JP3414790B2 - ろう付け方法 - Google Patents

ろう付け方法

Info

Publication number
JP3414790B2
JP3414790B2 JP14260193A JP14260193A JP3414790B2 JP 3414790 B2 JP3414790 B2 JP 3414790B2 JP 14260193 A JP14260193 A JP 14260193A JP 14260193 A JP14260193 A JP 14260193A JP 3414790 B2 JP3414790 B2 JP 3414790B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brazing
brazing material
chamber
ultrafine particles
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14260193A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06328243A (ja
Inventor
主税 林
Original Assignee
真空冶金株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 真空冶金株式会社 filed Critical 真空冶金株式会社
Priority to JP14260193A priority Critical patent/JP3414790B2/ja
Publication of JPH06328243A publication Critical patent/JPH06328243A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3414790B2 publication Critical patent/JP3414790B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同種又は異種の材料を
使用した部品同士を接合するためのろう付け方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、金属と金属、或は金属とセラミ
ックスなどの材料を使用した部品同士をろう付けするに
は、そのろう材として箔状若しくは線状の形状のろう材
が用いられている。箔状のろう材を用いた場合は、ろう
付けする部品間に箔状のろう材をはさみ込みろう材の溶
融点より少し高い温度に加熱すると、ろう材が溶けて部
品と反応することにより部品間は接合される。線状のろ
う材を用いた場合は、ろう付けする部品のうちの一方の
部品をろう材の溶融点より少し高い温度に加熱し、線状
のろう材の先端を加熱した部品のろう付けする面に軽く
押しつけると線状のろう材は溶融し、必要とする面にろ
う材が溶けた後、他方の部品のろう付けする面と接触さ
せると、溶けたろう材と反応して部品間は接合される。
【0003】以上のように、ろう付けされる部品間のろ
う付け前とろう付け後の組成の変化について図6を用い
て説明すると、図6のAはろう付けする前の状態を示し
ており、部品40a、40bの間に箔状のろう材41が
挟み込まれている。このろう材41は、例えば、第1の
元素、第2の元素及び第3の元素の3つの元素で構成さ
れ、今、例えば、部品40aに対しては第1の元素が、
部品40bに対しては第2の元素がそれぞれ固溶体若し
くは金属化合物を形成し易いということが判明している
場合、それらが反応する温度に加熱し、その温度を保持
すると、部品40a、40bとその間のろう材41との
組成の変化は図6のBで示されるように、部品40a側
では主に第1の元素が反応して形成された層42aと、
部品40b側では主に第2の元素が反応して形成された
層42bが溶融、拡散層として形成される。しかしなが
ら、ほとんどの場合未反応のろう材が中間層42cとし
て残っている。
【0004】例えば、TiやTi合金(その組成は例え
ば、90%Ti−6%Al−4%V、又は、92.5%
Ti− 5%Al−2.5%Sn)をろう付けする場
合、テイクニ(Ticuni、組成は70%Ti−15
%Cu−15%Ni、溶融点は960℃)と呼ばれるろ
う材で箔状のものが一般的に使用されるが、そのろう材
を箔状に加工する圧延限界は50μmであり、この50
μmの箔状のろう材を使用した場合、上述した未反応と
して残る中間層42cの層厚は50μmに近い。又、低
温のろう材として代表的なAg系のろう材(450 ℃
以下の温度でろう付け)を使用してろう付けした場合で
も、テイクニを使用した場合と同様にろう材の厚さに近
い中間層が存在することになるが、Ag系のろう材の中
間層の強度は小さく、ろう材部における破断が問題とな
っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】箔状のろう材は圧延限
界が最小でも50μmで、圧延の難しい組成のろう材で
はその厚さが100 〜 200μmとなることもあり、
箔状のろう材を使用してろう付けすると上述したように
ろう材の厚さに近い中間層が存在する。この中間層の存
在は、精密加工品のろう付けでは寸法誤差の原因となる
ためろう材の厚さをできるかぎり薄くすることが望まれ
ている。
【0006】線状のろう材はこれを溶融させるために一
方の部品を加熱するのであるが、ろう材の溶融点より数
10度程度高い温度ではろう材の流動性は低く、溶けた
ろう材は数10μm程度であり、更に高い温度で加熱し
てろう材を溶融すると加熱している部品にも影響を及ぼ
すこととなり好ましくない。又、溶けたろう材の厚さを
一定にすることは難しく、その作業は煩雑である。
【0007】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、機械
部品として使用することができ、寸法誤差のない精密加
工品を得ることが可能な薄いろう材によるろう付け方法
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の目的は、同種又は
異種の材料を使用した部品同士をろう材によって接合す
るろう付け方法において、不活性ガス雰囲気の超微粒子
生成室内で、接合されるべき前記部品と共晶合金を形成
する元素及び金属化合物を形成する元素のうち少なくと
もひとつの元素で組成されるろう材を加熱蒸発させて超
微粒子を生成し、該ろう材の超微粒子を前記不活性ガス
に同伴させて搬送管により真空下にある膜形成室内に搬
送し、該膜形成室内に配置された接合されるべき前記部
品の少なくとも一方の加熱された部品のろう付け部へ、
前記搬送管の先端の細いノズルから前記ろう材の超微粒
子を前記不活性ガスと共に差圧によって噴き付けて前記
ろう材の超微粒子の堆積膜を形成させた後該ろう材の
超微粒子の堆積膜を介して前記接合されるべき部品のろ
う付け部を重ね合わせ、真空中または不活性ガス雰囲気
中で加熱してろう付けすることを特徴とするろう付け方
法によって達成される。
【0009】又以上の目的は、同種又は異種の材料を使
用した部品同士をろう材によって接合するろう付け方法
において、不活性ガス雰囲気の超微粒子生成室内で、接
合されるべき前記部品と共晶合金を形成する元素及び金
属化合物を形成する元素のうち少なくともひとつの元素
で組成されるろう材を加熱蒸発させて超微粒子を生成
し、該ろう材の超微粒子を前記不活性ガスと共に所定の
濃度で貯蔵させるための貯蔵室内に導入し、該貯蔵室内
から真空下の膜形成室内への流量を調節することによ
り、該膜形成室内の加熱された前記部品上に形成する前
記ろう材の超微粒子堆積膜の厚さを制御するようにした
ことを特徴とするろう付け方法によって達成される。
【0010】又以上の目的は、同種又は異種の材料を使
用した部品同士をろう材によって接合するろう付け方法
において、不活性ガス雰囲気の超微粒子生成室内で、接
合されるべき前記部品と共晶合金を形成する元素及び金
属化合物を形成する元素のうち少なくとも一つの元素で
組成されるろう材を加熱、蒸発させて超微粒子を生成
し、該ろう材の超微粒子を前記不活性ガスと共に所定の
濃度で貯蔵させるための貯蔵室内に導入し、該貯蔵室内
で前記ろう材の超微粒子が重力作用で下方に沈降するこ
とによる前記ろう材の超微粒子の濃度分布の相違を利用
して、前記貯蔵室内から真空下の膜形成室内に前記不活
性ガスと共に一定量の前記ろう材の超微粒子を搬入し、
前記膜形成室内の加熱された前記部品上に形成する前記
超微粒子堆積膜の厚さを制御するようにしたことを特徴
とするろう付け方法によって達成される。
【0011】又以上の目的は、同種又は異種の材料を使
用した部品同士をろう材によって接合するろう付け方法
において、不活性ガス雰囲気の超微粒子生成室内で、接
合されるべき前記部品と共晶合金を形成する元素及び金
属化合物を形成する元素のうち少なくとも一つの元素で
組成されるろう材を加熱蒸発させて超微粒子を生成し、
該ろう材の超微粒子を前記不活性ガスと共に所定の濃度
で貯蔵させるための貯蔵室内に導入し、該貯蔵室内の圧
力低下に応じて、該貯蔵室から真空下の膜形成室内へ前
記超微粒子を前記不活性ガスと共に搬送する前記貯蔵室
内の搬送管の端部を低下させることにより、前記貯蔵
室内から前記膜形成室内への前記ろう材の超微粒子の流
量を制御して、該膜形成室内の加熱された前記部品上に
形成する前記超微粒子堆積膜の厚さを制御するようにし
たことを特徴とするろう付け方法によって達成される。
【0012】
【作用】同種又は異種の材料を使用した部品同士をろう
付けするに当り、これらの部品間を接合するろう材とし
て部品と共晶合金を形成する元素及び金属化合物を形成
する元素のうち1種類以上で組成されるろう材を加熱し
て超微粒子状に生成し、ろう付けする部品の片側若しく
は両側の部品のろう付け部に不活性ガスと共に噴きつけ
て、このろう材の超微粒子堆積膜を形成させ、部品同士
を当接して加熱し、ろう付けするようにしたので、従来
の箔状又は線状のろう材に比べてろう材の組成の選択巾
が広がり、又、ろう材の厚さを薄くすることができ、同
種材料同士、又は異種材料同士の部品のろう付けの適用
分野を拡大することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の第1実施例によるろう付け方
法について図面を参照して説明する。
【0014】本実施例では、一般構造材のステンレス鋼
と形状記憶や超弾性の特性を有するNiTiとのろう付
けについて説明する。尚、これらの部品はそれぞれの材
料の試験片とし、図1に示されるように、その形状は短
冊状で寸法は幅8mm、厚さ1.5mm、長さ120m
mのものを使用する。
【0015】図2は本発明のろう付け方法によるろう材
の超微粒子堆積膜を形成する装置全体を示しており、U
FP(超微粒子)生成室1(ステンレス鋼製で、内径3
00mm、 高さ350mm)と膜形成室2(ステンレ
ス鋼製で、内径400mm、高さ400mm)とは搬送
管3で連結されている。UFP生成室1内には蒸発原料
4がアルミナ(Al2 3 )で被覆されているヒータで
バスケット状のタングステン(W)製フィラメント5内
に収容され、フィラメント5の両端は一対の電極6によ
り固定され、これはUFP生成室1外に配設されている
電源7と接続されている。UFP生成室1の真空排気系
としては、真空ポンプ9が真空バルブ8を介して接続さ
れている。真空ポンプ9はメカニカルブースタとロータ
リポンプを組み合わせて用いられる。ガス導入系として
は、ガスボンベ10がガス流量調節弁11及びガス流量
計12を介してUFP生成室1内に接続さている。又、
UFP生成室1には室内Aの圧力を測定するための真空
計13及び圧力計14が取り付けられている。
【0016】膜形成室2内には試料テーブル18が配設
されており、この試料テーブル18上には図1に示され
るような試験片17が固定されて載置される。試料テー
ブル18は図3に示されるようにX−Y方向に移動可能
であると共に、この上に載置された試験片17を所定の
温度に昇温することができ、そのための加熱ヒータ19
が試料テーブル18に内蔵され、膜形成室2外に配設さ
れている電源20と接続されている。この加熱ヒータ1
9を設けるのは、Niのような融点([0021]に後
述するように1453℃)が高い金属の超微粒子堆積膜
を形成させてろう材とする場合には、ろう付けされるべ
き部品を[0020]に後述するようにあらかじめ20
0℃程度の温度に加熱しておくことにより、表面が平滑
で緻密な構造の超微粒子堆積膜が得られると共に、超微
粒子堆積膜と部品との間で高い付着性が得られるように
なるからである。膜形成室2の真空排気系としては、真
空ポンプ22が真空バルブ21を介して接続されてい
る。真空ポンプ22はメカニカルブースタとロータリポ
ンプを組み合わせて用いられる。又、膜形成室2には室
の圧力を測定するための真空計23が取り付けられ
ている。
【0017】搬送管3の上流側の一端はUFP生成室1
内に貫通して取り付けられており、その先端にはエアロ
ゾルの吸入口15が開口している。又、搬送管3の下流
側は膜形成室2内に貫通して取り付けられており、その
先端には内径 1mm、長さ50mmのステンレス鋼製
の細いノズル16が取り付けられている。細いノズル1
6の下方には上述した移動可能な試料テーブル18が配
設されているので、試料テーブル18を移動させなが
ら、試験片17上に細いノズル16から噴きつけられる
超微粒子を堆積させる。
【0018】以上、本発明の第1実施例におけるUFP
生成室1及び膜形成室2について説明したが、次にその
作用とろう付け方法について説明する。
【0019】本実施例では、金属と合金のろう付けとし
てステンレス鋼とNiTiのろう付けを行い、そのろう
材としてはNiを使用し、図1に示されるように片側の
ステンレス鋼試験片17上に超微粒子堆積膜30を形成
させた後、NiTiとのろう付けを行う。
【0020】図2で示されるUFP生成室1内に配設さ
れるフィラメント5は、アルミナで被覆され、その開口
部の内径が15mmのヒータでバスケット状のタングス
テン(W)製容器であり、そのフィラメント5内に蒸発
原料4を収容する。本実施例では、蒸発原料4として2
1.5gのショット状のNiを収容する。UFP生成室
1内はメカニカルブースタとロータリポンプを組み合わ
せた真空ポンプ9により排気され、0.15Pa以下の
圧力に到達したことを確認して真空バルブ8を閉じた
後、ガスボンベ10からHeガスを導入して、UFP生
成室1内の圧力を0.12MPaまで加圧する。その後
は、UFP生成室1内を0.12MPaの圧力を保持す
るのに必要なガスを流量計12により流量調整弁11を
調節しながら導入する。この場合のHeガスの流量は1
6.5SLMである。一方の膜形成室2内は、メカニカ
ルブースタとロータリポンプを組み合わせた真空ポンプ
22により真空排気しているが、膜形成室2とUFP生
成室1は搬送管3で連結されているので、搬送管3の細
いノズル16からは常時16.5SLMのHeガスが膜
形成室2内に流入している。試料テーブル18上にはス
テンレス鋼の試験片17が固定されて載置され、試料テ
ーブル18に内蔵されている加熱ヒータ19により20
0℃に加熱されている。
【0021】以上の状態で、UFP生成室1内のフィラ
メント5に電源7より電流を流して、蒸発原料4のNi
を加熱し、溶融、蒸発させ、1630℃(Niの融点は
1453℃)まで昇温させる。この時、フィラメント5
には9.2V、87Aの電力が与えられている。蒸発原
料4は高温のNi溶湯面からNi原子が蒸発し、平均粒
径が約40nmのNi超微粒子が生成される。生成され
たNi超微粒子はHeガス中に混合されてエアロゾル状
となり、吸入口15に吸い込まれ搬送管3を搬送されて
膜形成室2内に配設された細いノズル16から高速でそ
の下方の試料テーブル18上に載置されているステンレ
ス鋼試験片17上に噴射される。尚、細いノズル16の
先端部とステンレス鋼試験片17の表面との間隔は約 1
mmである。又、試料テーブル18は図3で示されるよ
うにX−Y方向に移動させることができるので、その上
に載置されたステンレス鋼試験片17をその長手方向に
直角に、即ち、図3のY方向に試料テーブル18を3m
m/minの速度で移動させると、上述したようにステ
ンレス鋼試験片17の幅は8mmであるので約3min
で図1に示されるようにステンレス鋼試験片17上には
超微粒子堆積膜30が形成される。この時の超微粒子堆
積膜30の膜幅は細いノズル16の内径より若干大きい
1.1mmであり、細いノズル16はその断面が円形で
あるので超微粒子堆積膜30の中央部の膜厚(5〜6μ
m)が厚くなって、山脈状となっているが、その表面は
平滑及び緻密な構造で試験片との付着性も良好である。
【0022】以上のようにして、ステンレス鋼とNiT
iとをろう付けする場合、そのろう材としてNiを使用
し、ろう付けする部品の一方の部品であるステンレス鋼
試験片17上にろう材であるNiを超微粒子状にして超
微粒子堆積膜30を形成させるのであるが、膜形成室2
内でステンレス鋼試験片17上に超微粒子堆積膜30を
形成させた後、このステンレス鋼試験片17を膜形成室
2から取り出し、他方のNiTi試験片と重ね合わせ、
抵抗加熱源からの輻射、高周波誘導加熱、アーク加熱等
の間接加熱方法により真空中又は不活性ガス(主にAr
ガス)雰囲気中で1050℃に加熱する。或は、ステン
レス鋼試験片17とNiTi試験片を重ね合わせた後、
一対の電極で直接押えて加熱するスポット加熱により加
熱する。尚、スポット加熱では、この場合、350W・
S(Watt・Sec)の入熱量が測定されている。
【0023】ステンレス鋼とNiTiのろう付けは上述
した加熱方法のうちのいずれかの方法を用いて1050
℃の温度を0.5min保持すれば充分である。Ni超
微粒子堆積膜のNiはステンレス鋼表面で金属化合物を
形成し、他方のNiTi表面で共晶合金を形成し、その
反応は短時間で起こる。
【0024】ろう付けしたステンレス鋼とNiTiを引
張り試験でその破断強度を調べたところ213kgの破
断強度が得られた。使用した試験片17の幅サイズは上
述したように8mmで、ステンレス鋼試験片17上に形
成された超微粒子堆積膜30はステンレス鋼試験片17
の幅方向に膜幅1.1mmで形成されるので、超微粒子
堆積膜30の面積、即ち、ろう付けの面積は8.8mm
2 (8mm×1.1mm)となり、1mm2 当たりの強
度は24.2kg/mm2 (213kg/8.8mm
2 )である。このことは本実施例におけるろう付け方法
を機械部品に利用したとしても充分な強度であるという
ことを示している。
【0025】又、本実施例でろう付けされた両試験片間
の隙間はほとんどなく、これはステンレス鋼試験片17
上に形成された超微粒子堆積膜30の膜厚が5〜6μm
で、これは従来のろう材の膜厚の約1/10と非常に薄
く、従来では図6のBに示されるようにろう付けした
後、ろう材の厚さに近い中間層が残っていたのが本実施
例では金属化合物若しくは共晶合金が形成されることに
より未反応の中間層がほとんど残らないのが原因である
と考えられ、精密部品のろう付けでも寸法精度を保つこ
とができる。
【0026】一方、本実施例の超微粒子状のNiをろう
材として使用したステンレス鋼とNiTiのろう付けを
従来の方法を用いてろう付けすると、Niは超微粒子状
ではなく箔状で、Ni箔をステンレス鋼とNiTiとの
間にはさみ込み加熱するのであるが、Ni箔を使用して
ろう付けするには1300℃以上に加熱する必要があ
り、NiTiの融点の1240℃をはるかに越える温度
に加熱しなければならないこととなりNi箔をろう材と
して使用することができない。そのため、Ag系(組成
は、76%Ag−20%Cu−4%Zn)のろう材を使
用し、850〜900℃に加熱してろう付けしている
が、ろう付けの加熱保持時間は10minを必要とし、
ろう付け後、その強度は10.5kg/mm2 で、本実
施例における超微粒子状のNiをろう材として使用した
場合のろう付け部の強度(24.2kg/mm2 )に比
べ43%の強度となる。又、中間層としては40μmの
Ni箔を用いた場合、約25μmの中間層が存在する
が、超微粒子状のNiを使用した場合はほとんど中間層
が存在しない。
【0027】次に本発明の第2実施例によるろう付け方
法について図面を参照して説明する。
【0028】本実施例では、活性金属であるTiとセラ
ミックスであるAl23 とのろう付けについて説明す
る。尚、これらは、第1実施例と同様、それぞれの材料
の試験片とし、図1に示されるようにその形状は短冊状
で幅8mm、厚さ1.5mm、長さ120mmのものを
使用する。又、装置についても第1実施例と同一の装置
を用いるので同一の符号を付し、その詳細な説明は省略
する。以下、本実施例におけるろう付け方法について説
明する。
【0029】本実施例では、TiとAl23 のろう付
けを行うのであるが、そのろう材である蒸発原料4とし
ては第1実施例と同様にNiを使用し、接合する試験片
の片側のAl23 試験片上に超微粒子堆積膜を形成さ
せた後、Tiとのろう付けを行う。
【0030】Al23 試験片上に超微粒子堆積膜を形
成させるのは、第1実施例と同様にろう材であるNiを
UFP生成室1内で超微粒子にした後、不活性ガスと共
に搬送管3を搬送されその先端の細いノズル16(内径
1mm)から膜形成室2内のAl23 試験片上に不活
性ガスと共にNiの超微粒子を噴きつけ、膜厚が15〜
20μmの線状膜を形成させる。この膜厚は第1実施例
のステンレス鋼試験片17上に形成した超微粒子堆積膜
30の膜厚5〜6μmより厚いが、従来におけるAl2
3 のろう付けではろう付けを行う前にAl23 の表
面上にNi、Cr、Ag等の金属を蒸着し、その表面へ
のぬれ性を良くするようにしていたが、本実施例でも同
様にぬれ性を良くし、かつろう材としての役割をかねる
ものであるので第1実施例で形成した超微粒子堆積膜よ
り厚くしている。Al23 試験片上に超微粒子堆積膜
を形成させた後、Al23 試験片にTi試験片を重ね
合わせて真空中若しくは不活性ガス(主にArガス)雰
囲気中で1100℃に加熱し、その温度を5〜10mi
n間保持する。
【0031】以上のようにしてろう付けしたAl23
とTiの強度は、引張り試験を行ったところ163kg
で破断し、破断したのはAl23 試験片側であった。
又、1mm2 当たりの強度は、ろう付けの面積が8.8
mm2 であるので18.5kg/mm2 (163kg/
8.8mm2 )となり、良好な接着強度が示されてい
る。
【0032】一方、本実施例におけるAl23 とTi
を従来法によりろう付けを行うと、従来ではろう材とし
て70%Ti−15%Ni−15%Agの組成で、厚さ
が100μmの箔状のろう材を使用し、これをAl23
とTiとの間にはさみ込んで真空中若しくは不活性ガ
ス(主にArガス)雰囲気中で1200℃に加熱し、2
5〜30min保持してろう付けする。ろう付け後の引
張り試験では123kgで破断したので、1mm2 当た
りの強度は14.0kg/mm2( 123kg/ 8.
8mm2 )となり本実施例によりろう付けした場合の強
度18.5kg/mm2 に比べてその強度は低い。これ
はろう材を箔状に加工する時の圧延性の向上及びろう材
の融点の低下のために15%のAgをろう材中に添加し
ているためである。又、ろう付け後の寸法は、従来法で
ろう付けした場合に比べ、本実施例でろう付けした方が
0.15〜0.2μm薄く、ろう付け後の寸法精度が保
たれていることは第1実施例と同様である。
【0033】次に、本発明の第3実施例によるろう付け
方法について図面を参照して説明する。尚、第1実施例
及び第2実施例と同一の部分については同一の符号を付
し、その詳細な説明は省略する。
【0034】本実施例における装置は図4にその構成が
示されており、UFP生成室1とエアロゾルの貯蔵室5
0と膜形成室2とからなっている。これらのうちUFP
生成室1と貯蔵室50とが、各々の上壁部を貫通して搬
送管51により接続されている。搬送管51には停止弁
53が取り付けられ、これらの開閉によりUFP生成室
1内と貯蔵室50内とが連通されたり、気密に遮断され
る。又、貯蔵室50と膜形成室2とは各々の上壁部を貫
通して搬送管52により接続されている。搬送管52に
は同様に停止弁54が取り付けられ、この開閉により貯
蔵室50内と膜形成室2内とが連通されたり、気密に遮
断される。
【0035】UFP生成室1と膜形成室2の構成につい
ては第1実施例及び第2実施例と同様であるので、その
詳細な説明は省略し、以下、貯蔵室50の構成について
説明すると、貯蔵室50の側壁部のほぼ中央部には覗窓
57、58が配設され、一方の覗窓57側にはHe−N
eレーザ発射体59が配設され、他方の覗窓58側には
デテクター61が配設され、これらはレーザビーム集光
レンズ60を介在させて、同一光軸上に対向させて設け
られている。貯蔵室50はその底壁部に室内Bを排気す
るための真空ポンプ63が真空バルブ62を介在させて
接続され、又室内Bの圧力を計測するための圧力計55
が取り付けられている。貯蔵室50に取り付けられてい
る搬送管52の先端部56aは搬送管先端移動装置56
により図5で示される矢印方向に移動可能である。
【0036】以上本実施例による構成について説明した
が、次にその作用について説明する。
【0037】本実施例では、第1実施例と同様にろう材
としてNiを使用してステンレス鋼とNiTiをろう付
けする場合について説明する。ろう材であるNiをUF
P生成室1内のフィラメント5に蒸発原料4として収容
し、室内Aを真空ポンプ9により排気した後、ガス流量
調節弁11によりガスの流量を調節しながらガスボンベ
10よりHeガスを導入する。電源7により電極6に電
流を流してフィラメント5を加熱することにより蒸発原
料4であるNiを加熱し、溶融、蒸発させて超微粒子を
生成させる。
【0038】他方、貯蔵室50は真空ポンプ63により
室内Bを排気した後、停止弁53を開き、UFP生成室
1内では引き続き超微粒子を生成させながら、ガスボン
ベ10からUFP生成室1へHeガスを流し込むと、N
iの超微粒子とHeガスが混合してエアロゾルとなり、
このエアロゾルは搬送管51を介して搬送され、貯蔵室
50内へ搬送される。貯蔵室50内の圧力が所定の圧力
になったとき停止弁53を閉じる。
【0039】貯蔵室50の室内Bに充填されたNi超微
粒子の濃度は覗窓57、58を介してHe−Neレーザ
発射体59による回折でデテクター61により検出され
る。膜形成室2内では真空ポンプ22により室内Cが排
気されており、停止弁54を開くとエアロゾルは搬送管
52に吸い込まれ、室内Bから室内Cに搬送される。室
内Cでは搬送管52の先端の細いノズル46からその下
方の試料テーブル18に載置され加熱ヒータ19によっ
て加熱されたステンレス鋼試験片17上にはエアロゾル
が高速噴射されNiの超微粒子堆積膜30が形成され
る。
【0040】エアロゾルの貯蔵室50ではその高さ方向
でNi超微粒子の濃度分布があり、時間の経過と共に重
力作用により室内Bにおいて、上部より下部の方がNi
超微粒子の濃度が高くなる。又、貯蔵室50の室内Bか
ら膜形成室2の室内CへNi超微粒子が搬送されると、
時間の経過と共にエアロゾル中の超微粒子の搬送流量が
小さくなり、かつ室内BのNi超微粒子の濃度が小さく
なる。この室内Bで時間が経過すると共にエアロゾル中
のNi超微粒子の搬送流量が小さくなる割合と、室内B
において下方に向かうほどNi超微粒子の濃度が高くな
る割合を考慮すると、時間の経過と共に搬送管52の先
端部56aを下方に移動すると、一定濃度のNi超微粒
子が搬送管52の先端部56aに吸い込まれ、膜形成室
2へ搬送される。従って、図5に示されるように、この
エアロゾルの使用の経過(エアロゾルの貯蔵室50の室
内Bの圧力の低下)と共に、搬送管52の先端部56a
を搬送管先端移動機構56により直下方に移動させる。
【0041】膜形成室2内のステンレス鋼試験片17は
試料テーブル18上に載置されているが、ステンレス鋼
試験片17上にエアロゾルを噴きつけながら、試料テー
ブル18を3mm/minの速度で移動させることによ
りNi超微粒子の堆積膜を形成させるが、貯蔵室50で
Ni超微粒子の濃度を一定にして搬送するように制御し
ているので、ステンレス鋼試験片17上に形成された超
微粒子堆積膜30の膜はほぼ全体に渡って一定であ
り、又、その膜厚を0.1〜100μmの範囲で選択し
て堆積させるように制御することができるがろう材とし
ては1〜数μmでよい。
【0042】以上のように、本実施例では使用時間の経
過と共に、エアロゾル貯蔵室50の圧力の低下にともな
う膜形成室2への超微粒子の搬送量の低下を、貯蔵室5
0の室内Bのエアロゾル中の超微粒子が下方へ向かうほ
ど、超微粒子の濃度が高くなることで補い、ステンレス
鋼試験片17上に形成される超微粒子堆積膜30の膜厚
がほぼ一定になるように保たれている。
【0043】以上のようにステンレス鋼試験片17上に
超微粒子堆積膜30を形成させた後、NiTi試験片を
重ね合わせて真空中若しくは不活性ガス(主にArガ
ス)雰囲気中で加熱するか、又はスポット加熱により加
熱して、昇温までの時間を考慮 1050℃で2〜3m
in間保持してろう付けするのは第1実施例と同様であ
る。
【0044】以上述べたように、金属やセラミックス等
の各種材料の部品をろう付けするのにそのろう材を超微
粒子状にして使用した場合、ろう材の組成は従来の箔状
又は線状のろう材に比べて選択の幅が広く、又、ろう材
の厚さを薄くしてろう付けする部品の片側若しくは両側
に付着させる。このようにしてろう付けした結果、従来
のろう付けより小さい入熱量で、又、その保持時間を短
縮することができる。これは、ろう材の使用量が少な
く、ろう材を構成している超微粒子自身は非常に熱容量
が小さいので、外部からの熱により急速に昇温して部品
片と反応するためである。一般に、金属は融点の60〜
70%の温度(通常1000℃前後)で結晶粒の粗大化
の傾向があり、その粒成長は部品に対して悪影響を及ぼ
すので、ろう付け時の温度は1000℃近辺で、できる
限り低く、又、その保持時間を短くすることが望まれて
おり、本発明で小さい入熱量で保持時間を短縮したこと
により、部品の結晶粒粗大を防止することができ、必要
以上の化合物層の生成、雰囲気ガス中の有害ガス(例え
ば、O2 、H2 ガス)との反応等による部品の劣化を防
止することができる。又、保持時間を短縮したと共に入
熱量が小さいので、ろう材の超微粒子は低温で燒結が進
行し、緻密な膜が形成される。例えば、平均粒径が20
nmのNi超微粒子のペレットは、680℃の無加圧下
では相対密度が99〜100%とほぼ完全に緻密化する
ことができる。
【0045】又、従来の箔状又は線状のろう材に比べ、
本発明の方法で超微粒子状のろう材を用いることによ
り、ろう材として選定した元素の超微粒子を部品上の任
意の位置に所望する形状で緻密な膜を形成することがで
きる。膜と部品との付着性は良好であり、ろう材の厚さ
が薄いので、ろう付け後の寸法精度が保たれ、強度が向
上する。
【0046】以上、本発明の各実施例について説明した
が、勿論本発明はこれらに限定されることなく本発明の
技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0047】以上の第1実施例、第2実施例及び第3実
施例において、いずれもUFP生成室で超微粒子を生成
しながら膜形成室で超微粒子の堆積膜を形成するように
しているが、UFP生成室を用いないで、予め作製した
超微粒子を用いるようにしてもよい。また、いずれも1
種類の元素のろう材を用いたが、2種類以上の元素の超
微粒子の混合粉、若しくは多元合金超微粒子を堆積させ
るようにしてもよい。更に、2種類以上の元素が混合す
るろう材は、そのうちのひとつの元素が接合する部品の
片側と反応し易いということが予め判明している場合、
その部品側に、反応し易い元素を多く含むように超微粒
子を堆積するようにした傾斜組成も可能である。
【0048】又、本発明の実施例ではステンレス鋼とN
iTi又はTiとAl23 をろう付けする場合につい
て説明したが、ろう付けする部品の材質としては、F
e、Ni、Co、Cr、Ti、Zr、W、Mo、Nb、
Al、Cu等の金属、SiO2、SiC、AlN、Zr
2 、MgO、Si34 等の酸化物、炭化物、窒化物
のセラミックス、合金、金属化合物及び複合材料等の組
み合わせについて、ろう付けする部品に溶融・拡散し易
い、又は、部品との間に共晶合金を形成してろう付けの
温度が低下するような元素を自由に選択してそれをろう
材とすることでろう付けすることができる。
【0049】以上により、例えば、電子・電気機器とし
ては電算機構成部品、家電用機器の部品、電池部品等、
精密機械としては時計の部品、ミシンの部品等、医療機
器としては各種検査機器の部品、生体用材料等、スポー
ツ・レジャー用品としてはゴルフ・海洋の用品、高性能
自転車の部品等、日用品としてはメガネ、住宅関係の物
品等、その他として装飾品全般等の機器を構成する部品
や単品のろう付けに広い分野で利用でき、又、従来のろ
う付け方法では達成できなかった材料同士のろう付けが
可能となり適用の分野を更に拡大することができる。
【0050】
【発明の効果】本発明のろう付け方法によれば、同種又
は異種同士の材料を使用した部品ろう付けするのに、ろ
う付けする部品と共晶合金を形成する元素、金属化合物
を形成する元素のうち1種類以上の元素で組成されるろ
う材を超微粒子状にして用いることによりろう材の厚さ
を薄くでき、ろう付け後には未反応のろう材がほとんど
存在しないので、ろう付け後の寸法精度が保たれ、強度
を向上させることができる。又、ろう付けする部品の材
質の組み合わせは、ろう材を選択することによりその範
囲を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における試験片の斜視図であ
る。
【図2】本発明の第1実施例及び第2実施例におけるろ
う材膜形成装置の側断面図である。
【図3】図2における[3]−[3]線方向断面図であ
る。
【図4】本発明の第3実施例におけるろう材膜形成装置
の側断面図である。
【図5】本発明の第3実施例におけるろう材膜形成装置
の貯蔵室の側断面図である。
【図6】Aは従来における部品とその間のろう材のろう
付け前の状態を示す図であり、Bは部品とその間のろう
材のろう付け後の状態を示す図である。
【符号の説明】
30 超微粒子堆積膜

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同種又は異種の材料を使用した部品同士
    ろう材によって接合するろう付け方法において、不活
    性ガス雰囲気の超微粒子生成室内で、接合されるべき前
    記部品と共晶合金を形成する元素及び金属化合物を形成
    する元素のうち少なくともひとつの元素で組成されるろ
    う材を加熱蒸発させて超微粒子を生成し、該ろう材の超
    微粒子を前記不活性ガスに同伴させて搬送管により真空
    下にある膜形成室内に搬送し、該膜形成室内に配置され
    た接合されるべき前記部品の少なくとも一方の加熱され
    た部品のろう付け部へ、前記搬送管の先端の細いノズル
    から前記ろう材の超微粒子を前記不活性ガスと共に差圧
    によって噴きつけて前記ろう材の超微粒子の堆積膜を形
    成させた後前記ろう材の超微粒子の堆積膜を介して前
    記接合されるべき部品のろう付け部を重ね合わせ、真空
    中または不活性ガス雰囲気中で加熱してろう付けする
    とを特徴とするろう付け方法。
  2. 【請求項2】 前記超微粒子堆積膜を0.1〜100μ
    mの膜厚に形成させる請求項1に記載のろう付け方法。
  3. 【請求項3】 前記部品同士がステンレス鋼を使用した
    部品とNiTiを使用した部品であり、Niの超微粒子
    堆積膜を前記ろう材としてろう付けする請求項1に記載
    のろう付け方法。
  4. 【請求項4】 前記部品同士がTiを使用した部品とA
    2 3 を使用した部品であり、Niの超微粒子堆積膜
    を前記ろう材としてろう付けする請求項1に記載のろう
    付け方法。
  5. 【請求項5】 同種又は異種の材料を使用した部品同士
    ろう材によって接合するろう付け方法において、不活
    性ガス雰囲気の超微粒子生成室内で、接合されるべき前
    記部品と共晶合金を形成する元素及び金属化合物を形成
    する元素のうち少なくともひとつの元素で組成されるろ
    う材を加熱蒸発させて超微粒子を生成し、該ろう材の超
    微粒子を前記不活性ガスと共に所定の濃度で貯蔵させる
    ための貯蔵室内に導入し、該貯蔵室内から真空下の膜形
    成室内への流量を調節することにより、該膜形成室内の
    加熱された前記部品上に形成する前記ろう材の超微粒子
    堆積膜の厚さを制御するようにしたことを特徴とするろ
    う付け方法。
  6. 【請求項6】 同種又は異種の材料を使用した部品同士
    ろう材によって接合するろう付け方法において、不活
    性ガス雰囲気の超微粒子生成室内で、接合されるべき前
    記部品と共晶合金を形成する元素及び金属化合物を形成
    する元素のうち少なくともひとつの元素で組成されるろ
    う材を加熱蒸発させて超微粒子を生成し、該ろう材の超
    微粒子を前記不活性ガスと共に所定の濃度で貯蔵させる
    ための貯蔵室内に導入し、該貯蔵室内で前記ろう材の超
    微粒子が重力作用で下方に沈降することによる前記ろう
    材の超微粒子の濃度分布の相違を利用して、前記貯蔵室
    内から真空下の膜形成室内に前記不活性ガスと共に一定
    量の前記ろう材の超微粒子を搬入し、該膜形成室内の
    熱された前記部品上に形成する前記ろう材の超微粒子堆
    膜の厚さを制御するようにしたことを特徴とするろう
    付け方法。
  7. 【請求項7】 同種又は異種の材料を使用した部品同士
    ろう材によって接合するろう付け方法において、不活
    性ガス雰囲気の超微粒子生成室内で、接合されるべき前
    記部品と共晶合金を形成する元素及び金属化合物を形成
    する元素のうち少なくともひとつの元素で組成されるろ
    う材を加熱蒸発させて超微粒子を生成し、該ろう材の超
    微粒子を前記不活性ガスと共に所定の濃度で貯蔵させる
    ための貯蔵室内に導入し、該貯蔵室内の圧力低下に応じ
    て、該貯蔵室から真空下の膜形成室内へ前記ろう材の超
    微粒子を前記不活性ガスと共に搬送する前記貯蔵室内の
    搬送管の端部を低下させることにより、前記貯蔵室内
    から前記膜形成室内への前記ろう材の超微粒子の流量を
    制御して、該膜形成室内の加熱された前記部品上に形成
    する前記ろう材の超微粒子堆積膜の厚さを制御するよう
    にしたことを特徴とするろう付け方法。
JP14260193A 1993-05-21 1993-05-21 ろう付け方法 Expired - Fee Related JP3414790B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14260193A JP3414790B2 (ja) 1993-05-21 1993-05-21 ろう付け方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14260193A JP3414790B2 (ja) 1993-05-21 1993-05-21 ろう付け方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06328243A JPH06328243A (ja) 1994-11-29
JP3414790B2 true JP3414790B2 (ja) 2003-06-09

Family

ID=15319110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14260193A Expired - Fee Related JP3414790B2 (ja) 1993-05-21 1993-05-21 ろう付け方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3414790B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4675821B2 (ja) * 2006-04-28 2011-04-27 株式会社豊田中央研究所 ろう付け方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06328243A (ja) 1994-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101342823B1 (ko) 스퍼터 타깃과 x-레이 애노드의 제조 또는 재처리를 위한코팅 공정
US5988488A (en) Process of bonding copper and tungsten
KR101342314B1 (ko) 기판 표면의 코팅 방법 및 코팅된 제품
JPH1025576A (ja) Cvd成膜法における原料化合物の昇華方法
JP3452617B2 (ja) ガスデポジション装置
US5211776A (en) Fabrication of metal and ceramic matrix composites
US20100015467A1 (en) Method for coating a substrate and coated product
JPH0142742B2 (ja)
US4929511A (en) Low temperature aluminum based brazing alloys
GB2134832A (en) Method of etablishing a bond between titanium and an iron-nickel alloy
JPH06116743A (ja) ガス・デポジション法による微粒子膜の形成法およびその形成装置
JP3414790B2 (ja) ろう付け方法
US4941928A (en) Method of fabricating shaped brittle intermetallic compounds
JP2950436B2 (ja) 複合化材料の製造方法
US6224682B1 (en) CVD of metals capable of receiving nickel or alloys thereof using inert contact
Norton et al. Brazing of aluminum nitride substrates
US3078564A (en) Bonding process and product thereof
US4838341A (en) Production of low temperature aluminum based brazing alloys
US3786854A (en) Method of making brazing alloy
JPS62158597A (ja) 多成分系の一致溶融性ろう材料の製造方法
US6319554B1 (en) Method and apparatus for surface metallization
JP2003001748A (ja) 複合材及びその製造方法
JPH06269931A (ja) 物品のろう付け方法とそのろう材膜形成装置
Semiatin et al. Consolidation of Continuous Fiber, Intermetallic-Matrix Composites
JP2001220251A (ja) ダイヤモンドのメタライズ方法およびダイヤモンドメタライズ部材並びにダイヤモンドメタライズ接合部材

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees