JP3414619B2 - 加入者線路測定方法とその装置 - Google Patents

加入者線路測定方法とその装置

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JP3414619B2
JP3414619B2 JP14215497A JP14215497A JP3414619B2 JP 3414619 B2 JP3414619 B2 JP 3414619B2 JP 14215497 A JP14215497 A JP 14215497A JP 14215497 A JP14215497 A JP 14215497A JP 3414619 B2 JP3414619 B2 JP 3414619B2
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幸成 立岩
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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Exchanges (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、規定値Vh 以上の
印加電圧に対しインピーダンスが低下する過電圧保護素
子を端末内部に含む加入者端末が加入者線路の一端側に
収容接続された状態で、その規定値Vh の正常/異常低
下による、加入者端末を含む加入者線路の正常/異常性
がその加入者線路の他端側から判定されるようにした加
入者線路測定方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでにも、加入者端末が一端側に収
容接続されている電話加入者線路(以下、単に加入者線
路と称す)各々の正常/異常性を確認することを目的と
して、定期的に、あるいは必要に応じ随時、交換機局舎
等に設置されている加入者線路測定装置から、加入者線
路上での各種電気的諸量(電圧・抵抗・容量等)が測定
された上、その正常/異常性が判定されているのが実情
である。例えば2線式加入者線路を構成している2つの
線路のうち、一方をA線、他方をB線とした場合、正
常、あるいは理想的な加入者線路では、A線対地間、B
線対地間各々での抵抗はともに無限大であり、また、加
入者端末がオンフック状態にあれば、AB線間での抵抗
も無限大となる。しかしながら、それら間での絶縁状態
が劣化すれば、加入者端末にかかる電圧が低下すること
により通話品質が劣化したり、加入者端末がオンフック
状態にあるにも拘らず、呼出し信号送出中にその呼出し
信号が停止されるといった不具合が生じるものとなって
いる。
【0003】ここで、呼出し信号送出中での呼出し信号
の異常停止について説明すれば、加入者端末が交換機か
ら呼出されるに際しては、その加入者端末が終端されて
いる加入者回路からは、加入者線路上に直流給電が行わ
れつつ、呼出し信号が印加されるものとなっている。図
7に示すように、給電部(定電圧源とこれに直列接続さ
れた保護抵抗とから構成)1から加入者線路上に直流給
電が行われている状態で、呼出し信号発生部2から呼出
し信号送出/停止切替えスイッチ3を介し呼出し信号が
印加されているものである。さて、一般に、加入者端末
がオンフック状態にある間、呼出し信号発生部2からは
呼出し信号が継続的に送出されているが、その呼出しに
応答すべく加入者端末がオフフック状態におかれた場合
には、初めてその送出が停止される必要があるものとな
っている。加入者端末のオンフック状態からオフフック
状態への遷移に伴い、加入者線路上での電気的状態には
変化が生じるが、その状態変化が状態変化検出部(例え
ば電圧計として構成)4で検出された上、その検出結果
にもとづき判断部5でその加入者端末がオフフック状態
にあると判断された場合には、制御部6により呼出し信
号送出/停止切替えスイッチ3が開放状態におかれるこ
とで、呼出し信号の加入者端末への送出が停止されてい
るものである。なお、本例では、説明の便宜上、呼出し
信号発生部2は加入者回路内のものとして図示されてい
るが、呼出し信号発生部2は、本来、加入者回路各々に
共通な呼出し信号発生器として設けられているものであ
る。
【0004】より具体的には、状態変化検出部4では、
給電部1内保護抵抗端での電圧が測定された上、加入者
線路上に流れる電流が算出されているが、加入者端末が
オンフック状態にあれば、その加入者端末での直流イン
ピーダンスは無限大であることから、加入者線路上には
直流電流が殆ど流れないものとなっている。しかしなが
ら、オフフック状態に遷移すれば、加入者線路を構成し
ているA線、B線が直流的に接続され、加入者線路上に
は直流電流が流れるところとなるが、この直流電流が規
定値以上であることを以て、判断部5では加入者端末が
オフフック状態にあると判断されているものである。こ
の判断を待って、制御部6により呼出し信号送出/停止
切替えスイッチ3が開放状態におかれ、呼出し信号の加
入者端末への送出が初めて停止されているものである。
【0005】しかしながら、絶縁劣化状態にある加入者
線路上に呼出し信号が送出される場合を想定すれば、加
入者端末がオンフック状態であるにも拘らず、加入者線
路上には規定値以上の電流が流れる場合があり、このよ
うな場合には、呼出し信号が異常停止されてしまうとい
うものである。よって、このような異常状態にある加入
者線路を速やかに検出すべく、加入者からの申告を待っ
て、あるいは予防保全のために定期的に加入者線路上で
の電気的諸量が測定されることで、加入者線路の品質維
持・管理が行われているものである。
【0006】ここで、従来技術に係る加入者線路測定方
法について説明すれば、図8は従来技術に係る加入者線
路測定装置を示したものである。図示のように、加入者
線路測定装置内には引込みスイッチ部10を介し測定対
象としての加入者線路各々が選択的に引き込まれた上、
直流電源部(定電圧源とこれに直列接続された保護抵抗
とから構成)11からはその加入者線路上に直流電圧
(通常、加入者回路からの給電電圧と同等の電圧)が印
加されるものとなっている。さて、例えば電圧計として
構成されている状態測定部8では、その加入者線路上で
の電圧状態が測定されているが、その際に測定された電
圧がV、直流電源部11における定電圧源の電圧がVS
(既知)、同じく直流電源部11における保護抵抗がR
S (既知)、加入者線路上での抵抗がRとすれば、状態
測定部8での測定電圧Vから、抵抗Rの値は以下の数式
1より容易に知れるものとなっている。
【0007】
【数1】
【0008】具体的な数値例にもとづき説明すれば、測
定電圧Vが30V、電圧VS が50V、抵抗RS が10
0Ωであったとすれば、抵抗Rは150Ωとして測定さ
れ得るものである。したがって、このような値として抵
抗Rが測定された場合には、加入者端末はオフフック状
態にあるか、または加入者線路が絶縁劣化状態にあると
推定され得るものである。また、測定電圧Vが50V、
電圧VS が50V、抵抗RS が100Ωであったとすれ
ば、抵抗Rは無限大として測定され得、したがって、加
入者端末がオンフック状態にあるか、または加入者線路
が断線状態にあると推定され得るものである。このよう
に、加入者線路上での電圧が測定されることで、加入者
端末でのオンフック/オフフック状態、または加入者線
路の正常/異常性が知れるものである。
【0009】なお、この種の技術に関するものとして
は、これまでに、例えば「電子回路を用いた加入者回路
試験用測定器」(昭和56年電子通信学会情報・システ
ム部門全国大会 408)や、特開平3−163369
号公報に記載された「加入者線路測定方法及びその測定
装置」が知られている。前者による場合、マイクロプロ
セッサ制御により各種試験(線路抵抗/容量試験、外来
電圧混線試験等)が行われた上、試験結果がディジタル
表示されたものとなっている。また、後者による場合に
は、加入者線路上に一定速度で変化する電圧が印加され
ることで、加入者線路の対地間容量が算出されている一
方、加入者線路上に一定電圧が印加されることで、加入
者線路の対地間絶縁抵抗が算出されたものとなってい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上からも判るよう
に、通常、加入者端末での直流インピーダンスはそれが
オンフック状態にあるならば無限大とされているが、加
入者端末の内部構成としては、図9に示すように、過電
圧保護対策が施されたものも考えられるものとなってい
る。通常、その直流インピーダンスは無限大であるが、
ある規定電圧Vh 以上の電圧が印加された際に、その直
流インピーダンスが低下する過電圧保護素子(以下、単
に保護素子と称す)が既存の端末回路構成(加入者端末
がオンフック状態にある場合に、これを図示の簡単化
上、純容量として示す)に対し並列接続されているもの
である。そのような保護素子を内部に含む加入者端末に
対し、加入者回路からの給電電圧(=VS )と、呼出し
信号発生部からの呼出し信号VCRとが印加される場合を
想定すれば、Vh >(VS +VCR)である限りにおいて
は、加入者端末での直流インピーダンスは無限大とさ
れ、したがって、加入者線路上には直流電流が流れな
く、呼出し信号の異常停止は何等生じないものとなって
いる。しかしながら、上記の如くの特性を有する保護素
子が劣化し規定電圧Vh自体が異常に低下した場合を想
定すれば、換言すれば、Vh <(VS +VCR)ともなれ
ば、呼出し信号の異常停止が生じてしまうというもので
ある。これは、加入者端末が呼出される際に、その保護
素子にはVh 以上の電圧が印加される結果として、その
保護素子での直流インピーダンスが小さくなり、加入者
端末がオンフック状態にあるにも拘らず、加入者線路上
には直流電流が流れてしまうからである。その電流を加
入者回路内の状態変化検出部4で検出の上、判断部5で
その電流が規定値以上であって、加入者端末がオフフッ
ク状態にあると誤って判断された場合には、制御部6に
より呼出し信号送出/停止切替えスイッチ3が開放状態
におかれ、呼出し信号の送出が停止されてしまうからで
ある。このように、規定電圧Vh 自体の異常低下も加入
者線路の異常として検出される必要があるが、これまで
の加入者線路測定方法にあっては、直流電源部11から
加入者線路上に印加される直流電圧は加入者回路からの
給電電圧VS と同等であるため、規定電圧Vh 自体が異
常に低下したとしても、そのVh がVS 以上である場合
には、保護素子での直流インピーダンスは無限大のまま
であり、よって、状態測定部8では加入者線路上の直流
インピーダンスは無限大と測定され、規定電圧Vh 自体
が異常に低下しているにも拘らず、加入者線路は異常と
して検出され得ないものとなっている。
【0011】本発明の目的は、規定値Vh 以上の印加電
圧に対しインピーダンスが低下する保護素子を端末内部
に含む加入者端末が加入者線路に収容接続された状態
で、その規定値Vh の異常低下による加入者線路の異常
が容易に検出され得る加入者線路測定方法とその装置を
供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、基本的に
は、規定値Vh 以上の印加電圧に対しインピーダンスが
低下する保護素子を端末内部に含む加入者端末が加入者
線路に収容接続されているとして、その加入者線路上
に、交流電圧V2 が重畳された状態の直流電圧V1が
加されつつ、加入者線路上での電圧状態又は電流状態を
その加入者線路の他端側で監視し、その監視結果から
は、交流成分の除去により平均値としての直流電圧成分
又は直流電流成分が抽出され、該直流電圧成分又は直流
電流成分とVh>V1+V2の関係を満たす規定値Vh
正常時での直流電圧成分又は直流電流成分との比較か
ら、加入者線路上での正常性及び異常性が判定されるこ
とで達成され、また、装置構成としては、その構成要素
として、加入者線路各々の他端側を本装置内に選択的に
引き込む引込みスイッチ部と、この引込みスイッチ部を
介し引き込みされている加入者線路に直流電圧V1 を印
加する直流電源部と、この直流電源部より印加される直
流電圧V1 に対し、交流電圧V2 を重畳する交流電源部
と、上記引込みスイッチ部を介し引き込みされている加
入者線路上での電圧状態又は電流状態を監視する監視部
と、この監視部からの監視結果から、交流成分の除去に
より平均値としての直流電圧成分又は直流電流成分を抽
出するフィルタ部と、このフィルタ部からの直流電圧成
分又は直流電流成分とVh>V1+V2の関係を満たす
規定値Vh 正常時での直流電圧成分又は直流電流成分
の比較から、加入者線路上での正常性及び異常性を判定
する状態判定部とを少なくとも具備せしめることで達成
される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
から図6により説明する。先ず基本的な構成に係る、本
発明による加入者線路測定装置について説明すれば、図
1はその一例での概要構成を示したものである。図示の
ように、これまでの場合と同様、測定対象としての加入
者線路各々は引込みスイッチ部10を介し加入者線路測
定装置内に選択的に引き込まれているが、これまでのも
のと異なるところは、現に引き込みされている加入者線
路上には、直流電源部11からは直流電圧V1 が、ま
た、交流電源部0からは交流電圧V2 がそれぞれ印加さ
れることで、直流電圧V1 には交流電圧V2 が重畳され
た上、加入者端末、したがって、保護素子に印加されて
いることである。その加入者線路上での電圧状態はま
た、電圧監視部81で監視されているが、その監視結果
からは、交流成分の除去により平均値としての直流電圧
成分がフィルタ部7で抽出された上、状態判定部91
で、Vh>V1+V2の関係を満たす規定値Vh 正常時
での直流電圧成分との比較から、その加入者線路上での
正常性及び異常性が判定可とされたものとなっている。
【0014】以上からも判るように、結局、保護素子に
印加される最大電圧は(V1 +V2)として求められる
が、規定値Vh が正常である限りにおいては、(V1
2)<Vh の関係が維持されていることから、加入者
端末での直流インピーダンスは無限大(HZ)のままで
あり、したがって、フィルタ部7からは、直流電圧成分
としてV1 が抽出されるものとなっている。一方、保護
素子の劣化により規定値Vh が異常低下し、(V1 +V
2 )>Vh ともなれば、保護素子にVh 以上の電圧が印
加された際には、加入者端末での直流インピーダンスは
小さくなるため、フィルタ部7からは、その直流電圧成
分としてV1 よりも小さい電圧が抽出され得るものであ
る。
【0015】ここで、V1 =50V、V2 =最大値50
V(角周波数:ω)の方形波とし、また、通常、保護素
子での直流インピーダンスは無限大であるが、120V
以上の電圧が印加されれば、その直流インピーダンスが
0になるとして、その動作を具体的に説明すれば、加入
者端末、あるいは保護素子には、以下の数式2として示
される電圧Vk が印加されることになる。
【0016】
【数2】
【0017】数式2より加入者端末には最大100Vま
でしか電圧が印加されないので、加入者端末での直流イ
ンピーダンスは無限大(HZ)となるが、図2にこの場
合での加入者端末への印加電圧を波形1として、また、
加入者端末での直流インピーダンスを波形2として、更
に、フィルタ部7から抽出される直流電圧成分を波形3
として示す。このように、加入者線路上に50Vの直流
電圧が給電されつつ、最大電圧50Vの呼出し信号が印
加されたとしても、加入者端末がオンフック状態にあれ
ば、直流インピーダンスは無限大であって、加入者線路
上には直流電流が流れないことから、呼出し信号がその
送出途中で異常停止されることはないものである。
【0018】しかしながら、保護素子の劣化により80
V以上の電圧が印加されれば、直流インピーダンスが0
になる場合を想定すれば、加入者端末には、先の場合と
同様、数式2で示される電圧が印加されるところとなる
が、80V以上の電圧は加入者端末に印加され得ないこ
とになる。よって、加入者端末には数式3で示される電
圧Vk が印加されることになる。
【0019】
【数3】
【0020】図3にこの場合での加入者端末への印加電
圧を波形4として、また、加入者端末での直流インピー
ダンスを波形5として、更に、フィルタ部7から抽出さ
れる直流電圧成分を波形6として示す。このように、加
入者線路上に50Vの直流電圧が給電されつつ、最大電
圧50Vの呼出し信号が印加される場合には、加入者端
末がオンフック状態にあったとしても、直流インピーダ
ンスは無限大ではなく、加入者線路上には直流電流が流
れることになり、その直流電流が規定値以上であれば呼
出し信号は異常停止されてしまうものである。しかしな
がら、図2における波形3と、図3における波形6とを
比較すれば、これら波形3,6間には有意な電圧差が明
らかに認められ、この電圧差を以て容易に、保護素子の
異常に起因する加入者線路の異常が検出され得るもので
ある。
【0021】因みに、交流電源部0としては特別なもの
を用意することなく、既存の呼出し信号発生器を交流電
源部0として用い得るものとなっている。本発明による
加入者線路測定装置は加入者線路の正常性を確認すべ
く、交換機局舎等に設置されていることから、交流電源
部0に代わって、交換機局舎に設置されている呼出し信
号発生器が容易に転用され得るものである。特別な交流
電源を用いる場合には、加入者線路が短絡された際には
大電流が流れ、加入者線路や加入者線路測定装置が破壊
される虞があり、このため、回路保護用抵抗が必要とさ
れるが、この回路保護用抵抗の値が大きすぎる場合には
電圧降下が大きくなってしまい、交流信号レベルが低下
してしまう一方、これとは逆に、回路保護用抵抗の値が
小さすぎる場合は、回路保護用抵抗としての機能が失わ
れてしまうため、回路保護用抵抗の値は最適に選定され
ることが必要となる。しかしながら、加入者線路上での
各種電気的諸量として様々な状態のものが存在すること
を前提として呼出し信号発生器が回路設計されており、
また、加入者回路に対する保護回路が具備されているば
かりか、呼出し信号としてのレベル確保もなされている
ため、呼出し信号を用いることで、回路追加量は最小に
抑えられるものである。
【0022】また、直流電源部11からの直流電圧V1
にしても、これを加入者回路からの給電電圧VS と同等
とした上、交流電源部0に呼出し信号発生器を用いるこ
とで、加入者線路上での状態を加入者回路から呼出しを
行う場合と同等にし得る。換言すれば、呼出し信号とし
ての交流電圧がVCRであるとして、加入者端末が加入者
回路から呼出される際に、この加入者端末には(VS
CR)が印加されるが、もしも、その際に、Vh が(V
S +VCR)よりも小さければ、呼出し信号は異常停止し
てしまうが、このような加入者線路からの呼出し状態と
同一条件下で、加入者線路上での正常/異常性が検出さ
れ得るものである。
【0023】ところで、以上の説明では、フィルタ部7
からは直流電圧成分が抽出されているが、直流電流成分
が抽出されるようにしても同等な効果が得られるものと
なっている。図4に直流電流成分抽出に係る加入者線路
測定装置の一例での概要構成を示す。図示のように、図
1に示すものとの相違は、電圧監視部81、状態判定部
91がそれぞれ電流監視部82、状態判定部92に置換
されていることである。したがって、加入者線路上での
電流状態が電流監視部82で監視されているが、その監
視結果からは、交流成分の除去により平均値としての直
流電流成分がフィルタ部7で抽出された上、状態判定部
92で規定値Vh 正常時での直流電流成分との比較か
ら、その加入者線路上での正常/異常性が判定可とされ
ているものである。Vh が正常である限りにおいては、
加入者線路上には電流が流れなく、よって、フィルタ部
7からは直流電流成分が抽出され得ないが、Vh の異常
低下に伴い、Vh が(V1 +V2 )よりも小さくなれ
ば、加入者線路上には電流が流れ、よって、フィルタ部
7からは直流電流成分が抽出され得るというわけであ
る。
【0024】ここで、V1 =50V、V2 =最大値50
V(角周波数:ω)の方形波とし、また、通常、保護素
子での直流インピーダンスは無限大であるが、120V
以上の電圧が印加されれば、その直流インピーダンスが
0になるとして、その動作を具体的に説明すれば、加入
者端末、あるいは保護素子には、既述の数式2として示
される電圧Vk が印加されることになる。数式2より加
入者端末には最大100Vまでしか電圧が印加されない
ので、加入者端末での直流インピーダンスは無限大(H
Z)となるが、図5にこの場合での加入者端末への印加
電圧を波形7として、また、加入者端末での直流インピ
ーダンスを波形8として、更に、電流監視部82で監視
されている電流を波形9として、更にまた、フィルタ部
7から抽出される直流電流成分を波形10として示す。
このように、加入者線路上に50Vの直流電圧が給電さ
れつつ、最大電圧50Vの呼出し信号が印加されたとし
ても、加入者端末がオンフック状態にあれば、直流イン
ピーダンスは無限大であって、加入者線路上には直流電
流が流れないことから、呼出し信号がその送出途中で異
常停止されることはないものである。
【0025】しかしながら、保護素子の劣化により80
V以上の電圧が印加されれば、直流インピーダンスが0
になる場合を想定すれば、加入者端末には、先の場合と
同様、数式2で示される電圧が印加されるところとなる
が、80V以上の電圧は加入者端末に印加され得ないこ
とになる。よって、加入者端末には既述の数式3で示さ
れる電圧Vk が印加されることになる。ここで、直流電
源部11、交流電源部0各々での内部抵抗の合計が10
0Ωであるとすれば、これら内部抵抗には20Vの電圧
がかかるため、加入者線路上には以下の数式4で示され
る電流が流れることになる。
【0026】
【数4】
【0027】図6にこの場合での加入者端末への印加電
圧を波形11として、また、加入者端末での直流インピ
ーダンスを波形12として、更に、電流監視部82で監
視されている電流を波形13として、更にまた、フィル
タ部7から抽出される直流電流成分を波形14として示
す。このように、加入者線路上に50Vの直流電圧が給
電されつつ、最大電圧50Vの呼出し信号が印加される
場合には、加入者端末がオンフック状態にあったとして
も、直流インピーダンスは無限大ではなく、加入者線路
上には直流電流が流れることになり、その直流電流が規
定値以上であれば呼出し信号は異常停止されてしまうも
のである。しかしながら、図5における波形10と、図
6における波形14とを比較すれば、これら波形10,
14間には有意な電流差が明らかに認められ、この電流
差を以て容易に、保護素子の異常に起因する加入者線路
の異常が検出され得るものである。
【0028】この直流電流成分抽出に係る加入者線路測
定装置でも、先の場合と同様、直流電源部11からの直
流電圧V1 を加入者回路からの給電電圧VS と同等とし
た上、交流電源部0に呼出し信号発生器を用い得るもの
であることは勿論である。
【0029】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1,2に
よる場合には、規定値Vh 以上の印加電圧に対しインピ
ーダンスが低下する保護素子を端末内部に含む加入者端
末が加入者線路に収容接続された状態で、その規定値V
h の異常低下による加入者線路の異常が容易に検出され
得る加入者線路測定方法とその装置が、また、請求項
3,4による場合は、加入者回路から加入者端末が呼出
されるのと同一条件下で、規定値Vh の異常低下による
加入者線路の異常が容易に検出され得る加入者線路測定
方法とその装置がそれぞれ得られるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、基本的な構成に係る、本発明による加
入者線路測定装置の一例での概要構成を示す図
【図2】図2は、加入者端末に含まれている保護素子が
正常である場合での、その加入者端末への印加電圧、そ
の加入者端末での直流インピーダンス、フィルタ部から
抽出される直流電圧成分をそれぞれ波形として示す図
【図3】図3は、同じく加入者端末に含まれている保護
素子が異常である場合での、その加入者端末への印加電
圧、その加入者端末での直流インピーダンス、フィルタ
部から抽出される直流電圧成分をそれぞれ波形として示
す図
【図4】図4は、直流電流成分抽出に係る、本発明によ
る加入者線路測定装置の一例での概要構成を示す図
【図5】図5は、加入者端末に含まれている保護素子が
正常である場合での、加入者端末への印加電圧、加入者
端末での直流インピーダンス、電流監視部で監視されて
いる電流、フィルタ部から抽出される直流電流成分をそ
れぞれ波形として示す図
【図6】図6は、同じく加入者端末に含まれている保護
素子が異常である場合での、加入者端末への印加電圧、
加入者端末での直流インピーダンス、電流監視部で監視
されている電流、フィルタ部から抽出される直流電流成
分をそれぞれ波形として示す図
【図7】図7は、加入者線路が異常状態(絶縁劣化状
態)にある場合に、呼出し信号が異常停止されてしまう
ことを説明するための図
【図8】図8は、従来技術に係る加入者線路測定装置の
概要構成を示す図
【図9】図9は、過電圧保護対策が施された加入者端末
に対する、これまでの加入者線路測定方法を説明するた
めの図
【符号の説明】
0…交流電源部、7…フィルタ部、10…引込みスイッ
チ部、11…直流電源部、81…電圧監視部、82…電
流監視部、91,92…状態判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 映之 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株式会社 日立製作所 情報通信事業部 内 (56)参考文献 特開 平8−279849(JP,A) 特開 平9−205498(JP,A) 特開 昭58−63260(JP,A) 特開 昭57−18155(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/02 - 31/04 H04M 3/22 - 3/36

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 規定値Vh 以上の印加電圧に対しインピ
    ーダンスが低下する過電圧保護素子を端末内部に含む加
    入者端末が、加入者線路の一端側に収容接続された状態
    で、上記規定値Vh の正常状態及び異常低下による、該
    加入者端末を含む加入者線路の正常性及び異常性が該加
    入者線路の他端側から判定されるようにした加入者線路
    測定方法であって、加入者線路上に、交流電圧V2 が重
    畳された状態の直流電圧V1が印加されつつ、加入者線
    路上での電圧状態又は電流状態を該加入者線路の他端側
    で監視し、該監視結果からは、交流成分の除去により平
    均値としての直流電圧成分又は直流電流成分が抽出さ
    れ、該直流電圧成分又は直流電流成分とVh>V1+V
    2の関係を満たす規定値Vh 正常時での直流電圧成分又
    は直流電流成分との比較から、加入者線路上での正常性
    及び異常性が判定されるようにした加入者線路測定方
    法。
  2. 【請求項2】 規定値Vh 以上の印加電圧に対しインピ
    ーダンスが低下する過電圧保護素子を端末内部に含む加
    入者端末が、加入者線路の一端側に収容接続された状態
    で、上記規定値Vh の正常状態及び異常低下による、該
    加入者端末を含む加入者線路の正常性又は異常性が該加
    入者線路の他端側から判定されるようにした加入者線路
    測定装置であって、加入者線路各々の他端側を本装置内
    に選択的に引き込む引込みスイッチ部と、該引込みスイ
    ッチ部を介し引き込みされている加入者線路に直流電圧
    V1 を印加する直流電源部と、該直流電源部より印加さ
    れる直流電圧V1 に対し、交流電圧V2を重畳する交流
    電源部と、上記引込みスイッチ部を介し引き込みされて
    いる加入者線路上での電圧状態又は電流状態を監視する
    監視部と、該監視部からの監視結果から、交流成分の除
    去により平均値としての直流電圧成分又は直流電流成分
    を抽出するフィルタ部と、該フィルタ部からの直流電圧
    成分又は直流電流成分とVh>V1+V2の関係を満た
    す規定値Vh 正常時での直流電圧成分又は直流電流成分
    との比較から、加入者線路上での正常性及び異常性を判
    定する状態判定部と、を少なくとも含む構成の加入者線
    路測定装置。
  3. 【請求項3】 規定値Vh 以上の印加電圧に対しインピ
    ーダンスが低下する過電圧保護素子を端末内部に含む加
    入者端末が、加入者線路の一端側に収容接続された状態
    で、上記規定値Vh の正常状態及び異常低下による、該
    加入者端末を含む加入者線路の正常性又は異常性が該加
    入者線路の他端側から判定されるようにした加入者線路
    測定方法であって、加入者線路上に、呼出し信号として
    の交流電圧VCRが重畳された状態の、加入者回路からの
    給電電圧と同等の直流電圧VSが印加されつつ、加入者
    線路上での電圧状態又は電流状態を該加入者線路の他端
    側で監視し、該監視結果からは、交流成分の除去により
    平均値としての直流電圧成分又は直流電流成分が抽出さ
    れ、該直流電圧成分又は直流電流成分とVh >VCR+V
    Sの関係を満たす規定値Vh 正常時での直流電圧成分又
    は直流電流成分との比較から、加入者線路上での正常性
    及び異常性が判定されるようにした加入者線路測定方
    法。
  4. 【請求項4】 規定値Vh 以上の印加電圧に対しインピ
    ーダンスが低下する過電圧保護素子を端末内部に含む加
    入者端末が、加入者線路の一端側に収容接続された状態
    で、上記規定値Vh 正常状態及び異常低下による、該加
    入者端末を含む加入者線路の正常性及び異常性が該加入
    者線路の他端側から判定されるようにした加入者線路測
    定装置であって、加入者線路各々の他端側を本装置内に
    選択的に引き込む引込みスイッチ部と、該引込みスイッ
    チ部を介し引き込みされている加入者線路に、加入者回
    路からの給電電圧と同等の直流電圧VS を印加する直流
    電源部と、該直流電源部より印加される直流電圧VS に
    対し、呼出し信号としての交流電圧VCRを装置外部から
    重畳する呼出し信号発生部と、上記引込みスイッチ部を
    介し引き込みされている加入者線路上での電圧状態又は
    電流状態を監視する監視部と、該監視部からの監視結果
    から、交流成分の除去により平均値としての直流電圧成
    分又は直流電流成分を抽出するフィルタ部と、該フィル
    タ部からの直流電圧成分又は直流電流成分とVh >VCR
    +VSの関係を満たす規定値Vh 正常時での直流電圧成
    分又は直流電流成分との比較から、加入者線路上での正
    常性及び異常性を判定する状態判定部と、を少なくとも
    含む構成の加入者線路測定装置。
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