JP3406631B2 - 微生物菌体を固定した活性炭、その製法および用途 - Google Patents

微生物菌体を固定した活性炭、その製法および用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘質物質を生産する微
生物を用い、その粘質物質により微生物菌体を固定化し
た活性炭、その製法および用途、特に、該活性炭を用い
る流体処理剤および被処理物より物質を除去する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】活性炭は種々の物質を吸着する能力があ
るため、廃水処理や臭気物質の除去などに利用されてい
る。また、近年、水道原水の水質の悪化に伴い、活性炭
を用いる高度浄水処理が実用化されつつある。これらの
活性炭には多種類の微生物が自然に生息し、いわゆる生
物活性炭を形成している。これらの微生物は活性炭には
吸着されない物質を資化・分解したり、活性炭の吸着性
能の寿命を延ばすなど、極めて重要な役割を果してい
る。ところが、生物活性炭は自然に形成されるため、生
息する微生物の数と種類はたえず変動しており、安定し
た物質除去性能が得られないことがある。また、生物活
性炭の形成には時間がかかる。
【0003】これまで、微生物菌体を活性炭に固定化し
た例としては、固定化剤としてアルギン酸ナトリウムを
用いて活性汚泥の微生物を活性炭に固定化した例が知ら
れている(特開平1−207193号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の微生物
菌体の活性炭への固定化方法では固定化剤が必要である
ため、工業的には製造コストが高い欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高度浄水
処理施設の生物活性炭から分離した微生物の中に、粘質
物質を生成するシュードモナス属に属する細菌が存在す
ることを知見し、それに基づき鋭意研究の結果、粘質物
質を生産する微生物の培養物を用い、その粘質物質によ
って当該微生物菌体や、必要により他の微生物菌体を活
性炭に固定化させると、微生物菌体固定化活性炭が安価
に得られることを見出した。さらに、得られた微生物菌
体固定化活性炭を用いて有害な物質を除去させることに
も成功し、本研究を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、粘質物質を生産する
能力を有する微生物および該微生物により生産された粘
質物質を担持せしめてなる活性炭を提供するものであ
り、該活性炭は、必要により、さらに、気相、液相の流
体のような被処理物より不要ないしは有害な物質を除去
する能力を有する少なくとも1種の異なる微生物を担持
せしめてもよい。また、本発明は、これらの活性炭の製
法および流体処理剤としての用途も提供するものであ
る。
【0007】本発明において、粘質物質としては、微生
物により生産され、かつ粘性を有するものであればよ
い。該粘質物質としては、例えば多糖類、有機酸の重合
体、蛋白質等が挙げられる。好ましくは、多糖類、有機
酸の重合体である。多糖類としては、ホモグリカン、ヘ
テログリカンが挙げられる。ホモグリカンとしては、例
えばカードラン、パラミロン、パキマン、サイクロデキ
ストリンなどが挙げられる。ヘテログリカンとしては、
例えばキサンタンガム、ヒアルロン酸などが挙げられ
る。また、有機酸の重合体としては、例えばポリアミノ
酸などが挙げられる。粘質物質として特に好ましくは多
糖類である。本発明で用いる粘質物質を生産する能力を
有する微生物としては、その培養物に活性炭を接触させ
ることによって、当該微生物および他の微生物を活性炭
上に担持せしめ、固定化できる粘質物質、例えば、多糖
類、有機酸の重合体(例、ポリアミノ酸)、蛋白質等の粘
質物質を生産できるものであればいずれでもよく、例え
ば、シュードモナス(Pseudomonas)属、バチルス(Bac
illus)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アグ
ロバクテリウム(Agrobacterium)属、ユーグレナ(E
uglena)属、キサントモナス(Xanthomonas)属、アセ
トバクター(Acetobacter)属、グルコノバクター(G
luconobacter)属などに属する微生物を用いることがで
きる。
