JP3404865B2 - 赤血球の酸素解離、会合モニタ−方法及び装置 - Google Patents
赤血球の酸素解離、会合モニタ−方法及び装置Info
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- JP3404865B2 JP3404865B2 JP02658194A JP2658194A JP3404865B2 JP 3404865 B2 JP3404865 B2 JP 3404865B2 JP 02658194 A JP02658194 A JP 02658194A JP 2658194 A JP2658194 A JP 2658194A JP 3404865 B2 JP3404865 B2 JP 3404865B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤血球と赤血球を酸化
し得る気体及び赤血球を還元し得る気体を接触させるこ
とにより、該赤血球の酸素解離、会合をモニタ−する方
法及び装置に関するものである。
し得る気体及び赤血球を還元し得る気体を接触させるこ
とにより、該赤血球の酸素解離、会合をモニタ−する方
法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】赤血球の主たる機能は、組織への酸素の
運搬であり、この運搬能力は一般に酸素分圧下における
ヘモグロビンの吸光度変化を測定し、酸素解離、会合曲
線を測定することで検査し得る。このような赤血球の酸
素解離、会合曲線の測定は、貧血の検査や輸血用保存血
液の能力(鮮度)の判定には欠かせないものである。
運搬であり、この運搬能力は一般に酸素分圧下における
ヘモグロビンの吸光度変化を測定し、酸素解離、会合曲
線を測定することで検査し得る。このような赤血球の酸
素解離、会合曲線の測定は、貧血の検査や輸血用保存血
液の能力(鮮度)の判定には欠かせないものである。
【0003】赤血球の酸素解離、会合曲線の測定は、例
えば特開昭55−23485号に記載された方法等によ
って測定することができる。この方法では、赤血球を少
量入れた等張液を透明な容器に入れ、空気又は窒素ガス
を容器下部から吹き込み、攪拌することで赤血球の酸
化、還元を生じさせ、同時に容器内の赤血球溶液の溶存
酸素や吸光度を測定し、X−Yレコ−ダによって酸素置
換特性を測定するものである。
えば特開昭55−23485号に記載された方法等によ
って測定することができる。この方法では、赤血球を少
量入れた等張液を透明な容器に入れ、空気又は窒素ガス
を容器下部から吹き込み、攪拌することで赤血球の酸
化、還元を生じさせ、同時に容器内の赤血球溶液の溶存
酸素や吸光度を測定し、X−Yレコ−ダによって酸素置
換特性を測定するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記したような従来の
方法では、容器内の赤血球溶液の平衡化に時間がかかる
ため、1回の測定当たり40分程度の時間が必要であ
り、例えば緊急検体に対処できない等の課題や、操作が
複雑で、かつ熟練が必要である等の課題がある。また、
測定毎に容器を洗浄する必要があるため、多数の検体に
は対処し難いという課題もある。
方法では、容器内の赤血球溶液の平衡化に時間がかかる
ため、1回の測定当たり40分程度の時間が必要であ
り、例えば緊急検体に対処できない等の課題や、操作が
複雑で、かつ熟練が必要である等の課題がある。また、
測定毎に容器を洗浄する必要があるため、多数の検体に
は対処し難いという課題もある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前述の従来
技術の課題に鑑みて鋭意研究を行った結果、人工心肺や
人工エラ等に利用されているガス透過性に優れた中空糸
膜を利用することにより、短時間で赤血球の酸素解離、
会合曲線を測定(モニタ−)する方法及び装置を完成す
るに至った。
技術の課題に鑑みて鋭意研究を行った結果、人工心肺や
人工エラ等に利用されているガス透過性に優れた中空糸
膜を利用することにより、短時間で赤血球の酸素解離、
会合曲線を測定(モニタ−)する方法及び装置を完成す
るに至った。
【0006】即ち本発明は、ガス透過性に優れた中空糸
膜を介し、等張液に分散した赤血球溶液と該溶液中の赤
血球を酸化し得る気体及び赤血球を還元し得る気体を接
触させることを特徴とする、赤血球の酸素解離、会合モ
ニタ−方法である。また本発明は、少なくとも1つのガ
ス透過性に優れた中空糸膜を有する中空糸膜モジュ−ル
と該モジュ−ルに赤血球を酸化し得る気体及び赤血球を
還元し得る気体を供給する手段及び該中空糸膜内に等張
液に分散した赤血球溶液を供給する手段を供えたことを
特徴とする赤血球の酸素解離、会合モニタ−装置であ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
膜を介し、等張液に分散した赤血球溶液と該溶液中の赤
血球を酸化し得る気体及び赤血球を還元し得る気体を接
触させることを特徴とする、赤血球の酸素解離、会合モ
ニタ−方法である。また本発明は、少なくとも1つのガ
ス透過性に優れた中空糸膜を有する中空糸膜モジュ−ル
と該モジュ−ルに赤血球を酸化し得る気体及び赤血球を
還元し得る気体を供給する手段及び該中空糸膜内に等張
液に分散した赤血球溶液を供給する手段を供えたことを
