JP3414346B2 - 圧縮機及びそれに用いる板バネ - Google Patents

圧縮機及びそれに用いる板バネ

Info

Publication number
JP3414346B2
JP3414346B2 JP35936499A JP35936499A JP3414346B2 JP 3414346 B2 JP3414346 B2 JP 3414346B2 JP 35936499 A JP35936499 A JP 35936499A JP 35936499 A JP35936499 A JP 35936499A JP 3414346 B2 JP3414346 B2 JP 3414346B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
leaf spring
ribs
circumference
fixed
spring member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35936499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001173697A (ja
Inventor
健一 奈良
康正 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP35936499A priority Critical patent/JP3414346B2/ja
Publication of JP2001173697A publication Critical patent/JP2001173697A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3414346B2 publication Critical patent/JP3414346B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】高温超伝導現象が認められる
温度域(窒素温度:約80°K)に冷凍するためにリニ
アモータを構成要部とする圧縮機は知られているが、本
発明はこの圧縮機に好適に使用し得る板バネに関し、更
に詳しくは、耐久性が飛躍的に改良された板バネに関す
る。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来技術として図9(b)に
典型的なリニア圧縮機を示す。
【0003】この圧縮機は、円筒状の圧力容器(ケー
ス)16の内部に、2組の圧縮ユニットA、Bが対向し
て組み込まれており、圧縮ユニットA、Bは同一構成で
ある。そこで、圧縮ユニットAについて説明すると、圧
力容器16と一体のシリンダ14にピストン13を挿入
し、このピストン13を保持するシャフト(保持手段)
15の一端側と他端側とを各々板バネ10、10aを用
いて圧力容器16に支持せしめ、シャフト15の一端側
と他端側との間の任意位置に固定されたボビン(駆動手
段)にコイル(駆動手段)11を巻回すると共に、この
コイル11をヨーク(駆動手段)19の溝19aの中に
遊挿しているものである。
【0004】このように装置全体が圧力容器16に覆わ
れた構成であって、コイル11に電流が流れると、マグ
ネット12との間に電磁気力が作用し、ピストン13が
駆動する。複数のマグネットは磁気方向が同一方向とな
るように組み合わされているので、交流電流を流すこと
によって、ピストンはその軸方向において往復運動を行
う。ピストン13はシリンダ14と共に作業ガスを圧縮
・膨張する動作を行うが、ピストン自体は板バネ10、
10aによって間接的に支持されている。圧縮・膨張の
繰り返しにより配管20を介して冷却装置が冷却される
仕組みである。シリンダ14の圧力は、圧縮・膨張にお
いて、圧力容器16の背圧をPrとし、圧力変動△Pす
るとき、Pr±△Pとして示される。ここで、板バネ1
0、10aの剛性は、平面方向(板バネの面内であっ
て、図中の縦方向)に強く、軸方向(シャフトの運動方
向)に弱いため、ピストン13は殆ど平面方向には動か
ない。この結果、高精密なリニア圧縮機ではシリンダと
ピストンとの極めて微少なクリアランス(数μm以内)
を長期間正確に保持できることになる。従って、ピスト
ンとシリンダとを非接触状態に維持して機材の摩耗や固
着といった問題を回避できることから耐久性を改善でき
る利点があり、メンテナンスの労力がなくなる期待があ
る。
【0005】圧縮ユニットBも構造機能は、既に説明し
た圧縮ユニットAと全く同様である。圧縮機を対向型と
することにより2つのピストンを逆位相で稼働でき、振
動を相殺できる利点がある。勿論振動が少ない場合に
は、対向型とする必要がなく、単体型であっても本発明
の板バネは適用できる。
【0006】ところで、従来の圧縮機では、前述のバネ