【0008】特に、多糖類粘質物質を生産するシュード
モナス属の細菌が好ましく、例えば、本発明者らが単離
に成功したシュードモナス・スピーシーズ(Pseudomon
as sp.)TB−113、シュードモナス・スピーシーズ
(Pseudomonas sp.)TB−161などが挙げられる。
これらの細菌は寒天培地上で培養すると固いコロニーを
形成し、液体培地で培養すると凝集物を形成することか
ら粘質物質を生成していることがわかる。
【0009】用いる活性炭としては粘質物質を生成する
微生物の培養物を接触させることによって、その微生物
の菌体を担持し、固定化できるものであればいずれでも
よく、石炭系または木質系のもののいずれでもよい。性
能や取り扱いの容易さから、粒状ないしは粉末状のもの
が好ましい。例えば活性炭が粒状である場合、粒径が1
00μm〜10,000μmのものが好ましい。さらに好
ましくは500μm〜5,000μmのものである。ま
た、活性炭が粉末状である場合、粒径が10μm〜1,0
00μmのものが好ましい。さらに好ましくは50μm〜
500μmのものである。
【0010】本発明では、上記の粘質物質を生産する能
力を有する微生物に加えて、それ以外の異なる微生物を
活性炭に担持させることによって複数の種類の微生物の
菌体を活性炭に固定化させることができる。
【0011】この「異なる微生物」は、粘質物質を生産す
る能力を有する微生物でなく、かつ、その培養物を活性
炭と接触させて、粘質物質を生産する微生物により生産
された粘質物質により、その菌体が活性炭に担持、固定
化されるものであればいずれでもよく、細菌、放射菌、
酵母、糸状菌などが挙げられる。好ましくは細菌であ
る。細菌の例としては、シュードモナス属細菌、コリネ
型細菌(例、アルスロバクター属細菌など)、硝化細菌
(例、ニトロバクター属細菌、ニトロソバクター属細菌
など)、チオバチルス(Thiobacillus)属細菌、バチル
ス(Bacillus)属細菌などが挙げられる。この場合、
物質の分解または資化の能力の高い微生物を用いること
によって、これらの微生物の菌体が固定化された活性炭
は処理すべき物質の分離、除去性能が向上することが期
待される。この「異なる微生物」は1種類でもよいが、2
種類以上でもよく、活性汚泥そのままの形態でもよい。
【0012】本発明の活性炭は、上記の粘質物質を生産
する微生物の培養物と活性炭とを接触させることにより
製造できる。さらに、必要により、同時または別途、上
記異なる微生物の培養物も活性炭に接触させる。
【0013】粘質物質生産能のある微生物の培養物調製
に用いる培地としては、培養が可能であり、粘質物質を
生成せしめることのできるものであればいずれでもよ
い。該培地には、当該微生物が同化し得る炭素源、窒素
源、無機物質、微量栄養源が適宜配合される。炭素源と
しては、例えばブドウ糖、乳糖、ショ糖、麦芽糖、デキ
ストリン、澱粉、グリセリン、マンニトール、ソルビト
ール、油脂類(例、大豆油、ラード油、チキン油な
ど)、n−パラフィンなどが用いられる。窒素源として
は、例えば肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、大豆粉、
コーン・スティープ・リカー、ペプトン、カゼイン、カ
ザミノ酸、綿実粉、廃糖密、尿素、アミノ酸類(例、グ
ルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、リジン、メチ
オニン、プロリンなど)、アンモニウム塩類(例、硫酸
アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、
酢酸アンモニウムなど)などの有機または無機窒素化合
物が用いられる。無機物質としては、例えば、アルカリ
金属(例、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類
金属(例、カルシウム、マグネシウムなど)などを含む
塩類、鉄、マンガン、亜鉛、コバルト、ニッケルなどの
金属塩類、リン酸、ホウ酸などの塩類などが用いられ
る。また、酢酸、プロピオン酸などの有機酸の塩類を適
宜用いてもよい。その他、ペプチド(例、ジペプチド、
トリペプチドなど)、ビタミン類(例、B1、B2、ニコ
チン酸、B12、Cなど)、核酸類(例、プリン、ピリミ
ジン、その誘導体など)等を含有させてもよい。培養
は、静置、振とうまたは通気攪拌のいずれの条件でもよ
い。通常、培養温度は約15℃〜約45℃である。好ま
しくは約20℃〜約37℃である。pHは約6〜約9で
ある。好ましくは約6.8〜約7.5である。培養時間は
約1〜約21日である。好ましくは約3〜約10日であ
る。
【0014】上記の培養で得られる培養物は、通常、培
養液の形態であり、該微生物由来の粘質物質を含有して
おり、活性炭と接触させることによって当該微生物の菌
体が活性炭に担持、固定化される。該微生物の培養物を
活性炭に接触させる方法としては、例えば、活性炭の存
在下で微生物を培養する方法、微生物の培養液に活性炭
を投入し、混合する方法などが挙げられる。このうち活
性炭の存在下で微生物を培養する方法が好ましい。
【0015】異なる微生物の培養物調製に用いる培地お
よび培養条件は特に限定するものではなく、その微生物
について公知の培地および培養条件を適宜選択できる。
該異なる微生物の培養物を活性炭に接触させる方法とし
ては、例えば、上記の粘質物質を生産する能力を有する
微生物と、異なる微生物とを同時に培養してもよく、ま
た、別々に培養し、得られた各々の培養物を混合して活
性炭に接触させてもよい。
【0016】得られた微生物菌体を固定化した本発明の
活性炭は、従来の生物活性炭と同様に、例えば、雰囲気
中の不要ないしは有害な物質の除去に用いることがで
き、特に、気相系、例えば、水相のような液相系の流体
から、その様な物質を除去する流体処理剤として用いら
れる。
【0017】例えば、該流体処理剤を、カラム式、バッ
チ式等の方法で処理すべき気相あるいは液相と接触させ
る。除去される物質としては、不要物質、有害物質、臭
気物質、環境汚染物質などが挙げられ、具体的には窒素
含有化合物(例、アンモニア、窒素酸化物など)、硫黄
含有化合物(例、硫化水素、メチルメルカプタン、イオ
ウ酸化物など)、ジオスミン、2−メチルイソボルネオ
ール、トリハロメタン、各種農薬(例、殺虫剤、殺菌
剤、除草剤、殺そ剤、植物成長調整剤など)などが挙げ
られる。好ましくは、アンモニア、硫化水素、メチルメ
ルカプタン、ジオスミン、2−メチルイソボルネオール
などである。
【0018】例えば、除去される物質がアンモニアであ
る場合、異なる微生物としては、例えばアルスロバクタ
ー属細菌、シュードモナス属細菌、バチルス属細菌、ニ
トロバクター属細菌、ニトロソモナス属細菌などが用い
られる。また、除去される物質が硫化水素またはメチル
メルカプタン等である場合、異なる微生物としては、例
えばチオバチルス属細菌などが用いられる。さらに、除
去される物質が、ジオスミンまたは2−メチルイソボル
ネオール等である場合、異なる物質としては、例えばシ
ュードモナス属細菌、バチルス属細菌などが用いられ
る。本発明中の活性炭および該活性炭を含有してなる流
体処理剤は、例えば高度浄水処理用、悪臭除去用、水質
汚濁除去用などとして安全に用いることができる。
【0019】本発明の活性炭の使用量は、処理すべき流
体の種類、量等および除去される物質の種類、量等によ
り著しく異なるが、例えば水相からアンモニアを除去す
る場合、好ましくは、水1リットルに対し、約1g〜約
500gが用いられる。さらに好ましくは、水1リット
ルに対して、約6g〜約150gが用いられる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 高度浄水処理の粒状活性炭層から採取した活性炭(1g)
を滅菌蒸留水(3ml)に懸濁させ、フラッシュミキサーで
10分間攪拌して活性炭に付着している微生物を遊離、
懸濁させた。得られた懸濁液を希釈し、SCD培地(日
本製薬製)を10倍に希釈した培地(1/10SCD培
地)を寒天培地にして塗抹し、25℃で14日間培養し
た。その結果、多種類の細菌のコロニーが出現したが、
その中でシュードモナス属細菌とコリネ型細菌が大多数
を占めていた。このコロニーの中に、固くはりついたゲ
ル状のコロニー(固いコロニー)を形成する細菌が数株見
出された。これらの細菌の多くは1/100SCD培地
で液体培養すると凝集物を形成し、粘質物を生成してい
ることがわかった。これらの粘質物生成細菌はバージー
ス・マニュアル・オブ・システマチック・バクテリオロ
ジー(Bergey’s Manual of Systematic Bacter
iology,Vol.1〜4(1984〜1989年)に従い、
いずれもシュードモナス(Pseudomonas)属と同定され、
