JP3421688B2 - 硫黄ポリマセメント、その製造方法および廃棄物処理方法 - Google Patents

硫黄ポリマセメント、その製造方法および廃棄物処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硫黄を特定の石油系炭水
化物と反応生成させて得られる硫黄ポリマセメント、そ
の製造方法および前記硫黄ポリマセメントを用いて重金
属含有廃棄物を固形化することにより廃棄物を処分する
際に有害物質である重金属の環境への流出を防止し且つ
廃棄物を減容化するための方法並びに前記方法による処
理生成物から得られる土木建築用材料および骨材に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】硫黄
をセメント剤として例えば舗装材料に用いることは以前
から行われており、1935年頃アメリカのオハイオ州
で実施された試験舗装では、アスファルトを140℃に
加熱して硫黄を50%加え激しく混合攪拌して使用され
ている(米国特許第2182837号)。1970年代
には硫黄を使用した舗装剤あるいはセメント剤としての
利用研究が最も盛んに行われていたが一般的な実用化の
段階には至っていない。
【0003】硫黄をセメント剤として用いる場合、これ
をアスファルトまたはオレフィン系炭化水素と反応させ
る研究が従来から種々なされており、特にシクロペンタ
ジエン系炭化水素を用いた例が多く知られている。一般
に硫黄と石油系炭化水素との反応による生成物は硫黄ポ
リマセメント(SPC)と呼ばれている。SPCは従来
からコンクリートまたはアスファルト等の代替もしくは
改良剤として用いられており、硫黄と一種又はそれ以上
の石油系炭化水素とをたとえば硫黄60〜98重量%、
炭化水素40〜2重量%の混合比で120〜150℃で
反応させて得られている(米国特許第4190816お
よび4391969号等)。
【0004】一方、有害重金属含有廃棄物処理について
は、たとえば製鋼ダスト、一般焼却炉、フライアッシュ
等の発生量は年々増加する傾向にあり、反面それらの処
分用地は近年ますます逼迫している。特にこれら廃棄物
中にCd、Pd、Zn、Hg、Cr……等の有害重金属
が含まれている場合には、その投棄地周辺が重金属等の
溶出によって汚染される恐れがあるため、処分方法自体
が問題となっている。リサイクルによる廃棄物の再利用
の新技術開発の研究も多々行われているが決定的な方法
がないのが現状である。
【0005】このような重金属含有廃棄物処理に関して
は、ポルトランドセメント(PC)による重金属封鎖方
法が一般的に試みられているが、種々の欠点があって重
金属を完全に封鎖する技術の完成には至っていない。こ
の方法はPCの水和反応によるものであるが凝固までに
長時間を要し、また廃棄物中に存在する多くの塩類その
他の不純物質等により凝固反応が妨害されるため、セメ
ント固化強度及び耐久力が劣化して亀裂等が発生し易
く、特に酸性に弱い欠点があって重金属が溶出して汚染
を生じる恐れがある。
【0006】またPCに硫化ソーダやキレート剤等を併
用して重金属を捕捉しPCで固化封鎖することも試みら
れているが、経時変化による不安定のため分解溶出する
恐れが多分にあるといわれており一般的な普及の域には
達していない。
【0007】さらに硫黄の温度による形態変化に着目し
て産業廃棄物等に硫黄を混合して加熱し、熔融状態の硫
黄と混練された廃棄物粒子中の重金属を冷却時に凝固す
る硫黄の高分子鎖中に取り込んだ状態で廃棄物を固形化
することも提案されている。この方法は処理が迅速であ
り、かつ有害物質が硫黄と結合した状態で凝固した高分
子硫黄鎖中に取り込まれて外部に溶出し難い状態となる
ので重金属を含む廃棄物を最終処分形態とするのに適し
ている。
【0008】しかし従来の硫黄処理方法においては廃棄
物中に多量の塩類が存在していたり、またはダストがミ
クロン以下の超微粒子の場合には、重金属を固定封鎖す
る際に被処理廃棄物以上の多量の硫黄を必要とする場合
があり、それでもなお完全に二次的な溶出をおさえられ
るとは限らない。
【0009】本発明の目的は製造時の処理特性および固
化後の生成物の性状においてより優れた硫黄ポリマセメ
ント(SPC)を提供することにある。
【0010】本発明の別の目的はSPCを用いて重金属
含有廃棄物を固形化処理する際、処理が容易でかつ得ら
れる処理生成物が緻密で有害金属の溶出がほとんどなく
かつ大きな強度を有する廃棄物の処理方法および前記方