として「渦巻きバネ」を使用しているため、バネの寿命
が短かく、リニア圧縮機の上述の精密性に優れるという
利点が充分に活かされていない。このバネの寿命が短か
いことから、頻繁に部品交換を要請され、その都度精度
の高い組立てを必要とし、しかも稼働率の低下が避けら
れないという問題がある。渦巻きバネでは外周リブと内
周リブとの間を多数の渦巻きバネで連結しているが、各
々の連結部位に鋭利な角度の部分が発生し、この鋭角な
部分に応力が集中し疲労破壊が起こり易いという問題が
判明されている。
【0007】そこで、本発明者等は冷凍機の圧縮機とし
て使用する板バネとして、疲労破壊の起こり難い構造の
研究とその開発とを進め、外周及び内周リブの間におけ
る鋭角部分を取り除く構造上の工夫を凝らして、応力集
中を緩和することを試み、板バネの耐用性を増大させる
ことに成功し、既に特許出願をしている(特許願平成9
年第263516号)。
【0008】本発明は、図9(b)に示した従来型リニ
ア圧縮機等に用いられるウエストリング型の板バネの耐
久性を飛躍的に改良して、リニア圧縮機等に適用できる
板バネを提供する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】板バネとして、応力集
中を回避する構造を備えたものを発案し、その実用性を
試験する方針でこの問題に臨んできている。殊に、従来
のウエストリング型の板バネは、既に述べたように、剛
性比(面内方向/軸方向)が大きい利点がある上に、応
力集中が少なく、中空部の領域(空間)を利用できると
いった特長を備えている。ところが、バネの長さ(大き
さ)に限界があって、小型化するとバネに加わる応力が
大きくなるため、小型のウエストリング型バネは造り難
いといった新たな問題に遭遇している。板バネを何枚か
重ねることにより対応することは、この問題の根本的解
決にはならない。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題は、板バネを二
重、三重のような多重構造にすることにより解決が可能
である。必要な変位量を得るために、二重バネではそれ
ぞれの変位の和で達成されるので、それぞれのバネ部材
の変位量は小さくなる。この結果、変位時に(換言する
と応力負荷時に)板バネを構成する個々の板バネ部材に
加わる応力が、厳密にはバネ部材の長さと幅とに依る
が、約半分に減少(換言すると変位量は半減)し、板バ
ネの小型化が可能となる構造を造り得る。
【0011】請求項1の発明は、シリンダに挿入された
ピストンと、該ピストン又は該シリンダを一端において
保持する保持体と、該保持体を圧力容器に支持する板バ
ネと、該保持体に軸方向の駆動力を与える駆動手段と、
を備えた圧縮機において、該板バネが内周となる板バネ
部材と、最外周となる板バネ部材との少なくとも2輪の
板バネ部材を第1及び第2のリブの位置で相互に固定連
結し、内周における2カ所の第3及び第4のリブを可動
部(又は固定部)とし、最外周における2カ所の第5及
び第6のリブを固定部(又は可動部)として、少なくと
も6個のリブを有し、前記固定部を前記圧力容器に固定
し、前記可動部を前記保持体に連結してなり、前記構成
により一体的な板バネとして機能する少なくとも二重の
多重板バネを備えた圧縮機とすることにより達成でき
る。
【0012】図9(b)に示すように、ハウジングに固
定され磁界を誘起する複数個のコイルと、複数個のマグ
ネットと、磁路を形成するためのヨークと、シリンダ
と、往復運動をして作動流体を膨張圧縮させるピストン
と、該ピストンの駆動力及び剛性を調整する板バネと、
磁路を形成し且つ圧力容器となるハウジングを含むリニ
ア圧縮機に、図9(a)の従来型スプリングに代えて、
請求項1に記載の内周及び最外周を含む多重バネを用い
ることできる。
【0013】請求項2の発明は、板バネに関するもので
あって、シリンダに挿入されたピストンと、該ピストン
又は該シリンダを一端において保持する保持体と、該保
持体を圧力容器に支持する板バネと、該保持体に軸方向
の駆動力を与える駆動手段と、を備えた圧縮機に用い得
る板バネであって、内周、中周及び最外周からなる3環
の板バネ部材を含む三重構造からなり、該内周と該中周
との対向する2カ所に設けられるリブ位置で相互に固定
連結され、更に該中周と該最外周との対向する2カ所に
設けられるリブ位置で相互に固定連結され、さらに中周
と連結していない残る2カ所の内周リブは可動部(又は
固定部)となり、また中周と連結していない最外周の残
る2カ所のリブは固定部(又は可動部)となり、しかも
前記固定部を圧力容器に固定し得、前記可動部を保持体
に連結し得ることを特徴とする板バネである。この板バ
ネは後述する図5に例示されているが、3環の板バネ部
材を含み、8個のリブを有する三重構造であることを特
徴とする。
【0014】また、請求項3の発明は、シリンダに挿入
されたピストンと、該ピストン又は該シリンダを一端に
おいて保持する保持体と、該保持体を圧力容器に支持す
る板バネと、該保持体に軸方向の駆動力を与える駆動手
段と、を備えた圧縮機に用い得る板バネであって、内周
となる板バネ部材と、外周となる板バネ部材との少なく
とも2輪の板バネ部材を第1及び第2のリブの位置で相
互に固定連結し、内周における2箇所の第3及び第4の
リブを可動部(又は固定部)とし、外周における2箇所
の第5及び第6のリブを固定部(又は可動部)として、
少なくとも6個のリブを有し、前記固定部を前記圧力容
器に固定し、前記可動部を前記保持体に連結してなり、
前記構成により一体的に機能する板バネからなり、しか
もくびれ部分(板幅の狭い部分)を有する弧状の板バネ
部材を含む板バネである。くびれ部分を有する弧状又は
直線状の板バネ部材を含む板バネの例は、後述する図
4、図6、図7及び図8(b)に例示されている。更
に、請求項4の発明は、シリンダに挿入されたピストン
と、該ピストン又は該シリンダを一端において保持する
保持体と、該保持体を圧力容器に支持する板バネと、該
保持体に軸方向の駆動力を与える駆動手段と、を備えた
圧縮機に用い得る板バネであって、図8に例示されたよ
うに、形状が四角形の板バネからなり、内周及び最外周
を構成する板バネ部材を含み、該最外周の板バネ部材は
四隅にリブを形成し、そのうち少なくとも2箇所が該内
周との連結部位となり、残る内周及び最外周の少なくと
も4箇所のリブが固定部又は可動部となり、しかも該板
バネ部材はくびれ部分を有するか(図8(b)参照)又
は有しない(図8(a)参照)多重バネであることを特
徴とする。
【0015】これらの板バネは、くびれ部分を設けるこ
とや板バネ部材の厚みを調整することやリブの形状を工
夫することによって、応力集中が起こらない構成とし、
応力分布の均一化処理を施す、即ち、板バネの応力の低
減を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のリニア圧縮機に用いる板
バネの実施例を図1乃至図8の図面に基づいて説明す
る。
【0017】図1(a)及び図1(b)は、本発明に供
する板バネの実施例の一つであり、それぞれ平面図及び
側面図である。
【0018】この図1において、本発明に供する板バネ
は、内周を形成する弧状の板バネ部材と最外周を形成す
る弧状の板バネ部材との2環の多重バネからなる。そし
て、内周を形成する板バネ部材(32、34、36及び
38)と最外周を形成する板バネ部材(31、33、3
5及び37)とは、上方及び下方の2個所において第1
及び第2のリブの位置(41及び42)で相互に連結さ
れている。また、最外周を形成する板バネ部材は、左右
の2個所の位置である第5(45)及び第6(46)の
リブにおいて圧力容器(図を省略)と固定され、固定部
を形成している。更に、内周を形成する板バネ部材は左
右2個所の位置である第3(43)及び第4(44)の
リブにおいて保持体(図を省略)と固定され、保持体の
移動に伴った可動部を構成する。
【0019】この場合、固定部と可動部とは、当然相互
に入れ替えることが可能であり、固定部を可動部に、可
動部を固定部に為し得る。
【0020】図1(b)は板バネの挙動を説明した図面
である。最外周を形成する弧状の板バネ部材は固定部
(45及び46)において圧力容器に固定された状態
で、また内周を形成する板バネ部材は移動(往復運動)
する保持体と固定(43及び44)されているので、固
定された可動部と固定部とを両端として、保持体の往復
運動に伴って板バネ全体が可動する状態にある。そこ
で、図1(b)に示したように、板バネの可動部が左側
に伸ばされると、内周を形成する板バネ部材が軸方向に
変位するのみでなく、最外周を形成する板バネ部材は第
1(41)及び第2のリブ(42)を構成する連結部分
で一体化されているので、板バネの上下部分では最外周
を形成する板バネ部材と内周を形成する板バネ部材とも
ども、左側に変位する。これら第1(41)及び第2の
リブ(42)を構成する連結部分は応力に対して自由な
変位が可能な状態にある。つまり、第1及び第2リブは
軸方向にも径方向にも変位可能な状態に置かれる。
【0021】内周を構成する板バネ部材の長さと、最外
周を構成する板バネ部材の長さとの関係に依るが、もし
も両者の板バネ部材の長さがほぼ等しいならば、第1及
び第2リブの変位は内周を形成する板バネ部材の可動部
における変位量のほぼ半量である。従って、内周と最外
周との2輪の板バネ部材構成とすることによって、変位
をほぼ半量づつ担うことが可能となり、それぞれの板バ
ネに加わる応力を低減できるため、板バネの小型化が可
能となる。
【0022】また、図1(b)の板バネの挙動から明ら
