JP3420063B2 - 引張強度試験器 - Google Patents

引張強度試験器

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JP3420063B2 JP16839298A JP16839298A JP3420063B2 JP 3420063 B2 JP3420063 B2 JP 3420063B2 JP 16839298 A JP16839298 A JP 16839298A JP 16839298 A JP16839298 A JP 16839298A JP 3420063 B2 JP3420063 B2 JP 3420063B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引張強度試験器に
関し、特にねじ部材を取り付けた母材からそのねじ部材
を引抜くときの引張強度を測定することができる引張強
度試験器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹脂形成品や薄板等にねじ部を
形成して他部材をねじ結合するような場合、これら結合
部の十分な強度を得るために、ねじ部を別部材として母
材に埋設あるいは溶接、圧入等により結合して、例え
ば、樹脂用インサートナットやプレスカシメナット、溶
接ナットとして用いることが行われている。ところで、
別部材として母材に結合されたねじ部材は結合部の強度
を確保するものであることから、母材とねじ部材の結合
強度試験を行う必要がある。その結合強度試験には、母
材を固定してねじ部材に引張力を加え、母材とねじ部材
の分離開始時の引張力(抜去力)から最大結合強度、す
なわち母材とねじ部材の引張強度を測定する引張強度試
験器が用いられる。
【0003】従来この種の引張強度試験器としては、例
えば図37に示すようなものがある。同図において10
1は引抜き強度試験器であり、詳細は図示しないが例え
ばアムスラー引張試験機が用いられている。引抜き強度
試験器101の固定部102には射出成形された被測定
物103が係合し、被測定物103の母材104にはね
じ部材105が埋設されている。すなわち、被測定物1
03はねじ部材105と共に母材104が固定部102
に装着可能な寸法に予め切り出されたものである。測定
時にはねじ部材105にボルト106を螺合し、ボルト
106に引抜き強度試験器101の引張り金具107を
係合させて引張り金具107に図中上方向の力、すなわ
ち、固定部102によって支持された被測定物103か
らねじ部材105を引抜く方向の引張力を加える。そし
て、引張力を大きくするとやがてねじ部材105が母材
104から分離、脱落するが、分離開始時の引張力から
母材1104とねじ部材105の引抜き強度が測定され
る。
【0004】しかしながら、このような従来の引張強度
試験器にあっては、引抜き強度試験器101が据置型の
アムスラー引張り試験機等であったため、次のような問
題点があった。
【0005】すなわち、固定部102に合わせて被測定
物103を予め切り出して特定の形状にする必要があ
り、測定のための準備作業が煩雑になり、段取りに時間
がかかり、測定に熟練を要する。さらに、試験器が汎用
機なので、高価であるという問題もあった。しかも、引
抜き強度試験器101が大型で据置型であることから射
出成形等の現場で母材104とねじ部材105の引抜き
強度を測定することは不可能に近く、このため成形作業
の能率が低下するという問題点があった。
【0006】特に、引抜き強度の測定はその測定結果を
製品の生産工程にフィードバックして品質の向上を意図
するものであり、現場で容易に測定・検査できるような
引抜き強度試験器が要望されていた。
【0007】そこで、本出願人は先に、特開平3−12
5941号として、小型で作業現場に持ち込んで容易に
ねじ部材の引抜き強度を測定又は合否判別可能な引抜き
強度測定器を提案した。
【0008】この引抜き強度測定器は、図18に示すよ
うに、引抜き強度測定器112の本体胴部111の下端
部にはほぼ中空円筒状の着座アタッチメント113が設
けられている。母材115および母材115のボス部1
15aにインサート成形されたねじ部材116からなる
被測定物114の引抜き強度が引抜き強度測定器112
によって測定される。
【0009】着座アタッチメント113は、本体胴部1
11の下端部に着脱自在に螺着され、軸方向に内径Dの
通孔113aが形成されている。通孔113aの内径D
はねじ部材116の最大外径dよりも大きく設定され、
引抜き強度測定器112が被測定物114の引抜き強度
を測定するときには、着座アタッチメント113の着座
面113bがねじ部材116の外周辺でボス部115a
の上端面に当接するように構成されている。
【0010】着座アタッチメント113の通孔113a
には引張軸117が着座アタッチメント113と同軸に
嵌挿されており、引張軸117は着座アタッチメント1
13を貫通して先端部117aが被測定物114のねじ
部材116に螺合し、基端部117bが本体胴部111
の上部に設けられた把手118に螺着されている。
【0011】なお、本体胴部111に嵌挿される把手1
18のボス部118aには、引張軸117の基端部11
7bを螺着させた後、引張軸117を把手118に固定
する止めねじ119が取り付けられており、引張軸11
7の交換時には、止めねじ119を緩めることにより把
手118から引張軸117を容易に取り外すことが可能
である。
【0012】121は圧縮型の荷重変換器であり、荷重
変換器121は、図中下端部に形成された第1フランジ
部122で本体胴部111に螺合固着され、上端部に形
成された第2フランジ部123でスラスト軸受125を
介して把手118のボス部118aに衝合している。第
2フランジ部123はスラスト軸受125およびボス部
118aを介して引張軸117に取り付けられること
で、引張軸117に生じる引張力Pの反力を圧縮力とし
て受けるように構成されている。また、フランジ部12
2と第2フランジ部123の間には前記圧縮力(すなわ
ち引張力Pの反力)を受けて弾性変形する薄肉部として
の受感部124がこれらと一体的に設けられており、受
感部124には前記圧縮力を受けた受感部124の歪み
を測定する測定手段としての歪ゲージ126が装着され
ている。受感部124は、第1フランジ部122、第2
フランジ部123および受感部124が一体の筒状体と
して本体胴部111に螺合固着されることで、本体胴部
111の一部として第1フランジ部122と第2フラン
ジ部123の間に設けられた薄肉部を構成している。ま
た、歪ゲージ126は、本体胴部111の受感部124
に設けられてそのスラスト方向の歪み(変形)量から引
張軸117に作用する引張力Pを測定する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平3−125941号の引抜き強度測定器では、使用
者の取り扱い性がベストとはいえず、商品化のために使
用者の使い勝手を向上させることが望まれていた。
【0014】即ち、止めねじ119と基端部117bと
が緩んだり、把手118のボス部118aと引張軸11
7の基端部117bとが緩んでガタが発生する虞があっ
た。止めねじ119が緩む理由は、止めねじ119が当
接する引張軸117の端部が螺合部より細いので、接触
面積が小さく、さらに引張軸117の強度を上げるため
硬質な材料が使用されているので、この点も緩む一因と
なっている。
【0015】また、基端部117bの緩みは、測定後に
戻すときは逆回転するので、ねじ部が噛みこむ等により
回転が重くなる場合があり、この場合に緩む虞があっ
た。即ち、通常は座面の摩擦が緩み止めとして働くが、
特開平3−125941号の引抜き強度測定器では、座
面を玉軸受として殆ど摩擦がないように工夫してあるの
で、緩みに対する抵抗力としては寄与していないために
緩みやすかった。
【0016】ボス部118aの機能は回転を伝達する機
能と、引張力の反力を受ける機能とがある。ボス部11
8aは、スラスト玉軸受125と接する部分で反力を玉
軸受125に与えると同時に引張軸117に対して回転
力を与える。このため螺合せざるを得なかった。
【0017】また、特開平3−125941号の測定器
では、重いので使用者が測定に疲れてしまうと共に実質
的に任意の作業姿勢を取りにくかった。そこで、測定器
を小型化・軽量化することが要望されていた。
【0018】さらに、特開平3−125941号の測定
器の構造では、引張軸117を交換する際に、止めネジ
119の外側を外筒111で覆われ、溝118bにねじ
120を差し込んで保持をしているので、ねじ部材11
6の大きさやネジ径が変わったときに、引張軸117を
交換する際に、先ず、ねじ120を取って外筒部材11
1を外し、止めねじ119をとって初めて交換が可能と
なる。止めねじ119のがたつきが生じた場合にもねじ
120を外す必要があった。したがって、使用者にとっ
てメンテナンス性や交換性が良くなかった。このため、
引張軸117の交換性が悪く、メンテナンス性を改善す
ることが要望されていた。
【0019】また、回動軸を人の手で動かす場合には、
大きなトルクをかけると不安定になって位置ずれ等を生
じて安定した測定が困難となるので、モータ駆動による
自動化が要望されていた。
【0020】そこで、本発明の第1の目的は、回動部材
と引張部材との結合部分において、反力を吸収しつつ、
回転力を伝達することができるとともに、結合部分の緩
みの発生を防止し、自動化を可能とした引張強度試験器
を提供することにある。
【0021】また、本発明の第2の目的は、引張部材の
交換を容易にしてメンテナンス性を大幅に向上させ、自
動化を可能とした引張強度試験器を提供することにあ
る。また、本発明の第3の目的は、小型化・軽量化を達
成できるとともに、自動化を達成できる引張強度試験器
を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の引張強度試験器は、ねじ部材を取り付けた
母材に該母材からねじ部材を引き抜く方向の引張力を加
え、該引張力から引抜き強度を試験する引抜き強度試験
器において、中空筒状の外筒手段と、該外筒手段の内部
に固定され、前記母材に当接するための当接部を先端に
有する中空部材と、該中空部材の内部に挿入されて、該
中空部材に基端部が回動自在に支持され、前記ねじ部材
に先端部が螺合して回動角に応じた引張力を前記ねじ部
材に与えるための引張手段と、前記外筒手段に対して前
記引張手段を回動するための回動手段と、前記回動手段
に備えられ、前記引張手段の基端部に位置した第1の連
結部と回転方向に係合し、且つ軸方向に挿抜自在な非回
転対称形状の嵌合部を有する第2の連結部と、前記回動
手段の基端側から前記引張手段を回動軸方向に挿抜自在
な前記回動手段の中空部と、前記回動手段の回動軸に対
して交差する方向で、前記回動手段を駆動するための駆
動手段とを有することを特徴としている。
【0023】また、請求項2の引張強度試験器は、請求
項1の引張強度試験器において、前記引張手段によって
発生する引張力を測定するための測定手段を有すること
を特徴としている。
【0024】また、請求項3の引張強度試験器は、ねじ
部材を取り付けた母材に該母材からねじ部材を引き抜く
方向の引張力を加え、該引張力から引抜き強度を測定す
る引張強度試験器において、外筒部材と、引張軸と、回
動部材と、中空部材と、モータユニットとを有し、 (a)前記外筒部材は、中空形状であり、そして、着座
部がその外筒部材の先端に保持されて前記母材と当接
し、 (b)前記引張軸は、螺合部と軸胴部と第1の連結部と
を有し、前記螺合部は前記引張軸の先端で、且つ前記着
座部近傍に位置して前記ねじ部材と螺合し、前記軸胴部
は、前記螺合部と前記連結部との間に配置され、前記第
1の連結部は前記軸胴部より大きく、且つ非回転対称形
状とし、 (c)前記回動部材は、前記外筒部材の中で回動自在に
保持され、そして、円筒部と第2の連結部とを有し、前
記円筒部は中空形状であり、前記第2の連結部は第1の
孔部と第2の孔部を有し、前記第1の孔部は、前記軸胴
部が挿入可能な孔から構成され、前記第2の孔部は、前
記孔よりも大きく且つ前記第1の連結部より若干大きな
略同一形状の嵌合孔から構成され、該嵌合孔は前記第1
の連結部と嵌合し、更に、前記第2の連結部は、前記第
2の孔部が前記円筒部の内部方向に向かって開放するよ
うに前記円筒部の端部に配置され、 (d)前記中空部材は、第1の取付部と、第2の取付部
と、中空胴部とを有し、前記第1の取付部は、前記外筒
部材の内面で且つ前記着座部方向で前記外筒部材に取り
付け、前記第2の取付部は、前記軸胴部の回動軸回りに
配置した軸受を介して前記第2の連結部に当接し、前記
中空胴部は、前記引張軸の軸回りに配置され、且つ前記
第1の取付部と前記第2の取付部との間に設けられ、 (e)前記モータユニットは、モータと、駆動シャフト
と、伝達ギアとを有し、前記駆動シャフトは、前記回動
部材の回動軸に対して交差する方向に配置され、前記伝
達ギアは、前記被伝達ギアと互いに歯合し、そして、前
記伝達ギアは前記モータの回動力を前記駆動シャフトを
経由して被伝達ギアに伝えることを特徴としている。
【0025】また、請求項4の引張強度試験器は、請求
項3に記載の引張強度試験器において、前記中空胴部に
変位センサが設けられ、該変位センサによって、中空胴
部の歪を測定することを特徴としている。
【0026】また、請求項5の引張強度試験器は、請求
項3に記載の引張強度試験器において、前記回動部材
は、前記外筒部材に対して回動軸方向に沿って少なくと
も2つの軸受を配置して回動自在に保持されており、前
記伝達ギア及び前記被伝達ギアがこの軸受間に配置され
ていることを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。 (1)(回転力をノブで与える引張強度試験器の実施形
態) 以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
なお、重複した繁雑な説明を避けるため、同一の構成、
同様な構成は、共通の符号をもって示し、その説明を割
愛する。
【0028】図1は、本発明の第1実施形態に係わる引
張強度試験器を示す正面断面図であり、回転力をノブで
与える方式である。図1に示すように、第1実施形態に
係わる引張強度試験器1は、ノブである把手2と、把手
2に止めねじ14で固定される中空の駆動軸である回動
軸3と、回動軸3をラジアル軸受である単列深溝玉軸受
4を介して回動自在に保持する外筒部材5と、外筒部材
5の下端部で外筒部材5と同軸に小ねじ16を介して固
定された圧縮型の荷重変換器6と、荷重変換器6の下端
部に外筒部材5と同軸に着脱自在に螺着された着座アタ
ッチメント7と、回動軸3の下端に小ねじ16を介して
固定された六角穴駆動板8と、六角穴駆動板8の六角穴
8aに六角頭部9aが嵌合された引張軸9と、引張軸9
を台座10を介して荷重変換器6上に回動自在に保持す
るスラスト軸受であるスラスト針状コロ軸受11と、把
手2の中心穴2aに螺合され、回動軸3の中心穴3aに
挿通されて引張軸9の六角頭部9aに当接する止め栓1
2と、荷重変換器6からの電気信号を取り出すリセプタ
クルコネクタ15と、リセプタクルコネクタ15の電極
に接続される電装部25(図2参照)とを備えている。
【0029】この引張強度試験器1で測定される被測定
物は、本実施形態では、例えば鋼板19に溶接されたね
じ部材17である溶接ナットである。この被測定物17
の引抜き強度が引張強度試験器1によって測定される。
【0030】前記着座アタッチメント7は、軸方向に内
径Dの凹部7a及び凹部7aに連通して引張軸9が遊挿
される孔7bが形成されている。凹部7aの内径Dはね
じ部材17の最大外径dよりも大きく設定され、引張強
度試験器1が被測定物の引抜き強度を測定するときに
は、着座アタッチメント7の着座面7cがねじ部材17
の外周辺で鋼板19の上面に当接するように構成されて
いる。すなわち、着座アタッチメント7は、測定時に、
引張強度試験器1を鋼板19の上面に着座し、鋼板19
を支持する着座部としての機能を有する。なお、各種サ
イズの内径を有する着座アタッチメント7が準備されて
おり、さらに着座アタッチメント7が荷重変換器6に着
脱自在に設けられているので、容易にねじ部材17の最
大外径に対応した着座アタッチメント7に交換すること
が可能である。また、着座アタッチメント7が荷重変換
器6に螺着されているので、着座アタッチメント7を回
転することにより、荷重変換器6からの突出高さを任意
に調節することができる。
【0031】着座アタッチメント7の孔7bには、先端
部にねじ部9cを有する軸部9bと軸部9bの基端に設
けられた軸部9bより太径の六角頭部9aとを有する引
張軸19が着座アタッチメント7と同軸に遊挿されてい
る。引張軸9の軸部9bは着座アタッチメント7を貫通
して先端部のねじ部9cが被測定物のねじ部材17に螺
合し、基端部の六角頭部9aは六角穴駆動板8の六角穴
8aに嵌合されている。そして、六角穴駆動板8に伝達
された回動力が引張軸9に伝達される。
【0032】前記六角穴駆動板8が固定される回動軸3
は、上述したように、上下の単列深溝玉軸受4を介して
回動自在に保持され、上側の前記玉軸受4上には異物の
混入を防止するシールリング13が配設されている。こ
の回動軸3の中心穴3aは、引張軸9の六角頭部9aの
最大外径より大きな直径を有し、この中心穴3aから引
張軸9aが挿抜自在に構成されている。
【0033】前記回動軸3は、把手2に止めねじ14で
固定されているので、把手2が回動されたとき、把手2
の回動力が回動軸3に伝達される。そして、回動軸3の
回動力が六角穴駆動板8に伝達され、六角穴駆動板8の
回動力が引張軸9に伝達される。これにより、引張軸9
は、引張軸9の頭部9a、台座10、コロ軸受11、荷
重変換器6、着座アタッチメント7を介して鋼板19に
反力を加えつつ回動角に応じた引張り力を溶接ナット1
7に加える。
【0034】前記引張軸9は、着座アタッチメント7と
同様に、先端部のねじ部9cに各種サイズのねじ径の雄
ねじが形成されたものが準備されており、また、止め栓
12を把手2から外すことにより回動軸3の中心穴3a
から引張軸9を抜くことができるので、容易にねじ部材
17のねじ径に合致した引張軸9に交換することが可能
である。
【0035】前記荷重変換器6の上面のスラスト軸受1
1をコロ軸受としたことにより、大荷重がかかっても耐
久性に優れる。大荷重がかからない場合には玉軸受を用
いても良い。また、テーパーローラーベアリングを用い
ることもできる。
【0036】前記スラスト軸受11と引張軸9の頭部9
aの下面との間に所定厚の厚肉の台座10を配置したこ
とにより、引張軸9の頭部9aの径がスラスト軸受11
の最大外径より小さい場合に、頭部9aとスラスト軸受
11との接触面積が小さくても、スラスト軸受11に局
部荷重が作用するのを防止することができる。すなわ
ち、厚さの厚い台座10を介在させることにより、45
度の角度で応力伝搬するので、荷重がスラスト軸受11
に均等に作用する。したがって、厚肉の台座10を介在
させることにより、引張軸9の頭部9aを小さくでき、
小型化かつ軽量化することができる。
【0037】前記外筒部材5は、引張強度試験器1の本
体胴部を構成し、大人が片手で把持できる適当な太さで
中空筒状に形成されている。
【0038】前記外筒部材5の下端部には荷重変換器6
が固定されている。この荷重変換器6は、図中下端部に
形成された第1フランジ部6dで小ねじ16を介して外
筒部材5に螺合固着され、上端部に形成された第2フラ
ンジ部6aでスラスト軸受11および台座部10を介し
て引張軸9の六角頭部9aの下面に衝合している。これ
により、引張軸9に生じる引張力の反力を圧縮力として
受けるように構成されている。また、第1フランジ部6
dと第2フランジ部6aとの間には前記圧縮力を受けて
弾性変形する薄肉部としての受感部6bがこれらと一体
的に設けられており、受感部6bには前記圧縮力を受け
た際に受感部6bの歪みを測定する測定手段としての歪
ゲージ6cが周回りに等間隔で4箇所装着され、図2の
ようなブリッジ回路により電気信号に変換して荷重を計
測する。なお、本実施形態では、受感部6bを薄肉部と
して感度を感度を高めると共に歪ゲージ6cの配置スペ
ースを確保している。
【0039】前記受感部6bは、第1フランジ部6d、
第2フランジ部6aおよび受感部6bが一体の筒状体と
して外筒部材5に螺合固着されることで、外筒部材5の
一部として第1フランジ部6dと第2フランジ部6aと
の間に設けられた薄肉部を構成している。また、歪ゲー
ジ6cは、荷重変換器6の受感部6bに設けられてその
スラスト方向の歪み(変形)量から引張軸9に作用する
引張り力を測定する。
【0040】前記リセプタクルコネクタ15は本実施形
態では、歪センサ6cの近くに配置したので、測定器内
の配線を短くすることができる。図2はこの測定のため
の電装部のブロックダイヤグラムである。受感部6bが
圧縮されて弾性変形するとき、歪ゲージ6cによって受
感部6bの歪率に比例した電気信号を出力するようにな
っており、歪ゲージ6cの出力信号は中間端子、シール
ド構造の配線を介して電装部25に入力される。電装部
25はマイクロコンピュータ、増幅部15b、ピークホ
ールド回路15c等からなる制御部15a、A/D変換
部15d及びデジタル表示部15eを備え、歪ゲージ6
cから出力された電気信号を増幅し、デジタル変換して
これをピークホールドし、常時ピーク値をデジタル表示
部15eに表示するようになっている。
【0041】次に、上記実施形態の作用を説明する。先
ず、予め測定対象となるねじ部材17に適合するねじ径
を有する引張軸9を引張強度試験器1に取り付けてお
く。この取り付けに際しては、先ず止め栓12を把手2
から外し、次に回動軸3の中心穴3a内に引張軸9を先
端側から挿入し、次に基端側の六角頭部9aを六角穴駆
動板8の六角穴8aに嵌合させ、次に止め栓12を把手
2に螺合させて止め栓12の先端部を引張軸9の六角頭
部9aに当接させる。これにより、引張軸9の軸方向の
移動を防止することができる。
【0042】そして、測定時には、引張強度試験器1の
着座アタッチメント7の着座面を被測定物の鋼板19の
上面に当接し、次いで把手2を回転して引張軸9の先端
部をねじ部材17に螺合する。把手2をさらに回転して
引張軸9の回転角が、着座アタッチメント7が鋼板19
に当接したときの回転角から次第に大きくなると、先端
部とねじ部材17との間のねじ作用によって回転角に比
例した、ねじ部材17を引き抜く方向の引張力がねじ部
材17に加わる。このとき、荷重変換器6には予めねじ
部材17の最大外径よりも大きい内径を有する着座アタ
ッチメント7が取り付けられ、さらに引張軸9が着座ア
タッチメント7と同軸であるため、着座アタッチメント
7の着座面が自動的にねじ部材17の外周辺で鋼板19
に密着し、荷重変換器6、スラスト軸受11、台座1
0、引張軸9の頭部9aを介して引張軸9の反力を支持
する。そして、引張軸9に生じる引張力の反力は、上述
の部材の逆の順序で荷重変換器6の第2フランジ部6d
に伝達され、受感部6bにはねじ部材17の引張力と等
しい逆向きの圧縮力が加えられる。なお、このときスラ
スト軸受11は把手2の回転負荷の軽減用として作用す
る。
【0043】上述の引張軸9に生じる引張力によって荷
重変換器6の受感部6bが軸方向に圧縮変形し、これに
伴って、歪ゲージ6cによりねじ部材17の引張力に比
例した電気信号が中間端子及び配線を介して電装部25
(図2参照)に出力され、その電気信号は電装部25の
増幅部15bで増幅され、さらにデジタル値に変換され
て表示部15eで直読可能に表示され、ねじ部材17を
引き抜く方向の引張力を測定することができる。
【0044】把手2をさらに回転し続けると、遂には引
張力が鋼板19とねじ部材17との結合力よりも大きく
なり、ねじ部材17は鋼板19から抜け始める。このと
き、引張力Pは最大値(抜去力)となり、ピークホール
ド機能を有する電装部25の表示部15eによって読み
取ることができる。すなわち、作業現場で直ちに被測定
物の引抜き強度を測定することができる。なお、引張軸
9の先端部のねじ部9cと被測定物のねじ部材17のね
じ部に油性あるいは液状テフロンなどの潤滑膜を形成す
ることにより、把手の小さな回動力で大きな引張力Pを
発生することが可能であり、繰り返し使用される引張軸
9の寿命を長くすることもできる。
【0045】このように、本実施形態においては、着座
アタッチメント7の着座面を鋼板19の上面にねじ部材
17の周辺で当接して引張強度試験器1を支持するとと
もに引張軸9の先端部をねじ部材17に螺合し、把手2
を回転してねじ部材17に引張力Pを加え、引張軸9の
六角頭部9aと着座アタッチメント7との間に設けられ
た荷重変換器6の受感部6bを軸方向に圧縮変形して歪
ゲージ6cおよび電装部25によってねじ部材17の最
大引張力、すなわち引抜き強度を測定する。
【0046】また、着座アタッチメント7および引張軸
9を引張強度試験器1に着脱交換して把手2を交換する
ことなくねじ部材17の形状、寸法に対応することがで
き、引張強度試験器1が小型化されて持ち運びが自由に
なり、鋼板19からねじ部材17の部分を切り出す必要
もないので、作業現場で容易に被測定物の引き抜く強度
を測定することができる。
【0047】さらに、本実施形態では、受感部6bを薄
肉の弾性変形部位としてその変形の量を歪ゲージ6cで
測定しているので、構成が簡素でしかも非常に小型の測
定器を実現することができる。しかも、荷重変換器6か
ら電装部25への配線をシールド構造にしつつ更に外筒
部材5内に設けているので、耐ノイズ性の向上と作業中
の断線防止を図ることができ、測定結果の信頼性を大幅
に向上させるとともに、測定器の操作性をも極めて良好
なものにすることができる。
【0048】図23は本発明の荷重変換器6の変形例を
示す図である。同図において、141は筒状に形成され
た引張り型の荷重変換器であり、荷重変換器141は薄
肉部としての中間部142と、中間部142のスラスト
方向の歪(変形)を測定する歪ゲージ126とを有して
いる。荷重変換器141の一端は、中間部142に一体
に形成された第1フランジ部143を介してねじ144
によって本体胴部111の上部に固着されている。そし
て、第1フランジ部143には、本体胴部111の内周
111aにスムーズに嵌合することができるよう本体胴
部111と同軸に形成された段差部143aが設けら
れ、第1フランジ部143が本体胴部111に固着され
ると自動的に荷重変換器141が引張軸117と同軸に
位置決めされる。荷重変換器141の他端には笠状の第
2フランジ部145から中間部142と一体で設けら
れ、第2フランジ部145の上面には伝導軸146の下
端が当接している。伝導軸146は中空筒状に形成さ
れ、荷重変換器141に同軸に嵌挿されて内周に引張軸
117がスムーズに貫通する。なお、本実施例では、伝
導軸146の下端が第2フランジ部145の上面に当接
するように構成されているが、図24に示すように、伝
導軸146の下端が荷重変換器141の第2フランジ部
145に螺着されるように構成することもでき、いずれ
にしても伝導軸146が荷重変換器141と同軸になる
ように設けられる構成のものであれば差し支えない。一
方、伝導軸146の上端にはフランジ部146aが形成
され、フランジ部146aと荷重変換器141の第1フ
ランジ部143の間に所定寸法の間隙が設けられるよう
に、伝導軸146の筒状部146bの高さが荷重変換器
141の内寸の深さよりも大きく設定されている。さら
に、第1フランジ部143に回り止めピン等を植設し、
該ピンを伝導軸146のフランジ部146aに係合して
引張軸117との連れ回りを防止することもできる。な
お、147は伝導軸146のフランジ部146aと把手
118の間に介装されたスラスト軸受であり、伝導軸1
46およびスラスト軸受147は図示しない止め輪等に
より本体胴部111から脱落しないように、さらにスラ
スト軸受147が円滑に回転できるように位置決めされ
て本体胴部111に固定されている。すなわち、荷重変
換器141の第1フランジ部143、中間部142およ
び第2フランジ部145は一体として本体胴部111に
固着されており、中間部142は本体胴部111の一部
としての薄肉部(外筒部材の薄肉部)となっている。
【0049】このような構成によれば、着座アタッチメ
ント113の着座面113bを母材115のボス部11
5aのねじ部材116周辺に当接し、把手118を回転
すると、引張軸117が回転されて先端部117aがね
じ部材116に螺合すると、ねじ部材116には図中上
方向、すなわちねじ部材116を母材115から引抜く
方向の引張力Pが加わる。引張軸117に生じる引張力
Pの反力は引張軸117、スラスト軸受147および伝
導軸146を介して荷重変換器141の第2フランジ部
145に伝達され、第1フランジ部143が本体胴部1
11に固着されているので、中間部142にねじ部材1
16の引張力Pと等しい引張力が作用する。したがっ
て、引張軸117が回転され、回転角θの応じた引張力
Pがねじ部材116に与えられると、引張力Pと等しい
引張力を受けて荷重変換器141の中間部142が軸方
向に変形する。そして、中間部142の外周には貼着さ
れた複数の歪ゲージ126が引張力を受けて変形し、引
張力Pに比例した電気信号を電装部130に出力する。
その他の構成・作用については上述の実施例と同様であ
り、本実施例においても同様の効果が得られる。
【0050】また、図1の引張強度試験器1では、回動
軸3の中空部3aに止め栓12が挿入され、把手2にね
じ止めされて、引張軸9が上方向に抜けるのを防いでい
る。また、引張り剥離力をスラスト軸受11を介して支
える荷重変換器6の残る端部には、被測定部材(例え
ば、溶接ナット)の最大外径より大きな内径の着座アタ
ッチメント7を螺合している。このため、ねじ部材17
であるナットの呼び径に応じて着座アタッチメント7を
簡単に交換できる。回動軸3は、外筒部材5と同軸に単
列深溝玉軸受4により回動自在に軸方向には動かないよ
うに支えられている。
【0051】上記第1実施形態の引張強度試験器におい
ては、鉄板などの金属母材やABSなどのプラスチック
母材に溶接あるいはカシメ、圧入、一体成形により、結
合されたナットやボルトに螺合してねじの原理による引
張力(軸力)を同ナットやボルトに与えるねじ部9cを
先端部に備え、基端部に、回転駆動力を受けると共に、
引張力(軸力)の反力を、スラスト軸受11を介して受
ける頭部9aを有する引張軸9を、前記回転力の回転中
心に回動自在に備えると共に、引張軸9の回転力受荷部
分に嵌合して引張軸9に回転力を与える、引張軸9の頭
部9aの最大外径より大きな内径の中空の回動軸3を回
動自在に引張軸9と同軸に備えているので、引張軸9が
緩むことがなく、被測定物の呼び径の変更や、引張軸9
の摩耗、折損等による引張軸の着脱交換を、迅速に行う
ことができる。
【0052】図3は、第2の実施形態の引張強度試験器
を示す軸を含む平面で切断した斜視図である。この第2
の実施形態の引張強度試験器21が、第1の実施形態の
引張強度試験器1と異なる点は、リセプタクルコネクタ
15の位置が把手の近くに設けられていることである。
このようにリセプタクルコネクタ15の位置が把手の近
くに設けられている場合には、ねじ部材17が穴の奥等
の狭い空間内に配置されている場合であっても、挿入す
る際に、リセプタクルコネクタ15が邪魔にならないの
で、外筒部材5の径に近い径の部分まで測定することが
できる。
【0053】図1の引張強度試験器1では、中心に引張
軸9の六角頭9aと嵌合する六角穴8aを設けた六角穴
駆動板8を回動軸3の先端にねじ16で固定している
が、これは、回動軸3の先端に底部を一体に加工し底部
の中心に駆動穴(この場合、六角穴)を設けても良い。
駆動穴は六角に限らず、回転力を与えられれば、どんな
形状でもよい。
【0054】図4は、第3の実施形態の引張強度試験器
を示す図であり、(A)は軸を含む平面で切断した斜視
図、(B)は要部拡大斜視図、(C)は変形例の斜視図
である。図5は、第4の実施形態を示す図であり、
(A)は軸を含む平面で切断した斜視図、(B)は引張
軸の拡大斜視図である。
【0055】例えば、図4に示すように、引張軸39
が、六角穴39dを頭部39aに有し、軸部先端にねじ
部39cを有する六角穴付ボルトであれば、回動軸33
の先端に前記六角穴付ボルト39の六角穴39dと嵌合
する凸部38aを有する六角棒38を回転中心上に設け
れば良い。この場合、穴形状が六角に限定されないのは
前記と同様である。例えば、図4(C)に示すように頭
部49aの溝部49dと溝部49dに係合する回転軸3
3側の凸部(不図示)との組み合わせでもよい。また、
図5に示すように、引張軸49の頭部49aを切り欠き
円として、この切り欠き円に嵌合する凹部を駆動板48
に設けてもよい。これらの効果として、引張軸49の緩
みがなくかつ交換が容易であり、引張軸49に容易に回
転力を与えられる。
【0056】図6は、第5の実施形態の引張強度試験器
を示す軸を含む平面で切断した斜視図である。この第5
の実施形態の引張強度試験器51では、外筒部材5を把
持する代わりに外筒部材5に径方向に突出するグリップ
部51aを設けて、このグリップ部51a内に配線を通
し、グリップ部51aの端部にリセプタクルコネクタ1
5を設けたので、図1、3〜5の実施形態の引張強度試
験器と比べて、操作しやすく、より大きな荷重をかける
ことができる。
【0057】図7〜9は、第6の実施形態の引張強度試
験器を示す図であり、図7は正面断面図であり、図8は
ラチェットハンドルを外した状態の軸を含む平面で切断
した斜視図、図9はラチェットハンドルを装着した状態
の軸を含む平面で切断した斜視図である。
【0058】第6の実施形態の引張強度試験器61にお
いても、図1のノブ式の引張強度試験器同様、引張軸9
をスラスト軸受4を介して支える部材に歪ゲージ6cを
貼り付け、引張力の反力として圧縮力を検出し電圧とし
て出力しているが、引張軸9の頭部の弾性変形量を変位
計等で検出し出力してもよい。
【0059】第6の実施形態の引張強度試験器の場合、
図1の引張強度試験器と同様に、回転駆動力を与える中
空の回動軸63の先端は、引張軸9の頭部9aと嵌合し
て回転力を与えるように、六角穴となっており、引張軸
9の頭部は六角頭となっている。回動軸63の中空部
は、引張軸9が自由に通れる大きさとなっている。
【0060】図7の引張強度試験器では、図1の引張強
度試験器と同様に、中心に引張軸9の六角頭9aと嵌合
する六角穴を設けた駆動板8を回動軸9の先端にねじで
固定しているが、これは、回動軸63の先端に底部を一
体に加工し底部の中心に駆動穴(この場合、六角穴)を
設けても良い。駆動穴は六角に限らず、回転力を与えら
れれば、どんな形状でもよい。例えば、引張軸9が、六
角穴付ボルトであれば、回動軸63の先端に前記六角穴
付ボルトの六角穴と嵌合する六角棒を回転中心上に設け
れば良い。この場合、穴形状が六角に限定されないのは
前記と同様である。これらの効果として、引張軸のゆる
みがなくかつ交換が容易であり、引張軸に容易に回転力
を与えられる。
【0061】また、図7の引張強度試験器では、図1の
引張強度試験器と同様に、回動軸63の中空部に止め栓
12がねじ止めされて、引張軸9が抜け落ちるのを防い
でいる。また、引張り剥離力をスラスト軸受11を介し
て支える部材6の残る端部には、被測定部材(例えば、
溶接ナット)の最大外径より大きな内径のスリーブを有
する着座アタッチメント7を螺合している。このため、
ナットの呼び径に応じてスリーブを簡単に交換できる。
回動軸9は、図1の引張強度試験器1と同様に、本体に
同軸に単列深溝玉軸受により回動自在に軸方向には動か
ないように支えられている。
【0062】図7の引き抜き強度測定器では、ラチェッ
トハンドル51aと嵌合する回動軸63の基端は六角形
状になっているが、ラチェットハンドル51aと嵌合し
て、回転力を与えられれば良く、ラチェットハンドル5
1aの回転中心にワンウェイベアリングを設けた場合
は、このワンウェイベアリングと嵌合する円形でもよ
い。
【0063】図7の引張強度試験器61の場合、大きな
回転力を与えられるように、本体をハンドル51aで支
え、回転力をラチェットハンドル61aで与えるように
なっているので、1〜2トンの引張り剥離力を簡単に発
生することができる。
【0064】本発明は、樹脂のインサートナットや、プ
レスカシメナット、溶接ナットの引抜力を検出する際に
も使用することができる。応用分野としては、ギアやス
プロケットに圧入された軸受の抜去力測定にも使用する
ことができる。。
【0065】引張軸をスラスト軸受を介して支える部材
に歪ゲージを貼り付け、引張力の反力として圧縮力を検
出し電圧として出力しているが、図10に示すように、
引張軸の頭部の弾性変形量を変位計等で検出し出力して
もよい。この変位計としては、例えば、渦電流変位セン
サを用いることが出来る。渦電流変位センサの原理は、
高周波時間内に鉄などの金属を置くと電磁誘導により、
その金属表面に磁界と距離に応じて渦電流が発生し、そ
の渦電流は、それ自身を生起させた磁界と逆方向の磁界
を発生(レンツの法則)するので、鉄などの金属が高周
波磁界内に近ずくと、結果として、その磁界の強さを、
減じてしまう作用がある。そこで鉄などの金属が、セン
サ(高周波発生コイル)に近ずくことにより、もとの磁
界が、相殺されて、弱くなる程度を計測することによ
り、金属とセンサとの距離を知ることが出来る。
【0066】(2)(モータ駆動に関する実施形態) 以下、本発明のモータ駆動に関する実施の形態を図面を
参照して説明する。なお、以下の第2〜第4実施形態で
は第1実施形態と異なる部分のみ説明し、他の部分は第
1実施形態と同様である。
【0067】図11は、本発明の第1実施形態に係わる
引張強度試験器を示す正面断面図、図12は同側面図で
あり、回動部材である回動軸の回動力を把手部内の駆動
手段で与えるように構成した。
【0068】図11,図12に示すように、第1実施形
態に係わる引張強度試験器1は、カバー部材5の胴部5
aの側方に突出するグリップ部である把手部2と、把手
部2内に収納されている駆動手段であるモータ20と、
モータ20に備えられ、先端部にウォームを有する駆動
軸と、ウォーム歯車を外周に有する回動軸3と、回動軸
3をラジアル軸受である単列深溝玉軸受4を介して回動
自在に保持するカバー部材5と、カバー部材5の胴部5
a(外筒部材)の下部に胴部5aと同軸に固定された圧
縮型の荷重変換器6と、荷重変換器6の下端部に荷重変
換器と同軸に着脱自在に螺着された着座アタッチメント
7と、回動軸3の下端に小ねじ16を介して固定された
六角穴付駆動板8と、六角穴付駆動板8の六角穴8aに
六角頭部9aが嵌合された引張軸9と、引張軸9を台座
10を介して荷重変換器6上に回動自在に保持するスラ
スト軸受であるスラスト針状コロ軸受11と、回動軸3
の中心穴3aに挿通されて引張軸9の六角頭部9aに当
接する止め栓12と、止め栓12に当接する押さえ蓋
と、モータ20への電力供給や荷重変換器6からの電気
信号を取り出すためのリセプタクルコネクタ15と、リ
セプタクルコネクタ15の電極に接続される電装部25
(図13参照)とを備えている。
【0069】また図20(a),(b)に示すように、
把手2はその軸直角方向に回動させることにより放射外
方に突出可能なハンドル部材118cを有しており、必
要に応じてハンドル部材118cをピン118dの周り
に回動させ、操作トルクを十分に確保できるようになっ
ている。この把手2のハンドル部材118cは、図21
に示すようなもの、あるいは把手2に放射外方へ出没可
能に収納された軸部材等であってもよい。
【0070】前記カバー部材の胴部近傍には駆動手段の
オン/オフスイッチが取り付けられている。このように
オン/オフスイッチを胴部近傍に配置したので、スイッ
チを押す力が重心近傍に作用するので、スイッチを押す
力により引張強度試験器が移動するのを防止することが
できる。
【0071】前記軸受は、回転軸方向に所定距離離間し
て設けられ、これらの軸受間に駆動力伝達手段のウォー
ム歯車が配置され、スラスト荷重の発生を抑制するよう
に構成されている。また、引張強度試験器の重心は、軸
受間に位置するように構成されている。
【0072】このように軸受間にウォーム歯車を配置し
たので、回同軸の回転によるぶれを防止することがで
き、スラスト荷重の発生を抑制することができる。ま
た、試験器の重心を軸受間に配置することが望ましい。
【0073】この引張強度試験器1で測定される被測定
物は、本実施形態では、例えば鋼板19に溶接18され
たねじ部材17である溶接ナットである。この被測定物
17の引張強度が引張強度試験器1によって測定され
る。
【0074】前記着座アタッチメント7は、軸方向に貫
通して引張軸9が遊挿される孔7aが形成されている。
孔7aの内径Dはねじ部材17の最大外径dよりも大き
く設定され、引張強度試験器1が被測定物の引張強度を
測定するときには、着座アタッチメント7の着座面7c
がねじ部材17の外周辺で鋼板19の上面に当接するよ
うに構成されている。すなわち、着座アタッチメント7
は、測定時に、引張強度試験器1を鋼板19の上面に着
座し、鋼板19を支持する着座部としての機能を有す
る。なお、各種サイズの内径を有する着座アタッチメン
ト7が準備されており、さらに着座アタッチメント7が
荷重変換器6に着脱自在に設けられているので、容易に
ねじ部材17の最大外径に対応した着座アタッチメント
7に交換することが可能である。また、着座アタッチメ
ント7が荷重変換器6に螺着されているので、着座アタ
ッチメント7を回転することにより、荷重変換器6から
の突出高さを任意に調節することができる。
【0075】着座アタッチメント7の孔7aには、先端
部にねじ部9cを有する軸部9bと軸部9bの基端に設
けられた軸部9bより太径の六角頭部9aとを有する引
張軸9が着座アタッチメント7と同軸に遊挿されてい
る。引張軸9の軸部9bは着座アタッチメント7を貫通
して先端部のねじ部9cが被測定物のねじ部材17に螺
合し、基端部の六角頭部9aは六角穴付駆動板8の六角
穴8aに嵌合されている。そして、六角穴付駆動板8に
伝達された回動力が引張軸9に伝達される。
【0076】前記六角穴付駆動板8が固定される回動軸
3の中心穴3aは、引張軸9の六角頭部9aの最大外径
より大きな直径を有し、この中心穴3aから引張軸9a
が挿抜自在に構成されている。
【0077】前記回動軸3は、モータ20の駆動により
駆動軸14、ウォーム14a、ウオーム歯車3bが回動
されたとき、回動力が伝達される。そして、回動軸3の
回動力が六角穴付駆動板8に伝達され、六角穴付駆動板
8の回動力が引張軸9に伝達される。これにより、引張
軸9は、引張軸9の頭部9a、台座10、コロ軸受1
1、荷重変換器6、着座アタッチメント7を介して鋼板
19に反力を加えつつ回動角に応じた引張り力を溶接ナ
ット17に加える。
【0078】このように駆動力伝達手段としてウォーム
歯車装置を用いたので、被測定部材に数トンクラスの加
重をかけることができ、モータ20の小型化も達成する
ことができる。
【0079】前記引張軸9は、着座アタッチメント7と
同様に、先端部のねじ部9cに各種サイズのねじ径の雄
ねじが形成されたものが準備されており、また、止め栓
12をノブ13aから外すことにより回動軸3の中心穴
3aから引張軸9を抜くことができるので、容易にねじ
部材17のねじ径に合致した引張軸9に交換することが
可能である。
【0080】前記荷重変換器6の上面のスラスト軸受1
1をコロ軸受としたことにより、大荷重がかかっても耐
久性に優れる。大荷重がかからない場合には玉軸受を用
いても良い。また、テーパーローラーベアリングを用い
ることもできる。
【0081】前記スラスト軸受11と引張軸9の頭部9
aの下面との間に所定厚の厚肉の台座10を配置したこ
とにより、引張軸9の頭部9aの径がスラスト軸受11
の最大外径より小さい場合に、頭部9aとスラスト軸受
11との接触面積が小さくても、スラスト軸受11に局
部荷重が作用するのを防止することができる。すなわ
ち、厚さの厚い台座10を介在させることにより、45
度の角度で応力伝搬するので、荷重がスラスト軸受11
に均等に作用する。したがって、厚肉の台座10を介在
させることにより、引張軸9の頭部9aを小さくでき、
小型化かつ軽量化することができる。
【0082】前記カバー部材5は、引張強度試験器1の
本体胴部と本体胴部の側方に突出する把手部とから構成
されている。
【0083】荷重変換器6は、図中下端部に形成された
第1フランジ部6dでカバー部材5に固着され、上端部
に形成された第2フランジ部6aでスラスト軸受11お
よび台座部10を介して引張軸9の六角頭部9aの下面
に衝合している。これにより、引張軸9に生じる引張力
の反力を圧縮力として受けるように構成されている。ま
た、第1フランジ部6dと第2フランジ部6aとの間に
は前記圧縮力を受けて弾性変形する薄肉部としての受感
部6bがこれらと一体的に設けられており、受感部6b
には前記圧縮力を受けた際に受感部6bの歪みを測定す
る測定手段としての歪ゲージ6cが周回りに等間隔で、
例えば4箇所装着され、ブリッジ回路により電気信号に
変換して荷重を計測する。なお、本実施形態では、受感
部6bを薄肉部として感度を高めると共に歪ゲージ6c
の配置スペースを確保している。
【0084】前記受感部6bは、第1フランジ部6d、
第2フランジ部6aおよび受感部6bが一体の筒状体と
してカバー部材5の下端部に固着されることで、カバー
部材5の一部として第1フランジ部6dと第2フランジ
部6aとの間に設けられた薄肉部を構成している。ま
た、歪ゲージ6cは、荷重変換器6の受感部6bに設け
られてそのスラスト方向の歪み(変形)量から引張軸9
に作用する引張り力を測定する。
【0085】図13はこの測定のための電装部のブロッ
クダイヤグラムである。電装部25は、増幅器25a
と、A/D変換部25bと、制御手段26と、表示手段
20と、スイッチ手段21とを備えている。
【0086】前記制御手段26は、図14に示すよう
に、記憶手段26aと、比較手段26bと、カウント手
段26cと、逆回転時間決定手段26dと、制御信号発
生手段26eと、モード切換手段26fとを備え、マイ
クロコンピュータを用いて構成することができる。前記
記憶手段26aは、引張力設定値および引張力測定値の
何れか一方又は両方を記憶することができる。
【0087】前記比較手段26bは、測定手段6cによ
って測定された測定値と記憶手段26aに記憶された設
定値とを比較することができる。また、比較手段26b
は、記憶手段26aに記憶されている測定値とその後に
測定手段6cによって測定された測定値とを比較する。
【0088】前記カウント手段26cは、スイッチ21
のオンからモータ20の停止までの回転数に基づく回転
時間をカウントすることができる。前記逆回転時間決定
手段26dは、カウント手段26cによってカウントさ
れた回転数に基づく回転時間からモータ20の逆回転時
間を決定することができる。
【0089】前記制御信号発生手段26eは、歪ゲージ
6cに測定開始信号を送出するとともに、モータ20に
回転駆動信号を送出することができる。前記モード切換
手段26fは、破断値計測モード(後述するステップS
5〜7によるモード)と、強度値計測モード(後述する
ステップS8〜11によるモード)と、ピーク値計測モ
ード(後述するステップS12〜17によるモード)と
を切り換えることができる。
【0090】図15は、制御プログラムをフローチャー
トをもって示すものである。プログラムが実行される
と、ステップS1では、モータ20をスタートしてステ
ップS2の所定の時間が経過するまで低速回転し、所定
の時間が経過したらステップS3に進む。ステップS3
では、カウント手段26cを作動させ、ステップS4に
進む。ステップS4では、モータ20の回転スピードを
アップして高速回転し、ステップS5に進む。
【0091】ステップS5では、歪ゲージ6cから出力
される、ねじ部材の引張力に比例した電気信号に基づい
て引張力を測定し、ステップS6に進む。ステップS6
では、歪ゲージ6cから出力される電気信号の急激な変
動に基づいて破断したかどうかを判定し、破断した場合
にはステップS7に進み、破断しない場合にはステップ
S8に進む。ステップS7では、測定値を破断値として
表示手段25cに表示し、ステップS18に進む。ステ
ップS8では、歪ゲージ6cから出力される、ねじ部材
の引張力に比例した電気信号に基づいて引張力を測定
し、ステップS9に進む。ステップS9では、引張力の
測定値を記憶手段に記憶し、ステップS10に進む。
【0092】ステップS10では、ステップS9で記憶
されている測定値と引張力設定値とを比較し、設定値の
方が大きい場合にはステップS11に進み、大きくない
場合にはステップS12に進む。ステップS11では、
測定値を強度値として表示手段25cに表示し、ステッ
プS18に進む。ステップS12では、歪ゲージ6cか
ら出力される、ねじ部材の引張力に比例した電気信号に
基づいて引張力を測定し、ステップS13に進む。ステ
ップS13では、ステップS12で測定された測定値を
記憶手段に記憶し、ステップS14に進む。ステップS
14では、歪ゲージ6cから出力される、ねじ部材の引
張力に比例した電気信号に基づいて引張力を測定し、ス
テップS15に進む。
【0093】ステップS15では、ステップS13で記
憶された記憶値(測定値)とステップS14で測定され
た測定値とを比較し、測定値の方が大きい場合にはステ
ップS16に進み、大きくない場合にはステップS17
に進む。ステップS16では、記憶手段に記憶されてい
るステップS12の測定値をステップS14の測定値に
更新して記憶し、ステップS14に戻って、再度引張力
を測定する。ステップS17では、記憶値をピーク値と
して表示手段25cに表示し、ステップS18に進む。
ステップS18では、モータ20を一時停止し、ステッ
プS19に進む。ステップS19では、ステップS3で
作動したカウント手段26cを停止し、ステップS20
に進む。
【0094】ステップS20では、カウント手段26c
によりカウントされた回転数に応じた時間だけモータ2
0を逆回転し、ステップS21に進む。ステップS21
では、モータ20を停止する。
【0095】次に、上記実施形態の作用を説明する。先
ず、予め測定対象となるねじ部材17に適合するねじ径
を有する引張軸9を引張強度試験器1に取り付けてお
く。この取り付けに際しては、先ず押さえ蓋13をノブ
2から外し、次に止め栓12をノブ2の開口から抜き出
し、次に回動軸3の中心穴3a内に引張軸9を先端側か
ら挿入し、次に基端側の六角頭部9aを六角穴付駆動板
8の六角穴8aに嵌合させ、次に止め栓12をノブ13
aに螺合させて止め栓12の先端部を引張軸9の六角頭
部9aに当接させる。これにより、引張軸9の軸方向の
移動を防止することができる。
【0096】そして、測定時には、引張強度試験器1の
着座アタッチメント7の着座面を被測定物の鋼板19の
上面に当接し、次いでモータ20を低速回転してウォー
ム14aからウォーム歯車3bに回転力を伝達し、この
回転力を回動軸3、六角穴付駆動板8を介して引張軸に
伝達することにより引張軸9の先端部をねじ部材17に
螺合する。モータ20をさらに高速回転して引張軸9の
回転角が、着座アタッチメント7が鋼板19に当接した
ときの回転角から次第に大きくなると、先端部とねじ部
材17との間のねじ作用によって回転角に比例した、ね
じ部材17を引き抜く方向の引張力がねじ部材17に加
わる。このとき、荷重変換器6には予めねじ部材17の
最大外径よりも大きい内径を有する着座アタッチメント
7が取り付けられ、さらに引張軸9が着座アタッチメン
ト7と同軸であるため、着座アタッチメント7の着座面
が自動的にねじ部材17の外周辺で鋼板19に密着し、
荷重変換器6、スラスト軸受11、台座10、引張軸9
の頭部9aを介して引張軸9の反力を支持する。そし
て、引張軸9に生じる引張力の反力は、上述の部材の逆
の順序で荷重変換器6の第2フランジ部6dに伝達さ
れ、受感部6bにはねじ部材17の引張力と等しい逆向
きの圧縮力が加えられる。なお、このときスラスト軸受
11はモータ20の回転負荷の軽減用として作用する。
【0097】上述の引張軸9に生じる引張力によって荷
重変換器6の受感部6bが軸方向に圧縮変形し、これに
伴って、歪ゲージ6cによりねじ部材17の引張力に比
例した電気信号がリセプタクルコネクタ15を介して電
装部25(図13参照)に出力され、その電気信号は電
装部25の増幅部15bで増幅され、さらにディジタル
値に変換されて表示部15eで直読可能に表示され、ね
じ部材17を引き抜く方向の引張力を測定することがで
きる。
【0098】このように、本実施形態においては、着座
アタッチメント7の着座面を鋼板19の上面にねじ部材
17の周辺で当接して引張強度試験器1を支持するとと
もに引張軸9の先端部をねじ部材17に螺合し、モータ
20を回転してねじ部材17に引張力Pを加え、引張軸
9の六角頭部9aと着座アタッチメント7との間に設け
られた荷重変換器6の受感部6bを軸方向に圧縮変形し
て歪ゲージ6cおよび電装部25によってねじ部材17
の最大引張力、引張強度等を測定する。
【0099】また、着座アタッチメント7および引張軸
9を引張強度試験器1に着脱交換してねじ部材17の形
状、寸法に対応することができ、引張強度試験器1が小
型化されて持ち運びが自由になり、鋼板19からねじ部
材17の部分を切り出す必要もないので、作業現場で容
易に被測定物の引き抜く強度を測定することができる。
【0100】さらに、本実施形態では、受感部6bを薄
肉の弾性変形部位としてその変形の量を歪ゲージ6cで
測定しているので、構成が簡素でしかも非常に小型の試
験器を実現することができる。しかも、荷重変換器6か
ら電装部25への配線をシールド構造にしつつ更にカバ
ー部材5内に設けているので、耐ノイズ性の向上と作業
中の断線防止を図ることができ、測定結果の信頼性を大
幅に向上させるとともに、試験器の操作性をも極めて良
好なものにすることができる。
【0101】また、図11の引張強度試験器1では、回
動軸3の中空部3aに止め栓12が挿入されて、引張軸
9が上方向に抜けるのを防いでいる。また、引張り剥離
力をスラスト軸受11を介して支える荷重変換器6の残
る端部には、被測定部材(例えば、溶接ナット)の最大
外径より大きな内径の着座アタッチメント7を螺合して
いる。このため、ねじ部材17であるナットの呼び径に
応じて着座アタッチメント7を簡単に交換できる。
【0102】上記第1実施形態の引張強度試験器におい
ては、鉄板などの金属母材やABSなどのプラスチック
母材に溶接あるいはカシメ、圧入、一体成形により、結
合されたナットやボルトに螺合してねじの原理による引
張力(軸力)を同ナットやボルトに与えるねじ部9cを
先端部に備え、基端部に、回転駆動力を受けると共に、
引張力(軸力)の反力を、スラスト軸受11を介して受
ける頭部9aを有する引張軸9を、前記回転力の回転中
心に回動自在に備えると共に、引張軸9の回転力受荷部
分に嵌合して引張軸9に回転力を与える、引張軸9の頭
部9aの最大外径より大きな内径の中空の回動軸3を回
動自在に引張軸9と同軸に備えているので、引張軸9が
緩むことがなく、被測定物の呼び径の変更や、引張軸9
の摩耗、折損等による引張軸の着脱交換を、迅速に行う
ことができる。
【0103】また、ねじ部材17を取り付けた鋼板19
に鋼板からねじ部材17を引き抜く方向の引張力を加
え、引張力から引張強度を測定する引張強度試験器にお
いて、鋼板に当接する着座部7cを固定する中空の外筒
部である胴部5aと、胴部5aに回動自在に保持される
中空の回動軸3と、回動軸3から回動力が伝達されるよ
うに連結手段である六角穴付駆動板8を介して六角頭部
9aが連結され、頭部9aより細径の軸部9bの先端部
でねじ部材17に螺合して回動角に応じた引張力をねじ
部材17に与える引張軸9と、引張軸9に発生する引張
力を測定する測定手段である歪ゲージ6cと、胴部5a
の側面に突設する把手部2と、把手部2内に配置されて
いる駆動手段であるモータ20と、モータ20と回動軸
3との間に設けられている駆動力伝達手段(ウォーム1
4a、ウォーム歯車3b)とを備えているので、上方か
らの引張軸9の交換性を確保しながら、引張強度試験器
1を横持ちにより垂直に立てることができるため、モー
タ20による自動駆動でも安定させることができる。
【0104】また、駆動力伝達手段は、モータ20側の
ウォーム14aとウォーム14aに歯合する回動軸3側
のウォーム歯車3bとからなるウォーム歯車装置である
ので、小さなモータ20でも容易に大きなトルクを稼ぐ
ことが可能となり、モータ20の配設自由度が増加し、
引張強度試験器1の把手部2の内部にモータ20を収納
することが可能となる。
【0105】また、図16(A)に示すように、モータ
20の駆動軸14は、回動軸3の回転中心よりオフセッ
トされているので、把手部2も必然的にオフセットさ
れ、特に把手部2と平行な方向から見た場合における、
引張軸9の被測定部であるねじ部材17への位置合わせ
/セットへの視認性を向上させることができる。
【0106】また、モータ20、ウォーム14a、ウォ
ーム歯車3bおよび把手部2は、引張強度試験器1の重
心位置Gを通過する水平軸線上に設けられているので、
モータ20の駆動と引張軸9による回転に伴い、安定し
たホールド性を確保することができる。また、重心位置
Gの安定化を達成することができる。
【0107】また、回動軸3は軸方向に離間した複数の
軸受4により軸支されており、ウォーム14aおよびウ
ォーム歯車3bは、隣合う軸受4間に配置されているの
で、スラスト荷重の発生を抑制することができる。
【0108】また、図17(A),(B)に示すよう
に、駆動力伝達手段は、ベベルギア34a,23bであ
るので、モータ20、把手部2を簡易な構成で重心位置
を通過する水平軸線上に配置することができる。
【0109】また、モータ20のオン/オフスイッチ2
1を把手部2の胴部5a近傍に設けたので、オフセット
によって重心位置が回転中心からずれていても、重心位
置Gに近い箇所にスイッチ21を押す力が作用し、その
力の作用による引張強度試験器本体への影響を抑制する
ことができる。
【0110】また、図17(C)に示すように、駆動軸
14は、自在継手Uを介してウォーム14aに連結さ
れ、把手部2は、回動軸3の回転中心を通る水平線上に
配置されているので、把手部2を回転中心を通る水平線
上に設けたので、重心位置Gのずれを抑制でき、それに
よる引張強度試験器本体のぶれを防止できる。
【0111】また、図16(B)に示すように、外筒部
5aには、把手部2と異なる位置に第2の把手部2Bが
設けられているので、オフセットにより重心位置Gが変
動した場合、変動による引張強度試験器本体のぶれを抑
制するために、ホールド性を向上させることができる。
また、図16(A)に示すように、スイッチ21を回転
軸Kを挟んで把手部2とほぼ対向するように配置するこ
とによりスイッチ21を押す力により本体が位置ずれす
ることがない。
【0112】また、第2の把手部2Bは、モータ20を
内蔵した把手部2に対して点対称の形状であるので、オ
フセットによる重心位置Gの変動を防止することができ
る。
【0113】図11の引張強度試験器1では、中心に引
張軸9の六角頭9aと嵌合する六角穴8aを設けた六角
穴付駆動板8を回動軸3の先端にねじ16で固定してい
るが、これは、回動軸3の先端に底部を一体に加工し底
部の中心に駆動穴(この場合、六角穴)を設けても良
い。駆動穴は六角に限らず、回転力を与えられれば、ど
んな形状でもよい。
【0114】なお、モータによる駆動は以下に示す他の
実施例にも適用が可能であるため、この実施例について
詳細に説明する。
【0115】(3)(モータ駆動に関する他の実施形
態) 以下、本発明の実施例に基づいて具体的に説明する。図
38,19〜21は本発明の第1実施例を示す図であ
る。まず、構成を説明する。図38,19において、1
11は引抜き強度測定器112の本体胴部(外筒部材)
であり、本体胴部111は大人が片手で把持できる適切
な太さで中空筒状に形成され、図中下端部には引抜き強
度測定器12のほぼ中空円筒状の着座アタッチメント1
13が設けられている。114は、例えば射出成形によ
って成形された合成樹脂製板状の母材115および母材
115のボス部115aにインサート形成されたねじ部
材116からなる被測定物であり、被測定物114の引
抜き強度が引抜き強度測定器112によって測定され
る。なお、本実施例においては、ねじ部材116は埋め
込みナットである。
【0116】着座アタッチメント113は本体胴部11
1の下端部に着脱自在に螺着され、軸方向に内径Dの通
孔113aが形成されている。通孔113aの内径Dは
ねじ部材116の最大外径dよりも大きく設定され、引
抜き強度測定器112が被測定物114の引抜き強度を
測定するときには、着座アタッチメント113の着座面
113bがねじ部材116の外周辺でボス部115aの
上端面に当接するように構成されている。すなわち、着
座アタッチメント113は測定時に、引抜き強度測定器
112を母材115に着座し、母材115を支持する着
座部としての機能を有する。なお、各種サイズの内径を
有する着座アタッチメント113が準備されており、さ
らに着座アタッチメント113が本体胴部111に着脱
自在に設けられているので、容易にねじ部材116の最
大外径dに対応した着座アタッチメント113に交換す
ることが可能である。また、着座アタッチメント113
が本体胴部111に螺着されているので着座アタッチメ
ント113を回転することにより、本体胴部111から
の突出高さを任意に調節することができる。
【0117】着座アタッチメント113の通孔113a
には引張軸117(引張部材)が着座アタッチメント1
13と同軸に嵌挿されており、引張軸117は着座アタ
ッチメント113を貫通して先端部117aが被測定物
114のねじ部材116に螺合し、基端部117bが本
体胴部111の上部に設けられた把手118に螺着され
ている。すなわち、引張軸117は、把手118により
回動されたとき、本体胴部111を介して母材115側
に反力を加えつつ回動角に応じた引張力Pをねじ部材1
16に与えるよう、本体胴部111に胴軸かつ回転自在
に収装されている。そして、着座アタッチメント113
と同様に、先端部117aに各種サイズのねじ径の雄ね
じが形成された引張軸117が準備されており、また引
張軸117が本体胴部111に着脱自在に収装されてい
るので、容易にねじ部材116のねじ径に合致した引張
軸117に交換することが可能である。なお、本体胴部
111に嵌挿される把手118のボス部118aには、
引張軸117の基端部117bを螺着させた後、引張軸
117をボス部118aに固定する止めねじ119が取
付けられており、引張軸117の交換時には、止めねじ
119を緩めることにより把手118から引張軸117
を容易に取り外すことが可能である。また、把手118
のボス部118aの外周には全周に亘って溝118bが
形成されており、本体胴部111の上部に螺着されたね
じ120が本体胴部111の内周面111aから突出し
て溝118aに係合し、脱落を防止している。なお、図
39に示すように、外筒部材111にモータ20を直
接、内蔵・固定して、引張軸117にモータ軸151を
直接取り付けて、引張軸117を回動させてもよい。
【0118】121は圧縮型の荷重変換器であり、荷重
変換器121は、図中下端部に形成された第1フランジ
部122(第1のフランジ部)で本体胴部111に螺合
固着され、上端部に形成された第2フランジ部123
(第2のフランジ部)でスラスト軸受125を介してボ
ス部118aに衝合している。第2フランジ部123は
スラスト軸受125およびボス部118aを介して引張
軸117に取り付けられることで、引張軸117に生じ
る引張力Pの反力を圧縮力として受けるように構成され
ている。また、第1フランジ部122と第2フランジ部
123の間には前記圧縮力(すなわち引張力Pの反力)
を受けて弾性変形する薄肉部としての受感部124がこ
れらと一体的に設けられており、受感部124には前記
圧縮力を受けた受感部124の歪を測定する測定手段と
しての歪ゲージ126が装着されている。受感部124
は、第1フランジ部122、第2フランジ部123およ
び受感部124が一体の筒状体として本体胴部111に
螺合固着されることで、本体胴部111の一部として第
1フランジ部122と第2フランジ部123の間に設け
られた薄肉部を構成している。また、歪みゲージ126
は、本体胴部111の受感部124に設けられてそのス
ラスト方向の歪(変形)量から引張軸117に作用する
引張力Pを測定する。具体的には、受感部124が圧縮
されて弾性変化するとき、歪ゲージ126によって受感
部124の歪率に比例した電気信号を出力するようにな
っており、歪ゲージ126の出力信号は中間端子112
7、シールド構造の配線128、129を介して電装部
130に入力される。電装部130は表示部131、操
作スイッチ群132、ゼロリセットスイッチ133およ
び電池134に加え、図示しないマイクロコンピュータ
および増幅部等からなる制御回路を有しており、歪ゲー
ジ126から出力された電気信号を増幅し、デジタル変
換してこれをピークホールドし、常時ピーク値を表示部
131に表示するようになっている。さらに、電装部1
30は前記マイクロコンピュータのメモリ内に記憶した
(操作スイッチ群132により予め設定した)引抜き強
度の規格値と表示部131の表示値を比較し、抜去力が
該規格値を外れた場合に不良表示ランプ(図示せず)を
点灯する。なお、この不良表示ランプの点灯(合否判別
信号)に代えて音を発するようにしてもよい。
【0119】次に、作用を説明する。まず、予め測定対
象となるねじ部材116に適合するねじ径を有する引張
軸117を引抜き強度測定器112に取付けておく。そ
して、測定時には、引抜き強度測定器112の着座アタ
ッチメント113の着座面113bを被測定物114の
母材115でボス部115aの上端部に当接し、次いで
把手118を回転して引張軸117の先端部117aを
ねじ部材116に螺合する。ボス部118aをさらに回
転して引張軸117の回転角θが、図22に示すよう
に、着座アタッチメント113が母材115に当接した
ときの回転角θ0 から次第に大きくなると、先端部11
7aとねじ部材116の間のねじ作用によって回転角θ
に比例したねじ部材116を引き抜く方向の引張力Pが
ねじ部材116に加わる。このとき、本体胴部111に
は予めねじ部材116の最大外径dよりも大きい内径D
を有する着座アタッチメント113が取り付けられ、さ
らに引張軸117が着座アタッチメント113と同軸で
あるため、着座アタッチメント113の着座面113b
が自動的にねじ部材116の外周辺で母材115に密着
し、本体胴部111の先端部111b、荷重変換器12
1、伝導軸スラスト軸受125および把手118を介し
て引張軸117の反力を支持する。そして、引張軸11
7に生じる引張力Pの反力は、上述の部材の逆の順序で
荷重変換器121の第2フランジ部123に伝達され、
受感部124にはねじ部材116の引張力Pと等しい逆
向きの圧縮力が加えられる。なお、このときスラスト軸
受125はボス部118aの回転負荷の軽減用として作
用する。
【0120】上述の引張軸117に生じる引張力によっ
て荷重変換器121の受感部124が軸方向に圧縮変形
し、これに伴って、歪ゲージ126によりねじ部材11
6の引張力に比例した電気信号が中間端子127および
配線128、129を介して電装部に出力され、該電気
信号は電装部130の増幅部で増幅され、さらにデジタ
ル値に変換されて表示部131で直読可能に表示され、
ねじ部材116を引抜く方向の引張力Pを測定すること
ができる。また、引張力Pの規格値を予め操作スイッチ
群132を操作して設定しておくことにより、引抜き強
度の不足時に不良表示ランプの点灯から容易に不良を判
決することができる。
【0121】ボス部118aをさらに回転し続けると、
遂には引張力Pが母材115とねじ部材116の結合力
よりも大きくなり、ねじ部材116は母材115から抜
け始める。このとき、引張力Pは、図22に示す最大値
(抜去力)Pmaxとなり、ピークホールド機能を有す
る電装部130の表示部131によって読み取ることが
できる。すなわち、作業現場で直ちに被測定物114の
引抜き強度を測定することができる。なお、引張軸11
7の先端部117aのねじ部と被測定物114のねじ部
材116のねじ部に油性あるいは液状テフロンなどの潤
滑膜を形成することにより、把手118の小さな回転力
で大きな引張力Pを発生することが可能であり、繰り返
し使用される引張軸117の寿命を長くすることもでき
る。
【0122】今回の測定が終了すると、本体胴部111
を把持した片手の親指等によりゼロリセットスイッチ1
33を操作し、表示部131の表示値をゼロにして次の
測定に備え、あるいは操作スイッチ群132のON/O
FFスイッチ132aを押して作業を終了する。
【0123】このように、本実施例においては、着座ア
タッチメント113の着座面113bを母材115のボ
ス115aの上端部にねじ部材116の周辺で当接して
引抜き強度測定器112を支持するとともに引張軸11
7の先端部117aをねじ部材に螺合し、把手118を
回転してねじ部材116に引張力Pを加え、本体胴部1
11と引張軸117の間に設けられた荷重変換器121
の受感部124を軸方向に圧縮変形して歪ゲージ126
および電装部130によってねじ部材116の最大引張
力Pmax、すなわち引抜き強度を測定する。そして、
引抜き強度が不足している場合、不良表示ランプの点灯
や発信音によって即座に合否判別ができ、作業者が容易
に短時間で引抜き強度検査を行うことができる。また、
着座アタッチメント113および引張軸117を引抜き
強度測定器112に着脱交換して把手118を交換する
ことなくねじ部材116の形状、寸法に対応することが
でき、引抜き強度測定器112が小型化されて持ち運び
が自由になり、母材115からねじ部材116の部分を
切り出す必要もないので、作業現場で容易に被測定物1
14の引抜き強度を測定することができる。この測定に
要する時間は引張試験機を用いる従来の場合の1/10
〜1/50に短縮される。
【0124】さらに、本実施例では、受感部124を薄
肉の弾性変形部位としてその変形の量を歪ゲージ126
で測定しているので、構成が簡素でしかも非常に小型の
測定器を実現することができる。しかも、荷重変換器1
21から電装部への配線128、129をシールド構造
にしつつ更に本体胴部111内に設けているので、耐ノ
イズ性の向上と作業中の断線防止を図ることができ、測
定結果の信頼性を大幅に向上させるとともに、測定器の
操作性をもきわめて良好なものにすることができる。
【0125】なお、第1、第2実施例においては、ねじ
部材116が雌ねじを有する埋め込みナットであった
が、図25に示すように被測定物114に雄ねじ部材1
51をインサート成形してもよく、この場合、引張軸1
17の先端部には雄ねじ部材151に対応する雌ねじ1
52が形成される。また、荷重変換器121、141に
ねじ部材116からの反力を伝達するスラスト軸受12
5、147に代えてスラスト荷重を支持できる他のタイ
プの軸受を用いることもできるのはいうまでもない。
【0126】以上の2つの実施形態のモータ駆動に関す
る制御技術としては以下に示すモータの駆動制御を利用
することができる。次に、このモータの駆動制御につい
て、例えば図11の実施形態に適用した場合について詳
細に説明する。
【0127】(4)<モータの駆動制御に関する実施例
> (5)(モータを低速回転でスタートし、定速回転で測
定するように制御する実施例)
【0128】図13〜15に示したように、上記引張強
度試験器1は、ねじ部材17を取り付けた鋼板19に鋼
板19からねじ部材17を引き抜く方向の引張力を、ね
じ部材17に螺合する引張軸9を駆動するモータ20を
介して加え、該引張力から引抜き強度を測定する引張強
度試験器において、引張軸19に発生する引張力を測定
する歪ゲージ6cと、モータ20の駆動開始から所定時
間、即ち引張軸9とねじ部材17とが螺合するまでの時
間は引張軸9を測定時の回転スピードより低速回転し、
所定時間経過後、即ち螺合した後に測定時の回転速度と
なるように制御する制御手段26とを備えていることを
特徴としているので、モータ20の駆動開始から所定時
間は引張軸9を測定時の回転スピードより低速回転させ
ることにより、引張軸9とねじ部材17との螺合を容易
にすることができる。更に、所定時間経過して螺合した
後、測定時の回転速度となるように制御しているので、
モータ20等の駆動手段を用いても確実かつ安定して螺
合させることができるとともに、測定の迅速化を達成で
きる。
【0129】また、上記引張強度試験器1は、ねじ部材
17を取り付けた鋼板19に鋼板19からねじ部材17
を引き抜く方向の引張力をねじ部材17に螺合する引張
軸9を駆動するモータ20を介して加え、該引張力から
引抜き強度を測定する引張強度試験器において、鋼板1
9に当接する着座部7cを固定する中空の胴部5aと、
胴部5aに回動自在に保持される中空の回動軸3と、回
動軸3から回動力が伝達されるように連結手段を介して
頭部9aが連結され、頭部9aより細径の軸部9bの先
端部でねじ部材17に螺合して回動角に応じた引張力を
ねじ部材17に与える引張軸9と、引張軸9に発生する
引張力を測定する歪ゲージ6cと、モータ20の駆動開
始から所定時間、即ち引張軸9とねじ部材17とが螺合
するまでは、引張軸9を測定時の回転速度より低速回転
し、所定時間経過後、即ち螺合した後に測定時の回転速
度となるように制御する制御手段26とを備えているこ
とを特徴としているので、回動軸3と引張軸9との連結
部分において、反力を吸収しつつ回動軸3の回動力を引
張軸9に伝達することができ、結合部分の緩みの発生を
防止することができる。更に、モータ20の駆動開始か
ら所定時間は引張軸9を測定時の回転スピードより低速
回転させることにより、引張軸9とねじ部材17との螺
合を容易にし、所定時間経過して螺合した後、測定時の
回転速度となるように制御しているので、モータ20等
の駆動手段を用いても確実かつ安定して螺合させること
ができるとともに、測定の迅速化を達成できる。
【0130】また、上記引張強度試験器は、引張力の設
定値を記憶する記憶手段26aと、歪ゲージ6cによっ
て測定された測定値と記憶手段26aに記憶された設定
値とを比較する比較手段26bと、比較手段26bの比
較結果に基づいて、モータ20を停止する制御信号を発
生する制御信号発生手段26eとを備える制御手段26
とを備えているので、安全を保証する設定値に基づいて
強度値を測定でき、ある設定値での強度で評価をする被
測定物に対応することができる。また、被加工物を破断
させる必要がないので、引張軸9にねじ部材17が食い
込む虞がない。
【0131】また、上記引張強度試験器1は、記憶手段
26aによって記憶された引張力設定値に達する前に、
引張力のピーク値/破断値が測定された場合に、モータ
20を停止するように制御する制御手段26を備えてい
るので、強度不良等で早めに破断して破断したデータが
測定された場合、モータ20を停止することにより、モ
ータ20の不要な駆動を防止することができる。
【0132】また、上記引張強度試験器1は、測定され
たピーク値/破断値を表示する表示手段25cを備えて
いるので、ピーク値/破断値を表示することができ、成
形作業現場等に持ち運んで容易に抜去力の測定、引抜き
強度の合否検査等を行うことが出来る小型の引張強度試
験器である。
【0133】また、上記引張強度試験器1は、歪ゲージ
6cによって測定された測定値を記憶する記憶手段26
aと、記憶手段26aに記憶されている測定値とその後
に歪ゲージ6cによって測定された測定値とを比較する
比較手段26bと、比較手段26bの比較結果に基づい
てモータ20を停止するように制御信号を発生する制御
信号発生手段26eとを有する制御手段26とを備えて
いるので、比較手段26bの比較結果に基づいてモータ
20を停止することができる。
【0134】また、被測定物の強度は強度ピーク値がわ
かるだけでもその被測定物の強度を知ることができ、上
記引張強度試験器1は、引張力の引張力設定値を記憶す
る記憶手段26aと、歪ゲージ6cによって測定された
引張力測定値を記憶する記憶手段26aと、記憶された
引張力測定値と引張力設定値とを比較する比較手段26
bと、引張力測定値のほうが引張力設定値より大きい場
合には引張力設定値を引張力測定値に更新して更新され
た引張力設定値として記憶するとともに、再度引張力を
測定し、更新された引張力設定値のほうが大きい場合に
は更新された引張力設定値をピーク値として表示手段2
5cに表示するように制御信号を発生する制御信号発生
手段26eとを有する制御手段を備えているので、記憶
値より測定値が低いとピーク値がわかり、その記憶値を
ピーク値とすることにより、ピーク値を測定することが
でき、これにより被測定物の強度を測定することができ
る。
【0135】また、上記引張強度試験器1は、制御手段
26が、ピーク値を表示した後にモータ20を逆回転
し、逆回転した後にモータ20を停止するように制御信
号発生手段26eから制御信号を発生するように制御す
るので、引張軸9からねじ部材17を取り外すことが容
易である。
【0136】また、上記引張強度試験器1は、引張力の
設定値を記憶する記憶手段26aと、歪ゲージ6cによ
って測定された引張力測定値を記憶する記憶手段26a
と、記憶された測定値と設定値とを比較する比較手段2
6bと、比較手段26bの比較結果に基づいて、モータ
20を停止するように制御信号発生手段26eから制御
信号を発生するように制御する制御手段26と、記憶手
段26aによって記憶された引張力設定値に達する前
に、引張力のピーク値/破断値が測定された場合に、測
定されたピーク値/破断値をピーク値/破断値と表示手
段25cに表示してモータ20を停止し、引張力測定値
のほうが引張力設定値より大きい場合には、引張力設定
値を引張力測定値に更新して更新された引張力設定値と
して記憶手段26aに記憶するとともに、再度引張力を
測定し、更新された引張力設定値のほうが大きい場合に
は更新された引張力設定値をピーク値として表示手段2
5cに表示して駆動手段を停止するように制御する制御
手段とを備えているので、記憶手段26aによって記憶
された引張力設定値に達する前に、引張力のピーク値/
破断値が測定された場合に、測定されたピーク値/破断
値をピーク値/破断値として表示手段25cに表示して
モータ20を停止することにより、引張力設定値に達す
る前にピーク値/破断値が測定された場合でもピーク値
/破断値を測定することができ、引張力測定値のほうが
引張力設定値より大きい場合には、引張力設定値を引張
力測定値に更新して更新された引張力設定値として記憶
手段26aに記憶するとともに、再度引張力を測定し、
更新された引張力設定値のほうが大きい場合には更新さ
れた引張力設定値をピーク値として表示手段25cに表
示してモータ20を停止することにより、ピーク値を知
ることができる。
【0137】また、上記引張強度試験器1は、制御手段
26が、モータ20を停止する前に逆回転させるように
制御信号発生手段26eから制御信号を発生するように
制御するので、引張軸9からねじ部材17を取り外すこ
とが容易である。
【0138】また、上記引張強度試験器1は、モータ2
0をオン/オフするスイッチ21と、スイッチ21のオ
ンからモータ20の停止までの回転時間をカウントする
カウント手段26cと、カウント手段26cによってカ
ウントされた回転時間に基づいてモータ20の逆回転時
間を決定する逆回転時間決定手段26dとを備え、制御
手段26は、セット値/ピーク値が測定された後、逆回
転時間決定手段26dで決定した逆回転時間に基づきモ
ータ20を逆回転をし、その逆回転時間経過後にモータ
20を停止するように制御信号発生手段26eから制御
信号を発生するように制御するので、モータ20を停止
する前にモータ20の正回転時間に基づいてモータ20
を逆回転させることができ、引張軸9からねじ部材17
を取り外すことがきわめて容易である。
【0139】図18〜25の引張強度試験器において、
図11、12の引張強度試験器1と同様に、把手部13
0の内部にモータ20、駆動軸14、ウォーム14a、
ウォーム歯車3b、電装部25等を収納し、図13〜1
5と同様の制御装置を用いることにより、上述した作用
効果を得ることができる。
【0140】以上において、モータトルクを検知して安
定したトルクになったことで測定開始を指令するように
してもいいし、図14,15に示すように定速スピード
になるまでの時間を予め設定しておき、その所定時間経
過後のカウンタ作動に伴って測定を開始しても構わな
い。
【0141】このように構成することにより、回転が安
定してからの引張力を測定することで引張力の精度の高
い評価を実施することができる。
【0142】更に図14では、一定のスピードの定速回
転(第1スピード)で回転させるが、これは引張軸がね
じ部材に螺合し易いように、測定時の定速スピードより
も遅くしているので、所定の一定スピードの定速(第2
スピード)になるまで徐々にスピードアップさせてもよ
い。
【0143】(6)(モードの説明) モードは、(A)設定値を決めて測定し、その設定値で
も母材からねじ部材(ナット、ボルトなど)がとれない
かを測定する設定モード、(B)ピーク値を測定するピ
ーク値測定モード、(C)破断値を測定する破断値測定
モードの3つのモードから構成されている。
【0144】(7)((A)設定モードについての説
明) 図15に示したように、ステップS10では、ステップ
S9で記憶されている測定値と引張力測定値とを比較
し、大きくない場合にはステップS12に進む。ステッ
プS11では、測定値を強度値として表示手段25cに
表示し、ステップS18に進む。ステップS12では、
歪ゲージ6cから出力される、ねじ部材の引張力に比例
した電気信号に基づいて引張力を測定し、ステップS1
3に進む。ステップS13では、ステップS12で測定
された測定値を記憶手段に記憶し、ステップS14に進
む。ステップS14では、歪ゲージ6cから出力され
る、ねじ部材の引張力に比例した電気信号に基づいて引
張力を測定し、ステップS15に進む。
【0145】ステップS15では、ステップS13で記
憶された記憶値(測定値)とステップS14で測定され
た測定値とを比較し、測定値の方が大きくない場合には
ステップS17に進む。ステップS17では、記憶値を
ピーク値として表示手段25cに表示し、ステップS1
8に進む。ステップS18では、モータ20を一時停止
(停止)する。このように制御することにより、設定値
を決めて測定し、その設定値でも母材からねじ部材(ナ
ット、ボルトなど)がとれないかを測定することができ
る。
【0146】さらに、ステップS18でモータを一時停
止した後、ステップS19では、ステップS3で作動し
たカウント手段26cを停止し、ステップS20に進
む。
【0147】ステップS20では、カウント手段26c
によりカウントされた回転数に応じた時間だけモータ2
0を逆回転し、ステップS21に進む。ステップS21
では、モータ20を停止する。このように制御して、モ
ータ20を逆回転することにより、引張軸をナットから
自動的に離脱することができる。
【0148】図11の引張強度試験器1は、ねじ部材1
7を取り付けた鋼板19に鋼板19からねじ部材17を
引き抜く方向の引張力を加え、引張力から引抜き強度を
測定する引張強度試験器において、鋼板17に当接する
着座部7cを固定する中空の胴部5aと、胴部5aに回
動自在に保持される中空の回動軸3と、回動軸3から回
動力が伝達されるように六角穴駆動板8を介して頭部9
aが連結され、頭部9aより細径の軸部9bの先端部で
ねじ部材17に螺合して回動角に応じた引張力をねじ部
材17に与える引張軸9と、引張軸9に発生する引張力
を測定する歪ゲージ6cと、回動軸3を回転させるモー
タ20と、引張力の設定値を記憶する記憶手段26a
と、歪ゲージ6cによって測定された測定値と設定値と
を比較する比較手段26bと、比較手段26bによって
比較された結果が測定値より設定値の方が大きい場合に
モータ20を停止するように制御する制御手段26とを
備えている。このように構成したので、引張り限界を超
えてしまうと試験器が壊れる危険性があるので、試験器
の測定限界内で測定することができ、試験器の破損を防
止できる。
【0149】また、引張強度試験器1は、駆動手段をモ
ータ20から構成し、制御手段26は、モータ20を停
止する前に、逆回転させるように制御している。このよ
うに構成したので、引張軸9からねじ部材17を取り外
すことが容易である。
【0150】また、引張強度試験器1は、モータ20を
オン/オフするスイッチ17と、スイッチ17のオンか
らモータ20の停止までの回転時間をカウントするカウ
ント手段26cと、カウント手段26cによってカウン
トされた回転時間に基づいてモータ20の逆回転時間を
決定する逆回転時間決定手段26dとを備え、制御手段
26は、セット値/ピーク値が測定された後、逆回転時
間決定手段26dで決定した逆回転時間に基づきモータ
20を逆回転をし、その逆回転時間経過後にモータ20
を停止するように制御している。このように構成したの
で、引張軸9からねじ部材17を取り外すことがきわめ
て容易である。
【0151】(設定値になる前に破断値となってしま
い、モータ駆動を非常停止する場合について) 図15に示すように、ステップS6では、歪ゲージ6c
から出力される電気信号の急激な変動に基づいて破断し
たかどうかを判定し、破断した場合にはステップS7に
進む。ステップS7では、測定値を破断値として表示手
段25cに表示し、ステップS18に進む。ステップS
18では、モータ20を一時停止(非常停止)し、ステ
ップS19に進む。ステップS19では、ステップS3
で作動したカウント手段26cを停止し、ステップS2
0に進む。
【0152】ステップS20では、カウント手段26c
によりカウントされた回転数に応じた時間だけモータ2
0を逆回転し、ステップS21に進む。ステップS21
では、モータ20を停止する。
【0153】また、図11,12の引張強度試験器1
は、歪ゲージ19によって測定された測定値が記憶手段
26aによって記憶された引張力設定値に達する前に、
引張力のピーク値/破断値が測定された場合に、モータ
20を停止するように制御する制御手段26を備えてい
るので、強度不良等で早めに破断して破断したデータが
測定された場合、モータ20を停止することにより、モ
ータ20の不要な駆動を防止することができる。
【0154】また、引張強度試験器1は、測定されたピ
ーク値/破断値を表示する表示手段を備えているので、
ピーク値/破断値を表示することができ、成形作業現場
等に持ち運んで容易に抜去力の測定、引抜き強度の合否
検査等を行うことが出来る。
【0155】(測定値の前にピーク値となった場合、モ
ータ駆動を低速(第3スピード)に減速する場合につい
て)
【0156】図26は、図13,14における制御プロ
グラムをフローチャートをもって示すものである。プロ
グラムが実行されると、ステップS1では、モータ20
をスタートしてステップS2の所定の時間が経過するま
で低速回転し、所定の時間が経過したらステップS3に
進む。ステップS3では、カウント手段26cを作動さ
せ、ステップS4に進む。ステップS4では、モータ2
0の回転スピードをアップして高速回転し、ステップS
5に進む。
【0157】ステップS5では、歪ゲージ6cから出力
される、ねじ部材の引張力に比例した電気信号に基づい
て引張力を測定し、ステップS6に進む。ステップS6
では、歪ゲージ6cから出力される電気信号の急激な変
動に基づいて破断したかどうかを判定し、破断した場合
にはステップS7に進み、破断しない場合にはステップ
S8に進む。ステップS7では、測定値を破断値として
表示手段25cに表示し、ステップS18に進む。ステ
ップS8では、歪ゲージ6cから出力される、ねじ部材
の引張力に比例した電気信号に基づいて引張力を測定
し、ステップS9に進む。ステップS9では、引張力の
測定値を記憶手段に記憶し、ステップS10に進む。
【0158】ステップS10では、ステップS9で記憶
されている測定値と引張力測定値とを比較し、測定値の
方が大きい場合にはステップS11に進み、大きくない
場合にはステップS12に進む。ステップS11では、
測定値を強度値として表示手段25cに表示し、ステッ
プS18に進む。ステップS12では、歪ゲージ6cか
ら出力される、ねじ部材の引張力に比例した電気信号に
基づいて引張力を測定し、ステップS13に進む。ステ
ップS13では、ステップS12で測定された測定値を
記憶手段に記憶し、ステップS14に進む。ステップS
14では、歪ゲージ6cから出力される、ねじ部材の引
張力に比例した電気信号に基づいて引張力を測定し、ス
テップS15に進む。
【0159】ステップS15では、ステップS13で記
憶された記憶値(測定値)とステップS14で測定され
た測定値とを比較し、測定値の方が大きい場合にはステ
ップS16に進み、大きくない場合にはステップS17
に進む。ステップS16では、記憶手段に記憶されてい
るステップS12の測定値をステップS14の測定値に
更新して記憶し、ステップS14に戻って、再度引張力
を測定する。
【0160】ステップS17では、記憶値をピーク値と
して表示手段25cに表示し、ステップS18に進む。
ステップS18では、モータ20の駆動トルクを減少す
る。このようにステップS18でモータ20の駆動トル
クを減少させることにより、母材19とねじ部材17と
が急激な破断をした場合に、モータにかかる負荷を低減
することができる。
【0161】ステップS19では、モータ20を一時停
止し、ステップS20に進む。ステップS20では、ス
テップS3で作動したカウント手段26cを停止し、ス
テップS21に進む。
【0162】ステップS21では、カウント手段26c
によりカウントされた回転数に応じた時間だけモータ2
0を逆回転し、ステップS22に進む。ステップS22
では、モータ20を停止する。
【0163】なお、第3スピードは第2スピードと同じ
でも構わない。ただし、この場合は測定中であるので一
定のスピードが好ましい。
【0164】(表示について) 図1の引張軸9に生じる引張力によって荷重変換器6の
受感部6bが軸方向に圧縮変形し、これに伴って、歪ゲ
ージ6cによりねじ部材17の引張力に比例した電気信
号がリセプタクルコネクタ15を介して電装部25(図
13参照)に出力され、その電気信号は電装部25の増
幅部25aで増幅され、さらにディジタル値に変換され
て表示手段25cで直読可能に表示され、ねじ部材17
を引き抜く方向の引張力を測定することができる。
【0165】また、引張強度試験器1は、測定されたピ
ーク値/破断値を表示する表示手段を備えているので、
ピーク値/破断値を表示することができ、成形作業現場
等に持ち運んで容易に抜去力の測定、引抜き強度の合否
検査等を行うことが出来る。
【0166】また、引張強度試験器1はねじ部材17を
取り付けた鋼板19に鋼板19からねじ部材17を引き
抜く方向の引張力をねじ部材17に螺合する引張軸9を
駆動するモータ20を介して加え、該引張力から引抜き
強度を測定する引張強度試験器において、引張軸9に発
生する引張力を測定する歪ゲージ19と、引張力の設定
値を記憶する記憶手段26aと、歪ゲージ19によって
測定された測定値を記憶する記憶手段26aと、歪ゲー
ジ19によって測定された測定値と記憶手段26aに記
憶された設定値とを比較する比較手段26bと、記憶手
段26aに記憶されている測定値とその後に歪ゲージ1
9によって測定された測定値とを比較する比較手段26
bとを備え、測定値と設定値とを比較した比較結果に基
づいて、モータ20を停止するセットモードと、記憶手
段26aに記憶されている測定値とその後に測定された
測定値とを比較した比較結果に基づいて、モータ20を
停止するピーク値測定モードとを切り換えるモード切り
換え手段26fを備えているので、被測定物の強度は強
度ピーク値がわかるだけでもその物の強度を知ることが
できるため、記憶値より測定値が低いとピーク値がわか
り、その記憶値をピーク値とすることにより、ピーク値
を測定することができ、これにより被測定物の強度を測
定することができる。
【0167】また、引張強度試験器1は、ピーク値測定
モードは、引張力測定値の方が引張力設定値より大きい
場合には引張力設定値を引張力測定値に更新して更新さ
れた引張力設定値として記憶するとともに、再度引張力
を測定し、この引張力測定値より更新された引張力設定
値のほうが大きい場合には更新された引張力設定値をピ
ーク値として表示するように制御されるので、ピーク値
を表示することができる。
【0168】ピーク値測定モードでは、引張力測定値の
方が引張力設定値より大きい場合には引張力設定値を引
張力測定値に更新して更新された引張力設定値として記
憶するとともに、再度引張力を測定し、この引張力測定
値より更新された引張力設定値のほうが大きい場合には
更新された引張力設定値をピーク値として表示するよう
に制御されるので、ピーク値を表示することができる。
【0169】(8)((B)ピーク値測定モードについ
て) 図14に示すように、制御信号発生手段26eは、歪ゲ
ージ6cに測定開始信号を送出するとともに、モータ2
0に回転駆動信号を送出することができる。前記モード
切換手段26fは、破断値計測モード(後述するステッ
プS5〜7によるモード)と、強度値計測モード(後述
するステップS8〜11によるモード)と、ピーク値計
測モード(後述するステップS12〜17によるモー
ド)とを切り換えることができる。
【0170】図15に示すように、ステップS15で
は、ステップS13で記憶された記憶値(測定値)とス
テップS14で測定された測定値とを比較し、測定値の
方が大きい場合にはステップS16に進み、大きくない
場合にはステップS17に進む。ステップS16では、
記憶手段に記憶されているステップS12の測定値をス
テップS14の測定値に更新して記憶し、ステップS1
4に戻って、再度引張力を測定する。ステップS17で
は、記憶値をピーク値として表示手段25cに表示し、
ステップS18に進む。ステップS18では、モータ2
0を一時停止し、ステップS19に進む。ステップS1
9では、ステップS3で作動したカウント手段26cを
停止し、ステップS20に進む。
【0171】図11,12の引張強度試験器1は、ねじ
部材17を取り付けた鋼板19に鋼板19からねじ部材
17を引き抜く方向の引張力を、ねじ部材17に螺合す
る引張軸9を駆動するモータ20を介して加え、引張力
から引抜き強度を測定する引張強度試験器において、引
張軸9に発生する引張力を測定する歪ゲージ6cと、歪
ゲージ6cによって測定された測定値を記憶する記憶手
段26aと、記憶手段26aに記憶されている測定値と
その後に歪ゲージ6cによって測定された測定値とを比
較する比較手段26bと、比較手段26bによって比較
された結果に基づいて前ータ20を停止するピーク値を
測定するように制御する制御手段26とを備えているの
で、従来は破断値のみの対応であったが、被測定物の強
度は強度ピーク値が分かるだけでもその物の強度を知る
ことができ、また、記憶値より測定値が低いとピーク値
がわかり、その記憶値をピーク値とすることができる。
【0172】また、引張強度試験器1は、引張力の引張
力設定値を記憶する記憶手段26aと、記憶された引張
力測定値と引張力設定値とを比較する比較手段26b
と、引張力測定値のほうが引張力設定値より大きい場合
には引張力設定値を引張力測定値に更新して更新された
引張力設定値として記憶するとともに、再度引張力を測
定し、更新された引張力設定値のほうが大きい場合には
更新された引張力設定値をピーク値として表示するよう
に制御する制御手段26とを備えているので、被測定物
の強度は強度ピーク値がわかるだけでもその物の強度を
知ることができ、記憶値より測定値が低いとピーク値が
わかり、その記憶値をピーク値とすることにより、ピー
ク値を測定することができ、これにより被測定物の強度
を測定することができる。
【0173】また、引張強度試験器1は、駆動手段をモ
ータから構成し、制御手段26は、表示した後にモータ
を逆回転し、逆回転した後に前記モータを停止するよう
に制御するので、引張軸9からねじ部材17を取り外す
ことが容易である。
【0174】また、引張強度試験器1は、モータ20を
オン/オフするスイッチ21と、スイッチ21のオンか
らモータ20の停止までの回転時間をカウントするカウ
ント手段26cと、カウント手段26cによってカウン
トされた回転時間に基づいてモータ20の逆回転時間を
決定する逆回転時間決定手段26dとを備え、制御手段
26は、セット値/ピーク値が測定された後、逆回転時
間決定手段26dで決定した逆回転時間に基づきモータ
20を逆回転をし、その逆回転時間経過後にモータ20
を停止するように制御するので、正回転時間に基づいて
モータ20を逆回転させるため、引張軸9からねじ部材
17を取り外すことがきわめて容易である。
【0175】(駆動停止について) 図14に示すように、カウント手段26cは、スイッチ
21のオンからモータ20の停止までの回転数に基づく
回転時間をカウントすることができる。前記逆回転時間
決定手段26dは、カウント手段26cによってカウン
トされた回転数に基づく回転時間からモータ20の逆回
転時間を決定することができる。
【0176】図15に示すように、ステップS15で
は、ステップS13で記憶された記憶値(測定値)とス
テップS14で測定された測定値とを比較し、測定値の
方が大きい場合にはステップS16に進み、大きくない
場合にはステップS17に進む。ステップS16では、
記憶手段に記憶されているステップS12の測定値をス
テップS14の測定値に更新して記憶し、ステップS1
4に戻って、再度引張力を測定する。ステップS17で
は、記憶値をピーク値として表示手段25cに表示し、
ステップS18に進む。ステップS18では、モータ2
0を一時停止し、ステップS19に進む。ステップS1
9では、ステップS3で作動したカウント手段26cを
停止し、ステップS20に進む。
【0177】ステップS20では、カウント手段26c
によりカウントされた回転数に応じた時間だけモータ2
0を逆回転し、ステップS21に進む。ステップS21
では、モータ20を停止する。
【0178】図11,12の引張強度試験器1は、ねじ
部材17を取り付けた鋼板19に鋼板19からねじ部材
17を引き抜く方向の引張力を、ねじ部材17に螺合す
る引張軸9を駆動するモータ20を介して加え、該引張
力から引抜き強度を測定する引張強度試験器において、
引張軸19に発生する引張力を測定する歪ゲージ19
と、引張力の設定値を記憶する記憶手段26aと、歪ゲ
ージ19によって測定された測定値と記憶手段26aに
記憶された設定値とを比較する比較手段26bと、比較
手段26bの比較結果に基づいて、モータ20を停止す
るように制御する制御手段26とを備えているので、従
来は、手動による破断値しか測定していなかったが、あ
る設定値での強度で評価をする被測定物に対応すること
ができる。
【0179】また、引張強度試験器1は、歪ゲージ19
によって測定された測定値が記憶手段26aによって記
憶された引張力設定値に達する前に、引張力のピーク値
/破断値が測定された場合に、モータ20を停止するよ
うに制御する制御手段26を備えているので、強度不良
等で早めに破断して破断したデータが測定された場合、
モータ20を停止することにより、モータ20の不要な
駆動を防止することができる。
【0180】また、引張強度試験器1は、測定されたピ
ーク値/破断値を表示する表示手段を備えているので、
ピーク値/破断値を表示することができ、成形作業現場
等に持ち運んで容易に抜去力の測定、引抜き強度の合否
検査等を行うことが出来る。
【0181】また、引張強度試験器1はねじ部材17を
取り付けた鋼板19に鋼板19からねじ部材17を引き
抜く方向の引張力をねじ部材17に螺合する引張軸9を
駆動するモータ20を介して加え、該引張力から引抜き
強度を測定する引張強度試験器において、引張軸9に発
生する引張力を測定する歪ゲージ19と、引張力の設定
値を記憶する記憶手段26aと、歪ゲージ19によって
測定された測定値を記憶する記憶手段26aと、歪ゲー
ジ19によって測定された測定値と記憶手段26aに記
憶された設定値とを比較する比較手段26bと、記憶手
段26aに記憶されている測定値とその後に歪ゲージ1
9によって測定された測定値とを比較する比較手段26
bとを備え、測定値と設定値とを比較した比較結果に基
づいて、モータ20を停止するセットモードと、記憶手
段26aに記憶されている測定値とその後に測定された
測定値とを比較した比較結果に基づいて、モータ20を
停止するピーク値測定モードとを切り換えるモード切り
換え手段26fを備えているので、被測定物の強度は強
度ピーク値がわかるだけでもその物の強度を知ることが
できるため、記憶値より測定値が低いとピーク値がわか
り、その記憶値をピーク値とすることにより、ピーク値
を測定することができ、これにより被測定物の強度を測
定することができる。
【0182】また、引張強度試験器1は、ピーク値測定
モードは、引張力測定値の方が引張力設定値より大きい
場合には引張力設定値を引張力測定値に更新して更新さ
れた引張力設定値として記憶するとともに、再度引張力
を測定し、この引張力測定値より更新された引張力設定
値のほうが大きい場合には更新された引張力設定値をピ
ーク値として表示するように制御されるので、ピーク値
を表示することができる。
【0183】また、引張強度試験器1は、駆動手段をモ
ータ20から構成し、表示した後にモータ20を逆回転
し、逆回転した後にモータ20を停止するので、引張軸
9からねじ部材17を取り外すことが容易である。
【0184】また、引張強度試験器1は、モータ20を
オン/オフするスイッチ21と、該スイッチ21のオン
からモータ20の停止までの回転時間をカウントするカ
ウント手段26cと、カウント手段26cによってカウ
ントされた回転時間に基づいて前モータ20の逆回転時
間を決定する逆回転時間決定手段26dとを備え、制御
手段26は、セット値/ピーク値が測定された後、逆回
転時間決定手段26dで決定した逆回転時間に基づきモ
ータ20を逆回転をし、その逆回転時間経過後にモータ
20を停止するように制御するので、制御手段26は、
前記モータを停止する前に逆回転時間に基づいて前記モ
ータ20を逆回転逆回転させるように制御するので、引
張部材からねじ部材を取り外すことがきわめて容易であ
る。
【0185】(モータ逆回転について) 図13はこの測定のための電装部のブロックダイヤグラ
ムである。電装部25は、増幅器25aと、A/D変換
部25bと、制御手段26と、表示手段20と、スイッ
チ手段21とを備えている。
【0186】前記制御手段26は、図14に示すよう
に、記憶手段26aと、比較手段26bと、カウント手
段26cと、逆回転時間決定手段26dと、制御信号発
生手段26eと、モード切換手段26fとを備え、マイ
クロコンピュータを用いて構成することができる。前記
記憶手段26aは、引張力設定値および引張力測定値の
何れか一方又は両方を記憶することができる。
【0187】前記比較手段26bは、測定手段6cによ
って測定された測定値と記憶手段26aに記憶された設
定値とを比較することができる。また、比較手段26b
は、記憶手段26aに記憶されている測定値とその後に
測定手段6cによって測定された測定値とを比較する。
【0188】前記カウント手段26cは、スイッチ21
のオンからモータ20の停止までの回転数に基づく回転
時間をカウントすることができる。前記逆回転時間決定
手段26dは、カウント手段26cによってカウントさ
れた回転数に基づく回転時間からモータ20の逆回転時
間を決定することができる。
【0189】図15に示すように、ステップS20で
は、カウント手段26cによりカウントされた回転数に
応じた時間だけモータ20を逆回転し、ステップS21
に進む。ステップS21では、モータ20を停止する。
【0190】また、図11,12の引張強度試験器1
は、駆動手段をモータ20から構成し、制御手段26
は、モータ20を停止する前に、逆回転させるように制
御しているので、引張軸9からねじ部材17を取り外す
ことが容易である。
【0191】また、引張強度試験器1は、モータ20を
オン/オフするスイッチ17と、スイッチ17のオンか
らモータ20の停止までの回転時間をカウントするカウ
ント手段26cと、カウント手段26cによってカウン
トされた回転時間に基づいてモータ20の逆回転時間を
決定する逆回転時間決定手段26dとを備え、制御手段
26は、セット値/ピーク値が測定された後、逆回転時
間決定手段26dで決定した逆回転時間に基づきモータ
20を逆回転をし、その逆回転時間経過後にモータ20
を停止するように制御しているので、引張軸9からねじ
部材17を取り外すことがきわめて容易である。
【0192】(9)((C)破断値測定モードについ
て) この破断値測定モードは、基本的には図1〜10又は図
18〜25に示される引張強度試験器の測定内容と同様
である。
【0193】図27は、本発明の第1実施形態に係わる
引張強度試験器を示す正面断面図、図12は同側面図で
あり、回動部材である回動軸の回動力を把手部内の駆動
手段で与えるように構成した。
【0194】図27,図12に示すように、第1実施形
態に係わる引張強度試験器1Aは、カバー部材5の胴部
5aの側方に突出するグリップ部である把手部2と、把
手部2内に収納されている駆動手段であるモータ20
と、モータ20に備えられ、先端部にウォームを有する
駆動軸と、ウォーム歯車を外周に有する回動軸3と、回
動軸3をラジアル軸受である単列深溝玉軸受4を介して
回動自在に保持するカバー部材5と、カバー部材5の胴
部5a(外筒部材)の下部に胴部5aと同軸に固定され
た圧縮型の荷重変換器6と、荷重変換器6の下端部に荷
重変換器と同軸に着脱自在に螺着された着座アタッチメ
ント7と、回動軸3の下端に小ねじ16を介して固定さ
れた六角穴付駆動板8と、六角穴付駆動板8の六角穴8
aに六角頭部9aが嵌合された引張部材である引張軸9
と、引張軸9を台座10を介して荷重変換器6上に回動
自在に保持するスラスト軸受であるスラスト針状コロ軸
受11と、回動軸3の中心穴3aに挿通されて引張軸9
の六角頭部9aに当接する止め栓12と、止め栓12に
当接する押さえ蓋と、モータ20への電力供給や荷重変
換器6からの電気信号を取り出すためのリセプタクルコ
ネクタ15と、リセプタクルコネクタ15の電極に接続
される電装部25(図13参照)とを備えている。
【0195】前記着座アタッチメント7は圧縮力受感部
である荷重変換器6の下端部に螺合している。そして、
着座アタッチメント7のねじ部7dは、引張軸9のねじ
部9cと逆ねじに形成されている。また着座アタッチメ
ント7には破断したナット17が当接する係止手段であ
る凹凸部7hが形成されている。さらに、着座アタッチ
メント7の先端部である着座面7cを含む部分は磁化さ
れて磁石となっている。
【0196】前記引張軸9はその先端部が着座アタッチ
メント7の下端部より上側に位置する長さに形成されて
いる。即ち、引張軸9の先端部は着座アタッチメント7
の下端部の着座面7cより奥側に配置されている。さら
に、引張軸9の少なくとも先端部は磁化されている。
【0197】前記カバー部材5の胴部5a近傍には駆動
手段20のオン/オフスイッチ21が取り付けられてい
る。このようにオン/オフスイッチ21を胴部5a近傍
に配置したので、スイッチ21を押す力が重心Gの近傍
に作用するので、スイッチ21を押す力により引張強度
試験器1Aが移動するのを防止することができる。
【0198】前記軸受4は、回転軸方向に所定距離離間
して設けられ、これらの軸受4間に駆動力伝達手段のウ
ォーム歯車3bが配置され、スラスト荷重の発生を抑制
するように構成されている。また、引張強度試験器1A
の重心Gは、軸受4間に位置するように構成されてい
る。
【0199】このように軸受4間にウォーム歯車3bを
配置したので、回動軸3の回転によるぶれを防止するこ
とができ、スラスト荷重の発生を抑制することができ
る。また、引張強度試験器1Aの重心Gを軸受4間に配
置することが望ましい。
【0200】この引張強度試験器1Aで測定される被測
定物は、本実施形態では、例えば鋼板19に溶接18さ
れたねじ部材17である溶接ナットである。この被測定
物17の引張強度が引張強度試験器1Aによって測定さ
れる。
【0201】前記着座アタッチメント7は、軸方向に貫
通して引張軸9が遊挿される孔7aが形成されている。
孔7aの内径Dはねじ部材17の最大外径dよりも大き
く設定され、引張強度試験器1Aが被測定物の引張強度
を測定するときには、着座アタッチメント7の着座面7
cがねじ部材17の外周辺で鋼板19の上面に当接する
ように構成されている。すなわち、着座アタッチメント
7は、測定時に、引張強度試験器1Aを鋼板19の上面
に着座し、鋼板19を支持する着座部としての機能を有
する。なお、各種サイズの内径を有する着座アタッチメ
ント7が準備されており、さらに着座アタッチメント7
が荷重変換器6に着脱自在に設けられているので、容易
にねじ部材17の最大外径に対応した着座アタッチメン
ト7に交換することが可能である。また、着座アタッチ
メント7が荷重変換器6に螺着されているので、着座ア
タッチメント7を回転することにより、荷重変換器6か
らの突出高さを任意に調節することができる。
【0202】着座アタッチメント7の孔7aには、先端
部にねじ部9cを有する軸部9bと軸部9bの基端に設
けられた軸部9bより太径の六角頭部9aとを有する引
張軸9が着座アタッチメント7と同軸に遊挿されてい
る。引張軸9の軸部9bは着座アタッチメント7を貫通
して先端部のねじ部9cが被測定物のねじ部材17に螺
合し、基端部の六角頭部9aは六角穴付駆動板8の六角
穴8aに嵌合されている。そして、六角穴付駆動板8に
伝達された回動力が引張軸9に伝達される。
【0203】前記六角穴付駆動板8が固定される回動軸
3の中心穴3aは、引張軸9の六角頭部9aの最大外径
より大きな直径を有し、この中心穴3aから引張軸9a
が挿抜自在に構成されている。
【0204】前記回動軸3は、モータ20の駆動により
駆動軸14、ウォーム14a、ウオーム歯車3bが回動
されたとき、回動力が伝達される。そして、回動軸3の
回動力が六角穴付駆動板8に伝達され、六角穴付駆動板
8の回動力が引張軸9に伝達される。これにより、引張
軸9は、引張軸9の頭部9a、台座10、コロ軸受1
1、荷重変換器6、着座アタッチメント7を介して鋼板
19に反力を加えつつ回動角に応じた引張り力を溶接ナ
ット17に加える。
【0205】このように駆動力伝達手段としてウォーム
歯車装置を用いたので、被測定部材に数トンクラスの加
重をかけることができ、モータ20の小型化も達成する
ことができる。
【0206】前記引張軸9は、着座アタッチメント7と
同様に、先端部のねじ部9cに各種サイズのねじ径の雄
ねじが形成されたものが準備されており、また、止め栓
12をノブ13aから外すことにより回動軸3の中心穴
3aから引張軸9を抜くことができるので、容易にねじ
部材17のねじ径に合致した引張軸9に交換することが
可能である。
【0207】前記荷重変換器6の上面のスラスト軸受1
1をコロ軸受としたことにより、大荷重がかかっても耐
久性に優れる。大荷重がかからない場合には玉軸受を用
いても良い。また、テーパーローラーベアリングを用い
ることもできる。
【0208】前記スラスト軸受11と引張軸9の頭部9
aの下面との間に所定厚の厚肉の台座10を配置したこ
とにより、引張軸9の頭部9aの径がスラスト軸受11
の最大外径より小さい場合に、頭部9aとスラスト軸受
11との接触面積が小さくても、スラスト軸受11に局
部荷重が作用するのを防止することができる。すなわ
ち、厚さの厚い台座10を介在させることにより、45
度の角度で応力伝搬するので、荷重がスラスト軸受11
に均等に作用する。したがって、厚肉の台座10を介在
させることにより、引張軸9の頭部9aを小さくでき、
小型化かつ軽量化することができる。
【0209】前記カバー部材5は、引張強度試験器1A
の本体胴部と本体胴部の側方に突出する把手部とから構
成されている。
【0210】荷重変換器6は、図中下端部に形成された
第1フランジ部6dでカバー部材5に固着され、上端部
に形成された第2フランジ部6aでスラスト軸受11お
よび台座部10を介して引張軸9の六角頭部9aの下面
に衝合している。これにより、引張軸9に生じる引張力
の反力を圧縮力として受けるように構成されている。ま
た、第1フランジ部6dと第2フランジ部6aとの間に
は前記圧縮力を受けて弾性変形する薄肉部としての圧縮
力の受感部6bがこれらと一体的に設けられており、受
感部6bには前記圧縮力を受けた際に受感部6bの歪み
を測定する測定手段としての歪ゲージ6cが周回りに等
間隔で、例えば4箇所装着され、ブリッジ回路により電
気信号に変換して荷重を計測する。なお、本実施形態で
は、受感部6bを薄肉部として感度を高めると共に歪ゲ
ージ6cの配置スペースを確保している。
【0211】前記受感部6bは、第1フランジ部6d、
第2フランジ部6aおよび受感部6bが一体の筒状体と
してカバー部材5の下端部に固着されることで、カバー
部材5の一部として第1フランジ部6dと第2フランジ
部6aとの間に設けられた薄肉部を構成している。ま
た、歪ゲージ6cは、荷重変換器6の受感部6bに設け
られてそのスラスト方向の歪み(変形)量から引張軸9
に作用する引張り力を測定する。
【0212】図13はこの測定のための電装部のブロッ
クダイヤグラムである。電装部25は、増幅器25a
と、A/D変換部25bと、制御手段26と、表示手段
25cと、スイッチ手段21とを備えている。
【0213】前記制御手段26は、図14に示すよう
に、記憶手段26aと、比較手段26bと、カウント手
段26cと、逆回転時間決定手段26dと、制御信号発
生手段26eと、モード切換手段26fとを備え、マイ
クロコンピュータを用いて構成することができる。前記
記憶手段26aは、引張力設定値および引張力測定値の
何れか一方又は両方を記憶することができる。
【0214】前記比較手段26bは、測定手段6cによ
って測定された測定値と記憶手段26aに記憶された設
定値とを比較することができる。また、比較手段26b
は、記憶手段26aに記憶されている測定値とその後に
測定手段6cによって測定された測定値とを比較する。
【0215】前記カウント手段26cは、スイッチ21
のオンからモータ20の停止までの回転数に基づく回転
時間をカウントすることができる。前記逆回転時間決定
手段26dは、カウント手段26cによってカウントさ
れた回転数に基づく回転時間からモータ20の逆回転時
間を決定することができる。
【0216】前記制御信号発生手段26eは、歪ゲージ
6cに測定開始信号を送出するとともに、モータ20に
回転駆動信号を送出することができる。前記モード切換
手段26fは、破断値計測モード(後述するステップS
5〜7によるモード)と、強度値計測モード(後述する
ステップS8〜11によるモード)と、ピーク値計測モ
ード(後述するステップS12〜17によるモード)と
を切り換えることができる。
【0217】図26は、制御プログラムをフローチャー
トをもって示すものである。プログラムが実行される
と、ステップS1では、モータ20をスタートしてステ
ップS2の所定の時間が経過するまで低速回転し、所定
の時間が経過したらステップS3に進む。ステップS3
では、カウント手段26cを作動させ、ステップS4に
進む。ステップS4では、モータ20の回転スピードを
アップして高速回転し、ステップS5に進む。
【0218】ステップS5では、歪ゲージ6cから出力
される、ねじ部材の引張力に比例した電気信号に基づい
て引張力を測定し、ステップS6に進む。ステップS6
では、歪ゲージ6cから出力される電気信号の急激な変
動に基づいて破断したかどうかを判定し、破断した場合
にはステップS7に進み、破断しない場合にはステップ
S8に進む。ステップS7では、測定値を破断値として
表示手段25cに表示し、ステップS18に進む。ステ
ップS8では、歪ゲージ6cから出力される、ねじ部材
の引張力に比例した電気信号に基づいて引張力を測定
し、ステップS9に進む。ステップS9では、引張力の
測定値を記憶手段に記憶し、ステップS10に進む。
【0219】ステップS10では、ステップS9で記憶
されている測定値と引張力測定値とを比較し、測定値の
方が大きい場合にはステップS11に進み、大きくない
場合にはステップS12に進む。ステップS11では、
測定値を強度値として表示手段25cに表示し、ステッ
プS18に進む。ステップS12では、歪ゲージ6cか
ら出力される、ねじ部材の引張力に比例した電気信号に
基づいて引張力を測定し、ステップS13に進む。ステ
ップS13では、ステップS12で測定された測定値を
記憶手段に記憶し、ステップS14に進む。ステップS
14では、歪ゲージ6cから出力される、ねじ部材の引
張力に比例した電気信号に基づいて引張力を測定し、ス
テップS15に進む。
【0220】ステップS15では、ステップS13で記
憶された記憶値(測定値)とステップS14で測定され
た測定値とを比較し、測定値の方が大きい場合にはステ
ップS16に進み、大きくない場合にはステップS17
に進む。ステップS16では、記憶手段に記憶されてい
るステップS12の測定値をステップS14の測定値に
更新して記憶し、ステップS14に戻って、再度引張力
を測定する。
【0221】ステップS17では、記憶値をピーク値と
して表示手段25cに表示し、ステップS18に進む。
ステップS18では、モータ20の駆動トルクを減少す
る。このようにステップS18でモータ20の駆動トル
クを減少させることにより、母材19とねじ部材17と
が急激な破断をした場合に、モータにかかる負荷を低減
することができる。
【0222】ステップS19では、モータ20を一時停
止し、ステップS20に進む。ステップS20では、ス
テップS3で作動したカウント手段26cを停止し、ス
テップS21に進む。
【0223】ステップS21では、カウント手段26c
によりカウントされた回転数に応じた時間だけモータ2
0を逆回転し、ステップS22に進む。ステップS22
では、モータ20を停止する。
【0224】次に、上記実施形態の作用を説明する。先
ず、予め測定対象となるねじ部材17に適合するねじ径
を有する引張軸9を引張強度試験器1Aに取り付けてお
く。この取り付けに際しては、先ず押さえ蓋13をノブ
13aから外し、次に止め栓12をノブ2の開口から抜
き出し、次に回動軸3の中心穴3a内に引張軸9を先端
側から挿入し、次に基端側の六角頭部9aを六角穴付駆
動板8の六角穴8aに嵌合させ、次に止め栓12をノブ
13aに螺合させて止め栓12の先端部を引張軸9の六
角頭部9aに当接させる。これにより、引張軸9の軸方
向の移動を防止することができる。
【0225】そして、測定時には、引張強度試験器1A
の着座アタッチメント7の着座面を被測定物の鋼板19
の上面に当接し、次いでモータ20を低速回転してウォ
ーム14aからウォーム歯車3bに回転力を伝達し、こ
の回転力を回動軸3、六角穴付駆動板8を介して引張軸
に伝達することにより引張軸9の先端部をねじ部材17
に螺合する。モータ20をさらに高速回転して引張軸9
の回転角が、着座アタッチメント7が鋼板19に当接し
たときの回転角から次第に大きくなると、先端部とねじ
部材17との間のねじ作用によって回転角に比例した、
ねじ部材17を引き抜く方向の引張力がねじ部材17に
加わる。このとき、荷重変換器6には予めねじ部材17
の最大外径よりも大きい内径を有する着座アタッチメン
ト7が取り付けられ、さらに引張軸9が着座アタッチメ
ント7と同軸であるため、着座アタッチメント7の着座
面が自動的にねじ部材17の外周辺で鋼板19に密着
し、荷重変換器6、スラスト軸受11、台座10、引張
軸9の頭部9aを介して引張軸9の反力を支持する。そ
して、引張軸9に生じる引張力の反力は、上述の部材の
逆の順序で荷重変換器6の第2フランジ部6dに伝達さ
れ、受感部6bにはねじ部材17の引張力と等しい逆向
きの圧縮力が加えられる。なお、このときスラスト軸受
11はモータ20の回転負荷の軽減用として作用する。
【0226】上述の引張軸9に生じる引張力によって荷
重変換器6の受感部6bが軸方向に圧縮変形し、これに
伴って、歪ゲージ6cによりねじ部材17の引張力に比
例した電気信号がリセプタクルコネクタ15を介して電
装部25(図13参照)に出力され、その電気信号は電
装部25の増幅部25aで増幅され、さらにディジタル
値に変換されて表示手段25cで直読可能に表示され、
ねじ部材17を引き抜く方向の引張力を測定することが
できる。
【0227】このように、本実施形態においては、着座
アタッチメント7の着座面を鋼板19の上面にねじ部材
17の周辺で当接して引張強度試験器1Aを支持すると
ともに引張軸9の先端部をねじ部材17に螺合し、モー
タ20を回転してねじ部材17に引張力Pを加え、引張
軸9の六角頭部9aと着座アタッチメント7との間に設
けられた荷重変換器6の受感部6bを軸方向に圧縮変形
して歪ゲージ6cおよび電装部25によってねじ部材1
7の最大引張力、引張強度等を測定する。
【0228】また、着座アタッチメント7および引張軸
9を引張強度試験器1Aに着脱交換してねじ部材17の
形状、寸法に対応することができ、引張強度試験器1A
が小型化されて持ち運びが自由になり、鋼板19からね
じ部材17の部分を切り出す必要もないので、作業現場
で容易に被測定物の引き抜く強度を測定することができ
る。
【0229】さらに、本実施形態では、受感部6bを薄
肉の弾性変形部位としてその変形の量を歪ゲージ6cで
測定しているので、構成が簡素でしかも非常に小型の試
験器を実現することができる。しかも、荷重変換器6か
ら電装部25への配線をシールド構造にしつつ更にカバ
ー部材5内に設けているので、耐ノイズ性の向上と作業
中の断線防止を図ることができ、測定結果の信頼性を大
幅に向上させるとともに、試験器の操作性をも極めて良
好なものにすることができる。
【0230】また、図27の引張強度試験器1Aでは、
回動軸3の中空部3aに止め栓12が挿入されて、引張
軸9が上方向に抜けるのを防いでいる。また、引張り剥
離力をスラスト軸受11を介して支える荷重変換器6の
残る端部には、被測定部材(例えば、溶接ナット)の最
大外径より大きな内径の着座アタッチメント7を螺合し
ている。このため、ねじ部材17であるナットの呼び径
に応じて着座アタッチメント7を簡単に交換できる。
【0231】上記第1実施形態の引張強度試験器におい
ては、鉄板などの金属母材やABSなどのプラスチック
母材に溶接あるいはカシメ、圧入、一体成形により、結
合されたナットやボルトに螺合してねじの原理による引
張力(軸力)を同ナットやボルトに与えるねじ部9cを
先端部に備え、基端部に、回転駆動力を受けると共に、
引張力(軸力)の反力を、スラスト軸受11を介して受
ける頭部9aを有する引張軸9を、前記回転力の回転中
心に回動自在に備えると共に、引張軸9の回転力受荷部
分に嵌合して引張軸9に回転力を与える、引張軸9の頭
部9aの最大外径より大きな内径の中空の回動軸3を回
動自在に引張軸9と同軸に備えているので、引張軸9が
緩むことがなく、被測定物の呼び径の変更や、引張軸9
の摩耗、折損等による引張軸の着脱交換を、迅速に行う
ことができる。
【0232】また、ねじ部材17を取り付けた鋼板19
に鋼板からねじ部材17を引き抜く方向の引張力を加
え、引張力から引張強度を測定する引張強度試験器にお
いて、鋼板に当接する着座部7cを固定する中空の外筒
部である胴部5aと、胴部5aに回動自在に保持される
中空の回動軸3と、回動軸3から回動力が伝達されるよ
うに連結手段である六角穴付駆動板8を介して六角頭部
9aが連結され、頭部9aより細径の軸部9bの先端部
でねじ部材17に螺合して回動角に応じた引張力をねじ
部材17に与える引張軸9と、引張軸9に発生する引張
力を測定する測定手段である歪ゲージ6cと、胴部5a
の側面に突設する把手部2と、把手部2内に配置されて
いる駆動手段であるモータ20と、モータ20と回動軸
3との間に設けられている駆動力伝達手段(ウォーム1
4a、ウォーム歯車3b)とを備えているので、上方か
らの引張軸9の交換性を確保しながら、引張強度試験器
1Aを横持ちにより垂直に立てることができるため、モ
ータ20による自動駆動でも安定させることができる。
【0233】また、駆動力伝達手段は、モータ20側の
ウォーム14aとウォーム14aに歯合する回動軸3側
のウォーム歯車3bとからなるウォーム歯車装置である
ので、小さなモータ20でも容易に大きなトルクを稼ぐ
ことが可能となり、モータ20の配設自由度が増加し、
引張強度試験器1Aの把手部2の内部にモータ20を収
納することが可能となる。
【0234】また、図16(A)に示すように、モータ
20の駆動軸14は、回動軸3の回転中心よりオフセッ
トされているので、把手部2も必然的にオフセットさ
れ、特に把手部2と平行な方向から見た場合における、
引張軸9の被測定部であるねじ部材17への位置合わせ
/セットへの視認性を向上させることができる。
【0235】また、モータ20、ウォーム14a、ウォ
ーム歯車3bおよび把手部2は、引張強度試験器1Aの
重心位置Gを通過する水平軸線上に設けられているの
で、モータ20の駆動と引張軸9による回転に伴い、安
定したホールド性を確保することができる。また、重心
位置Gの安定化を達成することができる。
【0236】また、回動軸3は軸方向に離間した複数の
軸受4により軸支されており、ウォーム14aおよびウ
ォーム歯車3bは、隣合う軸受4間に配置されているの
で、スラスト荷重の発生を抑制することができる。
【0237】また、図17(A),(B)の第3実施形
態に示すように、駆動力伝達手段は、ベベルギア34
a,23bであるので、モータ20、把手部2を簡易な
構成で重心位置を通過する水平軸線上に配置することが
できる。
【0238】また、モータ20のオン/オフスイッチ2
1を把手部2の胴部5a近傍に設けたので、オフセット
によって重心位置が回転中心からずれていても、重心位
置Gに近い箇所にスイッチ21を押す力が作用し、その
力の作用による引張強度試験器本体への影響を抑制する
ことができる。
【0239】また、図17(C)の第4実施形態に示す
ように、駆動軸14は、自在継手Uを介してウォーム1
4aに連結され、把手部2は、回動軸3の回転中心を通
る水平線上に配置されているので、把手部2を回転中心
を通る水平線上に設けたので、重心位置Gのずれを抑制
でき、それによる引張強度試験器本体のぶれを防止でき
る。
【0240】また、図16(B)の第2実施形態に示す
ように、外筒部5aには、把手部2と異なる位置に第2
の把手部2Bが設けられているので、オフセットにより
重心位置Gが変動した場合、変動による引張強度試験器
本体のぶれを抑制するために、ホールド性を向上させる
ことができる。また、図16(A)に示すように、スイ
ッチ21を回転軸Kを挟んで把手部2とほぼ対向するよ
うに配置することによりスイッチ21を押す力により本
体が位置ずれすることがない。
【0241】また、第2の把手部2Bは、モータ20を
内蔵した把手部2に対して点対称の形状であるので、オ
フセットによる重心位置Gの変動を防止することができ
る。
【0242】図27の引張強度試験器1Aでは、中心に
引張軸9の六角頭9aと嵌合する六角穴8aを設けた六
角穴付駆動板8を回動軸3の先端にねじ16で固定して
いるが、これは、回動軸3の先端に底部を一体に加工し
底部の中心に駆動穴(この場合、六角穴)を設けても良
い。駆動穴は六角に限らず、回転力を与えられれば、ど
んな形状でもよい。
【0243】図27の引張強度試験器1Aは、ねじ部材
17を取り付けた鋼板19に鋼板19からねじ部材17
を引き抜く方向の引張力を、ねじ部材17に螺合する引
張軸9を駆動するモータ20を介して加え、該引張力か
ら引抜き強度を測定する引張強度試験器において、引張
軸19に発生する引張力を測定する歪ゲージ6cと、モ
ータ20の駆動開始から所定時間、即ち引張軸9とねじ
部材17とが螺合するまでの時間は引張軸9を測定時の
回転スピードより低速回転し、所定時間経過後、即ち螺
合した後に測定時の回転速度となるように制御する制御
手段26とを備えていることを特徴としているので、モ
ータ20の駆動開始から所定時間は引張軸9を測定時の
回転スピードより低速回転させることにより、引張軸9
とねじ部材17との螺合を容易にし、所定時間経過して
螺合した後、測定時の回転速度となるように制御してい
るので、モータ20等の駆動手段を用いても確実かつ安
定して螺合させることができるとともに、測定の迅速化
を達成できる。
【0244】また、上記引張強度試験器1Aは、ねじ部
材17を取り付けた鋼板19に鋼板19からねじ部材1
7を引き抜く方向の引張力をねじ部材17に螺合する引
張軸9を駆動するモータ20を介して加え、該引張力か
ら引抜き強度を測定する引張強度試験器において、鋼板
19に当接する着座部7cを固定する中空の胴部5a
と、胴部5aに回動自在に保持される中空の回動軸3
と、回動軸3から回動力が伝達されるように連結手段を
介して頭部9aが連結され、頭部9aより細径の軸部9
bの先端部でねじ部材17に螺合して回動角に応じた引
張力をねじ部材17に与える引張軸9と、引張軸9に発
生する引張力を測定する歪ゲージ6cと、モータ20の
駆動開始から所定時間、即ち引張軸9とねじ部材17と
が螺合するまでは、引張軸9を測定時の回転速度より低
速回転し、所定時間経過後、即ち螺合した後に測定時の
回転速度となるように制御する制御手段26とを備えて
いることを特徴としているので、回動軸3と引張軸9と
の連結部分において、反力を吸収しつつ回動軸3の回動
力を引張軸9に伝達することができ、結合部分の緩みの
発生を防止することができるとともに、モータ20の駆
動開始から所定時間は引張軸9を測定時の回転スピード
より低速回転させることにより、引張軸9とねじ部材1
7との螺合を容易にし、所定時間経過して螺合した後、
測定時の回転速度となるように制御しているので、モー
タ20等の駆動手段を用いても確実かつ安定して螺合さ
せることができるとともに、測定の迅速化を達成でき
る。
【0245】また、上記引張強度試験器は、引張力の設
定値を記憶する記憶手段26aと、歪ゲージ6cによっ
て測定された測定値と記憶手段26aに記憶された設定
値とを比較する比較手段26bと、比較手段26bの比
較結果に基づいて、モータ20を停止する制御信号を発
生する制御信号発生手段26eとを備える制御手段26
とを備えているので、安全を保証する設定値に基づいて
強度値を測定でき、ある設定値での強度で評価をする被
測定物に対応することができる。また、被加工物を破断
させる必要がないので、引張軸9にねじ部材17が食い
込む虞がない。
【0246】また、上記引張強度試験器1Aは、記憶手
段26aによって記憶された引張力設定値に達する前
に、引張力のピーク値/破断値が測定された場合に、モ
ータ20を停止するように制御する制御手段26を備え
ているので、強度不良等で早めに破断して破断したデー
タが測定された場合、モータ20を停止することによ
り、モータ20の不要な駆動を防止することができる。
【0247】また、上記引張強度試験器1Aは、測定さ
れたピーク値/破断値を表示する表示手段25cを備え
ているので、ピーク値/破断値を表示することができ、
成形作業現場等に持ち運んで容易に抜去力の測定、引抜
き強度の合否検査等を行うことが出来る小型の引張強度
試験器である。
【0248】また、上記引張強度試験器1Aは、歪ゲー
ジ6cによって測定された測定値を記憶する記憶手段2
6aと、記憶手段26aに記憶されている測定値とその
後に歪ゲージ6cによって測定された測定値とを比較す
る比較手段26bと、比較手段26bの比較結果に基づ
いてモータ20を停止するように制御信号を発生する制
御信号発生手段26eとを有する制御手段26とを備え
ているので、比較手段26bの比較結果に基づいてモー
タ20を停止することができる。
【0249】また、被測定物の強度は強度ピーク値がわ
かるだけでもその被測定物の強度を知ることができ、上
記引張強度試験器1Aは、引張力の引張力設定値を記憶
する記憶手段26aと、歪ゲージ6cによって測定され
た引張力測定値を記憶する記憶手段26aと、記憶され
た引張力測定値と引張力設定値とを比較する比較手段2
6bと、引張力測定値のほうが引張力設定値より大きい
場合には引張力設定値を引張力測定値に更新して更新さ
れた引張力設定値として記憶するとともに、再度引張力
を測定し、更新された引張力設定値のほうが大きい場合
には更新された引張力設定値をピーク値として表示手段
25cに表示するように制御信号を発生する制御信号発
生手段26eとを有する制御手段を備えているので、記
憶値より測定値が低いとピーク値がわかり、その記憶値
をピーク値とすることにより、ピーク値を測定すること
ができ、これにより被測定物の強度を測定することがで
きる。
【0250】また、上記引張強度試験器1Aは、制御手
段26が、ピーク値を表示した後にモータ20を逆回転
し、逆回転した後にモータ20を停止するように制御信
号発生手段26eから制御信号を発生するように制御す
るので、引張軸9からねじ部材17を取り外すことが容
易である。
【0251】また、上記引張強度試験器1Aは、引張力
の設定値を記憶する記憶手段26aと、歪ゲージ6cに
よって測定された引張力測定値を記憶する記憶手段26
aと、記憶された測定値と設定値とを比較する比較手段
26bと、比較手段26bの比較結果に基づいて、モー
タ20を停止するように制御信号発生手段26eから制
御信号を発生するように制御する制御手段26と、記憶
手段26aによって記憶された引張力設定値に達する前
に、引張力のピーク値/破断値が測定された場合に、測
定されたピーク値/破断値をピーク値/破断値と表示手
段25cに表示してモータ20を停止し、引張力測定値
のほうが引張力設定値より大きい場合には、引張力設定
値を引張力測定値に更新して更新された引張力設定値と
して記憶手段26aに記憶するとともに、再度引張力を
測定し、更新された引張力設定値のほうが大きい場合に
は更新された引張力設定値をピーク値として表示手段2
5cに表示して駆動手段を停止するように制御する制御
手段とを備えているので、記憶手段26aによって記憶
された引張力設定値に達する前に、引張力のピーク値/
破断値が測定された場合に、測定されたピーク値/破断
値をピーク値/破断値として表示手段25cに表示して
モータ20を停止することにより、引張力設定値に達す
る前にピーク値/破断値が測定された場合でもピーク値
/破断値を測定することができ、引張力測定値のほうが
引張力設定値より大きい場合には、引張力設定値を引張
力測定値に更新して更新された引張力設定値として記憶
手段26aに記憶するとともに、再度引張力を測定し、
更新された引張力設定値のほうが大きい場合には更新さ
れた引張力設定値をピーク値として表示手段25cに表
示してモータ20を停止することにより、ピーク値を知
ることができる。
【0252】また、上記引張強度試験器1Aは、制御手
段26が、モータ20を停止する前に逆回転させるよう
に制御信号発生手段26eから制御信号を発生するよう
に制御するので、引張軸9からねじ部材17を取り外す
ことが容易である。
【0253】また、上記引張強度試験器1Aは、モータ
20をオン/オフするスイッチ21と、スイッチ21の
オンからモータ20の停止までの回転時間をカウントす
るカウント手段26cと、カウント手段26cによって
カウントされた回転時間に基づいてモータ20の逆回転
時間を決定する逆回転時間決定手段26dとを備え、制
御手段26は、セット値/ピーク値が測定された後、逆
回転時間決定手段26dで決定した逆回転時間に基づき
モータ20を逆回転をし、その逆回転時間経過後にモー
タ20を停止するように制御信号発生手段26eから制
御信号を発生するように制御するので、モータ20を停
止する前にモータ20の正回転時間に基づいてモータ2
0を逆回転させることができ、引張軸9からねじ部材1
7を取り外すことがきわめて容易である。
【0254】図35は、第2実施形態に係わる引張強度
試験器1Bを示す正面断面図である。 この第2実施形
態の引張強度試験器1Bでは、モータ駆動および制御部
分については第1実施形態の引張強度試験器1Aと同様
である。
【0255】前記着座アタッチメント47は圧縮力受感
部である荷重変換器6の下端部に螺合している。そし
て、着座アタッチメント47のねじ部47dは、引張軸
9のねじ部9cと逆ねじに形成されている。また着座ア
タッチメント7には破断したナット17が当接する係止
手段である凹凸部47hが形成されている。さらに、着
座アタッチメント47の先端部である着座面47cを含
む部分は磁化されて磁石となっている。
【0256】前記引張軸9はその先端部が着座アタッチ
メント47の下端部より上側に位置する長さに形成され
ている。即ち、引張軸9の先端部は着座アタッチメント
47の下端部の着座面47cより奥側に配置されてい
る。
【0257】また、押さえ蓋13に当接する規制部材4
1が設けられている。この規制部材41は引張軸9の引
っ込み量を規制する。即ち、引張軸9の頭部9aが六角
穴付駆動板8から外れないようになっている。前記規制
部材41と引張軸9との間には弾性部材であるばね42
が引張軸9を下方に付勢するように配設されている。こ
のばね42の代わりにゴム等の他の弾性部材であっても
よい。
【0258】図30は、着座アタッチメントおよび着座
アタッチメントが螺合する部材を示す図であり、(A)
は着座アタッチメントが螺合する部材の斜視図、(B)
は着座アタッチメントの斜視図、(C)は着座アタッチ
メントの変形例の断面図、(D)は着座アタッチメント
の他の変形例の断面図である。
【0259】図30(A)に示すように、胴部5aと着
座アタッチメント47との間に設けられ、胴部5aに圧
入固定されるリング状の固定部材43はその内周に荷重
変換器6のねじ部6eおよび着座アタッチメント47の
ねじ部47dを螺合するねじ部43aが設けられてい
る。このねじ部43aは周方向に等間隔で互いに離間し
て形成されている。
【0260】図30(B)に示すように、着座アタッチ
メント47は、引張軸9が遊合する穴47bが形成さ
れ、ねじ部43aに螺合するねじ部47dが周方向に等
間隔で互いに離間して形成されている。そして、固定部
材43と着座アタッチメント47とはねじ部43aとね
じ部47dとが螺合し、軸回りに所定角度回転すること
により、螺合が解除されて軸方向に互いに位置調整する
ことができる。
【0261】図30(C)に示すように、上述した凹凸
部7hの代わりに係止手段であるテーパ部47fを設け
て着座アタッチメント47Aとしてもよく、また、図3
0(D)に示すように、ねじ部材17に軸回りに係合す
ることができる係止手段である例えば六角穴47gを設
けて着座アタッチメント47Bとしてもよい。
【0262】以上、説明したように、引張強度試験器に
よれば、ねじ部材17を取り付けた母材19に該母材1
9からねじ部材17を引き抜く方向の引張力を、引張軸
9を介して加え、引張力から引張強度を測定する引張強
度試験器において、母材19に当接する着座アタッチメ
ント7,47は、胴部5a/圧縮力受感部6bに対して
螺合しているので、着座アタッチメント7,47を回転
させることで高さ調整が容易となり、引張軸9をねじ部
材17に接触させて、最初に螺合させる際に着座アタッ
チメント7,47を母材19に当接することができ、本
体がぐらつくことなく安定させて螺合させることができ
る。また、着座アタッチメント7,47が螺合により取
り付けられているので、着座アタッチメント7,47の
交換が容易である。
【0263】また、引張強度試験器によれば、着座アタ
ッチメント7,47のねじ部7d,47dは、引張軸9
のねじ部9cと逆ねじに形成されているので、着座アタ
ッチメント7,47のねじ部7d,47dと引張軸9の
ねじ部9cとが連れ回りするのを防止することができ
る。
【0264】また、引張強度試験器によれば、引張軸9
の先端部は着座アタッチメント7,47の先端部より奥
側に配置されているので、奥側に配置する方が、調整が
し易く、スパンが短くて調整用の長さが短くてすみ、母
材19にセットし易い。
【0265】また、引張強度試験器によれば、着座アタ
ッチメント7,47のねじ部材17の当接部にねじ部材
17を係止する係止手段7h,47hを有するので、着
座アタッチメント7,47を母材19に当接する際およ
び当接した後に着座アタッチメント7,47の先端部が
母材19に吸引されるので母材19へのセット性を向上
することができる。
【0266】また、引張強度試験器によれば、着座アタ
ッチメント4,47の少なくとも先端部は磁石であるの
で、着座アタッチメント4,47を母材19に当接する
際および当接した後に着座アタッチメント4,47の先
端部が母材19に吸引され、母材19へのセット性を向
上することができる。
【0267】また、引張強度試験器によれば、着座アタ
ッチメントの内径形状7,47は、少なくとも回転方向
でねじ部材17の外径形状に係合するので、着座アタッ
チメントを回転させれば引張軸9からねじ部材17を除
去することができる。
【0268】また、引張強度試験器によれば、着座アタ
ッチメント7,47のねじ部7d,47dは周方向の一
部に所定間隔で形成されているとともに、胴部5aの固
定部材43のねじ部43a(荷重変換器6のねじ部)も
周方向の一部に所定間隔で形成され、着座アタッチメン
ト7,47と胴部5aとは互いの回転角に応じて軸方向
に係脱自在に形成されているので、着座アタッチメント
7,47と胴部5a/荷重変換器6とは互いの回転角に
応じて軸方向に係脱自在に形成されていることにより着
座アタッチメント7,47を上下方向に移動させて、迅
速に高さ調整することができる。
【0269】また、上記引張強度試験器によれば、ねじ
部材17を取り付けた母材19に母材19からねじ部材
17を引き抜く方向の引張力を引張部材9を介して加
え、該引張力から引抜き強度を測定する引張強度試験器
において、引張部材9の先端部は母材19に当接する着
座アタッチメント7,47の先端部より奥側に配置され
ているので、本体がぐらつくことなく安定させて螺合さ
せることができ、したがって、引張部材9をねじ部材1
7にセットし易い。
【0270】また、上記引張強度試験器によれば、着座
アタッチメント7,47の少なくとも先端部は磁石であ
るので、本体がぐらつくことなく安定させて螺合させる
ことができ、したがって、引張部材9をねじ部材17に
セットし易く、母材19へのセット性が向上する。
【0271】また、上記引張強度試験器によれば、着座
アタッチメント4,47の内径形状は、少なくとも回転
方向でねじ部材17の外径形状に係合するように形成さ
れているので、着座アタッチメント7,47を回転させ
れば引張部材9からねじ部材17を除去できる。
【0272】また、上記引張強度試験器によれば、ねじ
部材17を取り付けた母材19に母材19からねじ部材
17を引き抜く方向の引張力を、ねじ部材17に螺合す
る引張軸9を駆動するモータ20を介して加え、引張力
から引抜き強度を測定する引張強度試験器において、母
材19に当接する着座部7cを固定する中空の外筒部材
5aと、外筒部材5aに回動自在に保持される中空の回
動軸3と、回動軸3から回動力が伝達されるように六角
穴付駆動板8を介して頭部9aが連結され、頭部9aよ
り細径の軸部先端部でねじ部材17に螺合して回動角に
応じた引張力をねじ部材17に与える引張軸9と、引張
軸9の頭部9aを、止め栓13を介して弾性保持する弾
性部材42と、を備えているので、ねじ部材17が引張
軸9に当接した際に、頭部9aが弾性部材42で保持さ
れている引張軸9が引っ込み、当接の衝撃が緩和され、
螺合の確実性が大幅に増加する。
【0273】また、上記引張強度試験器によれば、引張
軸9の引っ込み量は、着座アタッチメント7,47が母
材19に当接する引っ込み量であるので、着座アタッチ
メント7,47が母材19に当接可能である。
【0274】また、上記引張強度試験器によれば、止め
栓13に引張軸9の引っ込み量を規制する規制手段41
aが設けられているので、規制手段41aにより引張軸
9の引っ込み量を規制することができる。
【0275】また、上記引張強度試験器によれば、着座
アタッチメントの少なくとも先端部は磁石であるので、
着座アタッチメント7,47を母材19に当接する際お
よび当接した後に着座アタッチメント7,47の先端部
が母材19に吸引されるので母材19へのセット性を向
上することができる。
【0276】また、上記引張強度試験器によれば、引張
軸9の少なくとも先端部は磁化されているので、引張軸
9の先端にねじ部材17を接触させることが容易であ
る。
【0277】また、上記引張強度試験器によれば、ねじ
部材17を取り付けた母材19に母材19からねじ部材
17を引き抜く方向の引張力を加え、引張力から引抜き
強度を測定する歪ゲージ6cを有する引張強度試験器に
おいて、歪ゲージ6cによって測定された引張力測定値
を記憶する記憶手段26aと、記憶された引張力測定値
と引張力設定値とを比較する比較手段26bと、引張力
測定値のほうが引張力設定値より大きい場合には引張力
設定値を引張力測定値に更新して更新された引張力設定
値として記憶するとともに、再度引張力を測定し、更新
された引張力設定値のほうが大きい場合には更新された
引張力設定値をピーク値として表示手段25cに表示す
るとともに、モータ20の駆動トルクを減少させるよう
に制御する制御手段26とを備えているので、ピーク値
を測定できるとともに、急激な破断をした場合に、モー
タ20にかかる負荷を低減することができる。
【0278】また、上記引張強度試験器によれば、制御
手段26は、表示した後にモータ20を逆回転し、逆回
転した後にモータ20を停止するように制御するので、
引張部材からねじ部材を取り外すことが容易である。
【0279】(10)(表示について) 図19において、表示部31は、歪ゲージ26から出力
された電気信号を増幅し、デジタル変換してこれをピー
クホールドし、常時ピーク値を表示するようになってい
る。
【0280】さらに、この表示部31にはモード選択ス
イッチが設けられ、このモード選択スイッチに従って、
(A)設定モードの場合は設定値と随時測定された測定
値とを少なくとも表示し、(B)ピーク値測定モードの
場合はピーク値を少なくとも表示する、(C)破断値測
定モードの場合は破断値を少なくとも表示する。もちろ
ん、この表示は図1〜10に示した実施例、図18〜2
5に示した実施例のような手動回転の実施例でも表示可
能である。
【0281】(11)(着座アタッチメントについて) この着座アタッチメントは、図1〜10に示した実施
例、図18〜25に示した実施例のような手動回転の実
施例にも応用することができる。
【0282】図27に示すように、前記着座アタッチメ
ント7は圧縮力受感部である荷重変換器6の下端部に螺
合している。そして、着座アタッチメント7のねじ部7
dは、引張軸9のねじ部9cと逆ねじに形成されてい
る。また着座アタッチメント7には破断したナット17
が当接する係止手段である凹凸部7hが形成されてい
る。さらに、着座アタッチメント7の先端部である着座
面7cを含む部分は磁化されて磁石となっている。前記
引張軸9はその先端部が着座アタッチメント7の下端部
より上側に位置する長さに形成されている。即ち、引張
軸9の先端部は着座アタッチメント7の下端部の着座面
7cより奥側に配置されている。さらに、引張軸9の少
なくとも先端部は磁化されている。
【0283】図27の引張強度試験器1Aは、ねじ部材
17を取り付けた鋼板19に鋼板19からねじ部材17
を引き抜く方向の引張力を、ねじ部材17に螺合する引
張軸9を駆動するモータ20を介して加え、該引張力か
ら引抜き強度を測定する引張強度試験器において、引張
軸19に発生する引張力を測定する歪ゲージ6cと、モ
ータ20の駆動開始から所定時間、即ち引張軸9とねじ
部材17とが螺合するまでの時間は引張軸9を測定時の
回転スピードより低速回転し、所定時間経過後、即ち螺
合した後に測定時の回転速度となるように制御する制御
手段26とを備えていることを特徴としているので、モ
ータ20の駆動開始から所定時間は引張軸9を測定時の
回転スピードより低速回転させることにより、引張軸9
とねじ部材17との螺合を容易にし、所定時間経過して
螺合した後、測定時の回転速度となるように制御してい
るので、モータ20等の駆動手段を用いても確実かつ安
定して螺合させることができるとともに、測定の迅速化
を達成できる。
【0284】また、上記引張強度試験器1Aは、ねじ部
材17を取り付けた鋼板19に鋼板19からねじ部材1
7を引き抜く方向の引張力をねじ部材17に螺合する引
張軸9を駆動するモータ20を介して加え、該引張力か
ら引抜き強度を測定する引張強度試験器において、鋼板
19に当接する着座部7cを固定する中空の胴部5a
と、胴部5aに回動自在に保持される中空の回動軸3
と、回動軸3から回動力が伝達されるように連結手段を
介して頭部9aが連結され、頭部9aより細径の軸部9
bの先端部でねじ部材17に螺合して回動角に応じた引
張力をねじ部材17に与える引張軸9と、引張軸9に発
生する引張力を測定する歪ゲージ6cと、モータ20の
駆動開始から所定時間、即ち引張軸9とねじ部材17と
が螺合するまでは、引張軸9を測定時の回転速度より低
速回転し、所定時間経過後、即ち螺合した後に測定時の
回転速度となるように制御する制御手段26とを備えて
いることを特徴としているので、回動軸3と引張軸9と
の連結部分において、反力を吸収しつつ回動軸3の回動
力を引張軸9に伝達することができ、結合部分の緩みの
発生を防止することができるとともに、モータ20の駆
動開始から所定時間は引張軸9を測定時の回転スピード
より低速回転させることにより、引張軸9とねじ部材1
7との螺合を容易にし、所定時間経過して螺合した後、
測定時の回転速度となるように制御しているので、モー
タ20等の駆動手段を用いても確実かつ安定して螺合さ
せることができるとともに、測定の迅速化を達成でき
る。
【0285】また、上記引張強度試験器は、引張力の設
定値を記憶する記憶手段26aと、歪ゲージ6cによっ
て測定された測定値と記憶手段26aに記憶された設定
値とを比較する比較手段26bと、比較手段26bの比
較結果に基づいて、モータ20を停止する制御信号を発
生する制御信号発生手段26eとを備える制御手段26
とを備えているので、安全を保証する設定値に基づいて
強度値を測定でき、ある設定値での強度で評価をする被
測定物に対応することができる。また、被加工物を破断
させる必要がないので、引張軸9にねじ部材17が食い
込む虞がない。
【0286】また、上記引張強度試験器1Aは、記憶手
段26aによって記憶された引張力設定値に達する前
に、引張力のピーク値/破断値が測定された場合に、モ
ータ20を停止するように制御する制御手段26を備え
ているので、強度不良等で早めに破断して破断したデー
タが測定された場合、モータ20を停止することによ
り、モータ20の不要な駆動を防止することができる。
【0287】また、上記引張強度試験器1Aは、測定さ
れたピーク値/破断値を表示する表示手段25cを備え
ているので、ピーク値/破断値を表示することができ、
成形作業現場等に持ち運んで容易に抜去力の測定、引抜
き強度の合否検査等を行うことが出来る小型の引張強度
試験器である。
【0288】また、上記引張強度試験器1Aは、歪ゲー
ジ6cによって測定された測定値を記憶する記憶手段2
6aと、記憶手段26aに記憶されている測定値とその
後に歪ゲージ6cによって測定された測定値とを比較す
る比較手段26bと、比較手段26bの比較結果に基づ
いてモータ20を停止するように制御信号を発生する制
御信号発生手段26eとを有する制御手段26とを備え
ているので、比較手段26bの比較結果に基づいてモー
タ20を停止することができる。
【0289】また、被測定物の強度は強度ピーク値がわ
かるだけでもその被測定物の強度を知ることができ、上
記引張強度試験器1Aは、引張力の引張力設定値を記憶
する記憶手段26aと、歪ゲージ6cによって測定され
た引張力測定値を記憶する記憶手段26aと、記憶され
た引張力測定値と引張力設定値とを比較する比較手段2
6bと、引張力測定値のほうが引張力設定値より大きい
場合には引張力設定値を引張力測定値に更新して更新さ
れた引張力設定値として記憶するとともに、再度引張力
を測定し、更新された引張力設定値のほうが大きい場合
には更新された引張力設定値をピーク値として表示手段
25cに表示するように制御信号を発生する制御信号発
生手段26eとを有する制御手段を備えているので、記
憶値より測定値が低いとピーク値がわかり、その記憶値
をピーク値とすることにより、ピーク値を測定すること
ができ、これにより被測定物の強度を測定することがで
きる。
【0290】また、上記引張強度試験器1Aは、制御手
段26が、ピーク値を表示した後にモータ20を逆回転
し、逆回転した後にモータ20を停止するように制御信
号発生手段26eから制御信号を発生するように制御す
るので、引張軸9からねじ部材17を取り外すことが容
易である。
【0291】また、上記引張強度試験器1Aは、引張力
の設定値を記憶する記憶手段26aと、歪ゲージ6cに
よって測定された引張力測定値を記憶する記憶手段26
aと、記憶された測定値と設定値とを比較する比較手段
26bと、比較手段26bの比較結果に基づいて、モー
タ20を停止するように制御信号発生手段26eから制
御信号を発生するように制御する制御手段26と、記憶
手段26aによって記憶された引張力設定値に達する前
に、引張力のピーク値/破断値が測定された場合に、測
定されたピーク値/破断値をピーク値/破断値と表示手
段25cに表示してモータ20を停止し、引張力測定値
のほうが引張力設定値より大きい場合には、引張力設定
値を引張力測定値に更新して更新された引張力設定値と
して記憶手段26aに記憶するとともに、再度引張力を
測定し、更新された引張力設定値のほうが大きい場合に
は更新された引張力設定値をピーク値として表示手段2
5cに表示して駆動手段を停止するように制御する制御
手段とを備えているので、記憶手段26aによって記憶
された引張力設定値に達する前に、引張力のピーク値/
破断値が測定された場合に、測定されたピーク値/破断
値をピーク値/破断値として表示手段25cに表示して
モータ20を停止することにより、引張力設定値に達す
る前にピーク値/破断値が測定された場合でもピーク値
/破断値を測定することができ、引張力測定値のほうが
引張力設定値より大きい場合には、引張力設定値を引張
力測定値に更新して更新された引張力設定値として記憶
手段26aに記憶するとともに、再度引張力を測定し、
更新された引張力設定値のほうが大きい場合には更新さ
れた引張力設定値をピーク値として表示手段25cに表
示してモータ20を停止することにより、ピーク値を知
ることができる。
【0292】また、上記引張強度試験器1Aは、制御手
段26が、モータ20を停止する前に逆回転させるよう
に制御信号発生手段26eから制御信号を発生するよう
に制御するので、引張軸9からねじ部材17を取り外す
ことが容易である。
【0293】また、上記引張強度試験器1Aは、モータ
20をオン/オフするスイッチ21と、スイッチ21の
オンからモータ20の停止までの回転時間をカウントす
るカウント手段26cと、カウント手段26cによって
カウントされた回転時間に基づいてモータ20の逆回転
時間を決定する逆回転時間決定手段26dとを備え、制
御手段26は、セット値/ピーク値が測定された後、逆
回転時間決定手段26dで決定した逆回転時間に基づき
モータ20を逆回転をし、その逆回転時間経過後にモー
タ20を停止するように制御信号発生手段26eから制
御信号を発生するように制御するので、モータ20を停
止する前にモータ20の正回転時間に基づいてモータ2
0を逆回転させることができ、引張軸9からねじ部材1
7を取り外すことがきわめて容易である。
【0294】図28は、第2実施形態に係わる引張強度
試験器1Bを示す正面断面図である。前記着座アタッチ
メント47は圧縮力受感部である荷重変換器6の下端部
に螺合している。そして、着座アタッチメント47のね
じ部47dは、引張軸9のねじ部9cと逆ねじに形成さ
れている。また着座アタッチメント7には破断したナッ
ト17が当接する係止手段である凹凸部47hが形成さ
れている。さらに、着座アタッチメント47の先端部で
ある着座面47cを含む部分は磁化されて磁石となって
いる。
【0295】前記引張軸9はその先端部が着座アタッチ
メント47の下端部より上側に位置する長さに形成され
ている。即ち、引張軸9の先端部は着座アタッチメント
47の下端部の着座面47cより奥側に配置されてい
る。
【0296】また、押さえ蓋13に当接する規制部材4
1が設けられている。この規制部材41は引張軸9の引
っ込み量を規制する。即ち、引張軸9の頭部9aが六角
穴付駆動板8から外れないようになっている。
【0297】前記規制部材41と引張軸9との間には弾
性部材であるばね42が引張軸9を下方に付勢するよう
に配設されている。このばね42の代わりにゴム等の他
の弾性部材であってもよい。
【0298】図30は、着座アタッチメントおよび着座
アタッチメントが螺合する部材を示す図であり、(A)
は着座アタッチメントが螺合する部材の斜視図、(B)
は着座アタッチメントの斜視図、(C)は着座アタッチ
メントの変形例の断面図、(D)は着座アタッチメント
の他の変形例の断面図である。
【0299】図30(A)に示すように、胴部5aと着
座アタッチメント47との間に設けられ、胴部5aに圧
入固定されるリング状の固定部材43はその内周に荷重
変換器6のねじ部6eおよび着座アタッチメント47の
ねじ部47dを螺合するねじ部43aが設けられてい
る。このねじ部43aは周方向に等間隔で互いに離間し
て形成されている。
【0300】図30(B)に示すように、着座アタッチ
メント47は、引張軸9が遊合する穴47bが形成さ
れ、ねじ部43aに螺合するねじ部47dが周方向に等
間隔で互いに離間して形成されている。そして、固定部
材43と着座アタッチメント47とはねじ部43aとね
じ部47dとが螺合し、軸回りに所定角度回転すること
により、螺合が解除されて軸方向に互いに位置調整する
ことができる。
【0301】図30(C)に示すように、上述した凹凸
部7hの代わりに係止手段であるテーパ部47fを設け
てもよく、また、図30(D)に示すように、ねじ部材
17に軸回りに係合することができる係止手段である例
えば六角穴47gを設けるようにしてもよい。
【0302】図29は、第3実施形態に係わる引張強度
試験器を示す正面断面図である。この第3実施形態の引
張強度試験器1Cでは、第1実施形態の引張強度試験器
1Aのモータ駆動および制御部分を第2実施形態の引張
強度試験器1Bに適用したものである。
【0303】以上、説明したように、上記引張強度試験
器によれば、ねじ部材17を取り付けた母材19に該母
材19からねじ部材17を引き抜く方向の引張力を、引
張軸9を介して加え、引張力から引張強度を測定する引
張強度試験器において、母材19に当接する着座アタッ
チメント7,47は、胴部5a/荷重変換器6に対して
螺合しているので、着座アタッチメント7,47を回転
させることで高さ調整が容易となり、引張軸9をねじ部
材17に接触させて、最初に螺合させる際に着座アタッ
チメント7,47を母材19に当接することができ、本
体がぐらつくことなく安定させて螺合させることができ
る。また、着座アタッチメント7,47が螺合により取
り付けられているので、着座アタッチメント7,47の
交換が容易である。
【0304】また、上記引張強度試験器によれば、着座
アタッチメント7,47のねじ部7d,47dは、引張
軸9のねじ部9cと逆ねじに形成されているので、着座
アタッチメント7,47のねじ部7d,47dと引張軸
9のねじ部9cとが連れ回りするのを防止することがで
きる。
【0305】また、上記引張強度試験器によれば、引張
軸9の先端部は着座アタッチメント7,47の先端部よ
り奥側に配置されているので、奥側に配置する方が、調
整がし易く、スパンが短くて調整用の長さが短くてす
み、母材19にセットし易い。
【0306】また、上記引張強度試験器によれば、着座
アタッチメント7,47のねじ部材17の当接部にねじ
部材17を係止する係止手段7h,47hを有するの
で、着座アタッチメント7,47を母材19に当接する
際および当接した後に着座アタッチメント7,47の先
端部が母材19に吸引されるので母材19へのセット性
を向上することができる。
【0307】また、上記引張強度試験器によれば、着座
アタッチメント4,47の少なくとも先端部は磁石であ
るので、着座アタッチメント4,47を母材19に当接
する際および当接した後に着座アタッチメント4,47
の先端部が母材19に吸引され、母材19へのセット性
を向上することができる。
【0308】また、上記引張強度試験器によれば、着座
アタッチメントの内径形状7,47は、少なくとも回転
方向でねじ部材17の外径形状に係合するので、着座ア
タッチメントを回転させれば引張軸9からねじ部材17
を除去することができる。
【0309】また、上記引張強度試験器によれば、着座
アタッチメント7,47のねじ部7d,47dは周方向
の一部に所定間隔で形成されているとともに、胴部5a
の固定部材43のねじ部43a(荷重変換器6のねじ
部)も周方向の一部に所定間隔で形成され、着座アタッ
チメント7,47と胴部5aとは互いの回転角に応じて
軸方向に係脱自在に形成されているので、着座アタッチ
メント7,47と胴部5a/荷重変換器6とは互いの回
転角に応じて軸方向に係脱自在に形成されていることに
より着座アタッチメント7,47を上下方向に移動させ
て、迅速に高さ調整することができる。
【0310】また、上記引張強度試験器によれば、ねじ
部材17を取り付けた母材19に母材19からねじ部材
17を引き抜く方向の引張力を引張軸9を介して加え、
引張力から引抜き強度を測定する引張強度試験器におい
て、引張軸9の先端部は母材19に当接する着座アタッ
チメント7,47の先端部より奥側に配置されているの
で、引張軸4,47の先端部は母材19に当接する着座
アタッチメント7,47の先端部より奥側に配置されて
いるので、引張試験器本体がぐらつくことなく安定させ
て螺合させることができる。
【0311】また、上記引張強度試験器によれば、着座
アタッチメント7,47の少なくとも先端部は磁石であ
るので、本体がぐらつくことなく安定させて螺合させる
ことができる。したがって、引張軸9をねじ部材17に
セットし易く、母材19へのセット性が向上する。
【0312】また、上記引張強度試験器によれば、着座
アタッチメント7,47の内径形状は、少なくとも回転
方向でねじ部材17の外径形状に係合するように形成さ
れているので、着座アタッチメント7,47を回転させ
れば引張軸9からねじ部材17を除去できる。これによ
り、ねじ部材17と母材19とが破断してしまうと引張
軸9と着座アタッチメント7,47との間の奥側のねじ
部材17がとりずらくなるのを防止できる。
【0313】(セット性の容易さを狙った引張強度試験
器の場合について)
【0314】以上、説明したように、図27の引張強度
試験器によれば、ねじ部材17を取り付けた母材19に
該母材19からねじ部材17を引き抜く方向の引張力
を、引張軸9を介して加え、引張力から引張強度を測定
する引張強度試験器において、母材19に当接する着座
アタッチメント7,47は、胴部5a/荷重変換器6に
対して螺合しているので、着座アタッチメント7,47
を回転させることで高さ調整が容易となり、引張軸9を
ねじ部材17に接触させて、最初に螺合させる際に着座
アタッチメント7,47を母材19に当接することがで
き、本体がぐらつくことなく安定させて螺合させること
ができる。また、着座アタッチメント7,47が螺合に
より取り付けられているので、着座アタッチメント7,
47の交換が容易である。
【0315】また、引張強度試験器によれば、着座アタ
ッチメント7,47のねじ部7d,47dは、引張軸9
のねじ部9cと逆ねじに形成されているので、着座アタ
ッチメント7,47のねじ部7d,47dと引張軸9の
ねじ部9cとが連れ回りするのを防止することができ
る。
【0316】また、引張強度試験器によれば、引張軸9
の先端部は着座アタッチメント7,47の先端部より奥
側に配置されているので、奥側に配置する方が、調整が
し易く、スパンが短くて調整用の長さが短くてすみ、母
材19にセットし易い。
【0317】また、引張強度試験器によれば、着座アタ
ッチメント7,47のねじ部材17の当接部にねじ部材
17を係止する係止手段7h,47hを有するので、着
座アタッチメント7,47を母材19に当接する際およ
び当接した後に着座アタッチメント7,47の先端部が
母材19に吸引されるので母材19へのセット性を向上
することができる。
【0318】また、引張強度試験器によれば、着座アタ
ッチメント4,47の少なくとも先端部は磁石であるの
で、着座アタッチメント4,47を母材19に当接する
際および当接した後に着座アタッチメント4,47の先
端部が母材19に吸引され、母材19へのセット性を向
上することができる。
【0319】また、引張強度試験器によれば、着座アタ
ッチメントの内径形状7,47は、少なくとも回転方向
でねじ部材17の外径形状に係合するので、着座アタッ
チメントを回転させれば引張軸9からねじ部材17を除
去することができる。
【0320】また、引張強度試験器によれば、着座アタ
ッチメント7,47のねじ部7d,47dは周方向の一
部に所定間隔で形成されているとともに、胴部5aの固
定部材43のねじ部43a(荷重変換器6のねじ部)も
周方向の一部に所定間隔で形成され、着座アタッチメン
ト7,47と胴部5aとは互いの回転角に応じて軸方向
に係脱自在に形成されているので、着座アタッチメント
7,47と胴部5a/荷重変換器6とは互いの回転角に
応じて軸方向に係脱自在に形成されていることにより着
座アタッチメント7,47を上下方向に移動させて、迅
速に高さ調整することができる。
【0321】(ねじ部材の取り外し性向上を狙った引張
強度試験器の場合について) 図31に示すように、前記着座アタッチメント7は、カ
バー部材5の胴部である外筒部5aの例えば下端部に取
り付けられている着座アタッチメント駆動用モータ30
を備え、この着座アタッチメント駆動用モータ30によ
り着座アタッチメント7が上下方向、即ち母材19に対
する接離方向に駆動される。
【0322】図32はこの測定のための電装部のブロッ
クダイヤグラムである。電装部25は、増幅器25a
と、A/D変換部25bと、制御手段26と、表示手段
25cと、スイッチ手段21と、着座アタッチメント駆
動手段27と、当接検知手段28と、ナット検知手段2
9とを備えている。前記着座アタッチメント駆動手段2
7は、図示しないモータ等を備え、例えば、モータ20
と回動軸3との駆動力伝達と同様にウォーム歯車装置等
を介して引張軸9とほぼ同軸に着座アタッチメント7が
正逆両方向に回転駆動、即ち回動駆動される。
【0323】当接検知手段28は、着座アタッチメント
7と母材19との当接を検知するものであり、この検知
は着座アタッチメント駆動手段27のモータのトルク変
動により検知することができる。また、着座アタッチメ
ント27と母材19との間に電圧をかけて当接による導
通により微小な電流が流れるようにして検知するように
してもよい。前記ナット検知手段27は、ナットが着座
アタッチメントと引張軸との間に形成される隙間の奥に
入り込んだかどうかを検知することができる。
【0324】前記制御手段26は、図33に示すよう
に、記憶手段26aと、比較手段26bと、カウント手
段26cと、逆回転時間決定手段26dと、制御信号発
生手段26eと、モード切換手段26fとを備え、マイ
クロコンピュータを用いて構成することができる。前記
記憶手段26aは、引張力設定値および引張力測定値の
何れか一方又は両方を記憶することができる。
【0325】前記比較手段26bは、測定手段6cによ
って測定された測定値と記憶手段26aに記憶された設
定値とを比較することができる。また、比較手段26b
は、記憶手段26aに記憶されている測定値とその後に
測定手段6cによって測定された測定値とを比較する。
【0326】前記カウント手段26cは、スイッチ21
のオンからモータ20の停止までの回転数に基づく回転
時間をカウントすることができる。前記逆回転時間決定
手段26dは、カウント手段26cによってカウントさ
れた回転数に基づく回転時間からモータ20の逆回転時
間を決定することができる。
【0327】前記制御信号発生手段26eは、歪ゲージ
6cに測定開始信号を送出するとともに、モータ20に
回転駆動信号を送出することができる。前記モード切換
手段26fは、破断値計測モード(後述するステップS
7〜9によるモード)と、強度値計測モード(後述する
ステップS12〜15によるモード)と、ピーク値計測
モード(後述するステップS16〜21によるモード)
とを切り換えることができる。
【0328】図34は、制御プログラムをフローチャー
トをもって示すものである。プログラムが実行される
と、ステップS1では、図36(A)に示すように、着
座アタッチメント駆動モータ30をスタートし、着座ア
タッチメント7を繰り出してステップS2に進む。
【0329】ステップS2では、図36(B)に示すよ
うに、着座アタッチメント7と母材19とが当接したら
着座アタッチメント駆動モータ30を停止し、ステップ
S3に進む。
【0330】ステップS3では、図36(C)に示すよ
うに、モータ20をスタートしてステップS4の所定の
時間が経過するまで低速回転し、所定の時間が経過して
ナット17に引張軸9のねじ部9bがナット17に螺合
開始したらステップS5に進む。
【0331】ステップS5では、カウント手段26cを
作動させ、ステップS6に進む。ステップS6では、図
36(D)に示すように、モータ20の回転スピードを
アップして高速回転し、ステップS7に進む。
【0332】ステップS7では、歪ゲージ6cから出力
される、ねじ部材の引張力に比例した電気信号に基づい
て引張力を測定し、ステップS8に進む。ステップS8
では、歪ゲージ6cから出力される電気信号の急激な変
動に基づいて破断したかどうかを判定し、破断した場合
にはステップS9に進み、破断しない場合にはステップ
S12に進む。
【0333】ステップS9では、測定値を破断値として
表示手段25cに表示し、ステップS10に進む。ステ
ップS10では、ねじ部材であるナット17が着座アタ
ッチメント7と引張軸9との間の奥側に螺合しているか
どうかをナット検知手段29により検知して判定し、奥
側に螺合している場合には、ステップS11に進み、奥
側に螺合していない場合にはステップS22に進み。
【0334】ステップS11では、着座アタッチメント
7の繰り出し回転、および引張軸9の着座アタッチメン
ト7の回転に対する逆回転を行いステップS22に進
む。ステップS12では、歪ゲージ6cから出力され
る、ねじ部材の引張力に比例した電気信号に基づいて引
張力を測定し、ステップS13に進む。ステップS13
では、引張力の測定値を記憶手段に記憶し、ステップS
14に進む。
【0335】ステップS14では、ステップS13で記
憶されている測定値と引張力測定値とを比較し、測定値
の方が大きい場合にはステップS15に進み、大きくな
い場合にはステップS16に進む。ステップS15で
は、測定値を強度値として表示手段25cに表示し、ス
テップS22に進む。
【0336】ステップS16では、歪ゲージ6cから出
力される、ねじ部材の引張力に比例した電気信号に基づ
いて引張力を測定し、ステップS17に進む。ステップ
S17では、ステップS16で測定された測定値を記憶
手段に記憶し、ステップS18に進む。
【0337】ステップS18では、歪ゲージ6cから出
力される、ねじ部材の引張力に比例した電気信号に基づ
いて引張力を測定し、ステップS19に進む。
【0338】ステップS19では、ステップS17で記
憶された記憶値(測定値)とステップS18で測定され
た測定値とを比較し、測定値の方が大きい場合にはステ
ップS20に進み、大きくない場合にはステップS21
に進む。だステップS20では、記憶手段26aに記憶
されているステップS16の測定値をステップS18の
測定値に更新して記憶し、ステップS18に戻って、再
度引張力を測定する。
【0339】ステップS21では、記憶値をピーク値と
して表示手段25cに表示し、ステップS22に進む。
ステップS22では、モータ20を一時停止し、ステッ
プS23に進む。
【0340】ステップS23では、ステップS5で作動
したカウント手段26cを停止し、ステップS24に進
む。
【0341】ステップS24では、カウント手段26c
によりカウントされた回転数に応じた時間だけモータ2
0を逆回転し、ステップS25に進む。ステップS25
では、モータ20を停止する。
【0342】図31の引張強度試験器によれば、ねじ部
材17を取り付けた母材19に母材19からねじ部材1
7を引き抜く方向の引張力を、ねじ部材17に螺合する
引張軸9を駆動するモータ20を介して加え、引張力か
ら引抜き強度を測定する引張強度試験器1A,1Bにお
いて、母材19に当接する着座アタッチメント7,47
を接離方向に駆動する着座アタッチメント駆動手段30
と、着座アタッチメント駆動手段30により着座アタッ
チメント7,47を駆動させ母材19と当接したことを
検知する検知手段28と、検知手段28の検知結果に基
づいて、引張軸9を駆動する制御手段26とを備えてい
るので、着座アタッチメント7,47が母材19と当接
したことを検知して引張軸9を駆動することにより、引
張軸9を安定してねじ部材17に螺合することができ
る。
【0343】また、上記引張強度試験器によれば、検知
手段28は、着座アタッチメント駆動モータ30のトル
ク変動により検知するので、着座アタッチメント駆動手
段モータ30のトルク変動で着座アタッチメント7,4
7が母材19と当接したことを検知することにより、引
張軸9を安定してねじ部材17に螺合することができ
る。
【0344】また、上記引張強度試験器によれば、検知
手段28は、着座アタッチメント駆動モータ30のトル
ク変動により検知するので、着座アタッチメント駆動手
段モータ30のトルク変動で着座アタッチメント7,4
7が母材19と当接したことを検知することにより、引
張軸9を安定してねじ部材17に螺合することができ
る。
【0345】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種
々変形して実施することができる。
【0346】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の引張強
度試験器によれば、上方からの引張部材の交換性を確保
しながら、引張強度試験器を横持ちにより垂直に立てる
ことができるため、モータによる自動駆動でも安定させ
ることができる。
【0347】また、本発明の引張強度試験器によれば、
スラスト荷重の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる引抜き強度測定
器を示す正面断面図である。
【図2】電装部のブロックダイヤグラムである。
【図3】第2の実施形態の引抜き強度測定器を示す軸を
含む平面で切断した斜視図である。
【図4】第3の実施形態の引抜き強度測定器を示す図で
あり、(A)は軸を含む平面で切断した斜視図、(B)
は要部拡大斜視図、(C)は変形例の斜視図である。
【図5】第4の実施形態を示す図であり、(A)は軸を
含む平面で切断した斜視図、(B)は引張軸の拡大斜視
図である。
【図6】第5の実施形態の引抜き強度測定器を示す軸を
含む平面で切断した斜視図である。
【図7】第6の実施形態の引抜き強度測定器を示す正面
断面図である。
【図8】第6の実施形態の引抜き強度測定器を示すラチ
ェットハンドルを外した状態の軸を含む平面で切断した
斜視図である。
【図9】第6の実施形態の引抜き強度測定器を示すラチ
ェットハンドルを装着した状態の軸を含む平面で切断し
た斜視図である。
【図10】第7の実施形態の引抜き強度測定器を示す軸
を含む平面で切断した斜視図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係わる引張強度試験
器を示す正面断面図である。
【図12】同側面図である。
【図13】本発明の引張強度試験器の電装部のブロック
ダイアグラムである。
【図14】本発明の引張強度試験器の制御部を示すブロ
ックダイアグラムである。
【図15】本発明の引張強度試験器の制御動作を示すフ
ローチャートである。
【図16】本発明の引張強度試験器の概略平面図であ
り、(A)は第1実施形態の引張強度試験器を示し、
(B)は第2実施形態の引張強度試験器を示す。
【図17】本発明の引張強度試験器の駆動力伝達部分を
示す概略図であり、(A)は第3実施形態のベベルギア
を用いた場合の概略平面図、(B)は同概略側面図、
(C)は第4実施形態の自在継手を用いた場合の概略平
面図である。
【図18】本発明が適用される引抜き強度測定器の正面
断面図である。
【図19】同上面図である。
【図20】その把手の斜視図であり、(a)はハンドル
部材を突出させる前、(b)はハンドル部材を突出させ
た後を示している。
【図21】その把手の他の態様を示す斜視図である。
【図22】ねじ部材に加わる引張力とその把手の回転角
との関係を示すグラフである。
【図23】荷重変換器の変形例を示す正面断面図であ
る。
【図24】その伝導軸の他の態様を示す断面図である。
【図25】他の実施例における被測定物及び引張軸の他
の態様を示す断面図である。
【図26】本発明の引張強度試験器の制御動作を示すフ
ローチャートである。
【図27】本発明の第1実施形態に係わる引張強度試験
器を示す正面断面図である。
【図28】第2実施形態に係わる引張強度試験器を示す
正面断面図である。
【図29】第3実施形態に係わる引張強度試験器を示す
正面断面図である。
【図30】着座アタッチメントおよび着座アタッチメン
トが螺合する部材を示す図であり、(A)は着座アタッ
チメントが螺合する部材の斜視図、(B)は着座アタッ
チメントの斜視図、(C)は着座アタッチメントの変形
例の断面図、(D)は着座アタッチメントの他の変形例
の断面図である。
【図31】本発明の第1実施形態に係わる引張強度試験
器を示す正面断面図である。
【図32】本発明の引張強度試験器の電装部のブロック
ダイアグラムである。
【図33】本発明の引張強度試験器の制御部を示すブロ
ックダイアグラムである。
【図34】本発明の引張強度試験器の制御動作を示すフ
ローチャートである。
【図35】第2実施形態に係わる引張強度試験器を示す
正面断面図である。
【図36】引張軸の螺合を示す要部断面図であり、
(A)は着座アタッチメント駆動モータのスタートを示
し、(B)は着座アタッチメントと母材との当接を示
し、(C)は引張軸とナットとの螺合開始を示し、
(D)は、モータの回転スピードを上げて引張力測定を
する状態を示す図である。
【図37】従来の引抜き強度測定器を示す図である。
【図38】モータ駆動に関する他の実施形態を示す正面
断面図である。
【図39】モータ駆動に関する他の実施形態を示す正面
断面図である。
【符号の説明】
1 引張強度試験器 2 把手部 2B 第2の把手部 3 回動軸(回動部材、回動手段) 3b ウォーム歯車(駆動力伝達手段) 4 軸受 5a 胴部(外筒部、外筒手段) 6c 歪ゲージ(測定手段) 7c 着座部 8 六角穴付駆動板(連結手段、第2の連結部) 9 引張軸(引張部材、引張手段) 9a 六角頭部(第1の連結部) 9b 軸部 14 駆動手段の駆動軸 14a ウォーム(駆動力伝達手段、駆動手段) 17 ねじ部材 19 鋼板(母材) 20 モータ(駆動手段) 21 オン/オフスイッチ 23b ベベルギア(駆動力伝達手段) 34a ベベルギア(駆動力伝達手段) G 重心位置 K 回動部材の回転中心 U 自在継手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 3/00 - 3/62 G01L 5/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ部材を取り付けた母材に該母材から
    ねじ部材を引き抜く方向の引張力を加え、該引張力から
    引抜き強度を試験する引張強度試験器において、中空筒状の 外筒手段と、該外筒手段の内部に固定され、前記母材に当接するため
    の当接部を先端に有する中空部材と、 該中空部材の内部に挿入されて、該中空部材に基端部が
    回動自在に支持され、 前記ねじ部材に先端部が螺合して
    回動角に応じた引張力を前記ねじ部材に与えるための引
    張手段と、 前記外筒手段に対して前記引張手段を回動するための回
    動手段と、 前記回動手段に備えられ、前記引張手段の基端部に位置
    した第1の連結部と回転方向に係合し、且つ軸方向に挿
    抜自在な非回転対称形状の嵌合部を有する第2の連結部
    と、前記回動手段の基端側から前記引張手段を回動軸方向に
    挿抜自在な前記回動手段の中空部と、 前記回動手段の 回動軸に対して交差する方向で、前記回
    動手段を駆動するための駆動手段とを有することを特徴
    とする引張強度試験器。
  2. 【請求項2】 請求項1の引張強度試験器において、 前記引張手段によって発生する引張力を測定するための
    測定手段を有することを特徴とする引張強度試験器。
  3. 【請求項3】 ねじ部材を取り付けた母材に該母材から
    ねじ部材を引き抜く方向の引張力を加え、該引張力から
    引抜き強度を測定する引張強度試験器において、 外筒部材と、引張軸と、回動部材と、中空部材と、モー
    タユニットとを有し、 (a)前記外筒部材は、中空形状であり、そして、着座
    部がその外筒部材の先端に保持されて前記母材と当接
    し、 (b)前記引張軸は、螺合部と軸胴部と第1の連結部と
    を有し、 前記螺合部は前記引張軸の先端で、且つ前記着座部近傍
    に位置して前記ねじ部材と螺合し、 前記軸胴部は、前記螺合部と前記連結部との間に配置さ
    れ、 前記第1の連結部は前記軸胴部より大きく、且つ非回転
    対称形状とし、 (c)前記回動部材は、前記外筒部材の中で回動自在に
    保持され、そして、円筒部と第2の連結部とを有し、 前記円筒部は中空形状であり、 前記第2の連結部は第1の孔部と第2の孔部を有し、 前記第1の孔部は、前記軸胴部が挿入可能な孔から構成
    され、 前記第2の孔部は、前記孔よりも大きく且つ前記第1の
    連結部より若干大きな略同一形状の嵌合孔から構成さ
    れ、該嵌合孔は前記第1の連結部と嵌合し、 更に、前記第2の連結部は、前記第2の孔部が前記円筒
    部の内部方向に向かって開放するように前記円筒部の端
    部に配置され、 (d)前記中空部材は、第1の取付部と、第2の取付部
    と、中空胴部とを有し、 前記第1の取付部は、前記外筒部材の内面で且つ前記着
    座部方向で前記外筒部材に取り付け、 前記第2の取付部は、前記軸胴部の回動軸回りに配置し
    た軸受を介して前記第2の連結部に当接し、 前記中空胴部は前記引張軸の軸回りに配置され、且つ
    前記第1の取付部と前記第2の取付部との間に設けら
    れ、 (e)前記モータユニットは、モータと、駆動シャフト
    と、伝達ギアとを有し、 前記駆動シャフトは、前記回動部材の回動軸に対して交
    差する方向に配置され、 前記伝達ギアは、前記被伝達ギアと互いに歯合し、そし
    て、前記伝達ギアは前記モータの回動力を前記駆動シャ
    フトを経由して被伝達ギアに伝えることを特徴とする引
    張強度試験器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の引張強度試験器におい
    て、 前記中空胴部に変位センサが設けられ、該変位センサに
    よって、中空胴部の歪を測定することを特徴とする引張
    強度試験器。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の引張強度試験器におい
    て、 前記回動部材は、前記外筒部材に対して回動軸方向に沿
    って少なくとも2つの軸受を配置して回動自在に保持さ
    れており、 前記伝達ギア及び前記被伝達ギアがこの軸受間に配置さ
    れていることを特徴とする引張強度試験器。
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