JP3408712B2 - フロントエンド回路 - Google Patents

フロントエンド回路

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JP3408712B2
JP3408712B2 JP09625997A JP9625997A JP3408712B2 JP 3408712 B2 JP3408712 B2 JP 3408712B2 JP 09625997 A JP09625997 A JP 09625997A JP 9625997 A JP9625997 A JP 9625997A JP 3408712 B2 JP3408712 B2 JP 3408712B2
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将明 西嶋
修 石川
順治 伊藤
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  • Waveguide Switches, Polarizers, And Phase Shifters (AREA)
  • Transceivers (AREA)
  • Transmitters (AREA)
  • Input Circuits Of Receivers And Coupling Of Receivers And Audio Equipment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフロントエンド回路
に関しており、特に移動体通信に用いられる携帯端末機
器のフロントエンド回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話や携帯情報端末のような
さまざまな移動体通信機器が開発され、世界各国で実用
に供されている。例えば日本では携帯電話として900
MHz帯および1.5GHz帯のセルラ電話や1.9G
Hz帯のパーソナルハンディホンシステム(PHS)
が、外国ではヨーロッパのGSMおよびDECTや、ア
メリカのPCSが有名である。
【0003】移動体通信に用いられる機器の中でも、特
に携帯端末については、小型化および軽量化が必須の流
れである。したがって携帯端末に用いられる部品につい
ても、小型化、高性能化、さらには部品点数の削減が重
要となる。
【0004】最近の流れの一つとして、携帯端末の単一
正電源動作化を図ることが強く望まれている。従来技術
においては、送信用電力増幅器(「電力増幅器」と略
す)に用いられる電界効果トランジスタ(FET)のゲ
ートには、バイアス電圧として負の電圧が印加される必
要があった。しかしこの負電圧を発生するための回路、
例えばDC/DCコンバータは、部品点数、基板上での
占有面積および消費電流の増加を伴う。このため、正電
圧および負電圧の両方を必要とする携帯端末は、小型化
および高性能化の点で不利である。以上の背景によっ
て、例えば2〜3段の単一正電源動作が可能な電力増幅
器を含むフロントエンド回路の開発が盛んである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、単一正電源
動作が可能な電力増幅器において、ディプリーション型
MESFETが用いられる場合、高周波信号が入力され
ないとき、つまりゲート電圧がゼロであるときに流れる
ドレイン電流Idss(>ゼロアンペア)が消費電力を
増す。このため携帯端末のように電源が電池によって供
給される場合には電池寿命が短くなるという問題があ
る。
【0006】この問題を回避するためにドレイン電流I
dssを遮断するための制御回路を付加すると、こんど
は部品点数が増す。このため、小型化および低コスト化
が実現できない。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的とするところは、少ない部品点
数で、低消費電力化を可能とするフロントエンド回路を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるフロントエ
ンド回路は、入力ノードおよび出力ノードを有する増幅
器と、該増幅器に電源を供給する、電源入力ノードおよ
び電源出力ノードを有するバイアス回路と、該増幅器を
該増幅器に接続された回路に整合させる、入力ノードお
よび出力ノードを有する整合回路と、第1ノード、第2
ノードおよび第3ノードを有するスイッチ部と、を備え
ているフロントエンド回路であって、該バイアス回路
は、該第1ノードと、該増幅器の該入力ノードおよび該
出力ノードのうちの一方との間でDC成分を実質的に通
し、該整合回路は、該第1ノードと、該増幅器の該入力
ノードおよび該出力ノードのうちの該一方との間でRF
成分を実質的に通し、該スイッチ部は、第1状態におい
て、該第1ノードと該第2ノードとの間でDC成分を実
質的に通し、該第1ノードと該第3ノードとの間でRF
成分を実質的に通し、第2状態において、該第1ノード
と該第2ノードとの間でDC成分を実質的に通さず、該
第1ノードと該第3ノードとの間でRF成分を実質的に
通さず、そのことにより上記目的が達成される。
【0009】ある実施形態では、前記スイッチ部は、前
記第1状態において前記第1ノードと前記第2ノードと
の間でDC成分およびRF成分を実質的に通し、前記第
2状態において該第1ノードと該第2ノードとの間でD
C成分およびRF成分を実質的に通さない第1スイッチ
と、該第2ノードと該第3ノードとの間でDC成分を実
質的に通さず、RF成分を実質的に通す第1キャパシタ
と、を有する。
【0010】ある実施形態では、前記バイアス回路は、
前記第1ノードと、前記増幅器の前記入力ノードおよび
前記出力ノードのうちの前記一方との間でDC成分を実
質的に通し、RF成分を実質的に通さず、前記整合回路
は、該第1ノードと、該増幅器の該入力ノードおよび該
出力ノードのうちの該一方との間でDC成分を実質的に
通さず、RF成分を実質的に通す。
【0011】ある実施形態では、前記スイッチ部は、前
記第1状態において、前記第1ノードとグラウンドとの
間でRF成分を実質的に通さず、前記第2状態におい
て、該第1ノードと該グラウンドとの間でRF成分を実
質的に通す。
【0012】ある実施形態では、前記スイッチ部は、直
列に接続された第2スイッチおよび第2キャパシタを有
する短絡部をさらに有しており、該短絡部の一端は、前
記第1ノードに電気的に接続されており、該短絡部の他
端は、前記グラウンドに電気的に接続されている。
【0013】ある実施形態では、前記第1スイッチは第
1トランジスタを含み、かつ前記第2スイッチは第2ト
ランジスタを含み、該第1トランジスタおよび該第2ト
ランジスタは、前記第2ノードから受け取られた電源電
圧を受け取る。
【0014】ある実施形態では、前記第1トランジスタ
および前記第2トランジスタは、電界効果トランジスタ
であり、該第1トランジスタのドレインは前記第1ノー
ドに電気的に接続され、該第1トランジスタのソースは
前記第2ノードに電気的に接続され、該第2トランジス
タのドレインは前記第1ノードに前記第2キャパシタを
介して電気的に接続され、該第2トランジスタのソース
は前記グラウンドに第3キャパシタを介して電気的に接
続され、該第2トランジスタの該ソースは、該第2ノー
ドに電気的に接続されている。
【0015】ある実施形態では、前記整合回路は、前記
増幅器からRF信号を受け取り、前記スイッチ部に出力
する。
【0016】ある実施形態では、前記整合回路は、前記
スイッチ部からRF信号を受け取り、前記増幅器に出力
する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のフロントエンド回路の実
施の形態を図面を参照しながら説明する。図面におい
て、同じ参照符号は同じ構成要素を示す。なお本明細書
の参照符号において、末尾の「T」は後述する送信部を
表し、末尾の「R」は後述する受信部を表す。
【0018】まず本発明の原理を「発明の概要」の項
で、続いて本発明の実施の形態を「実施の形態1」およ
び「実施の形態2」の項でそれぞれ説明する。
【0019】本発明のフロントエンド回路は、特に移動
体通信に用いられる携帯端末の送信部および受信部のア
ンテナに近い部分において有効に利用できる。しかしフ
ロントエンド回路が用いられる送受信機の使用周波数帯
や用途などはこれには限られず、本発明のフロントエン
ド回路は、広く送信機、受信機および送受信機において
利用することができる。
【0020】(発明の概要)まず本発明の原理を説明す
る。図1は、本発明によるフロントエンド回路FECの
ブロック図であり、フロントエンド回路FECが送信の
ために用いられるときの信号パスを示す。図1におい
て、実線は、送信時において電源から供給される直流電
力(以下、単に「DC成分」とよぶ)が通るパスを示
し、破線は、送信時においてフロントエンド回路が扱う
高周波信号(以下、単に「RF成分」とよぶ)が通るパ
スを示す。
【0021】図2は、本発明によるフロントエンド回路
FECのブロック図であり、フロントエンド回路FEC
が受信のために用いられるときの信号パスを示す。図2
において、実線は、受信時においてDC成分が通るパス
を示し、破線は、受信時においてRF成分が通るパスを
示す。
【0022】本明細書において、「DC成分」は、本発
明のフロントエンド回路の電力増幅器PAまたは低雑音
増幅器LNAに、それぞれ電源端子N2TおよびN2R
から供給される直流電力を表し、典型的には、約0Hz
(この場合は直流になる)〜約60Hzの周波数をも
つ。本明細書において、「RF成分」は、本発明のフロ
ントエンド回路の電力増幅器PAまたは低雑音増幅器L
NAが受け取り、増幅する高周波電力を表し、典型的に
は、本発明のフロントエンド回路が用いられる携帯端末
の使用周波数を含む約100MHz〜約60GHzの周
波数をもつ。
【0023】フロントエンド回路FECは、大きく分け
て送信部TX、アンテナANTおよび受信部RXを備え
ている。本発明によるフロントエンド回路は、少なくと
も送信部TXおよび受信部RXのうちの1つを含んでい
る。したがって、例えばアンテナANTおよび受信部R
Xを備えず、送信部TXだけを備える回路をも本明細書
においては、「フロントエンド回路」と総称する。これ
と同様に受信部RXだけでも「フロントエンド回路」と
よぶことにする。
【0024】送信時には、送信部TXは、電力増幅器P
Aから出力される増幅されたRF成分をアンテナANT
に供給する。逆に受信時には、受信部RXは、アンテナ
ANTから入力されるRF成分を低雑音増幅器LNAに
供給する。
【0025】図1の左半分を参照しながら送信時におけ
る送信部TXの動作を説明する。電力増幅器PAは、ノ
ードN2Tにおいて受け取られた電源電圧を、スイッチ
部SWTおよびバイアス回路BTを通して受け取る。電
力増幅器PAは、前段から受け取ったRF成分を増幅
し、整合回路MTおよびスイッチ部SWTを通してアン
テナANTに出力する。
【0026】スイッチ部SWTは、送信時において、ノ
ードN1TとノードN2Tとの間でDC成分を実質的に
通し、ノードN1TとノードN3Tとの間でRF成分を
実質的に通す。これにより、スイッチ部SWTは、送信
時において、電源からノードN2Tにおいて受け取られ
たDC成分(例えば直流3.5V)をノードN1Tおよ
びバイアス回路BTを通して電力増幅器PAに供給でき
る。またスイッチ部SWTは、送信時において、電力増
幅器PAから受け取られたRF成分(例えば1.9GH
z帯のπ/4シフトQPSK変調された高周波信号)を
整合回路MT、ノードN1TおよびノードN3Tを通し
てアンテナANTに供給できる。
【0027】好ましくは、スイッチ部SWTは、送信時
において、ノードN2TとノードN3Tとの間でDC成
分を実質的に通さない。スイッチ部SWTがノードN2
TとノードN3Tとの間でDC成分を遮断すれば、アン
テナANTに直流電圧が印加されることを防ぐことがで
きる。
【0028】バイアス回路BTは、DC成分を実質的に
通し、RF成分を実質的に通さない。逆に整合回路MT
は、DC成分を実質的に通さず、RF成分を実質的に通
す。なおバイアス回路BTおよび整合回路MTの機能