かなように、板バネ部材は軸方向に移動するのみならず
径方向にも変位可能な状態に置かれている。この結果、
可動部及び固定部となる板バネの連結部位において、バ
ネの変形に伴う無理な力が加わったり、応力が集中する
ことがないので、この連結部位の耐久性が向上し、装置
全体としての信頼性が高まる。
【0023】更に、数枚重ねて使用する場合、第1及び
第2のリブの位置で2輪の板バネ部材を重ねて一体化す
ることから、第1及び第2のリブ及びその近傍において
接触が起こらず、加えて変形時の曲げに対して強い構造
となる。リブ部分の板厚を増せば、一層曲げに対し強い
構造となる。
【0024】上記の構成によって、図1(a)や図1
(b)に示した板バネは、板バネ部材として応力の低減
効果が齎され、板バネの小型化を達成している。固定
部、可動部に加わる力が低減できることにより、耐久性
や設備装置全体の信頼性が向上する等の効果が奏され
る。
【0025】また、中空の空間領域が存在するので、こ
の空間を有効に利用できる。
【0026】図2は、図1と同様な二重バネ構造の板バ
ネであって、内周を形成する板バネ部材と外周の板バネ
部材とは第1及び第2のリブにおいて一体に結合してい
る。当然一枚の板材から二重バネを切り出しても良い
し、二環のバネを溶接、接着、ボルト、リベット等で繋
いでもよい。複数枚の板バネを重ねて使用する場合、リ
ブ部等に設けた穴を利用してボルト等により板バネ同士
が絡まることがないように固定できる。複数枚の板バネ
を重ねて使用する際に、固定部分はボルト締め以外にも
公知の、例えば蝋付け(熔接)、リベット等を適用でき
る。
【0027】図3は、板バネの可動部に圧縮機の駆動部
分を固定した例である。図面では内周の板バネ部材を可
動部としているが、勿論最外周の板バネ部材を可動部と
することも可能である。
【0028】図4は、本発明に供する板バネの一実施例
である。この二重板バネは基本的には図1に示した板バ
ネと同様である。この例の場合も、固定部と可動部とは
相互に交換できる。
【0029】この図4は、二重バネにおいて板バネ部材
の形状に工夫を凝らしたものである。即ち、バネ部材に
おける応力集中を避けるべく、板幅の変化を伴う「くび
れ」部(31a、32a等)を設けて、応力分布を均一
化し、応力を低減せしめたものである。応力の加わり方
をみると、リブ近傍では大きく、弧状の中央部分では応
力負担が小さいので、この部分の「くびれ」が最も深く
なるように板幅を最狭とする板バネ部材を用いてバネ全
体の応力分布状態を均一化したものである。
【0030】なお、図には示してないが、応力分布の均
一化の手段には板バネ部材の板厚を変化させて「くび
れ」と同様な処理と効果を期待できる。即ち、リブ部分
の板を厚くし、また「くびれ」に相当する部分の板幅が
徐々に狭くなるのに対応するように、その板厚を徐々に
薄くすれば「くびれ」を設けた場合と同様な効果が期待
できる。
【0031】図5は、三重構造の板バネであり、内周、
中周及び最外周からなる3環の板バネ部材を含むことか
ら、板バネ部材相互の連結箇所も4個所に増える。この
場合も、板バネと連結する保持体と圧力容器との連結部
位は4個所と、二重バネの場合と変わらないが、個々の
板バネ部材の連結箇所における変位は、3輪の板バネ部
材の長さにも依るが、二重バネに比べて少なく(例えば
約2/3)なる。三重バネとしたことにより、板バネ部
材の長さが増大し、二重バネの場合よりも応力の低減が
一層効果的となる。
【0032】図6は、図4と同様な二重バネであるが、
リブの形状が変わっている。
【0033】図4のものは応力分布を均一化するため、
板バネ部材の幅を変化させて、くびれを形成している
が、図6の板バネはリブ近傍における板バネ部材の板幅
を応力がより均一化できるように変化させるための形状
にしたものであって、リブ部分の形状を変えたものであ
る。これにより更に応力の均一化が図られ、応力集中が
避けられ、応力の低減が更に増す。
【0034】図7はボルト止めやリベット等で固定する
為の穴を配置した図面である。
【0035】以上に述べた板バネを使用することによ
り、固定部、可動部、連結部において特に耐久性に優れ
た圧縮機が得られる。勿論、板バネ自体の性能の向上と
耐久性の向上があり、板バネとしての小型化、高性能化
が図られ、この発明の板バネを使用することにより、対
象となる装置全体の稼働性の向上、メンテナンス費用の
低減等の効用がある。
【0036】なお、実施例では省略しているが、三重バ
ネと同様な技術的思想から、更に四重バネ、五重バネを
想定することは同業者であれば容易であろう。
【0037】また、図8(a)は板バネの形状が四角な
二重バネの例である。最外周の板バネ部材の四隅がリブ
となり、そのうち2個所が内周との連結部位(41、4
2)であり、残りの最外周及び内周における4個所のリ
ブが固定部又は可動部となっている。板バネ部材の形状
は直線であり、弧状ではないが、可動部の変位に伴う板
バネの挙動は図1(b)とほぼ同様であり、連結部位
(41、42)は拘束がないことから、自由な挙動がと
れる。
【0038】図8(b)は板バネ部材にくびれ部分(板
幅の狭い部分)を備えた板バネの例を示す平面図であ
る。矩形や長方形の板バネの場合でも応力分布を均一化
することが好ましいことは円形の板バネの場合と同様で
ある。
【0039】矩形の板バネの場合、板バネ部材のくびれ
形状として、板バネ部材の中央部が最もくびれた板幅の
狭い部位となるが、板バネ部材の両端からその中央部に
かけて、板バネ部材の幅形状は一次又は二次曲線(直線
又は放物線)のいずれにするかを選択できる。
【0040】
【発明の用途】本発明では、その説明を容易にするた
め、バネとしての性能や精密性が最も要求されるリニア
圧縮機を主体に説明しているが、もとより本発明に供す
る板バネはこの装置の用途に限られるものではない。当
然に、板バネとしてのあらゆる用途に適用できるもので
ある。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明では、必要な変位量を得
るために、多重バネではそれぞれの変位の和で達成され
るので、それぞれのバネの変位量は小さくなる。この結
果、変位時に(換言すると応力負荷時に)板バネの個々
のバネ部材に発生する変位量は大幅に減少し、応力が減
少でき、板バネの小型化が可能となる構造のものを造る
ことが可能となる。板バネと連結している連結部材との
連結部位に無理な力が加わらないことから、この部分の
耐久性が向上し、機械装置全体の信頼性が増す。請求項
2乃至4の発明は、請求項1の効果に加え、更に以下の
効果を奏する。
【0042】「くびれ」部分を備えた板バネ部材の構造
とすれば、応力集中を回避でき、さらなる小型化が可能
となり、板バネの耐久性も増大する。
【0043】更に、本発明の板バネは小型化とバネ中央
部の空間領域との配置における空間的余裕から、種々の
形状のものに適合できる優位性がある。このため、板バ
ネとして、種々の装置、振動や衝撃を吸収する手段等と
して収容できる適切な構造形状のものを適宜選択できる
設計上の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例である二重バネの平面
図である。また、(b)はその側面図であり、バネの変
形の様子を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例であって、リブ部分をボルト等
で固定する型のものである。
【図3】本発明の実施例で、板バネの可動部に駆動部分
を固定した例を示す概略図である。
【図4】本発明の別な実施例であり、板バネ部材にくび
れ部分を設けたものである。
【図5】本発明の更に別な実施例であり、三重バネの構
成図である。
【図6】本発明の更に別な実施例であり、二重バネにお
けるリブの形状を変化せしめて応力分布の均一化を更に
図ったものである。
【図7】本発明の他の実施例であり、ボルト穴の配列、
形状を変化せしめたリブ等により応力の均一化を更に徹
底した型の板バネである。
【図8】(a)本発明の別な実施例であって、四角の形
状を備えた二重バネである。また、(b)は板バネ部材
にくびれ部分を備えた板バネの例である。
【図9】(a)は従来技術の板バネであるウエストリン
グ型のものを示す。また、(b)は従来技術の圧縮機を
示す。
【符号の説明】
10 板バネ 10a 板バネ 11 コイル 12 マグネット 13 ピストン 14 シリンダ 15 シャフト 16 圧力容器 19 ヨーク 19a ヨークの溝 20 配管 31 最外周の板バネ部材 32 内周の板バネ部材 31a 最外周の板バネ部材(くびれ部分) 32a 内周の板バネ部材(くびれ部分) 33 最外周の板バネ部材 34 内周の板バネ部材 35 最外周の板バネ部材 36 内周の板バネ部材 37 最外周の板バネ部材 38 内周の板バネ部材 41 第1のリブ(連結部) 42 第2のリブ(連結部) 43 第3のリブ(可動部又は固定部) 44 第4のリブ(可動部又は固定部) 45 第5のリブ(固定部又は可動部) 46 第6のリブ(固定部又は可動部)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−21437(JP,A) 特開 昭61−239468(JP,A) 実開 平6−58264(JP,U) 特公 昭48−36137(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 1/18 - 1/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダに挿入されたピストンと、該ピス
    トン又は該シリンダを一端において保持する保持体と、
    該保持体を圧力容器に支持する板バネと、該保持体に軸
    方向の駆動力を与える駆動手段と、を備えた圧縮機にお
    いて、 該板バネが内周となる板バネ部材と、最外周となる板バ
    ネ部材との少なくとも2輪の板バネ部材を第1及び第2
    のリブの位置で相互に固定連結し、内周における2カ所
    の第3及び第4のリブを可動部(又は固定部)とし、最
    外周における2カ所の第5及び第6のリブを固定部(又
    は可動部)として、少なくとも6個のリブを有し、前記
    固定部を前記圧力容器に固定し、前記可動部を前記保持
    体に連結してなり、前記構成により一体的な板バネとし
    て機能する少なくとも二重の多重板バネを備えた圧縮
    機。
  2. 【請求項2】シリンダに挿入されたピストンと、該ピス
    トン又は該シリンダを一端において保持する保持体と、
    該保持体を圧力容器に支持する板バネと、該保持体に軸
    方向の駆動力を与える駆動手段と、を備えた圧縮機に用
    い得る板バネであって、 内周、中周及び最外周からなる3環の板バネ部材を含む
    三重構造からなり、 該内周と該中周との対向する2カ所に設けられるリブ位
    置で相互に固定連結され、更に該中周と該最外周との対
    向する2カ所に設けられるリブ位置で相互に固定連結さ
    れ、さらに中周と連結していない残る2カ所の内周リブ
    は可動部(又は固定部)となり、また中周と連結してい
    ない最外周の残る2カ所のリブは固定部(又は可動部)
    となり、しかも前記固定部を圧力容器に固定し得、前記
    可動部を保持体に連結し得ることを特徴とする板バネ。
  3. 【請求項3】シリンダに挿入されたピストンと、該ピス
    トン又は該シリンダを一端において保持する保持体と、
    該保持体を圧力容器に支持する板バネと、該保持体に軸
    方向の駆動力を与える駆動手段と、を備えた圧縮機に用
    い得る板バネであって、内周となる板バネ部材と、外周となる板バネ部材との少
    なくとも2輪の板バネ部材を第1及び第2のリブの位置
    で相互に固定連結し、内周における2箇所の第 3及び第
    4のリブを可動部(又は固定部)とし、外周における2
    箇所の第5及び第6のリブを固定部(又は可動部)とし
    て、少なくとも6個のリブを有し、前記固定部を前記圧
    力容器に固定し、前記可動部を前記保持体に連結してな
    り、前記構成により一体的に機能する板バネからなり、
    しかも くびれ部分を有する弧状の板バネ部材を含む少な
    くとも二重の板バネ。
  4. 【請求項4】シリンダに挿入されたピストンと、該ピス
    トン又は該シリンダを一端において保持する保持体と、
    該保持体を圧力容器に支持する板バネと、該保持体に軸
    方向の駆動力を与える駆動手段と、を備えた圧縮機に用
    い得る板バネであって、形状が四角形の板バネからなり、 内周及び最外周を構成
    する板バネ部材を含み、該最外周の板バネ部材は四隅に
    リブを形成し、そのうち少なくとも2箇所が該内周との
    連結部位となり、残る内周及び最外周の少なくとも4箇
    所のリブが固定部又は可動部となり、しかも該板バネ部
    材はくびれ部分を有するか又は有しないものであること
    を特徴とする二重又は多重の板バネ。
JP35936499A 1999-12-17 1999-12-17 圧縮機及びそれに用いる板バネ Expired - Fee Related JP3414346B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35936499A JP3414346B2 (ja) 1999-12-17 1999-12-17 圧縮機及びそれに用いる板バネ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35936499A JP3414346B2 (ja) 1999-12-17 1999-12-17 圧縮機及びそれに用いる板バネ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001173697A JP2001173697A (ja) 2001-06-26
JP3414346B2 true JP3414346B2 (ja) 2003-06-09

Family

ID=18464133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35936499A Expired - Fee Related JP3414346B2 (ja) 1999-12-17 1999-12-17 圧縮機及びそれに用いる板バネ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3414346B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4585958B2 (ja) * 2005-11-18 2010-11-24 台灣東電化股▲ふん▼有限公司 ボイスコイルモータの板バネ
RU2491452C2 (ru) * 2011-11-08 2013-08-27 Федеральное государственное унитарное предприятие "Производственное объединение "Маяк" Амортизатор
KR101884316B1 (ko) 2018-02-01 2018-08-01 주식회사 엠플러스 4각 형상 판 스프링 및 이를 포함하는 선형 진동모터

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001173697A (ja) 2001-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5525845A (en) Fluid bearing with compliant linkage for centering reciprocating bodies
US8615993B2 (en) Bearing support system for free-piston stirling machines
EP1247029B1 (en) Linear compressor
CN100513781C (zh) 用于固定往复式压缩机的马达定子的结构
US6641377B2 (en) Linear compressor with a plurality of support springs and a dual compression unit
JP3566647B2 (ja) スターリング冷凍機
KR20080024230A (ko) 리니어 압축기의 클램핑 고정자 부품
US5907201A (en) Displacer assembly for Stirling cycle system
JP2008528858A (ja) 往復圧縮機のピストンのための駆動ロッド
JP2009047139A (ja) スターリングサイクル機関
US6694730B2 (en) Stirling cycle cryocooler with improved magnet ring assembly and gas bearings
CN103322721B (zh) 制冷机及压缩机
EP1816355A1 (en) Magnet type rodless cylinder
JP3499447B2 (ja) リニア圧縮機
JP3414346B2 (ja) 圧縮機及びそれに用いる板バネ
JP4399168B2 (ja) リニアコンプレッサ
KR100516236B1 (ko) 스털링 사이클 시스템 및 그를 위한 디스플레이서 조립체
EP3580467A1 (en) Non-rotating flexure bearings with enhanced dynamic stability for cryocoolers and other devices
JP2941267B2 (ja) 圧縮機
JPS6026185A (ja) 往復動形流体機械
AU677518C (en) Fluid bearing with compliant linkage for centering reciprocating bodies
JP2995022B2 (ja) 圧縮機
JPH112469A (ja) スターリング冷凍機
JP2006161735A (ja) 振動型圧縮機
JP2001514370A (ja) 同期ツイン往復ピストン装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090404

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100404

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100404

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110404

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120404

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees