JP3421643B2 - プラズマ溶接機 - Google Patents

プラズマ溶接機

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JP3421643B2
JP3421643B2 JP2000280585A JP2000280585A JP3421643B2 JP 3421643 B2 JP3421643 B2 JP 3421643B2 JP 2000280585 A JP2000280585 A JP 2000280585A JP 2000280585 A JP2000280585 A JP 2000280585A JP 3421643 B2 JP3421643 B2 JP 3421643B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマアークを
噴出させるノズルが外筒体によって囲われており、その
外筒体の先端でワークを押圧した状態でプラズマアーク
によりそのワークの溶接を行うプラズマ溶接機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図6に一般的なプラズマ溶接機の溶接ト
ーチ10とプラズマ電源回路50の模式図を示す。ワー
クWが溶接されるときには、図に示すように、溶接トー
チ10のノズル12の先端からプラズマアークFが噴出
している。このとき、ワークWとノズル12の電極11
間にはアーク電圧Vが発生しており、アーク電流Iaが
ワークWから電極11の方向に流れている。なお、ノズ
ル12の外周を囲う外筒体20は一般的に金属製でワー
クWを押圧しているため、ワークWと外筒体20とは同
電位である。
【0003】溶接によりスパッタ(図示されていない)
が発生し、ノズル12に付着したスパッタが成長して外
筒体20に接触したり、ワークWに接触すると、スパッ
タによりアーク電流IaがワークW側に漏れ、漏電によ
る溶接不良が発生する。特に、フィラーTを使用する場
合、ノズル12の先端部分に付着したスパッタがフィラ
ーTに接触することによる漏電が発生し易い。漏電が発
生すると、作業者は速やかに溶接ラインを停止してノズ
ル12からスパッタの除去を行い、作業後に溶接ライン
を速やかに復帰する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的にノズル12の
先端部分に突発的に付着するスパッタはノズル12に対
する付着力が小さく、ノズル12に振動等を与えること
によりほとんどが脱落する。しかし、従来は作業者がス
パッタの除去を行うため、漏電する度に溶接ラインを停
止しなければならず、ライン稼働率が低いという問題が
ある。本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであ
り、ノズルの先端部分に付着したスパッタを自動的に除
去できるようにして、漏電による溶接ラインの停止回数
を減少させて、溶接ラインの稼働率向上を図ることを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、各請求
項の発明によって解決される。請求項1の発明は、プラ
ズマアークを噴出させるノズルが外筒体によって囲われ
ており、その外筒体の先端でワークを押圧した状態でプ
ラズマアークによりそのワークの溶接を行うプラズマ溶
接機であって、アーク電流の漏れが発生したか否かを判
定する漏電判定手段と、前記漏電判定手段によりアーク
電流の漏れが発生したと判定された場合に、前記ノズル
に振動を与える振動付与手段とを有しており、前記振動
付与手段は、前記ノズルと前記外筒体とを一体で軸方向
に往復動させて、その外筒体の先端をワークに衝突させ
ることにより、前記ノズルに振動を与えることを特徴と
する。本発明によると、漏電判定手段によりアーク電流
の漏れが発生したと判定されると振動付与手段によって
ノズルに振動が与えられる。このため、漏電がスパッタ
による場合で、かつノズルに対するスパッタの付着力が
小さい場合には、振動によりスパッタがノズルから脱落
して、プラズマ溶接機は自動的に正常な状態に戻され
る。したがって、このような場合には溶接ラインを停止
させる必要がなく、振動でスパッタが除去できない場合
にのみ溶接ラインを停止させれば良い。このため、溶接
ラインの停止回数が減少してその溶接ラインの稼働率が
向上する。また、振動付与手段は、ノズルと外筒体とを
一体で軸方向に往復動させ、その外筒体の先端をワーク
に衝突させることでノズルに振動を与えるため、振動装
置を特別に設ける必要がない。
【0006】請求項2の発明は、プラズマアークを噴出
させるノズルが主外筒体と該主外筒体から分離可能な先
側外筒体とによって囲われており、その先側外筒体の先
端でワークを押圧した状態でかつ先側外筒体に主外筒体
が合体した状態でプラズマアークにより溶接を行うプラ
ズマ溶接機であって、アーク電流の漏れが発生したか否
かを判定する漏電判定手段と、前記漏電判定手段により
アーク電流の漏れが発生したと判定された場合に、前記
ノズル、主外筒体及び前記先側外筒体を一体で軸方向に
往復動させてその先側外筒体の先端をワークに衝突させ
ることにより前記ノズルに振動を与える振動付与手段と
を有することを特徴とする。本発明によると、振動付与
手段は、ノズル、主外筒体及び先側外筒体を一体で軸方
向に往復動させてその先側外筒体の先端をワークに衝突
させることによりノズルに振動を与える構成のため、ノ
ズルに無理な力をかけることなく、そのノズルに振動を
与えることができるようになる。
【0007】請求項3の発明は、請求項2に記載のプラ
ズマ溶接機であって、漏電判定手段によりアーク電流の
漏れが発生したと判定された場合に、ノズル及び主外筒
体を先側外筒体から離す方向に変位させる変位手段が設
けられていることを特徴とする。このため、前記変位手
段を振動付与手段と組合わせることで、スパッタの除去
効率がさらに向上する。請求項4の発明は、請求項1〜
請求項3のいずれかに記載のプラズマ溶接機であって、
漏電判定手段は、アーク電圧が設定電圧よりも低くなる
時間を積算し、その積算時間に基づいて漏電を判定する
ことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】[実施形態1]以下、図1から図
6に基づいて本発明の実施形態1に係るプラズマ溶接機
の説明を行う。ここで、図1は実施形態1に係るプラズ
マ溶接機の溶接トーチの先側外筒体を分離した状態を表
す縦断面図(A図)及び組立て状態(嵌合状態)を表す
縦断面図(B図)、図2はその溶接トーチ等の全体縦断
面図である。図3はプラズマ溶接機の信号ブロック図、
図4はプラズマ溶接機の制御フローチャート、図5は溶
接トーチのアーク電圧の変化を表すグラフである。ま
た、図6は一般的なプラズマ溶接機の溶接トーチとプラ
ズマ電源回路との模式図である。ここで、図1の紙面垂
直方向(溶接トーチの幅方向)をX軸方向、図1の左右
方向(溶接トーチの前後方向)をY軸方向及び図1の高
さ方向(溶接トーチの軸方向)をZ軸方向として以下の
説明を行う。
【0009】プラズマ溶接機1はアーク放電を利用して
高温プラズマ流(プラズマアーク)を発生させ、その熱
で例えば車両のボディにおける接合部(以下、ワークW
という)を溶接するための溶接機であり、図3に示すよ
うに、溶接ロボット1rを備えている。溶接ロボット1
rはロボット制御盤80によって制御される。なお、溶
接ロボット1rは紙面の関係で縮小して記載している。
溶接ロボット1rのアーム1hには装置架台3が取付け
られており、その装置架台3に、図2に示すように、溶
接トーチ2及びその付属ユニット42,44等が取付け
られている。装置架台3には基準面3sが形成されてお
り、その基準面3sの中央にトーチ逃がしシリンダ4と
加圧シリンダ5とがZ軸方向に直列に配置されている。
【0010】トーチ逃がしシリンダ4のピストンロッド
4pにはトーチ架台4kが取付けられており、そのトー
チ架台4kに溶接トーチ2のトーチ本体10が装着され
ている。また、加圧シリンダ5のピストンロッド5pに
は加圧架台5kが取付けられており、その加圧架台5k
に同じく溶接トーチ2の先側外筒体20がトーチ本体1
0と同軸に固定されている。
【0011】トーチ逃がしシリンダ4はストロークが約
100mmのエアシリンダであり、そのトーチ逃がしシリン
ダ4がピストンロッド4pを収納する方向(前進方向)
に動作すると、トーチ架台4kがZ軸方向に前進して溶
接トーチ2のトーチ本体10が先側外筒体20と嵌合
し、溶接トーチ2が組み立てられる(図1(B)参
照)。また、トーチ逃がしシリンダ4がピストンロッド
4pを延出する方向(後退方向)に動作すると、トーチ
本体10が先側外筒体20から後退して、溶接トーチ2
がトーチ本体10と先側外筒体20とに分離される(図
1(A)参照)。
【0012】加圧シリンダ5はストロークが約25mmのエ
アシリンダであり、その加圧シリンダ5がピストンロッ
ド5pを延出する方向(前進方向)に作動すると、加圧
架台5kがZ軸方向に前進して溶接トーチ2の先側外筒
体20がワークWを押圧する。また、加圧シリンダ5が
ピストンロッド5pを収納する方向(後退方向)に動作
すると、加圧架台5kが後退してその先側外筒体20が
ワークWから離される。加圧シリンダ5は図示されてい
ない減圧弁によりエア圧を調整することにより、加圧力
(押圧力)を20〜100kgfの間で変化させることができ
る。
【0013】ここで、トーチ逃がしシリンダ4の動作力
は加圧シリンダ5の動作力よりも十分小さく設定されて
いるため、トーチ本体10が前進して先側外筒体20と
嵌合しても、その先側外筒体20が前方に変位すること
はない。また、トーチ逃がしシリンダ4はトーチ本体1
0が先側外筒体20と嵌合した状態でストロークに余裕
があるため、加圧シリンダ5によって先側外筒体20が
前進しても、トーチ本体10は先側外筒体20に追従し
て前進できる。即ち、トーチ本体10と先側外筒体20
とが嵌合した状態で加圧シリンダ5を動作させれば、そ
のトーチ本体10と先側外筒体20とを一体で進退させ
ることができる。
【0014】溶接トーチ2は、プラズマ溶接機1におい
てプラズマアークを発生させる部分であり、前述のよう
に、トーチ本体10と先側外筒体20とから構成されて
いる。トーチ本体10は、プラズマアークを噴出させる
ノズル12を備えている。ノズル12の内部中央には、
図6に示すように、絶縁ガイド(図示されていない)を
介して電極11が収納されており、その電極11とノズ
ル12との間にプラズマガス通路12tが形成されてい
る。また、ノズル12の先端には高温プラズマ流とプラ
ズマガスとを放出させる開口12kが形成されている。
ノズル12は例えば純銅により製作されており、冷却水
等によって冷却されている。このため、ノズル12の先
端部分に付着するスパッタはノズル12に対する付着力
が小さく、振動等を与えることによりほとんどが脱落す
る。電極11とノズル12及びワークWにはプラズマ電
源回路50が接続される。プラズマ電源回路50には溶
接時のアーク電流Iaを測定する電流計52及びアーク
電圧Vを測定する電圧計54が設置されている。
【0015】ノズル12の外周面12sは、図1に示す
ように、先細状の主外筒体14によって囲われており、
その主外筒体14とノズル12の外周面12sとの間に
シールドガス通路14tが円周方向にほぼ均等な隙間で
形成されている。ノズル12の外周面12sと主外筒体
14との間には、例えばセラミック製の絶縁リング13
がセットされ、主外筒体14がノズル12に対して同軸
に位置決めされるとともに、そのノズル12と主外筒体
14との間が電気的に絶縁されている。
【0016】溶接トーチ2の先側外筒体20は、トーチ
本体10の主外筒体14の先端に同軸に配置され、主外
筒体14に対して分離及び合体可能な筒状体であり、合
体した状態でその主外筒体14と共にノズル12の周囲
にシールドガス通路14tを形成するとともに、溶接時
にワークWを押圧する働きをする。先側外筒体20は、
ノズル12の先端形状に沿うように先細状に形成されて
おり、その先側外筒体20の基端部には主外筒体14の
先端部が嵌合するリング状段部24が形成されている。
【0017】先側外筒体20の先端には、その先側外筒
体20の先端面22がワークWの溶接点の周囲に当接し
た状態で、先側外筒体20により囲まれた内側空間と外
部とを連通させる開口(図示されていない)が円周方向
に沿って複数設けられており、シールドガスがこれらの
開口から外部に流出できるようになっている。また、先
側外筒体20の軸方向の長さ寸法は、溶接時にその先端
面22がワークWに当接した状態で、ノズル12の先端
面12fとワークWとの間の寸法を一定値に保持できる
値に設定されている。なお、先側外筒体20は衝撃に強
い例えばS45C焼入れ材等によって形成される。
【0018】プラズマ溶接機1は、図3等に示すよう
に、プラズマ溶接コントローラ60とロボットインター
ロック盤70及び前述のロボット制御盤80を備えてい
る。プラズマ溶接コントローラ60は、溶接トーチ2等
に電源を供給するプラズマ電源回路50を制御するコン
トローラであり、そのプラズマ電源回路50の電圧計5
4により測定されたアーク電圧Vの変化からアーク電流
Iaの漏れが発生したか否かを判定する機能を有してい
る。
【0019】図5(A)は、正常に溶接が行われている
ときのアーク電圧Vの変化の一例を模式的に表したもの
であり、図5(B)は溶接中にスパッタによるアーク電
流Iaの漏れが発生したときのアーク電圧Vの変化の一
例を模式的に表したものである。アーク電流Iaの漏れ
が発生すると漏電現象によりアーク電圧Vが低下する。
プラズマ溶接コントローラ60は、アーク電圧Vと予め
設定されたしきい値Vsとを比較し、アーク電圧Vがし
きい値Vsよりも低下している間の時間を積算して、そ
の積算値が設定時間を超えたときに漏電と判定する。即
ち、プラズマ溶接コントローラ60及び電圧計54等が
本発明の漏電判定手段として機能し、しきい値Vsが本
発明の設定電圧に相当する。
【0020】プラズマ溶接コントローラ60は溶接中に
漏電が発生したと判定した場合に再溶接信号(漏電発生
信号)をロボットインターロック盤70に入力する。ロ
ボットインターロック盤70は前述のトーチ逃がしシリ
ンダ4及び加圧シリンダ5等を動作させる盤であり、プ
ラズマ溶接コントローラ60からの再溶接信号(漏電発
生信号)を受けてトーチ逃がしシリンダ4及び加圧シリ
ンダ5を次のように動作させる。
【0021】先ず、加圧シリンダ5を後退方向に動作さ
せて先側外筒体20を後退させる。これにより、溶接ト
ーチ2も先側外筒体20に追従して後退する。そして、
その先側外筒体20の先端がワークWから例えば5mm離
れたときに、その加圧シリンダ5により先側外筒体20
を前進/後退させ、その先側外筒体20をワークWに衝
突させる。先側外筒体20の前進/後退動作は少なくと
も一往復行う。これによって、先側外筒体20に追従し
て移動する溶接トーチ2に振動が与えられ、溶接トーチ
2のノズル12に付着したスパッタが振動により除去さ
れる。
【0022】この際、トーチ逃がしシリンダ4でトーチ
本体10を先側外筒体20に対して後退させ、さらにそ
のトーチ逃がしシリンダ4によりトーチ本体10を前進
させる動作を併行して行うようにしても良い。このよう
にすれば、ノズル12の先端部分とフィラーT間に付着
したスパッタを効率的に除去できる。即ち、加圧シリン
ダ5及びロボットインターロック盤70等が本発明の振
動付与手段として機能し、トーチ逃がしシリンダ4及び
ロボットインターロック盤70等が本発明の変位手段と
して機能する。
【0023】プラズマ溶接機1の装置架台3には基準面
3sの裏側にフィラー供給装置44が設置されており、
先側外筒体20の側面にそのフィラー供給装置44から
溶接点までフィラーTを導くフィラーガイド44wが接
続されている。
【0024】次に、図4のフローチャート等に基づい
て、上記したプラズマ溶接機1の動作説明を行う。先
ず、溶接の準備段階としてトーチ逃がしシリンダ4が前
進方向に動作してトーチ本体10が先側外筒体20と嵌
合し、溶接トーチ2が組み立てられる。次に、溶接ロボ
ット1rが動作して溶接トーチ2が、図1(B)に示す
ように、ワークWの溶接点近傍まで動かされ、そのワー
クWに対してほぼ直角に配置される。この状態で、ロボ
ット制御盤80からロボットインターロック盤70にス
タート指令が入力される(図4 ステップ101)。
【0025】ロボットインターロック盤70はロボット
制御盤80からのスタート指令を受けて加圧シリンダ5
を前進方向に動作させる。これによって、先側外筒体2
0が前進するとともに、これに追従して溶接トーチ2も
前進し、先側外筒体20がワークWに当接して溶接点の
周囲を加圧(押圧)する(ステップ102)。このよう
に、先側外筒体20がワークWを押圧している状態で、
ロボットインターロック盤70からプラズマ溶接コント
ローラ60に溶接指令が入力される(ステップ10
3)。プラズマ溶接コントローラ60は溶接指令に基づ
いて溶接点の溶接を行う(ステップ104)。
【0026】溶接は次の順序で行われる(図6参照)。
先ず、溶接トーチ2のプラズマガス通路12tとシール
ドガス通路14tにそれぞれプラズマガスとシールドガ
スとが供給される。さらに、プラズマ電源回路50によ
って電極11とノズル12との間に直流電圧が印加され
る。次に、高周波発生回路56が作動して電極11とノ
ズル12との間に高周波高電圧が印加され、この間にス
パークが発生する。このスパークが火種になって電極1
1とノズル12との間にパイロットプラズマアーク(以
下、パイロットアークという)が形成される。
【0027】そして、パイロットアークによって発生し
た高温のプラズマがワークWに達するとワークWとノズ
ル12間に電圧が発生し、パイロットアークからメイン
プラズマアークF(以下、メインアークFという)に移
行が起こる。これによって、プラズマ電気回路50にメ
インアーク電流Ia(以下、アーク電流Iaという)が
流れ、このアーク電流Iaが電流計52によって検出さ
れるとパイロットラインがスイッチSWによって遮断さ
れる。この結果、ノズル12は電気的に浮いた状態にな
り、この状態で溶接が行われる。溶接中の電極11とワ
ークW間の電圧(アーク電圧V)は電圧計54によって
連続的に測定される。
【0028】このようにして溶接が完了すると、溶接中
にアーク電流Iaの漏れ(漏電)が発生したか否かが判
定される(ステップ105)。漏電が発生した否かは、
前述のように、アーク電圧Vと予め設定されたしきい値
Vsとを比較し、そのアーク電圧Vがしきい値Vsより
も低下している間の時間を積算して、その積算値が設定
時間を超えたときに漏電と判定する。溶接中に漏電が発
生した場合にはステップ106に進み、異常回数、即
ち、漏電の発生が一回目なのか、あるいは二回目なのか
が判定される。今回の漏電は一回目であるから、プラズ
マ溶接コントローラ60からロボットインターロック盤
70に再溶接信号が入力される(ステップ107)。
【0029】ロボットインターロック盤70はプラズマ
溶接コントローラ60からの再溶接信号を受けて振動指
令を出し(ステップ108)、その振動指令に基づいて
加圧シリンダ5を動作させる(ステップ109)。即
ち、加圧シリンダ5で先側外筒体20を5mm程度後退さ
せた後に、前進/後退動作させて、その先側外筒体20
をワークWに衝突させる。これによって、溶接トーチ2
のノズル12に付着したスパッタが脱落する。この際、
トーチ逃がしシリンダ4で溶接トーチ2のトーチ本体1
0を先側外筒体20に対して後退させた後、さらに前進
させる動作を併行して行うようにすれば、ノズル12の
先端部分とフィラーT間を繋ぐスパッタをより効率的に
除去できる。
【0030】次に、ロボットインターロック盤70は再
び加圧シリンダ5を前進方向に動作させて、先側外筒体
20によって溶接点の周囲を加圧し(ステップ10
2)、プラズマ溶接コントローラ60に対して溶接指令
(ステップ103)を出力する。プラズマ溶接コントロ
ーラ60は溶接指令に基づいて再び溶接点の溶接を行う
(ステップ104)。再溶接が完了して、ステップ10
5で漏電が発生していないと判定された場合には、プラ
ズマ溶接コントローラ60からロボットインターロック
盤70に正常終了信号が入力される(ステップ11
1)。
【0031】ロボットインターロック盤70は正常終了
信号に基づいて加圧シリンダ5を後退方向に動作させ、
先側外筒体20をワークWから5mm程度後退させる(ス
テップ112)。さらに、ロボットインターロック盤7
0はロボット制御盤80に対し溶接完了信号を出力する
(ステップ113)。ロボット制御盤80は溶接完了信
号に基づいて溶接ロボット1rを制御して溶接トーチ2
を次の溶接点まで移動させる(ステップ114)。
【0032】一方、再溶接後に、ステップ105で再度
漏電発生と判定された場合には、処理はステップ106
からステップ120に進み、プラズマ溶接コントローラ
60からロボットインターロック盤70に溶接異常信号
が入力される。ロボットインターロック盤70は溶接異
常信号を受けてプラズマ異常警報を出すとともに(ステ
ップ121)、溶接ラインを停止させる(ステップ12
2)。
【0033】このように、上記したプラズマ溶接機1で
は、溶接中にアーク電流Iaの漏れが発生したと判定さ
れると、先ず、加圧シリンダ5が動作してノズルに振動
が与えられる。このため、漏電がスパッタによる場合
で、かつノズルに対するスパッタの付着力が小さい場合
には、振動によりスパッタがノズルから除去されて、プ
ラズマ溶接機1は自動的に正常な状態に戻される。した
がって、このような場合に溶接ラインは停止せず、振動
等でスパッタが除去できない場合にのみ溶接ラインは停
止する。このため、溶接ラインの停止回数が減少してそ
の溶接ラインの稼働率が向上する。
【0034】また、先側外筒体20を軸方向に往復動さ
せてワークWに衝突させることでノズル12に振動を与
えるため、振動装置等を溶接トーチ2に特別に設ける必
要がない。また、先側外筒体20の往復動に併行してト
ーチ逃がしシリンダ4でトーチ本体10を先側外筒体2
0に対して後退させた後、再度前進させるようにすれ
ば、そのトーチ本体10のノズル12とフィラーTとの
間に付着したスパッタをより効率的に除去できる。
【0035】なお、本実施形態に係るプラズマ溶接機1
では、先側外筒体20をトーチ本体10から分離できる
溶接トーチ2を例に説明を行ったが、先側外筒体20と
トーチ本体10とが一体型の溶接トーチであっても、そ
の溶接トーチを前進/後退させてワークWに衝突させる
ことにより、振動でノズルからスパッタを除去すること
が可能である。また、本実施形態に係るプラズマ溶接機
1では、ノズル12を例えば純銅で製作する例を示した
が、純銅以外でもスパッタが付着し難い金属であれば使
用が可能である。
【0036】また、本実施形態に係るプラズマ溶接機1
では、先側外筒体20をワークWに衝突させてノズル1
2を振動させる例を示したが、トーチ本体10に振動機
器を装着してノズル12を振動させ、スパッタを除去す
ることも可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明によると、振動により自動的にノ
ズルからスパッタが除去され、プラズマ溶接機は正常な
状態に戻される。このため、溶接ラインの停止回数が減
少して稼働率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るプラズマ溶接機の溶
接トーチの先側外筒体を分離した状態を表す縦断面図
(A図)、組立て状態(嵌合状態)を表す縦断面図(B
図)である。
【図2】溶接トーチ等の全体縦断面図である。
【図3】プラズマ溶接機の信号ブロック図である。
【図4】プラズマ溶接機の制御フローチャートである。
【図5】正常に溶接が行われているときのアーク電圧V
の変化を表す模式図(A図)、溶接中にアーク電流Ia
の漏れが発生したときのアーク電圧Vの変化を表す模式
図(B図)である。
【図6】一般的なプラズマ溶接機の溶接トーチとプラズ
マ電源回路との模式図である。
【符号の説明】
4 トーチ逃がしシリンダ(変位手段) 5 加圧シリンダ(振動付与手段) 12 ノズル 14 主外筒体 20 先側外筒体 54 電圧計(漏電判定手段) 60 プラズマ溶接コントローラ(漏電判定手段) 70 ロボットインターロック盤(振動付与手段、
変位手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新垣 淑隆 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松 製作所研究所内 (56)参考文献 特開 昭52−20951(JP,A) 特開 平5−115978(JP,A) 特開 平7−223077(JP,A) 特開 平7−1145(JP,A) 特開 昭51−134825(JP,A) 特開 平2−11276(JP,A) 特開 昭62−134176(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 10/00 B23K 10/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマアークを噴出させるノズルが外
    筒体によって囲われており、その外筒体の先端でワーク
    を押圧した状態でプラズマアークによりそのワークの溶
    接を行うプラズマ溶接機であって、 アーク電流の漏れが発生したか否かを判定する漏電判定
    手段と、 前記漏電判定手段によりアーク電流の漏れが発生したと
    判定された場合に、前記ノズルに振動を与える振動付与
    手段とを有しており、 前記 振動付与手段は、前記ノズルと前記外筒体一体
    軸方向に往復動させて、その外筒体の先端をワークに
    衝突させることにより、前記ノズルに振動を与えること
    を特徴とするプラズマ溶接機。
  2. 【請求項2】 プラズマアークを噴出させるノズルが主
    外筒体と該主外筒体から分離可能な先側外筒体とによっ
    て囲われており、その先側外筒体の先端でワークを押圧
    した状態でかつ先側外筒体に主外筒体が合体した状態で
    プラズマアークにより溶接を行うプラズマ溶接機であっ
    て、 アーク電流の漏れが発生したか否かを判定する漏電判定
    手段と、 前記漏電判定手段によりアーク電流の漏れが発生したと
    判定された場合に、前記ノズル、主外筒体及び前記先側
    外筒体を一体で軸方向に往復動させてその先側外筒体の
    先端をワークに衝突させることにより前記ノズルに振動
    を与える振動付与手段と、を有することを特徴とするプ
    ラズマ溶接機。
  3. 【請求項3】 請求項記載のプラズマ溶接機であっ
    て、 漏電判定手段によりアーク電流の漏れが発生したと判定
    された場合に、ノズル及び主外筒体を先側外筒体から離
    す方向に変位させる変位手段が設けられていることを特
    徴とするプラズマ溶接機。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    のプラズマ溶接機であって、 漏電判定手段は、アーク電圧が設定電圧よりも低くなる
    時間を積算し、その積算時間に基づいて漏電を判定する
    ことを特徴とするプラズマ溶接機。
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