JP3404737B2 - 小便器およびその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は小便器及びその製造
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の洗浄制御センサーを内蔵する小便
器では、小便器本体に蓋を設けていなかった。そして、
洗浄制御センサーの取付けは小便器の裏側から行うよう
にしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そのため、一度現場に
設置してしまうと、センサーの修理や取替をする時に裏
側からしか作業ができず、大変であった。そこで、本発
明では、設置後のセンサーの修理や取替をする時に作業
しやすい小便器及びその製造方法を提供することを目的
とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明は、小便器本体と、洗浄制御センサーと、小便器
本体の上部に載置された蓋とを有する小便器であって、
前記蓋は上面から見て略四角形状であり、その外周のう
ちの前面部及び側面部には袴部が設けられており、背面
部の少なくとも中央部分には、前記前面部の袴部と同一
形状の補強支持部が、蓋の背面より内側に、前記前面部
の袴部と平行な状態で設けられていることを特徴とす
る。外周のうちの前面部及び側面部には袴部が設けら
れ、かつ背面部には補強支持部が蓋の背面より内側に設
けられているので、蓋が小便器本体に安定に載置される
とともに、背面部に手を入れて簡単に取り外せるように
なる。また、前面部の袴部と同一形状の補強支持部が背
面部に前面部の袴部と平行に設けられているので、蓋前
方部と背面後方部との強度バランスが保たれ、乾燥時の
切れ、焼成時の変形、曲がりを防止することができる。
また、焼成時に、変形、曲がりを生じさせないための焼
成栃が不要となり、焼成栃の窯への製品毎の配置作業が
不要となり生産性が向上する。

【０００５】本発明の好ましい態様においては、前記補
強支持部は袋構造からなるようにする。そうすることに
より、支持部の強度が向上する。

【０００６】また本発明では、小便器本体と、その上部
に載せる蓋からなる上記小便器の製造工程であって、小
便器本体成形体及び蓋成形体を各々形成する工程、前記
各々の成形体に施釉する工程、焼成する工程を含み、前
記焼成工程では、小便器本体成形体の上に蓋成形体を載
置した状態で焼成することを特徴とする小便器の製造方
法を提供する。背面部に補強構造が無い場合、図４に示
す通り、この部分に焼成栃３を設置し焼成しなければな
らないが、この方法では窯詰め時間の増加、焼成栃３の
作成が必要、焼成途中の焼成栃のズレ、落下等による変
形、曲がり等欠点発生の問題がある。本発明では、小便
器本体成形体の上に背面部に補強支持構造を有する蓋成
形体を載置した状態で焼成することにより、窯詰め効率
が向上し、また欠点の発生も抑えられ、生産性の向上を
図ることができる。

【０００７】本発明の好ましい態様においては、前記補
強支持部は、鋳込み成形時に蓋本体と同時に成形される
ようにするか、或いは、前記補強支持部は、鋳込み成形
された蓋本体に接着後、乾燥、焼成することにより形成
可能であるようにする。そうすることにより、乾燥工程
及び焼成工程を行う前に、補強支持部が存在するので、
乾燥時の切れ、焼成時の変形、曲がりを防止することが
できる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施態様につい
て、図１、図２に基づき説明する。図２は、本発明の一
実施態様の小便器の側面図を示しており、図１は、その
蓋の断面図を示している。図２において、小便器本体１
０２の上に、蓋１０１が載置されている。このような複
雑な形態をとるのは、センサー感知方式によりボール内
洗浄を行うタイプの小便器であり、本体内部への洗浄制
御センサー等必要機器の設置、調整を容易にするため、
および電源として乾電池使用タイプのものでは、乾電池
交換等メンテナンスの簡素化の目的である。