法によって得られる土木建築用材料および骨材を提供す
ることにある。
【0011】前記SPCに用いられる石油系炭化水素の
例としてはC4〜C20のオレフィン系炭化水素、ジオ
レフィン系炭化水素、ジシクロペンタジエンやそのオリ
ゴマ等のジエン系炭化水素、その他ビニルトルエン、メ
チルスチレン等の芳香族炭化水素が知られているが、本
発明者等はこのようなSPCにおける反応剤としてより
適した石油系炭化水素について種々研究、実験を重ねた
結果エチリデンノルボルネン(ENB)を用いることに
着目した。
【0012】ENBは反応性に富んだ二重結合を2個有
するノルボルネン誘導体の一種であり、常温では無色透
明な液体であって、たとえばENBの一種であるEBH
は従来から合成ゴム業界において主にエチレンプロピレ
ンゴムの第三成分として用いられている。エチレンプロ
ピレン共重合体はチーグラ−系触媒によりエチレンとプ
ロピレンを共重合させて得られるエラストマであって、
分子中に不飽和結合がなく従来のゴムには見られないす
ぐれた耐熱性、耐候性を有しているが、通常の硫黄加硫
系が適用できず使用面で障害があった。このため不飽和
結合を有する少量の前記第三成分を導入することにより
エチレン、プロピレンおよびジエンの三元共重合体とし
硫黄加硫性が付与されている。この様な加硫性の付与に
より合成ゴム共重合体の合成において粘質度が向上し重
合反応に寄与すると共に製品品位が向上される。
【0013】本発明者等はこのEBHとスチレンモノマ
と硫黄との組合せがSPCを製造する際にそのすぐれた
粘性度による混練効果が極めて優れており、冷却固化後
の処理物質が緻密で均質度が非常によいことを発見し
た。
【0014】また前記重金属含有廃棄物に対してかゝる
SPCを溶融混練することによって得られる処理混合物
はこれを加圧成形等によって加工することにより重金属
の溶出を充分に抑止しかつ優れた圧縮強度を有する土木
建築材料が得られ、または混合物が冷却後に適宜な粒径
に粉砕することにより、従来の天然の砂利、割栗石等の
代替としてコンクリートの骨材として充分実用化出来る
ことを発見した。
【0015】前記本発明の目的はエチリデンノルボルネ
ン10〜90重量%およびスチレンモノマからなる反応
剤と硫黄との重合反応生成物からなる硫黄ポリマセメン
ト製剤によって達成される。
【0016】本発明の別の目的は有害重金属含有廃棄物
に対して前記の硫黄ポリマセメントを混合し加熱、熔
融、混練した生成物を冷却と共に加圧成形して得られる
土木建築用材料によって達成される。
【0017】
【作用】一般にSPC製品は硫黄と各種反応剤、たとえ
ばシクロペンタジエンまたはその誘導体等を混合加熱し
て熔融反応を行ない、反応終了後冷却固化して得られる
が、本発明においては硫黄に反応させる反応剤としてE
NB例えば5−エチリデンビシクロ(2・2・1)ヘプ
ト−2−エン(EBH)を主剤としスチレンモノマを併
用して反応させることによりSPCを製造する。EBH
はジシクロベンタ−2−エン(DCPD)とブタジエン
の反応で次式により生成される。
【0018】
【化1】 DCPD ジシクロペンタ2エン EBH 5−エチリデンビシクロ(2・2・1)ヘプ
トー2−エン CPD シクロペンタ2エン VCH 4−ビニルー1−シクロヘキセン VBH 5−ビニルシクロ(2・2・1)ヘプトー
2−エン THI 3a,4,7,7aテトラヒドロインデン BD ブタジエン
【0019】EBHおよびスチレンモノマを反応剤とし
てを用いるSPCの製造は具体的にはたとえば次のよう
にして行われる。 攪拌機付き密閉反応タンクに硫黄を投入し、内部温
度を125〜140℃に維持する。 硫黄投入後5分以内にスチレンモノマを投入し10
〜15分間混合する。 さらにEBHを投入し2〜4時間混合を続ける。 スチレンモノマ、EBHを投入直後はタンク内の温
度が下がるが、硫黄との反応の進行に従って温度粘度が
徐々に上昇する。混合の際の温度は140℃以下を維持
する。粘度の許容範囲は25〜100cp/135℃で
あり最適粘度は40cp/135℃である。 反応終了後、反応タンクより生成物を排出し冷却固
化することにより目的のSPCを得ることが出来る。
【0020】ENB例えばEBHによりSPCを生成す
る際の硫黄とEBHとの反応は硫黄の溶融状態120〜
130℃の存在下において次に示す反応により進行す
る。ただし反応による発熱の点に注意し取扱い制御に対
して慎重に行う必要がある。
【0021】
【化2】
【0022】反応(1)によりEBHと硫黄との反応が
行われる。さらに反応条件次第により(2)に移行す
