JP3423623B2 - 抵抗体 - Google Patents

抵抗体

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JP3423623B2
JP3423623B2 JP22558298A JP22558298A JP3423623B2 JP 3423623 B2 JP3423623 B2 JP 3423623B2 JP 22558298 A JP22558298 A JP 22558298A JP 22558298 A JP22558298 A JP 22558298A JP 3423623 B2 JP3423623 B2 JP 3423623B2
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智明 加東
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、抵抗体に関する
ものであり、特に、両面に電極が設けられ、側面に高抵
抗層を有する電力用抵抗体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電力用抵抗体の例を非直線抵抗体
である酸化亜鉛素子を用いた電力用抵抗体について説明
する。図20(a)は従来の抵抗体の平面図、図20
(b)はその側面断面図である。図において、1は円柱
状の酸化亜鉛素子(以下素子と呼ぶ)、2、2’は素子
1上下両平面A、A’に設けられた電極、3は素子1の
外周円周面に形成された側面高抵抗層である。
【0003】素子1の製造方法は、ZnOを主成分とす
る電圧非直線抵抗体の一般的な製造方法による。即ち、
平均粒径0.5μmのZnOを90乃至97mol%と
する。添加物を、Bi2 O3 、Sb2 O3 、C
o3 O4 、Mn3 O4、NiO、SiO2 など
から選び、合計3−10mol%とする。これら添加物
原料の粒径は微細なものがよく、10μm以下が望まし
い。これら添加物とZnOの所定量の混合体に、水とバ
インダ用ポリビニールアルコールを少量加えてよく混合
し、スラリーを作り、次に造粒する。この造粒粉を所定
の形に成形し、焼成する。焼成工程の中には、バインダ
を分解除去する処理、側面高抵抗層3を塗布する処理、
この粉体の固まりを高温度で焼成し、粉体を焼き固める
処理が含まれる。焼成後、所定厚みに研磨し洗浄した
後、アルミニウムを用いたメタリコンによって電極2、
2’を付けて完成する。
【0004】従来の抵抗体の径方向の電流分布は、図2
1に曲線aで示すように、周辺部において電流が大きく
なっている。図21において、横軸は素子1の中心から
径方向の距離を、縦軸は電流の相対値を示す。なお、C
は電極2、2’の直径、Dは素子1の側面高抵抗層3を
含む直径を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上の構成からなる従
来の酸化亜鉛素子1に大電流を流すと、図22のように
電極2のエッジ部5において等電位線4が密になり、電
流集中が生じ、電極エッジ部5の素子温度が上昇する。
そうすると素子の一部が蒸発し、その結果生じたイオン
および電子が外部に飛び出し、電極エッジ部5にコロナ
が発生し、素子1の側面の沿面放電6が誘発されるとい
う欠点があった。
【0006】この発明は上記従来のもののような素子側
面の沿面放電を誘発するコロナ放電を防止し、放電耐量
性能を向上させた酸化亜鉛素子を用いた抵抗体を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る抵抗体
は、上下両面に電極が被着され、側面に高抵抗層を有す
る抵抗体の素子の上下面に、対向するリング状の凹部を
設け、電極が上記凹部を覆うようにしたものである。
【0011】また、リング状の凹部の曲率半径をR(m
m)、対面するリング状の凹部間の素子の厚さをH(m
m)とするとき、曲率半径Rを次式を満たす値にしたも
のである。 1mm≦R<H/2
【0012】また、円柱状の形状をした素子におけるリ
ング状の凹部外側の直径をC2(mm)、側面高抵抗層
を含めた素子直径をD(mm)としたとき、比C2/D
を次式を満たす値にしたものである。 0.9≦C2/D<1.0
【0013】
【発明の実施の形態】実施の形態1. 図1はこの発明の実施の形態1に係る抵抗体の断面図で
ある。図において、1は素子で、これは円柱状の上下両
面に直径C1の凹部7、7’が形成されている。2、
2’は上記凹部7、7’を覆うように形成された直径E
の電極である。3は素子1の外周に形成された側面高抵
抗層である。なお凹部7、7’の周囲断面は曲率半径R
