JP3408358B2 - コンクリート構造体の耐火被覆構造 - Google Patents

コンクリート構造体の耐火被覆構造

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克朗 小畠
耕三 木村
武 川地
好正 林
晴果 小川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート構造
体、例えば、建造物におけるコンクリート柱,梁などに
おける耐火被覆構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、RC造りの煙突や橋脚等の構
造物に対する剪断や曲げ等の耐震補強として、コンクリ
ート躯体の周囲を鉄板や鋼管で拘束したり、炭素繊維の
ストランドを巻き付けたり、あるいは炭素繊維のシート
を張り付ける等の補強が行われている。さらに昨今で
は、地震の被害を受けた建築物のコンクリート柱の補強
としても非常に着目されている。
【0003】ところで、建築物のコンクリート構造体を
鉄板や鋼管あるいは炭素繊維で補強する場合、それら鉄
板や鋼管、並びに炭素繊維やその接着剤として用いられ
ているエポキシ樹脂等をその後の火災から保護して補強
効果を維持するために、表面には耐火被覆層を施すこと
が防耐火上必要であり、この様な耐火被覆層の形成に
は、在来工法としてモルタル左官仕上工法が一般的に用
いられている。
【0004】この在来工法による耐火被覆構造を炭素繊
維シートによる耐震補強を例にして図5に示す。まず、
RC躯体10に炭素繊維シートたるシート状CFRP
(炭素繊維強化プラスチック)11を張り付け、その硬
化後、次のような手順によりメタルラス張りとモルタル
の左官塗りによる被覆を行う。(1) シート状CFRP1
1表面にエポキシ系接着剤で金具(トンボ)12を取り
付ける。(2) シート状CFRP11表面の下地調整とし
て、表面強化剤と下地調整剤を塗布し、シート状CFR
Pとモルタルの接着性を向上させる。(3) メタルラス1
3を止め金具で装着する。(4) モルタル14の左官塗り
を行う。(5) 表面の凹凸とひび割れ防止のため表面仕上
げを行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような在
来工法では、施工に手間を要するばかりでなく、モルタ
ルにひび割れを生じたり、下地との付着性に劣るなどの
問題点があった。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、施工が容易で、モルタルの下地との接着性が良好な
コンクリート構造体の耐火被覆構造を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のコンクリート構造体の耐火被覆構造は、コ
ンクリート躯体の周囲に巻き付けた補強繊維上に、ある
いはコンクリート躯体の周囲を補強した鉄板または鋼管
の上に、クリープ状の長繊維を巻き付け、その上からモ
ルタルを塗布したものであり、クリープ状長繊維を巻き
付けると、その毛羽立ちがモルタルに対するメカニカル
アンカーとして作用するため、モルタルの接着安定性の
向上及びひび割れ防止効果を得ることができ、信頼性の
高い耐火被覆が可能となる。しかも、補強繊維や鉄板,
鋼管等による補強面に補強クリープ状長繊維を巻き付け
るだけでモルタル左官仕上げが可能となるため、在来工
法のように、補強面にトンボ付け、ラス金網を張るとい
う処理を行ってからモルタル左官仕上げを行う場合に比
べ、施工が格段に容易になる。
【0008】また、補強繊維による耐火被覆構造におい
ては、当該補強繊維の巻き付けと同時にクリープ状長繊
維を巻き付けるようにしても、モルタル左官仕上げは十
分に可能であり、より一層の省力化が図れる。
【0009】なお、補強繊維上にクリープ状長繊維を巻
き付けるといった場合、補強繊維とクリープ状長繊維と
を同時に巻き付ける場合も含まれる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1、図2において、1はRC造
りの煙突や橋脚等のコンクリート構造体における鉄筋コ
ンクリート躯体であり、その耐震補強のため、当該コン
クリート躯体1の外周囲に、ここでは炭素繊維のストラ
ンドから成る補強繊維2が巻き付けられて剪断補強が行
わる。
【0011】次に、このコンクリート躯体の周囲に巻き
付けた補強繊維2上に、クリープ状長繊維3が巻き付け
られ、その上に耐火被覆としてのモルタル4が施工され
る。
【0012】この補強繊維2上へのクリープ状長繊維3
の巻き付けは、文字通り、先に巻き付けを行った後の補
強繊維2上に施す形態であっても良いし、補強繊維2の
巻き付けと同時にクリープ状の長繊維3の巻き付けを行
う施工形態であっても良い。この実施例では、補強繊維
2をコンクリート躯体1に巻き付けると同時に、クリー
プ状長繊維3の巻き付けも行っている。従って、クリー
プ状長繊維3は、実際には、補強繊維2たる炭素繊維ス
トランド上のみならず炭素繊維ストランド間にも入り込
む形で巻き付けられる。
【0013】ここでクリープ状の長繊維3とは毛羽立ち
のある繊維を意味しており、この実施例の場合、クリー
プ状の長繊維3は、図3に示すように、ポリエステルの
心材糸部3aにポリプロピレンの立毛糸部3bをクリー
プ状に絡ませて、毛羽立ち3cのある繊維として構成し
ている。
【0014】クリープ状長繊維3の立毛糸部3bは、心
材糸部3aから半径方向に突起する長さが、2mm以
上、好ましくは3〜8mmとなるように形成するのが良
い。また、クリープ状長繊維3の材料には、心材糸部3
aにポリエステルを、そして立毛糸部3bにポリプロピ
レンを用いているが、これらの繊維以外に、ビニロン,
アクリル,ナイロン,アラミド,ガラス等の繊維または
これらの繊維を含んだ材料を用いることができる。
【0015】上記のように、クリープ状長繊維3を巻き
付けて、炭素繊維ストランド2による補強層とモルタル
4の耐火被覆層との界面に介在させることによって、そ
の毛羽立ち3cがモルタル4に対するメカニカルアンカ
ーとして作用するため、モルタル4の接着安定性の向上
及びひび割れ防止効果を得ることができる。従って、信
頼性の高い耐火被覆を施工することが可能となる。
【0016】しかも、この耐火被覆構造においては、炭
素繊維のストランド2による補強繊維の巻き付けと同時
に、又はその巻き付け後の補強層上に、クリープ状長繊
維3を巻き付けるだけでモルタル左官仕上げが可能とな
るため、在来工法のように、炭素繊維で補強後、その表
面にトンボ付け、ラス金網を張るという処理を行ってか
らモルタル左官仕上げを行う場合に比べ、施工が簡単に
なる。
【0017】上記実施例では、煙突や橋脚等のコンクリ
ート構造体を構築する場合を例にして説明したが、本発
明は、地震の被害を受けた建築物のコンクリート柱の補
強、即ち、既存構造物を補強する場合にも適用すること
ができ、上記と同じ作用効果、つまりモルタル4の接着
安定性の向上及びひび割れ防止と、施工の容易化という
作用効果とを得ることができるものである。
【0018】また、上記実施例では、補強繊維2とし
て、炭素繊維のストランドを用いているが、シート状の
炭素繊維を用いることもでき、この場合にも、モルタル
4の接着安定性の向上及びひび割れ防止と、施工の容易
化の効果とを得ることができる。
【0019】なお、図4はコンクリート躯体1の周囲を
鉄板(もしくは鋼管)5で覆って拘束補強した場合の耐
火被覆構造を示すものであり、この場合にあっても前述
の実施の形態と同じようにして、鉄板(鋼管)5の上に
クリープ状の長繊維3を巻き付け、その上からモルタル
4を塗布するようにすれば、同様の作用効果を得ること
ができる。
【0020】
【発明の効果】以上要するに、本発明によれば、コンク
リート躯体の周囲に巻き付けた補強繊維上に、あるいは
コンクリート躯体の周囲を補強した鉄板または鋼管の上
に、クリープ状の長繊維を巻き付け、その上からモルタ
ルを塗布するようにしたので、クリープ状長繊維の毛羽
立ちがモルタルに対するメカニカルアンカーとして作用
して、モルタルの接着安定性の向上とひび割れ防止効果
が期待でき、信頼性の高い耐火被覆が可能となる。しか
も、補強繊維や鉄板,鋼管等による補強面に補強クリー
プ状長繊維を巻き付けるだけでモルタル左官仕上げが可
能となるため、在来工法のように、補強面にトンボ付
け、ラス金網を張るという処理を行ってからモルタル左
官仕上げを行う場合に比べ、施工が格段に容易になる。
【0021】また、補強繊維による耐火被覆構造におい
ては、当該補強繊維の巻き付けと同時にクリープ状長繊
維を巻き付けるようにしても、モルタル左官仕上げは十
分に可能であり、より一層の省力化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐火被覆構造におけるクリープ状長繊
維の巻き付けを示した図である。
【図2】本発明の実施の形態例を示すもので、補強繊維
で補強したコンクリート構造体の耐火被覆構造の一例を
示す図である。
【図3】クリープ状長繊維の構成を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態例を示すもので、鉄板で補
強したコンクリート構造体の耐火被覆構造の一例を示す
図である。
【図5】従来のコンクリート構造体の耐火被覆構造を示
す図である。
【符号の説明】
1 鉄筋コンクリート躯体 2 補強繊維(炭素繊
維のストランド) 3 クリープ状の長繊維 3a 心材糸部 3b 立毛糸部 3c 毛羽立ち 4 モルタル 5 鉄板 10 RC躯体 11 炭素繊維シート
(シート状CFRP) 12 金具(トンボ) 13 メタルラス 14 モルタル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小畠 克朗 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (72)発明者 木村 耕三 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (72)発明者 川地 武 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (72)発明者 林 好正 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (72)発明者 小川 晴果 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (72)発明者 三谷 一房 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−151371(JP,A) 実開 平5−14372(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート躯体の周囲に巻き付けた補
    強繊維上に、クリープ状の長繊維を巻き付け、その上か
    らモルタルを塗布したことを特徴とするコンクリート構
    造体の耐火被覆構造。
  2. 【請求項2】 コンクリート躯体の周囲を補強した鉄板
    または鋼管の上に、クリープ状の長繊維を巻き付け、そ
    の上からモルタルを塗布したことを特徴とするコンクリ
    ート構造体の耐火被覆構造。
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