は、送受信の状態に依存せず、一定である。
【0029】図2の右半分を参照しながら受信時におけ
る受信部RXの動作を説明する。この動作は、上述の送
信時の送信部TXの動作と類似している。低雑音増幅器
LNAは、ノードN2Rにおいて受け取られた電源電圧
を、スイッチ部SWRおよびバイアス回路BRを通して
受け取る。低雑音増幅器LNAは、アンテナANTから
スイッチ部SWRおよび整合回路MRを通して受け取っ
たRF成分を増幅し、次段に出力する。
【0030】スイッチ部SWRは、受信時において、ノ
ードN1RとノードN2Rとの間でDC成分を実質的に
通し、ノードN1RとノードN3Rとの間でRF成分を
実質的に通す。これにより、スイッチ部SWRは、受信
時において、電源からノードN2Rにおいて受け取られ
たDC成分(例えば直流3.5V)をノードN1Rおよ
びバイアス回路BRを通して低雑音増幅器LNAに供給
できる。またスイッチ部SWRは、受信時において、ア
ンテナANTから受け取られたRF成分(例えば1.9
GHz帯のπ/4シフトQPSK変調された高周波信
号)をノードN3R、ノードN1Rおよび整合回路MR
を通して低雑音増幅器LNAに供給できる。
【0031】好ましくは、スイッチ部SWRは、送信時
において、ノードN2RとノードN3Rとの間でDC成
分を実質的に通さない。スイッチ部SWRがノードN2
RとノードN3Rとの間でDC成分を遮断すれば、アン
テナANTに直流電圧が印加されることを防ぐことがで
きる。
【0032】バイアス回路BRは、DC成分を実質的に
通し、RF成分を実質的に通さない。逆に整合回路MR
は、DC成分を実質的に通さず、RF成分を実質的に通
す。なおバイアス回路BRおよび整合回路MRの機能
は、送受信の状態に依存せず、一定である。
【0033】図1の右半分を参照しながら送信時におけ
る受信部RXの動作を説明する。スイッチ部SWRは、
送信時において、ノードN1RとノードN2Rとの間で
DC成分を実質的に通さず、ノードN1RとノードN3
Rとの間でRF成分を実質的に通さない。これにより、
送信時において、アンテナANTから受信部RXを電気
的にアイソレートできる。その結果、送信時においてア
ンテナANTに供給される高い電力レベルのRF成分が
受信部RXに電気的なストレスを与えたり、RF成分が
受信部RXにリークして損失が増えたりすることを防止
できる。また送信時において、電源が供給されるノード
N2Rから低雑音増幅器LNAを電気的にアイソレート
できる。その結果、送信時において受信部RXが電源か
らの電力を消費することを防止でき、これは低消費電力
化に寄与する。具体的には、低雑音増幅器LNAの中の
増幅素子の制御端子(例えばゲート)以外の端子(例え
ばドレインおよびソース)を流れる電流パスを遮断する
ことができるので、増幅素子は非動作状態になる。
【0034】好ましくは、スイッチ部SWRは、送信時
において、ノードN2RとノードN3Rとの間でDC成
分を実質的に通さない。スイッチ部SWRがノードN2
RとノードN3Rとの間でDC成分を遮断すれば、アン
テナANTに直流電圧が印加されることを防ぐことがで
きる。
【0035】図2の左半分を参照しながら受信時におけ
る送信部TXの動作を説明する。この動作は、上述の送
信時の受信部RXの動作と類似している。スイッチ部S
WTは、受信時において、ノードN1TとノードN2T
との間でDC成分を実質的に通さず、ノードN1Tとノ
ードN3Tとの間でRF成分を実質的に通さない。これ
により、受信時において、アンテナANTから送信部T
Xを電気的にアイソレートできる。その結果、受信時に
おいてアンテナANTにおいて受け取られた微弱な電力
レベルのRF成分が送信部TXに逃げることを防止でき
る。また受信時において、電源が供給されるノードN2
Tから電力増幅器PAを電気的にアイソレートできる。
その結果、受信時において送信部TXが電源からの電力
を消費することを防止でき、これは低消費電力化に寄与
する。具体的には、電力増幅器PAの中の増幅素子の制
御端子(例えばゲート)以外の端子(例えばドレインお
よびソース)を流れる電流パスを遮断することができる
ので、増幅素子は非動作状態になる。
【0036】好ましくは、スイッチ部SWTは、受信時
において、ノードN2TとノードN3Tとの間でDC成
分を実質的に通さない。スイッチ部SWTがノードN2
TとノードN3Tとの間でDC成分を遮断すれば、アン
テナANTに直流電圧が印加されることを防ぐことがで
きる。
【0037】本発明のフロントエンド回路FECによれ
ば、上述の構成によって、送受信の状態に応じて、DC
成分およびRF成分を通すパスを設定できる。これによ
り、本発明は、少なくとも以下の効果を有する。
【0038】(1)送受信の状態に応じて、電源からの
電力を選択的に送信部および受信部へ供給できる。その
結果、動作に不要な部分での電力消費が防止され、低消
費電力化を実現できる。
【0039】(2)送受信の状態に応じて、アンテナ
と、送信部および受信部とを選択的に電気的にアイソレ
ートできる。その結果、アンテナへ出力されるRF成分
の損失や、アンテナから入力されるRF成分の損失を防
ぐことができる。
【0040】(3)上記(1)および(2)の効果を少
ない部品点数で実現できる。部品点数の減少は、コスト
削減、基板上でのチップ面積の減少、消費電力の減少な
ど、携帯端末にとって大きな利点を生む。
【0041】本明細書における「実質的に通す」および
「実質的に通さない」という語は、それぞれの成分に対
して以下の減衰量をもつ場合をいう。なお以下の減衰量
のデシベル表現は、電力ベースで計算されたものとす
る。
【0042】「DC成分を実質的に通す」=DC成分の
減衰量が約3dB以下である(より好ましくは、DC成
分の減衰量が約1.5dB以下である)、「RF成分を
実質的に通す」=RF成分の減衰量が約3dB以下であ
る(より好ましくは、RF成分の減衰量が約1.5dB
以下である)、「DC成分を実質的に通さない」=DC
成分の減衰量が約15dB以上である(より好ましく
は、DC成分の減衰量が約30dB以上である)、、お
よび「RF成分を実質的に通さない」=RF成分の減衰
量が約15dB以上である(より好ましくは、RF成分
の減衰量が約30dB以上である)。
【0043】図3は、本発明のフロントエンド回路FE
Cにおいて用いられるスイッチ部SWTおよびSWRの
一例を示す回路図である。図3のスイッチ部SWTは、
スイッチ部SWRとしても用いることができる。このと
き、図3のノードN1T、N2TおよびN3Tは、それ
ぞれスイッチ部SWRのノードN1R、N2RおよびN
3Rに対応する。
【0044】スイッチ部SWTは、FET(電界効果ト
ランジスタ)Q1TおよびキャパシタC1Tを備えてい
る。FET Q1Tのドレインおよびソース間の導通状
態は、その制御端子であるノードG1Tに加える電圧に
よって制御される。FETQ1Tは、例えばディプリー
ション型のMES(Metal Semiconductor)FETであ
るが、これには限られずスイッチング素子なら他のもの
でもよい。例えば、バイポーラトランジスタであっても
よい。本明細書においては、FETなどのスイッチング
素子の制御端子以外の端子が導通状態にあるとき、「オ
ン状態」といい、FETなどのスイッチング素子の制御
端子以外の端子が非導通状態にあるとき、「オフ状態」
という。
【0045】図4は、送受信時のスイッチ部SWTの等
価回路図である。図4の(a)は、送信時のスイッチ部S
WTの等価回路であり、図4の(b)は、受信時のスイッ
チ部SWTの等価回路である。
【0046】FET Q1Tは、送受信の状態に応じ
て、ノードN1TとノードN2Tとの間でDC成分を実
質的に通したり、通さなかったりする。FET Q1T
が、DC成分を実質的に通すときには、FET Q1T
は、約0Ω〜約5Ωの抵抗Ronと等価だとみなせる。
抵抗Ronは、FET Q1Tのオン抵抗に相当する。
【0047】逆にFET Q1Tが、DC成分を実質的
に通さないときには、FET Q1Tは、約100kΩ
〜約1MΩの抵抗Roffと、約0.1pF〜約1pF
のキャパシタCdsとが並列に接続されたものと等価だ
とみなせる。抵抗Roffは、FET Q1Tのオフ抵
抗に相当し、キャパシタCdsは、FET Q1Tのド
レイン・ソース間容量に相当する。
【0048】キャパシタC1Tは、送受信の状態に依存
せず、RF成分を実質的に通す。RF成分を実質的に通
すために、キャパシタC1Tは、約20pF〜約100
0pFの容量をもつことが好ましい。
【0049】上の説明では、本発明のフロントエンド回
路FECは、送信部TXおよび受信部RXを備えている
としたが、これには限られない。すなわちフロントエン
ド回路FECは、送信部TXおよび受信部RXのうち、
いずれか1つだけを備えていてもよい。
【0050】(実施の形態1)図5は、本発明のフロン
トエンド回路の実施の形態1の回路図である。図5のフ
ロントエンド回路は、送信部TXだけを備えている。し
かしこれには限られず、例えばアンテナANTまたは受
信部RXを備えていてもよい。受信部RXは、実施の形
態2において説明する。以下の実施の形態1および2に
おいては、図1〜図4を参照して説明した本発明による
フロントエンド回路の具体的な回路構成を説明する。し
たがって、上述の「発明の概要」で説明したことは、実
施の形態1および2にもあてはまる。
【0051】スイッチ部SWTのFET Q1Tおよび
キャパシタC1Tの機能は、図3〜図5を用いて説明し
た通りである。FET Q1Tのドレイン端子D1T
は、ノードN1Tに接続され、FET Q1Tのソース
S1Tは、ノードN2Tに接続される。FET Q1T
のゲートG1Tは、抵抗器R1Tを通して、ノードVC
1Tにおいて制御電圧を受け取る。キャパシタC1T
は、ノードN2TおよびN3Tを接続する。ノードN2
Tは、抵抗器RVddTを通して電源の正極Vddから
直流電圧(実施の形態1では、直流3.5V)を受け取
る。電源の負極は、グラウンドに接続される。以下、本
明細書では、電源の正極Vddの電圧レベルをHレベル
とし、グラウンドの電圧レベルをLレベルとする。
【0052】抵抗器RVddTは、電源とスイッチ部S
WTとをアイソレートする。よって抵抗器RVddTの
代わりにインダクタを用いてもよい。
【0053】FET Q1TのソースS1Tが接続され
るノードN2Tが受け取る電圧は、送受信の状態に依存
せずHレベルであり、後述するようにFET Q1Tは
ディプリーション型である。したがって、送信時および
受信時において、FET Q1TのゲートG1Tに印加
される制御電圧、およびFET Q1Tの導通状態は、
以下のようになる。
【0054】送信時:ゲートG1T=Hレベル、FET
Q1T=オン状態、および 受信時:ゲートG1T=Lレベル、FET Q1T=オ
フ状態。
【0055】したがってスイッチ部SWTは、送信時に
おいて、ノードN1TとノードN2Tとの間でDC成分
を実質的に通し、受信時において、ノードN1Tとノー
ドN2Tとの間でDC成分を実質的に通さない。またス
イッチ部SWTは、送信時において、ノードN1Tとノ
ードN3Tとの間でRF成分を実質的に通し、受信時に
おいて、ノードN1TとノードN3Tとの間でRF成分
を実質的に通さない。
【0056】実施の形態1の送信部TXは、スイッチ部
SWTの中に短絡部STを備えている。短絡部STは、
受信時において、ノードN1Tをグラウンドに接続する
ことによって、送信部TXおよび受信部RXの間のアイ
ソレーションを改善する。短絡部STは、直列に接続さ
れたキャパシタC2T、FET Q2Tおよびキャパシ
タC3Tを有する。
【0057】FET Q2Tのドレイン端子D2Tは、
キャパシタC2Tを通してノードN1Tに接続され、F
ET Q2TのソースS2Tは、キャパシタC3Tを通
してグラウンドに接続される。FET Q2Tのゲート
G2Tは、抵抗器R2Tを通して、ノードVC2Tにお
いて制御電圧を受け取る。
【0058】ソース端子S2Tは、ソース端子S1Tに
接続されている。したがってソース端子S2Tは、ソー
ス端子S1Tと同様に、抵抗器RVddTを通して電源
の正極Vddから直流電圧を受け取る。この電源の共通
化によって、部品点数の削減および回路の簡略化が図れ
る。
【0059】FET Q2TのソースS2Tが接続され
るノードN2Tが受け取る電圧は、送受信の状態に依存
せずHレベルであり、後述するようにFET Q2Tは
ディプリーション型である。したがって、送信時および
受信時において、FET Q2TのゲートG2Tに印加
される制御電圧、およびFET Q2Tの導通状態は、
以下のようになる。
【0060】送信時:ゲートG2T=Lレベル、FET
Q2T=オフ状態、および 受信時:ゲートG2T=Hレベル、FET Q2T=オ
ン状態。
【0061】したがって短絡部STは、送信時におい
て、ノードN1Tとグラウンドとの間でRF成分を実質
的に通さず、受信時において、ノードN1Tとグラウン
ドとの間でRF成分を実質的に通す。
【0062】送受信の状態に応じて、ゲートG1Tおよ
びG2Tを上述したレベルに設定するため、プログラム
可能な電圧発生器GENは、ノードVC1TおよびVC
2Tに制御電圧を供給する。電圧発生器GENは、例え
ば、マイクロプロセッサMPU、メモリMMRおよびD
/A変換器DACを備えることによって、送受信の状態
に応じた制御電圧を供給できる。しかし制御電圧の発生
方法は、これには限られず、例えばアナログ回路だけを
用いて発生してもよい。
【0063】バイアス回路BTは、DC成分を実質的に
通し、RF成分を実質的に通さない。実施の形態1で
は、バイアス回路BTは、インダクタLBTおよびキャ
パシタCBTを有するが、これには限られず、他の構成
によるローパスフィルタを用いてもよい。
【0064】整合回路MTは、RF成分を実質的に通
し、DC成分を実質的に通さない。また整合回路MT
は、電力増幅器PAおよびスイッチ部SWTの間のイン
ピーダンス整合を実現することによって、効率よくRF
成分が出力されるようにする。実施の形態1では、整合
回路MTは、インダクタLMTおよびキャパシタCM1
TおよびCM2Tを有するが、これには限られず、他の
構成による整合回路を用いてもよい。
【0065】電力増幅器PAは、DC成分(つまり電源
電圧)を、電源の正極Vddからスイッチ部SWTおよ
びバイアス回路BTを通して受け取る。また電力増幅器
PAは、RF成分(増幅された高周波信号)を、整合回
路MTおよびスイッチ部SWTを通して出力する。電力
増幅器PAは、増幅素子としてFET Q3Tを備えて
いるが、バイアスを適正にかけるための回路などは省略
して図示される。FET Q3Tは、電力増幅器PAの
増幅素子を代表するものであって、電力増幅器PAは、
複数の増幅素子を含んでもよい。
【0066】以下に、実施の形態1の装置を実現するた
めに用いられたパラメータや特性などを説明する。
【0067】FET Q1TおよびQ2Tは、総ゲート
幅Wg=1.4mmのイオン注入型MESFETであ
り、その直流特性はしきい値電圧=−1.5Vである。
【0068】キャパシタC1T、C2TおよびC3T
は、FET Q1TおよびQ2Tと同一基板上に高誘電
体材料のBST(Barium Strontium Titanate)を用い
て形成され、そのキャパシタンスは100pFである。
【0069】抵抗器R1T、R2TおよびRVddT
は、イオン注入法を用いて形成されている。抵抗器R1
TおよびR2Tの抵抗は2kΩであり、抵抗器RVdd
Tの抵抗は5kΩである。
【0070】FET Q3Tは、総ゲート幅Wg=2.
0mmのヘテロ接合型GaAsFETである。FET
Q3Tの直流特性は、しきい値電圧=−0.20V、g
mmax=0.34S/mm、Imax=600mAであり、
高周波特性は、周波数=1.9GHz、電源電圧=3.
5V、ゲート電圧0V、π/4シフトQPSKデジタル
信号入力時で出力電力21.5dBmにおいて利得14
dB、隣接チャンネル漏洩電力特性(600kHz離
調)=−58dBc、動作電流110mA、P−1dB
=23dBmである。これらの高周波特性は、FET
Q3Tの負荷インピーダンスが、利得、隣接チャンネル
漏洩電力特性、動作電流が所望の特性範囲を満たす出力
インピーダンス(最適インピーダンス)に設定された場
合の値である。
【0071】バイアス回路BTにおいて、インダクタL
BTとして27nHのチップインダクタを用い、キャパ
シタCBTとして100pFのチップキャパシタを用い
る。
【0072】整合回路MTにおいて、インダクタLMT
として3.9nHのスパイラルインダクタを用い、キャ
パシタCM1TおよびCM2Tとしてそれぞれ1.71
pFおよび4.0pFのMIM(Metal-Insulator-Meta
l)キャパシタを用いる。これらの値は、周波数1.9
GHzにおいて、FET Q3Tおよび整合回路MTの
インピーダンス整合が最適化されるように決定される。
【0073】FET Q3Tは、2段または3段からな
る電力増幅器の最終段のトランジスタであり、整合回路
MTおよびFET Q3Tの前段にある部分とともに、
マイクロ波モノリシック集積回路(MMIC)化され、
プラスチックパッケージに樹脂封止される。スイッチ部
SWTもMMIC化され、プラスチックパッケージに樹
脂封止される。これら2つのMMICのパッケージと、
外付け部品としてのバイアス回路BTの構成部品とが回
路基板に実装される。
【0074】なおフロントエンド回路の具体的な実現手
法は上述のものに限られず、以下のように実現されても
よい。
【0075】(1)バイアス回路BTおよび電力増幅器
PAが同一のチップ上にMMIC化される。
【0076】(2)電力増幅器PAのMMICチップお
よびスイッチ部SWTのMMICチップが単一のプラス
チックパッケージにマルチチップ実装される。
【0077】(3)電力増幅器PAおよびスイッチ部S
WTが同一のチップ上にMMIC化されている。
【0078】(4)電力増幅器PAおよびバイアス回路
BTがチップ部品(例えばチップ抵抗、チップキャパシ
タ、チップインダクタ)を用いてハイブリッドIC化さ
れている。
【0079】(5)電力増幅器PAのMMICチップお
よびスイッチ部SWTのMMICチップがベアチップで
回路基板上に実装される。あるいは、電力増幅器PAお
よびスイッチ部SWTの単一のMMICチップがベアチ
ップで回路基板上に実装される。
【0080】本発明によるフロントエンド回路は、単一
の正電源だけで動作させることができる。また受信時に
おいて、電力増幅器中のFETのドレイン電流を遮断で
きるので低消費電力化を実現できる。よって本発明のフ
ロントエンド回路を用いれば、移動体通信機器の小型
化、低コスト化および低消費電力化が可能である。
【0081】(実施の形態2)図6は、本発明のフロン
トエンド回路の実施の形態2の回路図である。図6のフ
ロントエンド回路は、受信部RXだけを備えている。し
かしこれには限られず、例えばアンテナANTまたは送
信部TXを備えていてもよい。送信部TXは、実施の形
態1において説明した通りである。
【0082】図6に示す受信部RXの回路は、細部を除
けば、アンテナANTについて図5を参照して説明した
送信部TXと鏡像の関係である。換言すれば、受信部R
Xは、回路トポロジの点で送信部TXとほぼ同じであ
る。図6の受信部RXの構成要素は、その参照符号の末
尾の「R」を「T」に置換した参照符号をもつ図5の送
信部TXの構成要素に対応する。例えば受信部RXのノ
ードN1Rは、送信部TXのノードN1Tに対応する。
【0083】受信部RXは、送信時および受信時におい
て電圧発生器GENによって受信部RXに供給される制
御電圧のレベルが、送信部TXに供給される制御電圧の
レベルと異なることを除いて、送信部TXと同様に機能
する。したがって以下では、実施の形態2が回路トポロ
ジ的に実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
【0084】低雑音増幅器LNAは、デュアルゲートF
ET Q3R、キャパシタC4Rおよび抵抗器R3Rを
備えている。低雑音増幅器LNAは、DC成分(つまり
電源電圧)を、電源の正極Vddからスイッチ部SWR
およびバイアス回路BRを通して、ドレイン端子D3R
において受け取る。また低雑音増幅器LNAは、RF成
分(増幅された高周波信号)を、スイッチ部SWRおよ
び整合回路MRを通して、第1ゲート端子G31Rにお
いて受け取る。デュアルゲートFET Q3Rの第2ゲ
ート端子G32Rは、ソース端子S3Rに接続されてい
る。ソース端子S3Rは、並列に接続された自己バイア
ス用のキャパシタC4Rおよび抵抗器R3Rによってグ
ラウンドに接続されている。低雑音増幅器LNAは、バ
イアスを適正にかけるための回路などをさらに備えてい
てもよい。デュアルゲートFETQ3Rは、低雑音増幅
器LNAの増幅素子を代表するものであって、低雑音増
幅器LNAは、複数の増幅素子を含んでもよい。
【0085】実施の形態2では、整合回路MRは、イン
ダクタLM1RおよびLM2R、キャパシタCM1Rお
よびCM2R、および抵抗器RMRを有するが、これに
は限られず、他の構成による整合回路を用いてもよい。
【0086】電圧発生器GENは、送受信の状態に応じ
て、ノードVC1RおよびVC2Rに制御電圧を供給す
ることによって、FET Q1RおよびQ2Rを以下の
状態に設定する。
【0087】送信時:ゲートG1R=Lレベル、ゲート
G2T=Hレベル;FET Q1T=オフ状態、FET
Q2T=オン状態、および 受信時:ゲートG1R=Hレベル、ゲートG2T=Lレ
ベル;FET Q1T=オン状態、FET Q2T=オ
フ状態。
【0088】電圧発生器GENが上記制御電圧を供給す
るので、スイッチ部SWRは、受信時において、ノード
N1RとノードN2Rとの間でDC成分を実質的に通
し、送信時において、ノードN1RとノードN2Rとの
間でDC成分を実質的に通さない。またスイッチ部SW
Rは、受信時において、ノードN1RとノードN3Rと
の間でRF成分を実質的に通し、送信時において、ノー
ドN1RとノードN3Rとの間でRF成分を実質的に通
さない。さらに短絡部SRは、受信時において、ノード
N1Rとグラウンドとの間でRF成分を実質的に通さ
ず、送信時において、ノードN1Rとグラウンドとの間
でRF成分を実質的に通す。
【0089】電圧発生器GENは、図5を参照して説明
したのと同様、例えば、マイクロプロセッサMPU、メ
モリMMRおよびD/A変換器DACを備えることによ
って、送受信の状態に応じた制御電圧を供給できる。し
かし制御電圧の発生方法は、これには限られず、例えば
アナログ回路だけを用いて発生してもよい。
【0090】以下に、実施の形態2の装置を実現するた
めに用いられたパラメータや特性などを説明する。
【0091】FET Q1RおよびQ2Rは、総ゲート
幅Wg=1.4mmのイオン注入型MESFETであ
り、その直流特性はしきい値電圧=−1.5Vである。
【0092】キャパシタC1R、C2RおよびC3R
は、FET Q1RおよびQ2Rと同一基板上に高誘電
体材料のBST(Barium Strontium Titanate)を用い
て形成され、そのキャパシタンスは100pFである。
【0093】抵抗器R1R、R2RおよびRVddR
は、イオン注入法を用いて形成されている。抵抗器R1
RおよびR2Rの抵抗は2kΩであり、抵抗器RVdd
Rの抵抗は5kΩである。
【0094】デュアルゲートFET Q3Rは、総ゲー
ト幅Wg=0.2mmのイオン注入型GaAsFETで
ある。FET Q3Tの直流特性は、しきい値電圧=−
1.0V、gm=200mS/mm、Idss=20m
Aであり、高周波特性は、周波数=1.9GHz、電源
電圧=3.5V、入力電力−40dBmにおいて雑音指
数NF=1.8dB、利得14dB、動作電流3mAで
ある。これらの高周波特性は、デュアルゲートFET
Q3Rの負荷インピーダンスが、雑音特性が所望の特性
範囲を満たす出力インピーダンス(最適インピーダン
ス)に設定された場合の値である。キャパシタC4Rの
キャパシタンスは、100pFであり、抵抗器R3Rの
抵抗は、400Ωである。
【0095】バイアス回路BRにおいて、インダクタL
BRとして27nHのチップインダクタを用い、キャパ
シタCBRとして100pFのチップキャパシタを用い
る。
【0096】整合回路MRにおいて、インダクタLM1
RおよびLM2Rとしてそれぞれ3.0nHおよび1.
8nHのスパイラルインダクタを用い、キャパシタCM
1RおよびCM2Rとしてそれぞれ100pFおよび5
0pFの高誘電体材料のBSTで形成されたキャパシタ
を用いる。これらの値は、周波数1.9GHzにおい
て、FET Q3Rおよび整合回路MRのインピーダン
ス整合が最適化されるように決定される。
【0097】FET Q3Rおよび整合回路MRは、M
MIC化され、プラスチックパッケージに樹脂封止され
る。スイッチ部SWTもMMIC化され、プラスチック
パッケージに樹脂封止される。これら2つのMMICの
パッケージと、外付け部品としてのバイアス回路BRの
構成部品とが回路基板に実装される。
【0098】なおフロントエンド回路の具体的な実現手
法は上述のものに限られず、以下のように実現されても
よい。
【0099】(1)バイアス回路BRおよび低雑音増幅
器LNAが同一のチップ上にMMIC化される。
【0100】(2)低雑音増幅器LNAのMMICチッ
プおよびスイッチ部SWRのMMICチップが単一のプ
ラスチックパッケージにマルチチップ実装される。
【0101】(3)低雑音増幅器LNAおよびスイッチ
部SWRが同一のチップ上にMMIC化されている。
【0102】(4)低雑音増幅器LNAおよびバイアス
回路BRがチップ部品(例えばチップ抵抗、チップキャ
パシタ、チップインダクタ)を用いてハイブリッドIC
化されている。
【0103】(5)低雑音増幅器LNAのMMICチッ
プおよびスイッチ部SWRのMMICチップがベアチッ
プで回路基板上に実装される。あるいは、低雑音増幅器
LNAおよびスイッチ部SWRの単一のMMICチップ
がベアチップで回路基板上に実装される。
【0104】本発明によるフロントエンド回路は、単一
の正電源だけで動作させることができる。また受信時に
おいて、電力増幅器中のFETのドレイン電流を遮断で
きるので低消費電力化を実現できる。よって本発明のフ
ロントエンド回路を用いれば、移動体通信機器の小型
化、低コスト化および低消費電力化が可能である。
【0105】本発明は、上述のDC成分およびRF成分
についての信号が通るパスを実質的に妨げないような構
成要素が追加された回路をも含む。すなわち例えば、送
信時において、電源からスイッチ部およびバイアス回路
を通して電力増幅器に至るDC成分が通るパスを実質的
に遮断しないような、FET、トランジスタ、ダイオー
ド、インダクタ、抵抗器などがそのDC成分のパス上に
設けられた回路も、本発明の範囲に含まれる。
【0106】これと同様に、バイアス回路BTおよびB
R、および整合回路MTおよびMRは、受動素子だけで
構成されているが、DC成分およびRF成分のパスを実
質的に遮断しない限り、能動素子を含んでいてもよい。
例えばFET、トランジスタのような能動素子や、ダイ
オードなどがそのパス上に設けられていてもよい。
【0107】本発明のフロントエンド回路は、ノードN
1TとノードN2Tとの間、およびノードN1Rとノー
ドN2Rとの間で実質的にRF成分を通さないことが好
ましい。これは、RF成分が電源ラインに流れ込むと、
他の部分に悪影響を及ぼすおそれがあるからである。し
たがって本発明のフロントエンド回路は、好ましくは、
RF成分が電源に流れることを防止するためのインダク
タを、ノードN1TおよびN2Tの間に、またはノード
N1RおよびN2Rの間に備えている。また本発明のフ
ロントエンド回路は、インダクタをノードN2Tおよび
N3Tの間に、またはノードN2RおよびN3Rの間に
さらに備えていてもよい。
【0108】なおFET Q1T、Q2T、Q1Rおよ
びQ2Rとしてディプリーション型を用いているが、こ
れには限られない。すなわち単一正電源によってDC成
分またはRF成分を通過または遮断させることができる
スイッチング素子であればよい。例えば、バイポーラト
ランジスタ、PINダイオードなどを用いてもよい。
【0109】
【発明の効果】本発明によるフロントエンド回路は、少
なくとも以下の効果を有する。
【0110】スイッチ部は、送信時においては、電源か
ら受信部のFETに供給されるドレイン電流を遮断する
ことによって、消費電力を低減できる。またスイッチ部
は、受信部および送信部のRF成分のパスを遮断し、受
信部のFETのゲート端子をグラウンドに接続すること
によって、送信部および受信部の間の高いアイソレート
を実現できる。
【0111】スイッチ部は、受信時においては、電源か
ら送信部のFETに供給されるドレイン電流を遮断する
ことによって、消費電力を低減できる。またスイッチ部
は、受信部および送信部のRF成分のパスを遮断し、送
信部のFETのドレイン端子をグラウンドに接続するこ
とによって、送信部および受信部の間の高いアイソレー
トを実現できる。
【0112】本発明によれば、上述の効果を有するフロ
ントエンド回路を、従来技術によるよりも少ない部品点
数で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフロントエンド回路FECのブロ
ック図であり、フロントエンド回路FECが送信のため
に用いられるときの信号パスを示す図である。
【図2】本発明によるフロントエンド回路FECのブロ
ック図であり、フロントエンド回路FECが受信のため
に用いられるときの信号パスを示す図である。
【図3】本発明のフロントエンド回路FECにおいて用
いられるスイッチ部SWTおよびSWRの一例を示す回
路図である。
【図4】送受信時のスイッチ部SWTの等価回路を示す
図である。
【図5】本発明のフロントエンド回路の実施の形態1の
回路図である。
【図6】本発明のフロントエンド回路の実施の形態2の
回路図である。
【符号の説明】
FEC フロントエンド回路 TX 送信部 RX 受信部 SWT、SWR スイッチ部 N1T、N2T、N3T、N1R、N2R、N3R ノ
ード BT、BR バイアス回路 MT、MR 整合回路 PA 電力増幅器 LNA 低雑音増幅器 ANT アンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 國久 武人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−307305(JP,A) 実開 昭56−37536(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/38 - 1/58 H04B 1/02 - 1/04 H04B 1/18 - 1/24

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ノードおよび出力ノードを有する増
    幅器と、 該増幅器に電源を供給する、電源入力ノードおよび電源
    出力ノードを有するバイアス回路と、 該増幅器を該増幅器に接続された回路に整合させる、入
    力ノードおよび出力ノードを有する整合回路と、 第1ノード、第2ノードおよび第3ノードを有するスイ
    ッチ部と、を備えているフロントエンド回路であって、 該バイアス回路は、該第1ノードと、該増幅器の該入力
    ノードおよび該出力ノードのうちの一方との間でDC成
    分を実質的に通し、 該整合回路は、該第1ノードと、該増幅器の該入力ノー
    ドおよび該出力ノードのうちの該一方との間でRF成分
    を実質的に通し、 該スイッチ部は、 第1状態において、該第1ノードと該第2ノードとの間
    でDC成分を実質的に通し、該第1ノードと該第3ノー
    ドとの間でRF成分を実質的に通し、 第2状態において、該第1ノードと該第2ノードとの間
    でDC成分を実質的に通さず、該第1ノードと該第3ノ
    ードとの間でRF成分を実質的に通さないフロントエン
    ド回路。
  2. 【請求項2】 前記スイッチ部は、 前記第1状態において前記第1ノードと前記第2ノード
    との間でDC成分およびRF成分を実質的に通し、前記
    第2状態において該第1ノードと該第2ノードとの間で
    DC成分およびRF成分を実質的に通さない第1スイッ
    チと、 該第2ノードと該第3ノードとの間でDC成分を実質的
    に通さず、RF成分を実質的に通す第1キャパシタと、
    を有する請求項1に記載のフロントエンド回路。
  3. 【請求項3】 前記バイアス回路は、前記第1ノード
    と、前記増幅器の前記入力ノードおよび前記出力ノード
    のうちの前記一方との間でDC成分を実質的に通し、R
    F成分を実質的に通さず、前記整合回路は、該第1ノー
    ドと、該増幅器の該入力ノードおよび該出力ノー ドのうちの該一方との間でDC成分を実質的に通さず、
    RF成分を実質的に通す請求項2に記載のフロントエン
    ド回路。
  4. 【請求項4】 前記スイッチ部は、前記第1状態におい
    て、前記第1ノードとグラウンドとの間でRF成分を実
    質的に通さず、 前記第2状態において、該第1ノードと該グラウンドと
    の間でRF成分を実質的に通す請求項2に記載のフロン
    トエンド回路。
  5. 【請求項5】 前記スイッチ部は、直列に接続された第
    2スイッチおよび第2キャパシタを有する短絡部をさら
    に有しており、 該短絡部の一端は、前記第1ノードに電気的に接続され
    ており、該短絡部の他端は、前記グラウンドに電気的に
    接続されている請求項4に記載のフロントエンド回路。
  6. 【請求項6】 前記第1スイッチは第1トランジスタを
    含み、かつ前記第2スイッチは第2トランジスタを含
    み、該第1トランジスタおよび該第2トランジスタは、
    前記第2ノードから受け取られた電源電圧を受け取る請
    求項5に記載のフロントエンド回路。
  7. 【請求項7】 前記第1トランジスタおよび前記第2ト
    ランジスタは、電界効果トランジスタであり、 該第1トランジスタのドレインは前記第1ノードに電気
    的に接続され、該第1トランジスタのソースは前記第2
    ノードに電気的に接続され、 該第2トランジスタのドレインは前記第1ノードに前記
    第2キャパシタを介して電気的に接続され、該第2トラ
    ンジスタのソースは前記グラウンドに第3キャパシタを
    介して電気的に接続され、 該第2トランジスタの該ソースは、該第2ノードに電気
    的に接続されている請求項6に記載のフロントエンド回
    路。
  8. 【請求項8】 前記整合回路は、前記増幅器からRF信
    号を受け取り、前記スイッチ部に出力する請求項3に記
    載のフロントエンド回路。
  9. 【請求項9】 前記整合回路は、前記スイッチ部からR
    F信号を受け取り、前記増幅器に出力する請求項3に記
    載のフロントエンド回路。
  10. 【請求項10】 前記整合回路は、前記増幅器からRF
    信号を受け取り、前記スイッチ部に出力する請求項7に
    記載のフロントエンド回路。
  11. 【請求項11】 前記整合回路は、前記スイッチ部から
    RF信号を受け取り、前記増幅器に出力する請求項7に
    記載のフロントエンド回路。
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