の曲線になされている。Dは側面高抵抗層3を含む素子
1の直径、Hは対面する電極2、2’間の距離、すなわ
ち素子1の一番薄い部分の厚さである。
【0014】次に、本発明抵抗体の作製方法を説明す
る。素子1の製造方法は従来のものと同じである。素子
1の形成方法の一つは、従来の製造方法に従って焼成、
研磨した素子を、所定の大きさと深さに研削することに
よって素子の凹部7、7’を形成し、これに電極2、
2’を付ける方法である。もう一つの方法は、従来の製
造方法に従って素子を成形する際、金型に、凹部7、
7’を形成する所定の大きさの凸部をもたせ、成形し、
焼成、研磨、電極付けをして素子を得る。
【0015】図2は上記抵抗体に方形波を印加したとき
の等電位線を示すものである。従来の等電位線を示す図
22と比較すると、本発明品の電極エッジ部5の等電位
線4の密度は粗となり、従って電流集中が抑制され、電
極エッジ部5でコロナを発生し難くなり、放電耐量性能
を向上させることができる。
【0016】以上のように構成された抵抗体に方形波電
流を印加して方形波耐量試験を行った結果を従来品と本
発明品との比較において示したものが図3である。これ
ら試料の形状は、従来品C/D=0.9、H=20mm
に対して、本発明品C1/D=0.9、H=20mmと
した。方形波耐量試験時の波形は、電流が2mSの間一
定になる方形波を加えるものとし、エネルギーは電流値
を変えて調節し、相対的に100、120、140と変
えて試験した。図3には、従来品と本発明品に対し各3
個ずつの試料について試験した結果を示す。丸(○)は
方形波試験後、素子に異常がないことを、ばつ(×)は
方形波試験後、素子の一部が破壊していることを示す。
異常が認められない場合には同一試料に対して5回試験
を行った。この実験結果より、図3に示すように、本発
明品は、従来品と比較して方形波耐量エネルギー値が増
大していることが確認された。
【0017】上記抵抗体の凹部7、7’の端部と側面高
抵抗層3の間の素子剥き出し部に絶縁物を塗布すること
は耐量向上に望ましい。また、電極2、2’の端部が高
抵抗層3近傍まで拡大されるか、高抵抗層3に重なるま
で拡大した電極を備えれば、放電耐量向上に望ましい。
【0018】実施の形態2. 実施の形態2は、素子周辺部の高抵抗層近傍まで素子が
凹むとき、この凹んだ部分の曲率半径Rの値を変えた場
合に関するものである。曲率半径Rを変えた試料は、実
施の形態1のものを作製する方法と同様にして作製する
ことができる。その一つは、焼成品を曲率半径Rを変え
て研削するものである。二つ目の方法は、金型の凸部の
エッジの曲率半径を変えた金型によって成形し、焼成し
て作製するものである。実施の形態2では後者によって
作製した。
【0019】図4は曲率半径RをR’(ただしR’>
R)としたときの上記抵抗体に方形波を印加したときの
等電位線を示すものである。曲率半径Rのときの等電位
線を示す図2と比較すると、電極エッジ部5の等電位線
4の密度は粗となり、従って電流集中が抑制され、電極
エッジ部5でコロナを発生し難くなり、放電耐量性能を
向上させることができる。
【0020】図5に示すように、対面する電極間の素子
厚みHを20mm、凹部の直径C1と素子の直径D(1
00mm)の比C1/D=0.9とし、凹部の曲率半径
Rを0.01mm、0.1mm、1mm、3mmのもの
を各3個ずつ準備をして実施の形態1と同様な試験を行
った結果が図5である。
【0021】図5において、耐量試験後、素子に異常が
認められない場合は丸(○)、破壊などして異常が認め
られる場合はばつ(×)で示した。方形波耐量試験の注
入エネルギーは相対値で示した。この図5より、素子の
凹部7、7’の曲率半径は0.01mmでは従来品のエ
ネルギー耐量値と同等で改善が見られないが、曲率半径
が0.1mm以上にするとエネルギー耐量値に改善が見
られる。しかし、曲率半径が大きくなりすぎると素子の
出っ張りの部分が欠けやすくなり、歩留まりが落ちる。
従って、曲率半径Rは、対面する電極間の素子厚みHの
半分以下が望ましい。即ち、曲率半径Rの好ましい条件
は、 0.1mm≦R<H/2 である。
【0022】上記抵抗体において、凹部7、7’端部と
側面高抵抗層3の間の素子剥き出し部について、絶縁物
を塗布することは放電耐量向上に望ましい。また、電極
端部が高抵抗層近傍まで拡大されるか、高抵抗層に重な
るまで拡大した電極を備えれば、耐量向上に望ましい。
【0023】実施の形態3. 実施形態3は、素子凹部7、7’の直径と素子1の直径
の関係について示す。対面電極間距離Hを20mm、凹
部7、7’の曲率半径Rを1mmとし、凹部の直径C1
と素子の直径D(=100mm)の比C1/Dを0.
7、0.8、0.9、1.0と変化させた試料を各3個
ずつ作製した。方形波耐量試験の注入エネルギーは相対
値で示し、従来品と比較した試験結果を図7に示す。
【0024】この図7より、C1/D値が0.8よりも
小さい場合には、方形波エネルギー耐量値は従来品と変
わらず、改善効果は認められない。しかし、0.9以上
になれば従来品に比べ、方形波エネルギー耐量値が大幅
に改善されていることが分かる。
【0025】図6は凹部直径C1をC10(ただしC1
0>C1)としたときの上記抵抗体に方形波を印加した
ときの等電位線を示すものである。直径C1のときの等
電位線を示す図2と比較すると、電極エッジ部5の等電
位線4の密度は粗となり、従って電流集中が抑制され、
電極エッジ部5でコロナを発生し難くなり、放電耐量性
能を向上させることができる。
【0026】実施の形態4. 図8は実施の形態4に係る抵抗体を示す断面図である。
図において、8、8’は素子1の上下面に形成されたリ
ング状凹部で、C2はリング状凹部8、8’の外側の直
径、Rはその凹部8、8’の曲率半径である。2、2’
はリング状凹部8、8’まで覆う電極である。本実施の
形態4は、従来品の作製方法に従って焼成、研磨した素
子を、所定の大きさと深さに研削することによって素子
上下面をリング状に凹まし、電極付けして得た。Eは電
極の直径、Dは側面高抵抗層3を含めた素子1の直径、
Hは対面するリング状凹部8、8’間の素子1厚みを示
す。
【0027】図9は上記抵抗体に方形波を印加したとき
の等電位線を示すものである。従来の等電位線を示す図
22と比較すると、本発明品の電極エッジ部5の等電位
線4の密度は粗となり、従って電流集中が抑制され、電
極エッジ部5でコロナを発生し難くなり、放電耐量性能
を向上させることができる。
【0028】以上のように構成された抵抗体に方形波電
流を印加して方形波耐量試験を行った結果を従来品と本
発明品との比較において示したものが図10である。こ
れら試料の形状は、C2/D=0.9、H=20mmと
した。方形波耐量試験時の波形は、電流が2mSの間一
定になる方形波を加えるものとし、エネルギーは電流値
を変えて調節し、相対的に100、120、140と変
えて試験した。図10には、従来品と本発明品に対し各
3個ずつの試料について試験した結果を示す。丸(○)
は方形波試験後、素子に異常がないことを、ばつ(×)
は方形波試験後、素子の一部が破壊していることを示
す。異常が認められない場合には同一試料に対して5回
試験を行った。この図10より本発明品は従来品と比較
して方形波耐量エネルギー値が増大していることが分か
る。
【0029】上記抵抗体の凹部端部と側面高抵抗層の間
の素子剥き出し部について、絶縁物を塗布することは耐
量向上に望ましい。また、電極端部が高抵抗層近傍まで
拡大されるか、高抵抗層に重なるまで拡大した電極を備
えれば、耐量向上に望ましい。
【0030】実施の形態5. 実施形態5は、リング状凹部8、8’の曲率半径Rを変
えた場合に関するものである。曲率半径Rを変えた試料
は、実施の形態4のものを作製する方法と同様にして作
製した。図12に示すように、対面するリング状凹部
8、8’間の素子厚みHを20mm、リング状凹部8、
8’の外側の直径C2と素子1の直径D(100mm)
の比をC2/D=0.9とし、リング状凹部8、8’の
曲率半径Rを0.1mm、1mm、3mm、5mmのも
のを各3個ずつ準備をした。
【0031】図12に、耐量試験後、素子に異常が認め
られない場合は丸(○)、破壊などして異常が認められ
る場合はばつ(×)で示した。方形波耐量試験の注入エ
ネルギーは相対値で示した。この図12より、素子の凹
部の曲率半径Rは0.1mmでは従来品のエネルギー耐
量値と同等で改善が見られないが、曲率半径Rが1mm
以上にするとエネルギー耐量順に改善が見られる。しか
し、曲率半径Rが大きくなりすぎると素子の周辺部の出
っ張りの部分が欠けやすくなり、歩留まりが落ちる。従
って、曲率半径Rは対面する電極間の素子厚みHの半分
以下が望ましい。即ち、曲率半径Rの好ましい条件は、 1mm≦R<H/2 である。
【0032】図11は曲率半径RをR’(ただしR’>
R)としたときの上記抵抗体に方形波を印加したときの
等電位線を示すものである。曲率半径Rのときの等電位
線を示す図9と比較すると、電極エッジ部5の等電位線
4の密度は粗となり、従って電流集中が抑制され、電極
エッジ部5でコロナを発生し難くなり、放電耐量性能を
向上させることができる。
【0033】実施の形態6. 実施の形態6は、リング状凹部8、8’外側の直径C2
と素子直径Dの関係について示す。対面するリング状凹
部8、8’間の距離Hを20mm、凹部の曲率半径Rを
1mmとし、リング状凹部外側の直径C2と素子1の直
径D(=100mm)の比C2/Dを0.7、0.8、