る。(1)〜(2)により生成された生成物が(3)に
よりポリマ化され、次いでENB(EBH)系SPCの
必要成分である直鎖状のSPC(4)を得ることができ
る。
【0023】またENB(EBH)系SPCを調製する
際にスチレンモノマを併用すると、重合性の高いスチレ
ンモノマがスチレンポリマとなって反応中に於ける粘度
の安定性の保持と、調製したSPCをセメント剤として
使用した場合の成型物の強度増加につながる。強度の増
加はスチレンの添加量に略比例する。
【0024】前記硫黄とEBHとスチレンモノマの反応
において70〜99重量%の硫黄に対して1〜30重量
%の反応剤、好ましくは85〜97重量%の硫黄に対し
て3〜15重量%の反応剤を用いることが望ましい。ま
た反応剤としてのEBHとスチレンモノマの重量比率は
EBHを10〜90重量%とし、SPC剤の使用目的に
よりスチレンモノマの比率を変えて調製する。尚EBH
に替え下記式に示すようにその前駆体であるVBH又は
副生物であるVCHを使用することにより同様の目的を
達することも出来る。
【0025】
【化3】
【0026】有害重金属含有廃棄物の処理において、S
PCはダスト中の重金属塩と反応して硫化物を形成し、
温度による形態変化時において廃棄物粒子中の重金属を
冷却時に凝固するSPCの高分子鎖中に取込みかつ廃棄
物を固形化する。重金属封鎖安定剤は溶融状態のSPC
と混合され、化学的、物理的に重金属を封鎖する。
【0027】本発明の好ましい態様においては、有害重
金属含有廃棄物に対し、硫黄とエチリデンノルボルネン
およびスチレンモノマとの反応によって生成するSPC
ならびに珪酸ソーダ、硫化ソーダ、及び又はキレート剤
からなる重金属封鎖安定剤を混合し約120℃〜150
℃の温度で加熱熔融混練し、次いで冷却固化させ、また
は冷却固化時にさらに適当寸法形状に粉砕する。
【0028】珪酸ソーダ、硫化ソーダおよび/又はキレ
ート剤からなる重金属封鎖安定剤は重金属を水に不溶な
化合物として安定化させる。本発明において処理対象と
する有害重金属含有廃棄物はCd、Pb、Zn、Hg、
Cr等の有害重金属を一種又はそれ以上含有する廃棄物
であり、特に重金属その他有害物質を含む恐れのある産
業廃棄物は例えば製鋼ダスト、一般焼却灰およびフライ
アッシュ等である。
【0029】これらの廃棄物100重量部に対しSPC
5〜100重量部ならびに珪酸ソーダ(Na2 Si
3 )、硫化ソーダ(Na2 S)および/又はキレート
剤からなる重金属封鎖安定剤1〜30重量部が混合され
る。SPCはそれらの溶融状態で混練された廃棄物粒子
中の重金属を冷却時に凝固する硫黄の高分子鎖中に取り
込んだ状態で固形化する。熱溶融状態のSPCは廃棄物
中の重金属塩と反応して硫化物を生成しこれらが冷却に
よって生成したガラス状SPCと結合し、さらに前記重
金属封鎖安定剤による処理生成物も含めて高分子化し、
廃棄物ダストの微粒子がSPCに覆われた状態で結合さ
れて一体化する。
【0030】この場合、SPC中の炭化水素は攪拌混練
の際の混合物の粘度を低下させて混合を効率化し、さら
にそれによって反応の促進および均一に寄与し、重金属
封鎖安定剤との併用による効果をより一層向上させ効率
的な処理が行われる。
【0031】廃棄物量100重量部に対してSPCの量
が5重量部以下であると廃棄物中の重金属を完全に取り
込むことが困難となる。一方SPCの量を100重量部
より多くしてもそれによって得られる効果はそれ程向上
せず、むしろコスト面で不利となる。廃棄物100重量
部に対するSPCの好ましい混合量は処理対象とする廃
棄物によって異なるが、例えば電炉からの製鋼ダストの
場合SPC15〜30重量部で充分である。
【0032】重金属封鎖安定剤は溶融状態のSPCとよ
く混和し、化学的、物理的に重金属の封鎖に寄与する。
即ち珪酸ソーダは廃棄物中の重金属塩と反応して珪酸金
属塩または金属水酸化物、さらに脱水されて金属酸化物
となる。また硫化ソーダは重金属と反応して金属硫化物
となり水に不溶な化合物として安定化される。さらに珪
酸ソーダは脱水により強固な被膜をつくりその接着効果
により粉状廃棄物ダストの減容化、即見掛け比重の上昇
に寄与しSPCの使用量を減少させる。
【0033】キレート剤は廃棄物中の重金属をキレート
化合物として安定化する。この様なキレート剤として
は、一般に金属塩の分離、製精および分析等に用いられ
て、アルカリ土類金属、希土類および遷移金属等の安定
な錯塩を形成する所謂キレート試薬が用いられ、エチレ