【０００９】蓋１０１は上面から見て略四角形状であ
り、その外周のうちの前面部及び側面部には小便器本体
に載置するための袴部が設けられている。前面部及び側
面部の袴部は袋構造により形成されている。また、背面
部は、両端の側面部の袴部は蓋本体２背面と同一面にあ
るが、そこを除く中央部分は、前面部の袴部と同一形状
の袋構造からなる補強支持部１が、蓋本体２背面より内
側に、前面部の袴部と平行な状態で設けられている（図
１）。背面部の中央部分が蓋背面より内側に凹んだ位置
に設けられていることにより、蓋の取外しが容易とな
る。また、補強支持部１が、前面部の袴部と同一形状か
つ平行な状態で設けられていることにより、強度バラン
スが保たれ、乾燥時の切れ、焼成時の変形、曲がりを防
止することができる。

【００１０】本発明の小便器は、小便器本体成形体及び
蓋成形体を各々形成する工程、前記各々の成形体に施釉
する工程を行った後に、乾燥する工程、焼成する工程に
より作製可能である。

【００１１】袋構造を有する補強支持部は、鋳込み成形
時に蓋本体と同時に一重鋳込み成形により成形されるよ
うにするか、或いは、鋳込み成形された蓋本体に乾燥工
程前に接着することにより形成可能である。

【００１２】また焼成時は、図２に示すような、床置式
小便器本体１０２に蓋１０１を載置した形態で焼成を行
うようにするとよい。これにより、窯詰め効率が向上
し、また欠点の発生も抑えられ、生産性の向上を図るこ
とができるので好ましい。

【００１３】以上、図２の床置式小便器について説明し
たが、図３の壁掛け式小便器においても、同様の構成
で、同様の効果が得られるのは言うまでもない。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、設置後のセンサーの修
理や取替をする時に作業しやすい小便器及びその製造方
法を提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の小便器用蓋の一実施態様の側断面図。

【図２】本発明の床置式小便器の一実施態様の側面図。

【図３】本発明の壁掛式小便器の一実施態様の側面図。

【図４】蓋構造及びその焼成方法の一実施態様を示す
図。

【符号の説明】

１…補強支持部 ２…蓋本体 ３…焼成栃 １０１…蓋 １０２…床置式小便器本体 １０３…壁掛式小便器本体

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 小便器本体と、洗浄制御センサーと、小
   便器本体の上部に載置された蓋とを有する小便器であっ
   て、 前記蓋は上面から見て略四角形状であり、その外周のう
   ちの前面部及び側面部には袴部が設けられており、背面
   部の少なくとも中央部分には、前記前面部の袴部と同一
   形状の補強支持部が、蓋の背面より内側に、前記前面部
   の袴部と平行な状態で設けられていることを特徴とする
   小便器。
2. 【請求項２】 前記補強支持部は袋構造からなることを
   特徴とする請求項１に記載の小便器。
3. 【請求項３】 前記補強支持部は、一重鋳込み成形後に
   乾燥し焼成することにより形成可能であることを特徴と
   する請求項２に記載の小便器。
4. 【請求項４】 前記補強支持部は、鋳込み成形時に蓋本
   体と同時に成形されることを特徴とする請求項１〜３に
   記載の小便器。
5. 【請求項５】 前記補強支持部は、鋳込み成形された蓋
   本体に接着後、乾燥、焼成することにより形成可能であ
   ることを特徴とする請求項１〜３に記載の小便器。
6. 【請求項６】 請求項１〜５に記載の小便器の製造方法
   であって、小便器本体成形体及び蓋成形体を各々形成す
   る工程、前記各々の成形体に施釉する工程、焼成する工
   程を含み、前記焼成工程では、小便器本体成形体の上に
   蓋成形体を載置した状態で焼成することを特徴とする小
   便器の製造方法。
7. 【請求項７】 前記蓋成形体を形成する工程では、一重
   鋳込み成形による袋構造の補強支持部を、鋳込み成形に
   より蓋本体と同時に形成することを特徴とする請求項６
   に記載の小便器の製造方法。
8. 【請求項８】 前記蓋成形体を形成する工程では、蓋本
   体を鋳込み成形により形成後、別途作製した袋構造を持
   つ補強支持部を、前記蓋本体の背面部に接着することを
   特徴とする請求項６に記載の小便器の製造方法。