JP3412034B2 - 廃油処理袋 - Google Patents
廃油処理袋Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、廃油処理袋に関する
ものであって、さらに詳細には、家庭から生じた天ぷら
油等の不要になった廃油または中小企業の作業現場等で
生じた小規模の廃油を可燃製ゴミとして処理できる「廃
油処理袋」に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、家庭において生じた天ぷら油等の
不要になった廃油は、そのまま台所の流しに捨てたり、
そのまま土の中に捨てたり、女性用ナプキンの中身等に
使用するいわゆるパット原紙に油を吸着させて捨てた
り、熱い廃油中に薬品を投じて廃油をゲル状に固めて通
常のゴミとして捨たりされていた。さらにまた、家庭か
ら生じた廃油は、所定の業者が集めて、石鹸に加工し再
利用されていた。 【0003】また、中小企業の作業現場等で生じた小規
模の廃油、たとえば、モーターオイルなどは、そのまま
土の中に捨てたり、少しずつ生じた廃油等を一つのドラ
ム缶等の大きな容器中に溜めておいて、一定量になった
際に産業廃棄物等として所定の業者に依頼して処理され
ていた。 【0004】これらの方法によると、廃油を吸着させる
素材特性上の問題を含んでいたり、廃油処理作業上の問
題を含んでいたり、さらにまた直接的な環境汚染の原因
になったり、二次的環境汚染の原因になるという、いず
れにしても環境汚染の原因になるという問題を含んでい
る。すなわち、 【0005】廃油を台所の流しに捨てると、排水系のパ
イプを詰まらせる原因となるうえ、排水の水質を汚濁す
ることとなり、直接的な環境汚染の原因となるという問
題がある。廃油を土の中に捨てると、野菜くずなどと異
なり、廃油の分解は野菜くず等と比較してはるかに分解
に時間を要し、これも直接的な環境汚染の原因となると
いう問題がある。 【0006】また、廃油を女性用ナプキンの中身等に使
用するいわゆるパット原紙に油を吸着させる方法は、前
記パット原紙の特性に基づき廃油吸着に時間を要し、作
業効率に劣り、現実的な廃油処理方法として未解決な問
題がある。 【0007】さらにまた、廃油をゲル状に固めてゴミと
して捨てる方法は、廃油の固化時の作業として、廃油に
薬剤を投入してこれを混ぜながら固化させるが、この固
化作業に要する時間および手間がかかるうえに、時には
廃油量と投入薬剤量との比率等により廃油が固化しない
場合があるという問題がある。しかも、前記廃油をゲル
状に固化する方法は、固化に使用する薬品自体が二次的
な環境汚染の原因になるという問題がある等々である。 【0008】廃油の石鹸などへの加工・再利用は、廃油
を一定量貯留してからでないと実施できないことと、石
鹸製造の際に生ずる薬品副産物〔たとえば水酸化ナトリ
ウムと廃油(各種脂肪酸など)との反応副産物〕の処理
による二次的な環境汚染の原因になるという問題がある
等々である。 【0009】一方、たとえばトイレットペーパーおよび
キッチンペーパー等のロールティシュペーパーの製造時
において、最終製品とするために広い幅のロールティシ
ュペーパーを所定の幅に切断して製品に仕上げる場合、
いわゆる「耳」といわれている端材が、必ず両方の端か
ら生ずる。従来、これらの端材は、ふたたび再生紙とし
て抄紙し直し再利用をするか、またはそのまま捨ててい
た。 【0010】しかし、前記のロールティシュペーパーの
端材を再生紙として再度利用する場合、前記ロールティ
シュペーパーの端材を再使用するに際して、この端材を
パルパーにいれて離解し抄紙原料を得るが、前記離解工
程に入るまでにロールティシュペーパーに含まれる紙管
を除去しないで端材を離解・抄紙したときには再生紙の
グレードが著しく低下し、より下級な再生紙となるとい
う問題があり、現実には使用価値の少ないものであっ
た。一方、前記端材の紙管を除去してから離解し抄紙す
る場合には、いちいち紙管を除去する作業が煩瑣に耐え
ないという問題を含んでおり、これも再生紙製造工程の
作業効率上に問題があった。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】この発明は、ロールテ
ィシュペーパー自体が液体吸着性に優れており、しかも
この液体吸着性の高いティシュペーパーが紙管に何回も
巻回されているためにティシュペーパーの巻回された各
隙間に液体が保持されるという特性に基づき前記ロール
ティシュペーパーの端材が極めて液体吸着・保持性に優
れている点に着眼し、このロールティシュペーパーの端
材に廃油の吸着・保持に使用することにより、このロー
ルティシュペーパーの端材の有効利用するとともに、廃
油の一種の固定化を図り、この固定化された廃油を油透
過性のない素材たとえばプラスチックフィルム製または
ラミネートフィルム製の袋に収納して、廃油を可燃性の
ゴミとして処理することを可能とすることを目的とす
る。これにより、従来種々の環境汚染の原因となってい
た廃油の処理の前記すべての問題点を一挙に解決するも
のである。 【0012】 【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するための手段として、「プラスチックフィルム製
またはラミネートフィルム製の袋であって、上方に開口
部を有する袋内に、ロールティシュペーパーの製造時に
生ずるロールティシュペーパーの端材を1または複数収
納したことを特徴とする廃油処理袋.」を構成すること
とした。 【0013】この発明においていう袋の素材として利用
できる「プラスチックフィルム」とは、油を透過・浸透
しない素材として利用できるものの一例であって、たと
えばポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、
セロファン、ポリビニリデン、ポリビニルアルコール、
ポリスチレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエス
テル等の各種プラスチックからなる各種フィルムをい
い、要するに油を浸透しない素材であればよい。なお、
これらのプラスチックフィルムは、未延伸フィルムはも
とより、延伸処理を施した「延伸フィルム(一方向また
は縦横二方向に延伸して分子を配向させた各延伸フィル
ムを含む)」をも利用できるのは言うまでもない。 【0014】また、耐油性に劣るとされるポリエチレン
の場合であっても、ポリエチレンフィルムの厚みを加減
したり、この発明にかかる廃油処理袋に油を貯留する期
間が短期間(数日)であれば十分利用することができ
る。なお、廃油を該処理袋に注入した後は直ちに可燃性
ゴミとして捨てることができるので、この発明にかかる
廃油処理袋内に廃油を長期間貯留する必要性もない。 【0015】この発明においていう袋の素材として利用
できる「ラミネートフィルム」とは、2種類以上のフィ
ルムを貼り合わせることによって各フィルムの長所を生
かし欠点を補い合った公知のフィルムをいい、たとえば
「ポリエチレン/セロハン」、「ポリエチレン/紙」、
「ポリエチレン/アルミ箔」、「ポリエチレン/ポリプ
ロピレン」、「ポリエチレン/ポリエステル」、「ポリ
エステル/高密度ポリエチレン」、「ポリエチレン/二
軸延伸ナイロン」、「ポリエチレン/塩化ビニル樹
脂」、「ポリエチレン/ポリカーボネート」などの二層
ラミネートの他、「ポリプロピレン/セロハン/ポリエ
チレン」、「防湿セロハン/ポリビニルアルコール/ポ
リエチレン」、「ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレ
ン」、「ポリエステル/アルミ箔/高密度ポリエチレ
ン」などの多層ラミネート等が利用できる。 【0016】前記「ポリエチレン/紙」のラミネートフ
ィルムに利用される「紙」としては、クラフト紙、上質
紙、模造紙、グラシン紙、パーチメント紙、各種ボール
紙、板紙のほか再生紙も利用できるのは勿論である。 【0017】この発明にかかる廃油処理袋の袋として利
用できる素材としては、原則として特に限定されない。
しかし、廃油処理袋が使い捨てであることから、その経
済性に重点がおかれる場合、前記各種プラスチックフィ
ルムおよびラミネートフィルムのうち「ポリエチレン/
紙(再生紙)」のラミネートフィルムが製造コストの観
点よりいえば最も好ましい素材である。 【0018】この発明にかかる「プラスチックフィルム
製の袋」または「ラミネートフィルム製の袋」は、ヒー
トシールにより加工された袋または使用するプラスチッ
クフィルムまたはラミネートフィルムに適した接着材を
用いて加工された袋を用いることができる。接着材を用
いて袋を成形加工する場合、接着材は耐油性に優れたも
のを用いることが肝要である。 【0019】この発明にかかる廃油処理袋のひとつの構
成要素であるプラスチックフィルム製の袋またはラミネ
ートフィルム製の袋は、ロールティシュペーパーの端材
を1または複数収納するためには、マチ部分を有する袋
が廃油処理袋としての安定性の点において優れているの
でより好ましい。ただし、袋のマチ部分の有無は必ずし
もこの発明にかかる廃油袋の必須の構成要素ではない。 【0020】この発明にかかる廃油処理袋の他の構成要
素である前記プラスチックフィルム製の袋またはラミネ
ートフィルム製の袋内に収納される「ロールティシュペ
ーパーの端材」において、前記「ロールティシュペーパ
ー」とは、たとえばトイレットロールティシュペーパー
(またはトイレットペーパーともいう)およびキッチン
ロールティシュペーパー(またはキッチンペーパーとも
いう)のように紙管に巻回配備された長尺型の各種ペー
パーをいい、「ロールティシュペーパーの端材」とは、
前記各種ロールティシュペーパーの製造時において抄紙
し紙管に巻き取られた広い幅の各ロールティシュペーパ
ーを所定の幅に切断して販売商品に仕上げる際に両端に
生ずる端の細幅の材をいう。 【0021】そして、この発明にかかる処理袋内に収納
される「ロールティシュペーパーの端材」の紙管の有無
は必須の構成要素ではない。つまり、該処理袋内に収納
される「ロールティシュペーパーの廃材」は、その紙管
をそのままに存続させたものを利用することができる
し、また紙管を除去したものを利用することもできる。
「ロールティシュペーパーの端材」の紙管を存置させた
場合、廃油を該端材に吸着・保持させたとき、「ロール
ティシュペーパーの端材」は軸方向に崩れることはない
ので、廃油の保持能力は低下しないという効果を有す
る。これに対して、「ロールティシュペーパーの端材」
の紙管を除去した場合、吸着・保持させた廃油量に応じ
て前記ロールティシュペーパーの廃材の体積が軸方向に
崩れることがあり、前記「ロールティシュペーパーの端
材」の体積が廃油量に応じた体積に小さくできるという
利点がある。また、該処理袋内に収納される「ロールテ
ィシュペーパーの端材」の形状の変形(たとえば、径方
向におしつぶした形状またはそのままの円筒形状など)
および当該端材の袋内での収納方向などは、この発明に
かかる廃油処理袋の必須の構成要素ではない。 【0022】この発明にかかる廃油処理袋は、前記袋の
大きさおよびロールティシュペーパーの端材の収納個数
は、処理される廃油量により決まるものであり、原則と
して何等限定されない。因みに、トイレットペーパーの
端材3つで、約500mlの廃油を吸着・保持できる。 【0023】この発明にかかる廃油処理袋内に収納され
る前記「ロールティシュペーパー」の端材は、つぎのよ
うな特性を有する。すなわち、 (1)紙管に巻回配備されてあるティシュペーパー(た
とえば、トイレットペーパーおよびキッチンペーパーな
ど)自体が柔らかくて液体吸着性つまり廃油吸着性に優
れている点、 【0024】(2)紙管に巻回配備されてあるティシュ
ペーパー(たとえば、トイレットペーパーおよびキッチ
ンペーパーなど)に、通常エンボス加工またはクレープ
加工が施されており〔前記(1)のティシュペーパー自
体の柔軟性の特性の原因でもある〕、紙管に巻回配備さ
れるに際して紙管に対して「ゆるく」つまり間隙をもた
せて各種ティシュペーパーが巻付けられているので、紙
管に巻回配備された「ロールティシュペーパー」は、各
紙の間には間隙が存在し、これらの各紙の間隙に相当量
の油などの液体を保持し得る点、などのように、前記
「ロールティシュペーパー」は、廃油処理に必要な条件
つまり廃油吸着性・廃油保持性に優れているという特性
を有する。 【0025】この発明にかかる廃油処理袋の使用上の注
意としては、つぎの点が挙げられる。すなわち、この発
明にかかる廃油処理袋は、プラスチックフィルム製の袋
またはラミネートフィルム製の袋内にロールティシュペ
ーパーの端材を1または複数収納してなるものであり、
廃油を前記袋内に注入して当該袋内に収納してある前記
ロールティシュペーパーの端材に廃油を吸着・保持さ
せ、袋から廃油の流出を防ぎ、これを焼却ゴミとして処
理するものである。しかし、この発明にかかる廃油処理
袋は、前述のようにプラスチックフィルム製またはラミ
ネートフィルム製であるため、耐熱性の点において欠点
を有している点および廃油処理時における安全処理の観
点より、この発明にかかる廃油処理袋内に注入する廃油
は、40℃以下の温度であることが肝要である。 【0026】 【作用】この発明にかかる廃油処理袋は、請求項1に記
載とおり、「プラスチックフィルム製またはラミネート
フィルム製の袋であって、上方に開口部を有する袋内
に、ロールティシュペーパーの製造時に生ずる端材を1
または複数収納したことを特徴とする廃油処理袋」であ
る。この構成に基づき次のような作用を有する。 【0027】(1)この発明にかかる廃油処理袋は、そ
の袋内にロールティシュペーパーの端材を1または複数
収納し、これに廃油を注入して、前記ロールティシュペ
ーパーの端材に廃油を吸着・保持させるものであるが、
ロールティシュペーパー自体が油吸着性に優れているう
え、紙管に巻回配備されたロールティシュペーパーはテ
ィシュペーパー自体がエンボス加工またはクレープ加工
が施されており、しかも間隙を有して紙管にゆるく巻回
されているために、このロールティシュペーパーの前記
間隙に相当量の廃油を保持できるので、ロールティシュ
ペーパーの端材は極めて廃油の吸着・保持に優れてい
る。 【0028】(2)廃油を吸着・保持させるためのロー
ルティシュペーパーの端材は、ロールティシュペーパー
の製造時における廃材であって、従来は、利用価値の少
ないものまたは捨てていたものであったが、この発明に
かかる廃油処理袋の廃油の吸着・保持材として有効に利
用でき、廃材(資源)の有効利用に役立つ。 【0029】(3)この発明にかかる廃油処理袋は、そ
の袋部をプラスチックフィルム製またはラミネートフィ
ルム製であるので、袋内に収納した前記ロールティシュ
ペーパーの端材に廃油を吸着・保持させた場合、廃油は
袋の外に透過または浸透することなく、廃油を安全かつ
確実に袋内に保持できる。 【0030】(4)この発明にかかる廃油処理袋を構成
している袋部およびロールティシュペーパーの端材は、
すべて可燃物で構成されているから簡単に焼却すること
ができ、この発明にかかる廃油処理袋で処理された廃油
もまたこの廃油処理袋ごと焼却ゴミとしてそのまま処理
できる。 【0031】 【実施例】この発明にかかる廃油処理袋を具体的な実施
例に基づいてさらに詳細に説明するが、この実施例はこ
の発明の一実施例を示すものであって、この発明はこの
実施例により何等限定・制限を受けるものではない。 【0032】〔図1〕は、この発明にかかる廃油処理袋
の一実施例の一部切り欠き斜視図を示し、〔図2〕はこ
の実施例にかかる廃油処理袋に廃油を注入した後、廃油
処理袋の上方開口部を2つ折りにして粘着テープ等で係
止・固定した状態を示す斜視図である。 【0033】〔図1〕において、この発明にかかる廃油
処理袋(1)は、上方に開口部(23)を有する袋部
(2)内に径方向におしつぶしたロールティシュペーパ
ー(トイレットペーパーまたはキッチンペーパー)の端
材(3)を3個収納したものが図示されている。 【0034】前記廃油処理袋(1)の袋部(2)は、再
生紙にポリエチレンをラミネート加工した「再生紙/ポ
リエチレン」のラミネートフィルムにかかる素材を利用
したものである。そして、図示例において、袋部(2)
の内面(24)側を前記ラミネートフィルムのポリエチ
レン面(24)に、一方、袋部(2)の外面(25)側
を再生紙面(25)にしてマチ入りの袋を構成した袋部
(2)である。袋部(2)を形成するに際しては、前記
ラミネートフィルムの「ポリエチレン」面(24)を対
向重ね合わせてこれをヒートシールして袋部(2)を形
成したものである。図示例において、前記ヒートシール
により生じた接着部(22)は、前記袋部(2)の胴の
中程および前記袋部(2)の底部においてそれぞれ形成
され、かくしてこの発明にかかる廃油処理袋(1)の袋
部(2)が形成される。 【0035】この実施例にかかる廃油処理袋(1)の袋
部(2)は、前述のように廃油注入時における廃油処理
袋(1)の安定を図るために、マチ入りの袋部が形成さ
れたものが図示されており、前記マチ部分のほぼ中央部
には折り目(21)を設け、前記マチ部分はこの折り目
(21)で袋部(1)の内側に折り込むように形成され
ている。 【0036】この実施例にかかる廃油処理袋(1)は、
前記袋部にロールティシュペーパーの端材として、径方
向におしつぶされたトイレットティシュペーパーまたは
キッチンティシュペーパーの端材が3個収納されたもの
が図示されている。因みに、トイレットティシュペーパ
ーの端材(3)が3個収納された廃油処理袋(1)に
は、約500ml程度の廃油を吸着・保持できる。 【0037】前記約500mlの廃油を吸着・保持処理
できる廃油処理袋(1)の大きさの一例として、幅約1
3cm、奥行き(マチ幅)約6cm、高さ11cmのも
のが例示できる。 【0038】〔図2〕は、この実施例にかかる廃油処理
袋に廃油を注入した後、廃油処理袋の処理方を図示例に
より示した。図示例では、袋(2)の上方開口部を2つ
折りにして粘着テープ等で係止・固定した状態を示した
ものである。この発明にかかる廃油処理袋(1)内に廃
油を注入した後は、上方の開口部を複数回(たとえば2
〜4回)折り畳んで廃油が袋部(2)の開口部(23)
より容易に逆流・遺漏しないように処理した後、その折
り畳んだ袋部(2)の口が簡単に開口しないように粘着
テープ、紐、輪ゴムまたはホッチキスの針などの適当な
係止部材(4)または固定部材(4)により廃油処理袋
(1)の開口部を係止・固定することが肝要である。 【0039】なお、この発明にかかる廃油処理袋(1)
に廃油を注入する場合、注入廃油量は、この発明にかか
るロールティシュペーパーの端材(この実施例にあって
はトイレットペーパーの端材またはキッチンティシュペ
ーパーの端材)が廃油を吸着・保持できる必要かつ十分
の量であることが肝要である。つまり、廃油処理袋
(1)に注入処理できる廃油の量は、袋部(2)に収納
されたロールティシュペーパーの廃油吸着・保持量以内
であり、前記吸着・保持量を越えた余剰廃油が袋部
(2)から流出しないようにすることが肝要である。 【0040】この発明にかかる廃油処理袋(1)を使用
して前述のように処理された廃油は、可燃性のゴミとし
て、通常の家庭用ゴミ用の塩化ビニル製などの大きなゴ
ミ袋に他の可燃性ゴミと一緒にいれて家庭ゴミとして出
すことにより簡単に処理できる。 【0041】 【発明の効果】この発明にかかる廃油処理袋は、前記に
述べたような構成を有するから、 (1)家庭等に生ずる小規模な廃油は、40℃以下でこ
の発明にかかる廃油処理袋に注入し、廃油処理袋内に収
納されたロールティシュペーパーの端材に吸着・保持さ
せた後は、開口部を折り畳み係止・固定するだけでその
まま可燃性ゴミとして処理できる。 【0042】(2)この発明にかかる廃油処理袋は、プ
ラスチックフィルム製またはラミネートフィルム製の袋
を利用しているので、廃油を当該廃油処理袋内に注入し
ても、廃油が外に透過・浸透して環境を汚染することは
ない。 【0043】(3)この発明にかかる廃油処理袋は、ト
イレットペーパーまたはキッチンペーパーなどのロール
ティシュペーパーの製造時に生ずる端材が有する「廃油
の優れた吸着・保持の特性」を利用したものであり、安
価でしかも従来の処理方法に比較して環境汚染等の問題
を大幅に少なくすることができる。 【0044】(4)従来そのまま捨てていたロールティ
シュペーパーの端材をそのまま利用でき、廃物(資源)
の有効利用が図れるという優れた利点を有する。等々、
この発明の目的を達成する優れた効果を奏する。
ものであって、さらに詳細には、家庭から生じた天ぷら
油等の不要になった廃油または中小企業の作業現場等で
生じた小規模の廃油を可燃製ゴミとして処理できる「廃
油処理袋」に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、家庭において生じた天ぷら油等の
不要になった廃油は、そのまま台所の流しに捨てたり、
そのまま土の中に捨てたり、女性用ナプキンの中身等に
使用するいわゆるパット原紙に油を吸着させて捨てた
り、熱い廃油中に薬品を投じて廃油をゲル状に固めて通
常のゴミとして捨たりされていた。さらにまた、家庭か
ら生じた廃油は、所定の業者が集めて、石鹸に加工し再
利用されていた。 【0003】また、中小企業の作業現場等で生じた小規
模の廃油、たとえば、モーターオイルなどは、そのまま
土の中に捨てたり、少しずつ生じた廃油等を一つのドラ
ム缶等の大きな容器中に溜めておいて、一定量になった
際に産業廃棄物等として所定の業者に依頼して処理され
ていた。 【0004】これらの方法によると、廃油を吸着させる
素材特性上の問題を含んでいたり、廃油処理作業上の問
題を含んでいたり、さらにまた直接的な環境汚染の原因
になったり、二次的環境汚染の原因になるという、いず
れにしても環境汚染の原因になるという問題を含んでい
る。すなわち、 【0005】廃油を台所の流しに捨てると、排水系のパ
イプを詰まらせる原因となるうえ、排水の水質を汚濁す
ることとなり、直接的な環境汚染の原因となるという問
題がある。廃油を土の中に捨てると、野菜くずなどと異
なり、廃油の分解は野菜くず等と比較してはるかに分解
に時間を要し、これも直接的な環境汚染の原因となると
いう問題がある。 【0006】また、廃油を女性用ナプキンの中身等に使
用するいわゆるパット原紙に油を吸着させる方法は、前
記パット原紙の特性に基づき廃油吸着に時間を要し、作
業効率に劣り、現実的な廃油処理方法として未解決な問
題がある。 【0007】さらにまた、廃油をゲル状に固めてゴミと
して捨てる方法は、廃油の固化時の作業として、廃油に
薬剤を投入してこれを混ぜながら固化させるが、この固
化作業に要する時間および手間がかかるうえに、時には
廃油量と投入薬剤量との比率等により廃油が固化しない
場合があるという問題がある。しかも、前記廃油をゲル
状に固化する方法は、固化に使用する薬品自体が二次的
な環境汚染の原因になるという問題がある等々である。 【0008】廃油の石鹸などへの加工・再利用は、廃油
を一定量貯留してからでないと実施できないことと、石
鹸製造の際に生ずる薬品副産物〔たとえば水酸化ナトリ
ウムと廃油(各種脂肪酸など)との反応副産物〕の処理
による二次的な環境汚染の原因になるという問題がある
等々である。 【0009】一方、たとえばトイレットペーパーおよび
キッチンペーパー等のロールティシュペーパーの製造時
において、最終製品とするために広い幅のロールティシ
ュペーパーを所定の幅に切断して製品に仕上げる場合、
いわゆる「耳」といわれている端材が、必ず両方の端か
ら生ずる。従来、これらの端材は、ふたたび再生紙とし
て抄紙し直し再利用をするか、またはそのまま捨ててい
た。 【0010】しかし、前記のロールティシュペーパーの
端材を再生紙として再度利用する場合、前記ロールティ
シュペーパーの端材を再使用するに際して、この端材を
パルパーにいれて離解し抄紙原料を得るが、前記離解工
程に入るまでにロールティシュペーパーに含まれる紙管
を除去しないで端材を離解・抄紙したときには再生紙の
グレードが著しく低下し、より下級な再生紙となるとい
う問題があり、現実には使用価値の少ないものであっ
た。一方、前記端材の紙管を除去してから離解し抄紙す
る場合には、いちいち紙管を除去する作業が煩瑣に耐え
ないという問題を含んでおり、これも再生紙製造工程の
作業効率上に問題があった。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】この発明は、ロールテ
ィシュペーパー自体が液体吸着性に優れており、しかも
この液体吸着性の高いティシュペーパーが紙管に何回も
巻回されているためにティシュペーパーの巻回された各
隙間に液体が保持されるという特性に基づき前記ロール
ティシュペーパーの端材が極めて液体吸着・保持性に優
れている点に着眼し、このロールティシュペーパーの端
材に廃油の吸着・保持に使用することにより、このロー
ルティシュペーパーの端材の有効利用するとともに、廃
油の一種の固定化を図り、この固定化された廃油を油透
過性のない素材たとえばプラスチックフィルム製または
ラミネートフィルム製の袋に収納して、廃油を可燃性の
ゴミとして処理することを可能とすることを目的とす
る。これにより、従来種々の環境汚染の原因となってい
た廃油の処理の前記すべての問題点を一挙に解決するも
のである。 【0012】 【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するための手段として、「プラスチックフィルム製
またはラミネートフィルム製の袋であって、上方に開口
部を有する袋内に、ロールティシュペーパーの製造時に
生ずるロールティシュペーパーの端材を1または複数収
納したことを特徴とする廃油処理袋.」を構成すること
とした。 【0013】この発明においていう袋の素材として利用
できる「プラスチックフィルム」とは、油を透過・浸透
しない素材として利用できるものの一例であって、たと
えばポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、
セロファン、ポリビニリデン、ポリビニルアルコール、
ポリスチレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエス
テル等の各種プラスチックからなる各種フィルムをい
い、要するに油を浸透しない素材であればよい。なお、
これらのプラスチックフィルムは、未延伸フィルムはも
とより、延伸処理を施した「延伸フィルム(一方向また
は縦横二方向に延伸して分子を配向させた各延伸フィル
ムを含む)」をも利用できるのは言うまでもない。 【0014】また、耐油性に劣るとされるポリエチレン
の場合であっても、ポリエチレンフィルムの厚みを加減
したり、この発明にかかる廃油処理袋に油を貯留する期
間が短期間(数日)であれば十分利用することができ
る。なお、廃油を該処理袋に注入した後は直ちに可燃性
ゴミとして捨てることができるので、この発明にかかる
廃油処理袋内に廃油を長期間貯留する必要性もない。 【0015】この発明においていう袋の素材として利用
できる「ラミネートフィルム」とは、2種類以上のフィ
ルムを貼り合わせることによって各フィルムの長所を生
かし欠点を補い合った公知のフィルムをいい、たとえば
「ポリエチレン/セロハン」、「ポリエチレン/紙」、
「ポリエチレン/アルミ箔」、「ポリエチレン/ポリプ
ロピレン」、「ポリエチレン/ポリエステル」、「ポリ
エステル/高密度ポリエチレン」、「ポリエチレン/二
軸延伸ナイロン」、「ポリエチレン/塩化ビニル樹
脂」、「ポリエチレン/ポリカーボネート」などの二層
ラミネートの他、「ポリプロピレン/セロハン/ポリエ
チレン」、「防湿セロハン/ポリビニルアルコール/ポ
リエチレン」、「ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレ
ン」、「ポリエステル/アルミ箔/高密度ポリエチレ
ン」などの多層ラミネート等が利用できる。 【0016】前記「ポリエチレン/紙」のラミネートフ
ィルムに利用される「紙」としては、クラフト紙、上質
紙、模造紙、グラシン紙、パーチメント紙、各種ボール
紙、板紙のほか再生紙も利用できるのは勿論である。 【0017】この発明にかかる廃油処理袋の袋として利
用できる素材としては、原則として特に限定されない。
しかし、廃油処理袋が使い捨てであることから、その経
済性に重点がおかれる場合、前記各種プラスチックフィ
ルムおよびラミネートフィルムのうち「ポリエチレン/
紙(再生紙)」のラミネートフィルムが製造コストの観
点よりいえば最も好ましい素材である。 【0018】この発明にかかる「プラスチックフィルム
製の袋」または「ラミネートフィルム製の袋」は、ヒー
トシールにより加工された袋または使用するプラスチッ
クフィルムまたはラミネートフィルムに適した接着材を
用いて加工された袋を用いることができる。接着材を用
いて袋を成形加工する場合、接着材は耐油性に優れたも
のを用いることが肝要である。 【0019】この発明にかかる廃油処理袋のひとつの構
成要素であるプラスチックフィルム製の袋またはラミネ
ートフィルム製の袋は、ロールティシュペーパーの端材
を1または複数収納するためには、マチ部分を有する袋
が廃油処理袋としての安定性の点において優れているの
でより好ましい。ただし、袋のマチ部分の有無は必ずし
もこの発明にかかる廃油袋の必須の構成要素ではない。 【0020】この発明にかかる廃油処理袋の他の構成要
素である前記プラスチックフィルム製の袋またはラミネ
ートフィルム製の袋内に収納される「ロールティシュペ
ーパーの端材」において、前記「ロールティシュペーパ
ー」とは、たとえばトイレットロールティシュペーパー
(またはトイレットペーパーともいう)およびキッチン
ロールティシュペーパー(またはキッチンペーパーとも
いう)のように紙管に巻回配備された長尺型の各種ペー
パーをいい、「ロールティシュペーパーの端材」とは、
前記各種ロールティシュペーパーの製造時において抄紙
し紙管に巻き取られた広い幅の各ロールティシュペーパ
ーを所定の幅に切断して販売商品に仕上げる際に両端に
生ずる端の細幅の材をいう。 【0021】そして、この発明にかかる処理袋内に収納
される「ロールティシュペーパーの端材」の紙管の有無
は必須の構成要素ではない。つまり、該処理袋内に収納
される「ロールティシュペーパーの廃材」は、その紙管
をそのままに存続させたものを利用することができる
し、また紙管を除去したものを利用することもできる。
「ロールティシュペーパーの端材」の紙管を存置させた
場合、廃油を該端材に吸着・保持させたとき、「ロール
ティシュペーパーの端材」は軸方向に崩れることはない
ので、廃油の保持能力は低下しないという効果を有す
る。これに対して、「ロールティシュペーパーの端材」
の紙管を除去した場合、吸着・保持させた廃油量に応じ
て前記ロールティシュペーパーの廃材の体積が軸方向に
崩れることがあり、前記「ロールティシュペーパーの端
材」の体積が廃油量に応じた体積に小さくできるという
利点がある。また、該処理袋内に収納される「ロールテ
ィシュペーパーの端材」の形状の変形(たとえば、径方
向におしつぶした形状またはそのままの円筒形状など)
および当該端材の袋内での収納方向などは、この発明に
かかる廃油処理袋の必須の構成要素ではない。 【0022】この発明にかかる廃油処理袋は、前記袋の
大きさおよびロールティシュペーパーの端材の収納個数
は、処理される廃油量により決まるものであり、原則と
して何等限定されない。因みに、トイレットペーパーの
端材3つで、約500mlの廃油を吸着・保持できる。 【0023】この発明にかかる廃油処理袋内に収納され
る前記「ロールティシュペーパー」の端材は、つぎのよ
うな特性を有する。すなわち、 (1)紙管に巻回配備されてあるティシュペーパー(た
とえば、トイレットペーパーおよびキッチンペーパーな
ど)自体が柔らかくて液体吸着性つまり廃油吸着性に優
れている点、 【0024】(2)紙管に巻回配備されてあるティシュ
ペーパー(たとえば、トイレットペーパーおよびキッチ
ンペーパーなど)に、通常エンボス加工またはクレープ
加工が施されており〔前記(1)のティシュペーパー自
体の柔軟性の特性の原因でもある〕、紙管に巻回配備さ
れるに際して紙管に対して「ゆるく」つまり間隙をもた
せて各種ティシュペーパーが巻付けられているので、紙
管に巻回配備された「ロールティシュペーパー」は、各
紙の間には間隙が存在し、これらの各紙の間隙に相当量
の油などの液体を保持し得る点、などのように、前記
「ロールティシュペーパー」は、廃油処理に必要な条件
つまり廃油吸着性・廃油保持性に優れているという特性
を有する。 【0025】この発明にかかる廃油処理袋の使用上の注
意としては、つぎの点が挙げられる。すなわち、この発
明にかかる廃油処理袋は、プラスチックフィルム製の袋
またはラミネートフィルム製の袋内にロールティシュペ
ーパーの端材を1または複数収納してなるものであり、
廃油を前記袋内に注入して当該袋内に収納してある前記
ロールティシュペーパーの端材に廃油を吸着・保持さ
せ、袋から廃油の流出を防ぎ、これを焼却ゴミとして処
理するものである。しかし、この発明にかかる廃油処理
袋は、前述のようにプラスチックフィルム製またはラミ
ネートフィルム製であるため、耐熱性の点において欠点
を有している点および廃油処理時における安全処理の観
点より、この発明にかかる廃油処理袋内に注入する廃油
は、40℃以下の温度であることが肝要である。 【0026】 【作用】この発明にかかる廃油処理袋は、請求項1に記
載とおり、「プラスチックフィルム製またはラミネート
フィルム製の袋であって、上方に開口部を有する袋内
に、ロールティシュペーパーの製造時に生ずる端材を1
または複数収納したことを特徴とする廃油処理袋」であ
る。この構成に基づき次のような作用を有する。 【0027】(1)この発明にかかる廃油処理袋は、そ
の袋内にロールティシュペーパーの端材を1または複数
収納し、これに廃油を注入して、前記ロールティシュペ
ーパーの端材に廃油を吸着・保持させるものであるが、
ロールティシュペーパー自体が油吸着性に優れているう
え、紙管に巻回配備されたロールティシュペーパーはテ
ィシュペーパー自体がエンボス加工またはクレープ加工
が施されており、しかも間隙を有して紙管にゆるく巻回
されているために、このロールティシュペーパーの前記
間隙に相当量の廃油を保持できるので、ロールティシュ
ペーパーの端材は極めて廃油の吸着・保持に優れてい
る。 【0028】(2)廃油を吸着・保持させるためのロー
ルティシュペーパーの端材は、ロールティシュペーパー
の製造時における廃材であって、従来は、利用価値の少
ないものまたは捨てていたものであったが、この発明に
かかる廃油処理袋の廃油の吸着・保持材として有効に利
用でき、廃材(資源)の有効利用に役立つ。 【0029】(3)この発明にかかる廃油処理袋は、そ
の袋部をプラスチックフィルム製またはラミネートフィ
ルム製であるので、袋内に収納した前記ロールティシュ
ペーパーの端材に廃油を吸着・保持させた場合、廃油は
袋の外に透過または浸透することなく、廃油を安全かつ
確実に袋内に保持できる。 【0030】(4)この発明にかかる廃油処理袋を構成
している袋部およびロールティシュペーパーの端材は、
すべて可燃物で構成されているから簡単に焼却すること
ができ、この発明にかかる廃油処理袋で処理された廃油
もまたこの廃油処理袋ごと焼却ゴミとしてそのまま処理
できる。 【0031】 【実施例】この発明にかかる廃油処理袋を具体的な実施
例に基づいてさらに詳細に説明するが、この実施例はこ
の発明の一実施例を示すものであって、この発明はこの
実施例により何等限定・制限を受けるものではない。 【0032】〔図1〕は、この発明にかかる廃油処理袋
の一実施例の一部切り欠き斜視図を示し、〔図2〕はこ
の実施例にかかる廃油処理袋に廃油を注入した後、廃油
処理袋の上方開口部を2つ折りにして粘着テープ等で係
止・固定した状態を示す斜視図である。 【0033】〔図1〕において、この発明にかかる廃油
処理袋(1)は、上方に開口部(23)を有する袋部
(2)内に径方向におしつぶしたロールティシュペーパ
ー(トイレットペーパーまたはキッチンペーパー)の端
材(3)を3個収納したものが図示されている。 【0034】前記廃油処理袋(1)の袋部(2)は、再
生紙にポリエチレンをラミネート加工した「再生紙/ポ
リエチレン」のラミネートフィルムにかかる素材を利用
したものである。そして、図示例において、袋部(2)
の内面(24)側を前記ラミネートフィルムのポリエチ
レン面(24)に、一方、袋部(2)の外面(25)側
を再生紙面(25)にしてマチ入りの袋を構成した袋部
(2)である。袋部(2)を形成するに際しては、前記
ラミネートフィルムの「ポリエチレン」面(24)を対
向重ね合わせてこれをヒートシールして袋部(2)を形
成したものである。図示例において、前記ヒートシール
により生じた接着部(22)は、前記袋部(2)の胴の
中程および前記袋部(2)の底部においてそれぞれ形成
され、かくしてこの発明にかかる廃油処理袋(1)の袋
部(2)が形成される。 【0035】この実施例にかかる廃油処理袋(1)の袋
部(2)は、前述のように廃油注入時における廃油処理
袋(1)の安定を図るために、マチ入りの袋部が形成さ
れたものが図示されており、前記マチ部分のほぼ中央部
には折り目(21)を設け、前記マチ部分はこの折り目
(21)で袋部(1)の内側に折り込むように形成され
ている。 【0036】この実施例にかかる廃油処理袋(1)は、
前記袋部にロールティシュペーパーの端材として、径方
向におしつぶされたトイレットティシュペーパーまたは
キッチンティシュペーパーの端材が3個収納されたもの
が図示されている。因みに、トイレットティシュペーパ
ーの端材(3)が3個収納された廃油処理袋(1)に
は、約500ml程度の廃油を吸着・保持できる。 【0037】前記約500mlの廃油を吸着・保持処理
できる廃油処理袋(1)の大きさの一例として、幅約1
3cm、奥行き(マチ幅)約6cm、高さ11cmのも
のが例示できる。 【0038】〔図2〕は、この実施例にかかる廃油処理
袋に廃油を注入した後、廃油処理袋の処理方を図示例に
より示した。図示例では、袋(2)の上方開口部を2つ
折りにして粘着テープ等で係止・固定した状態を示した
ものである。この発明にかかる廃油処理袋(1)内に廃
油を注入した後は、上方の開口部を複数回(たとえば2
〜4回)折り畳んで廃油が袋部(2)の開口部(23)
より容易に逆流・遺漏しないように処理した後、その折
り畳んだ袋部(2)の口が簡単に開口しないように粘着
テープ、紐、輪ゴムまたはホッチキスの針などの適当な
係止部材(4)または固定部材(4)により廃油処理袋
(1)の開口部を係止・固定することが肝要である。 【0039】なお、この発明にかかる廃油処理袋(1)
に廃油を注入する場合、注入廃油量は、この発明にかか
るロールティシュペーパーの端材(この実施例にあって
はトイレットペーパーの端材またはキッチンティシュペ
ーパーの端材)が廃油を吸着・保持できる必要かつ十分
の量であることが肝要である。つまり、廃油処理袋
(1)に注入処理できる廃油の量は、袋部(2)に収納
されたロールティシュペーパーの廃油吸着・保持量以内
であり、前記吸着・保持量を越えた余剰廃油が袋部
(2)から流出しないようにすることが肝要である。 【0040】この発明にかかる廃油処理袋(1)を使用
して前述のように処理された廃油は、可燃性のゴミとし
て、通常の家庭用ゴミ用の塩化ビニル製などの大きなゴ
ミ袋に他の可燃性ゴミと一緒にいれて家庭ゴミとして出
すことにより簡単に処理できる。 【0041】 【発明の効果】この発明にかかる廃油処理袋は、前記に
述べたような構成を有するから、 (1)家庭等に生ずる小規模な廃油は、40℃以下でこ
の発明にかかる廃油処理袋に注入し、廃油処理袋内に収
納されたロールティシュペーパーの端材に吸着・保持さ
せた後は、開口部を折り畳み係止・固定するだけでその
まま可燃性ゴミとして処理できる。 【0042】(2)この発明にかかる廃油処理袋は、プ
ラスチックフィルム製またはラミネートフィルム製の袋
を利用しているので、廃油を当該廃油処理袋内に注入し
ても、廃油が外に透過・浸透して環境を汚染することは
ない。 【0043】(3)この発明にかかる廃油処理袋は、ト
イレットペーパーまたはキッチンペーパーなどのロール
ティシュペーパーの製造時に生ずる端材が有する「廃油
の優れた吸着・保持の特性」を利用したものであり、安
価でしかも従来の処理方法に比較して環境汚染等の問題
を大幅に少なくすることができる。 【0044】(4)従来そのまま捨てていたロールティ
シュペーパーの端材をそのまま利用でき、廃物(資源)
の有効利用が図れるという優れた利点を有する。等々、
この発明の目的を達成する優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる廃油処理袋の一実施例の一部
切り欠き斜視図。 【図2】この実施例にかかる廃油処理袋に廃油を注入し
た後、廃油処理袋の上方開口部を2つ折りにして粘着テ
ープ等で係止・固定した状態を示す斜視図。 【符号の説明】 1 : この発明にかかる廃油処理袋 2 : この発明にかかる廃油処理袋の袋部 21: 袋部のマチ部折り目 22: 袋部の接着部 23: 袋部の開口部 24: 袋部の内面(ポリエチレンフィルム面) 25: 袋部の外面(再生紙面) 3 : ロールティシュペーパーの端材 4 : 係止部材または固定部材
切り欠き斜視図。 【図2】この実施例にかかる廃油処理袋に廃油を注入し
た後、廃油処理袋の上方開口部を2つ折りにして粘着テ
ープ等で係止・固定した状態を示す斜視図。 【符号の説明】 1 : この発明にかかる廃油処理袋 2 : この発明にかかる廃油処理袋の袋部 21: 袋部のマチ部折り目 22: 袋部の接着部 23: 袋部の開口部 24: 袋部の内面(ポリエチレンフィルム面) 25: 袋部の外面(再生紙面) 3 : ロールティシュペーパーの端材 4 : 係止部材または固定部材
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 プラスチックフィルム製またはラミネー
トフィルム製の袋であって、上方に開口部を有する袋内
に、ロールティシュペーパーの端材を1または複数収納
したことを特徴とする廃油処理袋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09787895A JP3412034B2 (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 廃油処理袋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09787895A JP3412034B2 (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 廃油処理袋 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08268502A JPH08268502A (ja) | 1996-10-15 |
JP3412034B2 true JP3412034B2 (ja) | 2003-06-03 |
Family
ID=14204014
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09787895A Expired - Fee Related JP3412034B2 (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 廃油処理袋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3412034B2 (ja) |
-
1995
- 1995-03-29 JP JP09787895A patent/JP3412034B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08268502A (ja) | 1996-10-15 |
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