ンジアミン、EDTA、NTA、アセチルアセトン、グ
リシン等が挙げられる。本発明に特に好ましく用いられ
る市販のキレート剤としては例えばエポルバ500(登
録商標:ミヨシ油脂(株))およびNKK重金属安定剤
Aー100(日本鋼管(株))等が挙げられる。
【0034】前記珪酸ソーダ、硫化ソーダおよび/又は
キレート剤からなる重金属封鎖安定剤は単独で又は二種
以上の混合物として使用される。廃棄物100重量部に
対する重金属封鎖安定剤の混合量が1重量部よりも少な
いと、意図する封鎖効果が不安定となり、一方30重量
部以上の量で加えても封鎖効果はそれに伴って向上せず
コスト面で不利となる。
【0035】廃棄物に対しSPCと重金属封鎖安定剤を
混合し、加熱混練する際の温度は約120℃から150
℃である。温度が120℃よりも低いと硫黄またはSP
Cの溶融が不充分で混練が困難となる。一方150℃よ
りも高いと硫黄が粘調度の高いμ相に移行して混練作業
効率を低下させる。
【0036】SPC及び重金属封鎖安定剤は廃棄物に対
して同時に混合してもよく又あらかじめ重金属封鎖安定
剤を廃棄物に混合して加熱した後SPCを添加してもよ
い。あらかじめ重金属封鎖安定剤を廃棄物に混合する場
合には約60〜120℃程度に加熱することが好まし
く、これによって重金属封鎖安定剤が廃棄物中に充分に
混合されて反応が起るためその後SPCを加え加熱溶融
混練する際の作業時間を同時添加の場合に比べて著しく
短縮することができる。
【0037】SPCおよび重金属封鎖安定剤と廃棄物と
を加熱溶融混練した後適当な型に移し放冷固化する。こ
の固化物は適宜処分用地に廃棄される。尚得られた溶融
混練物を放冷固化させる際に、半溶融状態で加圧成型機
によりブリケット化及び放冷することにより完全に重金
属を封鎖し、それらの溶出による二次汚染をおさえるこ
とが出来、かつ固化成形物に150〜200kg/cm
2 以上の圧縮強度が得られ土木及び建築材料としての再
利用も可能である。
【0038】さらにこれらを適宜な寸法および形状に破
砕して砂利、砕石、割栗石、玉石、沈石等の代替品とし
て利用することができ、さらにこれらを骨材としてポル
トランドセメント等と配合することにより強度の点で従
来のPCコンクリートに匹敵しかつ有害重金属の溶出の
おそれのほとんどないコンクリートを製造することがで
きる。
【0039】
【実施例】
SPC製造実施例 表1に示す重量組成を用い下記に示す反応条件でSPC
の製造を行った。
【0040】
【表1】 a b c (kg) (%) (kg) (%) (kg) (%) 硫黄 9.5 95 9.0 90 9.7 97 EBH 0.4 4 0.6 6 0.2 2 スチレンモノマ 0.1 1 0.4 4 0.1 1 反応時間(時間) 3 4 3 反応温度(℃) 125 〜 135 125 〜 140 125 〜 135 排出時粘度 40 50 30 (cp/135 ℃) 反応条件 (1) 10リットルの攪拌機付密閉反応タンクを12
5℃に加温し硫黄を投入し溶融攪拌した。 (2) 硫黄投入後5分以内にスチレンモノマを投入1
0〜15分間混合を行った。 (3) EBHを間欠的に投入し2〜4時間攪拌混合反
応を行った。原料投入直後は材料温度は低下するが反応
の進行に従って温度と粘度が上昇する。温度は135〜
145℃に維持し、運転管理を行った。 (4) 反応終了後生成物を反応タンクより排出して冷
却し、フレーク状に固化させた。
【0041】廃棄物処理実施例
【表2】 Fe 28 % Zn 14 Cd 3 Mn 2 Pb 2 Cr 3 Cu 1 Cl 4
【0042】実施例1 表2に示す組成の製鋼ダスト10kgに珪酸ソーダ3号
品0.5kg、水0.3kgを加え、温度60〜100
℃で10分間攪拌混合し、次いでSPCー(a)2.5
kgを加え、温度130〜140℃にて加熱溶融し充分
均一になるように20分間攪拌混練を行い、直径5c
m、高さ10cmの円筒状の容器に移して放冷固化させ
た。分析試験結果は表3に示す。
【0043】実施例2 表2に示す組成の製鋼ダスト10kgに珪酸ソーダ3号
品0.25kg、硫化ソーダ0.25kg、水0.3k
gを加え温度60〜100℃で10分間攪拌混合し、次
いでSPCー(b)2.5kgを加え、温度130〜1
40℃にて加熱溶融し充分均一になるように20分間攪
拌混練を行い、直径5cm、高さ10cmの円筒状の容
器に移して放冷固化させた。分析試験結果は表3に示
す。
【0044】実施例3 表2に示す組成の製鋼ダスト10kgに硫化ソーダ0.
