JP3423680B2 - 低コヒーレントリフレクトメータ - Google Patents

低コヒーレントリフレクトメータ

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JP3423680B2
JP3423680B2 JP2000317869A JP2000317869A JP3423680B2 JP 3423680 B2 JP3423680 B2 JP 3423680B2 JP 2000317869 A JP2000317869 A JP 2000317869A JP 2000317869 A JP2000317869 A JP 2000317869A JP 3423680 B2 JP3423680 B2 JP 3423680B2
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  • Optical Communication System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路や光モジ
ュール等の被測定光回路における反射率又はその分布及
び反射位置を低コヒーレント光を用いて測定する低コヒ
ーレントリフレクトメータ(反射率測定装置)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来の低コヒーレントリフレク
トメータの概略構成例を示すブロック図である。図8に
おいて、100は低コヒーレント光を出射する発光ダイ
オードからなる低コヒーレント光源である。低コヒーレ
ント光源100の出射端には光ファイバ101の一端が
接続されている。102は4つのポート102a〜10
2dを有する光カプラであり、その1つのポート102
aには光ファイバ101の他端が接続されている。光カ
プラ102はポート102aから入力される低コヒーレ
ント光を所定の強度比(例えば1対1)で分岐してポー
ト102b,102c各々から出射する。ポート102
bには光ファイバ103の一端が接続されている。ま
た、光ファイバ103の他端には、内部に反射点を有す
る測定対象としての被測定光回路104が接続されてい
る。
【0003】光カプラ102のポート102cには光フ
ァイバ105が接続されている。106は光ファイバ1
05の端部105aに焦点位置が設定されたコリメート
レンズであり、107はコリメートレンズ106を介し
て入射する光を反射する反射鏡であり、コリメートレン
ズ106との距離を可変するための図示しないステージ
上に設けられている。また、光カプラ102のポート1
02dには光ファイバ108の一端が接続されており、
光ファイバ108の他端には受光信号処理部109が設
けられている。受光信号処理部109は、図示しない2
つの受光素子を備え、光ファイバ108から入射した光
を各々の受光素子で受光して光電変換し、各々の受光素
子で光電変換された電気信号の差分を増幅する。
【0004】上記構成における従来の低コヒーレントリ
フレクトメータは、まず低コヒーレント光源100から
出射された低コヒーレント光を光カプラ102で分岐
し、分岐光の一方を、測定光として光ファイバ103を
介して被測定光回路104に入射させる。被測定光回路
104内で生じた反射光は光ファイバ103を介してポ
ート102bから光カプラ102に入力する。
【0005】一方、光カプラ102の分岐光の他方は、
局発光として光ファイバ105を介して光ファイバ10
5の端部105aから出射され、コリメートレンズ10
6によって平行光に変換されて反射鏡107に入射す
る。局発光は反射鏡107によって反射され、コリメー
トレンズ106によって集光されて端部105aから光
ファイバ105内に入射し、光カプラ102に至る。
【0006】光カプラ102はポート102bから入力
する反射光とポート102cから入力する局発光とを合
波する。ここで、測定光及び反射光の光路と局発光の光
路とが同一になれば光カプラ102内で干渉が生ずる。
そして、合波光の内、光カプラ102のポート102d
から出射される合波光を受光信号処理部109が備える
図示しない受光素子で光電変換して差動増幅する。
【0007】ここで、図示しないステージを移動させて
反射鏡107を等速で光軸方向に移動させて空間的な光
路長を可変することにより光カプラ102から出射され
た局発光の光路長を変化させて、光カプラ102のポー
ト102bから測定光が出射され、反射光が光カプラ1
02bへ入射するまでの光路長と、光カプラ102のポ
ート102cから局発光が出射されて光カプラ102c
へ戻るまでの光路長とが等しいときに干渉が生じるた
め、被測定光回路104内における反射点の位置を計測
することができる。かかる技術の詳細については、例え
ば特開2000−97856を参照されたい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の低コヒーレントリフレクトメータは、測定光及び被
測定光回路104において生じた反射光が通過する光路
は光ファイバのみで構成されている。一方、局発光の光
路は図8に示したように、光ファイバ105の端部10
5a、コリメートレンズ106、及び反射鏡107で構
成される光路は屈折率がほぼ1の空間的な光路である。
【0009】このため、局発光の光路における波長の分
散値は、光ファイバのみで構成されている測定光及び反
射光の光路における波長の分散値と比較すると、光ファ
イバ105の端部105aから射出された局発光がコリ
メートレンズ106に至り、反射鏡107で反射され
て、再びコリメートレンズ106を介して光ファイバ1
05のファイバ105aに至る空間的な光路の分だけ少
なくなる。このように測定光及び反射光の分散値と局発
光の分散値との間に差があるとその影響により空間分解
能が劣化してしまうという問題があった。
【0010】上述したように、被測定光回路104の反
射点の位置は、反射鏡107を移動させることにより局
発光の空間的な光路長を可変して反射光と局発光とを光
カプラ102で干渉させることによって得られる訳であ
るが、この空間的な光路長が長くなるにつれ、測定光及
び反射光の分散値と局発光の分散値との差は大きくな
り、その結果空間分解能はより悪化してしまう。
【0011】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、高い空間分解能を有するとともに、局発光の空間
的な光路長の変化がある場合であっても高い空間分解能
を維持することができる低コヒーレントリフレクトメー
タを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の低コヒーレントリフレクトメータは、光源
と、少なくとも4つのポートを有し、第1のポートから
入射する前記光源からの光を分岐し、分岐した一方の光
を測定光として第2のポートから出射し、且つ分岐した
他方の光を局発光として第3のポートから出射するとと
もに、前記第2のポートから入射する反射光及び第3の
ポートから入射する局発光を合波して第4のポートから
出射する光カプラと、前記第2のポートと被測定光回路
との間に配置される分散シフトファイバと、前記第3の
ポートから出射される局発光に対して空間的な光路を介
して反射して、前記第3のポートへ入射させる反射手段
と、前記第4のポートから出射される合波光を受光して
処理する受光信号処理部とを具備し、前記光カプラと前
記分散シフトファイバとの間、及び、前記光カプラと前
記反射手段との間は光ファイバにより接続されており、
前記分散シフトファイバの光路長は、前記反射手段にお
ける前記空間的な光路の光路長とほぼ同一に設定される
ことを特徴としている。また、本発明の低コヒーレント
リフレクトメータは、光源と、前記光源からの光のスペ
クトラムの半値全幅を調整する光バンドパスフィルタ
と、少なくとも4つのポートを有し、第1のポートから
入射する前記光源からの光を分岐し、分岐した一方の光
を測定光として第2のポートから被測定光回路へ出射
し、且つ分岐した他方の光を局発光として第3のポート
から出射するとともに、前記被測定光回路から前記第2
のポートを介して入射する反射光及び第3のポートから
入射する局発光を合波して第4のポートから出射する光
カプラと、前記第3のポートから出射される局発光に対
して空間的な光路を介して反射して、前記第3のポート
へ入射させる反射手段と、前記第4のポートから出射さ
れる合波光を受光して処理する受光信号処理部とを具備
し、前記光カプラと前記被測定光回路との間、及び、前
記光カプラと前記反射手段との間は光ファイバにより接
続されていることを特徴としている。また、本発明の低
コヒーレントリフレクトメータは、前記反射手段が、コ
リメートレンズと反射鏡とを備え、前記コリメートレン
ズは、前記第3のポートから出射される光を平行光に変
換して前記反射鏡へ入射させるとともに、前記反射鏡に
よって反射された光を集束して前記第3のポートから前
記光カプラへ入射させることを特徴としている。また、
本発明の低コヒーレントリフレクトメータは、前記反射
鏡が移動可能に構成され、前記コリメートレンズとの距
離が可変であることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態による低コヒーレントリフレクトメータについて
詳細に説明する。 〔第1実施形態〕図1は、本発明の第1実施形態による
低コヒーレントリフレクトメータの概略構成を示すブロ
ック図である。図1において、1は低コヒーレント光を
出射する発光ダイオード等からなる低コヒーレント光源
である。この低コヒーレント光源1から射出される低コ
ヒーレント光の波長は例えば1.55μm帯の波長であ
る。
【0014】低コヒーレント光源1の出射端には光ファ
イバ2の一端が接続されている。3は4つのポート3a
〜3dを有する光カプラであり、その1つのポート3a
には光ファイバ2の他端が接続されている。光カプラ3
はポート3aから入力される低コヒーレント光を所定の
強度比(例えば1対1)で分岐してポート3b,3c各
々から出射する。また、光カプラ3のポート3bには光
ファイバ4の一端が接続されている。
【0015】光ファイバ4の他端には分散シフトファイ
バ(Dispersion Shifted Fiber:DSF)5を介して被
測定光回路6が接続されている。この分散シフトファイ
バ5は、低コヒーレント光源1から出射される低コヒー
レント光の波長帯においてほぼ分散値が0となる特性を
有している。また、この分散シフトファイバ5の長さ
は、低コヒーレント光源1から出射される低コヒーレン
ト光の波長帯の光に対して光路長が後述する局発光の空
間的な光路長とほぼ同一に設定される。また、光ファイ
バ4の長さと光ファイバ7との長さも同一に設定され
る。尚、光カプラ3のポート3bから、光ファイバ4及
び分散シフトファイバ5を介して被測定光回路6に至
り、再び分散シフトファイバ5及び光ファイバ4を介し
てポート3bに至る経路は第1の光経路に相当する。
【0016】また、光カプラ3のポート3cには光ファ
イバ7の一端が接続されている。8は光ファイバ7の端
部7aに焦点位置が設定されたコリメートレンズであ
る。9はコリメートレンズ8を介して入射する光を反射
する反射鏡であり、コリメートレンズ8との距離を可変
するための図示しないステージ上に設けられている。
尚、光カプラ3のポート3cから、光ファイバ7及びコ
リメートレンズ8を介して反射鏡9に至り、再びコリメ
ートレンズ8及び光ファイバ7を介してポート3cに至
る経路は第2の光経路に相当する。
【0017】更に、前述した光カプラ3のポート3dに
は光ファイバ10の一端が接続されており、光ファイバ
10の他端には受光信号処理部11が設けられている。
受光信号処理部11は、図示しない2つの受光素子を備
え、光ファイバ10から入射した光を各々の受光素子で
受光して光電変換し、各々の受光素子で光電変換された
電気信号の差分を増幅する。
【0018】上記構成における本発明の第1実施形態に
よる低コヒーレントリフレクトメータは、まず低コヒー
レント光源1から出射された低コヒーレント光を光カプ
ラ3で分岐し、分岐光の一方を測定光DLとして光ファ
イバ4及び分散シフトファイバ5を介して被測定光回路
6に入射させる。被測定光回路6内で生じた反射光RL
は分散シフトファイバ5及び光ファイバ4を順に介して
ポート3bから光カプラ3に入力する。ここで、測定光
DL及び反射光RLが光ファイバ4を通過する際には、
光ファイバ4の分散特性に応じた分散が生ずるが、分散
シフトファイバ5を通過する際には分散が生じない。
