JP3414239B2 - 排気絞り装置を有する内燃機関 - Google Patents

排気絞り装置を有する内燃機関

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JP3414239B2
JP3414239B2 JP01753198A JP1753198A JP3414239B2 JP 3414239 B2 JP3414239 B2 JP 3414239B2 JP 01753198 A JP01753198 A JP 01753198A JP 1753198 A JP1753198 A JP 1753198A JP 3414239 B2 JP3414239 B2 JP 3414239B2
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valve
exhaust
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combustion engine
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気絞り装置を有
する内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】車室用ヒータの性能不足の解決手段とし
て排気系に排気絞り装置を有する内燃機関が周知であ
る。排気絞り装置は、その構成部品である排気絞り弁で
排気管を絞り、これにより、背圧を増大させてポンピン
グ仕事(ポンピング損失)を増やす。そして、ポンピン
グ仕事を増やすことで冷却水の受熱量を増やし、これに
よって、車室用ヒータの性能不足を補う。
【0003】ところで、例えば寒冷時に乗車したまま長
時間駐車する場合には、ドライバーや同乗者が車輌ヒー
タを作動して暖を取るため、排気絞り装置はその排気絞
り弁が長い間閉じられて作動することになる。ところ
が、排気絞り弁が閉じられて、排気管が長い間絞られた
状態にあると、排気絞り弁やその周囲には、排気ガス中
に含まれているカーボン粒子が堆積する虞れがある。こ
のため、その場合には、この堆積したカーボンによって
排気抵抗が増えるので、背圧も増大する。
【0004】また、カーボン粒子が堆積すると、これに
起因した排気絞り弁の詰まりや固着を招来し、比較的短
時間で背圧が増大する、いわゆる背圧異常を生じる虞れ
がある。
【0005】この背圧異常を生じると、動弁系を構成す
るステムガイドとバルブステムとの間の隙間を、反シリ
ンダ方向に向けて排気ガスの吹き抜けを生じることがあ
る。するとステムガイドとバルブステムとの間での潤滑
性が悪くなり、両部材で焼き付け等の不具合を生じてし
まう虞れがある。よって、背圧異常を早急に検出する必
要がある。なお、排気絞り弁が固着して動かなくなるこ
とを、この明細書では、排気絞り弁がスティックしてい
る、あるいは排気絞り弁がスティック状態にあるとい
う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、例えば特開平
5−71367号公報に記載したようなこれまでの技術
では、エンジン回転数の減少量を検出し、この減少量の
程度に基づいて、排気系が背圧異常の状態にあるかどう
かを検出するようにしていた。
【0007】しかし、今日の大多数の内燃機関では、周
知のISC(アイドル・スピード・コントロール)制御
を採用している。よって、内燃機関がアイドリング状態
にあるときのエンジン回転数は一定(正確には所定領
域)に保たれているから、エンジン回転数の減少量に基
づいて背圧異常を検出する前記公報記載の技術をISC
制御採用の内燃機関に適用しても、アイドリング時のエ
ンジン回転数はISC制御によって一定に保たれて差が
出ないため、アイドリング時におけるエンジン回転数の
減少量を検出できない。したがって、前記公報に記載し
たようなこれまでの技術では、これをISC制御採用の
内燃機関に適用しても背圧異常の検出ができない。
【0008】本発明は、上記実情に鑑みて発明したもの
であって、ISC制御採用の内燃機関であってもアイド
リング時の背圧異常を検出できるようにすることを技術
的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するた
め、本発明の排気絞り装置を有する内燃機関は、 (1)内燃機関が所定の運転状態にあるときに排気通路
を絞る排気絞り弁を作動する排気絞り装置を有する内燃
機関において、以下の構成とした。
【0010】すなわち、前記内燃機関への燃料供給量を
制御する燃料供給量制御手段と、前記内燃機関がアイド
リング状態にあるときに前記燃料供給量制御手段によっ
て前記内燃機関に供給される燃料供給量に基づいて、前
記排気絞り装置の背圧異常を検出する背圧異常検出手段
と、を有することを特徴とする。
【0011】ここで、「内燃機関が所定の運転状態にあ
る時」とは、寒冷時や極寒冷時における、内燃機関の運
転中あるいは内燃機関を始動させた後、ならびに内燃機
関自身の発熱量が少ないとき(例えば燃料消費が少ない
とき)およびそれにより冷却水の受熱量が少ないときの
ことである。そして、寒冷時とは、外気温がほぼ−10
℃〜ほぼ15℃位の時であり、極寒冷時とは、外気温が
ほぼ−10℃よりも低い時である。
【0012】「排気絞り装置」は、排気通路内に位置す
る弁体と、この弁体を駆動する弁体駆動部と、弁体駆動
部を動かす圧力制御弁とからなる。弁体駆動部として
は、例えば、ダイアフラムを有するアクチュエータが、
また圧力制御弁としては排気絞りVSV(バキューム・
スイッチング・バルブ)が挙げられる。そして、圧力制
御弁は、コンピュータ、つまりECU(エレクトロニッ
ク・コントロール・ユニット)の中枢部であるCPU
(セントラル・プロセッシング・ユニット;中央情報処
理装置)によって制御するとよい。
【0013】「燃料供給量制御手段」は、CPUと、C
PUの制御のもとで適切な時期に適正量の燃料を内燃機
関の燃焼室に圧送するインジェクタとを有する。「背圧
異常検出手段」は、CPUのことであり、詳しくは、C
PUの読み出し専用メモリであるROM(リード・オン
リ・メモリ)に記憶してある、背圧異常を検出するため
のフローチャート(プログラム)をいう。
【0014】このような特徴を有する本発明の排気絞り
装置を有する内燃機関では、アイドリング状態にある内
燃機関においてカーボン粒子による排気絞り弁の詰まり
が進んだとすると、これは、排気の流れ具合からみて排
気通路が絞られたことであるから背圧が増大する。そし
て、この場合、出力を低下させないためには、ポンピン
グ仕事を増やさなければならず、そのためには、燃料供
給量制御手段で内燃機関への燃料供給量を増やす必要が
ある。
【0015】詰まりのない正常な状態であれば、元来、
燃料は必要以上に供給されないはずである。それ故、排
気絞り弁を絞っていないのにも拘わらず、燃料供給量
が、詰まりのない正常状態の場合のそれと比べて多過ぎ
るのであれば、排気絞り装置に背圧異常が起きていると
判断してもよい。よって、このような判断が可能となる
ように背圧異常検出手段を設定しておくことが好適であ
る。
【0016】したがって、背圧異常検出手段を好適に設
定した場合、本発明にあっては、燃料供給量の増量の程
度は、排気通路の詰まり具合に応じており、エンジン回
転数とは無関係であるので、ISC制御を採用すること
でアイドリング時の回転数を一定に保っている内燃機関
であっても、アイドリング時の背圧異常の状態で生じ得
る排気通路の詰まりの検出が可能である。
【0017】(2)前記背圧異常検出手段は、前記燃料
供給量の値が、ある特定の所定値よりも大きい場合に前
記排気絞り装置の異常を検出することが好適である。こ
こで、「所定値」とは、内燃機関がそのアイドリング状
態を維持できるに足る燃料供給量よりも幾分多めの燃料
供給量に、さらに所望量を上乗せした値のことである。
アイドリング状態を維持できるに足る燃料供給量とせ
ず、それよりも幾分多めの燃料供給量としたのは、例え
ば何らかの理由で内燃機関内部のフリクションが増大し
た場合は供給燃料量が不足して内燃機関が停止してしま
うからであり、また、寒冷時にアイドリング状態で車室
用ヒータを効かせると供給燃料が余分に必要になって、
アイドリング状態を維持できるに足るだけの供給燃料量
では、やはり燃料不足で内燃機関が停止してしまうから
である。なお、内燃機関がそのアイドリング状態を維持
できるに足る燃料供給量よりも幾分多めの燃料供給量の
ことを以下、「基準値」という。また、「所望量」と
は、例えば基準値の二割増し位が適当であることが、本
願発明者の実験によってわかっている。
【0018】(3)内燃機関が所定の運転状態にあると
きに閉弁動作することで排気通路を絞る排気絞り弁を開
閉制御して前記排気通路の絞り量を調整する排気絞り弁
制御装置と、この排気絞り弁制御装置による閉弁時の背
圧増大により機関負荷が増大するとその増大負荷量に応
じて前記内燃機関への燃料供給量を増やす燃料供給量増
大手段とを備える、排気絞り装置を有する内燃機関にお
いて、以下の構成とした。
【0019】すなわち、前記排気絞り弁制御装置による
閉弁制御が、その実行段階から非実行段階に移行したと
きの、または前記非実行段階から前記実行段階に移行し
たときの前記燃料供給量増大手段による前記燃料供給量
に基づいて、前記排気絞り装置の背圧異常を検出する背
圧異常検出手段を有することを特徴とする。
【0020】ここで、「内燃機関が所定の運転状態にあ
る時」および「排気絞り装置」は、前記(1)の項にお
ける内容と同じである。「排気絞り弁制御装置」は、排
気絞り弁を駆動する弁体駆動部と、弁体駆動部を動かす
圧力制御弁と、圧力制御弁を駆動制御するCPUとを備
えたものである。「弁体駆動部および圧力制御弁」は、
前記の通りであり、それぞれアクチュエータおよびVS
Vを例示できる。
【0021】また、「燃料供給量増大手段」は、前記
(1)の項における燃料供給量制御手段と比べ、名称が
若干異なるが、実質上同じであり、当該燃料供給量制御
手段の下位概念といえる。
【0022】「閉弁制御の実行段階」とは、排気絞り弁
を閉状態におく制御命令が排気絞り弁制御装置のCPU
から出ること、あるいは出ている状態をいう。但し、こ
の制御命令が出ていても、排気絞り弁が実際に閉状態に
あるとは限らない。詰まりやスティックが排気絞り弁に
生じている場合もあるからである。
【0023】「閉弁制御の非実行段階」とは、排気絞り
弁を開状態におく制御命令が排気絞り弁制御装置のCP
Uから出ること、あるいは出ている状態をいう。但し、
この制御命令が出ていても、排気絞り弁が実際に開状態
にあるとは限らない。詰まりやスティックが排気絞り弁
に生じている場合もあるからである。
【0024】「閉弁制御の移行」の概念は、排気絞り弁
制御装置のCPUから出る制御命令が切り換わることで
ある。但し、切り換え後の制御命令通りに、実際に排気
絞り弁が動作しているとは限らない。詰まりやスティッ
クが排気絞り弁に生じている場合もあるからである。
【0025】「背圧異常検出手段」は、前述したとお
り、CPUの読み出し専用メモリであるROM(リード
・オンリ・メモリ)に記憶してある、背圧異常を検出す
るためのフローチャートをいい、このフローチャートに
係るルーチンの実行により排気絞り弁制御装置による閉
弁制御が、その実行段階から非実行段階に移行したとき
の、または非実行段階から実行段階に移行したときの燃
料供給量に基づいて、排気絞り装置の背圧異常を検出す
る。
【0026】このような特徴を有する本発明の排気絞り
装置を有する内燃機関では、背圧異常検出手段が、排気
絞り弁制御装置による閉弁制御の実行段階から非実行段
階に移行したときの燃料供給量に基づいて、または同装
置による閉弁制御の非実行段階から実行段階に移行した
ときの燃料供給量に基づいて、排気絞り装置の背圧異常
を検出する。
【0027】したがって、アイドリング状態におかれた
内燃機関においてカーボン粒子による排気絞り弁の詰ま
りが進み、排気絞り弁が開いたままでスティックし、こ
のとき背圧異常検出手段からは、閉弁実行命令が出たと
する。閉弁実行命令通りに排気絞り弁が閉じれば、本
来、背圧は増大するはずである。しかし、排気絞り弁は
開いた状態のままスティックしているのであるから、燃
料供給量は閉弁実行命令が出る前と変わらない、すなわ
ち燃料増量=0(ゼロ)ということになる。よって、閉
弁実行命令が出された場合において燃料増量=0の場合
を排気絞り弁が開いたままスティック状態にあるとする
判断を背圧異常検出手段がするように設定しておけば、
