JP3421362B2 - アルミナセメント複合材 - Google Patents

アルミナセメント複合材

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、耐火性及び機械的強度
に優れたアルミナセメント複合材に関する。 【0002】 【従来の技術】製鉄工業、金属溶解工業、電炉工業、溶
融塩工業等の如く、700℃以上の高温度での耐火性建
材を必要とする分野は数多い。これらの高温作業現場で
の床、壁、その他の建築構造物は、1000℃以上の高
温の溶融した金属と接するところもある。また、より高
性能の製品の品質を保持し、それを一定に生産するに
は、作業環境をクリーンな状態に保持することが必要で
ある。また、作業者にとってもクリーンな環境が望まれ
る。 【0003】一般にコンクリートやモルタルとして広く
使用されているポルトランドセメント系材料は、使用温
度が100℃以下ならば強度への影響はないが、110
℃以上になると収縮が生じると共に、水和物層間水も失
われ、続いて水酸基の脱水が起こって更に収縮してい
き、空隙が増大すると共にセメントボンドが失われ、強
度が低下する。300℃以上になると、初期強度の1/
2程度にまでなる。更に600℃以上になると、セメン
ト硬化物は原型をとどめない程ぼろぼろになり、機械的
強度は激減する。 【0004】一方、高温条件下で使用できるセメント材
料として、アルミナセメントが知られている。これは、
ボーキサイトと石灰石とを混合し、溶融又はその一部が
溶融して焼結するまで加熱し、急冷粉砕し製造したセメ
ントである。このアルミナセメントは、早強性で摩耗や
衝撃にも強い特性を有している。また、硫酸イオンを含
む水にも安定である。 【0005】また、アルミナセメントは、それのみを水
で硬化して用いるだけではなく、耐火性の粒状物や粉状
物を加え、水で練り、所望の形に仕上げるキャスタブル
耐火物やプラスチック耐火物の結合材としても使用され
ている。しかし、アルミナセメントをキャスタブル耐火
物等の結合材として使用した施工体は、高温に加熱した
場合に爆裂することがある。この爆裂は、マトリックス
内の自由水の脱離、及び水和物の脱水などによって生じ
た水が急激に蒸発することによって起こるものである。
その対策法としては、昇温条件を選択したり、爆裂防止
材を添加する方法がある。かかる爆裂防止材として、繊
維、塩基性乳酸アルミニウム等のコロイド、金属アルミ
ニウムが知られており、ここで爆裂防止用の繊維には、
ロックウール、ガラスファイバー、セラミックファイバ
ー、アルミナファイバー等があり、要求される温度範囲
によって適宜選択して使用される。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロック
ウールやガラスファイバーは、600℃以上の温度で溶
融してしまうため、適用温度限度が低く、また、得られ
る製品は耐アルカリ品である必要がある。また、セラミ
ックファイバーやアルミナファイバーは高価格であり、
実用に供し難い。このように、現状では溶融した金属に
も充分耐え得る実用的な建造物用材料がいまだ提供され
ていないのが実状である。従って、上記の各種の高温環
境が必要な分野において使用可能な、高い耐火性と機械
的強度を有する建造物用材料が求められている。 【0007】一方、今日の現代社会のエネルギーは、電
力に求められており、そのために、水力、火力、原子力
発電が行われているが、それぞれ問題を抱えている。火
力発電の場合には、石油や石炭を燃焼して利用している
が、それぞれ副生物の処理に問題がある。特に、後者の
石炭の場合には、燃焼灰であるフライアッシュが大量に
生成してくるが、その有効な処理方法のないのが実状で
あり、それの新しい利用が強く望まれているところであ
る。 【0008】フライアッシュは、石炭を燃焼した際に生
成する灰分である。発電所において石炭の燃焼によって
生じる石炭灰は、その発生場所、形状、粒形等から、ク
リンカ、フライアッシュ、サンドアッシュ、グリーンア
ッシュ等に分類され、このうち80〜90%を占める細
粒分がフライアッシュであり、その生成量は、燃焼した
石炭のほぼ1/3である。大量に生成するフライアッシ
ュの処理方法は、一部フライアッシュセメントとして、
また路床材等として用いるなどの利用も試みられている
が、大部分は埋め立てられるのが実状である。地球資源
の有効利用の点から、フライアッシュの新しい展開が強
く望まれている。 【0009】そこで、請求項1記載の発明は、上記した
従来の技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、
高い耐火性と機械的強度を有する、建造物用材料に適す
るアルミナセメント複合材を提供するとともに、フライ
アッシュの有効利用を目的とするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、請
求項1記載の通り、石炭を燃焼させた際に副生するフラ
イアッシュを高温で溶融、繊維化したフライアッシュウ
ールであって、そのまま若しくは石灰岩等の副原料を添
加することによりシリカを35〜42重量%含んだフラ
イアッシュウールをアルミナセメントに対して10〜2
5重量%の範囲で含有することを特徴とするアルミナセ
メント複合材により達成されることが判った。 【0011】本発明で用いられるフライアッシュウール
は、石炭を燃焼させた際に副生する石炭灰(フライアッ
シュ)を千数百度の高温で溶融紡糸して繊維化すること
により得ることができる。原料のフライアッシュはロッ
クウールの原料となる玄武岩や安山岩又は高炉スラグ等
の化学組成と類似しており、ロックウールとほぼ同等の
性能を持つ繊維の製造が可能であることが判明した。フ
ライアッシュウールはロックウールに比して、比較的繊
維長を長くできるため断熱性の点で有利であり、また溶
融温度が高いことから耐熱性に優れている。更に、上記
の如きフライアッシュの有効利用という社会的要請に合
致すると共に、経済性に優れている。 【0012】原料となるフライアッシュの成分は、石炭
の産地によって異なっているが、主たるものはニ酸化珪
素(シリカ)とアルミナであり、この2つの無機質で、
全体の60〜80%を占める。その他、少量の酸化第ニ
鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどが含まれて
いる。フライアッシュウールの品質保持のためには、原
料であるフライアッシュの成分が安定していることが好
ましい。また、できるだけ二酸化珪素含量が低く、アル
ミナ含量が高いフライアッシュの方が、高温における粘
度が小さく低温融解が可能と考えられるため好ましい。
また、フライアッシュウールの組成と溶解性をロックウ
ールのそれらと近似させるために、フライアッシュに石
灰岩等の副原料を添加することができる。 【0013】フライアッシュウールは、従来のミネラル
ウール製造法を用いて製造することができ、例えば粉状
体の原料を固めて投入するキューポラによるバッチシス
テム法(キューポラ方式)、原料を粉体のまま直接投入
する電気炉を用いた電気炉法(例えばGeotech社
によるGeotech方式)等が挙げられる。特に電気
炉法は、電力原単位が低い、収率が高い、ショット球
(繊維化しない粒子)混入率が低い、長めの繊維長が期
待できる等の利点を有するため好ましい。フライアッシ
ュウールは、場合により、繊維の末端についているショ
ット球を水ひ操作により取り除いてもよい。高温融体の
繊維化には、適性な粘度が得られる温度での融解が必要
であり、原料の石炭灰の組成にもよるが、1100〜1
900℃、特に1400〜1700℃の温度が適当であ
る。 【0014】フライアッシュウールの直径や表面状態を
走査電子顕微鏡で観察すると、表面は平滑で、大部分は
ガラス状(無定形)である。フライアッシュウールの直
径は1〜10μm程度の分布をもち、平均直径はほぼ3
μmである。繊維長は20〜300mm程度である。X
線回折分析を行うと、二酸化珪素(α−クリストバライ
ト)の回折線のみが見られ、その他の回折線はなかっ
た。フライアッシュウールの耐熱性は、熱分析装置を用
い、空気中1300℃まで加熱して検討した。その結
果、熱重量曲線には何の変化も見られないで重量の増減
はなかった。また、示差熱曲線では、1000℃以下に
は明確な吸熱、発熱ピークはなかったが、1000℃付
近に発熱ピーク、1175℃近辺に吸熱ピークがそれぞ
れ見られた。前者の発熱はガラス質フライアッシュウー
ルの結晶化であり、後者の吸熱はフライアッシュウール
の融解によるものであった。事実、分析後の白金製試料
皿中には、繊維状のフライアッシュウールはなくなり、
溶融固化したもののみであった。従って、このフライア
ッシュウールを用いた複合材料の使用温度は、結晶化の
生じない温度以下、即ち1000℃以下であることが好
ましい。但し、短時間であるならば、1175℃の融点
付近までならば使用可能である。この温度範囲は従来か
ら提供されている各種セラミックファイバーと言われる
ものと同程度である。 【0015】アルミナセメントは、アルミン酸カルシウ
ムを主成分とする無機質の水硬性セメントである。アル
ミナセメントの性質は、CaOやAl23等の組成や粒
子径等によって異なる。早強性や機械的強度を主目的と
した場合には、CaOの割合が多く、耐火性を目指した
場合にはAl23の割合を多くすることが好ましい。ま
た必要に応じてその他の添加剤、例えば骨材、安定化
剤、流動化剤等を加えることができる。 【0016】アルミナセメント複合材料中に含有させる
ことができるフライアッシュウールの量は、用いるアル
カリセメントの水/セメント(W/C)比などによっ
て、適宜設定することができる。一般にフライアッシュ
ウール含有量が多いほど曲げ強度を高くすることができ
有利である。アルミナセメント複合材料中のフライアッ
シュウール含有量は、通常1〜40重量%であり、特に
10〜25重量%の範囲が好ましい。 【0017】フライアッシュウールを必要に応じて適当
な繊維長さになるよう適宜細かくした後、通常の方法に
従い、アルミナセメントペースト中に添加、混合し、分
散させることにより、アルミナセメント複合材料とし、
硬化、必要に応じて養生させて耐熱性に優れたアルミナ
セメント複合材を得ることができる。また、フライアッ
シュウールを含有するアルミナセメント複合材の機械的
強度は、初期固化後、オートクレーブ中でスチール養生
することによって更に向上させることができる。 【0018】本発明に従うフライアッシュウールを含有
するアルミナセメント複合材は、種々の建築構造物に適
用して優れた耐火性及び強度を発揮することができる
が、特に製鉄工業、金属溶解工業、電炉工業、溶融塩工
業等の如き、高温度を必要とする作業現場での床、壁、
その他の建築構造物に好ましく適用される。また、本発
明のアルミナセメント複合材は、キャスタブル耐火物や
プラスチック耐火物としてそのまま建造物用材料に用い
てもよいし、あるいはペースト状のアルミナセメント複
合材を煙突内部の如く高温度が必要な部分や、高層建築
物の床、壁の一部などに吹き付け、塗布などして用いて
もよい。 【0019】以上のことから、フライアッシュウール
は、セメント補強に利用されているロックウール、ガラ
ス繊維及びセラミックファイバーの様な欠点がなく、ま
た、優れた耐熱性があることが判明すると同時に、優れ
た耐火度を有するアルミナセメント材と複合することに
より、優れた耐火性と、更には予想以上の機械的強度と
を有する建築用複合材料を得ることができたものであ
る。更に、フライアッシュウールは廃棄物であるフライ
アッシュを原料とするため、経済性に優れている。 【0020】 【実施例】以下本発明を実施例により例証するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 高い機械的強度をもち工事用として製造されたアルミナ
セメント(電気化学工業製)と、キャスタブル耐火物の
結合材として高い耐火性をもつハイアルミナセメント
(電気化学工業製)の二種類のアルミナセメントを用い
た。フライアッシュウール(中国製;特性は後述の参考
例1参照)を、長さ0.5cm〜1cm程度になるよう
に手で細かくした後、所定のW/C比のセメントペース
ト中に、所定量のフライアッシュウールを添加し、充分
にハンドミキサーで混合した後、プラスチック型枠(縦
64mm、幅34mm、高さ8mm)中に流し込んだ。
1日後に脱型し、水中で1週間養生した。風乾後、得ら
れたセメント板の嵩密度、曲げ強度(三点曲げ強度、支
点距離50mm)、ヤング率(曲げ強度測定時の荷重−
たわみ曲線の初期直線部の傾きより算出)及び圧縮強度
(流し込み面に対して直交方向から加圧)を求めた。そ
れらの結果を表−1に示す。ここで、FAW/Cは、フ
ライアッシュウール/セメントの重量比を示す。また、
( )内は平均値を示す。 【0021】 【表1】 【0022】フライアッシュウールの添加量は、W/C
比が0.4の場合にはセメント重量の25%まで、W/
C比が0.3の場合にはセメント重量の15%まで混合
可能であった。得られたセメント板の嵩密度は2.0〜
2.3g/cm3程度であった。曲げ強度はフライアッ
シュウール含有量の増加とともに高くなり、最高曲げ強
度はハイアルミナセメントから作られた試供体におい
て、その強度は203kg/cm2、測定した中には2
10kg/cm2を示すものもあった。そして、ハイア
ルミナセメントから作られた試供体の方が、アルミナセ
メントの場合よりも曲げ強度は高くなっていた。 【0023】フライアッシュウールを添加していないセ
メント単味の曲げ強度(7日強度)は、アルミナセメン
トでは35kg/cm2、ハイアルミナセメントでは3
1kg/cm2であった。従って、フライアッシュウー
ルを添加すると、無添加の場合よりも前者(187kg
/cm2)では5.3倍、後者(203kg/cm2)で
は6.5倍も強化された。また、圧縮強度はフライアッ
シュウールの含有量に拘らず、1000〜1400kg
/cm2であった。フライアッシュウールを添加してい
ないセメント単味の圧縮強度はアルミナセメントではW
/Cが0.4では640kg/cm2、W/Cが0.3
では815kg/cm2、ハイアルミナセメントではそ
れぞれ570kg/cm2及び660kg/cm2であっ
た。従って、フライアッシュウールを添加すると、無添
加の場合よりも前者(1419kg/cm2)、後者
(1108kg/cm2)ともに1.7倍ほど強化され
た。 【0024】尚、ポルトランドセメントとフライアッシ
ュウールから作られた複合材は、フライアッシュウール
添加量がセメント重量の25%まで可能であった。作ら
れた試料の嵩密度は1.96g/cm3、曲げ強度は8
0kg/cm2、圧縮強度は550kg/cm2にしかす
ぎなかった。したがって、本発明のようにアルミナセメ
ントを使用することによって、フライアッシュウールの
機械的特性が著しく発現された。 【0025】実施例2 耐火性について検証するために、上記のようにして得ら
れたフライアッシュウール含有アルミナセメント複合材
を900℃に加熱して、熱的変化、機械的強度を調べ
た。実施例1に記載の方法で作製したフライアッシュウ
ール含有アルミナセメント複合材を、角型電気炉中に入
れ、300℃/時間の昇温速度で600℃に加熱し、同
温度に10分間保持した。試料を電気炉中から取り出
し、放冷した。また、加熱温度を800℃、900℃に
したものについても上記と同様に10分間づつ保持し、
熱処理した。処理後の試片は、自然放冷後、重量を測定
するとともに曲げ強度及び圧縮強度を求めた。加熱後の
試料は若干白色味を帯びたが、特に大きな変化はなかっ
た。それらの結果を表−2に示す。 【0026】 【表2】 【0027】耐火試験によって、試料の収縮率はいずれ
の熱処理温度でも0.8%程度で僅かであった。また、
嵩密度は2.2g/cm3程度から1.7g/cm3程度
に低下した。重量減少率は、いずれの温度でも22%程
度であり、充分に実用に供し得ることが判った。熱処理
後の曲げ強度は、熱処理温度が高くなるにつれてやや低
くなったが、900℃に10分間保持しても、まだ80
〜100kg/cm2の曲げ強度を有していた。 【0028】次に、実施例1に記載の方法で作製した各
フライアッシュウール含有アルミナセメント複合材の曲
げ強度を測定した後、二つに破断した試片を用いて耐熱
性の評価を行った。この耐熱試験には、特に機械的強度
の高いものを5種類用意した。作製したフライアッシュ
ウール含有アルミナセメント複合材(2cm×5cm)
を角型電気炉中に入れ、上記の場合と同じようにして、
600℃、800℃及び900℃にて各々10分間熱処
理した。処理後の試片は、自然放冷後、重量を測定する
とともに圧縮強度を求めた。加熱後の試料は若干白色味
を帯びたが、特に大きな変化はなかった。それらの結果
を表−3に示す。 【0029】 【表3】【0030】重量減少率は、いずれの場合も25%程度
であった。900℃に加熱することによって圧縮強度は
低下したが、それでも350kg/cm2程度の強度は
有しており、耐熱性に優れていることが判る。このなか
で特に注目されることは、アルミナセメントを用い、W
/Cが0.3で、フライアッシュウール添加量(FAW
/C)が0.1の場合であるが、900℃に加熱して
も、驚くべきことに、810kg/cm2の圧縮強度を
保持していた。これは優れた耐火物である。同様の実験
をポルトランドセメントを用いた場合について行った
が、800℃に30分間加熱すると試料の形態は維持し
ているが、機械的強度は測定不能な程弱くなっていた。
これらのことから、本試料は耐熱性に格段に優れている
ことが判る。 【0031】実施例3 フライアッシュウール含有アルミナセメント複合材を9
00℃に所定時間(最高2時間)加熱し、熱的変化、機
械的強度などを検討した。機械的特性の高い試料の得ら
れる条件で作製した2種類のフライアッシュウール含有
アルミナセメント複合材を、角型電気炉に入れ、300
℃/時間の昇温速度で900℃に加熱し、同温度に所定
時間(10分、30分、60分、120分)経過後に試
料を電気炉中から取り出し、放冷した。処理後の試片
は、重量及び試料の寸法を測定するとともに、曲げ強
度、ヤング率及び圧縮強度を求めた。それらの結果を表
−4に示す。 【0032】 【表4】【0033】900℃に120分保持しても、若干白色
味を帯びたが、特に大きな変化はなかった。測定試料数
が1点であるため、ばらつきは見られるが、900℃に
120分間保持しても100kg/cm2程度の曲げ強
度を維持し、加熱前の強度の2/3程度であった。一般
的に耐火物の場合には、圧縮強度には比較的強いが、曲
げ強度は余り高くない。本実施例の結果から、この材料
はタフネスを有し、耐火性材料として好ましい性質を有
することは明きらかである。一方、アルミナセメントか
ら作られた試供体の加熱処理後の圧縮強度は、540k
g/cm2であった。ハイアルミナセメントの場合も、
360kg/cm2であった。これらのことからも、フ
ライアッシュウール含有アルミナセメント複合材は、耐
熱性、機械的特性に優れた材料であることが判る。 【0034】参考例1 実施例1から実施例3で用いたフライアッシュウールの
原料(フライアッシュ)の化学成分及びフライアッシュ
ウールの繊維の特性をそれぞれグラスウール及びロック
ウールと対比させて表−5及び表−6に示す。 【0035】 【表5】 【0036】 【表6】 【0037】 【発明の効果】本発明に従い、アルミナセメントにフラ
イアッシュウールを含有させることにより、耐火性及び
機械的強度の優れたアルミナセメント複合体を得ること
ができ、フライアッシュウールがアルミナセメントの爆
裂防止材として使用できるとともに、繊維補強材として
も機能することが判った。また、経済性に優れており、
従来の課題であった石炭灰の有効利用を達成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平1−170841(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 14/00 - 28/36 B09B 3/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 石炭を燃焼させた際に副生するフライア
    ッシュを高温で溶融、繊維化したフライアッシュウール
    であって、そのまま若しくは石灰岩等の副原料を添加す
    ることによりシリカを35〜42重量%含んだフライア
    ッシュウールをアルミナセメントに対して10〜25重
    量%の範囲で含有することを特徴とするアルミナセメン
    ト複合材。
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