JP3403847B2 - 絶縁抵抗測定方法およびその装置 - Google Patents

絶縁抵抗測定方法およびその装置

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JP3403847B2 JP5023295A JP5023295A JP3403847B2 JP 3403847 B2 JP3403847 B2 JP 3403847B2 JP 5023295 A JP5023295 A JP 5023295A JP 5023295 A JP5023295 A JP 5023295A JP 3403847 B2 JP3403847 B2 JP 3403847B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両として広く使
用されている電気車において、主電動機の絶縁抵抗を計
測する絶縁抵抗測定方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、鉄道車両は、その殆ど
(90%以上)が直流電動機を駆動して走行する電気車
である。このような電気車は、変電所から架線(架空電
車線)を介して給電された電力をパンタグラフによって
集電し、抵抗器およびチョッパ制御装置等を介して主電
動機(直流電動機)に供給し、この主電動機が発生する
回転力を車輪に伝達して走行する。また、この架線を介
して主電動機に供給される電流は、車両本体から車輪、
レールを介して変電所に回収される。
【0003】図6は、主電動機が固定されている台車の
構成例を示す平面図である。この図において、符号1は
台車枠、2は輪軸、3は主電動機、4は継手、また5は
歯車装置(減速機)である。図示するように、1つの台
車枠1には、輪軸2、主電動機3、継手4、また減速機
5が各々1対設けられている。台車枠1は、車両の底部
に離間して2つ取り付けられる。輪軸2は、1対の車輪
2a、2aとこれら車輪2a、2aを連結する車軸2b
によって構成されており、軸ばね(図示略)等を介して
台車枠1にそれぞれ取り付けられている。主電動機3
は、ボルト等によって台車枠1に固定されていると共
に、その軸が継手4に連結されている。
【0004】減速機5は、大歯車5aと小歯車5bとに
より構成されており、大歯車5aはその軸心に車軸2b
が嵌入され、また小歯車5bは継手4に取り付けられて
いる。継手4は、撓み板を有した撓み継手であり、走行
中の振動等による輪軸2の変位に対して、大歯車5aと
小歯車5bとの軸心間の距離を一定状態に保ちつつ主電
動機3の回転力を減速機5に伝達する。
【0005】このように構成された台車において、主電
動機3が発生する回転力は、継手4を介して減速機5に
伝達され、さらに減速機5から輪軸2に伝達される。そ
して車両は、車輪2a、2aとレール(図示略)との間
に発生する摩擦力によって走行する。このとき、車両の
速度は、抵抗器の抵抗値を可変することにより主電動機
3に印加する電圧を変化させることによって、およびチ
ョッパ制御装置によって主電動機3に通電される電流の
通電率を変化させる等によって制御される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図7は、主
電動機として多用される直巻式の直流電動機の概略図で
ある。この図において、主電動機の端子aには、架線お
よびパンタグラフを介して電圧V0が印加され、この結
果、端子aから界磁巻線、電機子に向かって電流I0が
流れる。ここで、界磁巻線と界磁巻線が巻回されている
鉄心間の絶縁抵抗および電機子を構成する電機子巻線と
電機子鉄心間の絶縁抵抗が無限大であると仮定した場
合、電流I0の全てはこれら巻線を経由してレールに流
れる。
【0007】しかし、絶縁抵抗RL(上記各絶縁抵抗の
合成抵抗)を無限大と仮定することができない場合、電
流I0の一部は、漏れ電流ILとして界磁巻線あるいは電
機子巻線から鉄心、主電動機の筐体および台車を介して
レールに流れる。すなわち、端子aから端子a’を介し
てレールに流れる正規の電流ルートに対して、絶縁抵抗
RLの値に応じた漏れ電流ILが主電動機から筐体を介し
てレールに流れる。この絶縁抵抗RLは、界磁巻線と鉄
心間に介挿された絶縁物あるいは電機子巻線と電機子鉄
心との間に介挿された絶縁物等の抵抗であり、この抵抗
値はこれら絶縁物の経時的な劣化によって変化する。
【0008】この主電動機の絶縁抵抗の確認は、鉄道車
両を安全にかつ確実に運用するために重要な要件であ
る。従来、この絶縁抵抗の計測は、2ないし3年毎に修
繕工場にて行われる車両の定期メンテナンス時に行われ
ていた。この場合、主電動機は車両から取り外され、外
部電源から端子a−a’間に所定の電圧が印加されて該
端子aから電機子鉄心に流れる漏れ電流が測定される。
そして、この印加電圧と漏れ電流とによって絶縁抵抗が
算出されていた。すなわち、従来の主電動機の絶縁抵抗
の確認は、オフラインの作業として行われていた。
【0009】一方、近年、鉄道車両の電子機器化に伴
い、車両のメンテナンスをオンラインで行うことが検討
され、かつ、その一部が実施されてきた。しかるに、主
電動機の絶縁抵抗の確認は、上述したように主電動機を
車両から取り外して行う必要があるため、オンライン化
できない状況にあった。すなわち、主電動機の絶縁抵抗
の計測が一因となって鉄道車両のメンテナンスが効率的
に行えないという問題点があった。
【0010】本発明は、上述する問題点に鑑みてなされ
たもので、主電動機を車両本体から取り外すことなく、
主電動機の絶縁抵抗の計測を行うことが可能な絶縁抵抗
測定方法およびその装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、営業走行中に主電動機の絶
縁抵抗の計測を行うことが可能な絶縁抵抗測定方法およ
びその装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の絶縁抵抗
測定方法は、上述した目的を達成するために、電動機を
駆動して走行する鉄道車両において、前記電動機と台車
枠との間及び電動機と減速機との間に設けられた継手に
絶縁部材を介挿することにより前記電動機を電気的に絶
縁して前記車両に装着し、架線を介して供給される電力
に基づいて、前記電動機の巻線から鉄心、筐体を介して
前記車両に流れる漏れ電流及び車両の走行位置に応じて
変化する給電電圧を検出することにより前記電動機の絶
縁抵抗を計測することを特徴としている。
【0012】請求項2記載の絶縁抵抗測定方法は、電動
機を駆動して走行する鉄道車両において、 a.前記電動機と台車枠との間及び電動機と減速機との
間に設けられた継手に絶縁部材を介挿することにより
記電動機を電気的に絶縁して車両に装着し、 b.架線を介して前記電動機に電力を供給し、 c.前記電動機に印加されると共に車両の走行位置に応
じて変化する電圧および該電動機の巻線から鉄心、筐体
を介して前記車両に流れる漏れ電流をそれぞれ検出し、 d.前記電圧を前記漏れ電流によって除算する、ことを
特徴としている。
【0013】請求項3記載の絶縁抵抗測定方法は、請求
項2記載の発明において、前記電圧あるいは漏れ電流の
いずれか一方または両方が前記電動機に対して非接触で
検出されることを特徴としている。
【0014】請求項4記載の絶縁抵抗測定方法は、請求
項3記載の発明において、前記電圧あるいは漏れ電流の
いずれか一方または両方が電気光学変換を介して検出さ
れることを特徴としている。
【0015】請求項5記載の絶縁抵抗測定方法は、請求
項3記載の発明において、前記電圧あるいは漏れ電流の
いずれか一方または両方が電気磁気変換を介して検出さ
れることを特徴としている。
【0016】請求項6記載の絶縁抵抗測定装置は、電動
機を駆動して走行する鉄道車両において、架線から供給
される電力により前記電動機の絶縁抵抗を計測する絶縁
抵抗測定装置であって、電動機と台車枠との間及び電動
機と減速機との間に設けられた継手に介挿され、前記電
動機と車両とを電気的に絶縁する絶縁手段と、前記電動
機に印加されると共に車両の走行位置に応じて変化する
電圧を検出する電圧検出手段と、前記電動機の巻線から
鉄心、筐体を介して前記車両に流れる漏れ電流を検出す
る漏れ電流検出手段と、前記電圧を前記漏れ電流によっ
て除算する除算手段と、を具備することを特徴としてい
る。
【0017】請求項7記載の絶縁抵抗測定装置は、請求
項6記載の発明において、前記電圧検出手段あるいは前
記漏れ電流検出手段のいずれか一方または両方が、非接
触検出手段によって形成されていることを特徴としてい
る。
【0018】請求項8記載の絶縁抵抗測定装置は、請求
項7記載の発明において、前記電圧を検出する非接触検
出手段が光電圧検出器であることを特徴としている。
【0019】請求項9記載の絶縁抵抗測定装置は、請求
項7記載の発明において、前記漏れ電流を検出する非接
触検出手段が光電流検出器であることを特徴としてい
る。
【0020】請求項10記載の絶縁抵抗測定装置は、請
求項7記載の発明において、前記電圧を検出する非接触
検出手段が直流変成器であることを特徴としている。
【0021】請求項11記載の絶縁抵抗測定装置は、請
求項7記載の発明において、前記漏れ電流を検出する非
接触検出手段が直流変流器であることを特徴としてい
る。
【0022】請求項12記載の絶縁抵抗測定装置は、請
求項6ないし11いずれかの項記載の発明において、前
記電圧、前記漏れ電流、および前記除算手段による除算
結果を表示する複数の表示手段を具備することを特徴と
している。
【0023】
【作用】請求項1記載の絶縁抵抗測定方法によれば、電
動機は車両に対して電気的に絶縁されて装着され、電動
機の絶縁抵抗は架線を介して供給される電力に基づいて
計測される。
【0024】請求項2記載の絶縁抵抗測定方法によれ
ば、電動機は電気的に絶縁されて車両に装着され、架線
を介して該車両に電力が供給され、電動機に印加される
電圧および該電動機と車両との間を流れる漏れ電流がそ
れぞれ検出され、該電圧および該漏れ電流に基づいて電
動機の絶縁抵抗が算出される。
【0025】請求項3記載の絶縁抵抗測定方法によれ
ば、電圧あるいは漏れ電流のいずれか一方または両方が
非接触で検出される。
【0026】請求項4記載の絶縁抵抗測定方法によれ
ば、電圧あるいは漏れ電流のいずれか一方または両方が
電気光学変換を介して検出される。
【0027】請求項5記載の絶縁抵抗測定方法によれ
ば、電圧あるいは漏れ電流のいずれか一方または両方が
電気磁気変換を介して検出される。
【0028】請求項6記載の絶縁抵抗測定装置によれ
ば、絶縁手段は電動機と車両とを電気的に絶縁し、電圧
検出手段は電動機に印加される電圧を検出し、漏れ電流
検出手段は該電動機と車両との間に流れる漏れ電流を検
出し、演算手段は電圧を漏れ電流によって除算する。
【0029】請求項7記載の絶縁抵抗測定装置によれ
ば、非接触検出手段は電圧あるいは漏れ電流のいずれか
一方または両方を非接触で検出する。
【0030】請求項8記載の絶縁抵抗測定装置によれ
ば、電圧を検出する非接触検出手段は、当該電圧を一旦
光信号に変換し、さらにこの光信号を電気信号に変換し
て当該電圧のレベルを検出する。
【0031】請求項9記載の絶縁抵抗測定装置によれ
ば、漏れ電流を検出する非接触検出手段は、当該漏れ電
流を一旦光信号に変換し、さらにこの光信号を電気信号
に変換して当該漏れ電流のレベルを検出する。
【0032】請求項10記載の絶縁抵抗測定装置によれ
ば、直流変成器は電圧を変成器を介して検出する。
【0033】請求項11記載の絶縁抵抗測定装置によれ
ば、直流変流器は漏れ電流を変流器を介して検出する。
【0034】請求項12記載の絶縁抵抗測定装置によれ
ば、表示手段は電圧、漏れ電流および除算手段の除算結
果をそれぞれ表示する。
【0035】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例につ
いて説明する。図2は、本実施例における台車の構成を
示す平面図である。なお、上述した図6に示した部材と
同一の部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0036】この図において、従来の台車との構造上の
違いは、主電動機と他の部材との接続部に絶縁部材を介
挿した点である。すなわち、この台車では、主電動機
3、3と台車枠1との間に絶縁部材P1、P1、を介挿
し、また継手4の主電動機3、3側と減速機5側との間
には絶縁部材P2、P2を介挿している。また、図示しな
いが、主電動機3、3を台車枠1に固定するボルトにも
絶縁処理が施されており、主電動機3、3と台車枠1お
よび輪軸2、2との間に流れる漏れ電流の流出ルートが
完全に遮断されている。
【0037】次に、図1は、本実施例の絶縁抵抗測定装
置の構成を示すブロック図である。この絶縁抵抗測定装
置は、検出ユニットBと演算ユニットCとによって構成
されている。検出ユニットBは、主電動機3の筐体と車
両本体との間に介挿されており、架線10およびパンタ
グラフ11を介して主電動機3に印加された電圧V0は
検出ユニットBを経由してレール12に流れる。
【0038】ここで、多くの鉄道では、変電所から架線
に給電される電圧の定格値は1500ボルトである。し
かし、実際に車両に給電される電圧は、車両の走行位
置、すなわち車両の変電所に対する距離等によって10
00ボルトから最大1800ボルトまでの範囲で変化す
る。したがって、主電動機3には1000ボルト〜18
00ボルトの電圧が印加される。
【0039】検出ユニットBは、分圧器b1と電流検出
器b2とから構成されている。分圧器b1は、架線および
パンタグラフを介して主電動機3に印加される電圧V0
を抵抗分割し、電圧VBとして出力する。電流検出器b2
は、車両に対して絶縁された主電動機3の筐体と台車枠
1との間に介挿された電線によって主電動機3の巻線か
ら鉄心、筐体を介してレールに流れる漏れ電流ILを検
出し、電圧VIに変換して出力する。
【0040】ここで、図3は、この電流検出器の具体的
な構成を示すブロック図である。本実施例では、電流検
出器として交流励磁飽和型直流変流器(直流CT)を用
いている。図において、符号b2aは一次貫通線であり、
主電動機3の筐体と台車枠1との間に介挿された上記電
線である。この一次貫通線b2aは、漏れ電流ILが流れ
ると共に2つ備えられたリング状のコアb2b、b2cの内
部を貫通するように設けられている。コアb2bとコアb
2cとは重ねられた状態とされ、2次巻線b2dが一次貫通
線b2aと逆極性となるように巻回されている。この2次
巻線b2dの片端には、他方が接地された検出抵抗b2eが
接続されており、この検出抵抗b2eの両端に発生する電
圧VIとして漏れ電流ILが検出される。
【0041】また、各コアb2b、b2cには、検出用巻線
b2f、b2gが同一極性となるように直列に巻回されてい
ると共に、励磁用巻線b2h、b2iが逆極性となるように
巻回されている。検出用巻線b2gの片端は接地され、ま
た検出用巻線b2fの片端は検波器b2kに接続されてい
る。また、励磁用巻線b2h、b2iの片端は励磁用発振器
b2jにそれぞれ接続されていると共に、もう一方の端子
は接地されている。この励磁用発振器b2jは、コアb2
b、b2cを励磁する一定周波数の励磁信号を発生する発
振器である。
【0042】検出用巻線b2f、b2gは、この交流励磁信
号による励磁電流と漏れ電流ILとの作用によってコア
b2b、b2cに発生する2次調波磁束(励磁電圧の2倍の
周波数)を検出し、2次調波電圧Vfとして検波器b2k
に出力する。検波器b2kは、この2次調波電圧Vfを検
波し、2次調波電圧Vfのレベルに応じた電圧Vkを増幅
器b2lに出力する。増幅器b2lは、電圧Vkを増幅する
と共に電流Isに変換して2次巻線b2dの片端にフィー
ドバックする。
【0043】次に、演算ユニットCの構成について説明
する。この演算ユニットCは、増幅器c1、c2、除算器
c3、表示器c4〜c6、レセプタクルc7〜c9によって
構成されている。増幅器c1は、ローパスフィルタを有
しており、電圧VBに含まれる高周波雑音電圧を除去す
ると共に、当該電圧VBを増幅し電圧VCとして除算器c
3および表示器c4に出力する。また、増幅器c2も内部
にローパスフィルタを有しており、電圧VIに含まれる
高周波雑音電圧を除去すると共に、当該電圧VIを増幅
し電圧VLとして除算器c3および表示器c5に出力す
る。除算器c3は、この電圧VCを電圧VLによって除算
し、この結果得られる電圧VRを表示器c6に出力する。
【0044】表示器c4は、7セグメントLEDを有し
ており、電圧VCを数値変換して当該7セグメントLE
Dに表示する。また、表示器c4は、バッファを介して
電圧VCをレセプタクルc7に出力すると共に、電圧VC
をBCDコードによる電圧データに変換してレセプタク
ルc7に出力する。表示器c5は電圧VLについて、また
表示器c6は電圧VRについて、上述した表示器c4と同
様の処理を行い、それぞれにバッファリングされた電圧
VL、VRとBCDコードによる電圧データを各レセプタ
クルc8、c9に出力する。
【0045】また、図4は、上述した絶縁抵抗測定装置
の外観図である。分圧器b1から出力される電圧VBと電
流検出器b2から出力される電圧VIとは、各々専用接続
ケーブルによって検出ユニットBから演算ユニットCに
供給される。また、演算ユニットCには、漏れ電流IL
の検出感度を設定する検出レンジ・スイッチが設けられ
ており、この検出レンジ・スイッチは漏れ電流ILの検
出感度をフルレンジで1mAあるいは10mAに設定す
る。また、演算ユニットCには、計測開始スイッチが設
けられており、この絶縁抵抗測定装置は、この計測開始
スイッチが[ON」状態とされると絶縁抵抗の計測を開
始する。
【0046】次に、上述した絶縁抵抗測定装置の動作に
ついて説明する。まず、計測開始スイッチが操作されて
絶縁抵抗の計測が開始される。ここで、架線10を介し
て主電動機3に印加された電圧V0は、検出ユニットB
内の分圧器b1に常時印加されている。この電圧V0は、
上述したように1000ボルト〜1800ボルトの高圧
電圧である。分圧器b1は、この電圧V0を抵抗ネットワ
ークによって1/X(X:分圧比)に分圧し、電圧VB
として演算ユニットCに出力する。ここで、分圧比X
は、演算ユニットCの増幅器c1のダイナミックレンジ
に基づいて決定されている。
【0047】一方、主電動機3の漏れ電流ILは、主電
動機3が車両に対して絶縁されているので、電流検出器
b2の一次貫通線b2aのみに流れる。電流検出器b2は、
この漏れ電流ILを以下のように検出し、電圧VIとして
演算ユニットCに出力する。すなわち、図3に示した直
流CTでは、励磁用発振器b2jによってコアb2b、b2c
に励磁電圧が印加されており、よってコアb2b、b2cは
磁気飽和状態とされている。しかし、励磁用巻線b2hと
励磁用巻線b2iとは互いに逆極性となるようにコアb2
b、b2cに巻回されているため、またコアb2bとコアb2
cとは同一の磁気特性を有する素材によって形成されて
いるため、この状態では2次巻線b2dおよび検出用巻線
b2f、b2gには何等電流が流れない。
【0048】しかし、ここで、一次貫通線b2aに漏れ電
流ILが流れると、コアb2bとコアb2cとの磁気飽和状
態のバランスが崩れる。この場合、コアb2b、b2cにお
ける磁気特性の非線形性が要因となり、コアb2b、b2c
には励磁信号による励磁磁束の2倍の周波数を有する2
次調波磁束が発生する。検出用巻線b2f、b2gは、この
バランスのズレ量に応じた2次調波磁束を検出して2次
調波電圧Vfとして検波器b2kに出力する。そして、検
波器b2kは励磁信号の2倍の周波数を有する2次調波電
圧Vfを検波して電圧Vk(直流)に変換して増幅器b2l
に出力する。増幅器b2lは、電圧Vkを直流増幅すると
共に電流Isに変換して2次巻線b2dに帰還させる。こ
こで、2次巻線b2dは一次貫通線b2aとは逆極性となる
ようにコアb2b、b2cに巻回されているので、漏れ電流
ILによるコアb2bとコアb2cの磁気飽和状態のバラン
スの崩れを補償するように作用する。
【0049】すなわち、漏れ電流ILによる磁気飽和状
態のバランスの崩れが電流Isによって補償、つまり2
次調波磁束が最小となって状態において、コアb2b、b
2cを介した検出用巻線b2f、b2gから2次巻線b2dまで
の帰還ループがつり合う。この結果、検出抵抗b2eに
は、このつり合い状態を満足する検出電流Isが流れる
こととなる。この検出電流Isは漏れ電流ILに対応した
値であり、これを検出抵抗b2eによって電圧VIとして
取り出す。この漏れ電流ILの値は、数ミリアンペアか
ら数十ミリアンペアの微小電流であり、この直流CTは
このような微小な漏れ電流ILを精度良く検出すること
ができる。
【0050】ここで、一次貫通線b2aのターン数は1タ
ーンとなっている。いま、検出抵抗b2eの値をRs、ま
た2次巻線b2dのターン数をmとすると、電圧VIは、
次式で与えられる。 VI=Rs・IL/m (1) すなわち、電圧VIは漏れ電流ILに比例した値として与
えられる。この式において比例定数Rs/mは、この電
流検出器b2の変換効率を示している。
【0051】次に、演算ユニットCに入力された電圧V
B、VIは、増幅器c1、c2によって各々高周波雑音成分
が除去されて一定の増幅率Kで増幅された後、電圧V
C、VLとして除算器c3に出力される。ここで、電圧VC
は、主電動機3に印加された電圧V0に、分圧器b1の分
圧比Xと増幅器c1の増幅率Kとによって決定される変
換率T1を乗じた値として除算器c3に出力される。一
方、電圧VLは、漏れ電流ILに電流検出器b2の変換効
率Rs/mと増幅器c2の増幅度Kとによって決定される
変換率T2を乗じた値として除算器c3に出力される。
【0052】ここで、変換率T2は変換率T1と同一とな
るように設定されており、したがって電圧VC、VLは、
各々に同一の変換率T1(あるいはT2)を乗じた値とし
て除算器c3に入力される。したがって、除算器c3は、
除算係数1で電圧VCを電圧VLによって除算することに
より、主電動機3の絶縁抵抗RLを電圧VRとして出力す
る。なお変換率T2と変換率T1とを異なる値として設
定する場合は、上述した除算係数を変換率T2と変換率
T1との差に応じて変更すれば良い。
【0053】この電圧VRは、表示器c6に入力されて数
値表示されると共に、アナログ電圧及びBCDコードに
よるデジタル・データとしてレセプタクルc9に出力さ
れる。また、主電動機3に印加された電圧V0を示す電
圧VCおよび漏れ電流ILを示す電圧VLも表示器c4、c
5にそれぞれ入力されて数値表示されると共に、アナロ
グ電圧及びBCDコードによるデジタル・データとして
レセプタクルc7、c8にそれぞれ出力される。
【0054】また、図5は、この絶縁抵抗測定装置によ
る絶縁抵抗の計測結果の一例である。各表示器c4〜c6
には、絶縁抵抗RL、主電動機3に印加される電圧V0お
よび漏れ電流ILが同時に表示されるので、当該絶縁抵
抗RLの計測時の状態を容易に確認することができる。
また、これらの計測データは、レセプタクルc7〜c9を
介してアナログおよびデジタルのデータとして外部に出
力されるので、パソコン等による計測データの記憶、編
集またはオシロスコープ等による波形観測が容易に行え
る。
【0055】なお、上述した実施例では、抵抗ネットワ
ークによる分圧器によって主電動機に印加させる電圧を
検出したが、本発明は上述した実施例に限定されるもの
ではなく、フォトカプラ等の光電圧検出器を用いて検出
ユニットと演算ユニットとの間をアイソレーションする
ことにより、演算ユニットに高電圧が印加される危険を
防止することができる。このことは、電流検出器につい
ても同様であり、直流CTの代わりにフォトトランジス
タ等の光電流検出器を用いるこが可能である。また、分
圧器として抵抗ネットワークの代わりに直流変成器を用
いても良い。
【0056】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の絶縁抵
抗測定方法およびその装置は以下のような効果を奏す
る。 (1)電動機を車両に対して電気的に絶縁しているの
で、架線から給電される電力を利用して電動機の絶縁抵
抗を計測することが可能である。 (2)架線から給電される電力によって電動機の絶縁抵
抗が計測されるので、営業走行中に電動機の絶縁抵抗を
計測することが可能である。 (3)電動機を車両から取り外す必要がないので、短時
間で効率的に電動機の絶縁抵抗を計測することが可能で
ある。したがって、車両のメンテナンスに関わるコスト
を削減することが可能である。 (4)容易に電動機の絶縁抵抗を計測することができる
ので、ショートタイムできめ細かな絶縁抵抗の経時変化
の監視が可能となる。 (5)電動機に印加される電圧を漏れ電流で除算するこ
とにより絶縁抵抗が演算されるので、架線に給電される
電圧の変動に対して安定的に絶縁抵抗を計測することが
可能である。 (6)非接触で電圧あるいは漏れ電流が検出されるの
で、電圧あるいは漏れ電流を出力する出力側に架線から
供給される高電圧が印加されることがない。したがっ
て、絶縁抵抗を測定する場合の安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絶縁抵抗測定装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】本発明に係わる車両において、主電動機が装着
されている台車の構成例を示す平面図である。
【図3】本発明の絶縁抵抗測定装置において、電流検出
器の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の絶縁抵抗測定装置の一例を示す外観図
である。
【図5】本発明の絶縁抵抗測定装置による計測結果の一
例を示す図である。
【図6】従来の鉄道車両において、主電動機が装着され
ている台車の構成例を示す平面図である。
【図7】従来の鉄道車両において、主電動機として多用
される直巻式の直流電動機の概略図である。
【符号の説明】
1 台車枠 2 輪軸 3 主電動機 4 継手 5 減速機(歯車装置) IL 漏れ電流 RL 絶縁抵抗 b1 分圧器 b2 電流検出器 c1、c2 増幅器 c3 除算器 c4〜c6 表示器 c7〜c9 レセクタプル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−173773(JP,A) 特開 昭57−173765(JP,A) 特開 平2−98673(JP,A) 実開 昭63−202106(JP,U) 実開 昭52−37979(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 27/18 B60L 3/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機を駆動して走行する鉄道車両にお
    いて、前記電動機と台車枠との間及び電動機と減速機との間に
    設けられた継手に絶縁部材を介挿することにより 前記電
    動機を電気的に絶縁して前記車両に装着し、架線を介し
    て供給される電力に基づいて、前記電動機の巻線から鉄
    心、筐体を介して前記車両に流れる漏れ電流及び車両の
    走行位置に応じて変化する給電電圧を検出することによ
    り前記電動機の絶縁抵抗を計測する、 ことを特徴とする絶縁抵抗測定方法。
  2. 【請求項2】 電動機を駆動して走行する鉄道車両にお
    いて、 a.前記電動機と台車枠との間及び電動機と減速機との
    間に設けられた継手に絶縁部材を介挿することにより
    記電動機を電気的に絶縁して車両に装着し、 b.架線を介して前記電動機に電力を供給し、 c.前記電動機に印加されると共に車両の走行位置に応
    じて変化する電圧および該電動機の巻線から鉄心、筐体
    を介して前記車両に流れる漏れ電流をそれぞれ検出し、 d.前記電圧を前記漏れ電流によって除算する、 ことを特徴とする絶縁抵抗測定方法。
  3. 【請求項3】 前記電圧あるいは漏れ電流のいずれか一
    方または両方が、前記電動機に対して非接触で検出され
    ることを特徴とする請求項2記載の絶縁抵抗測定方法。
  4. 【請求項4】 前記電圧あるいは漏れ電流のいずれか一
    方または両方が、電気光学変換を介して検出されること
    を特徴とする請求項3記載の絶縁抵抗測定方法。
  5. 【請求項5】 前記電圧あるいは漏れ電流のいずれか一
    方または両方が、電気磁気変換を介して検出されること
    を特徴とする請求項3記載の絶縁抵抗測定方法。
  6. 【請求項6】 電動機を駆動して走行する鉄道車両にお
    いて、 架線から供給される電力に基づいて前記電動機の絶縁抵
    抗を計測する絶縁抵抗測定装置であって、電動機と台車枠との間及び電動機と減速機との間に設け
    られた継手に介挿され、 前記電動機と車両とを電気的に
    絶縁する絶縁手段と、 前記電動機に印加されると共に車両の走行位置に応じて
    変化する電圧を検出する電圧検出手段と、 前記電動機の巻線から鉄心、筐体を介して前記車両に
    れる漏れ電流を検出する漏れ電流検出手段と、 前記電圧を前記漏れ電流によって除算する除算手段と、 を具備することを特徴とする絶縁抵抗測定装置。
  7. 【請求項7】 前記電圧検出手段あるいは前記漏れ電流
    検出手段のいずれか一方または両方が、非接触検出手段
    によって形成されていることを特徴とする請求項6記載
    の絶縁抵抗測定装置。
  8. 【請求項8】 前記電圧を検出する非接触検出手段は、
    光電圧検出器であることを特徴とする請求項7記載の絶
    縁抵抗測定装置。
  9. 【請求項9】 前記漏れ電流を検出する非接触検出手段
    は、光電流検出器であることを特徴とする請求項7記載
    の絶縁抵抗測定装置。
  10. 【請求項10】 前記電圧を検出する非接触検出手段
    は、直流変成器であることを特徴とする請求項7記載の
    絶縁抵抗測定装置。
  11. 【請求項11】 前記漏れ電流を検出する非接触検出手
    段は、直流変流器であることを特徴とする請求項7記載
    の絶縁抵抗測定装置。
  12. 【請求項12】 前記電圧、前記漏れ電流、および前記
    除算手段による除算結果を表示する複数の表示手段を具
    備することを特徴とする請求項6ないし11いずれかの
    項記載の絶縁抵抗測定装置。
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