に沿って取付け環条4が形成されている。
また、ケーシング1の先端部には、図1に示されるよう
なアタッチメント5が環状のパッキング6を介して着脱
可能に装着されている。このアタッチメント5の中央部
には、挿通孔5aが軸線方向に沿って透設されている。
【0018】そして、アタッチメント5とパッキング6
とが上記のように配置されることによって、ケーシング
1の先端部が閉塞された状態となっている。また、ケー
シング1内においてエンドプレート2とアタッチメント
5とによって囲まれた領域には、断面略円形状のモータ
室7が形成されている。
【0019】図1に示されるように、モータ室7内に
は、動力伝達用シャフト11が収容されている。動力伝
達用シャフト11の後端部は、エンドプレート2の挿通
孔2a内に挿入されている。一方、同シャフト11の先
端部は、アタッチメント5の挿通孔5a内に挿入されて
いる。
【0020】このシャフト11をモータ室7内に配置し
た場合、その外周面と両挿通孔2a,5aの内周面との
間には、所定幅のクリアランスS3 が形成されるように
なっている。このため、シャフト11は、両挿通孔2
a,5aの内周面に対して非接触状態で回転することが
できるようになっている。
【0021】前記モータ室7内において動力伝達用シャ
フト11の周囲には、環状をなす一対のブッシュ12
a,12bが所定間隔を隔てて固定されている。これら
のブッシュ12a,12bの間には、界磁マグネット1
3が保持されている。両ブッシュ12a,12bは、界
磁マグネット13の軸方向への磁束の漏洩を防止するた
めに、磁性体によって形成されている。
【0022】図4に示されるように、界磁マグネット1
3は、シャフト11の周囲において4個の永久磁石片1
4を円筒状に組み合わせることによって構成されてい
る。また、界磁マグネット13を構成している各々の永
久磁石片14は、隣接する磁極が互いに異極同士となる
ように交互に配置された状態となっている。
【0023】図1に示されるように、両ブッシュ12
a,12bの相対向する側の外周部には、それぞれ嵌着
段部15が環状に切欠き形成されている。これらの嵌着
段部15間には、炭化珪素焼結体等のセラミックス材料
によって形成された筒状カバー16が嵌め込まれてい
る。そして、この筒状カバー16によって、界磁マグネ
ット13の外周面が包囲された状態となっている。
【0024】後方側のブッシュ12aの後端側には、ロ
ータ側磁性部材としての環状マグネット17aが固着さ
れている。一方、エンドプレート2に形成された嵌着段
部18の内周面には、ケーシング側磁性部材としての環
状マグネット19aが前記環状マグネット17aに相対
向するように装着されている。
【0025】同様に、前方側のブッシュ12aの先端側
には、ロータ側磁性部材としての環状マグネット17b
が固着されている。一方、ケーシング1先端のアタッチ
メント5に突設された取付け環条20の内周面には、ケ
ーシング側磁性部材としての環状マグネット19bが前
記環状マグネット17bに相対向するように装着されて
いる。
【0026】ロータ28の後方側において相対向する環
状マグネット17a,19a、及びロータ28の前方側
において相対向する環状マグネット17b,19bは、
いずれも同じ磁極が互いに向き合うように配置されてい
る。従って、これらの二組のマグネット17a,19
a,17b,19bは、互いの磁気的な反発力によって
所定の空隙(クリアランス)S1 を隔てて離間した状態
となる。その結果として、前記動力伝達用シャフト11
のスラスト方向への移動が規制されるようになってい
る。
【0027】つまり、本実施例では動力伝達用シャフト
11に対してブッシュ12a,12b、界磁マグネット
13、筒状カバー16及び環状マグネット17a,17
bを一体に固定することによって、ロータ28が構成さ
れていることになる。
【0028】また、本実施例では一対の環状マグネット
17a,19aによって、後方側のスラスト磁気軸受け
が構成されていることになる。同様に、一対の環状マグ
ネット17b,19bによって、前方側のスラスト磁気
軸受けが構成されていることになる。なお、後方側のス
ラスト磁気軸受けを構成している環状マグネット17
a,19a間のクリアランスS1 には、衝撃緩衝体とし
ての環状のクッション51が設けられている。
【0029】図1に示されるように、筒状カバー16の
外側には、包囲部材としてのスリーブ21が配置されて
いる。このスリーブ21は、炭化珪素焼結材料によって
円筒状に形成されている。また、スリーブ21は、エン
ドプレート2に形成された嵌着段部22と、取付け環条
4に形成された嵌着段部23との間に支持されている。
また、筒状カバー16の外周面と対向して配置されるス
リーブ21の内周面は、接触摺動性を良くするために滑
らかに研磨加工されている。
【0030】なお、本実施例ではその表面の中心線粗さ
Raは約0.01μm〜0.1μm程度となっている。
また、スリーブ21の肉厚は約0.5mm〜1.5mm程度
となっている。
【0031】前記スリーブ21は、比誘電率が10以下
のセラミックス焼結体によって形成される。この条件を
満たすセラミックス焼結体としては、例えば他にもアル
ミナ、窒化珪素、サイアロン等といったものが挙げられ
る。これらのセラミックス焼結体は、上記のように比誘
電率が小さいことから、誘導電流の発生量が少ないとい
う特徴を有している。また、前記各セラミックス材料
は、体積固有抵抗が10 10Ωcm以上と電気絶縁性にも優
れており、かつ耐磨耗性や強度にも優れている。
【0032】図1に示されるように、スリーブ21と、
ケーシング1の内側に配置された円筒形状のヨーク29
との間には、収納空間10が形成されている。スリーブ
21には、収納空間10側とロータ28側とをつなぐ複
数の通気孔26が透設されている。図1及び図2に示さ
れるように、エンドプレート2には空気導入孔8が透設
されている。この空気導入孔8には、図示しないコネク
タ内のエアホースを介してブロア30が接続されてい
る。従って、ブロア30から送り出される高圧の空気
は、エアホース、空気導入孔8、収納空間10及び通気
孔26を経て、ロータ28とスリーブ21とがなす間隙
に供給されるようになっている。
【0033】つまり、ロータ28は、ブロア30から供
給される空気の圧力により、スリーブ21内において非
接触状態に保持されることになる。このとき、ロータ2
8とスリーブ21の内周面との間にはクリアランスS2
が保たれ、動力伝達用シャフト11と挿通孔2a,5a
との間にはクリアランスS3 が保たれる。そして、本実
施例においては、前述した筒状カバー16とスリーブ2
1とによって、ラジアル空気軸受けが構成されているこ
とになる。
【0034】図1において示されたクリアランスS2
は、空気通路の存在を強調することを目的として、実際
の寸法よりも広いものとなっている。実際のクリアラン
スS2は、数μm〜数十μmというように、空気が漏洩
できる程度の極めて狭いものである。ブラシレスモータ
Mのための静圧軸受け構造においては、クリアランスS
2 の値を10μm〜50μmの範囲に設定することが望
ましい。なお、本実施例においてクリアランスS2 の値
は、かかる好適な範囲内となるように約20μmに設定
されている。
【0035】図1及び図4に示されるように、スリーブ
21の外周面上には、3個の電機子コイル27が円周方
向に沿って等間隔に配設されている。また、スリーブ2
1の外周面上の中央部かつ前記電機子コイル27の巻回
領域内には、3つのホール素子31が円周方向に沿って
ほぼ等間隔に設けられている。
【0036】図5に示されるように、各ホール素子31
は、電源接続端子31a、アース端子31b及び信号端
子31cを備えている。各々の端子31a〜31cは、
図6に示されるように、それぞれスリーブ21の外周面
上にメタライズされた配線72を介して、同種のもの同
士で電気的に接続されている。また、各電機子コイル2
7の巻端部27aも、スリーブ21の外周面上にメタラ
イズされた別の配線71によって互いに電気的に接続さ
れている。
【0037】各ホール素子31は、ロータ28を構成し
ている各永久磁石片14が回転するときの磁極の変化を
検出するためのものである。そして、各電機子コイル2
7への通電量及び通電方向などは、各ホール素子31か
らの検出結果に基づいて制御されるようになっている。
【0038】このとき、各電機子コイル27によって順
次発生される磁界と、ロータ28の界磁マグネット13
との相互作用に基づいて、ロータ28が回転制御され
る。以上のようにして、歯科用研磨装置のブラシレスモ
ータMが構成されている。
【0039】次に、ハンドピース32の構成について説
明する。図1に示されるように、ブラシレスモータMの
先端側においてアタッチメント5の外側には、ハンドピ
ース32が装着されている。ハンドピース32は、略円
筒状でありかつ先細り形状を呈している。つまり、ハン
ドピース32は、使用者である歯科医師が歯を研磨する
際に把持し易いような形状となっている。
【0040】ハンドピース32の内部には、その軸心方
向に沿ってハンドピース側シャフト33が回転可能に収
容されている。このシャフト33の先端部は、ハンドピ
ース32の先端部分から突出した状態となっている。そ
して、当該部分には患者の歯を研磨するためのドリル3
4が装着されている。
【0041】動力伝達用シャフト11の先端部には、カ
ップリング35が設けられている。従って、ハンドピー
ス32とブラシレスモータMのケーシング1とをアタッ
チント5を介して連結すると、カップリング35によっ
て動力伝達用シャフト11とハンドピース側シャフト3
3とが連結駆動するようになっている。なお、ハンドピ
ース32の先端部でドリル34の近傍には、歯の研磨作
業を補助するための空気噴出口、水噴出口及び光照射口
(いずれも図示略)が設けられている。
【0042】図2に示されるように、エンドプレート2
には一対の透孔9が形成されている。同様に、取付け環
状4にも前記一対の透孔9と対応する位置に一対の透孔
(図示略)が形成されている。給水管9aと光ファイバ
ー9bとは、エンドプレートの透孔9、収納空間10及
び取付け環条4の透孔を結ぶ経路上にそれぞれ一本づつ
配置されている。また、給水管9aと光ファイバー9b
とは、図3に示されるアタッチメント5側の給水管39
aと光ファイバー39bとにそれぞれ接続されている。
【0043】従って、ハンドピース32先端の水噴出口
からは、図示しない給水ポンプによって供給されかつ給
水管9a,39aを経て送られてきた水が噴出するよう
になっている。また、ハンドピース32先端の光照射口
からは、図示しない光発生装置及び光ファイバー9b,
39bを介して伝送された光が発せられるようになって
いる。
【0044】図2に示されるように、エンドプレート2
には、複数のコネクタピン36が挿通孔2aを取り囲む
ように立設されている。これらのコネクタピン36の基
端部は、スリーブ21の外周面上の配線72と電気的に
接続されている。各コネクタピン36の先端部は、コネ
クタ側に同じ数だけ設けられた図示しないピン孔に対し
て嵌脱可能となっている。このため、コネクタ装着時に
おいては、コネクタピン36を介して、ブラシレスモー
タM側と図示しない制御ユニット側とが電気的に接続さ
れた状態となる。
【0045】図1及び図3に示されるように、ハンドピ
ース32内には、アタッチメント5の挿通孔5aとハン
ドピース32の先端部とを連通させる通路5bが形成さ
れている。そして、モータ室7側からアタッチメント5
側に放出される空気は、この通路5bを介して空気噴出
口に導かれた後、空気噴出口から外部に排出されるよう
になっている。
【0046】上記のように構成された歯科用研磨装置の
動作について簡単に述べる。使用時には、まずハンドピ
ース32とアタッチメント5とがケーシング1に一体的
に装着される。この状態で各電機子コイル27に通電制
御が行われることにより、ロータ28が回転を開始す
る。このとき、ロータ28のスラスト方向の荷重は、二
対の環状マグネット17a,19a及び17b,19b
の磁気的反発力によって受承される。また、ロータ28
のラジアル方向の荷重は、カバー16とスリーブ21と
の間に導入される加圧空気によって受承される。従っ
て、ロータ28は、モータ室7内の各部材と接触するこ
となく高速にかつ安定して回転することができる。そし
て、ロータ28の回転力は、動力伝達用シャフト11、
カップリング35及びハンドピース側シャフト33を介
して伝達され、その結果として研磨用ドリル34が回転
駆動される。
【0047】次に、図1,図7,図8をもとにして実施
例1のヨーク29の構成及び形成方法等について説明す
る。上述したように、ヨーク29はケーシング1の内側
に対してほぼ密着するように組付けられる。このヨーク
29は、図7に示されるように、複数枚のリング状の珪
素鋼板29aを円筒状に積層することによって形成され
ている。実施例1では、珪素鋼板29aとして「50A
600」が選択され、その外径、内径及び肉厚はそれぞ
れ20mmφ、18mmφ、0.5mmに設定されている。な
お、積層した状態でのヨーク29の全長は約40mmとな
る。
【0048】図8に示されるように、実施例1のヨーク
29を構成する各々の珪素鋼板29aの表面には、いず
れも耐錆性金属薄層としての無電解ニッケルめっき層2
9bが均一に形成されている。
【0049】各珪素鋼板29aへの無電解ニッケルめっ
き層29bの形成は、各珪素鋼板29aを無電解ニッケ
ルめっき浴に浸漬することによって行われる。ここで、
耐錆性金属薄層(無電解ニッケルめっき層29b)の厚
さは1μm〜20μmの範囲内、更には3μm〜10μ
mの範囲内であることが好ましい。この厚さが1μm未
満であると、錆の発生を完全には防止できなくなる虞れ
があるからである。一方、この厚さが20μmを越える
と、めっきの量が増える結果となり、コスト的な面にお
いて不利になる虞れがあるからである。また、この場
合、渦電流損失が増大し、モータMの発熱量が大きくな
るからである。なお、本実施例ではかかる範囲を満たす
ように、無電解ニッケルめっき層29bの厚さが5μm
に設定されている。
【0050】上記のように、表面に無電解ニッケルめっ
きを施したヨーク29を有する実施例1の歯科用研磨装
置に続き、次に実施例2の歯科用研磨装置の構成につい
て説明する。
【0051】実施例2では、珪素鋼板の表面に形成され
る耐錆性金属薄層として電解ニッケルめっき層が選択さ
れている。そして、このような珪素鋼板を積層すること
によって、ブラシレスモータの構成部材であるヨークが
構成されている。
【0052】各珪素鋼板への電解ニッケルめっき層(厚
さ5μm〜10μm)の形成は、各珪素鋼板を電解ニッ
ケルめっき浴に浸漬することによって行われる。次い
で、前記各ヨーク29を組み込んだ実施例1,2の装置
を用いて行った比較試験について説明する。まず、比較
試験を行うにあたり耐錆性金属薄層をなんら有さないヨ
ークを組み込んだ歯科用研磨装置を作製し、この装置を
実施例1,2の装置に対する比較例とした。
【0053】第一の比較試験(オートクレーブ試験)で
は、各歯科用研磨装置をオートクレーブにかけるという
滅菌処理を2500サイクルにわたり繰り返し行った。
そして、所定回数ごとにヨーク29における錆の発生状
況を調査・判定した。なお、ここではオートクレーブの
処理条件として温度を135℃、時間を10分、圧力を
2atmに設定した。その結果は表1に示される通りで
ある。
【0054】第二の比較試験(発熱試験)では、各歯科
用研磨装置を最高回転速度(40000rpm )で回転駆
動させ、所定時間経過後における各ブラシレスモータM
表面の温度を測定した。その結果は図9のグラフに示さ
れる通りである。
【0055】
【表1】
【0056】第一の比較試験の結果、実施例1,2では
2500サイクルのオートクレーブ処理を経た後であっ
ても、ヨーク29に全く錆が認められなかった。それに
対し比較例では、500サイクルを経た時点でヨークに
錆が発生し、1000サイクル経過後ではそれが顕著な
ものとなることがわかった。また、第二の比較試験の結
果、実施例2では温度上昇度合が比較例の約2倍ほどに
達してしまうのに対し、実施例1では1.6倍に止まる
程度であるということがわかった。
【0057】さて、これらの結果を総合すると、次のよ
うなことがいえる。ヨーク29の表面に耐錆性金属薄層
を形成した実施例1,2によると、表面になんら処理を
施していない比較例と比べて、どちらもヨーク29の表
面が確実に保護された状態となることが特徴的である。
【0058】また、ヨーク29を保護する無電解ニッケ
ルめっき層29b及び電解ニッケルめっき層は、基本的
に金属製であることから、高温に強くかつ緻密性やヨー
ク29との密着性にも優れるという性質を有している。