【0019】一方、光カプラ3の分岐光の他方は局発光
KLとしてポート3cから出射され、光ファイバ7を伝
搬して光ファイバ7の端部7aから出射され、コリメー
トレンズ8によって平行光に変換されて反射鏡9に入射
する。局発光KLは反射鏡9によって反射され、コリメ
ートレンズ8によって集光されて端部7aから光ファイ
バ7内に入射する。光ファイバ7内に入射した局発光K
Lは、ポート3cから光カプラ3内に入射する。
【0020】上記の光ファイバ7の端部7aから射出さ
れた局発光は、空間中を伝搬してコリメートレンズ8に
よって平行光に変換され、更に空間中を伝搬して反射鏡
9によって反射されている。かかる光路を逆順に進み光
ファイバ7の端部7aに入射するまでも同様に空間中を
伝搬する。よって、かかる空間的な光路を伝搬している
間は分散は生じないが、前述のように測定光DLが分散
シフトファイバ5中を伝搬している間、及び反射光RL
が分散シフトファイバ5を伝搬している間は分散が生じ
ない。しかも、前述した通り、分散シフトファイバ5の
長さは、低コヒーレント光源1から出射される低コヒー
レント光の波長帯の光に対して光路長が局発光の空間的
な光路長と同程度に設定されている。よって、ポート3
bから光カプラ3へ入射した反射光の分散値とポート3
cから光カプラ3へ入射した局発光KLの分散値とはほ
ぼ同一である。
【0021】光カプラ3へ入射した反射光RLと局発光
KLとは光カプラ3によって合波される。ここで、測定
光及び反射光の光路と局発光の光路とが同一になれば光
カプラ3内で干渉が生ずる。そして、合波光の内、光カ
プラ3のポート3dから出射される合波光を受光信号処
理部11が備える図示しない受光素子で光電変換して差
動増幅する。
【0022】以上説明した本発明の第1実施形態におい
ては、分散シフトファイバの光路長を、局発光の空間的
な光路に相当する長さに設定することができれば波長分
散(以下、本発明の実施形態の説明においては、単に分
散と称する)が空間分解能に与える影響を零にすること
ができる。しかしながら、例えば被測定光回路6内に既
に光ファイバ等が付属している場合には、分散の影響を
完全に零とすることはできないが、その影響を少なくす
ることができる。
【0023】図2は、第1実施形態の低コヒーレントリ
フレクトメータを用いて被測定光回路6に対する計測を
行った際の計測結果の一例を示す図であり、(a)は分
散シフトファイバ5を設けない場合の計測結果を示す図
であって、(b)は分散シフトファイバ5を設けた場合
の計測結果を示す図である。尚、図2(a)、図2
(b)において、縦軸は得られる信号レベルであり、そ
の単位は[dB]である。また、横軸は被測定光回路6
内の計測領域の一部を示している。また、図2において
は、局発光の空間的な光路長を70cmに設定してい
る。
【0024】図2(a)と図2(b)とを比較すると、
図2(a)及び図2(b)ともに反射点がある位置(図
中において符号P1を付した位置)において、信号レベ
ルがピーク値をとるが、図2(a)中に示されたピーク
の幅よりも、図2(b)中に示されたピーク値の幅の方
が狭くなっている。これは、空間分解能が高くなってい
ることを意味する。
【0025】以上説明したように、本発明の第1実施形
態においては、低コヒーレントリフレクトメータ内に設
けられる光ファイバ中を測定光DL及び反射光RLが伝
搬して生ずる分散値と、光ファイバ及び空間的な光路を
局発光KLが伝搬して生ずる分散値との差を、測定光D
L及び反射光RLの光路中に分散シフトファイバ5を設
けることによってほぼ零としている。よって、低コヒー
レントリフレクトメータの空間分解能を高く維持するこ
とができる。
【0026】〔第2実施形態〕図3は、本発明の第2実
施形態による低コヒーレントリフレクトメータの概略構
成を示すブロック図であり、図1に示した部材と同一の
部材には同一の符号を付してその説明を省略する。図3
に示した本発明の第2実施形態による低コヒーレントリ
フレクトメータが図1に示した本発明の第1実施形態に
よる低コヒーレントリフレクトメータと異なる点は、図
1中の分散シフトファイバ5が省略されて光ファイバ4
が直接被測定光回路6に接続されている点と、低コヒー
レント光源1と光ファイバ2との間に、光ファイバ21
及び光バンドパスフィルタ20が設けられている点であ
る。
【0027】かかる構成の本実施形態による低コヒーレ
ントリフレクトメータは、低コヒーレント光源1から出
射される低コヒーレント光のスペクトル幅(半値全幅)
が広いと低コヒーレントリフレクトメータの空間分解能
に影響を与える点に着目し、低コヒーレント光源1から
出射される低コヒーレント光のスペクトル幅(半値全
幅)を狭くして空間分解能への影響を軽減するものであ
る。光バンドパスフィルタ20は、低コヒーレント光の
スペクトル(半値全幅)幅を狭くするために設けられ
る。
【0028】次に、低コヒーレント光のスペクトル幅
(半値全幅)と低コヒーレントリフレクトメータの空間
分解能との関係について説明する。低コヒーレントリフ
レクトメータを用いた測定法における空間分解能への分
散値の影響は低コヒーレント光源1のスペクトル特性及
び光ファイバ2,4,7,10等の分散特性から以下の
(1)式に示された通りに近似されることが分かってい
る。
【数1】
【0029】ここで、上記(1)式中におけるΔzi
光ファイバ2,4,7,10等による分散の影響が全く
ないと仮定したときの低コヒーレントリフレクトメータ
の空間分解能である。この空間分解能Δziは以下の
(2)式で与えられる。
【数2】 上記(2)式において、nは光伝送媒質(光ファイバ
2,4,7,10等)の屈折率であり、λは低コヒーレ
ント光源1の中心波長であり、ΔλはそのFWHM(半
値全幅)値である。
【0030】また、上記(1)式中のLDは分散長と呼
ばれる分散の影響を表す特徴的な長さであり、以下の
(3)式で与えられる。
【数3】 上記(3)式において、cは光の速さ、Dは光ファイバ
の分散パラメータである。更に、上記(1)式中のL
は、被測定光回路6内の反射点までの片道長であるが、
本実施形態の低コヒーレントリフレクトメータの構成
上、局発光KLの光路と測定光DL及び反射光RLの光
路で効果がうち消されるため、これらの光路間に分散値
の差がある区間、即ち空間光路長に相当する区間の長さ
である。
【0031】上記(2)式及び(3)式を(1)式に代
入すると、(4)式が得られる。
【数4】 上記(4)式から分かるように、光伝送媒質及び光源の
中心波長が設定された場合、光ファイバ2,4,7,1
0等による分散の影響を考慮したときの空間分解能Δz
rは測定光DL及び反射光RLの光路と局発光KLの光
路との間で、分散値が相違する区間の長さ及び低コヒー
レント光源1のスペクトラムの半値全幅に依存してい
る。
【0032】図4は、分散値が相違する区間の長さと空
間分解能Δzrとの関係を示す図である。図4に示した
ように、分散値が相違する区間の長さが長くなると、比
例的に空間分解能Δzrの値が大となって、空間分解能
Δzrが悪化する。また、図5は、低コヒーレント光源
1のスペクトラムの半値全幅と空間分解能Δzrとの関
係を示す図である。尚、図5は、低コヒーレント光源1
から出射される低コヒーレント光の波長が1.55μm
の場合について図示している。図5に示したように、低
コヒーレント光源1の半値全幅が18nm程度の場合に
空間分解能Δzrが極小となって空間分解能Δzrが良く
なるが、半値全幅が10nm以下になると急激に空間分
解能Δzrが悪化し、全値半幅が30nm程度以上にな
ると緩やかに空間分解能Δzrが悪化する。
【0033】図4及び図5から分かるように、任意の長
さLに対して空間分解能を最小にする半値全幅が存在す
る。従って、長さLが変化する場合に、その変化に対す
る空間分解能の変化を極小にする半値全幅を選択するこ
とが可能である。図6は、半値全幅をある値に設定した
ときの分散値が相違する区間の長さと空間分解能Δz r
との関係を示す図である。尚、図6においては、半値全
幅を10nmに設定し、光ファイバの分散パラメータD
を一般的な値として17ps/km・nmと仮定してい
る。
【0034】図6から分かるように、分散値が相違する
区間の長さが変化しても空間分解能Δzrは殆ど変化し
ない。よって、低コヒーレント光源1から出射される低
コヒーレント光の中心波長が1.55μmである場合
に、光バンドパスフィルタ20の通過特性を、中心波長
に対して±5nmの波長の低コヒーレント光を通過させ
る特性に設定すれば反射鏡9をステージで移動させた場
合であっても空間分解能Δzrはさほど悪化しない。
【0035】図7は、第2実施形態の低コヒーレントリ
フレクトメータを用いて被測定光回路6に対する計測を
行った際の計測結果の一例を示す図であり、(a)は光
バンドパスフィルタ20の通過帯域を中心波長に対して
約±40nmに設定した場合の計測結果を示す図であっ
て、(b)は光バンドパスフィルタ20の通過帯域を中
心波長に対して約±7.5nmに設定した場合の計測結
果を示す図である。尚、光バンドパスフィルタ20の通
過帯域の中心波長は1.55μmに設定されている。
【0036】図7(a)と図7(b)とを比較すると、
図7(a)及び図7(b)ともに反射点がある位置(図
中において符号P2を付した位置)において、信号レベ
ルがピーク値をとるが、図7(a)中に示されたピーク
の幅よりも、図7(b)中に示されたピーク値の幅の方
が狭くなっている。これは、空間分解能が高くなってい
ることを意味する。
【0037】以上説明したように、本発明の第2実施形
態においては、低コヒーレントリフレクトメータ内に設
けられる光ファイバ中を測定光DL及び反射光RLが伝
搬して生ずる分散値と、光ファイバ及び空間的な光路を
局発光KLが伝搬して生ずる分散値との差による空間分
解能Δzrの悪化を、低コヒーレント光源1から出射さ
れる低コヒーレント光の半値全幅を制限する光バンドパ
スフィルタ20を設けることにより極力抑えている。よ
って、低コヒーレントリフレクトメータの空間分解能を
高く維持することができる。
【0038】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
第1の光経路と第2の光経路との間の波長分散値に相違
がある区間があったとしても、その相違を補償する補償
手段を設けているため。空間分解能に波長分散の影響が
現れず、その結果高い空間分解能を維持することができ
るという効果がある。また、本発明によれば、従来の低
コヒーレントリフレクトメータの第1の光経路内に分散
補償光ファイバを備えるだけで高い分解能を得ることが
できるという効果がある。また、本発明によれば、光源
からの光のスペクトラムの半値全幅を調整する調整手段
を設けて波長分散が空間分解能に与える影響を最小にす
る半値全幅を設定することができるので、空間的な光路
長さが変化した場合であっても、空間分解能が殆ど変化
しないという効果がある。また、本発明によれば、光バ
ンドパスフィルタによって光源からの光のスペクトラム
の半値全幅を調整しているため、波長分散が空間分解能
に与える影響を最小にする半値全幅を簡単な構成で選択
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による低コヒーレント
リフレクトメータの概略構成を示すブロック図である。
【図2】 第1実施形態の低コヒーレントリフレクトメ
ータを用いて被測定光回路6に対する計測を行った際の
計測結果の一例を示す図であり、(a)は分散シフトフ
ァイバ5を設けない場合の計測結果を示す図であって、
(b)は分散シフトファイバ5を設けた場合の計測結果
を示す図である。
【図3】 本発明の第2実施形態による低コヒーレント
リフレクトメータの概略構成を示すブロック図である。
【図4】 分散値が相違する区間の長さと空間分解能Δ
rとの関係を示す図である。
【図5】 低コヒーレント光源1のスペクトラムの半値
全幅と空間分解能Δzrとの関係を示す図である。
【図6】 半値全幅をある値に設定したときの分散値が
相違する区間の長さと空間分解能Δzrとの関係を示す
図である。
【図7】 第2実施形態の低コヒーレントリフレクトメ
ータを用いて被測定光回路6に対する計測を行った際の
計測結果の一例を示す図であり、(a)は光バンドパス
フィルタ20の通過帯域を中心波長に対して約±40n
mに設定した場合の計測結果を示す図であって、(b)
は光バンドパスフィルタ20の通過帯域を中心波長に対
して約±7.5nmに設定した場合の計測結果を示す図
である。
