JP3420027B2 - 生理状態の評価方法および簡易生理状態評価キット - Google Patents
生理状態の評価方法および簡易生理状態評価キットInfo
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Description
法および簡易生理状態評価キットに関し、更に詳しく
は、唾液、血液、尿、髄液、リンパ液等の体液中に分泌
され、例えば精神的または肉体的なストレスあるいは負
荷状態や、所定の医療上の疾患(例えば、精神、神経系
の疾患、あるいは高血圧、内分泌障害や各種腫瘍等と言
った広範囲の疾患)等に代表される各種の生理状態を定
量的に評価するための生理状態の評価方法および簡易生
理状態評価キットに関する。
その一例であるストレスを例にとって説明すると、アン
ケート形式の心理評価、フリッカーなどのタスク評価
法、脳波や心拍を測定する電気生理的計測法および血液
や尿に含まれるストレス応答物質を測定する生化学測定
法などがある。
が、このうち生化学測定法は物質濃度を測定することか
ら、客観性、定量性に優れると言う利点がある。そして
生化学測定法における公知の測定対象物質としては、ス
トレスホルモンであるカテコールアミン(アドレナリン
やノルアドレナリン)やコルチゾールがしばしば用いら
れている。
ミンやコルチゾールは、従来より主としてストレスの評
価に限定して用いられるものであり、より広範囲な各種
の生理状態、例えば精神、神経系の疾患、あるいは高血
圧、内分泌障害や各種腫瘍等と言った広範囲の疾患等の
生理状態の評価や診断に利用できるか、は疑問である。
定対象物質としても、例えば精神ストレスの評価に適し
たアドレナリンや肉体ストレスの評価に適したノルアド
レナリンは、コルチゾールに比較して応答が鋭敏で応答
時間も短いと言う長所を持つ一方で、感度不足の問題か
ら唾液中等での測定が困難なために、侵襲性の高い血液
採取と言う手段しか取り得ないと言う欠点がある。逆
に、コルチゾールは非侵襲性の唾液中測定が可能である
が、応答性に問題がある。
態の評価も含み、さらに広範囲な各種の生理状態を評価
でき、しかも唾液、尿等を検体とする非侵襲性の測定も
任意に採用でき、かつ例えばコルチゾールのような応答
性の問題のない生理状態の評価方法を提供すること、お
よび、その評価を簡便かつ迅速に行うための実用的なデ
バイスを提供することを、その解決すべき課題とする。
ストレスあるいは負荷を受けたとき、あるいは、例え
ば、精神、神経系の疾患、または高血圧、内分泌障害や
各種腫瘍等と言った広範囲の疾患状態に陥ったとき、等
の広範囲の生理状態において、これに対応して唾液、血
液、尿、髄液、リンパ液等の体液中のクロモグラニンの
濃度が、本来の指標物質として使用可能な状態、即ち定
量的評価の可能な状態で鋭敏に上昇することを見出し、
本発明を完成した。
発明(請求項1に記載の発明)の構成は、被験者から体
液を採取し、前記体液中のクロモグラニンの増加率か
ら、前記クロモグラニンの分泌量と相関関係のある生理
状態を評価する生理状態の評価方法である。
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
支持体上に液体貯留構造を伴う抗体固定部を設けると共
にこの抗体固定部に抗クロモグラニン抗体を固定した計
測片と、前記抗体固定部に投与可能に準備された、標識
発現用の物質と、から構成され、生理状態の評価に用い
る簡易生理状態評価キットである。
ニンの増加率を測定することにより、今までにできなか
った広範囲な種類の生理状態を評価することができる。
そして、体液中のクロモグラニンの濃度が定量的評価の
可能な状態で鋭敏に上昇するので、信頼性の高い評価結
果を得ることができる。
液、リンパ液等の体液を任意に、あるいは最も目的に適
応した種類の体液を選択して検体とすることができるの
で、必要に応じて非侵襲性の測定も容易に可能であり、
非常に有用性が高い。
記第1発明にかかる生理状態の評価を簡便かつ迅速に行
うための実用的なデバイスが提供される。
施の形態について説明する。
理状態」とは、精神的、肉体的な各種の生理状態を広範
囲に含み、医学上の有意な疾患あるいは症状と、医学の
対象となるような状態に至っていない精神的、肉体的な
各種の生理状態とが含まれる。そして本発明に言う「生
理状態」として、少なくとも現在のところ、特定の精神
的、肉体的生理状態を排除すべき積極的な根拠は見出さ
れていない。
神的または肉体的なストレスあるいは負荷状態であり、
この中には、例えば緊張をしいられた場合のような精神
的ストレス、運動や肉体作業等による肉体的ストレス、
自動車の長時間運転時のように精神、肉体の両方に基づ
くストレス等があり、また、負荷の強さ、時間と言う観
点から分類すると、急性ストレス、慢性ストレス、ある
いは未だストレスと呼ぶに至らないような精神的または
肉体的な負荷状態等が含まれる。
が言える。
テコールアミン類、特にノルアドレナリンと共分泌さ
れ、分泌速度が相関することが分かっており、従って体
液中のクロモグラニンは交感神経活動の指標物質にな
る。このことから、体液、例えば唾液、尿、血液中等の
クロモグラニンを指標物質として、交感神経活動が関与
する生理状態、甲状腺髄様がん、褐色細胞腫等の腫瘍の
発生を評価、診断することができる。
能ではないが、クロモグラニン分解物がクロム親和性細
胞からのノルアドレナリンの分泌を抑制することも分か
っており、従ってクロモグラニンはストレスを調節する
機能もある。このことから、体液、例えば唾液、尿、血
液中のクロモグラニン濃度の測定を利用して、肉体的あ
るいは精神的生理状態の評価等を行うことが考えられ
る。
レスや、自動車等の運転に係る運転ストレスのような精
神/肉体ストレスのような広範囲な種類のストレスの負
荷状態において、体液中のクロモグラニン濃度がこれら
のストレスの強度に定量的に対応して上昇することが分
かっている。このことから、体液、例えば唾液、尿、血
液中のクロモグラニンを指標物質として、例えば感性工
学的に有効な評価データを取得することができる。その
ようなデータの利用例として、例えば利用者にストレス
を与えない事務用機器や自動車車室内の設計、同様な意
味での音響学的または色彩学的環境の設計などが考えら
れる。
が、医療上の一定の疾患あるいは症状であり、例えば、
次のようなものが対象となる。 神経系疾患 :脳機能障害、中枢神経機能障害、自律神
経機能障害等。 精神疾患 :精神障害等。 内分泌系疾患:内分泌障害、副甲状腺機能の亢進あるい
は障害等。 各種の腫瘍 :褐色細胞腫、脳下垂体腫瘍、神経芽細胞
腫、内分泌器官腫瘍等。 循環器系疾患:高血圧等。
とが言える。
〜9割と言う統計的に有意な確率で、細胞腫の症状に定
量的に対応して、体液中のクロモグラニンが異常な高濃
度を示すと言うデータが得られており、従って体液、例
えば唾液、尿、血液、髄液、リンパ液中のクロモグラニ
ンは褐色細胞腫の診断の指標物質になる。
細胞癌、下垂体腫瘍、神経芽細胞腫、甲状腺髄様がん等
においても、統計的に有意な確率で、これらの腫瘍群の
症状に定量的に対応して、体液中のクロモグラニンが高
濃度を示すと言うデータが得られており、従って体液、
例えば唾液、尿、血液、髄液、リンパ液中のクロモグラ
ニンはこれらの腫瘍群の診断の指標物質になる。
患者でも、統計的に有意な確率で、これらの腫瘍群の症
状に定量的に対応して、体液中のクロモグラニンが高濃
度を示すと言うデータが得られており、従って体液、例
えば唾液、尿、血液、髄液、リンパ液中のクロモグラニ
ンはこれらの症状の診断の指標物質にもなる。
体液中のクロモグラニンが高値を示すと言うデータが得
られており、従って、体液、例えば唾液、尿、血液中の
クロモグラニンはこれらの症状の診断の指標物質にもな
る。以上の〜に例示したもののうち、精神的または
肉体的なストレスあるいは負荷状態に関する生理状態
と、医療上の一定の疾患あるいは症状に関する生理状態
とでは、本発明を適用するに当たっての技術的な意味あ
いがかなり異なると考えられる。
効なデータを提供する点から、例えば利用者にストレス
を与えない事務用機器や自動車車室内の設計、同様な意
味での音響学的または色彩学的環境の設計等への利用が
有力に考えられるのに対して、後者はむしろ、医療に対
する有効なデータを提供するからである。
て、次の二つの発明を開示することができる。
から体液を採取し、前記体液中のクロモグラニンの濃度
から、クロモグラニンの分泌量と相関関係のある精神的
または肉体的なストレスあるいは負荷状態を評価する生
理状態の評価方法である。そして、この発明の効果は、
前記第1発明の効果に加え、精神的または肉体的なスト
レスあるいは負荷状態を評価することができる点から、
その評価結果を種々の目的に有効利用できることであ
る。その一例として、いわゆる感性工学への利用が考え
られる。即ち、例えば利用者にストレスを与えない事務
用機器や自動車車室内の設計、同様な意味での音響学的
または色彩学的環境の設計などが考えられる。
から体液を採取し、前記体液中のクロモグラニンの濃度
から、クロモグラニンの分泌量と相関関係のある所定の
医療上の疾患を評価する生理状態の評価方法である。そ
して、この発明の効果は、前記第1発明の効果に加え、
精神、神経系の疾患、あるいは高血圧、内分泌障害や各
種腫瘍等と言った広範囲の疾患の症状を評価できる点か
ら、これらの有効な診断手段を与えることとなり、医療
上の価値が非常に大きいことである。
「体液」とは、例えば唾液、尿、血液、髄液、リンパ液
等の広範囲の種類の体液を含む。そして本発明に言う
「体液」として、少なくとも現在のところ、特定の種類
の体液を排除すべき積極的な根拠は見出されていない。
しての有利性と言う面から見たとき、一般的には次のよ
うな事が言える。
作の非侵襲性から言えば、唾液が最も優れる。次に尿が
利用し易く、医療用途の評価を行う際には血液も利用し
易い体液である。
と体液の種類とのマッチング、即ち両者の定量的な対応
関係を考慮したときには、髄液、リンパ液やその他の体
液が相対的に優れている場合もある。
て、生理状態を評価すべき被験者から体液を採取するタ
イミングは、特に評価すべき生理状態が例えば一時的な
ストレスのような一過性のものである場合において、検
討すべき問題である。
には特に限定がない。ただし、同一の評価試験における
複数の実験例あるいは比較例の各被験者は同一の適当な
タイミングで体液を採取することが好ましい。
には、当該評価試験の予備試験などにより既知となった
当該生理状態に対する体液中クロモグラニンの分泌量曲
線(検量線)に基づいて、体液採取のタイミングを決定
しても良い。
トレスのような一過性のものである場合も、上記と同様
の体液中クロモグラニンの分泌量曲線に基づき、そのス
トレスの負荷終了後における所定時間の経過を見計らっ
て体液を採取することが好ましい。
て、一過性のストレスの負荷終了直後、あるいはその1
0分以内が考えられる。このタイミングなら、クロモグ
ラニンの分泌量がピークに達しており、あるいはその分
泌量が有効に評価可能な量に達している場合が多いから
である。このことからも、クロモグラニンの応答性の鋭
敏さが理解される。
ロモグラニンAとクロモグラニンBとが知られ、また、
類似物質としてセクレトグラニン(クロモグラニンC)
が知られ、その他にも、未だ解明されていないクロモグ
ラニン物質が存在する可能性があるが、本発明の評価対
象にはそれらのいずれもが含まれる。
物質の分解物もまた有効な評価対象とすることができる
可能性を否定しない。但し評価対象物質は、抗クロモグ
ラニン抗体を用いる評価手法の場合には、上記の種々の
物質のうち、前記抗体と特異的に結合する物質の範囲に
限定される。
ロモグラニン濃度の測定方法については、公知の各種の
手法を任意に採用すれば良い。
の方法は、抗クロモグラニンA抗体、抗クロモグラニン
B抗体、抗クロモグラニン分解物質抗体などを用いるこ
とにより、クロモグラニンA、クロモグラニンB、クロ
モグラニン分解物質などをそれぞれ測定できる方法であ
る。
により、酵素を用いるエンザイムイムノアッセイ、放射
性物質を用いるラジオイムノアッセイ、蛍光色素を用い
る蛍光抗体法などに分類される。
接法(例えば、標識された競合用のクロモグラニンを別
途に所定量準備しておいて、これを体液検体に加えたも
とで標識を発現させて、間接的に体液検体中のクロモグ
ラニン濃度を知る方法)や、抗体に捕捉されたクロモグ
ラニンに対してさらに標識された二次抗体を用いる間接
法等がある。
測定結果に基づく生理状態の評価は、本発明の実験例と
適当なブランク試験との対比によっても可能であるし、
ブランク試験を行わずに取得済みのクロモグラニン分泌
量曲線データを基準として判定しても良い。またストレ
スの評価等においては、被験者に対する心理評価を並行
して行っても良い。さらに正確を期するために、これら
の方法を併用しても良い。
評価キットにおける計測片の支持体は、その形状、寸
法、材質などについて特段の限定はされないが、例えば
偏平で細長く、ある程度の堅牢な材料のものを使用する
ことが好ましい。支持体上に設ける抗体固定部の液体貯
留構造は、抗体固定部に投与される体液あるいはその希
釈液を流失させない構造であれば良い。その一例とし
て、抗体固定部を取り囲むように設けた筒状の構造が考
えられる。
グラニン抗体、間接法においては抗クロモグラニン一次
抗体がそれぞれ適当な手段で固定されていれば良く、そ
の構造や表面形状に特段の限定はない。例えば前記支持
体上に設けられ、前記液体貯留構造で取り囲まれた、平
面的なクロモグラニン固定用の膜体を用いることができ
る。
に準備された標識発現用の物質がキットを構成する。こ
こに「投与可能に準備された」とは、容器封入などの保
存性の考慮のもとに、計測片と一体的なセットとして市
場流通できる状態にされていることを言う。
法の分類に従って、酵素基質や蛍光発光剤などを含み、
かつ、直接法においては、例えば標識された競合用のク
ロモグラニンを含み、間接法においては、標識された抗
クロモグラニン二次抗体を含む。
程度でクロモグラニンの正確な定量が可能な、フローイ
ンジェクション分析を利用した高速計測法を図1に示
す。
体である体液を注入し、バルブ5を切り換え、キャリア
緩衝液2を利用してポンプ8により測定検体を反応部9
へ送る。反応部9には抗クロモグラニン一次抗体が固定
されているので、検体中のクロモグラニンが捕捉され
る。
モグラニン抗体(二次抗体)を注入し、これも同様に反
応部9へ送る。そして反応部9において両者を反応させ
た後、未反応であった検体および酵素標識抗クロモグラ
ニン抗体を洗い流し、バルブ6を切り換えて酵素基質溶
液1を送る。
酵素による基質反応生成物を検出器10で検出すること
で、計測を行うのである。なお、バルブ7を切り換えて
再生液3を送液し、反応部9に結合しているクロモグラ
ニンや酵素標識抗クロモグラニン抗体を除去すれば、次
回の使用に備えて反応部9を再生できる。
においては、唾液中クロモグラニン濃度の計測を行い、
その際に、O'Connorらの方法(Clin. Chem. 35, 1631-1
637, 1989 )に準拠して行った。具体的には、実施例の
要点は次の通りである。
解凍し、15,000rpmで10分間遠心した上清3
00μlを使用した。これに 125Iでラベルしたクロモ
グラニン、および抗クロモグラニン抗体をそれぞれ15
0μl加え、攪拌後4°Cにて一晩静置した。そしてこ
れにキャリア抗原としてウサギ血清100μlを加え、
攪拌後5分間室温に静置した後、ヤギ抗ウサギγグロブ
リン抗体溶液を50μl加え、攪拌後5分間静置した。
1mlを加え、攪拌後10分間静置した後、遠心して抗
原抗体複合体を沈澱させた。その上清を吸引除去し、沈
澱の放射活性を測定した。
用いて同様に操作して、検量線を作成し、この検量線に
基づき、検体におけるクロモグラニン濃度を判定した。
ニン濃度の測定と共に、被験者に対する心理評価による
アンケートも並行して実施した(緊張感)。アンケート
における心理評価のスコアは被験者の申告による0〜3
の相対評価である。
チゾールの濃度測定もクロモグラニンの場合と同様の手
法によって行い、かつ、被験者に対する心理評価による
アンケートも並行して実施した(緊張感および疲労
感)。アンケートにおける心理評価の緊張感および疲労
感のスコアは、午前および午後の各運転前のレベルを0
として正規化し、「緊張感や疲労感を感じない」を0、
「緊張感や疲労感を強く感じる」を1として、0〜1の
間のスコアで評価した。
評価例である。即ち、若手の研究者が重要会議において
研究発表を行ったときの唾液中クロモグラニン濃度の変
化を心理評価のスコアと共に図2に示す。
中クロモグラニン濃度は、発表前に比較して2倍以上に
上昇していることが確認された。事後のインタビューに
よっても、この研究者は「発表に際して非常に緊張し
た。」と回答している。
評価例である。即ち、37歳の男性が午前と午後にそれ
ぞれ2時間ずつ高速道路を走行したときの唾液中クロモ
グラニン濃度、唾液中コルチゾールの濃度を測定し、か
つ、被験者に対する心理評価によるアンケートも実施し
た。その結果を図3に示す。
のサンプリングおよび心理評価のスコアリングは、午
前、午後共に走行直前、走行開始1時間後(中間点)お
よび走行直後に行った。
濃度は運転ストレスの負荷や心理評価のスコアに対して
非常に鋭敏に、かつ応答時間上のタイムラグなしに対応
しているが、これに比較すると唾液中コルチゾールの濃
度は1時間近いタイムラグを伴って変化している。
は即時型の優れたストレス指標であることが分かる。一
方、唾液中コルチゾール濃度はクロモグラニン濃度に比
較すると評価の実施上においてタイムラグの正確な処理
が必要となり、利用し難い指標であることが分かる。
価キットに係る計測片の一例を示す。図4(a)および
図4(b)において、計測片11は、任意の堅牢な材質
からなる細長い方形板状の支持体12の一端側に、液体
貯留構造を構成する筒13を立設し、筒13の内側底部
に抗体固定部14を設けた構造となっている。
グラニン抗体が固定されている。図に明らかなように、
抗体固定部14の上方には筒13によって一定容積の液
溜めが形成されている。なお、この計測片11は、前記
したように、図示しない標識発現用物質とセットになっ
て簡易生理状態評価キットを構成するものである。
プラスチック製の簡易なアンプル包装として準備されて
いても良く、かつ、そのアンプル包装等が計測片11と
一体に形成されていても良いが、別体に形成されている
場合でも計測片11と同一の包装箱等に封入されていれ
ば足りる。
る。計測方式に従って、酵素基質や蛍光発光剤など、直
接法においては例えば標識された競合用のクロモグラニ
ン、間接法においては標識された抗クロモグラニン二次
抗体を必要に応じて含み、さらに、必要なら唾液希釈用
や洗浄用の蒸留水などを含んでも良い。
使用方法は、例えば次の通りである。即ち、まず、抗体
固定部14上の液溜めに検体唾液約0.5mlと、これ
と等量の蒸留水とを添加し、軽く浸とうした後、5分程
度静置してから液を捨てる。次いで酵素標識した抗クロ
モグラニン二次抗体の液を約0.5ml添加し、5分程
度静置する。そして抗体固定部14上を1mlの蒸留水
で3回洗浄した後、発色式の酵素基質溶液を加えて5分
程度静置し、その発色の強さから生理状態を判定するの
である。
態評価キットを用いると、特段の機械器具をなんら使用
することなく極めて簡便に生理状態の評価を実施するこ
とができ、また、計測片11が液体貯留構造を備えてい
るので、唾液等の体液をこぼして計測に失敗したり床を
汚したりする心配がない。
示す図である。
を心理評価のスコアと共に示すグラフである。
唾液中コルチゾール濃度および心理評価スコアの変化を
示すグラフである。
図であって、図4(a)はその平面図、図4(b)は図
4(a)のA−A線断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 被検者から非侵襲的に採取できる体液を
採取し、この体液中のクロモグラニンの濃度から、クロ
モグラニンの分泌量と相関関係のある神経系疾患、精神
疾患、精神ストレス又は肉体ストレスを評価することを
特徴とする生理状態の評価方法。 - 【請求項2】 被検者から唾液又は尿を採取し、これら
のクロモグラニンの濃度から、クロモグラニンの分泌量
と相関関係のある神経系疾患、精神疾患、精神ストレス
又は肉体ストレスを評価することを特徴とする生理状態
の評価方法。 - 【請求項3】 被検者から体液を採取し、前記体液中の
クロモグラニンの濃度から、クロモグラニンの分泌量と
相関関係のある神経系疾患、精神疾患、精神ストレス又
は肉体ストレスを評価することを特徴とする生理状態の
評価方法。 - 【請求項4】 支持体上に液体貯留構造を伴う抗体固定
部を設けると共にこの抗体固定部に抗クロモグラニン抗
体を固定した計測片と、前記抗体固定部に投与可能に準
備された、標識発現用の物質とから構成され、請求項1
〜請求項3のいずれかに記載の生理状態の評価方法に用
いることを特徴とする簡易生理状態評価キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18020497A JP3420027B2 (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | 生理状態の評価方法および簡易生理状態評価キット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18020497A JP3420027B2 (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | 生理状態の評価方法および簡易生理状態評価キット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1123572A JPH1123572A (ja) | 1999-01-29 |
JP3420027B2 true JP3420027B2 (ja) | 2003-06-23 |
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ID=16079226
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3420027B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
WO2008145701A1 (en) * | 2007-05-29 | 2008-12-04 | INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) | Method for predicting the outcome of a critically ill patient |
-
1997
- 1997-07-07 JP JP18020497A patent/JP3420027B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
RITSUJI YAMADA et.al,A New Serogical Assay of Chromogranine,Endocriol Japon,Vol.25,No.1 |
鈴木一夫,合成ペプチドを用いたELISA法による血中クロモグラニン−A測定の臨床的検討,獨協医学会雑誌,日本,第8巻、第1号,83−91 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1123572A (ja) | 1999-01-29 |
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