特徴とする赤血球の酸素解離、会合モニタ−装置であ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明では、ガス透過性に優れた中空糸
膜、好ましくはシリコン製中空糸膜を使用する。このよ
うな中空糸膜は、従来、人工心肺や人工エラ装置等に使
用されている。そして本発明は、等張液に分散した赤血
球溶液の酸素解離、会合が該溶液の受ける酸素分圧の作
用により行われることを利用し、該溶液を中空糸膜を通
過させつつ、酸素解離の場合には赤血球を還元し得る、
例えば窒素ガス等の気体を、酸素会合の場合には赤血球
を酸化し得る、例えば空気等の気体を該中空糸膜を介し
て接触させ、赤血球を酸化、還元させ、この時の赤血球
(ヘモグロビン)の吸光度及び赤血球溶液の溶存酸素濃
度を測定しようとするものである。
膜、好ましくはシリコン製中空糸膜を使用する。このよ
うな中空糸膜は、従来、人工心肺や人工エラ装置等に使
用されている。そして本発明は、等張液に分散した赤血
球溶液の酸素解離、会合が該溶液の受ける酸素分圧の作
用により行われることを利用し、該溶液を中空糸膜を通
過させつつ、酸素解離の場合には赤血球を還元し得る、
例えば窒素ガス等の気体を、酸素会合の場合には赤血球
を酸化し得る、例えば空気等の気体を該中空糸膜を介し
て接触させ、赤血球を酸化、還元させ、この時の赤血球
(ヘモグロビン)の吸光度及び赤血球溶液の溶存酸素濃
度を測定しようとするものである。
【0008】前述のシリコン製中空糸膜の中でも、膜厚
の薄いものが好ましい。後の実施例に示すように、具体
的には膜厚40μm 以下のものが好ましく、膜厚20μm 以
下のものが特に好ましい。膜厚が薄くなるに従って、赤
血球溶液を酸化又は還元し得る気体との接触による反応
時間を短縮することができ、従って中空糸膜内の赤血球
溶液の流速を早めることが可能であるから、結果的に測
定時間を短縮し得るのである。しかしながら一方で、膜
厚を極端に薄くすると耐圧性が低下し、内部を通過させ
る赤血球溶液の流速を早めることが困難となることか
ら、前記20μm 程度が最も好ましい。
の薄いものが好ましい。後の実施例に示すように、具体
的には膜厚40μm 以下のものが好ましく、膜厚20μm 以
下のものが特に好ましい。膜厚が薄くなるに従って、赤
血球溶液を酸化又は還元し得る気体との接触による反応
時間を短縮することができ、従って中空糸膜内の赤血球
溶液の流速を早めることが可能であるから、結果的に測
定時間を短縮し得るのである。しかしながら一方で、膜
厚を極端に薄くすると耐圧性が低下し、内部を通過させ
る赤血球溶液の流速を早めることが困難となることか
ら、前記20μm 程度が最も好ましい。
【0009】一方、同じ膜厚の中空糸膜の場合、同一長
さの中空糸膜であれば使用する本数を多くするか、ある
いは、同一本数の中空糸膜であればより長いものを使用
することで前記気体との接触面積(膜面積)を大きし、
もって反応時間の短縮を図ることも可能であるが、この
場合には装置が大型化してしまうため、装置を小型化し
得るという面でも膜厚の薄い中空糸膜を使用することが
好ましい。
さの中空糸膜であれば使用する本数を多くするか、ある
いは、同一本数の中空糸膜であればより長いものを使用
することで前記気体との接触面積(膜面積)を大きし、
もって反応時間の短縮を図ることも可能であるが、この
場合には装置が大型化してしまうため、装置を小型化し
得るという面でも膜厚の薄い中空糸膜を使用することが
好ましい。
【0010】中空糸膜は、通常、その多数を束ねて使用
するが、束の本数に特別の制限はなく、使用する中空糸
膜の膜厚、内径、長さ等を検討のうえ決定すれば良い。
実施例に示すように、膜厚20〜40μm 、内径170 −210
μm 、120mm 程度の中空糸膜を使用する場合には、100
本程度とすることが効率上最も良い。なお本発明の装置
においては、後の実施例で示すように、多数の中空糸膜
を束て殻の中に配置し、モジュ−ルとして使用する。
するが、束の本数に特別の制限はなく、使用する中空糸
膜の膜厚、内径、長さ等を検討のうえ決定すれば良い。
実施例に示すように、膜厚20〜40μm 、内径170 −210
μm 、120mm 程度の中空糸膜を使用する場合には、100
本程度とすることが効率上最も良い。なお本発明の装置
においては、後の実施例で示すように、多数の中空糸膜
を束て殻の中に配置し、モジュ−ルとして使用する。
【0011】赤血球(ヘモグロビン)を酸化し得る気体
としては、空気が例示できる。むろん、酸素濃度が空気
以上のものを使用しても良いが、ヘモグロビンの酸素会
合特性を考慮したうえでコストや装置の構成を考えた場
合、空気が最も好ましい。例えば酸素濃度の高い気体を
使用する場合、これを中空糸膜モジュ−ルに供給するボ
ンベ等が必要となる。一方赤血球(ヘモグロビン)を還
元し得る気体としてはヘリウムガスや窒素ガスが例示で
きるが、コストの面等から窒素ガスが最も好ましい。
としては、空気が例示できる。むろん、酸素濃度が空気
以上のものを使用しても良いが、ヘモグロビンの酸素会
合特性を考慮したうえでコストや装置の構成を考えた場
合、空気が最も好ましい。例えば酸素濃度の高い気体を
使用する場合、これを中空糸膜モジュ−ルに供給するボ
ンベ等が必要となる。一方赤血球(ヘモグロビン)を還
元し得る気体としてはヘリウムガスや窒素ガスが例示で
きるが、コストの面等から窒素ガスが最も好ましい。
【0012】本発明では、中空糸膜を使用することで、