0.9、1.0と変化させた試料を各3個ずつ作製し
た。方形波耐量試験の注入エネルギーは相対値で示し、
従来品と比較した試験結果を図14に示す。
【0034】この図14より、C2/D値が0.8より
も小さい場合には、方形波エネルギー耐量値は従来品と
変わらず、改善効果は認められない。しかし、0.9以
上になれば従来品に比べ、方形波エネルギー耐量値が大
幅に改善されていることが分かる。
【0035】図13はリング状凹部外側の直径C2をC
20(ただしC20>C2)としたときの上記抵抗体に
方形波を印加したときの等電位線を示すものである。直
径C2のときの等電位線を示す図9と比較すると、電極
エッジ部5の等電位線4の密度は粗となり、従って電流
集中が抑制され、電極エッジ部5でコロナを発生し難く
なり、放電耐量性能を向上させることができる。
【0036】実施の形態7. この実施の形態7は、素子1の厚さHが素子直径Dより
も小さい場合についてのものである。図15はこの発明
の実施の形態7に係る抵抗体の断面図である。次に、作
製方法を示す。従来品の作製方法に従ってバインダを除
去した後、側面部を断面凹形状に研削し、側面高抵抗層
3を塗布し、焼成し、次いで素子上下面を研磨した後、
電極2、2’を付けた。ここで、Eは電極2、2’の直
径を、Dは側面高抵抗層3を含めた素子1の直径(10
0mm)を示す。Hは対面する電極2、2’間の素子厚
みを、Rは側面凹部のうち、上下面から凹んだ凹み部の
曲率半径を示す。
【0037】図17に、従来品と本発明品の方形波耐量
試験結果を示す。これら試料の形状は、E/D=0.
9、H=20mmとした。方形波耐量試験時の波形は、
電流が2mSの間一定になる方形波を加えるものとし、
エネルギーは電流値を変えて調節し、相対的に100、
120、140と変えて試験した。図17には、従来品
と本発明品に対し各3個ずつの試料について試験した結
果を示す。丸(○)は方形波試験後、素子に異常がない
ことを、ばつ(×)は方形波試験後、素子の一部が破壊
していることを示す。異常が認められない場合には同一
試料に対して5回試験を行った。
【0038】この図17より、素子の凹み部の曲率半径
は0.1mmでは従来品のエネルギー耐量値と同等で改
善が見られないが、曲率半径が1mm以上にするとエネ
ルギー耐量値に改善が見られる。しかし、曲率半径が大
きくなりすぎると素子側面の出っ張りの部分が欠けやす
くなり、歩留まが落ちる。従って、曲率半径Rは対面す
る電極間の素子厚みHの半分以下が望ましい。即ち、曲
半径Rの好ましい条件は、 1mm≦R<H/2 である。
【0039】上記抵抗体の電極部端部と側面高抵抗層の
間の素子剥き出し部について、絶縁物を塗布すると放電
耐量向上に望ましい。また、電極端部が高抵抗層近傍ま
で拡大されるか、高抵抗層に重なるまで拡大した電極を
備えれば、耐量向上に望ましい。抵抗体の上下面と側面
部の凹み開始位置は、端部のかけを防ぐため、図16に
示すように小さい距離Lmmだけ残しておくことが望ま
しい。
【0040】実施の形態7に係る抵抗体の方形波印加時
の等電位線を図16に示す。従来の等電位線を示す図2
2と比較すると、本発明品の電極エッジ部5の等電位線
4の密度は粗となり、従って電流集中が抑制され、電極
エッジ部5でコロナを発生し難くなり、放電耐量性能を
向上させることがきる。
【0041】実施の形態8. この実施形態は、図18に示すように、素子1の厚さH
が素子直径Dよりも大きい場合についてのものである。
素子の作製方法は実施の形態1の場合と同じである。
【0042】図19に、従来品と本発明品の方形波耐量
試験結果を示す。これら試料の形状は、側面高抵抗層3
を含めた素子の直径D=30mm、E/D=0.9、H
=50mmとした。方形波耐量試験時の波形は、電流が
2mSの間一定になる方形波を加えるものとし、エネル
ギーは電流値を変えて調節し、相対的に100、12
0、140と変えて試験した。図19には、従来品と本
発明品に対し各3個ずつの試料について試験した結果を
示す。丸(○)は方形波試験後、素子に異常がないこと
を、ばつ(×)は方形波試験後、素子の一部が破壊して
いることを示す。異常が認められない場合には同一試料
に対して5回試験を行った。
【0043】この図19より、素子の凹み部の曲率半径
は0.1mmでは従来品のエネルギー耐量値と同等で改
善が見られないが、曲率半径を1mm以上にするとエネ
ルギー耐量値に改善が見られる。しかし、曲率半径Rは
対面する電極間の素子厚みHの半分以下が望ましい。す
なわち、曲率半径Rの好ましい条件は、 1mm≦R<D/2 である。
【0044】上記抵抗体の電極部端部と側面高抵抗層の
間の素子剥き出し部について、絶縁物を塗布すること放
電耐量向上に望ましい。また、電極端部が高抵抗層近傍
まで拡大されるか、高抵抗層に重なるまで拡大した電極
を備えれば、耐量向上に望ましい。抵抗体の上下面と側
面部の凹み開始位置は、端部のかけを防ぐため、図16
に示すように小さい距離Lmmだけ残しておくことが望
ましい。
【0045】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、素子
の電極面にリング状の凹部を形成し、このリング状の凹
部まで覆うように電極を形成することにより、電極端部
の電流密度を小さくし、放電耐量性能を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る抵抗体を示す
側面断面図である。
【図2】 実施の形態1の動作を説明する等電位線を示
す図である。
【図3】 実施の形態1の方形波耐量試験結果を従来品
と比較して示す図である。
【図4】 実施の形態2の動作を説明する等電位線を示
す図である。
【図5】 実施の形態2の方形波耐量試験結果を従来品
と比較して示す図である。
【図6】 実施の形態3の動作を説明する等電位線を示
す図である。
【図7】 実施の形態3の方形波耐量試験結果を従来品
と比較して示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態4に係る抵抗体を示す
側面断面図である。
【図9】 実施の形態4の動作を説明する等電位線を示
す図である。
【図10】 実施の形態4の方形波耐量試験結果を従来
品と比較して示す図である。
【図11】 実施の形態5の動作を説明する等電位線を
示す図である。
【図12】 実施の形態5の方形波耐量試験結果を従来
品と比較して示す図である。
【図13】 実施の形態6の動作を説明する等電位線を
示す図である。
【図14】 実施の形態6の方形波耐量試験結果を従来
品と比較して示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態7に係る抵抗体を示
す側面断面図である。
【図16】 実施の形態7の動作を説明する等電位線を
示す図である。
【図17】 実施の形態7の方形波耐量試験結果を従来
品と比較して示す図である。
【図18】 この発明の実施の形態8に係る抵抗体を示
す側面断面図である。
【図19】 実施の形態8の方形波耐量試験結果を従来
品と比較して示す図である。
【図20】 従来の抵抗体を示す平面図(a)、および
側面断面図(b)である。
【図21】 従来の抵抗体の動作を説明する電流分布を
示すグラフである。
【図22】 従来の抵抗体の動作を説明する等電位線を
示す図である。
【符号の説明】
1 素子、2、2’ 電極、3 高抵抗層、4 等電位
線、5 電極エッジ部、7、7’ 凹部、8、8’ リ
ング状凹部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 昭夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 加東 智明 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 堀江 直美 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 中條 博史 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 高田 良雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−204202(JP,A) 特開 昭57−152106(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/02 - 7/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下両面に電極が被着され、側面に高抵
    抗層を有する抵抗体の素子の上下面に、対向するリング
    状の凹部を設け、電極が上記凹部を覆うものであること
    を特徴とする抵抗体。
  2. 【請求項2】 リング状の凹部の曲率半径をR(m
    m)、対面するリング状の凹部間の素子の厚さをH(m
    m)とするとき、曲率半径Rが次式を満たす値であるこ
    とを特徴とする請求項記載の抵抗体。 1mm≦R<H/2
  3. 【請求項3】 円柱状の形状をした素子におけるリング
    状の凹部外側の直径をC2(mm)、側面高抵抗層を含
    めた素子直径をD(mm)としたとき、比C2/Dが次
    式を満たす値であることを特徴とする請求項または
    記載の抵抗体。 0.9≦C2/D<1.0
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