従って、実施例1,2によると、オートクレーブによる
滅菌・消毒を頻繁に行った場合でも、ヨーク29の表面
まで加圧蒸気が到達するというような事態が避けられ
る。よって、錆の発生が確実に防止され、もってブラシ
レスモータMの故障率が低減される。
【0059】なお、珪素鋼板への耐錆性金属薄層の形成
をめっきによって行う実施例1,2であると、例えば珪
素鋼板に樹脂を塗布するような場合と比べて、膜厚を均
一にすることができるという利点がある。
【0060】更に、実施例1のように無電解ニッケルめ
っき層29bを有するヨーク29であると、渦電流の損
失量が比較的小さいため、ブラシレスモータMの発熱量
の増加が最小限に止められる。よって、前記構成を採用
すれば、防錆性及び性能の両方に優れたブラシレスモー
タMを得ることが可能となる。
【0061】なお、本発明は上記実施例1,2のみに限
定されることはなく、以下のような構成に変更すること
が可能である。例えば、 (a)実施例1,2にて珪素鋼板29aとして用いた5
0A600に代え、例えば50A470,50A400
等を使用しても良い。
【0062】(b)無電解ニッケルめっき層29bや電
解クロムめっき層に代えて、例えばクロム、チタン、コ
バルト等によって無電解めっき層または電解めっき層を
形成することとしても良い。また、複数種のめっき層を
適宜組み合わせた構成を採ることも勿論可能である。
【0063】
【0064】()耐錆性金属薄層の形成方法はめっき
法に限られることはなく、例えばスパッタリング、真空
蒸着等といった従来公知の他の薄膜形成方法であっても
勿論良い。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように、ヨークを構成する
各々の鋼板の表面に耐錆性金属薄層としての無電解ニッ
ケルめっき層を設けるという本発明のブラシレスモータ
の構成によれば、オートクレーブによる滅菌・消毒を頻
繁に行うときでもヨークに錆が発生することがなく、も
って装置の故障率を確実に低減することができるととも
に、渦電流の損失量が比較的少なくなり、モータの発熱
量の増加が最小限に止められるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシレスモータを歯科用研磨装置に
具体化した一実施例を示す断面図である。
【図2】歯科用研磨装置をコネクタ側から見た拡大側面
図である。
【図3】歯科用研磨装置のA−A線における拡大断面図
である。
【図4】歯科用研磨装置のB−B線における拡大断面図
である。
【図5】スリーブ、ロータ及びクッションを示す分解斜
視図である。
【図6】スリーブの外周面を示す概略展開図である。
【図7】ヨークを示す斜視図である。
【図8】図7のヨークのC−C線における部分拡大断面
図である。
【図9】発熱試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ケーシング、28…ロータ、29,49…ヨーク、
29a,49a…鋼板、29b,49b…耐錆性金属薄
層としての無電解ニッケルめっき層、M…ブラシレスモ
ータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 29/00 H02K 21/00 A61C 1/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシング(1)と、そのケーシング
    (1)内に回転可能に配置されるロータ(28)と、薄
    い鋼板(29a)を複数枚積層してなり、かつロータ
    (28)とケーシング(1)との間に介在されるヨーク
    (29)とを備えたブラシレスモータ(M)において、
    前記ヨーク(29)を構成する各々の鋼板(29a)
    表面に耐錆性金属薄層(29b)を形成しことを特徴
    とするブラシレスモータ。
  2. 【請求項2】前記耐錆性金属薄層(29b)は無電解ニ
    ッケルめっき層であることを特徴とした請求項1に記載
    のブラシレスモータ。
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