従来方法と比較して赤血球と赤血球を酸化し得る気体又
は赤血球を還元し得る気体との酸化、還元反応を迅速に
行い得ることから、中空糸膜内を通過する赤血球溶液の
流速を早めることが可能である。この結果、中空糸膜中
で酸化された赤血球溶液を早い流速で溶存酸素測定手段
へ移送することが可能となる。通常、溶存酸素測定に使
用される溶存酸素計は反応応答性が悪いが、溶存酸素計
に導入される液体の流速が早いほど、応答性は改善され
る。従って、可能な範囲で流速を早めることが好まし
い。本発明者の知見によれば、具体的に、膜厚80μm の
中空糸膜を使用した場合には1ml /分程度の流速を達成
でき、膜厚20μm の中空糸膜を使用した場合には2.5 ml
/分程度の流速を達成できる。このように、特に2.5ml
/分程度の流速を達成することで、1検体当たりの処理
時間を短縮し、かつ、精度、再現性の良い結果を得るこ
とができる。
従来方法と比較して赤血球と赤血球を酸化し得る気体又
は赤血球を還元し得る気体との酸化、還元反応を迅速に
行い得ることから、中空糸膜内を通過する赤血球溶液の
流速を早めることが可能である。この結果、中空糸膜中
で酸化された赤血球溶液を早い流速で溶存酸素測定手段
へ移送することが可能となる。通常、溶存酸素測定に使
用される溶存酸素計は反応応答性が悪いが、溶存酸素計
に導入される液体の流速が早いほど、応答性は改善され
る。従って、可能な範囲で流速を早めることが好まし
い。本発明者の知見によれば、具体的に、膜厚80μm の
中空糸膜を使用した場合には1ml /分程度の流速を達成
でき、膜厚20μm の中空糸膜を使用した場合には2.5 ml
/分程度の流速を達成できる。このように、特に2.5ml
/分程度の流速を達成することで、1検体当たりの処理
時間を短縮し、かつ、精度、再現性の良い結果を得るこ
とができる。
【0013】本発明において使用する赤血球溶液として
は、例えば血液等を、例えば9gの塩化ナトリウムに注射
用蒸留水を加えて1000mlとしたような生理食塩水等の通
常の等張液に溶解(分散)してその崩壊を防止したもの
であれば特に制限なく使用することができるが、20μl
程度の血液を10ml程度の等張液に分散することが好まし
い。なお、赤血球の本来の酸素解離、会合特性を知るた
めには、赤血球を生体内と同様の環境下に保持した状態
で測定する必要がある。中でも温度、pHは、赤血球の酸
素解離、会合に特に影響を与え得ることから、少なくと
もこれら条件が生体と同一となるように、赤血球を分散
する等張液の温度、pHを厳密に管理することが特に好ま
しい。例えば人の赤血球について測定する場合には、37
℃、pH7.4 とすることが好ましく例示できる。また、後
に説明する本発明の装置については、例えば赤血球溶液
が通過する部分を一定温度に制御するような機構を設け
ることが好ましい。
は、例えば血液等を、例えば9gの塩化ナトリウムに注射
用蒸留水を加えて1000mlとしたような生理食塩水等の通
常の等張液に溶解(分散)してその崩壊を防止したもの
であれば特に制限なく使用することができるが、20μl
程度の血液を10ml程度の等張液に分散することが好まし
い。なお、赤血球の本来の酸素解離、会合特性を知るた
めには、赤血球を生体内と同様の環境下に保持した状態
で測定する必要がある。中でも温度、pHは、赤血球の酸
素解離、会合に特に影響を与え得ることから、少なくと
もこれら条件が生体と同一となるように、赤血球を分散
する等張液の温度、pHを厳密に管理することが特に好ま
しい。例えば人の赤血球について測定する場合には、37
℃、pH7.4 とすることが好ましく例示できる。また、後
に説明する本発明の装置については、例えば赤血球溶液
が通過する部分を一定温度に制御するような機構を設け
ることが好ましい。
【0014】以下、本発明のモニタ−装置の一例につい
て図面に基づき説明すると共に、本発明のモニタ−方法
についてより詳細に説明する。
て図面に基づき説明すると共に、本発明のモニタ−方法
についてより詳細に説明する。
【0015】図1はぞれぞれが中空糸膜を有する2個の
中空糸膜モジュ−ルと、それぞれの中空糸膜モジュ−ル
に赤血球(ヘモグロビン)を酸化し得る気体又は赤血球
(ヘモグロビン)を還元し得る気体を供給する手段を備
えた、赤血球の酸素解離、会合モニタ−装置である。
中空糸膜モジュ−ルと、それぞれの中空糸膜モジュ−ル
に赤血球(ヘモグロビン)を酸化し得る気体又は赤血球
(ヘモグロビン)を還元し得る気体を供給する手段を備
えた、赤血球の酸素解離、会合モニタ−装置である。
【0016】回転及び上下運動機構を有するサンプリン
グア−ムは、所定量(25μl )の血液(1)を取得後、
所定量(10ml)の生理食塩水(2)を取得し、等張液に
分散された赤血球溶液を調製する。サンプリングア−ム
で取得された赤血球溶液は、電磁弁(5)を経由してシ
リンジポンプ(6)により吸引される際に中空糸膜モジ
ュ−ル(4)を通過する。シリンジポンプ(6)の吸引
速度は任意に設定し得る。前述の通り、中空糸膜モジュ
−ルの膜厚、内径等により制限される範囲内で、できる
だけ中空糸膜内を通過する赤血球溶液の流速を早めると
良いが、本例の装置では、流速を1 ml/分程度とし、1
検体の処理に要する時間を5 分程度に短縮している。
グア−ムは、所定量(25μl )の血液(1)を取得後、
所定量(10ml)の生理食塩水(2)を取得し、等張液に
分散された赤血球溶液を調製する。サンプリングア−ム
で取得された赤血球溶液は、電磁弁(5)を経由してシ
リンジポンプ(6)により吸引される際に中空糸膜モジ
ュ−ル(4)を通過する。シリンジポンプ(6)の吸引
速度は任意に設定し得る。前述の通り、中空糸膜モジュ
−ルの膜厚、内径等により制限される範囲内で、できる
だけ中空糸膜内を通過する赤血球溶液の流速を早めると
良いが、本例の装置では、流速を1 ml/分程度とし、1
検体の処理に要する時間を5 分程度に短縮している。
【0017】シリンジポンプ(6)は、赤血球溶液をを
吸引してなお余力のある程度の内容積のものを使用する
が、本例では10mlとしてある。なお、当然のことなが
ら、シリンジポンプに代えて他の形式のポンプを使用す
ることができる。また一連の操作を完了した後に、サン
プリングア−ム(3)を生理食塩水(2)に浸し、シリ
ンジポンプを稼働することで、中空糸膜モジュ−ルやそ
の他の導管の洗浄を行い得る。
吸引してなお余力のある程度の内容積のものを使用する
が、本例では10mlとしてある。なお、当然のことなが
ら、シリンジポンプに代えて他の形式のポンプを使用す
ることができる。また一連の操作を完了した後に、サン
プリングア−ム(3)を生理食塩水(2)に浸し、シリ
ンジポンプを稼働することで、中空糸膜モジュ−ルやそ
の他の導管の洗浄を行い得る。
【0018】図1では、同様の中空糸膜モジュ−ル
(4)及び(12)を使用するが、これら中空糸膜モジ
ュ−ルの詳細は図2の通りである。本例では膜厚80μm
、内径170 μm 、長さ60mmのシリコン製中空糸膜(2
2)を200 本(中空糸膜の総表面積は64cm2 )束ねた構
成とした。各中空糸膜(22)は、アクリル樹脂製のハ
ウジング(21)に収納され、シリコンシ−ル(23)
により固定されている。この中空糸膜モジュ−ルは、ガ
ス流入ポ−ト及びガス流出ポ−ト(24、25)及び赤
血球溶液導入口及び排出口(26,27)を有してい
る。
(4)及び(12)を使用するが、これら中空糸膜モジ
ュ−ルの詳細は図2の通りである。本例では膜厚80μm
、内径170 μm 、長さ60mmのシリコン製中空糸膜(2
2)を200 本(中空糸膜の総表面積は64cm2 )束ねた構
成とした。各中空糸膜(22)は、アクリル樹脂製のハ
ウジング(21)に収納され、シリコンシ−ル(23)
により固定されている。この中空糸膜モジュ−ルは、ガ
ス流入ポ−ト及びガス流出ポ−ト(24、25)及び赤
血球溶液導入口及び排出口(26,27)を有してい
る。
【0019】図1において、中空糸膜モジュ−ルのガス
流入又は流出ポ−トには、電磁弁(7)又は(8)を介
して空気又は窒素ガスが供給される。本図では、ダイヤ
フラム(9)によって発生し、流量制御バルブ(10)
により10ml/分程度に調節された空気又は流量制御バル
ブ(11)により10ml/分程度に調節された窒素ガスが
供給される。
流入又は流出ポ−トには、電磁弁(7)又は(8)を介
して空気又は窒素ガスが供給される。本図では、ダイヤ
フラム(9)によって発生し、流量制御バルブ(10)
により10ml/分程度に調節された空気又は流量制御バル
ブ(11)により10ml/分程度に調節された窒素ガスが
供給される。
【0020】赤血球溶液がシリンジポンプ(6)で吸引
されて中空糸膜モジュ−ル(4)を通過する際に、まず
空気を供給して酸化反応(酸素会合)させ、後にシリン
ジポンプ(6)から押し出されて中空糸膜モジュ−ル
(12)を通過する際に窒素ガスを供給して還元反応
(酸素解離)させる。この時の溶存酸素濃度、吸光度
を、それぞれフロ−型酸素センサ(13)、吸光度計
(15)で検出する。フロ−型酸素センサ(13)及び
吸光度計(15)からの出力は、増幅器(16、17)
で増幅された後、A/Dコンバ−タ(18)でデジタル
化され、コンピュ−タ−(19)に入力される。なお、
増幅器としてはログアンプ等を内臓したタイプのものを
使用することができ、また本例では2チャンネルタイプ
のA/Dコンバ−タ−を使用しているが1チャンネルタ
イプのものを2台使用しても良い。この出力からは、酸
素解離曲線を得ることができる。
されて中空糸膜モジュ−ル(4)を通過する際に、まず
空気を供給して酸化反応(酸素会合)させ、後にシリン
ジポンプ(6)から押し出されて中空糸膜モジュ−ル
(12)を通過する際に窒素ガスを供給して還元反応
(酸素解離)させる。この時の溶存酸素濃度、吸光度
を、それぞれフロ−型酸素センサ(13)、吸光度計
(15)で検出する。フロ−型酸素センサ(13)及び
吸光度計(15)からの出力は、増幅器(16、17)
で増幅された後、A/Dコンバ−タ(18)でデジタル
化され、コンピュ−タ−(19)に入力される。なお、
増幅器としてはログアンプ等を内臓したタイプのものを
使用することができ、また本例では2チャンネルタイプ
のA/Dコンバ−タ−を使用しているが1チャンネルタ
イプのものを2台使用しても良い。この出力からは、酸
素解離曲線を得ることができる。
【0021】更に、同様のフロ−において、中空糸膜モ
ジュ−ル(4)を通過する際にまず窒素ガスを供給して
還元反応(酸素解離)させ、後にシリンジポンプ(6)
から押し出されて中空糸膜モジュ−ル(12)を通過す
る際に空気を供給して酸化反応(酸素会合)させれば、
酸素センサ−及び吸光度計の信号から酸素会合曲線を得
ることができる。
ジュ−ル(4)を通過する際にまず窒素ガスを供給して
還元反応(酸素解離)させ、後にシリンジポンプ(6)
から押し出されて中空糸膜モジュ−ル(12)を通過す
る際に空気を供給して酸化反応(酸素会合)させれば、
酸素センサ−及び吸光度計の信号から酸素会合曲線を得
ることができる。
【0022】酸素センサ−(13)と吸光度計(15)
の間は、遅れ時間補償用チュ−ブ(14)で連絡されて
おり、酸素センサ−と吸光度計の応答時間のズレを補償
し得る構成となっている。ここで吸光度計は赤血球粒子
による反射や散乱の影響を除くと共に、バックグランド
の影響をも排除し得るように、好ましく二波長検出器を
使用し、赤血球の酸化、還元による吸光度変化が最も大
きい558 nmを測定波長と、赤血球の酸化、還元による吸
光度変化が小さい、いわゆる等吸収波長である568 nmを
基準波長として選択している(図3に、酸素存在下又は
酸素非存在下における血液(赤血球)の吸光度特性を示
す)。
の間は、遅れ時間補償用チュ−ブ(14)で連絡されて
おり、酸素センサ−と吸光度計の応答時間のズレを補償
し得る構成となっている。ここで吸光度計は赤血球粒子
による反射や散乱の影響を除くと共に、バックグランド
の影響をも排除し得るように、好ましく二波長検出器を
使用し、赤血球の酸化、還元による吸光度変化が最も大
きい558 nmを測定波長と、赤血球の酸化、還元による吸
光度変化が小さい、いわゆる等吸収波長である568 nmを
基準波長として選択している(図3に、酸素存在下又は
酸素非存在下における血液(赤血球)の吸光度特性を示
す)。
【0023】酸素センサ−(13)及び吸光度計(1
5)からの、増幅され、デジタル化された出力信号は、
コンピュ−タ−(19)において処理されるが、本例で
は、この際、酸素センサ−の応答時間遅れ補正、補償用
チュ−ブ(14)による時間遅延微補償が行われると共
に、酸化、還元時の吸光度が記憶され、その差が0 〜10
0 %に換算され、酸素会合又は酸素解離曲線としてX−
Yプロッタ(20)に出力されるように構成してある。
図4に、本構成の装置によりえら得た酸素解離曲線を示
す。
5)からの、増幅され、デジタル化された出力信号は、
コンピュ−タ−(19)において処理されるが、本例で
は、この際、酸素センサ−の応答時間遅れ補正、補償用
チュ−ブ(14)による時間遅延微補償が行われると共
に、酸化、還元時の吸光度が記憶され、その差が0 〜10
0 %に換算され、酸素会合又は酸素解離曲線としてX−
Yプロッタ(20)に出力されるように構成してある。
図4に、本構成の装置によりえら得た酸素解離曲線を示
す。
【0024】なおコンピュ−タ−(19)は、以上のよ
うな計算手段として機能以外に、例えば電磁弁やサンプ
リングア−ム等の制御を行うための制御手段としての機
能を担わせることも可能であり、この場合、検体(血液
試料)を所定のサンプリング位置にセットするだけで自
動的に赤血球の酸素解離又は酸素会合曲線を出力する、
自動装置とすることが可能である。
うな計算手段として機能以外に、例えば電磁弁やサンプ
リングア−ム等の制御を行うための制御手段としての機
能を担わせることも可能であり、この場合、検体(血液
試料)を所定のサンプリング位置にセットするだけで自
動的に赤血球の酸素解離又は酸素会合曲線を出力する、
自動装置とすることが可能である。
【0025】以上、図1に示した装置の例では、サンプ
リングア−ムによるサンプリング位置に検体を自動的に
導入する構成を付加することにより、洗浄操作を含む全
ての測定操作を自動的に実施する装置をも提供し得る。
リングア−ムによるサンプリング位置に検体を自動的に
導入する構成を付加することにより、洗浄操作を含む全
ての測定操作を自動的に実施する装置をも提供し得る。
【0026】本発明のモニタ−装置の他の一例として、
次のような構成の装置を例示することができる。即ち、
図1の構成を有する装置において、一方の中空糸膜モジ
ュ−ル(4)を省略したものである。このような装置で
は、例えば、一旦シリンジポンプ(6)に蓄積した赤血
球溶液を中空糸膜モジュ−ル(12)供給する際、中空
糸膜モジュ−ルに供給する気体を切り換えることで酸素
解離又は会合曲線を得ることができる。
次のような構成の装置を例示することができる。即ち、
図1の構成を有する装置において、一方の中空糸膜モジ
ュ−ル(4)を省略したものである。このような装置で
は、例えば、一旦シリンジポンプ(6)に蓄積した赤血
球溶液を中空糸膜モジュ−ル(12)供給する際、中空
糸膜モジュ−ルに供給する気体を切り換えることで酸素
解離又は会合曲線を得ることができる。
【0027】具体的には、例えば、赤血球溶液を連続的
に供給しつつ、まず中空糸膜モジュ−ル(12)に空気
を供給して赤血球を酸化し、後に窒素ガスを供給して赤
血球を還元すれば、赤血球の酸素解離曲線を得ることが
できる。この逆、つまりまず中空糸膜モジュ−ル(1
2)に窒素ガスを供給して赤血球を還元し、後に空気を
供給して赤血球を酸化すれば、赤血球の酸素会合曲線を
得ることができる。また前記同様、コンピュ−タ−(1
9)により酸化、還元時の吸光度を記憶するように構成
すれば、その差を0 〜100 %に換算し、酸素解離又は酸
素会合曲線としてX−Yプロッタ(20)に出力するよ
うにもできる。この例においても、図1に示した装置の
例と同様、サンプリングア−ムによるサンプリング位置
に検体を自動的に導入する構成を付加すること等によ
り、洗浄操作を含む全ての測定操作を自動的に実施する
装置を提供し得る。
に供給しつつ、まず中空糸膜モジュ−ル(12)に空気
を供給して赤血球を酸化し、後に窒素ガスを供給して赤
血球を還元すれば、赤血球の酸素解離曲線を得ることが
できる。この逆、つまりまず中空糸膜モジュ−ル(1
2)に窒素ガスを供給して赤血球を還元し、後に空気を
供給して赤血球を酸化すれば、赤血球の酸素会合曲線を
得ることができる。また前記同様、コンピュ−タ−(1
9)により酸化、還元時の吸光度を記憶するように構成
すれば、その差を0 〜100 %に換算し、酸素解離又は酸
素会合曲線としてX−Yプロッタ(20)に出力するよ
うにもできる。この例においても、図1に示した装置の
例と同様、サンプリングア−ムによるサンプリング位置
に検体を自動的に導入する構成を付加すること等によ
り、洗浄操作を含む全ての測定操作を自動的に実施する
装置を提供し得る。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法によれば、簡単な操作で、
しかも迅速に赤血球の酸素解離、会合をモニタ−するこ
とができる。特に、本発明の装置を使用すれば、検体
(血液試料)を所定位置にセットするだけで、複雑な操
作を必要とせず、赤血球の酸素解離、会合をモニタ−す
ることが可能である。特に本初発明の装置では、サンプ
リングから中空糸膜、検出器の洗浄までを自動的に実施
できる、赤血球の解離、会合モニタ−が可能となる。
しかも迅速に赤血球の酸素解離、会合をモニタ−するこ
とができる。特に、本発明の装置を使用すれば、検体
(血液試料)を所定位置にセットするだけで、複雑な操
作を必要とせず、赤血球の酸素解離、会合をモニタ−す
ることが可能である。特に本初発明の装置では、サンプ
リングから中空糸膜、検出器の洗浄までを自動的に実施
できる、赤血球の解離、会合モニタ−が可能となる。
【0029】本発明では、赤血球溶液が中空糸膜モジュ
−ル、酸素センサ−及び吸光度計等を通過する過程で、
その酸化又は還元反応はもとより、酸素解離、会合曲線
を得るのに必要な測定を完了できる。従って、測定に熟
練を要することなく、かつ、従来技術の方法と比較して
極めて短時間のうちに測定を完了することができる。
−ル、酸素センサ−及び吸光度計等を通過する過程で、
その酸化又は還元反応はもとより、酸素解離、会合曲線
を得るのに必要な測定を完了できる。従って、測定に熟
練を要することなく、かつ、従来技術の方法と比較して
極めて短時間のうちに測定を完了することができる。
【0030】
【実施例】以下に本発明を詳細に示すために実施例を記
載するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
載するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0031】実施例 1
図1に示した本発明の装置を用いて、実験用マウス及び
人血液についての酸素解離曲線を作成した。用いた中空
糸膜モジュ−ルは膜厚80μm 、長さ60mm、本数200 本の
中空糸を有するものであり、流速は1ml /分、測定に用
いた血液及び生理食塩水(9gの塩化ナトリウムに注射用
蒸留水を加えて1000mlとした、pH7.4 の生理食塩水)は
それぞれ25μl 、10mlであり、空気及び窒素ガス流量は
10ml/分である。なお、結果を得るまでに要した時間
は、1 血液試料当たり約5 分であった。
人血液についての酸素解離曲線を作成した。用いた中空
糸膜モジュ−ルは膜厚80μm 、長さ60mm、本数200 本の
中空糸を有するものであり、流速は1ml /分、測定に用
いた血液及び生理食塩水(9gの塩化ナトリウムに注射用
蒸留水を加えて1000mlとした、pH7.4 の生理食塩水)は
それぞれ25μl 、10mlであり、空気及び窒素ガス流量は
10ml/分である。なお、結果を得るまでに要した時間
は、1 血液試料当たり約5 分であった。
【0032】得られた結果を図4に示す。図中、実線は
実験用マウスについての、点線は人血液についての結果
を示すものであり、% に換算された吸光度差(縦軸)が
50%を示す地点の溶存酸素濃度(横軸、% )はそれぞれ
1.6 又は1.8 % であった。この値を酸素分圧に換算する
と、それぞれ11.2又は12.6 mmHg となり、一般的な正常
人の吸光度差50 %地点における酸素分圧(P 50、26.6 m
mHg )に比較してやや低い値となった。
実験用マウスについての、点線は人血液についての結果
を示すものであり、% に換算された吸光度差(縦軸)が
50%を示す地点の溶存酸素濃度(横軸、% )はそれぞれ
1.6 又は1.8 % であった。この値を酸素分圧に換算する
と、それぞれ11.2又は12.6 mmHg となり、一般的な正常
人の吸光度差50 %地点における酸素分圧(P 50、26.6 m
mHg )に比較してやや低い値となった。
【0033】実施例 2
図1の装置において、中空糸膜モジュ−ル(4)を具備
しない、即ち中空糸膜モジュ−ルを1つだけ有する本発
明の装置を装置を用いて以下の実験を行った。なお使用
した中空糸膜モジュ−ルは、膜厚が80、40又は20μm
で、長さ60mm、本数200 本の中空糸を有するもの、の3
種類である。
しない、即ち中空糸膜モジュ−ルを1つだけ有する本発
明の装置を装置を用いて以下の実験を行った。なお使用
した中空糸膜モジュ−ルは、膜厚が80、40又は20μm
で、長さ60mm、本数200 本の中空糸を有するもの、の3
種類である。
【0034】中空糸膜モジュ−ルの内部に、蒸留水を1m
l /分の流速で通過させ、まず最初に空気を接触させた
後、バルブを切り換えて窒素ガスを接触させた場合の中
空糸膜モジュ−ルを通過した蒸留水の溶存酸素量(解離
状態での溶存酸素量)、即ち酸素会合状態での溶存酸素
量及び酸素解離状態での溶存酸素量を溶存酸素計に寄り
測定した。なお、空気及び窒素ガスの流量は実施例1と
同様である。
l /分の流速で通過させ、まず最初に空気を接触させた
後、バルブを切り換えて窒素ガスを接触させた場合の中
空糸膜モジュ−ルを通過した蒸留水の溶存酸素量(解離
状態での溶存酸素量)、即ち酸素会合状態での溶存酸素
量及び酸素解離状態での溶存酸素量を溶存酸素計に寄り
測定した。なお、空気及び窒素ガスの流量は実施例1と
同様である。
【0035】結果を表1に示す。表1によれば、解離状
態での溶存酸素量(解離の欄)は膜厚が薄くなるにつれ
減少し、会合状態での溶存酸素量(会合の欄)は膜厚が
薄くなるにつれ増加するが、40μm 以下の場合ほぼ同一
であることが分かる。酸素解離、会合をモニタ−するた
めには、解離状態において測定される溶存酸素量が少な
く、かつ会合状態において測定される溶存酸素量が大き
いことが望まれるが、以上の結果から膜厚40μm 以下の
中空糸膜を使用することが特に好ましいことが理解でき
る。また、解離時と会合時のガス透過性の比を示す解離
状態での溶存酸素量と会合状態での溶存酸素量の比(比
の欄)は、小さいほど優秀なガス交換が可能であること
を示すが、膜厚が薄い中空糸ほど良好な結果を示すこと
が理解できる。
態での溶存酸素量(解離の欄)は膜厚が薄くなるにつれ
減少し、会合状態での溶存酸素量(会合の欄)は膜厚が
薄くなるにつれ増加するが、40μm 以下の場合ほぼ同一
であることが分かる。酸素解離、会合をモニタ−するた
めには、解離状態において測定される溶存酸素量が少な
く、かつ会合状態において測定される溶存酸素量が大き
いことが望まれるが、以上の結果から膜厚40μm 以下の
中空糸膜を使用することが特に好ましいことが理解でき
る。また、解離時と会合時のガス透過性の比を示す解離
状態での溶存酸素量と会合状態での溶存酸素量の比(比
の欄)は、小さいほど優秀なガス交換が可能であること
を示すが、膜厚が薄い中空糸ほど良好な結果を示すこと
が理解できる。
【0036】
【表1】
【0037】実施例 3
実施例2に記載した3 種類の中空糸膜モジュ−ルを使用
して、人血液の酸素解離曲線を実施例1と同様の条件下
で作成した。結果を図5に示す。
して、人血液の酸素解離曲線を実施例1と同様の条件下
で作成した。結果を図5に示す。
【0038】図5中、膜厚80μm の中空糸膜の結果では
p50 が低いが、膜厚が薄くなるにつれp50 値が上昇し、
膜厚が20μm の中空糸膜では一般的な正常人の吸光度差
50 %地点における酸素分圧(26.6 mmHg )が得られてい
ることが分かる。この結果からは、膜厚が20μm 以下の
中空糸膜を用いることが最も好ましいことが理解でき
る。
p50 が低いが、膜厚が薄くなるにつれp50 値が上昇し、
膜厚が20μm の中空糸膜では一般的な正常人の吸光度差
50 %地点における酸素分圧(26.6 mmHg )が得られてい
ることが分かる。この結果からは、膜厚が20μm 以下の
中空糸膜を用いることが最も好ましいことが理解でき
る。
【0039】実施例 4
実施例2と同一の条件下で、同一の膜厚(40μm )を有
する中空糸膜の長及び本数を変化させて膜の表面積を変
化させ、蒸留水中の溶存酸素量の変化を測定した。
する中空糸膜の長及び本数を変化させて膜の表面積を変
化させ、蒸留水中の溶存酸素量の変化を測定した。
【0040】結果を図6に示す。空気中の酸素濃度は2
0.9 %であるから、解離状態及び会合状態で測定された
溶存酸素量濃度の差が20.9 %となる膜面積が良い。図6
の結果からは、このような膜面積として65cm2 程度以上
が好ましく、より好ましくは70cm2 以上、特に好ましく
は80cm2 以上であることが理解できる。
0.9 %であるから、解離状態及び会合状態で測定された
溶存酸素量濃度の差が20.9 %となる膜面積が良い。図6
の結果からは、このような膜面積として65cm2 程度以上
が好ましく、より好ましくは70cm2 以上、特に好ましく
は80cm2 以上であることが理解できる。
【図1】本発明の赤血球の酸素解離、会合モニタ−装置
の一例を示す。
の一例を示す。
【図2】本発明の赤血球の酸素解離、会合モニタ−装置
に使用される、中空糸膜モジュ−ルの一例を示す。
に使用される、中空糸膜モジュ−ルの一例を示す。
【図3】酸素存在下(実線)、酸素非存在下(一点鎖
線)における赤血球の吸光度特性及び両者の差(点線)
を示す。図中、縦軸は吸光度(絶対値)を、横軸は測定
波長(nm)をそれぞれ示す。
線)における赤血球の吸光度特性及び両者の差(点線)
を示す。図中、縦軸は吸光度(絶対値)を、横軸は測定
波長(nm)をそれぞれ示す。
【図4】本発明の実施例1において、図1に示した装置
によりえら得た酸素解離曲線を示す。図中、実線は採血
直後のマウス血液についての、点線は採血直後のヒト血
液についての結果を示すものであり、縦軸は換算された
吸光度差(%)を、横軸は溶存酸素濃度(%)を示す。
によりえら得た酸素解離曲線を示す。図中、実線は採血
直後のマウス血液についての、点線は採血直後のヒト血
液についての結果を示すものであり、縦軸は換算された
吸光度差(%)を、横軸は溶存酸素濃度(%)を示す。
【図5】実施例3で得られた結果を示す。横軸は溶存酸
素分圧(PO2 、mmHg)を示し、縦軸は吸光度差(% )を
示す。図中、点線は膜厚80μm の中空糸膜を使用した場
合の、一点鎖線は膜厚40μm の中空糸膜を使用した場合
の、実線は膜厚20μm の中空糸膜を使用した場合の結果
をそれぞれ示す。
素分圧(PO2 、mmHg)を示し、縦軸は吸光度差(% )を
示す。図中、点線は膜厚80μm の中空糸膜を使用した場
合の、一点鎖線は膜厚40μm の中空糸膜を使用した場合
の、実線は膜厚20μm の中空糸膜を使用した場合の結果
をそれぞれ示す。
【図6】実施例4で得られた結果を示す。横軸は実施例
で使用した中空糸膜の総膜面積(cm2 )を、縦軸は酸素
会合及び酸素解離状態での溶存酸素酸素量の差(% )を
示す。
で使用した中空糸膜の総膜面積(cm2 )を、縦軸は酸素
会合及び酸素解離状態での溶存酸素酸素量の差(% )を
示す。
1 検体(血液試料)
2 生理食塩水
3 サンプリングア−ム
4、12 中空糸膜モジュ−ル
5、7、8 電磁弁
6 シリンジポンプ
9 ダイヤフラムポンプ
10、11 流量調節弁
13 フロ−セル型酸素センサ−
14 補償用チュ−ブ
15 吸光度計
16、17 増幅器
18 A/Dコンバ−タ
19 コンピュ−タ−
20 X−Yプロッタ
21 ハウジング
22 中空糸膜
23 シリコンシ−ル
24 ガス流入ポ−ト
25 ガス流出ポ−ト
26 試料導入口
27 試料排出口
Claims (3)
- 【請求項1】それぞれがガス透過性に優れた中空糸膜を
有する中空糸膜モジュールと、該モジュールに赤血球を
酸化し得る気体及び赤血球を還元し得る気体を供給する
手段及び該中空糸膜内に等張液に分散した赤血球溶液を
供給する手段を備えたことを特徴とする赤血球の酸素解
離、会合モニター装置。 - 【請求項2】ガス透過性に優れた中空糸膜がシリコン製
中空糸膜であることを特徴とする請求項1項の装置。 - 【請求項3】更に、赤血球溶液中の溶存酸素を測定する
ための手段及び赤血球溶液の吸光度を測定するための手
段を具えたことを特徴とする請求項1項の装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02658194A JP3404865B2 (ja) | 1993-02-26 | 1994-02-24 | 赤血球の酸素解離、会合モニタ−方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-37894 | 1993-02-26 | ||
JP3789493 | 1993-02-26 | ||
JP02658194A JP3404865B2 (ja) | 1993-02-26 | 1994-02-24 | 赤血球の酸素解離、会合モニタ−方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06308119A JPH06308119A (ja) | 1994-11-04 |
JP3404865B2 true JP3404865B2 (ja) | 2003-05-12 |
Family
ID=26364391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02658194A Expired - Fee Related JP3404865B2 (ja) | 1993-02-26 | 1994-02-24 | 赤血球の酸素解離、会合モニタ−方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3404865B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102016578B (zh) | 2008-03-21 | 2014-10-01 | 艾博特健康公司 | 利用红细胞内含有的血红蛋白的本征色素沉着来确定血样的血细胞比容的方法及设备 |
EP2519820B1 (en) | 2009-12-31 | 2013-11-06 | Abbott Point Of Care, Inc. | Method and apparatus for determining mean cell volume of red blood cells |
WO2011116305A1 (en) * | 2010-03-18 | 2011-09-22 | Abbott Point Of Care, Inc. | Method and apparatus for optically determining at least one hemoglobin related parameter of a whole blood sample |
CN105466996B (zh) * | 2015-12-30 | 2019-04-16 | 南京信息工程大学 | 一种氧电流测量电路、溶解氧测量仪及氧电流测量方法 |
-
1994
- 1994-02-24 JP JP02658194A patent/JP3404865B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06308119A (ja) | 1994-11-04 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |