JP3415249B2 - 非直線抵抗体 - Google Patents
非直線抵抗体Info
- Publication number
- JP3415249B2 JP3415249B2 JP03356794A JP3356794A JP3415249B2 JP 3415249 B2 JP3415249 B2 JP 3415249B2 JP 03356794 A JP03356794 A JP 03356794A JP 3356794 A JP3356794 A JP 3356794A JP 3415249 B2 JP3415249 B2 JP 3415249B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- linear
- ppm
- resistor
- linear resistor
- gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Thermistors And Varistors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、避雷器、サージアブソ
ーバ等に用いられる酸化亜鉛を主成分とした非直線抵抗
体に係り、特に優れた非直線特性と寿命特性を有する非
直線抵抗体に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】一般に、電力系統においては、正常な電
圧に重畳される過電圧を除去し、電力系統や電気機器を
保護するため、避雷針やサージアブソーバなどの過電圧
保護装置が用いられている。そして、この過電圧保護装
置には正常な電圧ではほぼ絶縁特性を示し、過電圧の印
加時には比較的低抵抗値となる特性を有する非直線抵抗
体が多用されている。 【０００３】非直線抵抗体は酸化亜鉛（ＺｎＯ）に金属
酸化物を混合した素材を成形し、焼結して造られるが、
近年避雷器は縮小化が進み、絶縁距離の有効活用を図る
ために絶縁ガスであるＳＦ6 ガス中に非直線抵抗体を収
納したものが主流となっている。 【０００４】これらの避雷器に使用される非直線抵抗体
はＳＦ6 ガス中において優れた課電寿命特性が必要であ
り、このために、従来、たとえば特開昭６４−４６９０
２号公報に示されるように非直線抵抗体に弗素を含有さ
せたり、特開平１−１５２７０３号公報に示されるよう
にイオウを含有されることが知られている。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、電力
系統は大容量化、高電圧化が進み、これに伴い、避雷器
においても５００ｋＶ用避雷器が実用化されており、更
に近い将来１０００ｋＶ（ＵＨＶ）用避雷器の実用化も
計画されている。 【０００６】 これらの避雷器に使用される非直線抵抗体
は優れたＳＦ6 ガス中における課電寿命特性に加えて、
更に優れた非直線特性が要求されている。 【０００７】本発明はかかる現況に鑑みてなされたもの
で、優れた非直線特性と寿命特性を得ることができる非
直線抵抗体を提供することを目的とする。 【０００８】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は酸化亜鉛を主成分とする非直線抵抗体にお
いて、炭素がＣに換算して１０〜２００ｐｐｍおよびイ
オウがＳに換算して５〜１００ｐｐｍ含有することを特
徴とする。 【０００９】 【作用】本発明に係る非直線抵抗体は、炭素がＣに換算
して１０〜２００ｐｐｍおよびイオウがＳに換算して５
〜１００ｐｐｍ含有することにより、非直線特性が良
く、ＳＦ6 ガス中で化学的に安定な非直線抵抗体を得る
ことができる。 【００１０】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図１及び図２を参
照して説明する。まず、酸化亜鉛（ＺｎＯ）に、酸化ビ
スマス（Ｂｉ2 Ｏ3 ）、酸化マンガン（ＭｎＯ）、酸化
コバルト（Ｃｏ3 Ｏ4 ）、酸化アンチモン（Ｓｂ
2 Ｏ3 ），酸化ニッケル（ＮｉＯ）をそれぞれ０．５〜
５モル％添加し、さらに炭素をカーボンブラックで、イ
オウを硫化亜鉛（ＺｎＳ）でそれぞれ所定量添加した。 【００１１】次いで、この原料を水や分散剤の有機バイ
ンダー類とともに混合装置に入れ混合し、この混合物を
スプレードライヤーで、たとえば１００ミクロンになる
ように噴霧造粒する。 【００１２】次いで、この造粒粉を金型に入れ加圧し、
例えば直径１２５ｍｍ，厚さ３０ｍｍの円板に成形す
る。そして、添加した分散剤、バインダーを予め除くた
め、例えば５００℃で焼成した後、約１０５０℃で仮焼
し、この素体の側面に予め用意した高抵抗層形成物質の
スラリーを塗布した。 【００１３】その後、この素体を空気中、約１２００℃
の温度で焼成する。このようにして得られた焼結素体の
両平坦面を平行に研磨して厚さを例えば２０ｍｍとした
後、アルミニウムの溶射により両面に電極を形成して、
非直線抵抗体を完成させる。次に、このようにして得ら
れた非直線抵抗体の非直線特性とＳＦ6 ガス中の課電寿
命特性を調べた。非直線特性は非直線抵抗体にそれぞれ
１０ｋＡと１ｍＡを通電したときの電圧の比（Ｖ10kA／
Ｖ1mA ）を測定した。Ｖ10kA／Ｖ1mA の値が小さいほど
非直線特性は良い。 【数１】 【００１４】さらに、寿命特性はＳＦ6 ガス中、温度１
００℃、課電率９５％の条件で１０００時間課電寿命試
験を行い、次式で示すＶ1mA の変化率（ΔＶ1mA ／Ｖ
1mA ）を求めた。ΔＶ1mA ／Ｖ1mA の値が小さいほど寿
命特性は良い。 【数２】 【００１５】そして、図１及び図２に示す結果を得た。
図１から明らかなように、Ｃ量が１０〜２００ｐｐｍの
範囲にある場合、優れた非直線特性を示している。これ
に対してＣ量が１０ｐｐｍに満たない場合及び２００ｐ
ｐｍを越えた場合、非直線特性は悪くなっている。Ｃ量
が１０ｐｐｍに満たない場合は本発明の効果が現われ
ず、一方、２００ｐｐｍを越えた場合は炭素が酸化亜鉛
粒子内だけではなく、粒界に析出するため非直線特性が
悪くなっている。 【００１６】また、本発明に係るＣ量が１０〜２００ｐ
ｐｍの範囲にある非直線抵抗体のイオウ添加量を制御す
ることにより、ＳＦ6 ガス中の寿命特性を向上させるこ
とができる。図２に示す特性は、Ｃ量が５０ｐｐｍのも
のについて調べたが、１０〜２００ｐｐｍの範囲にある
ものは同様の傾向を示した。 【００１７】図２から明らかなように、非直線特性（Ｖ
10kA／Ｖ1mA ）はＳ量が１００ｐｐｍ以下の範囲が好ま
しく、寿命特性（ΔＶ1mA ／Ｖ1mA ）はＳ量が５ｐｐｍ
以上の範囲が望ましい。従って、Ｓ量を５ｐｐｍ〜１０
０ｐｐｍの範囲で含有することにより非直線特性、寿命
特性共に優れた非直線抵抗体を得ることができる。 【００１８】なお、前記実施例では、原料としてカーボ
ンブラック、ＺｎＳ以外は酸化物を用いる場合について
説明したが、焼結して酸化物になるものであればよく、
例えば水酸化物や炭化物等であっても同じ効果が得られ
る。また、前記実施例に示した非直線抵抗体はＳＦ6 ガ
ス中だけではなく、空気中でも良好な課電寿命特性を示
した 【００１９】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は炭素がＣ
に換算して１０〜２００ｐｐｍ、イオウがＳに換算して
５〜１００ｐｐｍ含有しているので、非直線特性がよく
ＳＦ6ガスに対して安定な非直線抵抗体が得られる。
ーバ等に用いられる酸化亜鉛を主成分とした非直線抵抗
体に係り、特に優れた非直線特性と寿命特性を有する非
直線抵抗体に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】一般に、電力系統においては、正常な電
圧に重畳される過電圧を除去し、電力系統や電気機器を
保護するため、避雷針やサージアブソーバなどの過電圧
保護装置が用いられている。そして、この過電圧保護装
置には正常な電圧ではほぼ絶縁特性を示し、過電圧の印
加時には比較的低抵抗値となる特性を有する非直線抵抗
体が多用されている。 【０００３】非直線抵抗体は酸化亜鉛（ＺｎＯ）に金属
酸化物を混合した素材を成形し、焼結して造られるが、
近年避雷器は縮小化が進み、絶縁距離の有効活用を図る
ために絶縁ガスであるＳＦ6 ガス中に非直線抵抗体を収
納したものが主流となっている。 【０００４】これらの避雷器に使用される非直線抵抗体
はＳＦ6 ガス中において優れた課電寿命特性が必要であ
り、このために、従来、たとえば特開昭６４−４６９０
２号公報に示されるように非直線抵抗体に弗素を含有さ
せたり、特開平１−１５２７０３号公報に示されるよう
にイオウを含有されることが知られている。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、電力
系統は大容量化、高電圧化が進み、これに伴い、避雷器
においても５００ｋＶ用避雷器が実用化されており、更
に近い将来１０００ｋＶ（ＵＨＶ）用避雷器の実用化も
計画されている。 【０００６】 これらの避雷器に使用される非直線抵抗体
は優れたＳＦ6 ガス中における課電寿命特性に加えて、
更に優れた非直線特性が要求されている。 【０００７】本発明はかかる現況に鑑みてなされたもの
で、優れた非直線特性と寿命特性を得ることができる非
直線抵抗体を提供することを目的とする。 【０００８】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は酸化亜鉛を主成分とする非直線抵抗体にお
いて、炭素がＣに換算して１０〜２００ｐｐｍおよびイ
オウがＳに換算して５〜１００ｐｐｍ含有することを特
徴とする。 【０００９】 【作用】本発明に係る非直線抵抗体は、炭素がＣに換算
して１０〜２００ｐｐｍおよびイオウがＳに換算して５
〜１００ｐｐｍ含有することにより、非直線特性が良
く、ＳＦ6 ガス中で化学的に安定な非直線抵抗体を得る
ことができる。 【００１０】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図１及び図２を参
照して説明する。まず、酸化亜鉛（ＺｎＯ）に、酸化ビ
スマス（Ｂｉ2 Ｏ3 ）、酸化マンガン（ＭｎＯ）、酸化
コバルト（Ｃｏ3 Ｏ4 ）、酸化アンチモン（Ｓｂ
2 Ｏ3 ），酸化ニッケル（ＮｉＯ）をそれぞれ０．５〜
５モル％添加し、さらに炭素をカーボンブラックで、イ
オウを硫化亜鉛（ＺｎＳ）でそれぞれ所定量添加した。 【００１１】次いで、この原料を水や分散剤の有機バイ
ンダー類とともに混合装置に入れ混合し、この混合物を
スプレードライヤーで、たとえば１００ミクロンになる
ように噴霧造粒する。 【００１２】次いで、この造粒粉を金型に入れ加圧し、
例えば直径１２５ｍｍ，厚さ３０ｍｍの円板に成形す
る。そして、添加した分散剤、バインダーを予め除くた
め、例えば５００℃で焼成した後、約１０５０℃で仮焼
し、この素体の側面に予め用意した高抵抗層形成物質の
スラリーを塗布した。 【００１３】その後、この素体を空気中、約１２００℃
の温度で焼成する。このようにして得られた焼結素体の
両平坦面を平行に研磨して厚さを例えば２０ｍｍとした
後、アルミニウムの溶射により両面に電極を形成して、
非直線抵抗体を完成させる。次に、このようにして得ら
れた非直線抵抗体の非直線特性とＳＦ6 ガス中の課電寿
命特性を調べた。非直線特性は非直線抵抗体にそれぞれ
１０ｋＡと１ｍＡを通電したときの電圧の比（Ｖ10kA／
Ｖ1mA ）を測定した。Ｖ10kA／Ｖ1mA の値が小さいほど
非直線特性は良い。 【数１】 【００１４】さらに、寿命特性はＳＦ6 ガス中、温度１
００℃、課電率９５％の条件で１０００時間課電寿命試
験を行い、次式で示すＶ1mA の変化率（ΔＶ1mA ／Ｖ
1mA ）を求めた。ΔＶ1mA ／Ｖ1mA の値が小さいほど寿
命特性は良い。 【数２】 【００１５】そして、図１及び図２に示す結果を得た。
図１から明らかなように、Ｃ量が１０〜２００ｐｐｍの
範囲にある場合、優れた非直線特性を示している。これ
に対してＣ量が１０ｐｐｍに満たない場合及び２００ｐ
ｐｍを越えた場合、非直線特性は悪くなっている。Ｃ量
が１０ｐｐｍに満たない場合は本発明の効果が現われ
ず、一方、２００ｐｐｍを越えた場合は炭素が酸化亜鉛
粒子内だけではなく、粒界に析出するため非直線特性が
悪くなっている。 【００１６】また、本発明に係るＣ量が１０〜２００ｐ
ｐｍの範囲にある非直線抵抗体のイオウ添加量を制御す
ることにより、ＳＦ6 ガス中の寿命特性を向上させるこ
とができる。図２に示す特性は、Ｃ量が５０ｐｐｍのも
のについて調べたが、１０〜２００ｐｐｍの範囲にある
ものは同様の傾向を示した。 【００１７】図２から明らかなように、非直線特性（Ｖ
10kA／Ｖ1mA ）はＳ量が１００ｐｐｍ以下の範囲が好ま
しく、寿命特性（ΔＶ1mA ／Ｖ1mA ）はＳ量が５ｐｐｍ
以上の範囲が望ましい。従って、Ｓ量を５ｐｐｍ〜１０
０ｐｐｍの範囲で含有することにより非直線特性、寿命
特性共に優れた非直線抵抗体を得ることができる。 【００１８】なお、前記実施例では、原料としてカーボ
ンブラック、ＺｎＳ以外は酸化物を用いる場合について
説明したが、焼結して酸化物になるものであればよく、
例えば水酸化物や炭化物等であっても同じ効果が得られ
る。また、前記実施例に示した非直線抵抗体はＳＦ6 ガ
ス中だけではなく、空気中でも良好な課電寿命特性を示
した 【００１９】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は炭素がＣ
に換算して１０〜２００ｐｐｍ、イオウがＳに換算して
５〜１００ｐｐｍ含有しているので、非直線特性がよく
ＳＦ6ガスに対して安定な非直線抵抗体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例に係る非直線特性図。
【図２】本発明の一実施例に係る非直線特性及び寿命特
性図。
性図。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 酸化亜鉛を主成分とする非直線抵抗体に
おいて、炭素がＣに換算して１０〜２００ｐｐｍおよび
イオウがＳに換算して５〜１００ｐｐｍ含有することを
特徴とする非直線抵抗体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03356794A JP3415249B2 (ja) | 1994-03-03 | 1994-03-03 | 非直線抵抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03356794A JP3415249B2 (ja) | 1994-03-03 | 1994-03-03 | 非直線抵抗体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07245201A JPH07245201A (ja) | 1995-09-19 |
| JP3415249B2 true JP3415249B2 (ja) | 2003-06-09 |
Family
ID=12390131
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03356794A Expired - Lifetime JP3415249B2 (ja) | 1994-03-03 | 1994-03-03 | 非直線抵抗体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3415249B2 (ja) |
-
1994
- 1994-03-03 JP JP03356794A patent/JP3415249B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07245201A (ja) | 1995-09-19 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| KR20130100138A (ko) | 비선형 전류-전압 특성을 갖는 조성물 | |
| JP3415249B2 (ja) | 非直線抵抗体 | |
| CA1331508C (en) | Voltage non-linear type resistors | |
| CA1202429A (en) | Varistor comprising aluminum salt | |
| JPS6221242B2 (ja) | ||
| JPS5849004B2 (ja) | 電圧制限組成物 | |
| JPS59189604A (ja) | 非直線抵抗体の製造方法 | |
| JPH0744089B2 (ja) | 電圧非直線抵抗体の製造方法 | |
| JPS5934603A (ja) | 非直線抵抗体 | |
| JPH0744088B2 (ja) | 電圧非直線抵抗体の製造方法 | |
| JPS6195501A (ja) | 非直線抵抗体 | |
| JPS5967606A (ja) | 非直線抵抗体の製造方法 | |
| JPS63114104A (ja) | 非直線抵抗体の製造方法 | |
| JPS6330765B2 (ja) | ||
| JPS5932043B2 (ja) | 電圧非直線抵抗素子の製造方法 | |
| JPH0587001B2 (ja) | ||
| JPS634681B2 (ja) | ||
| JPH0577164B2 (ja) | ||
| JPH0510804B2 (ja) | ||
| JPH10241911A (ja) | 非直線抵抗体 | |
| JPS63114102A (ja) | 非直線抵抗体の製造方法 | |
| JPH0831362B2 (ja) | 電圧非直線抵抗体の製造方法 | |
| JPS586288B2 (ja) | 電圧非直線抵抗素子の製造方法 | |
| JPS5821807B2 (ja) | 電圧非直線抵抗素子の製造方法 | |
| JP2008294291A (ja) | 電流−電圧非直線抵抗体、その製造方法および避雷器 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080404 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090404 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100404 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100404 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110404 Year of fee payment: 8 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130404 Year of fee payment: 10 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140404 Year of fee payment: 11 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |