JP3421498B2 - 汚水の処理装置 - Google Patents

汚水の処理装置

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JP3421498B2
JP3421498B2 JP05348696A JP5348696A JP3421498B2 JP 3421498 B2 JP3421498 B2 JP 3421498B2 JP 05348696 A JP05348696 A JP 05348696A JP 5348696 A JP5348696 A JP 5348696A JP 3421498 B2 JP3421498 B2 JP 3421498B2
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高嶺 北尾
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高嶺 北尾
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    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通水性多孔質材を
介在する通水性シートからなる袋状の濾過体にて槽内の
汚水を濾過する汚水の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の汚水の処理装置として
は、例えば特開平5−185078号公報に記載の構成
が知られている。
【0003】この特開平5−185078号公報に記載
の汚水の処理装置は、スポンジなどの間隙保持用の通水
性多孔質材を間に介在させて不織布または織布などの通
水性シートを重ね合わせ、周縁を密封して袋状に形成し
た濾過体を槽内に浸漬配設している。そして、この濾過
体には、通水シートを介して内部に通水濾過した濾液を
外部に流出させる吸引管を導出している。さらに、この
濾過体の下方には、槽内の汚水に酸素を供給して生物学
的に汚水を処理させる曝気手段を配設している。
【0004】そして、吸引管と槽内中の汚水の水面との
水頭圧により、汚水は通水シートを介して内部に通水し
て濾過され、この濾過された濾液は吸引管を介して槽外
に処理水として流出される。また、汚水中の浮遊物質は
通水性シートの表面に捕捉され汚泥のケーキ層を形成
し、このケーキ層は曝気手段からの曝気により通水性シ
ートの表面から剥離する構成が採られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−185078号公報に記載の従来の汚水の処理
装置において、曝気手段の上方に濾過体が位置するの
で、剥離したケーキ層が曝気手段の上部に堆積して曝気
効率が低下するとともに曝気の際の空気の圧送力に大き
なエネルギを必要とし効率よく曝気できない。また、所
望の溶存酸素量となるように曝気できない問題がある。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、簡単な構成で効率よく容易に曝気できる汚水の処理
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の汚水の処
理装置は、通水性シートが間隔保持されて重ね合わされ
るとともに周囲が密封され外部に流通する流通孔を有し
た濾過体を汚水が流入する槽内に浸漬配置し、前記通水
性シートの表面に形成されたケーキ層のフィルタ作用に
より汚水中の微細な粒子を捕捉する汚水の濾過装置にお
いて、一端が前記濾過体の流通孔に連通され他端が前記
槽の外部に連通されこの濾過体内より低い水頭差で前記
通水性シートを浸透した濾過水を前記槽の外部に引き抜
とともに、前記通水性シートの表面に略一定の厚さの
剥離しやすい脆弱なケーキ層を形成させる吸引管と、前
記槽内に設けられ少なくとも上部および下部を連通した
状態で前記槽内を区画する仕切体と、この仕切体にて区
画され前記濾過体が配設されていない側に配設され前記
汚水に酸素を供給し、この汚水中の微生物によりこの汚
水中の有機性の汚染物質を好気性分解させる曝気手段と
を備えたもので、槽内を上部および下部を連通して区画
する仕切体にて区画され濾過体が配設されていない側に
配設した曝気手段にて汚水に酸素を供給することによ
り、エアリフトが生じて槽内で還流が生じ、槽内の汚水
の溶存酸素量が略均一化して効率よく汚水が処理される
とともに、汚水を濾過体にて濾過する位置と曝気手段に
て曝気する位置とが区画されているため、効率よく曝気
および濾過が行え、汚水処理を高効率で行える。また、
濾過体にて濾過した濾過水を水頭差により放流するの
で、簡単な構成で汚水が処理されるとともに、濾過体の
表面に捕捉される汚水中の浮遊物質は剥離しやすい脆弱
なケーキ層となり、長期間安定して汚水が処理される。
【0008】請求項記載の汚水の処理装置は、請求項
1記載の汚水の処理装置において、濾過体の表面に濾過
され付着する汚水中に含有された浮遊物質をこの濾過体
から剥離させる逆流洗浄手段を備えたもので、汚水の濾
過により汚水中の浮遊物質が通水性シートの表面に捕捉
されて濾過体の表面に形成された汚泥のケーキ層が容易
に剥離され、通水抵抗の増大を防止して、長期間安定し
た濾過処理が可能となる。
【0009】請求項記載の汚水の処理装置は、請求項
記載の汚水の処理装置において、逆流洗浄手段は、濾
過体の下方に配設されこの濾過体の表面に気泡を接触さ
せる曝気機能を備えたもので、汚水の濾過により汚水中
の浮遊物質が通水性シートの表面に捕捉されて濾過体の
表面に形成された汚泥のケーキ層が逆流洗浄手段の曝気
により剥離され、簡単な構造で容易にケーキ層が剥離さ
れ、効率よく曝気および濾過が行え、汚水処理を高効率
で行える。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の汚水の処理装置の
実施の一形態を図面を参照して説明する。
【0011】図1において、1は処理槽で、この処理槽
1は、上面を開口する箱状に形成され、汚水2が流入す
る図示しない原水管が接続されている。また、この処理
槽1内には、上部および下部を連通してこの処理槽1内
を曝気室3と濾過室4とに区画する仕切体としての仕切
壁5が設けられている。
【0012】そして、曝気室3内には、例えば散気孔7
が複数穿設された塩化ビニル樹脂パイプなどの管状の散
気管8が底部に位置して複数配設されている。さらに、
これら散気管8には、処理槽1外に配設され空気を圧送
する図示しないブロワが接続され、曝気手段9が構成さ
れている。そして、散気管8から発生する気泡により曝
気室3内にエアリフトが生じて汚水2の上昇流となる。
この上昇流は仕切壁5の上部を乗り越えて濾過室4内に
流入し、濾過室4内の汚水2は仕切壁5の下部を介して
曝気室3内に流入する。このように、処理槽1は、曝気
手段9により流入した汚水2が還流するようになってい
る。
【0013】また、濾過室4内には、濾過体11が配設さ
れている。この濾過体11は、図1ないし図3に示すよう
に、例えは塩化ビニル樹脂パイプなどにて略円筒状に形
成された吸引管としての棒状体12が濾過室4の上部に架
橋するように配設され、この棒状体12にて吊り下げ支持
されている。そして、棒状体12の一端は、処理槽1外に
導出されている。また、この棒状体12の周面下部には、
図3に示すように、下方に向けて開口する集水孔13が所
定間隔で複数穿設されている。
【0014】なお、棒状体12の最も高い部分は、図1に
示すように、処理槽1の汚水2の水面の高さLと棒状
体12の高さLとの差、すなわち、水頭差L=L−L
=20mm〜100mmの低い水頭圧に設定している。こ
の水頭差Lは、汚水2中の図示しない浮遊物質の濃度や
性質によって調整し、濾過体11にて汚水2を濾過する濾
過速度は、1〜10m/m・日程度の緩やかな速度
に設定することが好ましい。
【0015】そして、濾過体11は、図2ないし図5に示
すように、例えば最小保留粒子径10μm〜100μm
の2枚の不織布または織布などの通水性シート15,15が
間隔保持用の通水性多孔質材16を間に介在させて重ね合
わされて袋状に形成された通水性袋体17を有している。
この通水性袋体17は、重ね合わされた通水性シート15,1
5の周縁が密封、例えば縫合されて袋状に形成され、内
部に通水性多孔質材16を収容する。さらに、通水性袋体
17の一辺は、両側辺の一部に亘って密閉されず流通孔18
が開口形成され、流通孔18の周縁側の通水性シート15が
鍔状の自由端となっており、この自由端の部分が取付部
19となっている。
【0016】また、通水性多孔質材16は、図6ないし図
8に示すように、例えば二重布帛状に連結されて、長方
形板状に形成されている。この二重布帛状の通水性多孔
質材16は、一対の織布などのメッシュ状の布帛状体21,2
1が所定間隔となるように所定の嵩と反発性を有するモ
ノフィラメントのポリエステル繊維などの連結糸22にて
編み込まれて形成されている。
【0017】さらに、通水性多孔質材16の周縁各辺に
は、不織布や織布などにて両端を開口する略筒状に保形
部23が縫い付けられるなどにより一体的に設けられてい
る。そして、これら各保形部23,23には、枠状に形成さ
れた補強用の枠体24が設けられている。この枠体24は、
硬質合成樹脂などの細長棒状の補強棒25が保形部23に挿
入され、それぞれの両端部が略L字パイプ状の連結部材
26にて着脱自在に連結されて形成されている。さらに、
通水性多孔質材16の一辺の両端部には、布帛などの帯状
の柔軟性部材の長手方向の一端部が縫合されて取付片27
が形成されている。
【0018】そして、通水性多孔質材16が通水性袋体17
内に流通孔18から取付片27,27が導出するように収容さ
れて濾過体11が構成されている。この濾過体11は、流通
孔18が棒状体12の集水孔13に対向して、通水性多孔質材
16の取付片27,27および通水性袋体17の取付部19が棒状
体12に巻き付けられて配設されている。なお、この濾過
体11は、取付片27,27および取付部19が巻き付けられた
部分に、彎曲する弾性変形可能な固定具28が棒状体12に
着脱自在に嵌着されて、吊り下げ支持され所定間隔で配
設されている。
【0019】次に、上記実施の一形態の汚水の処理動作
を説明する。
【0020】処理槽1内に図示しない原水管を介して流
入した汚水2は、曝気手段9の散気管8から散気された
気泡により曝気されつつ曝気室を上昇して上昇流とな
る。この上昇流は仕切壁5の上部を乗り越えて濾過室4
内に流入し、濾過室4内の汚水2は仕切壁5の下部を介
して曝気室3内に流入して、汚水2は処理槽1内を還流
する。そして、還流する汚水2中の微生物により汚水2
中の有機性の汚染物質が好気性分解される。
【0021】また、この汚水2の還流の際に、濾過室4
内に配設された濾過体11により、水頭差にて生じる低い
吸引力にて汚水2の一部が緩やかな速度で吸引される。
この吸引により、汚水2は通水性シート15を浸透して通
水性袋体17内に通水濾過される。そして、通水性袋体17
内に通水された濾液は、通水性袋体17の流通孔18から棒
状体12の集水孔13を介して棒状体12内に吸引されて処理
槽1外に処理水として放流される。
【0022】そして、通水性シート15を汚水2が通水す
る際、汚水2中の浮遊物質は通水性シート15に捕捉され
て濾過され、この濾過が続けられると、通水性シート15
の表面に濃縮された汚泥のケーキ層が形成される。そし
て、このケーキ層により、汚水2中の微細な粒子もフィ
ルタ作用により捕捉されて濾過される。なお、ケーキ層
は、濾過体11に低い水頭差による低い吸引力が作用する
のみで脆弱しているため、所定の厚さ寸法になると通水
性シート15の表面から剥離し、再びケーキ層が付着し成
長する。このため、ケーキ層は、略一定の厚さ寸法に保
たれ、略一定の濾過速度が維持される。
【0023】また、長期間の濾過により通水性シート15
の目詰まりが進行し、通水速度が増大する場合、すなわ
ち、処理水の流出する量が減少し水頭差が大きくなる場
合には、固定具28を取り外して濾過体11を取り外す。そ
して、通水性袋体17から流通孔18を介して通水性多孔質
材16を取り出し、この通水性多孔質材16を新しい通水性
袋体17に収容し直して、再び棒状体12に濾過体11を吊り
下げ支持して配設する。
【0024】そして、汚水2中の浮遊物質の濃度や性質
によって水頭差を調節すれば、汚泥による通水性シート
15,15の目詰りを抑制でき、適度なフィルタ作用を持た
せることができる。
【0025】上記実施の一形態は、処理槽1内に上部お
よび下部を連通して曝気室3および濾過室4に区画する
仕切壁5を設け、濾過体11が配設されていない側の曝気
室3に配設した曝気手段9にて汚水2に空気を曝気して
供給する。このため、エアリフトが生じて処理槽1内で
還流が生じ、処理槽1内の汚水2の溶存酸素量を略均一
化でき効率よく汚水を処理できる。さらに、汚水2を濾
過体11にて濾過する位置と曝気手段9にて曝気する位置
とが仕切壁5にて区画されているため、曝気および濾過
をそれぞれ効率よくでき、汚水2の高度な処理を効率よ
く行える。
【0026】また、通水性シート15,15間に通水性多孔
質材16を介在させたことにより、通水性シート15,15が
汚水2の水圧で密着することなく円滑に汚水2を濾過処
理できる。
【0027】そして、通水性多孔質材16は、メッシュ状
の布帛状体21,21を所定間隔となるように所定の嵩と反
発性を有する連結糸22にて二重布帛状編み込んで形成し
たため、通水性多孔質材16が通水性袋体17内で増殖した
微生物により目詰まりすることを抑制できる。このた
め、濾過体11の交換頻度が低下して処理効率の低下を防
止でき、汚水処理の運転管理も容易となる。
【0028】また、通水性多孔質材16を通水性袋体17内
に挿脱自在に収容したため、通水性シート15,15の汚水
2中の浮遊物質による目詰まりにて通水率が低下しても
通水性袋体17のみを交換するのみで、通水性多孔質材16
は再利用でき、処理コストを低減できる。さらに、通水
性多孔質材16が微生物の増殖により汚染されても、通水
性袋体17から取り出して洗浄することが容易にでき、通
水性多孔質材16が損傷するまで使用でき、処理コストを
さらに低減できる。
【0029】さらに、通水性多孔質材16の周縁に着脱自
在に枠体24を設けたため、枠体24により通水性多孔質材
16が板状の形態をとるので、通水性多孔質材16を容易に
通水性袋体17内に挿脱でき作業性を向上できる。さら
に、曝気によるエアリフトが生じて汚水2が還流して通
水性シート15,15が波打つように屈曲しても、通水性シ
ート15,15同士が密着することを防止でき、通水性シー
ト15,15間の所定の間隙は保持され、確実に汚水2を処
理できる。そしてさらに、枠体24を着脱自在に設けたた
め、通水性多孔質材16を交換する際には枠体24は再利用
できるため、通水性多孔質材16のみの交換により処理コ
ストを低減できる。
【0030】また、通水性多孔質材16に通水性袋体17の
流通孔18から導出する取付片27,27を設け、これら取付
片27,27を濾過体11を配設する棒状体12に弾性を有する
固定具28,28にて着脱自在に固定するため、固定具28の
嵌合固定による一動作の施工作業で容易に通水性多孔質
材16を配設でき、施工性を向上できる。さらに、通水性
多孔質材16を棒状体12に吊り下げ支持したまま通水性袋
体17を棒状体12から取り外すこともでき、通水性袋体17
を容易に交換できる。
【0031】さらに、通水性袋体17を通水性シート15,1
5の一片を両側片の一部に亘って縫合せずに流通孔18を
形成したため、流通孔18の周縁に鍔状の取付部19,19を
形成できる。そして、これら取付部19,19を棒状体12に
集水孔13に流通孔18を対向連通するように固定具28にて
着脱自在に固定するため、通水性多孔質材16を棒状体12
に吊り下げ支持せずとも濾過体11を処理槽1内に配設す
ることもでき、容易に施工でき施工性を向上できる。さ
らに、通水性多孔質材16が取付片27,27にて棒状体12に
取り付けられているので、通水性多孔質材16を棒状体12
に吊り下げ支持したまま取付部19,19のみを取り外して
通水性袋体17を取り外しでき、通水性袋体17を容易に交
換できる。
【0032】そして、流通孔18から導出する通水性多孔
質材16の取付片27,27と流通孔18の周縁に設けられた通
水性袋体17の取付部19,19とを同一箇所で固定具28,28に
て固定でき、これにより施工性を向上できる。なお、別
々の箇所で取付片27と取付部19とを固定してもできる。
この場合には、取付部19のみを取り外すことにより通水
性袋体17のみを棒状体12から容易に取り外しでき、通水
性袋体17の交換がさらに容易となる。そして、吊り下げ
支持された状態で通水性多孔質材16をジェット水流など
にて洗浄できる。
【0033】また、沈殿槽を必要とせず、沈殿槽に要す
る建設費や用地が不要で、構造が簡単にでき、施工コス
トを低減でき安価に汚水を処理できる。
【0034】なお、上記実施の一形態において、処理槽
1内に上部および下部を連通させて曝気室3と濾過室4
とを区画する仕切壁5を設けて説明したが、仕切壁
上部および下部に流通可能に孔を設け、この孔にて曝気
室3および濾過室4が連通するようにしたり、曝気槽と
濾過槽との2つの槽の上部および下部をそれぞれ管など
にて連通させて処理槽として構成するなどしてもでき
る。さらには、複数の曝気室3および濾過室4を設けて
もよい。
【0035】また、濾過体11の通水性多孔質材16として
二重布帛状に形成したものを用いて説明したが、スポン
ジなどの発泡合成樹脂製のものや、多孔質セラミックス
を充填して構成してもよい。
【0036】そして、処理槽1に流入する汚水2は、都
市下水、し尿系汚水、工場廃水などいずれの汚水でもで
きる。
【0037】さらに、汚水2をあらかじめスクリーンな
どにて夾雑物を除去したり、濾過体11にて濾過した処理
水をさらに別の処理工程で処理するなど、処理槽1の前
後の処理はいずれの処理工程を経てもよい。
【0038】また、処理槽1の濾過室4の底部に堆積す
るケーキ層を処理槽1外にポンプなどにて引き抜く手段
や濾過室4の底部を漏斗状に下方に縮径し堆積するケー
キ層を下端部から引き抜く構成などの汚泥排出手段を設
けてもよい。この汚泥排出手段を設けることにより、汚
泥を排出する際に汚水処理を停止する必要がなく、さら
に効率よく汚水処理ができる。
【0039】さらに、汚水2の濾過を水頭差により生じ
る低い吸引力を利用して説明したが、ポンプなどを用い
て吸引により濾過してもよい。なお、この場合、吸引力
は、通水性シート15,15の表面に形成されるケーキ層を
緻密化させずに脆弱状態で維持させるため、低く設定す
ることが好ましい。
【0040】次に、本発明の他の実施の形態を図9を参
照して説明する。
【0041】図9に示す実施の形態は、図1ないし図8
に示す実施の形態の濾過室4内に配設した濾過体11の下
方に逆流洗浄手段31を設けたものである。そして、この
逆流洗浄手段31は、曝気手段9と同様に、例えば曝気孔
32が周面上部に複数穿設された塩化ビニル樹脂パイプな
どの管状の曝気管33が底部に位置して複数配設されてい
る。さらに、この曝気管33には、曝気手段9のブロワに
接続されているとともに、処理水を圧送するポンプに接
続されている。
【0042】そして、この逆流洗浄手段31は、長期間の
濾過により濾過体11の通水性シート15の目詰まりが進行
し、通水速度が増大する場合には、駆動するブロワにバ
ルブなどの調整によりブロワからの空気の一部を曝気管
33に圧送したり、ポンプを駆動させて処理水を曝気管33
に圧送する。したがって、濾過体11の表面に気泡や処理
水が吹き付けられて通水性シート15,15の表面に付着す
る脆弱なケーキ層を容易に剥離でき、濾過体11の目詰ま
りをさらに抑制でき、通水抵抗の増大を防止して、長期
間安定して汚水2の処理ができる。さらに、逆流洗浄の
条件を調整することにより、ケーキ層が適宜成長してケ
ーキ層の厚さを略一定に保持でき、濾過速度を略一定に
できるとともに、ケーキ層による二次的な濾過作用によ
る捕捉可能な浮遊物質の径も調整できる。
【0043】なお、逆流洗浄手段31は、曝気手段9から
曝気される流量よりはるかに多いため、濾過体11の表面
から剥離するケーキ層が曝気管33上に堆積しても、逆流
洗浄の際に曝気孔32の上方に位置するケーキ層を吹き飛
ばすので、濾過体11の下方に配設しても容易に逆流洗浄
できる。
【0044】そして、この逆流洗浄手段31の下方に汚泥
排出手段を設けることにより、逆流洗浄の際に堆積する
ケーキ層が舞い上がらず効率よく除去できるとともに、
濾過体11の濾過負荷を低減でき、さらに効率よく汚水処
理できる。
【0045】次に、本発明のさらに他の実施の形態を図
10ないし図12を参照して説明する。
【0046】この図10ないし図12に示す実施の形態
は、図1ないし図8に示す実施の形態の仕切体の代わり
に浸漬濾床41を設けたものである。
【0047】すなわち、図1ないし図8に示す実施の形
態の処理槽1に仕切壁5を設けず、処理槽1の略中央に
浸漬濾床41を配設する。
【0048】この浸漬濾床41は、図11および図12に
示すように、例えば塩化ビニル樹脂パイプなどの略円筒
状の骨組み部材42が連結具43にて略角柱枠状に組み立て
られた取付枠状体44と、この取付枠状体44に上下方向に
沿って複数張設された紐状接触材45,45と、これら紐状
接触材45,45を取付枠状体44に固定する接触材固定具46
とを備えている。
【0049】そして、紐状接触材45は、例えば合成繊維
にて形成された紐状芯材48に多数のループ状繊維49が引
き出されて形成されている。また、この紐状接触材45
は、長手方向の両端が例えば合成樹脂にて形成された合
成繊維からなる帯状布体50に所定間隔ごとに縫着固定さ
れている。さらに、帯状布体50の両端には、ボタン孔の
ように縁がかがり縫いされた挿通孔51がそれぞれ形成さ
れている。
【0050】また、接触材固定具46は、濾過体11を取り
付ける固定具28と同様に、例えば内径が骨組み部材42の
外径と略同径もしくは若干径大の塩化ビニル樹脂パイプ
を、長手軸方向に沿って周面の一部を切り欠いて切欠部
53を形成している。なお、接触材固定具46は、固定具28
と同様に、中心部から略180度より大きい角度範囲の
断面円弧状に切欠部53が弾性変形により拡開する。
【0051】そして、骨組み部材42が複数の帯状布体50
の挿通孔51に帯状布体50が所定間隔となるように挿通さ
れ、帯状布体50の両端部分を覆うように接触材固定具46
が骨組み部材42に嵌合固定されて帯状布体50が位置決め
固定される。さらに、別体の骨組み部材42が帯状布体50
および紐状接触材45を所定の張力で張設するように連結
具43にて略直交方向に連結されて略立方体枠状に組み立
てられ、浸漬濾床41が形成されている。
【0052】この浸漬濾床41の処理槽1内の配設によ
り、底部に曝気手段9が配設された曝気室3と濾過体11
が配設された濾過室4とが、浸漬濾床41の周である上下
および左右部分が連通して区画形成されている。
【0053】そして、汚水2の処理の際には、処理槽1
に流入された汚水2は、曝気手段9による曝気により酸
素が供給されつつ処理槽1内を還流する。また、浸漬濾
床41を通過する汚水2は、紐状接触材45に付着する微生
物により汚水2中の有機性の汚染物質が好気性分解され
る。そして、浸漬濾床41にて生物学的に浄化処理されつ
つ還流する汚水2は濾過体11にて水頭差により濾過され
て棒状体12を介して処理槽1外に処理水として放流され
る。
【0054】この図10ないし図12に示す実施の形態
によれば、汚水2中の有機物や窒素化合物、リンなどの
汚染物質を効率よく微生物により処理でき、さらに良好
に浄化された処理水が得られるとともに、濾過体11の濾
過負荷も低減でき、効率よく濾過できる。
【0055】なお、この図10ないし図12に示す実施
の形態において、浸漬濾床41として紐状接触材45を用い
て説明したが、活性炭や多孔質セラミックスなどを充填
した構成とすることもできる。
【0056】
【実施例】図1に示す構成で容積が約1mの処理槽1
を用い、表1に示す性状の汚水2を処理する実験を行っ
た。その結果を表1、表2および図13ないし図16に
示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】この表1に示す結果から、浮遊物質以外に
生化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(CO
D)、窒素化合物、リンなども良好に除去できることが
分かる。
【0060】また、表2および図13ないし図16に示
す結果から、容積負荷にかかわらずBOD、CODが極
めて良好に低減できることが分かる。
【0061】
【発明の効果】請求項1記載の汚水の処理装置によれ
ば、槽内を上部および下部を連通して区画する仕切体に
て区画され濾過体が配設されていない側に配設した曝気
手段にて汚水に酸素を供給することにより、エアリフト
が生じて槽内で還流が生じ、槽内の汚水の溶存酸素量が
略均一化して効率よく汚水処理できるとともに、汚水を
濾過体にて濾過する位置と曝気手段にて曝気する位置と
が区画されているため、効率よく曝気および濾過が行
え、効率よく汚水処理できる。また、濾過体内より低い
水頭差により、吸引管にて濾過体内の濾過水を低い吸引
力で槽の外部に引き抜くため、簡単な構成で汚水処理で
きるとともに、濾過体の表面に捕捉される汚水中の浮遊
物質を剥離しやすい脆弱なケーキ層に形成でき、長期間
安定して汚水処理できる。
【0062】請求項記載の汚水の処理装置によれば、
請求項1記載の汚水の処理装置に加え、濾過体の表面に
濾過され付着する汚水中に含有された浮遊物質を濾過体
から剥離させる逆流洗浄手段を備えたため、汚水の濾過
により汚水中の浮遊物質が通水性シートの表面に捕捉さ
れて濾過体の表面に形成された汚泥のケーキ層が容易に
剥離でき、通水抵抗の増大を防止でき、長期間安定した
濾過処理できる。
【0063】請求項記載の汚水の処理装置によれば、
請求項記載の汚水の処理装置に加え、汚水の濾過によ
り汚水中の浮遊物質が通水性シートの表面に捕捉されて
濾過体の表面に形成された汚泥のケーキ層が、濾過体の
下方に配設した逆流洗浄手段の曝気により容易に剥離さ
れるため、簡単な構造で容易にケーキ層を剥離でき、効
率よく曝気および濾過が行え、効率よく汚水処理でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚水の処理装置の実施の一形態を示す
説明図である。
【図2】同上濾過体を配設した状態を示す正面図であ
る。
【図3】同上一部を切り欠いた断面図である。
【図4】同上濾過体を示す一部を切り欠いた正面図であ
る。
【図5】同上断面図である。
【図6】同上通水性多孔質材を示す正面図である。
【図7】同上一部を切り欠いた正面図である。
【図8】同上一部を切り欠いた斜視図である。
【図9】本発明の他の実施の形態を示す説明図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態を示す説明図
である。
【図11】同上浸漬濾床を示す斜視図である。
【図12】同上一部を切り欠いた分解斜視図である。
【図13】本発明の汚水の処理装置の汚水の処理結果を
示すBOD流入容積負荷量とBOD除去量との関係のグ
ラフである。
【図14】同上BOD流入容積負荷量とBOD除去率と
の関係のグラフである。
【図15】同上COD流入容積負荷量とCOD除去量と
の関係のグラフである。
【図16】同上COD流入容積負荷量とCOD除去率と
の関係のグラフである。
【符号の説明】 汚水 5 仕切体としての仕切壁 9 曝気手段 11 濾過体 12 吸引管としての棒状体 15 通水性シート 18 流通孔 31 逆流洗浄手段 41 仕切体としての浸漬濾床
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/02 - 3/10 C02F 1/44 C02F 3/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通水性シートが間隔保持されて重ね合わ
    されるとともに周囲が密封され外部に流通する流通孔を
    有した濾過体を汚水が流入する槽内に浸漬配置し、前記
    通水性シートの表面に形成されたケーキ層のフィルタ作
    用により汚水中の微細な粒子を捕捉する汚水の濾過装置
    において、 一端が前記濾過体の流通孔に連通され他端が前記槽の外
    部に連通されこの濾過体内より低い水頭差で前記通水性
    シートを浸透した濾過水を前記槽の外部に引き抜くとと
    もに、前記通水性シートの表面に略一定の厚さの剥離し
    やすい脆弱なケーキ層を形成させる吸引管と、 前記槽内に設けられ少なくとも上部および下部を連通し
    た状態で前記槽内を区画する仕切体と、 この仕切体にて区画され前記濾過体が配設されていない
    側に配設され前記汚水に酸素を供給し、この汚水中の微
    生物によりこの汚水中の有機性の汚染物質を好気性分解
    させる曝気手段とを備えたことを特徴とする汚水の処理
    装置。
  2. 【請求項2】 濾過体の表面に濾過され付着する汚水中
    に含有された浮遊物質をこの濾過体から剥離させる逆流
    洗浄手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の汚水
    の処理装置。
  3. 【請求項3】 逆流洗浄手段は、濾過体の下方に配設さ
    れこの濾過体の表面に気泡を接触させる曝気機能を備え
    たことを特徴とする請求項記載の汚水の処理装置。
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