5kg、水0.3kgを加え温度60〜100℃で10
分間攪拌混合し、次いでSPCー(c)2.5kgを加
え、温度130〜140℃にて加熱溶融し充分均一にな
るように20分間攪拌混練を行い、直径5cm、高さ1
0cmの円筒状の容器に移して放冷固化させた。分析試
験結果を表3に示す。
【0045】実施例4 表2に示す組成の製鋼ダスト10kgに市販のキレート
剤エボルバ500:0.2kg、水0.3kgを加え温
度60〜100℃で10分間攪拌混合し、次いでSPC
ー(a)2.5kgを加え、温度130〜140℃にて
加熱溶融し充分均一になるように20分間攪拌混練を行
い、直径5cm、高さ10cmの円筒状の容器に移して
放冷固化させた。分析試験結果を表3に示す。
【0046】
【表3】 分析結果 実施例 1 2 3 4 (ppm) (ppm) (ppm) (ppm) Fe ND ND ND ND Zn <1.0 <1.0 <1.0 <1.0 Cd <0.03 <0.03 <0.03 <0.03 Mn ND ND ND ND Pb <0.3 <0.3 <0.3 <0.3 Cr <0.15 <0.15 <0.15 <0.15 Cu ND ND ND ND 圧縮強度 >250 >300 >200 >250 (kg/cm2) (NDは検出限界以下)
【0047】
【発明の効果】本発明によればSPC製造の際の処理特
性および生成物の特性が向上し、かつこのSPCを用い
て固化処理した有害金属含有廃棄物は圧縮強度に優れか
つ重金属の溶出抑止に優れているため土木建築用材料又
はその骨材としての用途に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−133426(JP,A) 特開 平7−88458(JP,A) 米国特許4391969(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 75/02 - 75/10 C08F 8/34 - 8/38 CA(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチリデンノルボルネン10〜90重量
    %およびスチレンモノマからなる反応剤と硫黄との重合
    反応生成物からなる硫黄ポリマセメント。
  2. 【請求項2】 硫黄70〜99重量%に対して反応剤を
    1〜30重量%反応させて得られる請求項1記載の硫黄
    ポリマセメント。
  3. 【請求項3】 エチリデンノルボルネン10〜90重量
    %およびスチレンモノマとからなる反応剤と硫黄とを1
    10〜160℃で反応させることから成る硫黄ポリマセ
    メントの製造方法。
  4. 【請求項4】 有害重金属含有廃棄物に対して請求項1
    または2記載の硫黄ポリマセメントを混合し、加熱、熔
    融、混練、冷却固化処理することによる有害重金属含有
    廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 有害重金属含有廃棄物に対して請求項1
    または2記載の硫黄ポリマセメントを混合し加熱、熔
    融、混練した生成物を冷却と共に加圧成形して得られる
    土木建築用材料。
  6. 【請求項6】 有害重金属含有廃棄物に対して請求項1
    または2記載の硫黄ポリマセメントを混合し加熱、熔
    融、混練した生成物を冷却後に粉砕して得られる骨材。
JP15961094A 1994-06-20 1994-06-20 硫黄ポリマセメント、その製造方法および廃棄物処理方法 Expired - Fee Related JP3421688B2 (ja)

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