JP3412419B2 - 射出成形機の成形条件最適化方法 - Google Patents

射出成形機の成形条件最適化方法

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    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機を使用
して溶融した樹脂材料を成形する際、所定の品質を安定
して得るための最適な成形条件を、効率的、かつ、精度
よく設定する射出成形機の成形条件最適化方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融樹脂の射出成形においては、
横軸を射出スクリュの位置とし縦軸を射出スクリュの前
進速度とした射出プロファイルや、横軸を時間とし縦軸
を射出圧力とした保圧プロファイルを、あらかじめ過去
の運転実績に基づく経験により設定したうえ、この射出
プロファイルにしたがって高速で金型キャビティ内へ溶
融した樹脂材料を射出充填する充填工程と、保圧プロフ
ァイルにしたがって溶融樹脂の充填後に金型キャビティ
内の樹脂に圧力を加えて成形する保圧工程によって射出
制御され、多くの場合、充填工程は油圧回路の圧力調整
弁を高圧に設定し、射出開始からの経過時間または射出
スクリュの前進位置を基準に速度を複数段に変化させる
ように流量制御弁の開度を時間経過とともに、あるいは
射出スクリュのストローク位置に応じて変化させるよう
に設定し、該流量制御弁の調整により射出シリンダのピ
ストン、すなわち、射出スクリュの射出速度を制御し、
金型キャビティ内の樹脂が空気を巻き込まない程度に高
速で溶融樹脂を金型キャビティ内へ充填するものとし、
溶融樹脂が金型キャビティ内に充填された後は流量制御
弁を比較的小さい開度に固定し、圧力調整弁により油圧
を調整する保圧工程とし、この保圧工程は時間経過に応
じて金型キャビティ内に充填された溶融樹脂に所定の圧
力を加え得るように圧力調整弁の開度を変化させ、金型
キャビティ内で溶融樹脂が冷却されることにより樹脂が
収縮し、製品の形状や寸法がキャビティ形状の寸法に対
して誤差が生じることがないように防止するとともに製
品内部に大きな残留応力が生じないようにしている。
【0003】図9は、溶融樹脂が射出成形機20のスク
リュヘッド前部22よりノズル部4を経由して金型10
a、10bで形成されるキャビティ8へ射出充填される
直前の状態を示しており、この後、射出工程に入り、射
出シリンダ16のヘッド側16aより作動油が射出シリ
ンダ16内へ入りスクリュ1を前進させて、ノズル部4
の溶融樹脂をキャビティ8内へ移送させる。キャビティ
8内に溶融樹脂が充満された後に保圧工程へ入り、樹脂
の冷却固化に伴う収縮分を補充されつつ、スクリュヘッ
ド前部22の樹脂に圧力が加えられる。このような射出
工程と保圧工程にそれぞれどのような樹脂流入速度パタ
ーンや圧力パターンで溶融樹脂を射出充填していくのか
ということに、金型内で成形される樹脂成形品の品質の
良否が依存しており、一般的には、前述したように、例
えば射出工程では、図10に示すように、スクリュ位置
とスクリュ前進速度との関係で設定し、保圧工程では、
図11に示すように、経過時間と保圧力(油圧力または
樹脂圧力)との関係で設定するようにしている。
【0004】そして、このような射出速度パターン(射
出プロファイルとも言う)や圧力パターン(保圧プロフ
ァイルとも言う)を決定するに当って、オペレータは良
品を再現性よく安定的に得ることのできる成形条件を把
握しようとして、熟練知識を駆使して種々の成形条件の
色々な組み合わせを実施してトライアル・アンド・エラ
ーにより望ましい結果を得ようとしてきた。また、最近
ではこうした試行錯誤法とともに、コンピュータ技術を
駆使した樹脂の金型内流動解析に関するシミュレーショ
ン法により、望ましい成形条件をある程度の精度で把握
するような試みも実施されつつある。本発明以前の特許
で同様な方法により最適成形条件を求める従来技術とし
ては、例えば、特公平5−13048号が挙げられる。
この特許の方法では、基準となる成形条件を設けずに、
多数の設定条件因子を設定し、それに対し多数の変化水
準を作成して成形テストを行うため成形テストの数は非
常に多くなり、成形品の品質判定も100点満点中85
点というふうに評価も複雑になっていた。また多くの成
形テスト結果から重回帰分析により品質が最高になる成
形条件を出すため、複雑な計算をしなくてはならず実用
には向いていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ほうほうで決定された良品が射てる成形条件でも、長時
間の生産工程中では環境変化等により成形状態が変わる
ため、度々不良品が成形される。そのため、単に良品が
射てる良品成形条件に止まらず、環境変化に対しても不
良品が出ない最適成形条件を求める必要があった。本発
明以前の特許で同様な方法により最適成形条件を求める
従来技術としては、たとえば、特公平5−13048号
が挙げられる。この方法では、基準となる成形条件を設
けずに、多数の設定条件因子を設定し、それに対し多数
の変化水準を作成して成形テストを行なうため成形テス
トの数は非常に多くなり、成形品の品質判定も100点
満点中85点というふうに評価も複雑になっていた。ま
た、多くの成形テスト結果から重回帰分析により品質が
最高になる成形条件を出すため、複雑な計算をしなくて
はならず実用に向いていなかった。したがって、実操業
中の環境変化に対しても不良項目を出さない最適成形条
件を迅速、かつ、簡便容易に設定できる手順の確立が待
望されていた。本発明では、このような課題を解決し、
実操業において十分満足できる成形品品質を有する成形
品を安泰して得ることの出来る最適成形条件の設定方法
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明においては、第1の発明では、溶融した樹
脂材料を略密閉状の金型キャビティ内に流動圧入して成
形品を繰り返し生産する射出成形機の成形条件最適化方
法であって、あらかじめ試し打ち成形テストを実施し
て、トライアンドエラーにより成形条件に変更を加えつ
つ射出プロファイルおよび保圧プロファイルからなる良
品成形条件を設定し、この良品成形条件に基づいて再度
試し打ち成形テストを実施するとともに主要成形変数の
測定・監視を行なって、成形中における成形状態の環境
変化に由来する該主要成形変数の変動幅を求め、該変動
幅を考慮して実験計画法を通じて得られた主要成形変数
のあらたな組合せに基づく更新成形条件の複数の更新成
形テストを実施し、該成形テストの結果得られた成形品
の各々についてオペレータの目視による外観品質判定を
行ない、不良項目がある場合にはあらかじめ用意した修
正プログラムを使用して前記更新成形条件を修正して更
新成形テストを繰り返し、不良項目が皆無の場合には、
最終の更新成形条件を最適成形条件として生産工程にお
ける最適成形条件とした。そして、第2の発明では、第
1の発明における良品成形条件の設定を、あらかじめ試
し打ち成形テストを実施して、トライアンドエラーによ
り成形条件に変更を加えつつ射出プロファイルおよび保
圧プロファイルからなる良品成形条件を設定することに
代えて、金型キャビティ形状を数学的に定義した金型モ
デルを作成し、該金型モデルに溶融樹脂を流した場合の
樹脂流動解析を行なって、射出プロファイルおよび保圧
プロファイルからなる良品成形条件を算出するようにし
た。また、第3の発明では、修正プログラムは、オペレ
ータの目視による外観品質判定項目の各々に、あらかじ
め設定した重み定数を乗算して得られた数値に応じた成
形条件の変更機能を付加したものとした。
【0007】
【発明の実施の態様】本発明においては、第1の発明で
は、あらかじめ試し打ち成形テストを実施して、トライ
アンドエラーにより成形条件に変更を加えつつ射出プロ
ファイルおよび保圧プロファイルからなる良品成形条件
を設定し、この良品成形条件に基づいて再度試し打ち成
形テストを実施するとともに主要成形変数の測定・監視
を行なって、成形中における成形状態の環境変化に由来
する該主要成形変数の変動幅を求め、該変動幅を考慮し
て実験計画法を通じて得られた主要成形変数のあらたな
組合せに基づく更新成形条件の複数の更新成形テストを
実施し、該成形テストの結果得られた成形品の各々につ
いてオペレータの目視による外観品質判定を行ない、不
良項目がある場合にはあらかじめ用意した修正プログラ
ムを使用して前記更新成形条件を修正して更新成形テス
トを繰り返し、不良項目が皆無の場合には、最終の更新
成形条件を最適成形条件として生産工程における最適成
形条件としたため、あらかじめ試し打ちテストのトライ
アンドエラーによって得た良品成形条件を、再度行なう
試し打ち成形テストの結果得られた成形状態の環境変化
に由来する変動幅を考慮したあらたな主要成形変数の組
合せの更新成形条件からなる更新成形テストを実施し
て、成形品の外観品質判定の不良項目がなくなるまで更
新成形条件を修正するため、環境変化にも十分に耐え、
かつ、外観不良の無い優れた成形品を成形する最適成形
条件が得られ、実操業で安定確実に高品質の成形品を生
産することが出来る。
【0008】また、第2の発明では、初期の良品成形条
件に設定に、オペレータの熟練度や経験に頼らず、あら
かじめ金型キャビティ形状を数学的に定義した金型モデ
ルを作成し、該金型モデルに溶融樹脂を流した場合の樹
脂流動解析を行なうようにしたため、経験に乏しいオペ
レータでも簡便容易に良品成形条件を設定できる。さら
に、第3の発明では、修正プログラムは、オペレータの
目視による外観品質判定項目の各々に、あらかじめ設定
した重み定数を乗算して得られた数値に応じた成形条件
の変更機能を付加したものとしたので、外観品質判定で
不良項目が出た場合に、自動的に成形条件を修正してよ
り改善された最適成形条件にすることが出来るため、好
都合である。
【0009】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例について
詳細に説明する。図1〜図8は本発明の実施例に係り、
図1は射出成形機の全体構成図、図2は最適成形条件の
設定手順を示すフローチャート、図3は良品成形条件の
説明図であり、図3(a)は充填工程の射出プロファイ
ルを示し、図3(b)は保圧工程の保圧プロファイルを
示す。図4は試し打ちテストにおける環境変化に由来す
る測定結果を示す射出プロファイルおよび保圧プロファ
イルのグラフ、図5は変動幅を考慮したあらたな組合せ
に基づく更新成形テストの説明図で、図5(a)は更新
テストの各々の変動幅の修正要素表を示し、図5(b)
は各々の更新テストの射出、保圧プロファイルを示す。
図6は外観品質判定結果を入力する不良項目入力表の1
例を示すパソコンCRT画面上の表示図、図7は不良項
目の重みマトリックスの1例を表示したパソコンCRT
画面上の表示図、図8は更新成形条件を修正して最適成
形条件を決定する手順を示す説明図である。
【0010】図1に示すように、射出成形機100の射
出装置20は、スクリュ1が回転自在でかつ前後進自在
に加熱シリンダ3内に挿入されており、加熱シリンダ3
の先端にはノズル4が取付けられている。また、後部に
はスクリュ1を前後進させるピストン14を挿入した射
出シリンダ16が取付けられており、その後方にスクリ
ュ1に回転を与えるスクリュ回転用のスクリュ回転モー
タ5が設けられている。そしてこのスクリュ回転モータ
5へ駆動源として適宜な量の圧油を供給するスクリュモ
ータ用作動用バルブ11cが設けられている。
【0011】射出シリンダ16の油圧室はヘッド側油圧
室16aとロッド側油圧室16bから構成されており、
この油圧室には図示省略した油圧ポンプから作動油が供
給され油圧作動バルブ11で制御される。この油圧作動
バルブ11は、ヘッド側油圧室16aに通じるヘッド側
油圧作動バルブ11aとロッド側油圧室16bに通じる
ロッド側油圧作動バルブ11bから構成されている。ま
た、射出工程中の射出圧力を測定するために射出シリン
ダ16のヘッド側油圧室16aはヘッド側油圧センサ1
3が装着されている。
【0012】また、符号8はスクリュ1の前後進距離を
測定するスクリュ位置センサであり、速度も計測でき
る。スクリュ1の先端にはチェックシート1aを置いて
スクリュヘッド18が螺着されており、スクリュヘッド
18は先端に向かった略円錐形状で同円錐形状の後側
(図中右側)は段状になって小径になり、この小径部1
8aには軸方向摺動自在なチェックリング2が嵌挿され
ている。
【0013】ノズル4内の先端近傍には、射出工程中に
固定金型10aと可動金型10bとで構成される金型1
0内の金型キャビティ8内に充填される溶融樹脂の樹脂
圧力を測定するノズル圧力センサ6aとノズル温度セン
サ6cが配設されている。また、金型キャビティ8とノ
ズル4とを結ぶランナ部7には、金型10内の樹脂圧力
を測定するための金型内圧力センサ6bと金型温度を測
定する金型温度センサ6dが取付けてある。
【0014】この射出装置20にはノズル4の前方に配
設されたノズル圧力センサ6aによる樹脂圧力の測定
値、金型内圧力センサ6bによる樹脂圧力の測定値、射
出シリンダヘッド側油圧センサ13による油圧の測定
値、およびスクリュモータ駆動用油圧センサ15からの
油圧力の測定値、あるいは他のセンサからの測定値を受
信してここで目標値と比較することにより様々な制御指
令を出す射出成形機の制御装置30が設けられている。
【0015】なお、本発明の制御対象になる圧力とは、
射出工程におけるノズル4の樹脂圧力、金型キャビティ
8内の樹脂圧力および射出シリンダ16のヘッド側油圧
室16aの油圧のうちどれかを意味する。1回の射出工
程内において複数の圧力を同時に制御するのは不可能で
あると考えられるので、ノズル圧力センサ6a、金型内
圧力センサ6b、およびヘッド側油圧センサ13の3つ
のうち1つだけ装着しておけば良いことになる。なお、
符号12はホッパ、12aは樹脂ペレット、22はスク
リュヘッド前部を示す。
【0016】このように構成された射出成形機100を
用いた本発明の射出成形機の成形条件最適化方法の実施
例について、図2のフローチャートに基づいて説明す
る。図2は、最適成形条件の設定手順を示すフローチャ
ートであり、実操業運転に先立ってまず良品が成形でき
る良品成形条件の設定を行なう。この良品成形条件の設
定は、オペレータが過去の運転実績や経験を頼りに試し
打ちテストを実施しつつ成形結果である成形品を見なが
ら少しずつ修正を加える、いわゆるトライアンドエラー
法により行なう。一方、第2の発明では、このトライア
ンドエラー法によらず、CAEシミュレーション手法を
使用して解析的に良品成形条件の設定を行なう。この方
法は、金型キャビティ形状を数学的に定義した金型モデ
ルを作成し、CAE技術を応用した金型内樹脂流れの流
動解析シミュレーション手法を駆使して解析上の最適成
形条件を算出する。この成形条件は、射出充填工程の射
出プロファイルと保圧工程の保圧プロファイルとから構
成される。図3は、こうして設定された良品成形条件の
射出プロファイル(a)と保圧プロファイル(b)の1
例を示したものである。
【0017】第2の発明で使用する樹脂流動解析プログ
ラムは、市販されている金型内流動解析プログラム「M
OLD・FLOW プログラム」を使用できる。
【0018】次に、このようにして設定された良品成形
条件で、再度、数回または十数回の試し打ちテストを実
施し、成形プロセスにおける環境変化変動幅の測定を行
なう。成形プロセスにおける環境変化要因として考えら
れるものは、たとえば、成形機の周辺温度や湿度、樹脂
温度、樹脂の粘度、樹脂の重合度など樹脂の種類、原料
樹脂におけるリサイクル材の混入率、リサイクル材の種
類(廃材か運転時の余肉材か)、あるいは制御装置がう
ける電気的(電圧変化、電波障害等)、物理的変化(温
度変化、湿度変化等)に起因する外乱(応答送れ、過渡
現象等)による射出速度の変化、保圧圧力の変化等が挙
げられる。
【0019】図4は、図3の良品成形条件(射出プロフ
ァイルおよび保圧プロファイル)に基づいて試し打ちテ
ストを実施し、環境変化に寄る最大変動幅の測定結果を
示したグラフであり、充填工程、保圧工程においてそれ
ぞれ最大変動幅xと最大変動幅yを求めることができ
る。すなわち、射出速度vについては、最大変動幅x
は、最大変動値a1 と初期設定値a0 との差異であり、
5mm/sとなり、保圧工程の圧力Pについては、最大
変動幅yは、最大変動値b1 と初期設定値b0 との差異
であり、3MPa(メガパスカル)となった例が示され
ている。この試し打ちは複数回行ない、多くのサンプル
値から変動幅を求めてもよい。
【0020】次に、これらの変動幅x、yを考慮して公
知の実験計画法の手法により、主要な成形変数(本実施
例の場合には、射出速度vと保圧圧力P)を修正して、
もっと広範な広がりのある、あらたな収容成形変数の組
合せに基づく更新成形条件を作成する。図5は、最大変
動幅x、yを広がりよく配列した組合せ表(a)と、こ
の組合せ表に基づいて作成された更新成形条件の射出プ
ロファイルや保圧プロファイル(b)を示している。そ
して、この更新成形条件に基づく複数(図5の場合は、
4ケース)の更新成形テストを実施し、各々の成形品を
オペレータが外観を観察して目視による外観品質判定を
行ない、不良項目の有無を確認する。
【0021】このようにして、更新成形テストで成形さ
れた成形品の外観品質検査を目視によりオペレータが行
ない、不良項目があれば、たとえば、図6に示すよう
に、制御装置30のCRT画面上に呼び出した不良項目
入力表にその結果を入力する。この不良項目入力表に不
良項目がある場合には、あらかじめ事前に用意された修
正プログラムを使用して、更新成形条件を修正変更した
うえ再度更新成形テストを実行する。以上のような作業
を繰り返して、更新成形条件を現実の環境変化に対して
も良品を成形する可能性がより高い成形条件に収束さ
せ、成形条件の最適化を図る。
【0022】上記の修正プログラムでは、たとえば、次
に説明するような方法手順により、更新成形条件の修正
を行なうことができる。図8は、その修正手順の1実施
例を示したもので、図5(b)の4回の更新成形テスト
を実施した結果より最適成形条件を決定する計算方法を
表す。まず、(αバリ)/(α(fill vel))
は、射出速度の変化がバリの発生に対してどの程度影響
を及ぼしているかを数値化する式(数学上の偏微分)
で、q1 、q2 、q3 、q4 は図6における表から決定
され、不良の印が付いている場合には1、付いていない
場合には0となる。この場合、影響度は1/2となっ
た。以下同様に、バリと保圧圧力の影響度やヒケと射出
速度、ヒケと保圧圧力の影響度を求める。(上記のα記
号は、数学上の逆ローの意味で使用した)。次に、これ
らの値により修正係数c1 、c2 を求める際、図7に示
す不良項目の重みマトリックスの数値を利用する。この
マトリックスの数値はあらかじ決めておくもので、不良
と成形変数(充填、保圧)の関係を表し、射出(充填)
はバリに対して3/(3+1)=3/4、ヒケに対して
1/(3+1)=1/4の重みをもっている。先に算出
した影響度と掛け合わせた数値を不良項目毎に足し合わ
すと、図8に示すように、c1 =3/8、c2 =−1/
4が算出される。次に、この修正係数c1 、c2 に、そ
れぞれ図4で求めた最大変動幅5mm/s、3MPaを
掛けると、最終的な最適成形条件を決定するための、充
填工程、保圧工程、それぞれにおける成形条件修正幅D
1 、D2 が求められる。その値は、図8の実施例では、
それぞれ、−1.9mm/s、+0.75MPaとなる
から、この数値より、最適成形条件の射出プロファイル
と保圧プロファイルを描くと、図8の最下部に示したグ
ラフとなる。図8のこのグラフでは、射出速度vは当初
の100mm/sや50mm/sであったものが、9
8.1mm/sや48.1mm/sに修正され、保圧圧
力Pは、当初の50MPaが50.75MPaに修正さ
れたことになる。これが、環境変化要因も考慮され、か
つ、成形品外観品質判定にもパスした、最終の最適成形
条件となる。図8の修正手順は、第3の発明の実施例に
係るものである。
【0023】なお、本発明は射出成形機に応用したもの
であるが、金属材料を成形加工するダイカストマシンや
あるいはスクイズキャストマシンに適用してもよいこと
は勿論である。
【0024】以上述べたように、本発明においては、あ
らかじめ設定された良品成形条件に基づいて試し打ちテ
ストを行ない、環境変化に由来する変動幅を測定して成
形条件に変更を加え、更新成形テストを実施して成形品
の外観品質判定を行なって、合格した成形条件を最適成
形条件と決定して、実操業を行なうようにしたため、環
境変化要因をも折り込んだ良品を打てる成形条件が迅速
に設定できる。また、この設定作業手順も、最初の良品
成形条件の設定を除いて、ほぼ完全に自動化されたもの
であり、実施が簡便容易である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の射出成形
機の成形条件最適化方法によれば、経験や樹脂流動解析
で得られた良品成形条件をもとに、環境変化要因を考慮
した実成形時における最適成形条件を、迅速かつ簡便容
易に設定できるため、運転操作性や生産効率、製品歩留
りが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る射出成形機の全体構成図
である。
【図2】本発明の実施例に係る最適成形条件の設定手順
を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る良品成形条件の説明図で
ある。
【図4】本発明の実施例に係る試し打ちテストにおける
環境変化に由来する測定結果を示す射出プロファイルお
よび保圧プロファイルのグラフである。
【図5】本発明の実施例に係る変動幅を考慮したあらた
な組合せに基づく更新成形テストの説明図である。
【図6】本発明の実施例に係る外観品質判定結果を入力
する不良項目入力表の1例を示すパソコンCRT画面上
の表示図である。
【図7】本発明の実施例に係る不良項目の重みマトリッ
クスの1例を表示したパソコンCRT画面上の表示図で
ある。
【図8】本発明の実施例に係る更新成形条件を修正して
最適成形条件を決定する手順を示す説明図である。
【図9】従来の射出成形機の全体構成図である。
【図10】従来の射出工程の成形条件の実施例である。
【図11】従来の保圧工程の成形条件の実施例である。
【符号の説明】
1 スクリュ 2 チェック弁 3 バレル 4 ノズル 5 スクリュ回転モータ 6a ノズル圧力センサ 6b 金型内圧力センサ 6c ノズル温度センサ 6d 金型温度センサ 7 ランナ部 8 金型キャビティ 9 位置センサ 10 金型 10a 固定金型 10b 可動金型 11a ヘッド側油圧作動バルブ 11b ロッド側油圧作動バルブ 12 ホッパ 12a 樹脂ペレット 13 射出シリンダヘッド側油圧センサ 14 ピストン 16 射出シリンダ 16a ヘッド側室 16b ロッド側室 18 スクリュヘッド 18a 小径部 20 射出装置 22 スクリュヘッド前部 30 制御装置 100 射出成形機 v 射出速度 P 保圧圧力 S ストローク値 t 経過時間 a1 最大変動値 a0 初期設定値 b1 最大変動値 b0 初期設定値 x 最大変動幅(射出速度) y 最大変動幅(保圧圧力) c1 修正係数 c2 修正係数 D1 成形条件修正幅 D2 成形条件修正幅

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融した樹脂材料を略密閉状の金型キャ
    ビティ内に流動圧入して成形品を繰り返し生産する射出
    成形機の成形条件最適化方法であって、 あらかじめ試し打ち成形テストを実施して、トライアン
    ドエラーにより成形条件に変更を加えつつ射出プロファ
    イルおよび保圧プロファイルからなる良品成形条件を設
    定し、 この良品成形条件に基づいて再度試し打ち成形テストを
    実施するとともに主要成形変数の測定・監視を行なっ
    て、成形中における成形状態の環境変化に由来する該主
    要成形変数の変動幅を求め、 該変動幅を考慮して実験計画法を通じて得られた主要成
    形変数のあらたな組合せに基づく更新成形条件の複数の
    更新成形テストを実施し、 該成形テストの結果得られた成形品の各々についてオペ
    レータの目視による外観品質判定を行ない、不良項目が
    ある場合にはあらかじめ用意した修正プログラムを使用
    して前記更新成形条件を修正して更新成形テストを繰り
    返し、不良項目が皆無の場合には、最終の更新成形条件
    を最適成形条件として生産工程における最適成形条件と
    した射出成形機の成形条件最適化方法。
  2. 【請求項2】 良品成形条件の設定は、あらかじめ
    試し打ち成形テストを実施して、トライアンドエラーに
    より成形条件に変更を加えつつ射出プロファイルおよび
    保圧プロファイルからなる良品成形条件を設定すること
    に代えて、金型キャビティ形状を数学的に定義した金型
    モデルを作成し、該金型モデルに溶融樹脂を流した場合
    の樹脂流動解析を行なって、射出プロファイルおよび保
    圧プロファイルからなる良品成形条件を算出するように
    した請求項1記載の射出成形機の成形条件最適化方法。
  3. 【請求項3】 修正プログラムは、オペレータの目視に
    よる外観品質判定項目の各々に、あらかじめ設定した重
    み定数を乗算して得られた数値に応じた成形条件の変更
    機能を付加したものとした請求項1または請求項2記載
    の射出成形機の成形条件最適化方法。
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