それぞれシュードモナス・スピーシーズ(Pseudomonas
sp.)TB−113およびシュードモナス・スピーシ
ーズ(Pseudomonas sp.)TB−161と命名した。
該TB−113は、平成5年2月2日に財団法人発酵研
究所(IFO)に受託番号IFO15433として、ま
た平成5年2月8日に通商産業省工業技術院生命工学工
業技術研究所(NIBH)に受託番号FERMP−13
415としてそれぞれ寄託されている。TB−161
は、平成5年2月2日に財団法人発酵研究所(IFO)
に受託番号IFO 15434として寄託されている。
以下にTB−113およびTB−161の性状を示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】注] 1) ポリ−β−ヒドロキシブチレート 2) ビタミン要求性:ビオチン0.2μg、パントテン酸
カルシウム40μg、葉酸0.2μg、イノシトール20
0μg、ナイアシン40μg、p−アミノ安息香酸20μ
g、塩酸ピリドキシン40μg、リボフラビン40μg、
塩酸チアミン20μg、コリン100μg、シアノコバラ
ミン0.002μg/ml アミノ酸要求性:ビタミン不含カサミノ酸(ディフコ)0.
25g/1リットル 記号の説明 +:陽性 +W:弱い陽性 −:陰性 TB−161は生育にビタミンを要求するが、オキシダ
ーゼ陽性なのでシュードモナス・スピーシーズと同定し
た。
【0026】シュードモナス・スピーシーズTB−11
3を1/10SCD培地で28℃で3日間振とう培養す
ると凝集物が生成した。この凝集物を取り出して水洗
し、走査型電子顕微鏡で観察したところ、多数の同菌体
と、ネット状物質が見られた。この凝集物は95℃で加
熱すると可溶化し、放冷すると寒天のようにゲル状に凝
固した。加熱処理と遠心分離によって菌体を除去した凝
集物(粘質物質)はフェノール硫酸で発色し、その加水分
解物は硝酸銀で発色したところから、多糖類粘質物質と
判明した。
【0027】実施例2 1/10SCD培地(実施例1参照)の寒天培地上に生育
させたシュードモナス・スピーシーズTB−113を3
0mlの1/10SCD培地(200ml容三角フラスコ中)
に接種し、28℃で24時間振とう下(220rpm)で培
養した。1リットル容三角フラスコに250mlの1/1
00SCD培地(100倍に希釈したSCD培地)と50
gの石炭系粒状活性炭(粒状白鷺、武田薬品)を入れ、1
20℃で20分間滅菌し、冷却した。この1リットル
容三角フラスコに上記の培養液1.25mlを移し、28
℃で3〜7日間振とう下(80rpm)で培養した。培養
後、活性炭を取出し、水洗して走査型電子顕微鏡で観察
したところ、ネット状物質(バイオフィルム)と同細菌が
活性炭表面に付着していることが認められ、菌体を担
持、固定化した活性炭が出来ていることがわかった。
【0028】実施例3 実施例2と同様の方法で30mlの1/10SCD培地を
含む200ml容三角フラスコで培養して得られたシュー
ドモナス・スピーシーズTB−113の培養液1.25m
lと、アルスロバクター・スピーシーズ(Arthrobacter
sp.)TB−122a(実施例1で分離)の培養液2.5ml
を250mlの1/100SCD培地と50gの石炭系粒
状活性炭を含む1リットル容三角フラスコに移し、28
℃で3〜7日間振とう下で培養した。培養後、活性炭を
取出し、水洗して走査型電子顕微鏡で観察したところ、
ネット状物質と上記の2種類の細菌が活性炭表面に付着
していることが認められ、2種類の細菌の菌体を固定化
した活性炭ができていることがわかった。上記TB−1
22aは、平成5年2月2日に財団法人発酵研究所(I
FO)に受託番号IFO 15432として、また平成
5年2月8日に通商産業省工業技術院生命工学工業技術
研究所(NIBH)に受託番号FERMP−13414
としてそれぞれ寄託されている。TB−122aの性状
を以下に示す。
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】注] 各記号は表1〜4と同意義である。 実施例4 実施例3で得られた微生物菌体と固定化した活性炭をカ
ラムにつめ(約150ml、内径2.5cm、高さ約30c
m)、0.025%グルコース水溶液(450ml)で洗浄し
たのち、1μg/mlの硫酸アンモニウムを含む0.025
%グルコース水溶液を210ml/時間(SV1.4)で通
水した。溶出液のアンモニア性窒素の濃度をニトロプル
シッドを用いるインドフェノール法(生化学領域におけ
る光電比色法各論2、南江堂、1958年、46ページ
参照)の改良法を用いて測定したところ、約30%のア
ンモニア性窒素が除去されていた。一方、微生物菌体を
除去していない活性炭で同様の実験を行ったところ、ア
ンモニア性窒素は全く除去されていなかった。
【0032】
【発明の効果】粘質物質を生成する能力を有する微生物
およびその粘質物質と、必要によりその他の微生物とを
活性炭に担持させることにより、微生物菌体を固定化し
た活性炭を安価に製造できる様になった。得られた活性
炭は高い物質除去能力を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 3/34 C12N 11/14 C12N 11/08 11/02 11/14 B01D 53/34 116A // C12N 11/02 (56)参考文献 特開 平5−237326(JP,A) 特開 平1−207193(JP,A) 特開 昭62−296878(JP,A) 特開 平5−192146(JP,A) 特開 昭59−196090(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 31/08 B01D 53/38 C02F 3/00 - 3/34 C12N 11/00 - 13/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘質物質を生産する能力を有する微生物
    および該微生物により生産された粘質物質を担持せしめ
    てなる活性炭。
  2. 【請求項2】 さらに、被処理物より物質を除去する能
    力を有する少なくとも1種の異なる微生物を担持せしめ
    てなる請求項1記載の活性炭。
  3. 【請求項3】 粘質物質が多糖類またはポリアミノ酸で
    ある請求項1または2記載の活性炭。
  4. 【請求項4】 粘質物質を生産する能力を有する微生物
    がシュードモナス属に属する微生物である請求項1また
    は2記載の活性炭。
  5. 【請求項5】 微生物がシュードモナス・スピーシーズ
    TB−113である請求項4記載の活性炭。
  6. 【請求項6】 微生物がシュードモナス・スピーシーズ
    TB−161である請求項4記載の活性炭。
  7. 【請求項7】 被処理物が流体であり、除去される物質
    が不要物質ないし有害物質である請求項2記載の活性
    炭。
  8. 【請求項8】 異なる微生物が、シュードモナス属細
    菌、コリネ型細菌、硝化細菌、チオバチルス属細菌およ
    び/またはバチルス属細菌である請求項2記載の活性
    炭。
  9. 【請求項9】 粒状または粉末状である請求項1または
    2記載の活性炭。
  10. 【請求項10】 粘質物質を生産する能力を有する微生
    物の培養物を活性炭と接触させて担持せしめることを特
    徴とする請求項1記載の活性炭の製法。
  11. 【請求項11】 粘質物質を生産する能力を有する微生
    物の培養物と、物質を除去する能力を有する少なくとも
    1種の異なる微生物の培養物とを活性炭と接触させて担
    持せしめることを特徴とする請求項2記載の活性炭の製
    法。
  12. 【請求項12】 請求項1または2記載の活性炭を含有
    してなる流体処理剤。
  13. 【請求項13】 流体が液相である請求項12記載の流
    体処理剤。
  14. 【請求項14】 流体が気相である請求項12記載の流
    体処理剤。
  15. 【請求項15】 高度浄水処理用である請求項12記載
    の流体処理剤。
  16. 【請求項16】 悪臭除去用である請求項12記載の流
    体処理剤。
  17. 【請求項17】 水質汚濁除去用である請求項12記載
    の流体処理剤。
  18. 【請求項18】 流体と請求項12記載の流体処理剤と
    を接触せしめることを特徴とする流体の処理法。
JP02788093A 1993-02-17 1993-02-17 微生物菌体を固定した活性炭、その製法および用途 Expired - Fee Related JP3406631B2 (ja)

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