JP3420062B2 - 引抜き強度試験器 - Google Patents

引抜き強度試験器

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JP3420062B2
JP3420062B2 JP16760098A JP16760098A JP3420062B2 JP 3420062 B2 JP3420062 B2 JP 3420062B2 JP 16760098 A JP16760098 A JP 16760098A JP 16760098 A JP16760098 A JP 16760098A JP 3420062 B2 JP3420062 B2 JP 3420062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は引抜き強度試験器に
関し、特にねじ部材を取り付けた母材からそのねじ部材
を引抜くときの引き抜き強度を試験することができる引
抜き強度試験器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹脂形成品や薄板等にねじ部を
形成して他部材をねじ結合するような場合、これら結合
部の十分な強度を得るために、ねじ部を別部材として母
材に埋設あるいは溶接、圧入等により結合して、例え
ば、樹脂用インサートナットやプレスカシメナット、溶
接ナットとして用いることが行われている。ところで、
別部材として母材に結合されたねじ部材は結合部の強度
を確保するものであることから、母材とねじ部材の結合
強度試験を行う必要がある。その結合強度試験には、母
材を固定してねじ部材に引張力を加え、母材とねじ部材
の分離開始時の引張力(抜去力)から最大結合強度、す
なわち母材とねじ部材の引抜き強度を測定する引抜き強
度試験器が用いられる。
【0003】従来この種の引抜き強度試験器としては、
例えば図12に示すようなものがある。同図において1
01は引抜き強度測定器であり、詳細は図示しないが例
えばアムスラー引張試験機が用いられている。引抜き強
度測定器101の固定部102には射出成形された被測
定物103が係合し、被測定物103の母材104には
ねじ部材105が埋設されている。すなわち、被測定物
103はねじ部材105と共に母材104が固定部10
2に装着可能な寸法に予め切り出されたものである。測
定時にはねじ部材105にボルト106を螺合し、ボル
ト106に引抜き強度測定器101の引張り金具107
を係合させて引張り金具107に図中上方向の力、すな
わち、固定部102によって支持された被測定物103
からねじ部材105を引抜く方向の引張力を加える。そ
して、引張力を大きくするとやがてねじ部材105が母
材104から分離、脱落するが、分離開始時の引張力か
ら母材104とねじ部材105の引抜き強度が測定され
る。
【0004】しかしながら、このような従来の引抜き強
度測定器にあっては、引抜き強度測定器101が据置型
のアムスラー引張り試験機等であったため、次のような
問題点があった。
【0005】すなわち、固定部102に合わせて被測定
物3を予め切り出して特定の形状にする必要があり、測
定のための準備作業が煩雑になり、段取りに時間がかか
り、測定に熟練を要する。さらに、試験器が汎用機なの
で、高価であるという問題もあった。しかも、引抜き強
度測定器101が大型で据置型であることから射出成形
等の現場で母材104とねじ部材105の引抜き強度を
測定することは不可能に近く、このため成形作業の能率
が低下するという問題点があった。特に、引抜き強度の
測定はその測定結果を製品の生産工程にフィードバック
して品質の向上を意図するものであり、現場で容易に測
定・検査できるような引抜き強度測定器が要望されてい
た。
【0006】そこで、本出願人は先に、特公平7−93
91号として、小型で作業現場に持ち込んで容易にねじ
部材の引抜き強度を測定又は合否判別可能な引抜き強度
測定器を提供することを目的とし、さらに引張力に応じ
て弾性変形する部位を設けることにより、その弾性変形
を利用して容易に引抜き強度を測定することのできる構
成の簡単な引抜き強度測定器を提案した。
【0007】この引抜き強度測定器は、図11に示すよ
うに、引抜き強度測定器112の本体胴部111の下端
部にはほぼ中空円筒状の着座アタッチメント113が設
けられている。母材115および母材115のボス部1
15aにインサート成形されたねじ部材116からなる
被測定物114の引抜き強度が引抜き強度測定器112
によって測定される。
【0008】着座アタッチメント113は、本体胴部1
11の下端部に着脱自在に螺着され、軸方向に内径Dの
通孔113aが形成されている。通孔113aの内径D
はねじ部材116の最大外径dよりも大きく設定され、
引抜き強度測定器112が被測定物114の引抜き強度
を測定するときには、着座アタッチメント113の着座
面113bがねじ部材116の外周辺でボス部115a
の上端面に当接するように構成されている。
【0009】着座アタッチメント113の通孔113a
には引張軸117が着座アタッチメント113と同軸に
嵌挿されており、引張軸117は着座アタッチメント1
13を貫通して先端部117aが被測定物114のねじ
部材116に螺合し、基端部117bが本体胴部111
の上部に設けられた把手118に螺着されている。
【0010】なお、本体胴部111に嵌挿される把手1
18のボス部118aには、引張軸117の基端部11
7bを螺着させた後、引張軸117を把手118に固定
する止めねじ119が取り付けられており、引張軸11
7の交換時には、止めねじ119を緩めることにより把
手118から引張軸117を容易に取り外すことが可能
である。
【0011】121は圧縮型の荷重変換器であり、荷重
変換器121は、図中下端部に形成された第1フランジ
部122で本体胴部111に螺合固着され、上端部に形
成された第2フランジ部123でスラスト軸受125を
介して把手118のボス部118aに衝合している。第
2フランジ部123はスラスト軸受125およびボス部
118aを介して引張軸117に取り付けられること
で、引張軸117に生じる引張力Pの反力を圧縮力とし
て受けるように構成されている。また、フランジ部12
2と第2フランジ部123の間には前記圧縮力(すなわ
ち引張力Pの反力)を受けて弾性変形する薄肉部として
の受感部124がこれらと一体的に設けられており、受
感部124には前記圧縮力を受けた受感部124の歪み
を測定する測定手段としての歪ゲージ126が装着され
ている。受感部124は、第1フランジ部122、第2
フランジ部123および受感部124が一体の筒状体と
して本体胴部111に螺合固着されることで、本体胴部
111の一部として第1フランジ部122と第2フラン
ジ部123の間に設けられた薄肉部を構成している。ま
た、歪ゲージ126は、本体胴部111の受感部124
に設けられてそのスラスト方向の歪み(変形)量から引
張軸117に作用する引張力Pを測定する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平3−125941号の引抜き強度測定器では、使用
者の取り扱い性がベストとはいえず、商品化のために使
用者の使い勝手を向上させることが望まれていた。
【0013】即ち、止めねじ119と基端部117bと
が緩んだり、把手118のボス部118aと引張軸11
7の基端部117bとが緩んでガタが発生する虞があっ
た。止めねじ119が緩む理由は、止めねじ119が当
接する引張軸117の端部が螺合部より細いので、接触
面積が小さく、さらに引張軸117の強度を上げるため
硬質な材料が使用されているので、この点も緩む一因と
なっている。
【0014】また、基端部117bの緩みは、測定後に
戻すときは逆回転するので、ねじ部が噛みこむ等により
回転が重くなる場合があり、この場合に緩む虞があっ
た。即ち、通常は座面の摩擦が緩み止めとして働くが、
特開平3−125941号の引抜き強度測定器では、座
面を玉軸受として殆ど摩擦がないように工夫してあるの
で、緩みに対する抵抗力としては寄与していないために
緩みやすかった。
【0015】ボス部118aの機能は回転を伝達する機
能と、引張力の反力を受ける機能とがある。ボス部11
8aは、スラスト玉軸受125と接する部分で反力を玉
軸受125に与えると同時に引張軸117に対して回転
力を与える。このため螺合せざるを得なかった。
【0016】また、特開平3−125941号の測定器
では、重いので使用者が測定に疲れてしまうと共に実質
的に任意の作業姿勢を取りにくかった。そこで、測定器
を小型化・軽量化することが要望されていた。
【0017】さらに、特開平3−125941号の測定
器の構造では、引張軸117を交換する際に、止めネジ
119の外側を外筒111で覆われ、溝118bにねじ
120を差し込んで保持をしているので、ねじ部材11
6の大きさやネジ径が変わったときに、引張軸117を
交換する際に、先ず、ねじ120を取って外筒部材11
1を外し、止めねじ119をとって初めて交換が可能と
なる。止めねじ119のがたつきが生じた場合にもねじ
120を外す必要があった。したがって、使用者にとっ
てメンテナンス性や交換性が良くなかった。このため、
引張軸117の交換性が悪く、メンテナンス性を改善す
ることが要望されていた。
【0018】そこで、本発明の第1の目的は、回動軸と
引張軸との結合部分において、反力を吸収しつつ、回転
力を伝達することができるとともに、結合部分の緩みの
発生を防止した引抜き強度試験器を提供することにあ
る。
【0019】また、本発明の第2の目的は、引張軸の交
換を容易にしてメンテナンス性を大幅に向上させた引抜
き強度試験器を提供することにある。また、本発明の第
3の目的は、小型化・軽量化を達成できる引抜き強度試
験器を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の引抜き強度試験器は、ねじ部材を取り付け
た母材に該母材からねじ部材を引き抜く方向の引張力を
加え、該引張力から引抜き強度を試験する引抜き強度試
験器において、中空筒状の外筒手段と、該外筒手段の内
部に固定され、前記母材に当接するための当接部を先端
に有する中空部材と、該中空部材の内部に挿入されて、
該中空部材に基端部が回動自在に支持され、前記ねじ部
材に先端部が螺合して回動角に応じた引張力を前記ねじ
部材に与えるための引張手段と、前記外筒手段に対して
前記引張手段を回動するための回動手段と、前記回動手
段に備えられ、前記引張手段の基端部に位置した第1の
連結部と回転方向に係合し、且つ軸方向に挿抜自在な非
回転対称形状の嵌合部を有する第2の連結部と、前記回
動手段の基端側から前記引張手段を回動軸方向に挿抜自
在な前記回動手段の中空部とを有することを特徴として
いる。
【0021】また、請求項2の引抜き強度試験器は、請
求項1の引抜き強度試験器において、前記引張手段によ
って発生する引張力を試験するための測定手段を有する
ことを特徴としている。
【0022】また、請求項3の引抜き強度試験器は、請
求項1の引抜き強度試験器において、前記引張手段が前
記ねじ部材と螺合する際に、前記回動手段と前記引張手
段とが互いに離脱することを防止するための離脱防止手
段を前記中空部内に備えることを特徴としている。
【0023】また、請求項4の引抜き強度試験器は、ね
じ部材を取り付けた母材に該母材からねじ部材を引き抜
く方向の引張力を加え、該引張力から引抜き強度を測定
する引抜き強度試験器において、外筒部材と、引張軸
と、回動部材と、中空部材とを有し、 (a)前記外筒部材は、中空形状であり、そして、着座
部がその外筒部材の先端に保持されて前記母材と当接
し、 (b)前記引張軸は、螺合部と軸胴部と第1の連結部と
を有し、前記螺合部は前記引張軸の先端で、且つ前記着
座部近傍に位置して前記ねじ部材と螺合し、前記軸胴部
は、前記螺合部と前記第1の連結部との間に配置され、
前記第1の連結部は前記軸胴部より大きく、且つ非回転
対称形状とし、 (c)前記回動部材は、前記外筒部材の中で回動自在に
保持され、そして、円筒部と第2の連結部とを有し、前
記円筒部は中空形状であり、前記第2の連結部は第1の
孔部と第2の孔部を有し、前記第1の孔部は、前記軸胴
部が挿入可能な孔から構成され、前記第2の孔部は、前
記孔よりも大きく且つ前記第1の連結部より若干大きな
略同一形状の嵌合孔から構成され、該嵌合孔は前記第1
の連結部と嵌合し、更に、前記第2の連結部は、前記第
2の孔部が前記円筒部の内部方向に向かって開放するよ
うに前記円筒部の端部に配置され、 (d)前記中空部材は、第1の取付部と、第2の取付部
と、中空胴部とを有し、前記第1の取付部は、前記外筒
部材の内面で且つ前記着座部側で前記外筒部材に取り付
け、前記第2の取付部は、前記軸胴部の回動軸回りに配
置した軸受を介して前記第2の連結部に当接し、前記中
空胴部は、前記引張軸の軸回りに配置され、且つ前記第
1の取付部と前記第2の取付部との間に設けられている
ことを特徴としている。
【0024】また、請求項5の引抜き強度試験器は、請
求項4の引抜き強度試験器において、更に、前記中空胴
部に変位センサが設けられ、該変位センサによって、中
空胴部の歪みを測定することを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。なお、重複した繁雑な説明を避け
るため、同一の構成、同様な構成は、共通の符号をもっ
て示し、その説明を割愛する。
【0026】図1は、本発明の第1実施形態に係わる引
抜き強度試験器としての引抜き強度測定器を示す正面断
面図であり、回転力をノブで与える方式である。図1に
示すように、第1実施形態に係わる引抜き強度測定器1
は、ノブである把手2と、把手2に止めねじ14で固定
される中空の駆動軸である回動軸3(回動手段、円筒
部)と、回動軸3をラジアル軸受である単列深溝玉軸受
4(保持手段)を介して回動自在に保持する外筒手段で
ある外筒部材5(保持手段)と、外筒部材5の下端部で
外筒部材5と同軸に小ねじ16を介して固定された圧縮
型の荷重変換器6(中空部材、保持手段)と、荷重変換
器6の下端部に外筒部材5と同軸に着脱自在に螺着され
た着座アタッチメント7(保持手段)と、回動軸3の下
端に小ねじ16を介して固定された六角穴駆動板8(第
2の連結部)と、六角穴駆動板8の六角穴8aに六角頭
部9a(第1の連結部、突起部)が嵌合された引張手段
である引張軸9と、引張軸9を台座10を介して荷重変
換器6上に回動自在に保持するスラスト軸受であるスラ
スト針状コロ軸受11と、把手2の中心穴2aに螺合さ
れ、回動軸3の中心穴3aに挿通されて引張軸9の六角
頭部9aに当接する離脱防止手段である止め栓12(止
め部材)と、荷重変換器6からの電気信号を取り出すリ
セプタクルコネクタ15と、リセプタクルコネクタ15
の電極に接続される電装部25(図2参照)とを備えて
いる。なお、台座10は、孔部(第1の孔部)を備え、
六角穴駆動板8は、嵌合穴8aを備えている。
【0027】この引抜き強度測定器1で測定される被測
定物は、本実施形態では、例えば鋼板19に溶接された
ねじ部材17である溶接ナットである。この被測定物1
7の引抜き強度が引抜き強度測定器1によって測定され
る。
【0028】前記着座アタッチメント7は、軸方向に内
径Dの凹部7a及び凹部7aに連通して引張軸9が遊挿
される孔7bが形成されている。凹部7aの内径Dはね
じ部材17の最大外径dよりも大きく設定され、引抜き
強度測定器1が被測定物の引抜き強度を測定するときに
は、着座アタッチメント7の着座面7cがねじ部材17
の外周辺で鋼板19の上面に当接するように構成されて
いる。すなわち、着座アタッチメント7は、測定時に、
引抜き強度測定器1を鋼板19の上面に着座し、鋼板1
9を支持する着座部としての機能を有する。なお、各種
サイズの内径を有する着座アタッチメント7が準備され
ており、さらに着座アタッチメント7が荷重変換器6に
着脱自在に設けられているので、容易にねじ部材17の
最大外径に対応した着座アタッチメント7に交換するこ
とが可能である。また、着座アタッチメント7が荷重変
換器6に螺着されているので、着座アタッチメント7を
回転することにより、荷重変換器6からの突出高さを任
意に調節することができる。
【0029】着座アタッチメント7の孔7bには、先端
部に螺合部であるねじ部9cを有する軸胴部である軸部
9bと軸部9bの基端に設けられた軸部9bより太径の
六角頭部9aとを有する引張軸19が着座アタッチメン
ト7と同軸に遊挿されている。引張軸9の軸部9bは着
座アタッチメント7を貫通して先端部のねじ部9cが被
測定物のねじ部材17に螺合し、基端部の六角頭部9a
は六角穴駆動板8の六角穴8aに嵌合されている。そし
て、六角穴駆動板8に伝達された回動力が引張軸9に伝
達される。
【0030】前記六角穴駆動板8が固定される回動軸3
は、上述したように、上下の単列深溝玉軸受4を介して
回動自在に保持され、上側の前記玉軸受4上には異物の
混入を防止するシールリング13が配設されている。こ
の回動軸3の中心穴3aは、引張軸9の六角頭部9aの
最大外径より大きな直径を有し、この中心穴3aから引
張軸9aが挿抜自在に構成されている。
【0031】前記回動軸3は、把手2に止めねじ14で
固定されているので、把手2が回動されたとき、把手2
の回動力が回動軸3に伝達される。そして、回動軸3の
回動力が六角穴駆動板8に伝達され、六角穴駆動板8の
回動力が引張軸9に伝達される。これにより、引張軸9
は、引張軸9の頭部9a、台座10、コロ軸受11、荷
重変換器6、着座アタッチメント7を介して鋼板19に
反力を加えつつ回動角に応じた引張り力を溶接ナット1
7に加える。
【0032】前記引張軸9は、着座アタッチメント7と
同様に、先端部のねじ部9cに各種サイズのねじ径の雄
ねじが形成されたものが準備されており、また、着脱自
在に設けられている止め栓12を把手2から外すことに
より回動軸3の中心穴3aから引張軸9を抜くことがで
きるので、容易にねじ部材17のねじ径に合致した引張
軸9に交換することが可能である。
【0033】前記荷重変換器6の上面のスラスト軸受1
1をコロ軸受としたことにより、大荷重がかかっても耐
久性に優れる。大荷重がかからない場合には玉軸受を用
いても良い。また、テーパーローラーベアリングを用い
ることもできる。
【0034】前記スラスト軸受11と引張軸9の頭部9
aの下面との間に所定厚の厚肉の台座10を配置したこ
とにより、引張軸9の頭部9aの径がスラスト軸受11
の最大外径より小さい場合に、頭部9aとスラスト軸受
11との接触面積が小さくても、スラスト軸受11に局
部荷重が作用するのを防止することができる。すなわ
ち、厚さの厚い台座10を介在させることにより、45
度の角度で応力伝搬するので、荷重がスラスト軸受11
に均等に作用する。したがって、厚肉の台座10を介在
させることにより、引張軸9の頭部9aを小さくでき、
小型化かつ軽量化することができる。
【0035】前記外筒部材5は、引抜き強度測定器1の
本体胴部を構成し、大人が片手で把持できる適当な太さ
で中空筒状に形成されている。
【0036】前記外筒部材5の下端部には荷重変換器6
が固定されている。この荷重変換器6は、図中下端部に
形成された第1の取付部である第1フランジ部6dで小
ねじ16を介して外筒部材5に螺合固着され、上端部に
形成された第2の取付部である第2フランジ部6aでス
ラスト軸受11および台座部10を介して引張軸9の六
角頭部9aの下面に衝合している。これにより、引張軸
9に生じる引張力の反力を圧縮力として受けるように構
成されている。また、第1フランジ部6dと第2フラン
ジ部6aとの間には前記圧縮力を受けて弾性変形する薄
肉部としての受感部6b(胴部)がこれらと一体的に設
けられており、受感部6bには前記圧縮力を受けた際に
受感部6bの歪みを測定する測定手段としての歪ゲージ
6cが周回りに等間隔で4箇所装着され、図2のような
ブリッジ回路により電気信号に変換して荷重を計測す
る。なお、本実施形態では、受感部6bを薄肉部として
感度を高めると共に歪ゲージ6cの配置スペースを確保
している。また、測定手段を引張軸(引張手段)の頭部
の軸方向に隣接して配設したので、外筒を細くすること
ができ、小型化、軽量化を達成することができる。
【0037】前記受感部6bは、第1フランジ部6d、
第2フランジ部6aおよび受感部6bが一体の筒状体と
して外筒部材5に螺合固着されることで、外筒部材5の
一部として第1フランジ部6dと第2フランジ部6aと
の間に設けられた薄肉部を構成している。また、歪ゲー
ジ6cは、荷重変換器6の受感部6bに設けられてその
スラスト方向の歪み(変形)量から引張軸9に作用する
引張り力を測定する。
【0038】前記リセプタクルコネクタ15は本実施形
態では、歪センサ6cの近くに配置したので、測定器内
の配線を短くすることができる。図2はこの測定のため
の電装部のブロックダイヤグラムである。受感部6bが
圧縮されて弾性変形するとき、歪ゲージ6cによって受
感部6bの歪率に比例した電気信号を出力するようにな
っており、歪ゲージ6cの出力信号は中間端子、シール
ド構造の配線を介して電装部25に入力される。電装部
25はマイクロコンピュータ、増幅部15b、ピークホ
ールド回路15c等からなる制御部15a、A/D変換
部15d及びデジタル表示部15eを備え、歪ゲージ6
cから出力された電気信号を増幅し、デジタル変換して
これをピークホールドし、常時ピーク値をデジタル表示
部15eに表示するようになっている。
【0039】さらに、電装部25は、図13に示すよう
に、デジタル表示部15e、操作スイッチ群15g、零
リセットスイッチ15f及び電池15hに加え、前記マ
イクロコンピュータのメモリ内に記憶した(操作スイッ
チ群15gにより予め設定した)引抜き強度の規格値と
デジタル表示部15eの表示値とを比較し、抜去力が該
規格値を外れた場合に不良表示ランプ(図示せず)を点
灯する。このようにして表示器が構成されている。な
お、この不良表示ランプの点灯(合否判別信号)に代え
て音を発するようにしてもよい。
【0040】次に、上記実施形態の作用を説明する。先
ず、予め測定対象となるねじ部材17に適合するねじ径
を有する引張軸9を引抜き強度測定器1に取り付けてお
く。この取り付けに際しては、先ず止め栓12を把手2
から外し、次に回動軸3の中心穴3a内に引張軸9を先
端側から挿入し、次に基端側の六角頭部9aを六角穴駆
動板8の六角穴8aに嵌合させ、次に止め栓12を把手
2に螺合させて止め栓12の先端部を引張軸9の六角頭
部9aに当接させる。これにより、引張軸9の軸方向の
移動を防止することができる。
【0041】そして、測定時には、引抜き強度測定器1
の着座アタッチメント7の着座面を被測定物の鋼板19
の上面に当接し、次いで把手2を回転して引張軸9の先
端部をねじ部材17に螺合する。把手2をさらに回転し
て引張軸9の回転角が、着座アタッチメント7が鋼板1
9に当接したときの回転角から次第に大きくなると、先
端部とねじ部材17との間のねじ作用によって回転角に
比例した、ねじ部材17を引き抜く方向の引張力がねじ
部材17に加わる。このとき、荷重変換器6には予めね
じ部材17の最大外径よりも大きい内径を有する着座ア
タッチメント7が取り付けられ、さらに引張軸9が着座
アタッチメント7と同軸であるため、着座アタッチメン
ト7の着座面が自動的にねじ部材17の外周辺で鋼板1
9に密着し、荷重変換器6、スラスト軸受11、台座1
0、引張軸9の頭部9aを介して引張軸9の反力を支持
する。そして、引張軸9に生じる引張力の反力は、上述
の部材の逆の順序で荷重変換器6の第2フランジ部6d
に伝達され、受感部6bにはねじ部材17の引張力と等
しい逆向きの圧縮力が加えられる。なお、このときスラ
スト軸受11は把手2の回転負荷の軽減用として作用す
る。
【0042】上述の引張軸9に生じる引張力によって荷
重変換器6の受感部6bが軸方向に圧縮変形し、これに
伴って、歪ゲージ6cによりねじ部材17の引張力に比
例した電気信号が中間端子及び配線を介して電装部25
(図2参照)に出力され、その電気信号は電装部25の
増幅部15bで増幅され、さらにデジタル値に変換され
て表示部15eで直読可能に表示され、ねじ部材17を
引き抜く方向の引張力を測定することができる。
【0043】把手2をさらに回転し続けると、遂には引
張力が鋼板19とねじ部材17との結合力よりも大きく
なり、ねじ部材17は鋼板19から抜け始める。このと
き、引張力Pは最大値(抜去力)となり、ピークホール
ド機能を有する電装部25の表示部15eによって読み
取ることができる。すなわち、作業現場で直ちに被測定
物の引抜き強度を測定することができる。なお、引張軸
9の先端部のねじ部9cと被測定物のねじ部材17のね
じ部に油性あるいは液状テフロンなどの潤滑膜を形成す
ることにより、把手の小さな回動力で大きな引張力Pを
発生することが可能であり、繰り返し使用される引張軸
9の寿命を長くすることもできる。
【0044】このように、本実施形態においては、着座
アタッチメント7の着座面を鋼板19の上面にねじ部材
17の周辺で当接して引抜き強度測定器1を支持すると
ともに引張軸9の先端部をねじ部材17に螺合し、把手
2を回転してねじ部材17に引張力Pを加え、引張軸9
の六角頭部9aと着座アタッチメント7との間に設けら
れた荷重変換器6の受感部6bを軸方向に圧縮変形して
歪ゲージ6cおよび電装部25によってねじ部材17の
最大引張力、すなわち引抜き強度を測定する。
【0045】また、着座アタッチメント7および引張軸
9を引抜き強度測定器1に着脱交換して把手2を交換す
ることなくねじ部材17の形状、寸法に対応することが
でき、引抜き強度測定器1が小型化されて持ち運びが自
由になり、鋼板19からねじ部材17の部分を切り出す
必要もないので、作業現場で容易に被測定物の引き抜く
強度を測定することができる。
【0046】さらに、本実施形態では、受感部6bを薄
肉の弾性変形部位としてその変形の量を歪ゲージ6cで
測定しているので、構成が簡素でしかも非常に小型の測
定器を実現することができる。しかも、荷重変換器6か
ら電装部25への配線をシールド構造にしつつ更に外筒
部材5内に設けているので、耐ノイズ性の向上と作業中
の断線防止を図ることができ、測定結果の信頼性を大幅
に向上させるとともに、測定器の操作性をも極めて良好
なものにすることができる。
【0047】また、図1の引抜き強度測定器1では、回
動軸3の中空部3aに止め栓12が挿入され、把手2に
ねじ止めされて、引張軸9が上方向に抜けるのを防いで
いる。また、引張り剥離力をスラスト軸受11を介して
支える荷重変換器6の残る端部には、被測定部材(例え
ば、溶接ナット)の最大外径より大きな内径の着座アタ
ッチメント7を螺合している。このため、ねじ部材17
であるナットの呼び径に応じて着座アタッチメント7を
簡単に交換できる。回動軸3は、外筒部材5と同軸に単
列深溝玉軸受4により回動自在に軸方向には動かないよ
うに支えられている。
【0048】上記第1実施形態の引抜き強度測定器にお
いては、鉄板などの金属母材やABSなどのプラスチッ
ク母材に溶接あるいはカシメ、圧入、一体成形により、
結合されたナットやボルトに螺合してねじの原理による
引張力(軸力)を同ナットやボルトに与えるねじ部9c
を先端部に備え、基端部に、回転駆動力を受けると共
に、引張力(軸力)の反力を、スラスト軸受11を介し
て受ける頭部9aを有する引張軸9を、前記回転力の回
転中心に回動自在に備えると共に、引張軸9の回転力受
荷部分に嵌合して引張軸9に回転力を与える、引張軸9
の頭部9aの最大外径より大きな内径の中空の回動軸3
を回動自在に引張軸9と同軸に備えているので、引張軸
9が緩むことがなく、被測定物の呼び径の変更や、引張
軸9の摩耗、折損等による引張軸の着脱交換を、迅速に
行うことができる。
【0049】図3は、第2の実施形態の引抜き強度測定
器を示す軸を含む平面で切断した斜視図である。この第
2の実施形態の引抜き強度測定器21が、第1の実施形
態の引抜き強度測定器1と異なる点は、リセプタクルコ
ネクタ15の位置が把手の近くに設けられていることで
ある。このようにリセプタクルコネクタ15の位置が把
手の近くに設けられている場合には、ねじ部材17が穴
の奥等の狭い空間内に配置されている場合であっても、
挿入する際に、リセプタクルコネクタ15が邪魔になら
ないので、外筒部材5の径に近い径の部分まで測定する
ことができる。図1の引抜き強度測定器1では、中心に
引張軸9の六角頭9aと嵌合する六角穴8aを設けた六
角穴駆動板8を回動軸3の先端にねじ16で固定してい
るが、これは、回動軸3の先端に底部を一体に加工し底
部の中心に駆動穴(この場合、六角穴)を設けても良
い。また、回動軸3の中心穴形状自体を回転力を与え
る、例えば六角穴や四角穴等の駆動穴形状に加工しても
よい。駆動穴は六角に限らず、回転力を与えられれば、
どんな形状でもよい。
【0050】図4は、第3の実施形態の引抜き強度測定
器を示す図であり、(A)は軸を含む平面で切断した斜
視図、(B)は要部拡大斜視図、(C)は変形例の斜視
図である。図5は、第4の実施形態を示す図であり、
(A)は軸を含む平面で切断した斜視図、(B)は引張
軸の拡大斜視図である。
【0051】例えば、図4に示すように、引張軸39
が、六角穴39dを頭部39aに有し、軸部先端にねじ
部39cを有する六角穴付ボルトであれば、回動軸33
の先端に前記六角穴付ボルト39の六角穴39dと嵌合
する凸部38aを有する六角棒38を回転中心上に設け
れば良い。この場合、穴形状が六角に限定されないのは
前記と同様である。例えば、図4(C)に示すように頭
部49aの溝部49dと溝部49dに係合する回転軸3
3側の凸部(不図示)との組み合わせでもよい。また、
図5に示すように、引張軸49の頭部49aを切り欠き
円として、この切り欠き円に嵌合する凹部を駆動板48
に設けてもよい。これらの効果として、引張軸49の緩
みがなくかつ交換が容易であり、引張軸49に容易に回
転力を与えられる。
【0052】なお、図4のように止め栓12を介して引
張軸39が回動する場合、引張軸39の螺合によって回
動部材である回動軸33に対する止め栓12の螺合が弛
まないように引張軸39と同じ方向にねじをきって回動
部材である回動軸33に対して螺合させておくことが望
ましい。
【0053】また、図4の引抜き強度測定器では、連結
部と突起部とが互いに接触する接触領域は、引張軸とね
じ部材との少なくとも初期当接力より大きい回動軸方向
の摩擦力を発生している。
【0054】即ち、母材19に固定されたねじ17(図
1参照)に先ず引張軸39を当接し、その後に螺合をす
るが、この雄ねじと雌ねじとがうまく螺合するには最初
ある程度のねじ込み方向に沿った押し当て力が必要であ
る。しかし、一旦ねじ同士が螺合した場合、このねじの
作用によってねじはかってに下方向へと進行するため押
し当て力を必要としない。そのためこの螺合する際の初
期の当接力(互いのねじを押し付けて螺合が開始するま
での力、即ち軸の進行方向に発生する力)で、回動部材
である回動軸38の連結位置から引張軸39が離脱しな
い程度の互いの接触摩擦力があれば、上述のような止め
栓12を必ずしも必要とはしない。
【0055】図6は、第5の実施形態の引抜き強度測定
器を示す軸を含む平面で切断した斜視図である。この第
5の実施形態の引抜き強度測定器51では、外筒部材5
を把持する代わりに外筒部材5に径方向に突出するグリ
ップ部51aを設けて、このグリップ部51a内に配線
を通し、グリップ部51aの端部にリセプタクルコネク
タ15を設けたので、図1、3〜5の実施形態の引抜き
強度測定器と比べて、操作しやすく、より大きな荷重を
かけることができる。
【0056】図7〜9は、第6の実施形態の引抜き強度
測定器を示す図であり、図7は正面断面図であり、図8
はラチェットハンドルを外した状態の軸を含む平面で切
断した斜視図、図9はラチェットハンドルを装着した状
態の軸を含む平面で切断した斜視図である。
【0057】第6の実施形態の引抜き強度測定器61に
おいても、図1のノブ式の引抜き強度測定器同様、引張
軸9をスラスト軸受4を介して支える部材に歪ゲージ6
cを貼り付け、引張力の反力として圧縮力を検出し電圧
として出力しているが、引張軸9の頭部の弾性変形量を
変位計等で検出し出力してもよい。
【0058】第6の実施形態の引抜き強度測定器の場
合、図1の引抜き強度測定器と同様に、回転駆動力を与
える中空の回動軸63の先端は、引張軸9の頭部9aと
嵌合して回転力を与えるように、六角穴となっており、
引張軸9の頭部は六角頭となっている。回動軸63の中
空部は、引張軸9が自由に通れる大きさとなっている。
【0059】図7の引抜き強度測定器では、図1の引抜
き強度測定器と同様に、中心に引張軸9の六角頭9aと
嵌合する六角穴を設けた駆動板8を回動軸9の先端にね
じで固定しているが、これは、回動軸63の先端に底部
を一体に加工し底部の中心に駆動穴(この場合、六角
穴)を設けても良い。駆動穴は六角に限らず、回転力を
与えられれば、どんな形状でもよい。例えば、引張軸9
が、六角穴付ボルトであれば、回動軸63の先端に前記
六角穴付ボルトの六角穴と嵌合する六角棒を回転中心上
に設ければ良い。この場合、穴形状が六角に限定されな
いのは前記と同様である。これらの効果として、引張軸
のゆるみがなくかつ交換が容易であり、引張軸に容易に
回転力を与えられる。
【0060】また、図7の引抜き強度測定器では、図1
の引抜き強度測定器と同様に、回動軸63の中空部に止
め栓12がねじ止めされて、引張軸9が抜け落ちるのを
防いでいる。また、引張り剥離力をスラスト軸受11を
介して支える部材6の残る端部には、被測定部材(例え
ば、溶接ナット)の最大外径より大きな内径のスリーブ
を有する着座アタッチメント7を螺合している。このた
め、ナットの呼び径に応じてスリーブを簡単に交換でき
る。回動軸9は、図1の引抜き強度測定器1と同様に、
本体に同軸に単列深溝玉軸受により回動自在に軸方向に
は動かないように支えられている。
【0061】図7の引き抜き強度測定器では、ラチェッ
トハンドル51aと嵌合する回動軸63の基端は六角形
状になっているが、ラチェットハンドル51aと嵌合し
て、回転力を与えられれば良く、ラチェットハンドル5
1aの回転中心にワンウェイベアリングを設けた場合
は、このワンウェイベアリングと嵌合する円形でもよ
い。
【0062】図7の引抜き強度測定器61の場合、大き
な回転力を与えられるように、本体をハンドル51aで
支え、回転力をラチェットハンドル61aで与えるよう
になっているので、1〜2トンの引張り剥離力を簡単に
発生することができる。
【0063】本発明は、樹脂のインサートナットや、プ
レスカシメナット、溶接ナットの引抜力を検出する際に
も使用することができる。応用分野としては、ギアやス
プロケットに圧入された軸受の抜去力測定にも使用する
ことができる。
【0064】引張軸をスラスト軸受を介して支える部材
に歪ゲージを貼り付け、引張力の反力として圧縮力を検
出し電圧として出力しているが、図10に示すように、
引張軸9の頭部9aの弾性変形量を変位センサ76(測
定手段、測定部材)等で検出し出力してもよい。この変
位センサ76としては、例えば、渦電流変位センサを用
いることが出来る。渦電流変位センサの原理は、高周波
時間内に鉄などの金属を置くと電磁誘導により、その金
属表面に磁界と距離に応じて渦電流が発生し、その渦電
流は、それ自身を生起させた磁界と逆方向の磁界を発生
(レンツの法則)するので、鉄などの金属が高周波磁界
内に近づくと、結果として、その磁界の強さを、減じて
しまう作用がある。そこで鉄などの金属が、センサ(高
周波発生コイル)に近づくことにより、もとの磁界が、
相殺されて、弱くなる程度を計測することにより、金属
とセンサとの距離を知ることが出来る。なお、図10
中、72は、変位センサ76を保持する栓、75は変位
センサ76の出力を取り出すコード、76aは変位セン
サ76のセンサ部である。
【0065】以上において、外筒部材と引張軸の頭部と
の間にスラスト軸受が介在しているので、引張軸の回動
負荷を軽減することができる。また、引張軸の頭部の最
大径が小さくても荷重が均等にスラスト軸受に作用し、
小型化・軽量化に優れている。また、大きな荷重をかけ
る測定に耐えることができるとともに、高耐久性を達成
することができる。また、回動部材と引張軸との連結部
分において、反力を吸収しつつ回動部材の回動力を引張
軸に伝達することができ、結合部分の緩みの発生を防止
することができる。なお、本発明は上記実施例に限定さ
れるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範
囲で種々変形して実施することができる。
【0066】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く本発明によ
れば、回動部材(回動手段)と引張軸(引張手段)との
連結部分において、反力を吸収しつつ回動部材(回動手
段)の回動力を引張軸(引張手段)に伝達することがで
き、結合部分の緩みの発生を防止することができる。
【0067】また、回動部材(回動手段)に挿通して装
着することができるとともに、回動部材(回動手段)か
ら取り外して交換することができる。
【0068】また、簡単な構造で回動力を伝達すること
ができるとともに引張軸(引張手段)の取り外しも容易
である。
【0069】また、引張軸(引張手段)の軸方向の移動
を阻止できるとともに引張軸(引張手段)を交換する際
には取り外すことができる。
【0070】また、引張軸(引張手段)がねじ部材に螺
合する際に引張軸(引張手段)が軸方向に移動すること
がないので、他の移動防止手段が不要となり、軽量化を
達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる引抜き強度測定
器を示す正面断面図である。
【図2】電装部のブロックダイヤグラムである。
【図3】第2の実施形態の引抜き強度測定器を示す軸を
含む平面で切断した斜視図である。
【図4】第3の実施形態の引抜き強度測定器を示す図で
あり、(A)は軸を含む平面で切断した斜視図、(B)
は要部拡大斜視図、(C)は変形例の斜視図である。
【図5】第4の実施形態を示す図であり、(A)は軸を
含む平面で切断した斜視図、(B)は引張軸の拡大斜視
図である。
【図6】第5の実施形態の引抜き強度測定器を示す軸を
含む平面で切断した斜視図である。
【図7】第6の実施形態の引抜き強度測定器を示す正面
断面図である。
【図8】第6の実施形態の引抜き強度測定器を示すラチ
ェットハンドルを外した状態の軸を含む平面で切断した
斜視図である。
【図9】第6の実施形態の引抜き強度測定器を示すラチ
ェットハンドルを装着した状態の軸を含む平面で切断し
た斜視図である。
【図10】第7の実施形態の引抜き強度測定器を示す軸
を含む平面で切断した斜視図である。
【図11】従来の引抜き強度測定器の正面断面図であ
る。
【図12】他の従来の引抜き強度測定器を示す図であ
る。
【図13】表示器を示す図である。
【符号の説明】
1 引抜き強度測定器 3 回動軸 3a 中心穴 4 単列深溝玉軸受 5 外筒部材 6 加重変換器 6a 第2フランジ部 6b 受感部 6c 歪ゲージ(測定手段、測定部材) 6d 第1フランジ部 7 着座アタッチメント 8 六角穴駆動板(連結手段) 8a 嵌合穴 9 引張軸 9a 頭部 9b 軸部 9c ねじ部 10 台座 11 スラスト軸受 12 止め栓 17 ねじ部材 19 母材 21 引抜き強度測定器 31 引抜き強度測定器 41 引抜き強度測定器 51 引抜き強度測定器 61 引抜き強度測定器 71 引抜き強度測定器 76 変位センサ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ部材を取り付けた母材に該母材から
    ねじ部材を引き抜く方向の引張力を加え、該引張力から
    引抜き強度を試験する引抜き強度試験器において、中空筒状の 外筒手段と、該外筒手段の内部に固定され、前記母材に当接するため
    の当接部を先端に有する中空部材と、 該中空部材の内部に挿入されて、該中空部材に基端部が
    回動自在に支持され、 前記ねじ部材に先端部が螺合して
    回動角に応じた引張力を前記ねじ部材に与えるための引
    張手段と、 前記外筒手段に対して前記引張手段を回動するための回
    動手段と、 前記回動手段に備えられ、前記引張手段の基端部に位置
    した第1の連結部と回転方向に係合し、且つ軸方向に挿
    抜自在な非回転対称形状の嵌合部を有する第2の連結部
    と、前記回動手段の基端側から前記引張手段を回動軸方向に
    挿抜自在な前記回動手段の中空部と を有することを特徴
    とする引抜き強度試験器。
  2. 【請求項2】 請求項1の引抜き強度試験器において、 前記引張手段によって発生する引張力を試験するための
    測定手段を有することを特徴とする引抜き強度試験器。
  3. 【請求項3】 請求項1の引抜き強度試験器において、 前記引張手段が前記ねじ部材と螺合する際に、前記回動
    手段と前記引張手段とが互いに離脱することを防止する
    ための離脱防止手段を前記中空部内に備えることを特徴
    とする引抜き強度試験器。
  4. 【請求項4】 ねじ部材を取り付けた母材に該母材から
    ねじ部材を引き抜く方向の引張力を加え、該引張力から
    引抜き強度を測定する引抜き強度試験器において、 外筒部材と、引張軸と、回動部材と、中空部材とを有
    し、 (a)前記外筒部材は、中空形状であり、そして、着座
    部がその外筒部材の先端に保持されて前記母材と当接
    し、 (b)前記引張軸は、螺合部と軸胴部と第1の連結部と
    を有し、 前記螺合部は前記引張軸の先端で、且つ前記着座部近傍
    に位置して前記ねじ部材と螺合し、 前記軸胴部は、前記螺合部と前記第1の連結部との間に
    配置され、 前記第1の連結部は前記軸胴部より大きく、且つ非回転
    対称形状とし、 (c)前記回動部材は、前記外筒部材の中で回動自在に
    保持され、そして、円筒部と第2の連結部とを有し、 前記円筒部は中空形状であり、 前記第2の連結部は第1の孔部と第2の孔部を有し、 前記第1の孔部は、前記軸胴部が挿入可能な孔から構成
    され、 前記第2の孔部は、前記孔よりも大きく且つ前記第1の
    連結部より若干大きな略同一形状の嵌合孔から構成さ
    れ、該嵌合孔は前記第1の連結部と嵌合し、 更に、前記第2の連結部は、前記第2の孔部が前記円筒
    部の内部方向に向かって開放するように前記円筒部の端
    部に配置され、 (d)前記中空部材は、第1の取付部と、第2の取付部
    と、中空胴部とを有し、 前記第1の取付部は、前記外筒部材の内面で且つ前記着
    座部で前記外筒部材に取り付け、 前記第2の取付部は、前記軸胴部の回動軸回りに配置し
    た軸受を介して前記第2の連結部に当接し、 前記中空胴部は前記引張軸の軸回りに配置され、且つ
    前記第1の取付部と前記第2の取付部との間に設けられ
    ていることを特徴とする引抜き強度試験器。
  5. 【請求項5】 請求項の引抜き強度試験器において、 更に、前記中空胴部に変位センサが設けられ、 該変位センサによって、中空胴部の歪みを測定すること
    を特徴とする引抜き強度試験器。
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