JP3421603B2 - 導光板、その導光板を用いた面光源装置及び表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、導光板、その導光
板を用いた面光源装置及び表示装置に関し、特に対向す
る二つの側端面から光を導入する導光板に関する。

【０００２】

【従来の技術】液晶表示装置に代表される非発光表示装
置においては、例えば、デジタルスチルカメラやビデオ
カメラ、あるいは液晶テレビ等の製品に組み込まれる際
に、その照明のために装置背面には面光源装置であるバ
ックライトユニットが設けられる。このバックライトユ
ニットの一構造として、光源と、光源からの光を側方か
ら入射し表面全体から出射する導光板と、導光板表面か
ら出射される光（出射光）を視野角内に集光し輝度を向
上させるためのレンズシートから構成されるものが知ら
れている。そして、導光板の裏面には、光源からの光
（入射光）を導光板全域に渡って拡散させるための拡散
手段が複数と、裏面から抜けた光を再び導光板内に戻す
ための反射シートが設けられる。この導光板裏面に設け
られる拡散手段には、導光板裏面に光拡散剤の入ったイ
ンクにより印刷した拡散パターンや、導光板裏面に一体
的に形成した凹凸によるもの等色々あるが、拡散手段と
して凹凸を形成するものにおいては、凹凸の個々の大き
さを光源から離れるに従って大きくすることで光源から
離れるに従って徐々に輝度が高くなるようし、照明輝度
の均一化を図るものもある。

【０００３】さて、面光源装置には光源を対向する二つ
の側端面側の夫々に備えるものがあるが、斯様な面光源
装置において、照明輝度の均一化を図るべく、拡散手段
として設けられる凹凸の大きさを光源から離れるに従っ
て大きくなるように設ける場合、例えば特開平６−１２
３８８５号公報にあるように、対向する２方向から導光
板の中央に向かって徐々にその大きさが大きくなるよう
に凹凸は設けられる。図４にその概略構成図を示す。図
４において、４１は導光板で、その裏面には拡散手段と
しての複数の凹部４６が光源側から導光板中央に向かっ
て徐々に大きさを増すように形成されている。４２は光
源、４３は光源４２からの光を導光板４１に入射させる
ための反射シート、４４は導光板裏面から抜け出た光を
再度導光板に戻すための反射板、４５は導光板４１から
出射される光を拡散するための拡散シートである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光が２
方向から導入される場合には、一方の光源から一番離れ
た部分には他方の光源が配されるため、光源からの距離
に応じて徐々に輝度が高くなるような拡散手段の構成配
置を取ることができず、導光板の中央部分に向かって徐
々に出射面の輝度が高くなるように拡散手段の構成配置
が採られる（図３破線参照）。

【０００５】このため、光が２方向から導入される場合
には、導光板の中央付近あるいは光源近傍の近傍の輝度
が他の部分に比べて明るくなり、全体として輝度むらが
発生してしまっていた。特に、液晶表示装置の大型化が
進み、これに併せて導光板の面積も広がって２つの光源
間の距離が長くなるため、輝度むらは顕著に現れてい
る。このような輝度むらは、面光源装置としても、また
表示装置としても、その性能評価を悪くしてしまう。

【０００６】本発明は、斯様な点に鑑みてなされたもの
で、対向する二つの側端面から光を導入しても輝度むら
のない均一な輝度を呈することのできる導光板を提供す
ることを目的とし、更には、この導光板を用いた優れた
性能評価を得ることのできる面光源装置及び表示装置を
提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る本発明の
導光板は、光が入射される一方の側端面、一方の入射面
と対向し光が入射される他方の側端面、入射された光が
出射される出射面、出射面と対向する対向面を有する導
光板であって、対向面に設けられ、出射面に対向する斜
面を有する複数の凹部または凸部からなり、該斜面は一
方の側端面からの距離に応じて出射面に対する投影面積
が異なる第１の拡散手段と、対向面に設けられ、出射面
に対向する斜面を有する複数の凹部または凸部からな
り、該斜面は他方の側端面からの距離に応じて出射面に
対する投影面積が異なる第２の拡散手段と、を備え、第
１の拡散手段の凹部または凸部と、第２の拡散手段群の
凹部または凸部は、一方の側端面と他方の側端面の方向
において交互に設けられており、第１の拡散手段及び第
２の拡散手段が凹部である場合、第１の拡散手段の出射
面に対向する斜面は一方の側端面側に、第２の拡散手段
の出射面に対向する斜面は他方の側端面側に位置し、第
１の拡散手段及び第２の拡散手段が凸部である場合、第
１の拡散手段の出射面に対向する斜面は他方の側端面側
に、第２の拡散手段の出射面に対向する斜面は一方の側
端面側に位置することを特徴とする。

【０００８】

【０００９】請求項２に係る本発明の面光源装置は、請
求項１に記載の導光板と、導光板の一方の側端面及び他
方の側端面に光源を備えることを特徴とする。

【００１０】請求項３に係る本発明の表示装置は、請求
項２に記載の面光源装置と、導光板の出射面側に設けら
れた非発光表示手段とを備えることを特徴とする。

【００１１】

【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に基づい
て説明する。

【００１２】図１は本発明に係る導光板、面光源装置、
及び表示装置の一実施例の概略構成図である。

【００１３】１は透光性材料からなる導光板で、光が入
射される一方の側端面である第１入射面１１、第１入射
面１１に対向する他方の側端面である第２入射面１２、
第１、２入射面１１、１２から入射された光を導光板外
部に出射する出射面１３、出射面１３と対向する対向面
である裏面１４を備えている。尚、図示しないその他の
２面は鏡面状態で入射した光が洩れないように反射面と
なっており、必要に応じて反射材が備えられる。

【００１４】導光板１の裏面１４には、出射面１３に対
向する斜面１５ａを有する複数の凹部１５からなる第１
拡散手段が設けられており、この斜面１５ａは第１入射
面１１からの距離に応じて出射面１３に対する投影面積
が異なるように、本実施例では、第１入射面１１から離
れるに従って出射面１３に対する投影面積が徐々に大き
くなるように形成されている。凹部１５において斜面１
５ａは第１入射面１１側に位置するよう設けられてい
る。（尚、図面において符号は一部省略している。）ま
た導光板１の裏面１４には更に、出射面１３に対向する
斜面１６ａを有する複数の凹部１６からなる第２拡散手
段が設けられており、この斜面１６ａは第２入射面１２
からの距離に応じて出射面１３に対する投影面積が異な
るように、本実施例では第２入射面１３から離れるに従
って出射面１３に対する投影面積が徐々に大きくなるよ
うに形成されている。凹部１６において斜面１６ａは第
２入射面１２側に位置するよう設けられている。

【００１５】そして、第１拡散手段の凹部１５と第２拡
散手段の凹部１６は、第１入射面１１と第２入射面１２
との間の方向において、交互に設けられている。

【００１６】尚、斯様な導光板は、通常、熱可塑性樹脂
を用いた射出成形により形成されるので、金型に拡散手
段の凹部とは凹凸が逆の部分を形成しておけば、一般的
な成形工程により凹部を有する固定領域を備えた導光板
が一体的に簡単に形成可能である。

【００１７】２は第１入射面１１側及び第２入射面１２
側の夫々に対向配置される冷陰極蛍光灯等の光源、３は
光源２からの光を第１入射面１１あるいは第２入射面１
２に効率よく入射させるための反射シート、４は導光板
１の裏面１３側に設けられ裏面１３から洩れた光を再度
導光板１内に戻すための反射板である。５は出射面１２
と対向して設けられ出射光を均一に分布させるための拡
散板、６は出射面１２側に拡散板５を介して設けられた
非発光表示手段である液晶表示パネルである。

【００１８】斯様な導光板において、第１入射面１１側
に配置された光源２の光は第１入射面１１に入射される
が、入射された光は第１拡散手段によって、第１入射面
１１から離れるに従って出射面１３における輝度が増す
ように拡散される。これは、第１拡散手段の各凹部１５
において、斜面１５ａが、第１入射面１１側に位置し
（即ち対向し）ており且つ出射面１３に対する投影面積
が第１入射面１１から離れるに従って徐々に大きくなっ
ているために、第１入射面１１から入射した光は第１入
射面１１から離れるに従って、出射面１３に対してより
多くの光を出射するように拡散作用するためである。

【００１９】また同様に、第２入射面１２側に配置され
た光源２の光は第２入射面１２に入射されるが、入射さ
れた光は第２拡散手段によって、第２入射面１２から離
れるに従って出射面１３における輝度が増すように拡散
される。これも、第２拡散手段の各凹部１６において、
斜面１６ａが、第２入射面１２側に位置し（即ち対向
し）ており且つ出射面１３に対する投影面積が第２入射
面１２から離れるに従って徐々に大きくなっているため
に、第２入射面１２から入射した光は第２入射面１２か
ら離れるに従って、出射面１３に対してより多くの光を
出射するように拡散作用するためである。

【００２０】このように、第１入射面１１側に設けられ
た光源２の光は第２入射面１２に近い方で、第２入射面
１２側に設けられた光源２の光は第１入射面１１に近い
方で、出射面１３における輝度が増すように拡散される
ので、出射面１３全体としては図３の実線に示すように
ほぼ均一な輝度で光が出射される。

【００２１】尚、第１入射面１１側に設けられた光源２
からの光あるいは第２入射面１２側に設けられた光源２
からの光は、導光板１内を進行する過程で第２拡散手段
の斜面１６ａと反対側の面あるいは第１拡散手段の斜面
１５ａと反対側の面に向かって進行するものもあるが、
それらの光の殆どは一旦導光板１外に出て再度導光板１
内に入射されて、出射面１３における輝度分布には余り
影響を及ぼすことはない。

【００２２】而して、対向する二方向から光を導入する
導光板において、均一な輝度を呈することが実現され
る。更にこの導光板を用いることにより、均一な輝度を
呈して優れた性能評価を得ることのできる面光源装置あ
るいは表示装置を提供ことが可能になる。

【００２３】図2は本発明導光板に係る他の実施例を示
す概略説明図である。

【００２４】図1においては、第１拡散手段の凹部１５
と第２拡散手段の凹部１６は、交互に、接近した位置に
配置されていたが、図２Ａでは凹部１５と凹部１６はほ
ぼ等間隔に交互に設けられたものである。図２Ｂは、凹
部１７が第１拡散手段の凹部でありまた第２拡散手段の
凹部でもあるもので、即ち凹部１７は第１拡散手段と第
２拡散手段を兼ねる実施例である。

【００２５】図２Ｃは、第１拡散手段及び第２拡散手段
が凸部で構成される実施例であり、第１拡散手段の複数
の凸部１８は、出射面１３に対向する斜面１８ａを有
し、この斜面１８ａは、凸部１８において第２入射面１
２側に位置しており、第１入射面１１から離れるに従っ
て出射面１３に対する投影面積が徐々に大きくなるよう
に形成されている。また第２拡散手段の複数の凸部１９
は、出射面１３に対向する斜面１９ａを有し、この斜面
１９ａは、凸部１９において第１入射面１１側に位置し
ており、第２入射面１２から離れるに従って出射面１３
に対する投影面積が徐々に大きくなるように形成されて
いる。そしてこれら凸部１８と１９は交互に設けられて
いる。いずれの実施例においても第１拡散手段及び第２
拡散手段は、図１に示す実施例と同様に機能し、出射面
１３における出射光は、均一な輝度を呈する。

【００２６】尚、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではなく、図２Ｃの様な凸部による拡散手段において
も、図１や図２Ｂのような位置関係に配置されていても
良いし、また、凹部や凸部は、光源が配される方向にそ
って、全域あるいは部分的に亙るように形成されていて
も良い。更に、夫々の斜面は夫々の入射面からの距離に
応じて出射面に対する投影面積が異なるように形成され
ていれば良く、夫々の入射面から離れるに従って出射面
に対する投影面積が徐々に大きく形成されているものに
限られるものでもない。

【００２７】

【発明の効果】本発明は、以上の説明から明らかなよう
に、第１入射面側の光源からの光を第１入射面からの距
離に応じて、また第２入射面側の光源からの光を第２入
射面からの距離に応じて、出射面における輝度が増すよ
うに第１拡散手段と第２拡散手段を設けることにより、
出射面全体として均一な輝度分布の出射光を得ることが
できる。そして更には、均一な輝度を呈して優れた性能
評価を得ることのできる面光源装置あるいは表示装置を
提供ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図1】本発明に係る一実施例の概略構成図である。

【図２】本発明導光板に係る他の実施例の概略構成図で
ある。

【図３】本発明に関し輝度分布を説明する図である。

【図４】従来の面光源装置の概略構成図である。

【符号の説明】

１ 導光板 １１ 第1入射面（一方の側端面） １２ 第２入射面（他方の側端面） １３ 出射面 １４ 裏面（対向面） １５ 凹部（第１の拡散手段） １５ａ 斜面 １６ 凹部（第２の拡散手段） １６ａ 斜面 １７ 凹部（第１、２の拡散手段） １８ 凸部（第１の拡散手段） １８ａ 斜面 １９ 凸部（第２の拡散手段） １９ａ 斜面 ２ 光源 ３ 反射シート ４ 反射板 ５ 拡散板 ６ 液晶表示パネル（非発光表示手段）

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光が入射される一方の側端面、一方の入射
   面と対向し光が入射される他方の側端面、入射された光
   が出射される出射面、出射面と対向する対向面を有する
   導光板において、 対向面に設けられ、出射面に対向する斜面を有する複数
   の凹部または凸部からなり、該斜面は一方の側端面から
   の距離に応じて出射面に対する投影面積が異なる第１の
   拡散手段と、 対向面に設けられ、出射面に対向する斜面を有する複数
   の凹部または凸部からなり、該斜面は他方の側端面から
   の距離に応じて出射面に対する投影面積が異なる第２の
   拡散手段と、を備え、第１の拡散手段の凹部または凸部と、第２の拡散手段群
   の凹部または凸部は、一方の側端面と他方の側端面の方
   向において交互に設けられており、 第１の拡散手段及び第２の拡散手段が凹部である場合、
   第１の拡散手段の出射面に対向する斜面は一方の側端面
   側に、第２の拡散手段の出射面に対向する斜面は他方の
   側端面側に位置し、 第１の拡散手段及び第２の拡散手段が凸部である場合、
   第１の拡散手段の出射面に対向する斜面は他方の側端面
   側に、第２の拡散手段の出射面に対向する斜面は一方の
   側端面側に位置することを特徴とする導光板。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の導光板と、導光板の一
   方の側端面及び他方の側端面に光源を備えることを特徴
   とする面光源装置。
3. 【請求項３】 請求項２に記載の面光源装置と、導光板
   の出射面側に設けられた非発光表示手段とを備えること
   を特徴とする表示装置。