【図8】 従来の低コヒーレントリフレクトメータの概
略構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 低コヒーレント光源(光源) 3 光カプラ(分岐手段、合波手段、合分岐手段) 5 分散シフトファイバ(補償手段) 6 被測定光回路 8 コリメートレンズ(反射手段) 9 反射鏡(反射手段) 11 受光信号処理部 20 光バンドパスフィルタ(補償手段、調整手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千田 健司 東京都大田区蒲田4丁目19番7号 安藤 電気株式会社内 (72)発明者 高田 和正 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−331712(JP,A) 特開2000−97856(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 11/00 - 11/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、少なくとも4つのポートを有
    し、第1のポートから入射する前記光源からの光を分岐
    し、分岐した一方の光を測定光として第2のポートから
    出射し、且つ分岐した他方の光を局発光として第3のポ
    ートから出射するとともに、前記第2のポートから入射
    する反射光及び第3のポートから入射する局発光を合波
    して第4のポートから出射する光カプラと、 前記第2のポートと被測定光回路との間に配置される分
    散シフトファイバと、 前記第3のポートから出射される局発光に対して空間的
    な光路を介して反射して、前記第3のポートへ入射させ
    る反射手段と、 前記第4のポートから出射される合波光を受光して処理
    する受光信号処理部とを具備し、 前記光カプラと前記分散シフトファイバとの間、及び、
    前記光カプラと前記反射手段との間は光ファイバにより
    接続されており、 前記分散シフトファイバの光路長は、前記反射手段にお
    ける前記空間的な光路の光路長とほぼ同一に設定される
    ことを特徴とする低コヒーレントリフレクトメータ。
  2. 【請求項2】 光源と、 前記光源からの光のスペクトラムの半値全幅を調整する
    光バンドパスフィルタと、 少なくとも4つのポートを有し、第1のポートから入射
    する前記光源からの光を分岐し、分岐した一方の光を測
    定光として第2のポートから被測定光回路へ出射し、且
    つ分岐した他方の光を局発光として第3のポートから出
    射するとともに、前記被測定光回路から前記第2のポー
    トを介して入射する反射光及び第3のポートから入射す
    る局発光を合波して第4のポートから出射する光カプラ
    と、 前記第3のポートから出射される局発光に対して空間的
    な光路を介して反射して、前記第3のポートへ入射させ
    る反射手段と、 前記第4のポートから出射される合波光を受光して処理
    する受光信号処理部とを具備し、 前記光カプラと前記被測定光回路との間、及び、前記光
    カプラと前記反射手段との間は光ファイバにより接続さ
    れていることを特徴とする 低コヒーレントリフレクトメ
    ータ。
  3. 【請求項3】 前記反射手段は、コリメートレンズと反
    射鏡とを備え、 前記コリメートレンズは、前記第3のポートから出射さ
    れる光を平行光に変換して前記反射鏡へ入射させるとと
    もに、前記反射鏡によって反射された光を集束して前記
    第3のポートから前記光カプラへ入射させることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の 低コヒーレントリフ
    レクトメータ。
  4. 【請求項4】 前記反射鏡は移動可能に構成され、前記
    コリメートレンズとの距離が可変であることを特徴とす
    る請求項3記載の低コヒーレントリフレクトメータ。
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