JP3417904B2 - バンコマイシン耐性腸球菌に対して殺菌・感染防御作用のある微生物由来の醗酵濃縮飲料 - Google Patents

バンコマイシン耐性腸球菌に対して殺菌・感染防御作用のある微生物由来の醗酵濃縮飲料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バンコマイシン耐
性腸球菌に対して殺菌・感染防御作用のある濃縮飲料、
さらに詳しくは、ブルガリア桿菌、顆粒桿菌、嗜酸桿
菌、乳酸球菌、酵母菌の5種類の有益菌を共生培養して
得られた培養液のろ液の濃縮液であって、バンコマイシ
ン耐性腸球菌に対して殺菌・感染防御作用のある濃縮飲
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グリコペプチド抗生物質、バンコマイシ
ンは、他の抗生剤が効かない疾病に対する治療薬として
用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】抗生物質が効かない
「耐性菌」が出現しない唯一の薬と考えられてきたバン
コマイシンは、抗生物質の「最後の切り札」とされてき
た。しかし、1980年代後半にフランスで、また、日
本でも1996年にバンコマイシン耐性腸球菌(VR
E)が見付かっている。院内感染も海外では多数報告さ
れ、また、日本でも報告例がある。
【0004】健康な人の体内にバンコマイシン耐性腸球
菌が存在していても病気を起こす力は非常に弱く問題は
ないが、抗癌剤を使用していたり、高齢で体力が落ちて
いて免疫力が低下していると、バンコマイシン耐性腸球
菌によって敗血症などを起こして死亡することもある。
【0005】バンコマイシン耐性腸球菌に対して抗生物
質が効かないため薬による治療は難しいが、免疫力を高
めるなどの対処法も一つの方法として考えられている。
このような背景下、本発明者は、かねてより微生物醗酵
生産物による飲料を提供することにつき、鋭意研究を重
ねてきた。
【0006】
【課題を解決するための手段】その結果、ブルガリア桿
菌、顆粒桿菌、嗜酸桿菌、乳酸球菌、酵母菌の5種類の
有益菌を共生培養して得られた培養液のろ液から、濃縮
法によってアミノ酸、ビタミン及びミネラルなどの有効
成分をバランス良く含有し栄養価が高い濃縮液が得られ
ること、及び、この濃縮液が健康飲料として適するもの
であることを見出した。そして、さらに研究を重ねて行
くうちに、この濃縮飲料にバンコマイシン耐性腸球菌に
対して殺菌・感染防御作用があることを見出した。本発
明は、かかる知見に基づくものである。
【0007】すなわち、本発明に係るバンコマイシン耐
性腸球菌に対して殺菌・感染防御作用がある濃縮飲料
は、ブルガリア桿菌、顆粒桿菌、嗜酸桿菌、乳酸球菌、
酵母菌の5種類の有益菌を共生培養して得られた培養液
のろ液の濃縮液からなるものである。そして、本発明に
係る濃縮飲料には含有成分としてのアミノ酸、ビタミン
およびミネラルなどの他に、少なくとも下記構造式から
なる化合物A〜Fが1つ以上含まれている。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】本発明に係る濃縮飲料の製造に際し用いら
れる有益菌としては、表1に示すものを挙げることがで
きる。
【0015】
【表1】
【0016】本発明に係る濃縮飲料は、ブルガリア桿
菌、顆粒桿菌、嗜酸桿菌、乳酸球菌、 酵母菌の5種類の
有益菌を共生培養して得られた培養液のろ液を濃縮する
ことにより得られるが、複数種の有益菌のグループ分け
としては、例えば表2に示すような場合を挙げることが
できる。
【0017】
【表2】
【0018】本発明に係る濃縮飲料を分析すると、タン
パク質、リン、鉄、カルシウム、サイアミン(ビタミン
B1)、リボフラビン(ビタミンB2)などが含まれている
ことが判明した。分析結果の一例を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】また、本発明に係る濃縮飲料中には、アミ
ノ酸として、スレオニン、バリン、リジン、ロイシンな
どの必須アミノ酸のほか、グルタミン酸、アスパラギン
酸、アルギニンなど20種近いアミノ酸を確認することが
できた。
【0021】また、本発明に係る濃縮飲料に含まれてい
る有機化合物(アミノ酸及び糖類を除く)を抽出し、さ
らに、酢酸エチル層中に溶けている物質を分離してそれ
らの構造式を特定することができた。なお、有機化合物
の抽出には逆抽出法を用いる液−液抽出の手法を用い、
また、酢酸エチル層中に溶けている物質の分離には液性
を変化させ再度液−液抽出を行う手法を用いた。
【0022】本発明に係る濃縮飲料から有機化合物(ア
ミノ酸及び糖類を除く)を抽出する方法を図解すると、
図1のようになる。そして、酢酸エチル層中に溶けてい
る物質から分離された各化合物A〜Fの構造式並びに物
質名は次の通りである。
【0023】化合物A(Daidzein)
【化1】 上記構造式の化合物Aは中性画分より単離、精製された
ものであり、大豆に含まれているイソフラボン配糖体で
あるdaidzin から糖がとれたdaidzeinと同定することが
できる。
【0024】化合物B(2,3,5-Trihydroxybenzaldehyd
e)
【化2】 上記構造式の化合物Bは中性画分より単離、精製された
ものであり、3個の水酸基を有する2,3,5-Trihydroxybe
nzaldehydeと同定することができる。文献にも未記載の
新規な物質である。
【0025】化合物C(2-furoic acid )
【化3】 上記構造式の化合物Cは酸性画分より単離、精製された
ものであり、2-furoicacid と同定することができる。
【0026】化合物D〔4-hydroxy-3-methoxybenzoic a
cid(Vanillic Acid)〕
【化4】 上記構造式の化合物Dは酸性画分より単離、精製された
ものであり、バニリン酸と同定することができる。
【0027】化合物E(4-hydroxy-3,5-dimethoxybenzo
ic acid )
【化5】 上記構造式の化合物Eも酸性画分より単離、精製された
ものであり、4-hydroxy-3,5-dimethoxybenzoic acid と
同定することができる。本化合物Eは既知物質であり、
文献によると植物から抽出されている。
【0028】化合物F(2-methyl-4-hydroxy-4H-pyran-
4-one )
【化6】 上記構造式の化合物Fは塩基性画分より単離、精製され
たものであり、2-methyl-4-hydroxy-4H-pyran-4-one と
同定することができる。
【0029】ところで、本発明に係る濃縮飲料にはバン
コマイシン耐性腸球菌に対して殺菌・感染防御作用があ
ることが認められる。その試験方法等をデータとともに
詳細に説明する。 〔バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対する試験方
法(その1)〕 本発明に係る濃縮飲料を任意濃度添加した感受性測定用
平板に、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の菌液を
塗抹・培養後、発育が阻止された最小濃度をもって、バ
ンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対する最小発育阻
止濃度を求めた。ここに、感受性測定用平板、菌液、塗
抹・培養とは、次のようなものをいう。
【0030】(感受性測定用平板) 滅菌精製水を用いて本発明に係る濃縮飲料を順次2倍希
釈し、2倍希釈系列溶液を調製した。次に、滅菌、溶解
後、50〜60℃に保った感受性測定用培地〔Heart Infusi
on Agar(DIFCO LABORATORIES INCORPORATED)〕に、本発
明に係る濃縮飲料及び前記希釈系列溶液を任意量添加
し、十分に混合後、シャーレに分注、固化させた。これ
が本試験にいう感受性測定用平板である。
【0031】(接種用菌液の調製) 継代培養した試験菌〔Enterococcus faecium NCTC 1220
4(VRE)〕を増菌用培地〔Heart Infusion Broth (DIFCO
LABORATORIES INCORPORATED)〕に接種し、35℃、18〜20
時間培養後、菌数が約106CFU/mlとなるように前記増菌
用培地で希釈し、接種用菌液とした。
【0032】(塗抹・培養) 感受性測定用平板に、前記接種用の菌液をニクロム線ル
ープ(内径約1mm)を用いて1〜2cm程度画線塗抹し、
35℃、18〜20時間培養した。これが本試験にいう塗抹・
培養である。そして、この培養後、発育が阻止された最
小濃度を測定した。その結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】表4から明らかなように、本発明に係る濃
縮飲料を用いるとバンコマイシン耐性腸球菌の成長を阻
害することができ、少なくともバンコマイシン耐性腸球
菌に対して殺菌作用があることが認められる。なお、バ
ンコマイシン耐性腸球菌に対して殺菌作用のない場合、
最小発育阻止濃度(W/V%)は 100となることから、
本発明に係る濃縮飲料にはバンコマイシン耐性腸球菌に
対して明らかに殺菌作用があることが分かる。
【0035】〔バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に
対する試験方法(その2)〕 本発明に係る濃縮飲料及び対照としての培地10mlを滅菌
L字管に入れ、108CFU/mlに調製したバンコマイシン耐
性腸球菌(VRE)液 0.1mlを加え、室温で振とうし
た。その後、時間ごと(0、60分、120 分及び24時間)
にサンプリングして菌数計算を行った。その結果を表5
に示す。なお、試験菌株には、Enterococcus feacalis
Ku1856株を用いた。
【0036】
【表5】
【0037】表5から明らかなように、本発明に係る濃
縮飲料では、腸球菌数が0時間で 1.5×106CFU/mlであ
ったのに対し、24時間後では検出限界以下であり、少な
くともバンコマイシン耐性腸球菌に対して殺菌ないし抗
菌作用があることが認められる。その結果、本発明に係
る濃縮飲料にはバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に
対して明らかに殺菌作用があることが分かる。なお、表
5に示すように、本発明に係る濃縮飲料の抗菌作用は抗
生物質あるいは合成抗菌剤に見られる即効性の殺菌作用
ではなく、徐々に作用するタイプであるから、抗生剤等
に見られる副作用がないと考えられる。
【0038】〔バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に
対する試験方法(その3)〕 次に、本発明に係る濃縮飲料及び対照としての培地をマ
ウスに連続経口投与した後、バンコマイシン耐性腸球菌
(VRE)を腹腔内に投与し、マウスの生死を観察し
た。以下に、この試験方法をさらに詳細に示す。
【0039】(バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の
調製) ブレーンハートインフュウジョン寒天培地に37℃24時間
培養後、標準白金耳で10mg集菌し、それを滅菌生理食塩
水に浮遊させ、109CFU/mlに調製した。この菌液を10倍
段階希釈し、10%ムチン溶液で107 及び106CFU/mlに調
製した。
【0040】(試験動物) 6週齢のBALB/c 雌マウス(SPF)を使用した。試験
動物はマウス用ポリカーボネート製のケージ(24×17×
12cm)に5匹づつ収容し、室温23±2 ℃、相対湿度55±
15%に設定した飼育室において飼育した。飼料〔マウス
・ラット用固形飼料;ラボMRストック、日本農産工業株
式会社〕を自由に摂取させた。飲料水(水道水)は吸水
びんに入れて吸水した。
【0041】(被験物質及びバンコマイシン耐性腸球菌
(VRE)の投与方法) 上記マウスを1週間予備飼育した後、被験物質0.3 mlを
ゾンデを用いて1日1回5日間連続して強制経口投与
し、2日間(土・日)は投与を休止し、さらに、2日間
連続して投与した。エンドキサン200 mg/kgは被験物質
投与開始5日目に腹腔内に投与した。上述したように調
製したバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を、最後の
被験物質投与4時間後に0.5 ml/マウスづつ腹腔内に投
与した。
【0042】なお、被験物質、エンドキサン及びバンコ
マイシン耐性腸球菌(VRE)の投与状態を図表に表わ
すと、次のようになる。投与した場合を矢印で示す。
【0043】(群分け) 1群:バンコマイシン耐性腸球菌(VRE) 2群:培地+バンコマイシン耐性腸球菌(VRE) 3群:本発明に係る濃縮飲料+バンコマイシン耐性腸球
菌(VRE)
【0044】(観察) マウスの生死の観察は毎日行った(但し、土、日は除
く)。この試験結果を表6に示す。
【0045】
【表6】
【0046】表6から分かるように、バンコマイシン耐
性腸球菌(VRE)107CFU/ml投与に対しては、本発明
に係る濃縮飲料及び非投与群では1例づつ生存が認めら
れ、培地投与群では全例斃死した。一方、バンコマイシ
ン耐性腸球菌(VRE)106CFU/ml投与に対しては、非
投与群及び培地投与群では全例斃死が認められた(100
%の死亡率であった)が、本発明に係る濃縮飲料投与群
では2例の斃死が認められたのみで、40%の低い死亡率
であった。その結果、本発明に係る濃縮飲料にはバンコ
マイシン耐性腸球菌(VRE)に対して明らかに感染防
御作用があることが分かる。以上のような結果から見
て、本発明に係る濃縮飲料にはバンコマイシン耐性腸球
菌(VRE)に対して明らかに殺菌ないし抗菌作用と感
染防御作用とがあることが分かる。
【0047】一方、本発明に係る濃縮飲料には毒性は認
められない。その試験方法、試験結果等をデータととも
に示す。
【0048】(毒性試験) 本発明に係る濃縮飲料について、OECD化学物質毒性試験
指針(1987)に準拠し、マウスにおける急性経口毒性を調
べる。
【0049】(試験液の調製) 本発明に係る濃縮飲料を精製水で5倍希釈し、試験液と
する。
【0050】(試験動物) 4週齢の ICR系雌雄マウス(日本エスエルシー株式会
社)を約1週間の予備飼育を行って一般状態に異常のな
いことを確認した後、試験に使用した。試験動物はポリ
カーボネート製ケージに各5匹収容し、室温23±2 ℃、
照明時間12時間/日に設定した飼育室において飼育し
た。飼料〔マウス・ラット用固形飼料;ラボMRストッ
ク、日本農産工業株式会社〕及び飲料水(水道水)は自
由に摂取させた。
【0051】(試験方法) 試験群及び対称群ともに雌雄それぞれ10匹を用いた。投
与前に約4時間試験動物を絶食させた。体重を測定した
後、試験群には雌雄ともに検体投与量として4.4mL/Kg用
量の本発明に係る濃縮飲料を胃ゾンデを用いて強制単回
経口投与した。対照群には雄では 0.8mL、雌では 0.7mL
の精製水を同様に投与した。観察期間は14日間とし、投
与日は頻回、翌日から1日1回の観察を行った。投与後
7日目及び14日目に体重を測定し、t−検定により有意
水準5%で群間の比較を行った。観察期間終了時に動物
すべてを剖検した。
【0052】この試験結果を考察とともに以下に示す。
【0053】(死亡例及び死亡率) 雌雄ともに観察期間中に死亡は認められなかった。
【0054】(一般状態) 試験群の雄では、観察期間中に異常は認められなかっ
た。雌では、投与後一時間以内に接触刺激により発声す
る動物が2例に見られたが、5時間には回復し、その後
異常は見られなかった。対照群では、雌雄ともに観察期
間中に異常は認められなかった。
【0055】(体重変化) 投与後7日目及び14日目に体重測定した。雌雄ともに各
群間で体重増加に差は見られなかった。雄群についての
体重変化を表7に示す。また、雌群についての体重変化
を表8に示す。表7、表8における体重は、平均値±標
準偏差で表した(単位:g)。なお、括弧内に動物数を
示した。
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】(剖検所見) 観察期間終了後の剖検では、雌雄ともにすべての試験動
物の主要臓器に異常は見られなかった。
【0059】(考察) 本発明に係る濃縮飲料を4.4mL/Kgの用量で雌雄マウスに
単回経口投与した結果、死亡例は見られず、剖検時にも
異常は見られなかった。従って、表7、表8から明らか
なように、本発明に係る濃縮飲料には毒性は認められな
いことが分かる。なお、この場合におけるLD50値は、雌
雄ともに4.4mL/Kg以上であるものと考えられる。
【0060】以上から明らかなように、本発明に係る濃
縮飲料には、少なくともバンコマイシン耐性腸球菌に対
する殺菌・感染防御作用があることが分かる。本発明に
係る濃縮飲料は、ブルガリア桿菌、顆粒桿菌、嗜酸桿
菌、乳酸球菌、酵母菌の5種類の有益菌を共生培養して
得られた培養液である微生物醗酵生産物のろ液を濃縮す
ることにより得られたものであるから、健康飲料として
適している。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、具体例を挙げて本発明に係
る濃縮飲料をさらに詳細に説明する。本発明に係る濃縮
飲料は、ブルガリア桿菌、顆粒桿菌、嗜酸桿菌、乳酸球
菌、酵母菌の5種類の有益菌を共生培養して得られた培
養液のろ液を濃縮することにより生成される。培養基と
して、大豆からの豆乳を使用するのが最適である。乳酸
菌の培養には一般に牛乳が多く用いられているが、牛乳
の不均一性、経時変化性、その生産過程における薬剤等
の使用混入等を考慮し、さらに、人工添加物を一切使用
しない自然飲料という観点から、培養基として、自然食
品であって、かつ、完全無農薬保証大豆(アイオワ州
産)からの豆乳を使用するのが最適である。また、本発
明に係る濃縮飲料は、培養完了後において生菌を加熱殺
菌して菌体を除去し、この菌体を分離した培養液のろ液
を約15分の1に濃縮することにより生成するのが好まし
い。
【0062】次に、本発明に係る濃縮飲料の製造方法の
一例を挙げる。その一例として、特許第1962512
号(特公平6−95914号)を挙げることができる。 (1) 第1工程(特殊寒天培養基の製造) 精製された天然の寒天に、蒸留水により湯煎された牛
肉、昆布から得られたスープと塩分と有益菌培養液とを
加えて特殊寒天培養基を製造する。 (2) 第2工程(有益菌の純粋培養) 第1工程で製造された特殊寒天培養基に有益菌を各種類
ごと移植し、これを恒温器に入れて39℃で48〜50時間培
養する。 (3) 第3工程(特殊豆乳培養基の製造) 大豆より脂肪を除き、蒸留水を加えたものを70〜110 分
煮沸後、ろ過した豆乳のろ液に、塩、三温糖および有益
菌培養液を加えて特殊豆乳培養基を製造する。 (4) 第4工程(有益菌の特殊豆乳培養基による純粋培
養) 第3工程で製造された特殊豆乳培養基に第2工程で純粋
培養された有益菌を各種類ごとに移植し、恒温器に入れ
て39℃で48〜50時間培養する。 (5) 第5工程(有益菌の中量馴化培養) 第3工程で得られた特殊豆乳培養基に第4工程で製造さ
れた純粋培養された有益菌をグループにより分け、その
グループごとに移植して39℃で48〜50時間馴化培養す
る。 (6) 第6工程(有益菌の工業共生培養) 第3工程で得られた特殊豆乳培養基13リットルの中に、
第5工程で製造されたグループに従って、馴化培養した
生菌を一括移植し、40℃で100 〜120 時間一括共生培養
を行う。 (7) 第7工程(培養の停止と濃縮) 第6工程で製造された共生培養液を100 ℃で30分加熱す
ることによって生菌の繁殖を止め、次に、生菌を分離除
去し、得られたろ液を約15分の1(93〜96%の水分を除
去する)にまで濃縮する。 (8) 第8工程(熟成) 第7工程により得られた濃縮液を、17℃に3ケ月以上静
置して熟成させる。以上 (1)〜(8) の工程により得られ
た生産物を容器に封入し、法定加熱を経て濃縮飲料製品
とする。
【0063】本発明に係る濃縮飲料はこのような工程を
経て製造することができ、要約するとブルガリア桿菌、
顆粒桿菌、嗜酸桿菌、乳酸球菌、酵母菌の醗酵生産物で
あるということができる。また、人工添加物無添加の自
然健康飲料であるということもできる。
【0064】
【発明の効果】本発明に係る濃縮飲料には、少なくとも
バンコマイシン耐性腸球菌に対して殺菌・感染防御作用
があってその成長を阻害するから、これを飲用すること
によりこれらの細菌による感染症を改善又は予防するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る濃縮飲料から有機化合物を抽出す
る方法の一例を示すフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 31/341 A61K 31/351 31/351 31/352 31/352 35/66 35/66 35/72 35/72 A61P 31/00 A61P 31/00 31/04 31/04 C12N 1/20 C12N 1/20 C12P 7/24 C12P 7/24 7/42 7/42 17/04 17/04 17/06 17/06 A23L 2/00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 2/00 A23L 1/30 A23L 2/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブルガリア桿菌、顆粒桿菌、嗜酸桿菌、乳
    酸球菌、酵母菌の5種類の有益菌を共生培養して得られ
    た培養液のろ液の濃縮液であることを特徴とするバンコ
    マイシン耐性腸球菌に対して殺菌・感染防御作用のある
    微生物由来の醗酵濃縮飲料。
  2. 【請求項2】少なくとも下記構造式からなる化合物A〜
    Fを1つ以上含んでいることを特徴とする請求項記載
    のバンコマイシン耐性腸球菌に対して殺菌・感染防御作
    用のある微生物由来の醗酵濃縮飲料。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】
JP2000150125A 1999-10-08 2000-05-22 バンコマイシン耐性腸球菌に対して殺菌・感染防御作用のある微生物由来の醗酵濃縮飲料 Expired - Fee Related JP3417904B2 (ja)

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