閉弁実行命令が出され、しかも燃料増量=0の場合に
は、排気絞り弁が開いたままスティック状態にあるとい
う判定をすることができる。
【0028】反対に排気絞り弁が閉じたままでスティッ
クし、このとき、背圧異常検出手段からは、開弁実行命
令が出たとする。開弁実行命令通りに排気絞り弁が開け
ば、本来、背圧は減少(負の方向に増加)するはずであ
る。しかし、排気絞り弁は閉じた状態のままスティック
しているのであるから、燃料供給量は開弁実行命令が出
る前と変わらない、すなわち燃料増量=0ということに
なる。よって、開弁実行命令が出された場合において燃
料増量=0の場合を排気絞り弁が閉じたままスティック
状態にあるとする判断を背圧異常検出手段がするように
設定しておけば、開弁実行命令が出され、しかも燃料増
量=0の場合には、排気絞り弁が閉じたままスティック
状態にあるという判定をすることができる。
【0029】そして、閉弁制御あるいは開弁制御のいず
れかの実行命令が出ているのにも拘わらず、それに応じ
た燃料供給がなされないときには背圧異常が生じている
ことを適宜の警報手段にて警報すればよい。
【0030】このように、燃料供給量の増減は、排気絞
り弁が開から閉へ変わる場合と、閉から開へ変わる場合
とで異なり、また、排気絞り弁がスティックしてしまっ
た場合、排気絞り弁の開度が排気絞り弁の開度制御をす
る前と後とで同じであるから燃料供給量の増減はない。
よって、排気絞り弁のスティック状態の検出の有無は、
排気絞り弁の開度に応じた燃料供給量の増減に基づいて
することが可能であり、エンジン回転数とは関係ない。
そこで、このような制御ができるように背圧異常検出手
段を設定しておけば、アイドリング時の回転数を一定に
保持するようになっている、ISC制御採用の内燃機関
であっても、アイドリング時にスティックの検出ができ
る。
【0031】(4)前記背圧異常検出手段は、閉弁制御
が実行段階から非実行段階に移行したときの前記燃料増
量分の値がある特定の所定値以上である場合に前記排気
絞り装置の異常を検出するようにしてもよい。ここでい
う「所定値」とは、例えば0(ゼロ)が好適である。詳
しく述べる。排気絞り装置に異常がなく排気絞り弁制御
装置のCPUから排気絞り弁の開弁実行命令が出たとす
る(閉弁制御の非実行段階)。命令通りであれば、排気
絞り弁の開動作が為される。そして、排気絞り弁が開動
作を行うと排気通路では背圧が低下してポンピング仕事
が減少し、その結果、燃料増量分はマイナスとなって然
るべきである。
【0032】ところで排気絞り装置に異常が生じ、その
結果、開弁実行命令が出たのにも拘わらず排気絞り弁が
開弁実行命令に従うことなく開弁実行命令が出る前の状
態から変わらずに、排気絞り弁の開度がそのままであっ
たとする。開弁実行命令に従ったのであれば、本来、ポ
ンピング仕事は減少しそれに応じて燃料増量分もマイナ
スになって然るべきであるが、いくら開弁命令が出ても
排気絞り弁が元の開度のままであれば、開弁実行命令が
出る前と後とでその燃料供給量とに差はない、つまり燃
料増量分は0ということになる。したがって、その場合
には、排気絞り弁が開弁されずにそのままの状態でステ
ィックしているという判断をするという設定を、背圧異
常検出手段にしておけば、前記所定値が0になった時点
で排気絞り弁、すなわち排気絞り装置の異常事態を検出
できる。また、燃料増量分がプラスとなった場合も異常
としてよい。これは、本来であればマイナスであるとこ
ろがプラスになるのはおかしいからである。よって、閉
弁制御が実行段階から非実行段階に移行したときの前記
燃料増量分の値がある特定の所定値である0以上である
場合に前記排気絞り装置の異常を検出するとした。
【0033】燃料増量分を検出するには、例えばいわゆ
るEGR装置を備えた内燃機関を例として考えると次の
ようにいえる。すなわち、エンジン1回転当りに必要な
燃料の供給量を補正する燃料補正値という概念があり、
これを利用する。燃料補正値は、EGR装置のEGR弁
の開き率に相当するEGR弁制御デューティ比から背圧
変化に伴うポンピング仕事の変化に伴う内燃機関の正味
トルクの増減を抑制し、燃料を適正量で供給するための
ものであり、エンジン1回転当りに必要な燃料の供給量
を補正するための数値である。そして、この燃料補正値
に応じて適正量に補正された量の燃料が、燃料供給量増
大手段を構成するインジェクタから吐出する。よって、
EGR弁制御デューティ比に対応した燃料の増量分の検
出が可能である。
【0034】(5)前記背圧異常検出手段は、閉弁制御
が非実行段階から実行段階に移行したときの前記燃料増
量分の値が前記所定値以下である場合に前記排気絞り装
置の異常を検出するようにしてもよい。この場合、排気
絞り装置に異常がなく排気絞り弁制御装置のCPUから
排気絞り弁の閉弁実行命令が出たとする(閉弁制御の実
行段階)。命令通りであれば、排気絞り弁の閉動作が為
される。そして、排気絞り弁が閉動作を行うと排気通路
では背圧が上昇してポンピング仕事が増加し、その結
果、燃料増量分はプラスとなって然るべきである。
【0035】ところで排気絞り装置に異常が生じ、その
結果、閉弁実行命令が出たのにも拘わらず排気絞り弁が
閉弁実行命令に従うことなく閉弁実行命令が出る前の状
態から変わらずに、排気絞り弁の開度がそのままであっ
たとする。閉弁実行命令に従ったのであれば、本来、ポ
ンピング仕事は増加しそれに応じて燃料増量分もプラス
になって然るべきであるが、いくら閉弁命令が出ても排
気絞り弁が元の開度のままであれば、閉弁実行命令が出
る前と後とでその燃料供給量とに差はない、つまり燃料
増量分は0ということになる。したがって、その場合に
は、排気絞り弁が閉弁されずにそのままの状態でスティ
ックしているという判断をするという設定を、背圧異常
検出手段にしておけば、前記所定値が0になった時点で
排気絞り弁、すなわち排気絞り装置の異常事態を検出で
きる。また、燃料増量分がマイナスとなった場合も異常
としてよい。これは、本来であればプラスであるところ
がマイナスになるのはおかしいからである。よって、閉
弁制御が非実行段階から実行段階に移行したときの前記
燃料増量分の値がある特定の所定値である0以下である
場合に前記排気絞り装置の異常を検出するとした。
【0036】
【発明の実施の形態】〈装置の全体構成〉以下、本発明
の実施の形態を添付した図面に基いて説明する。
【0037】図1に示すように、内燃機関としてのディ
ーゼルエンジン1のシリンダ2に形成したシリンダボア
2aには、その軸方向においてピストン3が往復動可能
に設けてある。また、ピストン3が往復動をするよう
に、ピストン3をコンロッド4を介して図示しないクラ
ンクシャフトと連結してある。
【0038】ピストン3のピストンヘッド3aには燃焼
室6を形成してある。また、シリンダ2には、その上部
にシリンダヘッド7を載置固定し、シリンダヘッド7の
内部には、ピストン3が往動した時に前記燃焼室6に臨
むようになっている、吸気ポート8および排気ポート9
を設けてある。
【0039】吸気ポート8および排気ポート9には、そ
れぞれ吸気バルブ8aおよび排気バルブ9aを組み込ん
であり、両バルブの間には、インジェクタ11を燃焼室
6に臨ませた状態で配置してある。また、インジェクタ
11からは、図示しないインジェクションポンプから燃
焼室6に向けて燃料が噴射する。
【0040】前記インジェクションポンプには、エンジ
ン回転数を検出する回転数センサ11aを付けてある。
また、吸気ポート8には吸気通路としての吸気管8bを
接続し、排気ポート9には排気通路としての排気管9b
を接続してある。
【0041】吸気管8bには吸入空気量(新気)を測る
エアフローメータ13を設置してある。排気管9bに
は、例えばVSV(バキューム・スイッチング・バル
ブ)等の圧力制御弁14aと連結駆動する弁体駆動部と
してのアクチュエータ14cによって排気管9bを開閉
する排気絞り弁(弁体)14bを備えてある。圧力制御
弁14aと、アクチュエータ14cと、排気絞り弁(弁
体)14bとを排気絞り装置14という。
【0042】アクチュエータ14cは、開弁か閉弁かが
ON/OFF制御され、少なくとも外気温が低いために
ディーゼルエンジン1の冷却水が低温状態のときには排
気絞り弁14bを閉じて排気管9bを絞るようになって
いる。また、圧力制御弁14aはバキュームポンプ17
aと接続してあるバキュームタンク17と連通してお
り、これによって負圧が掛けられる。よって、アクチュ
エータ14cは、圧力制御弁14aを介して負圧駆動制
御される。
【0043】また、排気管9bのうちアクチュエータ1
4cの上流側に位置する部分と吸気管8bのうちエアフ
ローメータ13の下流側に位置する部分とは、排気再循
環通路15で連結してある。
【0044】排気再循環通路15は、排気ポート9から
出る排気ガスの一部(排気再循環通路15内に示した矢
印参照)を排気管9bから吸気管8bへ戻す通路であ
り、排気管9bと吸気管8bとをシリンダ2に対してバ
イパス状に接続してある。
【0045】排気再循環通路15は、共にL字形をし
た、排気枝管15aと吸気枝管15bとからなる。排気
枝管15aは排気管9b側から延び、吸気枝管15bは
吸気管8b側から延びる。これらの枝管15a,15b
は、図1に示すように、それらの一端部で重ね合わせら
れ、この重ね合わせ部分を排気再循環通路15の中央部
15cとする。このため、中央部15cはクランク形状
をしている。中央部15cには、再循環排ガス量制御手
段としてのEGR弁16を設けてある。
【0046】EGR弁16は、排気再循環通路15を経
由して排気管9bから吸気管8bへ向かう排気ガスの量
をアクチュエータ14cの少なくとも閉弁時に制限する
可変制御可能な弁である。よって、EGR弁16は、排
気圧力と密接な関係にある。EGR弁16と排気圧力と
の関係については後で述べる。また、EGR弁16は、
これを負圧制御する例えばデューティVSV等の圧力制
御弁16aと連結してある。また、圧力制御弁16a
は、圧力制御弁14aと同様、バキュームタンク17と
連通してあり、よって負圧が掛かる。この負圧がEGR
弁16に作用することでEGR弁16を作動開閉する。
よって、EGR弁16に作用するこの負圧のことをEG
R弁制御圧ということにする。なお、圧力制御弁16a
に作用する圧力は圧力センサ16a1によって検出され
る。
【0047】圧力制御弁16aは、EGR弁16の全開
時間と全閉時間の比率、換言すればEGR弁16の開き
率に相当するデューティ比を有する駆動パルス信号が中
央処理装置(以下「CPU」という。)20から入る
と、そのパルス信号に従ってEGR弁16を駆動する。
なお、デューティ比によってEGR弁16が駆動制御さ
れるので、このデューティ比のことを「EGR弁制御デ
ューティ比」という。
【0048】次に図2にEGR弁制御デューティ比と排
気圧力との関係を実測に基づいて作成したグラフで示
す。図2から明らかなように、排気圧力(背圧)とEG
R弁制御デューティ比との間には反比例関係があること
がわかる。
【0049】図2において、縦軸は排気絞り弁14bの
上流部における排気圧力であり、横軸はEGR弁制御デ
ューティ比を示す。なお、図3に示すように、EGR弁
制御圧とEGR弁制御デューティ比との相関関係は、デ
ューティ比0からデューティ比70の間は反比例の関係
にあり、デューティ比がデューティ比0よりも小さい場
合は、排気圧と大気圧とがつり合ってEGR弁16が閉
じた状態にあることがわかる。また、図3より、EGR
弁制御圧とEGR弁制御デューティ比とは1対1の関
係、換言すれば相対関係にあることがわかる。よって、
EGR弁制御デューティ比が定まれば、それは即ちEG
R弁制御圧がただ一つ定まるといえる。このため、図4
に示すような、EGR弁制御圧に対応しかつ排気圧上昇
に伴うポンピング仕事増加によるディーゼルエンジン1
の正味トルクの減少を回復するために必要なエンジン1
回転当りの燃料補正量を示すグラフ図をマップとして予
め用意しておけば、EGR弁制御デューティ比に応じた
燃料補正量の制御ができるようになる。燃料補正量の具
体的な求め方については、それに必要な特別の制御が必
要となるが、本発明の本旨とするところではないので、
ここでは説明は省略する。
【0050】話を装置の全体構成の説明に戻す。シリン
ダ2には、その内部にシリンダボア2a周りに形成しか
つ水温センサ18aを有する冷却水通路18を設けてあ
る。
【0051】冷却水通路18は、ここを通る冷却水を熱
源とする車室用ヒータHと接続されており、このヒータ
Hから図示しない車輌室内に暖かい空気を送り込む。そ
して、ディーゼルエンジン1が取付けられる図示しない
車輛のうち外気に接する適所には外気温センサ19が、
また、図示しないアクセルペダルの踏み込み量を電気的
な信号に変えるアクセルセンサ24を図示しないアクセ
ルペダルの近傍に備えてある。さらに車速センサ26が
図示しないトランスミッションに設けられ車速を検出す
る。
【0052】前記回転数センサ11a,エアフローメー
タ13,圧力センサ16a1,水温センサ18a,外気
温センサ19,アクセルセンサ24および車速センサ2
6(これらのセンサ等11a,13,16a,118
a,19,24および26を総称して以下「センサ類」
という。)ならびに圧力制御弁14aおよび圧力制御弁
16aは、CPU20に電気的に接続してある。そし
て、これらセンサ類等によって出力されたパラメータを
CPU20が演算処理することで、圧力制御弁14aお
よび圧力制御弁16aを駆動し、その結果、アクチュエ
ータ14cおよびEGR弁16がディーゼルエンジン1
の運転状況に応じて適宜開いたり閉じたり等の必要な制
御を行う。
【0053】したがって、CPU20もEGR弁16と
同様、排気再循環通路15を介して排気管9bから吸気
管8bへ向かう排気ガスの量をアクチュエータ14cの
閉弁時に制御する再循環排ガス量制御手段といえる。ま
た、CPU20は、前記のようにアクチュエータ14c
を駆動制御し、CPU20によって駆動制御されるアク
チュエータ14cによって排気絞り弁14bが開閉制御
されるので、アクチュエータ14cと、圧力制御弁14
aと、CPU20とを備えたものを排気絞り弁制御装置
21という。
【0054】また、インジェクタ11もCPU20の制
御のもとで適切な時期に適正量の燃料を燃焼室6に圧送
するようになっている。したがって、インジェクタ11
とCPU20とは燃料供給量制御手段22といえる。そ
して、アクチュエータ14cによる排気絞り弁14bの
閉弁時において、燃料供給量制御手段22によってディ
ーゼルエンジン1への燃料供給量が増えるようにしてあ
り、これによってポンピング仕事を増やし冷却水の受熱
量を増やすことで、車室用ヒータHの性能不足を補って
いる。よって、燃料供給量制御手段22は、燃料供給量
増大手段ということもできる。また、燃料供給量制御手
段22は、EGR弁制御圧に応じて作動する。
【0055】さらに、CPU20は、その図示しない読
み出し専用メモリROMにディーゼルエンジン1がアイ
ドリング状態にあるときに背圧異常を検出する機能を備
えている。この機能は、前記ROMに記憶したフローチ
ャートに沿って所定のルーチンを実行することによって
実行される。よって、CPU20のことを背圧異常検出
手段ということにする。なお、背圧異常には、詰まりと
スティックとがあり、それらを検出するために別々のフ
ローチャートを用意してある。これらのフローチャート
は、ディーゼルエンジン1を駆動制御するための機関制
御ルーチンとは別個のルーチンを形成する。
【0056】まず、詰まりを検出する排気しぼり弁詰ま
り判定用フローチャートについて図5を参照しながら説
明する。なお、フローチャートにおける以下の動作はす
べてCPU20によるものである。
【0057】ディーゼルエンジン1の始動後において処
理がこのルーチンに移行すると、まず、ステップ101
(図面ではステップ101をS101と表示する。他の
ステップについても同様。)において、ディーゼルエン
ジン1の運転条件が、排気絞り弁14bの閉弁条件を満
たす状態、すなわち、例えば寒冷時かどうかを判定す
る。そうであれば肯定してステップ102へ進み、そう
でなければ否定判定してステップ110へ進む。ステッ
プ110では、ステップ101において排気絞り弁14
bの閉弁条件を満たしていないことが前提条件であるか
ら排気絞り弁14bを開き、その後ステップ101へ戻
り、排気絞り弁14bの閉弁条件が満たされるまでこの
ルーチンを繰り返す。
【0058】ステップ102では、排気絞り弁14bの
閉弁実行命令が出され、この閉弁実行命令に基づいて排
気絞り弁14bは閉動作を行うようになる。但し、閉弁
実行命令が出されても、必ずしも排気絞り弁14bが、
閉弁するとは決まっていない。ステップ102の後は、
次のステップ103へ進む。
【0059】ステップ103では、ディーゼルエンジン
1がアイドリング状態でかつ車速が0であるかどうかを
判定する。ディーゼルエンジン1がアイドリング状態に
あるか否かの判定は、図示しないアイドルスイッチがO
NかOFFかで判定する。また、車速は前記車速センサ
26によって検出する。ステップ103を要するのは、
アイドリング状態における詰まりを検出するためのフロ
ーチャートだからである。よって、アイドリング状態に
ないと判定したときは、その後ステップ101へ戻り、
アイドリング状態になるまでこのルーチンを繰り返す。
【0060】そして、アイドリング状態にあると判定し
たときは、次のステップ104へ進み、現在のアイドリ
ング状態におけるエンジン回転数を回転数センサ11a
で検出し、かつ目標アイドル回転数になるようにフィー
ドバック制御する。目標アイドル回転数とは、ディーゼ
ルエンジン1がそのアイドリング状態を維持することが
できるに足る回転数よりも幾分多めの回転数のことであ
って、例えば寒冷時にアイドリング状態で車室用ヒータ
Hを効かせてもディーゼルエンジン1が止まってしまわ
ない程度にある程度の余裕をもった回転数である。目標
アイドル回転数に達したら次のステップ105へ進む。
【0061】ステップ105では、水温センサ18aに
よってエンジン水温を検出する。エンジン水温を検出し
たら次のステップ106へ進む。ステップ106では、
ステップ105に係るエンジン水温に対応させて、燃料
噴射量を検出し、その後、次のステップ107へ進む。
【0062】ステップ107では、エンジン水温に対応
する燃料噴射量が、基準値よりも幾分多めに吐出してい
るかどうかを判定する。ここでいう「基準値」とは、デ
ィーゼルエンジン1がそのアイドリング状態を維持でき
るに足る供給燃料量よりもわずかに多めの燃料供給量を
示す値である。
【0063】また、前記基準値よりも幾分多めの「多
め」とは、本件発明者の実験から、例えば基準値の二割
増し程度が好適であることがわかっている。そして、こ
のフローチャートの説明にあっては、この、基準値の2
0パーセント増し程度の量のことを「所望量」というこ
とにする。
【0064】そして、基準値に所望量を加えた量の燃料
噴射量のことを、このフローチャートでは「所定値」と
いうことにする。よって、ステップ107は、エンジン
水温に対応する燃料噴射量が、所定値よりも多いかどう
かを判定するという表現に言い換えられる。
【0065】なお、基準値をアイドリング状態を維持で
きるに足る燃料供給量よりも幾分多めの燃料供給量とし
たのは、例えば、ディーゼルエンジン1内で生じるフリ
クションが何らかの理由で増大すると、ディーゼルエン
ジン1が停止してしまう虞れがあるからであり、また、
寒冷時にアイドリング状態で車室用ヒータHを効かせる
と、供給燃料が余分に必要になり、アイドリング状態を
維持できるに足るだけの燃料供給量では、やはり内燃機
関が停止してしまうので、これを防止するためである。
【0066】そして、前記所定値以上に燃料供給量があ
った場合に背圧異常が生じた、すなわち、排気絞り弁1
4bにカーボン等による詰まりが発生したと、次のステ
ップ108で判断する。
【0067】ステップ108で詰まり発生と判断した場
合は、詰まり解消のため、排気絞り弁14bを強制的に
全開し、現状の詰まり以上に排気絞り弁14bが詰まら
ないようにする。
【0068】一方、ステップ107で否定判定した場
合、すなわち、燃料噴射量が、所定値の範囲に収まれ
ば、排気絞り弁14bに詰まりがなく正常に作動してい
るものとステップ111で判断する。そして、その後は
ステップ101へ戻り、ステップ107で肯定判定され
るまで、このルーチンを繰り返す。
【0069】次に、図6を参照しながら、排気絞り弁1
4のスティック状態を検出する排気しぼり弁スティック
判定用フローチャートについて説明する。ディーゼルエ
ンジン1の始動後において処理がこのルーチンに移行す
ると、まず、ステップ201において、ディーゼルエン
ジン1の運転条件が、排気絞り弁14bの閉弁条件を満
たす状態、例えば寒冷時かどうかを判定する。そうであ
れば肯定してステップ202へ進み、そうでなければ否
定判定してステップ206へ進む。
【0070】ステップ201においてステップ202へ
進む場合は、排気絞り弁14bが現状の開いた状態でス
ティックしていると判定する場合であり、ステップ20
6へ進む場合は、排気絞り弁14bが現状の閉じた状態
でスティックしている判定する場合である。
【0071】排気絞り弁14bが開いた状態でスティッ
クしていると判定する場合の制御ステップは、前記ステ
ップ201の後で実行されるステップ202〜ステップ
205およびステップ211である。
【0072】また、排気絞り弁14bが閉じた状態でス
ティックしていると判定する場合の制御ステップは、前
記ステップ201の後で実行されるステップ206〜ス
テップ211およびステップ212である。
【0073】まず、排気絞り弁14bが開いた状態でこ
れをスティックしていると判定する場合について述べ
る。なお、話をわかり易くするために、排気絞り弁14
bが現状の開いた状態でスティックしていると判定する
場合のルーチンにあっては、排気絞り弁14bは、当初
開いた状態でステップ201に入り、ステップ202以
降の各ステップに移行するものとする。
【0074】ステップ202では、排気絞り弁14bの
閉弁実行命令が出され、この閉弁実行命令に基づいて排
気絞り弁14bは閉動作を行う。但し、閉弁実行命令が
出されても、必ずしも排気絞り弁14bが閉じるとは決
まっていない。ステップ202の後は、次のステップ2
03へ進む。なお、排気絞り弁14bを閉状態におく制
御命令がCPU20から出ること、あるいは出ている状
態を「閉弁制御の実行段階」という。また、「閉弁制御
の実行段階」に対応する用語として「閉弁制御の非実行
段階」を定義する。これは、排気絞り弁14bを開状態
におく制御命令がCPU20から出ること、あるいは出
ている状態をいう。
【0075】ステップ203では、EGR弁制御デュー
ティ比に対応した燃料補正を行う。この燃料補正は既述
した図4を用いて行う。なお、EGR弁制御デューティ
比は、既にCPU20によって特定されているものとす
る。図4の縦軸は燃料補正量であり、横軸はEGR弁制
御デューティ比である。
【0076】EGR弁制御デューティ比を示す図4の横
軸における特定値a1に対応する縦軸の燃料補正量a2
がいくらかを求める(図5の矢印a参照)。そして、こ
の燃料補正量に応じて補正された量の燃料が、EGR弁
制御圧に応じて燃料供給量制御手段22が作動すること
でインジェクタ11から吐出され、ポンピング損失増加
によるディーゼルエンジン1の出力低下を防止する。
【0077】ステップ204では、排気絞り弁14bの
閉弁実行命令が出る前と後とで、インジェクタ11から
吐出する噴射燃料の量が変化していないかどうかを判定
する。この判定に燃料増量=0という等式を用いる。こ
の等式が成立すれば、インジェクタ11から吐出する噴
射燃料の量が、排気絞り弁14bの閉弁実行命令が出る
前と後とで変化していないことになり、この場合を肯定
判定と位置づけて次のステップ205に進む。
【0078】ステップ205では、排気絞り弁14b
は、閉弁実行命令を受けたにも拘わらず現状の開度のま
まスティックしていると判断する。このように判断する
のは、排気絞り弁14bが閉弁実行命令を受けてその通
りに閉じるとすれば、それだけポンピング仕事が増える
のであるから、供給燃料は本来増量するはずである。そ
れにも拘わらず増量しないということは、排気絞り装置
14に異常があったと判断しても何等支障ないからであ
る。なお、この実施の形態では、燃料増量=0という等
式でスティック状態の有無を判定するものを示したが、
本来増量するはずのものが減少する(負の増量をする)
場合も異常と判断しても何等支障はない。よって、前記
等式を等号を有する不等式を用いて「燃料増量≦0」と
し、これを肯定判定した場合は、排気絞り装置14の異
常をステップ205で判断するというようにもできる。
なお、前記数値0をこの開いた状態でスティックしてい
ると判定するための本フローにおける「特定の所定値」
ということにする。この「特定の所定値」ということば
を用いて以上をまとめれば、背圧異常検出手段であるC
PU20は、閉弁制御が非実行段階から実行段階に移行
したときの燃料増量分の値が前記特定の所定値以下であ
る場合に前記排気絞り装置の異常を検出するということ
ができる。
【0079】また、ステップ204にて否定判定した場
合は、命令通りに排気絞り弁14bが閉じられ、よって
燃料増量があったと定めて、ステップ201へ戻り、こ
のルーチンを繰り返す。
【0080】ステップ205で排気絞り弁14bが開い
た状態でスティックしていると判定した後は、ステップ
211へ進む。ステップ211では、車輌室内のコッ
クピットに設けた図示しないエンジンチェックランプ等
の適宜の警告手段にてドライバや同乗者に排気絞り装置
14が現在異常状態にあることを知らせ、このルーチン
を必要とする運転条件にディーゼルエンジン1がある
間、本ルーチンを繰り返す。
【0081】話をステップ201に戻し、排気絞り弁1
4bが閉じた状態でこれをスティックしていると判定す
る場合について述べる。なお、話をわかり易くするため
に、排気絞り弁14bが現状の閉じた状態でスティック
していると判定する場合のルーチンにあっては、排気絞
り弁14bは、当初閉じた状態でステップ201に入る
ものとする。
【0082】ステップ201で否定判定したらステップ
206へ進む。ステップ206では、排気絞り弁14b
の開弁非実行命令が出され、この開弁非実行命令に基づ
いて排気絞り弁14bは開動作を行う。但し、開弁非実
行命令が出されても、必ずしも排気絞り弁14bが開く
とは決まっていない。
【0083】ステップ206の後は、次のステップ20
7へ進む。ステップ207は、実質的にステップ203
と同様の判定手段であり、ステップ207では、EGR
弁制御デューティ比に対応した燃料補正を行い、その後
ステップ208へ進む。
【0084】ステップ208では、排気絞り弁14bの
開弁非実行命令が出る前と後とでインジェクタ11から
吐出する噴射燃料の量が変化していないかどうかを判定
する。よって、命令前と後とにおける噴射燃料量の変化
の有無を判定するという意味で、ステップ208はステ
ップ204と同様の判定手段である。この判定にあたっ
ては燃料負の増量(減量)=0という等式を用いる。こ
の等式が成立すればインジェクタ11から吐出する噴射
燃料の量が、排気絞り弁14bの開弁実行命令が出る前
と後とで変化していないことになり、この場合を肯定判
定と位置づけて次のステップ209に進む。
【0085】ステップ209では、排気絞り弁14b
は、ステップ206で開弁実行命令を受けたにも拘わら
ず現状の閉じたままの状態でスティックしていると判断
する。このように判断するのは、排気絞り弁14bが開
弁実行命令を受けてその通りに開くとすれば、それだけ
ポンピング仕事が減るのであるから、供給燃料は本来負
の増量(減量)をするはずであるが、それにも拘わらず
負の増量をしないということは、排気絞り装置14に異
常があったと判断しても何等支障ないからである。な
お、この実施の形態では、燃料負の増量(減量)=0と
いう等式でスティック状態の有無を判定するものを示し
たが、本来負の増量(減量)をするはずのものが正の増
量をする場合も異常と判断しても何等支障はない。よっ
て、前記した燃料負の増量(減量)=0という等式を等
号を有する不等式を用いて「燃料増量≧0」とし、これ
を肯定判定した場合は、排気絞り装置14の異常をステ
ップ209で判断するというようにもできる。なお、前
記数値0をこの閉じた状態でスティックしていると判定
するための本フローにおける「特定の所定値」というこ
とにする。この「特定の所定値」ということばを用いて
以上をまとめれば、背圧異常検出手段であるCPU20
は、閉弁制御が実行段階から非実行段階に移行したとき
の燃料増量分の値が前記特定の所定値以上である場合に
前記排気絞り装置14の異常を検出するということがで
きる。
【0086】また、ステップ208にて否定判定した場
合は、命令通りに排気絞り弁14bが開かれ、よって燃
料減量があったと定めて、ステップ212にて排気絞り
弁14bは正常であるという判定をし、その後、ステッ
プ201に戻って、ステップ208にて肯定判定される
までこのルーチンを繰り返す。
【0087】ステップ209を経由した後は、ステップ
210にてエアフローメータ13で検出した吸入空気量
に対応したスモークリミット燃料噴射量以下に燃料噴射
量を抑制する。スモークの発生を抑制するためである。
ステップ210のあとは既述したステップ211に移行
する。
【0088】〈実施の形態の作用効果〉ディーゼルエン
ジン1では、アイドリング状態にあるときにカーボン粒
子による排気絞り弁14bの詰まりが進んだとすると、
これは、排気の流れ具合からみて排気管9bが絞られた
ことであるから背圧が増大する。そして、この場合、出
力を低下させないためには、ポンピング仕事を増やさな
ければならず、そのためには、燃料供給量制御手段22
で燃料供給量を増やす必要がある。
【0089】排気絞り弁14bに詰まりのない正常な状
態であれば、元来、燃料は必要以上に供給されないはず
である。それ故、排気絞り弁14bを絞っていないのに
も拘わらず、燃料供給量が、詰まりのない正常状態の場
合のそれと比べて多過ぎるのであれば、排気絞り弁14
bに背圧異常が起きていると判断できる。そして、この
ような判断が可能となるように背圧異常検出手段である
CPU20が設定してある。燃料供給量の増量の程度
は、排気管9bの詰まり具合に応じており、エンジン回
転数とは無関係であるので、ディーゼルエンジン1にI
SC制御を採用し、これによってアイドリング時の回転
数を一定に保っても、アイドリング時の排気通路の詰ま
りを検出できる。
【0090】また、ディーゼルエンジン1では、CPU
20が、排気絞り弁制御装置21による閉弁制御の実行
段階から非実行段階に移行したときの燃料供給量に基づ
いて、または同装置21による閉弁制御の非実行段階か
ら実行段階に移行したときの燃料供給量に基づいて、排
気絞り装置14の背圧異常を検出する。
【0091】したがって、アイドリング状態におかれた
ディーゼルエンジン1においてカーボン粒子による排気
絞り弁14bの詰まりが進み、排気絞り弁14bが開い
たままでスティックし、このときCPU20からは、閉
弁実行命令が出ていたとする。閉弁実行命令通りに排気
絞り弁14bが閉じれば、本来、背圧は増大するはずで
ある。しかし、排気絞り弁14bは開いた状態のままス
ティックしているのであるから、燃料供給量は閉弁実行
命令が出る前と変わらない、すなわち燃料増量=0(ゼ
ロ)ということになる。よって、この場合を排気絞り弁
は開いたままスティック状態にあると判断できる。
【0092】反対に排気絞り弁14bが閉じたままでス
ティックし、このとき、CPU20からは、開弁実行命
令が出たとする。開弁実行命令通りに排気絞り弁14b
が開けば、本来、背圧は減少(負の方向に増加)するは
ずである。しかし、排気絞り弁14bは閉じた状態のま
まスティックしているのであるから、燃料供給量は開弁
実行命令が出る前と変わらない、すなわち燃料増量=0
ということになる。よって、この場合を排気絞り弁14
bが閉じたままスティック状態にあるとできる。
【0093】そして、閉弁制御あるいは開弁制御のいず
れかの実行命令が出ているのにも拘わらず、それに応じ
た燃料供給がなされないときには背圧異常が生じている
ことを適宜の警報手段にて警報すればよい。
【0094】このように、燃料供給量の増減は、排気絞
り弁14bが開から閉へ変わる場合と、閉から開へ変わ
る場合とで異なり、また、排気絞り弁14bがスティッ
クした場合、排気絞り弁14bの開度が排気絞り弁14
bの開度制御をする前と後とで同じであるから燃料供給
量の増減はない。よって、排気絞り弁14bの開度に応
じた燃料供給量の増減に基づいて排気絞り弁14bのス
ティック状態の検出が可能であり、エンジン回転数とは
関係ない。そして、このような制御ができるようにCP
U20は設定してあるので、ディーゼルエンジン1にI
SC制御を採用し、これによってアイドリング時の回転
数を一定に保っても、アイドリング時にスティックの検
出ができる。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、内
燃機関が所定の運転状態にあるときに排気通路を絞る排
気絞り装置を有する内燃機関において、前記内燃機関へ
の燃料供給量を制御する燃料供給量制御手段と、前記内
燃機関がアイドリング状態にあるときに前記燃料供給量
制御手段が前記内燃機関に供給する前記燃料供給量に基
づいて、前記排気絞り装置の背圧異常を検出する背圧異
常検出手段と、を有するので、ISC制御採用の内燃機
関であってもアイドリング時の背圧異常を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る排気絞り装置を有する内燃機関
を採用したディーゼルエンジンの構成図
【図2】 排気圧力−EGR弁制御デューティ比線図
【図3】 EGR制御圧−EGR弁制御デューティ比線
【図4】 燃料補正量−EGR弁制御デューティ比線図
【図5】 排気絞り弁詰まり判定用フローチャート
【図6】 排気絞り弁スティック判定用フローチャート
【符号の説明】
1…ディーゼルエンジン(内燃機関) 2…シリンダ 2a…シリンダボア 3…ピストン 3a…ピストンヘッド 4…コンロッド 6…燃焼室 7…シリンダヘッド 8…吸気ポート 8a…吸気バルブ 8b…吸気管 9…排気ポート 9a…排気バルブ 9b…排気管(排気通路) 11…インジェクタ 11a…回転数センサ 13…エアフローメータ 14…排気絞り装置 14a…圧力制御弁 14b…排気絞り弁(弁体) 14c…アクチュエータ 15…排気再循環通路 15a…排気枝管 15b…吸気枝管 15c…排気再循環通路15の中央部 16…EGR弁 16a…圧力制御弁 17…バキュームタンク 17a…バキュームポンプ 18…冷却水通路 18a…水温センサ 19…外気温センサ 20…CPU(背圧異常検出手段) 21…排気絞り弁制御装置 22…燃料供給量制御手段,燃料供給量増大手段 24…アクセルセンサ 26…車速センサ H…車室用ヒータ ROM…読み出し専用メモリ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関が所定の運転状態にあるときに
    排気通路を絞る排気絞り装置を有する内燃機関におい
    て、 前記内燃機関への燃料供給量を制御する燃料供給量制御
    手段と、 前記内燃機関がアイドリング状態にあるときに前記燃料
    供給量制御手段が前記内燃機関に供給する前記燃料供給
    量に基づいて、前記排気絞り装置の背圧異常を検出する
    背圧異常検出手段と、 を有することを特徴とする排気絞り装置を有する内燃機
    関。
  2. 【請求項2】 前記背圧異常検出手段は、前記燃料供給
    量の値が、ある特定の所定値よりも大きい場合に前記排
    気絞り装置の背圧異常を検出することを特徴とする請求
    項1に記載の排気絞り装置を有する内燃機関。
  3. 【請求項3】 内燃機関が所定の運転状態にあるときに
    閉弁動作することで排気通路を絞る排気絞り弁を開閉制
    御して前記排気通路の絞り量を調整する排気絞り弁制御
    装置と、 この排気絞り弁制御装置による閉弁時の背圧増大により
    機関負荷が増大するとその増大負荷量に応じて前記内燃
    機関への燃料供給量を増やす燃料供給量増大手段とを備
    える、排気絞り装置を有する内燃機関において、 前記排気絞り弁制御装置による閉弁制御が、その実行段
    階から非実行段階に移行したときの、または前記非実行
    段階から前記実行段階に移行したときの前記燃料供給量
    増大手段による前記燃料供給量に基づいて、前記排気絞
    り装置の背圧異常を検出する背圧異常検出手段を有する
    ことを特徴とする排気絞り装置を有する内燃機関。
  4. 【請求項4】 前記背圧異常検出手段は、閉弁制御が実
    行段階から非実行段階に移行したときの燃料増量分の値
    がある特定の所定値以上である場合に前記排気絞り装置
    の異常を検出することを特徴とする請求項3に記載の排
    気絞り装置を有する内燃機関。
  5. 【請求項5】 前記背圧異常検出手段は、閉弁制御が非
    実行段階から実行段階に移行したときの燃料増量分の値
    が前記所定値以下である場合に前記排気絞り装置の異常
    を検出することを特徴とする請求項3に記載の排気絞り
    装置を有する内燃機関。
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