JP3421458B2 - Icテスター用ハンドラのテストトレイ - Google Patents

Icテスター用ハンドラのテストトレイ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ICテスター用ハンド
ラのテストトレイの構造に関するもので、特にトレイイ
ンサートにおけるIC押さえ機構の細部構成に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ICテスターを用いてICの特性を測定
する場合、ICはハンドラによってハンドリングされ、
そのICテスター内の所定役割を持った各ステーション
に移送されていく。即ち、「ICの受け取り」→「温度
印加」→「IC特性測定」→「ICの受け渡し」といっ
たステーションの設定が一般的なものである。しかし、
ハンドリングの際には、ハンドラの駆動機構そのものに
よって惹起される振動やオペレータの操作時等の外部要
因での振動やショック或いは傾けによって、ICの位置
ズレや飛び出しが生じてしまう。そこで、ICテスター
内でのIC姿勢・位置の保持・制御が可能で、容易には
飛び出してはしまわないような構造とし、各種の工夫を
加えたテストトレイを複数個用いて、ハンドラ内の上記
各ステーションを循環させている。
【0003】図3に代表的なテストトレイ1の斜視図を
示した。同時にIC3がテストトレイ1内の1つのトレ
イインサート2と呼ばれる部分に収納されることを図示
している。そのIC3の収納部分が1つのテストトレイ
1に16個×4列=64個ある例を示した。また、図2
には従来技術によるトレイインサート2のIC押さえ機
構の細部構成の1部分を示した。図2に示すように、一
般的で代表的なものは、受け取ったIC3が位置ズレし
たり飛び出したりしないようにするために、トレイイン
サート2の1部にプラスチック製のツメ9を形成した。
それの樹脂弾性を利用してIC3を受け取るときには開
閉機構によって拡げて行い、また、受け取った後の所定
姿勢及び所定位置の保持のためには、開閉機構で閉じて
ツメ9で押さえて行っていた。
【0004】つまり、従来技術のトレイインサート2の
IC押さえ機構の構成は、図2の(A)、(B)に示す
ように、被測定対象とするIC3のリード端子のない側
にプラスチックス製の各種形状のツメ9を掛けるように
したものである。近時、IC3のパッケージは、軽薄短
小化し、また一方では多リード端子化による大型化も進
み、益々多様化が進んでいる。この従来技術の構成によ
るツメ9は、IC3の収納部4と1体モールド成形型で
量産ができ、材料費も安くコストパフォーマンスはよい
が、(1)ツメ9の樹脂弾性の利用を繰り返すうちバネ
性が劣化してしまいバネ寿命が短い。(2)また、機械
的強度が弱いため外力が加わった場合に破損しやすい。
(3)さらには、ツメ9を開閉する機構が複雑となるの
みならず、リード端子のでている方向に合わせての品種
対応が必要である。といった問題点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ICテスター用ハンドラのテストトレイの
トレイインサートにおけるIC押さえ機構において、
(イ)ICを押さえるツメが繰り返し開閉されてもバネ
性が劣化せず長寿命なものとすること。(ロ)機械的強
度が向上する構成とすること。(ハ)開閉機構はシンプ
ルなものとし、被測定対象となるICのパッケージ形状
の変更にも容易に対応できる構成の構造とする。ことで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
課題を解決するために、(A)ICを押さえるツメをバ
ネ性のある金属によって形成された板バネとし、(B)
ガイド穴に沿ってバネ駆動部を上下させることで板バネ
を弾性変形させ、ICを押さえ又は開放する、(C)ま
た、別に構成したICの所定位置を保持する収納部の周
囲に、所定個数のガイド穴と板バネ保持用シャフトを設
ける、という構造とした。
【0007】即ち、ICテスター用ハンドラのテストト
レイの構造、特にトレイインサート部におけるIC押さ
え機構においては、多数回の繰り返し開閉動作に対して
バネ性を失わず、従ってICを押さえる力が劣化するこ
となく長寿命化し、板バネの形状と弾性変形させるバネ
駆動部の機構との組み合わせによって被測定対象ICの
パッケージ形状の変更にも対応しやすくしたことで、上
記課題を解決し目的を達成した。
【0008】
【作用】ICテスター用ハンドラのテストトレイにおけ
るトレイインサートの機構とより長寿命で、シンプルな
IC押さえ及び開放の動作が可能なものとすることがで
きたのはバネ性つまり弾性を有する金属による板バネの
形状を得たことである。即ち、本発明による板バネの形
状としたことで、極めて小さい押下又は開放ストローク
で、大きな板バネの開放角度が得られたのである。ま
た、本発明の板バネの形状としたことで、バネ駆動部を
用いて上下にのみ短い距離のストローク分だけ動作する
構成の機構でよく、シンプルにできたので被測定対象I
Cのパッケージの形状によるリード端子の出方の方向の
違いにも容易に対応することが可能となった。
【0009】
【実施例】図1は、本発明による実施例のトレイインサ
ート2の構造を示す断面図である。図2は、従来技術に
おけるトレイインサート2の構造の一部分を示す概念図
である。図3には、ICテスターのハンドラ用のテスト
トレイ1とIC3がテストトレイ1のトレイインサート
2部分に収納される状況を示す。
【0010】(1)図1に示すのは、本発明の実施例に
よるトレイインサート2の構造の断面図である。本発明
ではIC押さえの為の従来のツメ9がプラスチックスの
1体モールド成形型によるものに代えて、バネ性を有す
る金属による板バネ7とした。図1−(A)は、本発明
による材質と形状の板バネ7がIC3を押さえている状
況を示す。板バネ7は、ガイド穴5内に挿入されバネ保
持用シャフト6で位置決めされ組み込まれる前の状態で
は、図示した角度αが90度前後に成形されたもので構
成されている。このために図1−(A)に示すように、
トレイインサート2内に組み込まれると常にIC3を押
さえる力が働く構造となった。
【0011】(2)次に、IC3の押さえから開放する
場合には、図1−(B)に示すように、上方向からバネ
駆動部8によって板バネ7の上部を押しつけることで、
板バネ7がガイド穴5の底部に押し込まれ、そのために
それまでIC3を押さえていた板バネ7の先端部分が持
ち上げられ、IC3を押さえる力から開放することがで
きる。その後は、ハンドラのピックアップ&プレースヘ
ッドによって収納部から次工程用のテストトレイ1に搬
出させ、次のIC3を受け取って収納し、押さえること
を繰り返す。
【0012】(3)本発明による実施例は、バネ性を有
する金属による板バネ7による構成のものについて説明
したが、従来技術とは異なり、収納部4との一体モール
ド成形型によって構成するのではなく板バネ形状のシン
プルなものなので、金属に代えて、例えばプラスチック
ス板バネとすることも可能である。
【0013】(4)また、本発明による実施例では、バ
ネの形状を板バネ7としたが、ガイド穴5部にガイド溝
を設けたものとすることで、バネ性を有する金属による
丸棒で形成したバネとすることも可能であり、さらには
板状、丸棒以外の形状のものでも良い。その材質につい
てもバネ性の高いプラスチックスでも良く、また、他の
材質でも良い。そして、それらを各々組み合わせて構成
することも可能である。
【0014】
【発明の効果】本発明は、以上の説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。 (1)被測定対象ICが薄くて小型、軽量であるが故
に、従来技術ではプラスチックス製のツメが用いられて
きたが、それをバネ性を有する金属の板バネとしたので
耐久性が向上し、長寿命化が達成できた。 (2)板バネの上部方向から、従来技術と比較すれば極
めて小さなストロークによって大きな開放クリアランス
が得られたので、開放又は押さえのための機構をシンプ
ルなものとすることができた。 (3)また、上記(2)に記載した理由で、構成部品点
数が少なくなり低コスト化が実現した。 (4)更に、同様の理由で、トレイインサート部が小さ
くなりコンパクト化が図れたので、テストトレイ上のト
レイインサートを増加させてICの軽薄短小化に対応し
たり、或いは逆にICの多リード端子化による大型化に
対してもトレイインサートの減少を最小限とすることが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるトレイインサートの構造
を示す断面図である。
【図2】従来技術によるトレイインサートの構造の一部
分を示す概念図である。
【図3】ICテスターのハンドラ用のテストトレイと、
ICをテストトレイのトレイインサート部分に収納する
状況を示す。
【符号の説明】
1 テストトレイ 2 トレイインサート 3 IC 4 収納部 5 ガイド穴 6 板バネ保持用シャフト 7 板バネ 8 バネ駆動部 9 ツメ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テストトレイ(1)のトレイインサート
    (2)におけるIC押さえ機構の構成において、 IC(3)の所定位置を保持する収納部(4)の周囲
    に、所定個数のガイド穴(5)及び板バネ保持用シャフ
    ト(6)と、 上記ガイド穴(5)に沿ってバネ駆動部(8)を上下さ
    せることで弾性変形を行い上記IC(3)を押さえ或い
    は開放するバネ性のある金属によって形成された板バネ
    (7)と、 を具備することを特徴とするICテスター用ハンドラの
    テストトレイ。
  2. 【請求項2】 板バネ(7)の材質を金属に代え、プラ
    スチックスとした請求項1記載のICテスター用ハンド
    ラのテストトレイ。
  3. 【請求項3】 板バネ(7)の形状を板状に代え、丸棒
    又は他の形状とした請求項1又は2記載のICテスター
    用ハンドラのテストトレイ。
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